JPH11304652A - レンズ検査装置 - Google Patents

レンズ検査装置

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JPH11304652A
JPH11304652A JP10829298A JP10829298A JPH11304652A JP H11304652 A JPH11304652 A JP H11304652A JP 10829298 A JP10829298 A JP 10829298A JP 10829298 A JP10829298 A JP 10829298A JP H11304652 A JPH11304652 A JP H11304652A
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axis
lens
mtf
light source
mirror
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JP10829298A
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Masao Sadanao
雅生 定直
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】MTF測定とともに、レンズ鏡筒の剛性、ある
いは軸ブレの測定が容易にできるレンズ測定装置を提供
する。 【構成】被検レンズ11の軸上を透過した光束によって
形成された軸上チャートCAの像に基づいて被検レンズ
の機械的剛性を測定するレンズ測定装置であって、被検
レンズ11を、その光軸を軸心として回転させる回転マ
ウント101を備え、この回転マウント101を開始し
て被検レンズ101を回転させることで、軸上チャート
CAの像と、被検レンズ11との相対的方向を変えてM
TFを測定し、被検レンズの機械的剛性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、結像レンズ、特にカメラ
の撮影レンズのMTF、偏心、像面湾曲などの測定、検
査が可能なレンズ検査装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】カメラの撮影レンズの性
能、特性の測定、検査方法として、MTFを用いた測定
方法がある。この測定では、測定・検査に用いる光の進
行方向順に、光源、チャート、被検レンズおよび受光素
子が配置される。
【0003】図15に、従来のMTF検査装置の光学系
の概要を示した。光源102A、集光レンズ103A、
軸上チャートCAおよび被検レンズ101は、光源10
2Aから発せられた主光束が、これらの中心、光軸と一
致するように配置されている。光源ランプ102Aから
発せられた光束は、集光レンズ103Aにより収束さ
れ、軸上チャートCAを照明する。軸上チャートCAは
透過型のチャートであって、被検レンズ101は、軸上
チャートCAの像を、軸上像面105Aに結ぶ。光源ラ
ンプ102Zおよび集光レンズ102Zは、光軸O101
に対して所定角度S2傾けて配置されている。光源ラン
プ102Zから発した光束は、集光レンズ103Bによ
り収束されて軸外チャートCZを照明する。軸外チャー
トCZは透過型のチャートであって、被検レンズ101
は、軸外チャートCZの像を軸外像面105Zに結ぶ。
【0004】被検レンズ101によって形成されたチャ
ートCA、CZの像を検査するために、像面105A、
105ZにCCDなどのイメージセンサを配置してチャ
ートCA、CZの像を撮像する。そして、撮像したチャ
ート像をコンピュータなどの画像処理装置で処理するこ
とで、レンズ検査、レンズ性能の測定をしている。
【0005】カメラの撮影レンズの場合、有限距離測定
においても2〜3mの物像間距離によって測定するのが
一般的である。したがって、被検レンズ101がカメラ
の撮影レンズの場合、軸上チャートCAから軸上像面1
05Aまでの距離は2〜3mとなり、この距離以上の空
間が必要である。さらに図15に示したように、チャー
トCA、CZおよびその照明のための光源102A、1
02Zを設置する空間が必要なので、その分さらに長い
距離が必要になる。
【0006】さらに、軸外主光線LZが光軸O101 と成
す入射角S2および射出角S1は、レンズの種類により
異なるので、軸外測定のための光学要素(光源102
Z、集光レンズ103Z、チャートCZ)は、被検レン
ズの光学的中心をほぼ回転中心として、角度S2、S1
を変更する方向の回転が必要となる。例えば、被検レン
ズの焦点距離を20mm〜400mm、像高hを15mmとす
れば、入射角S2は約37.5゜〜2.5゜、射出角S
1はレンズにより変化するが、約45゜〜5゜の範囲に
なる。そのため、図15に示したレンズ検査装置は、図
の上下方向にも拡大し、およそ4m四方の設置面を必要
とする大型の装置となる。また、物像間距離が無限の装
置は、この従来構成では光源、集光レンズ、チャートと
像面との間隔を無限遠に設置しなければならないので、
事実上実現不可能である。
【0007】また、近年のカメラ、とくにいわゆるコン
パクトカメラは、カメラボディの薄型化、軽量化が望ま
れている。さらにこのようなコンパクトカメラでは、ズ
ームレンズの高ズーム比が望まれている。そのため、軽
量化を図りつつ収納時のズームレンズ鏡筒全長を短くす
るために、レンズ鏡筒の素材にプラスチックを使用し、
二段、三段繰り出し式にするなど、多段式が開発されて
いる。
【0008】しかし、このようにレンズ鏡筒をプラスチ
ックの多段式にすると、十分な機械的強度が得られ難く
なる。そのため、鏡筒が光軸に対して軸ブレしたり、撓
んだりする虞れもある。この問題は、レンズ鏡筒を繰り
込んで全長が最も短い場合には発生しなくても、レンズ
鏡筒を繰り出したときに、特に、カメラを横位置に構え
た状態で発生するおそれもある。そこで、このような撮
影レンズについて、MTF測定とともに、軸ブレの測定
が可能なレンズ検査装置が望まれていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなさ
れたもので、MTF測定とともに、レンズ鏡筒の剛性、
あるいは軸ブレの測定が容易にできるレンズ測定装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【発明の概要】この目的を達成する本発明は、被検レン
ズを透過した軸上光束によって形成されたチャート像に
基づいてレンズ特性を測定するレンズ検査装置であっ
て、前記チャート像と、前記被検レンズとの相対的方向
を変える手段を備え、前記被検レンズに入射するチャー
ト像の相対的方向を変えて測定することに特徴を有す
る。本発明の実施の形態は、被検レンズを軸上MTFを
設定された方位で測定して算出したMTFと、前記方位
とは逆の方位で測定して算出したMTFとを比較し、そ
の差異から被検レンズの機械的剛性を評価する評価手段
を備える。さらに本発明の実施の形態では方位を変える
手段として、被検レンズをその光軸を軸として回転させ
るレンズ回転駆動手段を備える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を説明
する。図1は、本発明の一実施の形態の要部を示す図で
ある。この実施の形態は、装置の全長を短縮するため
に、被検レンズと像面との間に軸上、軸外結像レンズを
配置して被検レンズから像面までの光路長を短縮すると
共に、無限の物像間距離での測定も可能としたことに特
徴の一つがある。さらに、光源からの軸上光束、軸外光
束をそれぞれ、被検レンズの前後に配置したミラーで折
り曲げることにより、装置の全長の短縮と共に、装置全
体の幅を狭くしてコンパクト化を図っていることにも特
徴がある。なお、本発明の実施の形態は逆投影法により
MTFを測定するので、測定用光束の進行方向が実際の
被検レンズの使用時と逆になる。そこで本発明の実施の
形態の説明において、測定用光束の進行方向とは無関係
に、被検レンズの使用時に、被検レンズに入射する軸外
主光線が被検レンズの光軸となす角度(入射角)をS
1、被検レンズを透過する軸外主光線が被検レンズの光
軸となす角度(射出角)をS2と定義する。
【0012】図示実施の形態の被検レンズ11は、カメ
ラの撮影レンズである。このレンズ検査装置における光
束の進行方向は、被検レンズ11の本来の使用状態とは
逆方向である。つまり、フィルムに相当する位置に軸上
測定用のチャートCAおよび軸外測定用のチャートCZ
を置き、これらを、被検レンズ11とは反対側に配置し
た光源ミラー部2からの軸上光束LAおよび軸外光束L
Zで照明し、被検レンズ11の軸上、軸外を透過させ
て、軸上、軸外集光レンズ41、42を介して軸上、軸
外チャートCA、CZの像を軸上、軸外受光素子43、
44に投影し、軸上、軸外受光素子43、44でチャー
トCA、CZの像を撮像する。この実施の形態では、光
源ミラー部2からの軸上光束LAおよび軸外光束LZの
主光線は、いずれも図1の紙面と平行に進む。
【0013】光源ミラー部2は、光源ランプ20と、光
源ランプ20から出た光束を分割してチャートCA、C
Zに向けて反射する、軸上光源ミラー21および可動軸
外光源ミラー22を備えている。軸上光源ミラー21は
ハーフミラーであって、光源ランプ20から出た光束の
一部を反射して軸上光束LAとし、残りを透過して軸外
光束LZとする。軸上光源ミラー21で反射した軸上光
束LAは軸上チャートCAを照明する。軸上光源ミラー
21を透過した光束は、可動軸外光源ミラー22で反射
して軸外光束LZとなり、軸外チャートCZを照明す
る。可動軸外光源ミラー22は、軸上光源ミラー21に
対して直線上を接離移動可能に支持され、かつ紙面と直
交する方向に延びる軸により、その軸心を中心に回転可
能に支持されている。さらに光源ミラー部2は、光源ラ
ンプ20と軸上光源ミラー21との間に、光量調節用の
減光フィルタ切り換え装置23を備えている。
【0014】被検レンズ11は、レンズマウント部1の
レンズマウント(図示せず)に装着されている。このレ
ンズマウントは、被検レンズ11をその光軸O11を軸心
として回転可能に支持し、任意の方位に設定可能な、公
知の機構である。本実施の形態では、図1において、こ
のレンズ検査装置が被検レンズを装着するカメラボディ
または撮影レンズをカメラボディに装着した仮定したと
きに、カメラボディの上方を示す指標が紙面の上方であ
る。
【0015】被検レンズ11を回転させる回転機構は、
詳細は図示しないが、コンピュータ6の指示により所定
の角度に設定可能な構造であり、被検レンズを、十分な
機械的回転精度を保ちながら、被検レンズの取り付けお
よび取り外しが可能なマウント部を備えている。そし
て、入射側および射出側に、入射、射出角S1、S2の
変化を見越して光束LA、LZを通せる空間が確保され
ている。なお、回転機構の回転部分は、SSK材を焼き
入れ研磨し、精密級スチールボールをリテナー込みで装
着する構成により、軸心の傾き、ずれなど、機械的な精
度を確保できる。また、回転動力には、エンコーダ付き
サーボモータを使用し、電源ON時に回転の原点検出が
可能なように、フォトインタラプタあるいはリミットス
