JPH11303968A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JPH11303968A
JPH11303968A JP29592798A JP29592798A JPH11303968A JP H11303968 A JPH11303968 A JP H11303968A JP 29592798 A JP29592798 A JP 29592798A JP 29592798 A JP29592798 A JP 29592798A JP H11303968 A JPH11303968 A JP H11303968A
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power
electromagnetic
angular velocity
gear
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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    • H02K51/00Dynamo-electric gears, i.e. dynamo-electric means for transmitting mechanical power from a driving shaft to a driven shaft and comprising structurally interrelated motor and generator parts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作速度範囲全体について、静止起動速度を
含む最良の操作性能を実現し、かつ動力の回収再生が可
能な動力伝達装置を提供する。 【解決手段】 機械および/または電気的な動力を伝達
する動力伝達装置であって、動力伝達機構と伝達作用再
分配機構とを一体的に整合させるとともに、伝達作用再
分配機構により動力伝達機構の操作速度範囲全体のうち
性能が最も優れた範囲を再分配、あるいは動力伝達装置
の静止起動速度を含む操作速度範囲全体に再反映させ
て、操作速度範囲を最良な状態に調整できる構成とす
る。その機械方式においては、遊星歯車列を伝達作用再
分配機構として採用して機械から機械への動力伝達を処
理し、その電磁方式においては、回転整流子を伝達作用
再分配機構として採用して機械から機械、電気から機
械、機械から電気、電気から電気への1種類または多種
類の動力伝達を処理すると同時に、いずれも動力の回収
再生操作が行えるものとして構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力の伝達を制御
操作する装置に係り、特に、動力源から発生する機械ま
たは電気的な動力を最適な状態で負荷に伝達し、その伝
達する動力が操作速度範囲の全体にわたって負荷が必要
とする特定の機械あるいは電気的な動力特性を満足させ
ることができ、かつ動力の再生もできる動力伝達装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】動力(または仕事率)は、単位時間当た
りのエネルギー流量を計測する、あるいはそれが成した
仕事量を計測する1つの測定単位である。電気的な動力
は、一般に住宅、工場、そして、例えば電気鉄道の架空
電線において容易に入手することができ各種の用途に供
される動力である。また、例えば内燃機関などの原動機
(prime mover)が化石燃料(fossil fuel)を