イッチを設置することで、高精度の回転角度制御が容易
になる。
【0016】レンズマウント部1には、被検レンズ11
よりも光源ミラー部2側に、20本/mmの軸上チャート
CAと10本/mmの軸外チャートCZが設置されてい
る。軸上チャートCAを透過した軸上光束LAは、被検
レンズ11のほぼ中心を透過し、ミラー部3の軸上ミラ
ー31で反射し、軸上結像レンズ41 を透過して軸上チ
ャートCAの像を軸上受光素子43上に形成する。一
方、軸外チャートCZを透過した軸外光束LZは、被検
レンズ11の周辺部に入射して周辺部から射出する。そ
して、ミラー部3の可動軸外ミラー32で反射し、軸外
集光レンズ42を透過して軸外チャートCZの像を軸外
受光素子44の受光面上に形成する。
【0017】このレンズ検査装置は、集光レンズ41、
42の収束作用によってチャートCA、CZの像が被検
レンズ11単独の場合よりも近距離に形成されるので、
レンズ検査装置の光路長が短縮されている。
【0018】受光素子43、44に投影されたチャート
CA、CZの像は、受光素子43、44によって電気的
な画素信号に変換され、コントラスト検出回路5により
コントラストに対応する電圧に変換され、A/D変換回
路によってディジタル信号とされてコンピュータ6で処
理される。コンピュータ6は、このようにして得た軸
上、軸外チャート像のコントラスト値を、予め設定して
メモリしておいた良否判定値と比較することにより、被
検レンズ11の良否の検査を行う。つまり、軸上チャー
トCAの像および軸外チャートCZの像のコントラスト
値を測定し、そのコントラスト値を良否判定値と比較し
て被検レンズ11の良否を判定する。また、図示実施の
形態は、被検レンズ11のピント誤差を測定するため
に、受光素子43、44を、設計上のピント位置(基準
位置)を中心として前後所定距離範囲でステップ移動さ
せ、各ステップ移動位置でコントラストを測定して、ピ
ント誤差を測定する。
【0019】コントラストとは鮮鋭度のことであり、本
実施の形態では、像の最も明るい部分と暗い部分の光量
の差を、明るい部分と暗い部分の光量の和で割った値を
コントラストとして使用する。「MTF」はコントラス
トの伝達関数、つまり、出力像のコントラストを入力像
のコントラストで割った商である。例えば、このレンズ
検査装置では、軸上は20本/mm、軸外は10本/mmの
コントラストが1に近いチャートを入力像として用いる
ので、理想状態におけるコントラストとMTFとは同じ
値である。
【0020】被検レンズ11および軸上集光レンズ41
により軸上チャートCAの像は軸上受光素子43に投影
される。軸上チャートCAの空間周波数は20本/mmで
あるが、軸上受光素子43には、軸上チャートCAに投
影倍率を掛けた大きさの像が投影される。軸上集光レン
ズ41の焦点距離を250mm、被検レンズ11の焦点距
離を50mm、∞状態での測定とすれば、結像面の倍率
(被検レンズ11および集光レンズ41からなる光学系
の横倍率)は5倍となり、軸上受光素子43には4本/
mmの像が投影される。したがって軸上受光素子43は、
4本/mmのサイン状の光量分布を電気的に変換できれば
よい。本実施の形態では、画素ピッチが14μm である
汎用のファクシミリ用CCDラインセンサの使用が可能
なので、安価に軸上、軸外受光素子43、44を構成で
きる。また、軸上、軸外受光素子43、44は、S/
N、温度特性、光量のリニアリティ等が良好なほどよい
が、温度特性は、回路またはソフトによる補正が可能で
ある。
【0021】図示実施の形態のコントラスト検出手段で
はアナログ信号処理でコントラストを算出するが、CC
Dの出力を直ちにA/D変換してデジタル信号処理を行
ってもよい。アナログ信号処理は、コストが安くて動作
が早いが、処理回路部分(OPアンプ)にノイズが乗り
易く、温度変動によるMTFの変化が大きい。デジタル
信号処理は、コストが高くて動作が遅いが、処理回路部
分にノイズが乗りにくく温度によるMTFの変化が小さ
い。装置全体の仕様に応じてどちらかを選択する。
【0022】図示実施例では、軸上、軸外受光素子4
3、44が出力する画像信号を画像処理装置(コンピュ
ータ6)で処理して、コントラスト、MTFを求めて、
レンズ特性、良否を判定する。コントラスト検出手段の
一実施の形態について、図2を参照して説明する。軸上
および軸外のコントラスト検出は同一構成の装置によっ
て可能なので、本明細書では軸上のコントラストを検出
する装置の一実施の形態について説明する。この実施の
形態の測定条件は、下記の通りである。 被検レンズの焦点距離:50mm 軸上集光レンズの焦点距離:250mm 物像間距離:∞
【0023】軸上、軸外受光素子43、44は、CCD
ラインセンサであって、図1の左側に受光面を向けた状
態で、上下方向に多数の受光素子が配列されている。実
施の形態の一つは、2048個の画素(受光素子)がピ
ッチ14μm で配列され、全長約29mmである。
【0024】軸上受光素子43は、信号発生回路530
0が出力するリセットクロック、トランスファクロッ
ク、転送クロックなどのクロックによって積分、転送、
読み出し動作する。軸上受光素子43が積分し、出力し
た各画素電荷は、サンプルホールド回路5301によっ
て、軸上受光素子43に投影された像の光量分布に比例
した電圧信号に変換されて出力される。図2の(A)
は、サンプルホールド回路5301の出力信号をグラフ
で示す図である。この実施の形態の軸上チャートCA
は、遮光部分および透光スリットからなる格子なので、
軸上受光素子43の出力信号はSIN状のAC信号とな
り、ピーク電圧aが最も明るい部分(透光スリット部
分)、ボトム電圧bが最も暗い部分(遮光部分)に対応
する。したがってコントラストは、式、 (a−b)/(a+b) で算出される。
【0025】このAC信号は、ハイパスフィルタ530
2を通って、中間値が±0のAC信号とされ(図2
(B))、全波整流回路5303により、プラスのみの
信号に全波整流される(図2(C))。全波整流信号
は、積分回路5304で、予め設定した時間積分され
る。積分は、図2(C)に示す絶対値信号について実行
する。
【0026】同様に図2の(A)に示した出力信号(S
IN状のAC信号)は、抵抗ブロック5305を通して
分圧された後、積分回路5304による積分時間と同時
間、積分回路5306で積分される。そして、アナログ
素子からなる割り算回路5307で、積分回路5304
の出力信号を積分回路5306の出力信号で割って、M
TFを求める。
【0027】このように本実施の形態では、チャート像
に相当する電圧信号の交流成分を取り出し、絶対値化し
て積分した信号を、元の電圧信号を積分した信号で割り
算して、チャート像のMTFに比例した信号を得てい
る。割り算して電圧として得たMTFをデジタル値に変
換して、コンピュータ6の記憶手段7に書き込む。な
お、図2に示したコントラスト検出回路は、軸上用およ
び軸外用の2セットがこのレンズ検査装置に備えられて
いる。
【0028】本発明の実施の形態では、高精度に製作さ
れたマスターレンズについて、上位の精度の高い測定装
置によって高精度に測定し、測定した既知MTFと、図
示レンズ検査装置で実際に測定したマスターレンズのM
TF測定値とに基づいて、レンズ検査装置の特性を校
正、補正し、または調整する。例えば、マスターレンズ
の既知MTFを、本実施の形態のレンズ検査装置で実測
したMTF測定値で割った値をMTF補正値とし、その
MTF補正値を、被検レンズのMTF測定値に乗じる。
別の実施例では、マスターレンズの実測MTFが既知M
TFと一致するように、レンズ検査装置の出力を補正す
る。
【0029】この実施の形態では、異なる種類の被検レ
ンズに対応させるために、複数の抵抗列を有する抵抗ブ
ロック5305を備えている。抵抗ブロック5305
は、図3に示すように、抵抗R、可変抵抗VRおよびス
イッチSWが直列に接続され、た抵抗列を3本並列に備
えている。MTF補正値を用いる測定では、被検レンズ
の種類に応じて、抵抗ブロック5305の抵抗値を、ス
イッチSWのON−OFFにより接続する抵抗列を切り
換えて選択し、積分回路5306への入力電流を調整と
する。MTF補正値を用いない測定では、正確なMT
F、つまりマスターレンズの既知MTFとマスターレン
ズのMTF測定値とが一致するように可変抵抗VRを調
整する。
【0030】MTF補正値を用いる測定における抵抗列
の切り替えの目的はS/N比の向上なので精密な抵抗値
は不要であり、2の倍数程度のステップで抵抗値を切り
替える。S/N比向上のためには1.5倍系列(1、
1.5、2.2、・・・)より粗く、4倍系列(1、
4、16、・・・)より細かい値が適している。そし
て、MTF補正値を用いる測定では、可変抵抗VRは不
要である。つまりマスターレンズのMTF測定値がマス
ターレンズの既知特性データと一致するようにMTF補
正値を設定する方法では、可変抵抗VRによる調整は不
要である。
【0031】また、この抵抗ブロック5305には、測
定レンズの種類数だけ抵抗列を設置する。図3には3列
示してあるが、測定するレンズの種類に応じた数だけ抵
抗列を設置する。MTF補正値を用いる方法では、少な
くとも1種類の抵抗列があればよく、種類数に応じた抵
抗列は不要になる。
【0032】本発明の実施の形態では、特性が既知のマ
スターレンズをこのレンズ検査装置によって測定し、そ
の測定値がマスターレンズの既知の特性値と一致するよ
うにレンズ検査装置の機械的、電気的特性、あるいは測
定値を校正する。次に、その校正後のレンズ検査装置で
測定することで、被検レンズの種類にかかわらず、測定
精度の維持を可能にしている。
【0033】図12は、このレンズ検査装置における被
検レンズの測定方位を説明する図である。長方形51
は、被検レンズを通常に使用したときの、結像面上の撮
影範囲を示している。例えば35mmフィルムカメラの撮
影レンズの場合は、フィルム上で横36mm、縦24mmの
撮影範囲になる。符号C51は、撮影画面の輪郭を表示す
る長方形51の中心を示し、円52は、像高hが15mm
に相当する、軸外測定位置を示している。
【0034】線分0−4、2−6は対角線、線分1−5
は水平二等分線、線分3−7は垂直二等分線である。符
号0〜7は、撮影画面の中心を基点として放射状に8分
割した方位を示す。つまり軸外第1方位とは、図12に
おいて円52上の位置53を示し、軸外第1方位のMT
Fとは、位置53におけるラジアル方向あるいはメリジ
オナル方向のMTFを示す。本実施の形態のレンズ検査
装置では、軸外はすべてメリジオナル方向のMTFを測
定する。また、軸上MTFの方位、例えば軸上MTFA
1は、線分1−5方向であり、光学的には軸上MTFA
5と同等になる。
【0035】なお、本明細書では、MTF関連の変数に
はMTF、像面関連の変数には「PP」を、軸上関連の
変数または角度変数には「A」を、軸外関連の変数また
は角度変数には「Z」を付して識別する。また、被検レ
ンズの光軸を中心とした方位関連の変数には上記0〜7
の番号を付して方位数とする。規格値等の定数には「S
TD」を付する。そして、以上の符号、数字を組み合わ
せて用語を定義する。例えばMTFZ1というのは軸外
第1方位のMTFであって、図12においては位置53
におけるMTFである。
【0036】「ミラーの位置と角度の設定」測定、検査
対象である被検レンズを変更する場合、つまり異なる被
検レンズを測定する場合(以下単に「機種替え」とい
う)において、角度S1、S2の変更を要する。
【0037】第1は、同一種のズームレンズを大量に検
査する場合であり、ズームレンズ自体や、ズームレンズ
を備えたコンパクトカメラや、デジタルカメラの生産工
程が該当する。ズームレンズの場合は、異なる焦点距
離、例えば、広角側と望遠側の2点(短焦点距離と長焦
点距離)においてMTF測定を行うので、切り換えに要
する時間が短いことが望ましい。広角側と望遠側の2点
といっても必ずしも広角端と望遠端の2点である必要は
なく、レンズの品質を維持できる適切な焦点距離で測定
すればよい。以下、この第1の場合に対応することを
「ズーム対応」という。
【0038】第2は、全く異なる複数種の単焦点レンズ
を測定する場合である。この場合は、1度切り換える
と、同一種のレンズを複数本、多数本連続して測定する
場合が多い。このときは切り換えにある程度の時間を要
してもよいが、3種以上、できるだけ多くの機種に対応
することが望まれる。以下、この第2の場合に対応する
ことを「多機種対応」という。本発明は、このズーム対
応、および多機種対応のレンズ検査装置を提供する。
【0039】[「ズーム対応」の光源ミラー部]ズーム
対応の光源ミラー部2の一実施の形態について、図4〜
図6を参照して説明する。ズーム対応の場合、機種替え
時に必要な軸外光束LZの変更は、可動軸外光源ミラー
22の位置KPおよび角度KAの切り換えにより実現す
る。図4は、図1の光源ミラー部2のハーフミラー21
および可動軸外光源ミラー22の周辺の詳細を示す図で
ある。図4は、ズーム対応の一例として角度S2が望遠
側で20゜、広角側で45゜に切り替わる実施の形態を
示している。この光源ミラー部2は、1秒前後の時間で
広角側と望遠側に対応する角度S2の切り換えを実現す
る機構を備えている。図4には、望遠状態の可動軸外光
源ミラー22を実線で示し、その右側に広角状態の可動
軸外光源ミラー22を一点鎖線で示している。この図か
ら分かるように、望遠状態と広角状態とでは、可動軸外
光源ミラー位置KPが変化すると共に、可動軸外光源ミ
ラー角度KAも変化している。なお、軸上光源ミラー2
1は、光軸O11となす角度が45゜に固定されている。
【0040】図5には、図4の可動軸外光源ミラー22
を、左側から見て、ハーフミラー21を省略して示して
ある。可動軸外光源ミラー22は、回転軸2201に、
反射面22aの回転中心KPTが回転軸2201の軸心
と一致するように固定されている。回転軸2201は、
両端部が、所定間隔で平行に配置されたブラケット22
11、2212に軸支され、ブラケット2211、22
12間に、平坦面が軸心を越える凹部2202が形成さ
れている。凹部2202に可動軸外光源ミラー22が、
その反射面22aが回転軸2201の回転中心とほぼ一
致する状態で貼り付けられている。但し、図5では凹部
2202の形状を分かり易くするために、可動軸外光源
ミラー角度KAが0゜の状態を示してある。
【0041】また回転軸2201は両端部において、摩
擦の少ない、例えばテフロンなどで形成された軸受部材
2214、2215を介してブラケット2211、22
12に回転自在に軸支されている。このブラケット22
11、2212は、連結部材2213によって締結固定
され、一体化されている。
【0042】回転軸2201の一方の端部には、その軸
心と直交する方向に延びるストッパバー2203が取り
付けられている。ストッパバー2203は、軸外光源ミ
ラー22が広角側に移動したときには回転ストッパ22
06に当接して、望遠側に移動したときには回転ストッ
パ2204に当接して、可動軸外光源ミラー22の回転
角度KAを設定する。図示実施の形態では、望遠側では
S2が20゜になるように可動軸外光源ミラー角度KA
を45゜+S2/2=55゜にセットし、広角側ではS
2が45゜になるように可動軸外光源ミラー角度KAを
45゜+S2/2=67.5゜にセットする。被検レン
ズ11の軸上、軸外を透過する光束を使用してそれぞれ
のMTFを測定する測定装置においては、光源光束を可
動軸外光源ミラーで偏向させる場合の可動軸外光源ミラ
ー角度KAを、45゜±S2/2に設定する。S2/2
がマイナスとなる場合を図6に示した。
【0043】ブラケット2211、2212は、光源ラ
ンプ20からの主光線と平行に配置された一対のシャフ
ト2221、2222に、摩擦の少ない軸受部材222
3、2224を介して摺動自在に支持されている。そし
てブラケット2211、2212は、シャフト222
1、2222に沿って(図4の左右方向)直線的に移動
して、可動軸外光源ミラー22の位置調整を可能にして
いる。ストッパ2231、2233は、可動軸外光源ミ
ラー22の望遠側の位置、広角側の位置を規制する部材
であって、シャフト2221に移動自在に装着され、ね
じ2232、2234を締めて固定、緩めて移動可能に
構成されている。なお、シャフト2221、2222
は、両端部が、不図示の固定部に取り付けられた支持板
2200(一方のみを図示)に固定されている。
【0044】可動軸外光源ミラー22は、図示せぬバネ
によって、図4においては時計回転方向に回動付勢され
ている。このバネの付勢力によって可動軸外光源ミラー
22は、ストッパ2231に規制された望遠側の可動軸
外光源ミラー位置KPにあるときにはストッパバー22
03が回転ストッパ2204に当接して望遠側の可動軸
外光源ミラー角度KAが設定され、ストッパ2233に
規制された広角側の可動軸外光源ミラー位置KPにある
ときにはストッパバー2203が回転ストッパ2204
から離れ、回転ストッパ2206に当接して可動軸外光
源ミラー角度KAを設定する。回転ストッパ2204、
2206はいずれもねじであり、その回転による先端部
の移動により可動軸外光源ミラー角度KAの設定、調整
ができる。回転ストッパ2204は固定部に取り付けら
れたストッパ保持ブロック2205に螺入され、回転ス
トッパ2206は支持板2200に螺入されている。そ
してこの可動軸外光源ミラー22は、連結部材2213
に連結された、図示しない単一のエアーシリンダ、電磁
プランジャ等のアクチュエータによって、シャフト22
11、2212に沿って移動させられる。
【0045】このように構成されたズーム対応の光源ミ
ラー部2は、単一のアクチュエータで、可動軸外光源ミ
ラー22を、望遠端、広角端のストッパ2231、22
33(図4の左右移動端)に当接するまで移動させるだ
けで、望遠側、広角側の測定に対応できる可動軸外光源
ミラー22の位置KPが設定されると同時に、回転スト
ッパ2204、2206によって可動軸外光源ミラー2
2の角度KAも設定される。したがって、切り換え時間
が短縮され、しかも機械的な当て付けにより位置決めし
ているので充分な精度が得られる。さらに、単一のアク
チュエータを制御するだけでよいため、構造および制御
が容易である。
【0046】この実施の形態では、可動軸外光源ミラー
22を軸上光源ミラー21よりも光源ランプ20から離
反する位置に配置したが、図6のように、軸上光源ミラ
ー21よりも光源ランプ20側に可動軸外光源ミラー2
2を配置した場合は、S2/2の符号は負となる。この
図6に示したミラー配置では、可動軸外光源ミラー22
をハーフミラーにして、軸上光源ミラー21を通常のミ
ラーにする。そして、ストッパバー2203の一方の端
部が回転ストッパ2206に当接したときに可動軸外光
源ミラー角度KAが望遠側の55゜にセットされ、スト
ッパバー2203の他方の端部が回転ストッパ2204
に当接したときに広角側の20゜にセットされるように
ストッパ2204、2206、2232、2234を設
定する。
【0047】[ズーム対応の可動軸外ミラー部]機種替
えにより角度S1、S2が変化すると、ミラー部3の可
動軸外ミラー32の位置および角度の変更が必要にな
る。ミラー部3のズーム対応の可動軸外ミラー32の支
持機構は、ズーム対応の光源ミラー部22の支持機構と
同様の機構である。ズーム対応のミラー部3の一実施の
形態について、図7を参照して説明する。図7は図1の
ミラー部3内の可動軸外ミラー32の周辺の詳細を示し
ている。この可動軸外ミラー部32はズーム対応であっ
て、1秒前後の時間で広角側と望遠側の軸外光束の切り
換えを実現する機構である。図では、広角状態の可動軸
外ミラー32を実線で示し、その右側に望遠状態の可動
軸外ミラー32を一点鎖線で示してある。
【0048】図7には、入射角S1が望遠側では20
゜、広角側では40゜の場合に対応させた可動軸外ミラ
ー32を示している。可動軸外ミラー32は、紙面と直
交する方向に延びる回転軸320に、回転軸320の軸
心と反射面32aとが一致するように固定されている。
回転軸320はその両端部、一方しか図示しないが、所
定間隔で平行に配置された板状のブラケット328に回
動自在に軸支されている。
【0049】光源ミラー部2と同様に、可動軸外ミラー
32の回転角度MAは、通常は、軸上ミラー回転31の
回転角度を45゜とすると、45゜±S1/2となる。
可動軸外ミラー32の位置MPは(J−I)×tanS
1+Hである。但し、Jは軸外集光レンズ42の光軸か
らチャートCA、CZまでの距離、Iは被検レンズ11
の最もミラー部3側の面からチャートCA、CZまでの
距離、hは被検レンズ11の最もミラー部3側の面最前
端面位置における軸外主光線の、被検レンズ11の光軸
O11からの距離であって、図1に示したH(軸外主光線
入射高さ)に一致する。
【0050】回転軸320の一方の端部には2本のスト
ッパバー321、322がラジアル方向に固定され、一
方のストッパバー322とブラケット328との間に掛
渡された引っ張りバネ324により、図において反時計
回転方向に付勢されている。入射角S1が40゜になる
広角側では、ストッパバー321が回転ストッパ323
に当接することにより、可動軸外ミラー角度MAが45
゜+S1/2=65゜にセットされる。一方、入射角S
1が20゜になる望遠側では、ストッパバー322が回
転ストッパ325に当接することにより可動軸外ミラー
角度MAが45゜+S1/2=55゜にセットされる。
【0051】本実施の形態の回転ストッパ323、32
5はいずれもねじであるから、その回転による先端部の
移動により可動軸外ミラー角度MAの設定ができる。回
転ストッパ325が立てられたストッパ駒326は、シ
ャフト329に摺動自在に装着され、かつねじ327に
より移動および固定可能に構成されているので、可動軸
外ミラー位置MPZの変化量が大きくても、ストッパ駒
326を移動させることで、可動軸外ミラー32の移動
を許容しつつ、容易に角度設定ができる。ストッパ32
1は、可動軸外ミラー32の回転軸320を回転自在に
支持するブラケット328に突設されたフランジ部に立
てられている。
【0052】可動軸外ミラー32を保持するブラケット
328は、摩擦の少ない軸受部材を介して一対の平行に
配置されたシャフト330a、330bに摺動自在に装
着されている。シャフト330a、330bは、集光レ
ンズ42の光軸と平行に配置されていて、可動軸外ミラ
ー32を、集光レンズ42の光軸に沿って直線移動自在
にガイドする。可動軸外ミラー32の位置MPは、ブラ
ケット328に当接する、シャフト330bに装着され
た位置ストッパ331、332により設定される。ブラ
ケット328の望遠側、広角側の位置を設定する位置ス
トッパ331、332は、不図示のねじを締めて固定、
緩めて移動可能に形成されていて、位置ストッパ331
はブラケット328の望遠側の可動軸外ミラー位置MP
を設定し、位置ストッパ332はブラケット328の広
角側の可動軸外ミラー位置MPを設定する。
【0053】ブラケット328には往復移動型のエアー
シリンダ333のピストンロッド325が、連結部材3
36を介して連結されている。エアーシリンダ333に
は、スピードコントローラ334を介して圧縮空気が送
られ、ピストンロッド325が押し出され、ピストンロ
ッドに連結されたシャフト335がを介してブラケット
328および可動軸外ミラー32を、図において右方向
にブラケット328が位置ストッパ331に当接するま
で移動させる。ブラケット328が位置ストッパ331
に当接して停止した状態では、ストッパバー322がス
トッパ325に当接して、可動軸外ミラー角度MKが5
5゜にセットされる。
【0054】逆に望遠側から広角側への図の左方向の移
動は、スピードコントローラ337を介してエアシリン
ダ333にピストンロッド325を引き込む方向に圧縮
空気を送る。すると、可動軸外ミラー32が図において
左方向に、ブラケット328が位置ストッパ332に当
接するまで移動する。支持部材が位置ストッパ332に
当接して停止した状態では、ストッパバー321が回転
ストッパ323に当接していて、可動軸外ミラー角度M
Kが65゜にセットされる。
【0055】このように構成された「ズーム対応」のミ
ラー部3は、単一のエアーシリンダ333の動作によっ
て可動軸外ミラー32の望遠側、広角側の位置および角
度の両方の切り換えを同時に行えるので、短時間で切り
換え動作を完了できる。しかも可動軸外ミラー32の位
置、角度決めを機械的な当て付けにより行うので、高精
度を維持できる。
【0056】[「多機種対応」の光源ミラー部]以上は
ズーム対応の実施の形態であった。次に、多機種対応実
施の形態について、図8を参照して説明する。可動軸外
光源ミラー22の位置KPは、軸外高さ(像高)hを1
5mm、チャートCA、CZから光源の光軸までの距離を
Kとすると、KP=15+K×tanS2となり、S2
により変化することが分かる。つまり、可動軸外光源ミ
ラー位置KZは、被検レンズの焦点距離に応じて変更す
る。このように焦点距離が異なる複数種の被検レンズを
測定するためには、可動軸外光源ミラー位置KPおよび
回転角度KAを任意に設定可能であること、およびその
設定が容易であることが必要である。
【0057】このような要求がある「多機種対応」の光
源ミラー部は「ズーム対応」の光源ミラー部ほど高速な
動作は要求されないが、可動軸外光源ミラーの位置と角
度の設定範囲が広いことが必要である。多機種対応の光
源ミラー部の一実施の形態を、図8を参照して説明す
る。
【0058】図8は、多機種対応の可動軸外光源ミラー
駆動機構の要部を示す図である。可動軸外光源ミラー2
2は、図2の実施の形態同様に、回転軸2241に保持
され、回転軸2241は、一対のブラケット2251、
2252の間に回動自在に軸支されている。一方のブラ
ケット2251にはステップモータ2261が、図示し
ない支持部材を介して支持され、その回転軸2262
は、回転軸2241に連結されている。ステップモータ
2261の駆動パルス数を制御することにより、可動軸
外光源ミラー22の回転角度を制御可能に構成されてい
る。図示実施の形態では、例えばステップモータ226
1を1パルス駆動すると、回転軸2241が0.1゜回
転するように構成してある。
【0059】図では、可動軸外光源ミラー角度KAが4
5゜のときに、回転軸2241に固定されたリミットバ
ー2263が、ブラケット2251に固定されたリミッ
トスイッチ2264の接点2265を押して、リミット
スイッチ2264をONする。このON信号の発生位置
を可動軸外光源ミラー角度KAの45゜の基準点とし、
設定したい可動軸外光源ミラー角度KAを例えば55゜
とすれば、駆動パルス数は、(55−45)/0.1=
100、つまり、図8では、ステップモータ2261を
反時計方向に100パルスだけ駆動すると、可動軸外光
源ミラー角度KAを55゜に設定できる。
【0060】可動軸外光源ミラー22の設定(可動軸外
光源ミラー角度KA)を変えるときは、変更後の精度を
高めるために本実施の形態では、ステップモータ226
1を介して可動軸外光源ミラー22を、リミットスイッ
チ2264がONするまで回転(図において時計方向回
転)させる。そして、リミットスイッチ2264がオン
した時にステップモータ2261を停止させて、その位
置から、新しい可動軸外光源ミラー角度KAに相当する
パルス数分ステップモータ2261を駆動する。
【0061】なお、このように可動軸外光源ミラー22
を一旦リミットスイッチ2264がオンするスタート位
置まで戻してから可動軸外光源ミラー角度KAを設定す
る場合、例えば、可動軸外光源ミラー角度KAを60゜
から55゜に変更する場合、ステップモータ2261を
240パルス/秒で駆動するとすると、((60−4
5)+(55−45))/0.1/240=250/2
40≒1、すなわち、可動軸外光源ミラー角度KAの変
更開始から終了までに要する時間は、約1秒である。
【0062】可動軸外光源ミラー22、ステップモータ
2261などの回転駆動部を支持するブラケット225
1、2252は、連結部材2253により一体化され、
ズーム対応の光源ミラー部と同様にシャフト2271、
2272に沿って直線移動可能に形成されている。連結
部材2253には雌ねじが切られていて、この雌ねじに
は、ステップモータ2281の回転軸に連結された送り
ねじ2282が螺合されている。つまり、ステップモー
タ2261、可動軸外光源ミラー22は、ブラケット2
251、225および連結部材2253と一体に、ステ
ップモータ2281によって直進移動される。
【0063】ブラケット2251にはストッパプレート
2273が固定されていて、送りねじ2282が時計方
向に回動すると、ブラケット2251がストッパプレー
ト2273と共に図の左側に移動し、ストッパプレート
2273がリミットスイッチ2274の接点2275を
押してリミットスイッチ2274がONする。このリミ
ットスイッチ2274がOFFからONに変化した位置
を基準位置として可動軸外光源ミラー位置KPを設定す
る。
【0064】送りねじ2282のピッチを1mm、ステッ
プモータ2281を10回転/秒、現設定の可動軸外光
源ミラー位置KPを40mm、新しい可動軸外光源ミラー
位置KPを50mm、リミットスイッチ2274がOFF
からONに変わる基準位置を20mmとすると、((40
−20)+(50−20))/10=5、つまり5秒で
可動軸外光源ミラー位置KPを変更できる。
【0065】[「多機種対応」の可動軸外ミラー部]
「多機種対応」のミラー部は、「ズーム対応」のミラー
部ほど高速な動作は要求されないが、位置と角度は自由
に設定できなければならない。角度MAの設定をステッ
プモータ、位置MPの設定を比較的高速のモータまたは
アクチュエータを使い、基準位置と角度をスイッチで検
知し、設定する構成は、「多機種対応」の可動軸外光源
ミラー部と同様のもので可能になる。
【0066】[光量調節]被検レンズは、種類によって
明るさが違う。したがって、光源の明るさが同一の場
合、被検レンズの種類によって、受光素子43、44、
42の受光光量が相異し、受光素子43、44の出力レ
ベルが大きく変動する。つまり、明るい被検レンズの場
合には受光素子43、44の最大出力レベルが受光素子
43、44のダイナミックレンジの最大値付近になって
も、暗い被検レンズの場合には同最大出力レベルが同ダ
イナミックレンジの最小値付近になり、ノイズの影響を
大きく受けて精度が下がる。また、逆に暗い被検レンズ
の場合に最大出力レベルがダイナミックレンジの中間値
付近の値になるように光源の明るさを設定した場合は、
明るい被検レンズの場合には最大出力レベルがダイナミ
ックレンジの最大値を越えて測定できなくなってしまう
場合がある。そのため、受光素子43、44の出力レベ
ルをダイナミックレンジ内に納め、かつS/N比を良好
に保つために、光量を調節する必要がある。そこで本発
明の実施の形態では、MTF測定の中間的な測定値であ
る軸上、軸外受光素子43、44の光量測定の結果に基
づいて、適切な光量が得られる透過率の減光フィルタに
切り替える構成にした。
【0067】図1の光学系において、光源ランプ20の
光量、被検レンズ、集光レンズのF値が一定である場
合、被検レンズの焦点距離の2乗に比例してセンサ面
(受光素子43、44の受光面)の照度が変化する。例
えば、焦点距離が20mmと400mmの被検レンズの光量
比は400倍になる。
【0068】一方、CCDセンサのダイナミックレンジ
は、常温で約1000倍しかない。そのため、CCDセ
ンサのダイナミックレンジを有効に利用するためには、
センサヘの入射光量あるいはセンサ面での照度調整が必
要になる。そこで本発明の実施の形態では、センサ面照
度を制限する光量調節装置を備えた。
【0069】図1の光源部2の光源20と軸上光源ミラ
ー21との間に光量調節装置23を配置する。図9は光
量調節装置23の一実施の形態を示している。この荒涼
張設装置23は、第1、第2の減光フィルタ231、2
32を備えている。第1の減光フィルタ231は分光特
性が平担で透過光に色付きのない、透光率が10%のフ
ィルタである。第2の減光フィルタ232は、第1の減
光フィルタ231を2枚重ねたものであり、透光率は1
%である。
【0070】減光フィルタ231、232は、減光フィ
ルタ支持板234に所定の間隔、図示実施の形態では6
0mmの間隔で保持され、光源ランプ20の主光線241
をほぼ垂直に受け得る向きに配置されている。図9に示
した実施の形態では、減光フィルタ支持板234を、多
段連結された複数本のシリンダの先端のピストンロッド
に連結し、各シリンダのピストンロッドの伸縮によっ
て、択一的に減光フィルタ231、232を光路内に進
出させ、または全てを光路から退避させている。つまり
減光フィルタ支持板234は第1のスライダ237に固
定され、平行に配置された2本のアクチュエータ、たと
えばエアーシリンダ235、236によって移動自在に
支持されている。
【0071】第1のエアーシリンダ235は、レンズ検
査装置の固定構造体に固定された固定ブロック239を
貫通して摺動自在にガイドされ、ピストンロッド235
1が第2のスライダ238を貫通して固定されている。
ピストンロッド2351の先端部は、第1のスライダ2
37をスライド自在に貫通して支持している。第2のエ
アーシリンダ236は、固定ブロック239を貫通し
て、第2のスライダ238に固定され、第2のピストン
ロッド2361は、第1のスライダ238に固定されて
いる。図9は、第2のエアーシリンダ236のピストン
ロッド2361が伸びきった状態である。
【0072】第1、第2のエアーシリンダ235、23
6は、それぞれピストンロッド2351、2361の移
動量が60mmに設定されていて、図9は、第1のピスト
ンロッド2351が縮退し、第2のピストンロッド23
61が60mm伸長して、フィルタ231が光源ランプ2
0と軸上光源ミラー21との間に進出した第1段伸長状
態を示している。
【0073】この第1段伸長状態から第1のピストンロ
ッド2351が60mm伸長すると、第2のスライダ23
8が第1のピストンロッド2351と一体に60mm移動
するので、第2のシリンダー236が第2のスライダ2
38と一緒に60mm移動する。つまり、ピストンロッド
2361、第1のスライダ237およびフィルタ支持板
234も60mm移動して、第2のフィルタ232が光源
ランプ20と軸上光源ミラー21との間に進出した第2
段伸長状態になる。
【0074】第1のシリンダー235および第2のシリ
ンダー236が共に縮退してピストンロッド2351、
2361を引き込むと、スライダ237、238が、互
いにおよび固定ブロック239に接触する基準位置まで
移動して、フィルタ231、232を光源ランプ20と
軸上光源ミラー21との間の光路から退避させる。
【0075】図9は、1本のエアーシリンダ236だけ
が伸びて、第1のスライド部材237が第2のスライド
部材238から60mm離反した状態を示すが、この状態
では光路内に透光率10%の減光フィルタ231を挿入
した状態となる。エアーシリンダ235、236が2本
とも伸びて第2のスライダ238が固定ブロック239
から60mm離反した状態ではさらにフィルタ支持板23
4が左に60mm移動して透光率1%の減光フィルタ23
2を光路内に挿入した状態となる。エアーシリンダ23
5、236が2本とも縮んで、第1、第2のスライダ2
37、238および固定ブロック239が接触した状態
では、図9の状態から減光フィルタ支持板234が60
mm右に移動して、減光フィルタ231、232のいずれ
もが光路外に退避した状態、つまり透光率100%とな
る。
【0076】以上の2本のエアーシリンダ235、23
6構成により、2本とも縮んだ状態、1本だけ伸びた状
態、2本とも伸びた状態、の3種類の位置設定が可能に
なる。つまり、減光フィルタ支持板234は、60mmの
ステップでピストンロッド2351、2361の長さ方
向に移動されて3つの位置に設定され、設定位置に応じ
て透光率を、100%、10%、1%に切り換えてい
る。
【0077】本実施の形態の光源ミラー部2に設置する
減光フィルターは、チャートよりも光源側に配置されて
いて、減光フィルターを透過した光束によってチャート
を照明するので、減光フィルターによるチャート像の劣
化のおそれがなくなり、高価なNDフィルターではな
く、安価なすりガラス等の拡散面で構成できる。また、
図9の例では、透光率100%、10%、1%の3種の
光量切り換えの例を示したが、同様の構成を増減させる
ことにより、N個のスライド部材とアクチュエータを組
み合わせてN+1種の光量切り換えが可能となる。図示
実施の形態はアクチュエータとしてエアーシリンダを使
用したので、モータによる駆動機構に比して構造が簡単
で、小型で、高速動作が可能である。さらに、コンピュ
ータ6によってエアーシリンダの伸長、縮退用の空圧制
御電磁弁のON/OFFを制御すればよいので、制御が
簡単になる。
【0078】[光量検出]積分回路5306の出力はセ
ンサ43の受光量に比例した出力なので、被検レンズの
透過光量検出に使用できる。光量調節のための情報は、
この積分回路5306の出力をバイパス5311、A/
D変換器5308を介してディジタル変換し、マイコン
5309に入れる。マイコン5309は、光量が適正範
囲外なら、適正範囲内になるように減光フィルタを切り
替える。
【0079】被検レンズの絞り検査をレンズ検査装置で
行う場合は、マスターレンズデータの軸上光量MLIG
HTA、軸外光量MLIGHTZを用い、軸上の測定値
LIGHTA、軸外の測定値LIGHTZとの比較によ
り、絞りまたは軸外口径食の測定・検査をMTF測定と
同時に行うことができる。
【0080】[受光素子の基準位置調整(像面位置の調
整)]次に、温度変動、経年変化などによるレンズ検査
装置の構造部の伸縮、または集光レンズなど光学素子の
膨縮により変動した像面位置(ピント位置)に応じて受
光素子43、44の基準位置を調整し、設定する機構お
よび方法の実施の形態について説明する。
【0081】本実施の形態における受光素子の位置調整
は、レンズ検査装置によって測定したマスターレンズM
Lの軸上像面位置(軸上ピント位置)、および軸外像面
位置(軸外ピント位置)の測定値が、マスターレンズM
Lの既知特性データと一致するように受光素子(軸上受
光素子43、軸外受光素子44)の位置を調整する処理
である。本発明の実施の形態では、マスターレンズML
によって形成される軸上、軸外チャート像の位置(ピン
ト位置)、つまり基準位置から一定距離にスタート位置
が位置するように、軸上、軸外受光素子43、44のス
タート位置を検知するセンサの位置を調整する。このス
タート位置は、被検レンズの像面位置を測定するために
受光素子43、44を走査移動させるスタート位置とな
る。
【0082】受光素子の基準位置を調整する機構の一実
施例を、図10を参照して説明する。図示実施の形態で
は、マスターレンズMLの軸上像面位置を0、軸外像面
位置を−100μm とする。本明細書において、集光レ
ンズ41、42の像面側において集光レンズ41、42
から離反する方向を「プラス」とし、集光レンズ41に
接近する方向を「マイナス」とする。
【0083】図10は、図1の軸上集光レンズ41 、軸
上受光素子43およびその周辺構造を示している。軸上
集光レンズ41 は、その光軸O41が軸上光束LA(主光
線)とほぼ一致するように固定されている。なお、軸外
集光レンズ42、軸外受光素子44およびその周辺構造
も図10に示した構造と同様である。
【0084】軸上受光素子43は、CCD駆動回路基板
430上に装着され、CCD駆動回路基板430を介し
てCCD保持部材433に装着されている。CCD保持
部材433は、軸上光束LAと平行に配置された2本の
ガイドシャフト431、432に摺動自在に支持されて
いる。ガイドシャフト431、432は両端部がそれぞ
れ、受光部枠40の一対の側板401、402を連結す
るブリッジ404、405に支持されている。
【0085】ガイドシャフト431と同432との間に
はこれらと平行に送りねじ435が配置されていて、送
りねじ435の一端部がCCD保持部材433に螺合さ
れている。送りねじの435の他端部は、ブリッジ40
5に装着されたステップモータ434の回転軸に連結さ
れている。つまりCCD保持部材433は、ステップモ
ータ434によって回転駆動される送りねじ435の回
転によって進退動される。
【0086】CCD保持部材433とブリッジ405と
の間には、CCD保持部材433の後端面が接点に当接
した位置、つまり軸上受光素子43の受光面の基準位置
を設定する受光手段基準位置設定手段としてリミットス
イッチ436が配置されている。リミットスイッチ43
6は、その基板4361を介してガイドシャフト431
に摺動自在に支持され、シャフト431、432と平行
に配置された送りねじ438にねじ結合されている。送
りねじ238は、ブリッジ405に装着されたステップ
モータ437の回転軸に連結されていて、このステップ
モータ437によって回転駆動され、リミットスイッチ
436をガイドシャフト431に沿って移動させる。
【0087】撮像素子移動用のステップモータ434
は、20パルスで1回転(1パルスで18゜回転)し、
送りねじ435のピッチは2mmに設定されているから、
軸上受光素子43は、ステップモータ434が1パルス
分回転すると、軸上受光素子43は、軸上光束LAと平
行に0.1mm移動する。一方、リミットスイッチ用のス
テップモータ437および送りねじ438は、ステップ
モータ437を1パルス分回転、つまり送りねじ438
を1パルス分回転させると、リミットスイッチ436が
4μm 移動するように、ステップモータ437のステッ
プ角および送りねじ438のピッチを設定してある。
【0088】リミットスイッチ436は、軸上受光素子
43の基準位置を検知し、設定するためのスイッチであ
る。軸上受光素子43の位置を設定するときは、まず、
スステップモータ434を軸上受光素子43がリミット
スイッチ436に接近するプラス方向に回転させて、リ
ミットスイッチ436がオンするのを待つ。リミットス
イッチ436がオンしたらステップモータ434を停止
させ、その停止位置を基準位置として、ステップモータ
434を所定ステップ分、マイナス方向(軸上集光レン
ズ41)に向かって移動させる。
【0089】なお、被検レンズを検査するときは、ステ
ップモータ434を1ステップ駆動する毎に軸上受光素
子43から画像データを取り込んでMTFを算出し、記
録する。以下、このようなステップモータ434の駆動
を「走査」、駆動ステップを「走査ステップ」、その数
を「走査ステップ数WSS」という。図11には、この
ようにして記録されたMTFのデータを、横軸にステッ
プ数、縦軸にMTFをとって示している。この図では、
160ステップの位置に像面(ピント位置)があること
が分かる。
【0090】ここで、例えば、被検レンズの焦点距離を
50mm、無限遠の測定、集光レンズの焦点距離を250
mmとすると、1ステップ分の軸上受光素子43の移動量
0.1mmは、被検レンズのチャート位置にして1/25
×0.1=4μm しかない。したがって、被検レンズの
焦点距離のバラツキを、収差を含めて±0.5mm、ステ
ップ数にして±125だけ見込む必要がある場合には、
250ステップ(1mm)以上移動可能でなければならな
い。そこで本実施の形態では、この被検レンズを測定す
るときには受光素子43、44を250ステップ以上移
動させることができるように、走査ステップ数WSS
を、例えば300に設定する。なお、測定時間を短縮す
るためには、走査ステップ数WSSは、被検レンズのバ
ラツキを考慮した必要最小値であることが望ましいの
で、各機種毎に走査ステップ数WSSを定めることが望
ましい。
【0091】本実施の形態のレンズ検査装置では、像面
の位置を効率よく測定できるように、走査ステップ数W
SSの1/2ステップの位置に、軸上像面位置の基準と
なるマスターレンズMLの軸上像面位置(=0)が来る
ように調整する。例えば、マスターレンズMLの軸上像
面位置測定において160ステップの位置に像面を検出
した場合は、それをWSS/2である150ステップに
校正(修正)する。そのために本実施の形態では、リミ
ットスイッチ用のステップモータ437を、撮像素子用
のステップモータ434のステップ数に換算してマイナ
ス方向に10ステップ分回転させる。
【0092】この実施の形態では、リミットスイッチ4
36をマイナス方向(図の左方向)にlmm移動させるこ
とにより、リミットスイッチ436に対する軸上像面位
置がl0ステップ分(1mm/0.1mm=10)変化す
る。ステップモータ437の1ステップ移動距離は4μ
m であるから、ステップモータ437を250パルス
(1mm/4μm =250)分マイナス方向に駆動する。
このようにして、マスターレンズMLの軸上像面が、ス
タート位置から160ステップが150ステップに変更
されて、軸上像面基準位置が調整される。この操作によ
りマスターレンズMLの軸上像面位置が、リミットスイ
ッチ436によって検知されるスタート位置からマイナ
ス方向に150ステップ駆動した位置になり、被検レン
ズについてこの150ステップを基準位置とした正確な
測定ができるように調整される。
【0093】また、軸外像面位置検出値の校正では、軸
外受光素子44を移動させる機械的な構成は同じである
が、軸上のように一律にWSS/2にするのではなく、
マスターレンズデータの像面湾曲量MDM(ここでは−
100μm )と一致するように軸外リミットスイッチの
位置調整を行う。軸上と同様に150ステップ移動した
位置を0(基準位置)とすると、マスターレンズMLに
より形成される像面は、−100μm だけずれている。
つまり、マスターレンズMLの軸外像面が被検レンズ側
に25ステップ分(100μm /4μm =25)ずれて
いるから、スタート位置から175ステップ移動した位
置に軸外像面位置が来るように、軸外リミットスイッチ
の位置を調整する。なお、「MDM」は、マスターレン
ズのDefocus Meridionalの略である。
【0094】[レンズ検査]このレンズ検査装置を使用
して撮影レンズの検査、測定作業について説明する。こ
の実施の形態では、被検レンズを測定する前に、その被
検レンズに対応するマスターレンズを測定する。
【0095】[マスターレンズを用いた検査装置の自動
調整]本発明のレンズ検査装置では、測定機種変更およ
びその他の校正においてマスターレンズを用いて自動調
整(校正、補正)することができる。その場合の処理に
ついて、より詳細に説明する。
【0096】レンズ検査装置を自動調整するためには、
特性が既知のマスターレンズMLを用意する。このマス
ターレンズMLは、 1-1 軸上のコントラスト(MTF:MMTFA1) 1-2 軸外のコントラスト(MTF:MMTFZ1) 1-3 軸上のコントラストのピーク位置(軸上像面位
置:MPPA1) 1-4 軸外のコントラストのピーク位置(軸外像面位
置:MPPZ1) の4項目が上位の測定機で精密に測定されている。以上
の測定値は、予め、マスターレンズデータとしてコンピ
ュータ6の記憶手段7に書き込んでおくか、対応するレ
ンズを測定する際に、作業者によって入力するか、ある
いはリムーバブルメディアから読み込ませる。上位の測
定機によるマスターレンズMLの測定値は、マスターレ
ンズデータとして、測定値の符号の前に符号”M”を付
けて識別する。
【0097】レンズの光量検査を行う場合は、マスター
レンズMLの測定項目としてさらに、 1-5 軸上の光量:MLIGHTA、 1-6 軸外の光量:MLIGHTZ、 の2項目を追加する。これらの光量は、減光フィルタの
選択など光量調節に使用される。
【0098】なお、記憶手段7に書き込むデータとし
て、1-3の軸上のコントラストのピーク位置(軸上像面
位置)と1-4の軸外のコントラストのピーク位置(軸外
像面位置)との差(MPPA1−MPPZ1)を使用し
てもよい。軸上像面位置と軸外像面位置との差を、像面
湾曲量MDMとする。
【0099】また、マスターレンズMLをピントの基準
レンズとして兼用する場合は、軸上像面位置を十分な精
度で調整するため、軸上像面位置を基準=0として軸外
像面位置をマスターレンズデータとすることもできる。
この場合、軸外像面位置は、像面湾曲量に等しい。
【0100】[マスターレンズの測定]作業者は、被検
レンズに対応したマスターレンズMLをマウント部1に
装着する。そして、コンピュータ6に、このマスターレ
ンズMLの種別、既知データ、対応する被検レンズの種
別、特性データ、校正指示命令などを入力する。コンピ
ュータ6は、マスターレンズMLの種別情報から、予め
記憶手段7に書き込まれた情報から、可動軸外ミラー3
2の位置MPおよび角度MA、可動軸外光源ミラー22
の位置KPおよび角度KA、光量に応じたフィルター情
報LV、良否の閾値STDMNLA、STDMNLZ、
像面走査のための走査量WWS、WSH、を読み込む。
【0101】そしてコンピュータ6は、軸上、軸外受光
素子43、44をステップ移動させながら軸上、軸外チ
ャート像データを読み込んで、マスターレンズMLの軸
上MTF(MTFA1)、軸外MTF(MTFZ1)、
MTF補正値、像面湾曲量MDMと像面湾曲の方向を、
測定検査に必要なマスターレンズ情報として算出し、メ
モリする。そして、レンズ検査装置により実測したマス
ターレンズMLの軸上MTFと、軸外MTFの測定値
が、マスターレンズデータと一致するように、レンズ検
査装置に自動校正させる。例えば、マスターレンズML
の高精度な既知軸上、軸外MTFを、このレンズ検査装
置によって測定した軸上、軸外MTF測定値で割った商
を軸上、軸外MTF補正値として、被検レンズを実際に
測定して軸上、軸外MTF測定値にこの軸上、軸外MT
F補正値を乗じる。または、例えば図3に示した抵抗ブ
ロック回路を有する場合は、マスターレンズの軸上、軸
外MTF測定値が既知軸上、軸外MTFと一致するよう
に、可変抵抗VRを調整して受光素子43、44の出力
レベルを調整する。
【0102】以上のように本発明の実施の形態のレンズ
検査装置は、上記データに基づいてレンズ検査装置を調
整し、あるいは校正、補正データを設定する。レンズ検
査装置が実行する以上の処理が終了したら、使用者は、
マスターレンズMLをレンズマウント部1から取り外
す。以上の処理、作業により、機種替えのためのレンズ
検査装置の調整、校正が終了する。
【0103】その後、以上の設定を変えずに、被検レン
ズ11をレンズマウント部1に装着して、像面位置測定
およびMTFの測定を行う。コンピュータ6は、予め記
憶手段7に書き込んである、レンズ種別に対応した可動
軸外光源ミラー22および可動軸外ミラー32の位置、
回転角度データを読み込んで可動軸外光源ミラー22お
よび可動軸外ミラー32を設定し、マスターレンズ測定
によって得た軸上、軸外受光素子43、44の基準位
置、スタート位置の調整、減光フィルターを設定、選択
し、測定・検査の準備を行う。その後コンピュータ6
は、受光素子43、44をスタート位置からステップ移
動させながらMTFの測定を実行する。
【0104】本発明の実施の形態のレンズ検査装置で測
定できるデータとしては、例えば下記の項目がある。 軸上MTF:MTFAn(n=0〜7の方位数、以下同
じ)、 軸外MTF:MTFZn、 軸上平均像面での軸上MTF:MTFLAn、 軸上平均像面での軸外MTF:MTFLZn、 像面湾曲量:DMn、 軸上、軸外の光量:LIGHTA、LIGHTZ、 軸上像面位置:PPAn、 軸外像面位置:PPZn、 がある。判定データとしては、被検レンズの良、不良の
判定結果、がある。さらに補正データとしては、 軸上MTF補正値:HMTFA1、 軸外MTF補正値:HMTFZ1、 その他測定状態を示す変数等がある。
【0105】被検レンズの検査動作について、図1を参
照してより詳細に説明する。 レンズの測定方位を第1方位に設定する。図示せぬ
回転機構で、レンズマウントを所定の角度回転させて、
被検レンズを通常使用における向き(第1方位)にす
る。
【0106】 像面走査のため、軸上、軸外受光素子
43、44を機械的なスタート位置に設定する。軸上受
光素子43を、ステップモータ434を駆動してリミッ
トスイッチ436がオンする位置まで移動させる。同様
に、軸外受光素子44を図示せぬ移動機構で、リミット
スイッチ436同様の図示せぬリミットスイッチがオン
する位置まで移動させる。以上の処理によって、軸上、
軸外受光素子43、44が像面走査のための基準位置に
セットされる。ここでいう像面走査とは、軸上、軸外受
光素子43、44を光軸、主光線方向にステップ移動さ
せて各ステップ移動位置で軸上、軸外受光素子43、4
4が撮像したチャート像データを読み込んでコントラス
トを測定し、コントラストが最大になるピーク位置を探
すことである。
【0107】 第l方位像面走査 軸上受光素子43の出力から軸上MTFを測定しなが
ら、ステップモータ434を駆動して軸上受光素子43
を図の右から左に、設定された像面走査量WSSだけス
テップ移動させる。同様に、軸外受光素子44の出力か
ら軸外MTFを測定しながら、軸外受光素子44を図の
右から左に、設定された像面走査量WSSだけステップ
移動させる。以上の処理によって、 軸上水平方向のMTF:MTFA1、 軸上水平方向のMTFの最大位置:PPA1、 軸外水平方向のMTF:MTFZ1、 軸外水平方向のMTFの最大位置:PPZ1、 が得られる。
【0108】 第3方位像面走査 レンズマウント1を所定の角度回して被検レンズ11
を、例えば垂直方向(第3方位)に回転させる。そし
て、軸上受光素子43の出力から軸上MTFを測定しな
がら、ステップモータ434を駆動して軸上受光素子4
3を図の左から右に、測定された第1方位の軸上像面位
置PPA1+WSHだけステップ移動させる。同様に、
軸外受光素子44の出力から軸外MTFを測定しなが
ら、軸外受光素子44を図の左から右に、測定された第
1方位の軸外像面位置PPZ1+WSHだけステップ移
動させる。以上の処理によって、 軸上垂直方向のMTF:MTFA3、 軸上垂直方向のMTFの最大位置:PPA3、 軸外垂直方向のMTF:MTFZ3、 軸外垂直方向のMTFの最大位置:PPZ3、 が得られる。
【0109】 平均軸上像面位置に軸上、軸外受光素
子43、44を設定 次に、(PPA1+PPA3)/2によって規定される
水平、垂直の2方位の平均軸上像面位置HKNPPAに
軸上、軸外受光素子43、44を設定する。
【0110】 平均軸上像面位置における軸上、軸外
のMTF測定 被検レンズを回転させ、所定の方位0、1、2、3、
4、5、6、7を向く(角度の)ときのMTFを測定
し、記憶する。この測定により、平均軸上像面位置での
軸上のMTF値である8個のMTFAL(0、1、2、
3、4、5、6、7)値、平均軸上像面位置での軸外M
TF値である8個のMTFZL(0、1、2、3、4、
5、6、7)値が測定される。
【0111】 良否判定 8個の平均軸上像面位置における軸上MTF最小値を計
算してその最小値MTFMNLAを規格値STDMNL
Aと比較する。 MTFMNLA>STDMNLA なら軸上は良品とする。8個の平均軸上像面位置におけ
る軸外MTF最小値を計算してその最小値MTFMNL
Zを規格値STDMNLZと比較する。 MTFMNLZ>STDMNLZ なら軸外は良品とする。軸上、軸外とも良品であれば、
被検レンズは良品とする。なお、良否判定基準値、基準
は任意である。
【0112】以上の処理によって測定したMTFPP
値、良否判定値は、コンピュータ6の記憶手段7に書き
込まれる。被検レンズを測定する基本動作は以上である
が、全方位の像面位置を測定することもできる。この場
合は、像面走査を全8方位で繰り返すことにより、MT
F、軸上、軸外像面の全8方位の測定値が得られる。偏
心、像面湾曲、コマ収差、非点収差を測定する場合は、
8方位測定を行う。校正、良否判定には前記〜の軸
上縦、横の平均像面におけるMTF測定でよい。この場
合は像面走査が2回でよいので、測定時間が短い。レン
ズの生産工程では、工程による変化や劣化を管理すれば
良いため、軸外MTFはメリジオナル(ラジアル方向)
測定のみでよい。
【0113】以上の本発明の実施の形態は、被検レンズ
の測定に先だって、先ず、被検レンズに対応するマスタ
ーレンズを測定し、その測定値が、そのマスターレンズ
の高精度の既知データと一致するようにレンズ測定装置
の各部、あるいは測定値を補正する手段を備えることに
より、1回の測定にコスト、時間をかけた上位の測定機
による測定精度をある程度転写することができる。ま
た、複数のレンズ生産工程があり、レンズ検査装置が複
数台ある場合は、それらを同一のマスターレンズで校正
することにより校正を同一条件で行うことができる。さ
らに、複数の場所に設置された複数のレンズ検査装置を
校正する場合に、上位の測定機による同一の測定条件で
測定された複数のマスターレンズを用いることにより、
同一の測定精度で多数の製品を測定することが可能にな
り、品質管理上非常に効果がある。
【0114】レンズの生産工程において使用されるレン
ズの測定・検査装置においては測定・検査能力の妥当性
が要求される。MTFは原理上、単純に被検レンズによ
る像の光量の空間分布を測定できればよいが、精度を出
すためには測定に時間、コストがかかる。そこで、本実
施の形態のようにマスターレンズによる自動校正の能力
をもつMTF測定機はマスターレンズによる校正を行う
ことにより、精度を保持できるようになり、IS090
01等の品質管理に対する適応性がよくなる。この場
合、マスターレンズを用いて校正する内容は、像面位
置、MTFと光量である。
【0115】[自動レンズ検査]本発明のレンズ検査装
置によれば、レンズの機種とマスターレンズが特定でき
れば、機種変更の自動化が可能となる。例えば、マスタ
ーレンズに、そのレンズの機種を特定できる部分あるい
は構造を設け、あるいはその情報を持った部材を設け、
これらから対応するマスターレンズ情報を選択し、レン
ズ検査装置の特性を校正、調整する。
【0116】図14は、この自動化による工程の一実施
の形態の様子を示す図である。レンズ検査装置のレンズ
マウント13に向かって、ベルト111に乗った被検レ
ンズが右から左に移動する。スカラロボット116はそ
の被検レンズを、図15には示していないが、図1のレ
ンズ検査装置のレンズマウント13への取り付け、取り
外しおよびベルト111への載置を行う。被検レンズ
は、4本置きに別の機種となっており、各群の最初のレ
ンズ112M、113M、114M、115Mがマスタ
ーレンズであり、その後のレンズ112、113、11
4、115は被検レンズである。
【0117】マスターレンズ112Mには、詳細は図示
しないが、レンズの機種が特定できる識別票が貼ってあ
る。識別票としては、バーコード、磁気テープ等、公知
の技術を利用できる。マスターレンズデータは、マスタ
ーレンズ112Mの識別表から読み取ってもよいし、機
種、マスターレンズ番号からレンズ検査装置の、あるい
はレンズ検査装置が接続されたデータベースにアクセス
して取得してもよい。このように本発明によれば、従来
のレンズ検査自動化の工程ではできなかった、複数種類
のレンズを同一のラインで生産可能ないわゆる混流生産
が可能になった。
【0118】[可動軸外ミラーの軸上光束外への退避]
本発明のレンズ検査装置では、軸上、軸外の測定系を持
っているので軸上および軸外のMTFを同時に測定がで
きるが、装置の内部スペースによっては軸上、軸外光束
の分離ができない場合がある。この場合は、可動軸外ミ
ラーの位置、あるいは角度を制御することにより、軸
上、軸外の測定系の光束を切り替え、コンパクトなレン
ズ検査装置で大口径、超広角レンズから焦点距離400
mm以上の超望遠レンズなどの測定を可能とする。
【0119】図1の光学系で大口径の望遠レンズを測定
する場合、以下の問題点が発生する。一例として、焦点
距離300mmでF5.6のレンズを測定する場合を想定
する。軸外主光線の入射角S1を2.8゜、軸外主光線
で照明する軸外チャートCZから被検レンズ前端までの
距離Lを200mm、被検レンズの入射位置と光軸との距
離Hを17.5mm、軸上光束径φAを54mm、軸外光束
径φZを紙面と平行な方向に測って38mm、軸外チャー
トCZから軸外集束レンズ42の光軸までの距離Jを2
40mmとすれば、被検レンズから射出した軸上光束と軸
外光束が重複するので、これらを分離できなくなる。
【0120】図13は、この問題が発生する状態を拡大
して示している。このような場合に軸上、軸外光束が分
離する位置まで距離Jを長くすると、装置が大型化す
る。この例では、距離Jが200mm程度長くなる。そこ
で本発明は、これを避けるために、軸上と軸外の測定に
時間に差をつける。例えば、まず、破線で示した可動軸
外ミラー32を軸上光束を遮光しない位置まで待避させ
る(中間の可動軸外ミラー32)。つまり、図13にお
いて、可動軸外ミラー32の端部32aが、軸上光束径
φAをけらない位置まで光軸から離反(退避)させる。
この退避状態で軸上光束による測定を実行し、測定値を
記憶した後、可動軸外ミラー32の中心を波線で示した
正しい中心位置MPまで移動して軸外光束による測定を
実行し、軸上の測定値と合わせ検査を行う。なお、軸
上、軸外の測定順序は逆でもよいことはいうまでもな
い。
【0121】以上の実施の形態では可動軸外ミラー32
を軸外集光レンズ光軸と平行に移動させて退避させた
が、可動軸外ミラー32を、軸上光束径φA外を中心に
回転させて退避させる構成でもよい。例えば、端部32
aとは反対側の端部32bを中心に回動させる。また、
中心位置MPが軸上光束径φA外にあれば中心位置MP
を中心に回転させる。さらに、被検レンズをレンズ検査
装置に取り付ける際、取り外す際に、被検レンズllと
可動軸外ミラー32が近接していると作業が困難になる
場合には、可動軸外ミラー32の退避量をより大きくす
る。
【0122】[機械的な変化の測定]ズームレンズ、オ
トフォーカスレンズ、プラスチック製鏡胴を持つレンズ
では、特に機械的な剛性が低化しがちである。そこで本
発明の実施の形態では、レンズ回転駆動装置103によ
って、回転マウント101を介して被検レンズをその光
軸を中心に回転させて複数の方位でMTF測定を実行し
て、機械的剛性を測定する。
【0123】MTFA1は軸上位置の1−5方向のMT
Fであるから、光学的にはMTFA5と同一である。光
学的とは、レンズを光軸を軸として半回転させて図1の
光学系で測定した場合、レンズの機械的な変化や測定誤
差により、一般的に得られる測定値MTFAlとMTF
A5は異なった値となるからである。測定時のレンズに
加える加速度、振動等を一定にすれば、レンズの機械的
な変化の測定に用いることができる。例えば、の測定
で得たMTFA0〜7データに基づいて、MTFA0と
MTFA4の差、MTFAlとMTFA5の差、MTF
A2とMTFA6の差、MTFA3とMTFA7の差、
のいずれかを求めるにより、レンズの機械的構成によっ
て生じるMTF変化の測定を行うことが可能である。
【0124】レンズ検査装置は設定された動作命令を変
更されない限り同じ動作を繰り返す。そのためレンズに
加わる回転方向での加減速を主とした加速度変化によ
り、ズームレンズのオートフォーカス機構部分が回転対
称ではないことにより加速度変化に応じて移動し、変形
して光学的にMTFが変化することがある。MTFを高
速かつ正確に測ることができる本発明のレンズ検査装置
によれば、このようなレンズであっても、MTFの変化
からレンズ、レンズ鏡筒の機械的な安定性、あるいは軸
ブレ、レンズ鏡筒の剛性の検査、評価が可能となった。
なお、回転マウント101は、毎秒1回転以上の各加速
度で回転させることが望ましい。
【0125】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り請求項1に
記載の発明は、被検レンズによって形成されるチャート
像と、前記被検レンズとの相対的方向を変える手段を備
え、前記被検レンズに入射するチャート像の相対的方向
を変えて測定するので、その測定値の差から被検レンズ
の軸ブレや剛性を測定できる。請求項4記載の発明は、
被検レンズを光軸を軸心として回転させるので、レンズ
検査装置の光学系を移動することなく、被検レンズの剛
性等を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したレンズ検査装置の一実施の形
態の要部を示す図である。
【図2】同実施の形態におけるコントラスト検出手段の
一実施例を示すブロック回路図および主要部の波形をグ
ラフで示す図である。
【図3】同コントラスト検出手段の抵抗ブロックの一実
施例を示す図である。
【図4】同レンズ検査装置の光源ミラー部の要部概要を
示す図である。
【図5】図5の光源ミラー部の正面図である。
【図6】同光源ミラー部において、可動軸外光源ミラー
を軸上光源ミラーよりも光源ランプ寄りに配置した実施
の形態を示す図である。
【図7】同レンズ検査装置のミラー部の要部概要を示す
図である。
【図8】同レンズ検査装置の光源ミラー部の他の実施の
形態として多機種対応の光源ミラー部の要部概要を示す
図である。
【図9】同レンズ検査装置の光量調節装置の一実施の形
態を示す図である。
【図10】同レンズ検査装置の撮像手段の位置調整機構
の一実施の形態を示す図である。
【図11】同レンズ検査装置で測定したMTFのデータ
をグラフで示す図である。
【図12】同レンズ検査装置における被検レンズの測定
方位を説明する図である。
【図13】軸上光束と軸外光束とが分離できなくなる状
態を説明する図である。
【図14】本発明のレンズ検査装置において、複数種の
被検レンズの測定を自動化する場合の概要を説明する図
である。
【図15】従来のレンズのMTFを測定する装置の光学
系の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 レンズマウント部 101 回転マウント 103 レンズ回転駆動装置 11 被検レンズ 2 光源ミラー部 20 光源ランプ 21 軸上光源ミラー 22 可動軸外光源ミラー 2201 回転軸 2203 ストッパバー 2204 2206 ストッパ 2211 2212 支持部材 2214 2215 軸受部材 2221 2222 シャフト 2231 2233 ストッパ 2232 2234 ねじ 2241 回転軸 2251 2252 支持部材 2253 連結部材 2261 ステップモータ 2262 回転軸 2263 リミットバー 2264 リミットスイッチ 2273 ストッパプレート 2281 ステップモータ 2282 送りねじ 231 第1の減光フィルタ 232 第2の減光フィルタ 31 軸上ミラー 32 可動軸外ミラー 320 回転部材 321 322 ストッパバー 323 ストッパ 324 引っ張りバネ 325 ストッパ 326 ストッパ駒 327 シャフト 328 支持部材 329 シャフト 330a 330b シャフト 331 332 ストッパ 333 エアーシリンダ 335 シャフト 336 連結部材 40 受光部枠 401 402 側板 404 405 ブリッジ 41 軸上集光レンズ 42 軸外集光レンズ 43 軸上受光素子 431 432 ガイドシャフト 433 CCD保持部材 434 ステップモータ 435 送りねじ 436 リミットスイッチ 437 ステップモータ 438 送りねじ 44 軸外受光素子 5 コントラスト検出回路 5300 信号発生回路 5301 サンプルホールド回路 5302 ハイパスフィルタ 5303 全波整流回路 5304 積分回路 5305 抵抗ブロック 5306 積分回路 5308 A/D変換器 5311 バイパス 6 コンピュータ(演算、評価手段) 7 記憶手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】さらに、軸外主光線LZが光軸O101 と成
入射角S1および射出角S2は、レンズの種類により
異なるので、軸外測定のための光学要素(光源102
Z、集光レンズ103Z、チャートCZ)は、被検レン
ズの光学的中心をほぼ回転中心として、角度S1、S2
を変更する方向の回転が必要となる。例えば、被検レン
ズの焦点距離を20mm〜400mm、像高hを15mmとす
れば、入射角S1は約37.5゜〜2.5゜、射出角S
はレンズにより変化するが、約45゜〜5゜の範囲に
なる。そのため、図15に示したレンズ検査装置は、図
の上下方向にも拡大し、およそ4m四方の設置面を必要
とする大型の装置となる。また、物像間距離が無限の装
置は、この従来構成では光源、集光レンズ、チャートと
像面との間隔を無限遠に設置しなければならないので、
事実上実現不可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】ブラケット328には往復移動型のエアー
シリンダ333のピストンロッド335が、連結部材3
36を介して連結されている。エアーシリンダ333に
は、スピードコントローラ334を介して圧縮空気が送
られ、ピストンロッド335が押し出され、ピストンロ
ッド335に連結されたブラケット328および可動軸
外ミラー32を、図において右方向にブラケット328
が位置ストッパ331に当接するまで移動させる。ブラ
ケット328が位置ストッパ331に当接して停止した
状態では、ストッパバー322がストッパ325に当接
して、可動軸外ミラー角度MAが55゜にセットされ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】逆に望遠側から広角側への図の左方向の移
動は、スピードコントローラ337を介してエアーシリ
ンダ333にピストンロッド335を引き込む方向に圧
縮空気を送る。すると、可動軸外ミラー32が図におい
て左方向に、ブラケット328が位置ストッパ332に
当接するまで移動する。支持部材が位置ストッパ332
に当接して停止した状態では、ストッパバー321が回
転ストッパ323に当接していて、可動軸外ミラー角度
MAが65゜にセットされる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したレンズ検査装置の一実施の形
態の要部を示す図である。
【図2】同実施の形態におけるコントラスト検出手段の
一実施例を示すブロック回路図および主要部の波形をグ
ラフで示す図である。
【図3】同コントラスト検出手段の抵抗ブロックの一実
施例を示す図である。
【図4】同レンズ検査装置の光源ミラー部の要部概要を
示す図である。
【図5】図5の光源ミラー部の正面図である。
【図6】同光源ミラー部において、可動軸外光源ミラー
を軸上光源ミラーよりも光源ランプ寄りに配置した実施
の形態を示す図である。
【図7】同レンズ検査装置のミラー部の要部概要を示す
図である。
【図8】同レンズ検査装置の光源ミラー部の他の実施の
形態として多機種対応の光源ミラー部の要部概要を示す
図である。
【図9】同レンズ検査装置の光量調節装置の一実施の形
態を示す図である。
【図10】同レンズ検査装置の撮像手段の位置調整機構
の一実施の形態を示す図である。
【図11】同レンズ検査装置で測定したMTFのデータ
をグラフで示す図である。
【図12】同レンズ検査装置における被検レンズの測定
方位を説明する図である。
【図13】軸上光束と軸外光束とが分離できなくなる状
態を説明する図である。
【図14】本発明のレンズ検査装置において、複数種の
被検レンズの測定を自動化する場合の概要を説明する図
である。
【図15】従来のレンズのMTFを測定する装置の光学
系の概要を示す図である。
【符号の説明】 1 レンズマウント部 101 回転マウント 103 レンズ回転駆動装置 11 被検レンズ 2 光源ミラー部 20 光源ランプ 21 軸上光源ミラー 22 可動軸外光源ミラー 2201 回転軸 2203 ストッパバー 2204 2206 ストッパ 2211 2212 支持部材 2214 2215 軸受部材 2221 2222 シャフト 2231 2233 ストッパ 2232 2234 ねじ 2241 回転軸 2251 2252 支持部材 2253 連結部材 2261 ステップモータ 2262 回転軸 2263 リミットバー 2264 リミットスイッチ 2273 ストッパプレート 2281 ステップモータ 2282 送りねじ 231 第1の減光フィルタ 232 第2の減光フィルタ 31 軸上ミラー 32 可動軸外ミラー 320 回転部材 321 322 ストッパバー 323 ストッパ 324 引っ張りバネ 325 ストッパ 326 ストッパ駒327 ねじ 328 支持部材 329 シャフト 330a 330b シャフト 331 332 ストッパ 333 エアーシリンダ335 ピストンロッド 336 連結部材 40 受光部枠 401 402 側板 404 405 ブリッジ 41 軸上集光レンズ 42 軸外集光レンズ 43 軸上受光素子 431 432 ガイドシャフト 433 CCD保持部材 434 ステップモータ 435 送りねじ 436 リミットスイッチ 437 ステップモータ 438 送りねじ 44 軸外受光素子 5 コントラスト検出回路 5300 信号発生回路 5301 サンプルホールド回路 5302 ハイパスフィルタ 5303 全波整流回路 5304 積分回路 5305 抵抗ブロック 5306 積分回路 5308 A/D変換器 5311 バイパス 6 コンピュータ(演算、評価手段) 7 記憶手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検レンズを透過した軸上光束によって
    形成されたチャート像に基づいてレンズ特性を測定する
    レンズ検査装置であって、 前記チャート像と、前記被検レンズとの相対的方向を変
    える手段を備え、前記被検レンズに入射するチャート像
    の相対的方向を変えて測定することを特徴とするレンズ
    検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレンズ検査装置におい
    て、被検レンズの軸上MTF値を、同一の測定光学的条
    件下で前記被検レンズに対して異なる方位で測定して演
    算し、演算した複数の軸上MTF値から被検レンズの機
    械的剛性を評価する評価手段を備えているレンズ検査装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のレンズ検査装置におい
    て、被検レンズを軸上MTFを設定された方位で測定し
    て算出したMTFと、前記方位とは逆の方位で測定して
    算出したMTFとを比較し、その差異から被検レンズの
    機械的剛性を評価する評価手段を備えているレンズ検査
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のレンズ検査装置
    は、被検レンズの軸上位置に、チャートを透過した光束
    を入射させ、前記被検レンズから射出した光束によって
    チャートの像を受光手段に結ばせ、前記評価手段は、こ
    の受光手段の出力に基づいてMTFを演算し、評価する
    レンズ検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか一項記載のレ
    ンズ検査装置において、前記受光手段はラインセンサで
    あるレンズ検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか一項記載のレ
    ンズ検査装置において、前記被検レンズをその光軸を軸
    として回転させるレンズ回転駆動手段を備えているレン
    ズ検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のレンズ検査装置におい
    て、前記レンズ回転駆動手段は、前記被検レンズを光軸
    を軸として毎秒1回転以上の各加速度で回転させるレン
    ズ検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一項記載のレ
    ンズ検査装置は、光源からの光束を被検レンズの光軸に
    沿って反射する、光軸上に配置された軸上光源ミラー
    と、この軸上光源ミラーで反射された軸上光束が透過す
    る軸上チャートと、前記被検レンズを透過した軸上光束
    を被検レンズの光軸と直角をなす方向に反射する軸上ミ
    ラーと、この軸上ミラーで反射された軸上光束を集光す
    る軸上集光レンズおよび軸上集光レンズによって結ばれ
    た軸上チャート像を受光する軸上受光手段と、この軸上
    受光手段が出力するチャート像信号に基づいてMTFを
    演算し、評価する評価手段を備えているレンズ検査装
    置。
JP10829298A 1998-04-17 1998-04-17 レンズ検査装置 Pending JPH11304652A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100924117B1 (ko) 2009-07-15 2009-10-29 김대봉 렌즈 검사 장치
JP2010112831A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd キャピラリー・アレイ・シート検査装置及び検査方法
CN102853999A (zh) * 2012-08-29 2013-01-02 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 实现整机传函和镜头光学传递函数检测的架构布局方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN102853999A (zh) * 2012-08-29 2013-01-02 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 实现整机传函和镜头光学传递函数检测的架构布局方法
CN102853999B (zh) * 2012-08-29 2014-07-09 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 实现整机传函和镜头光学传递函数检测的架构布局方法

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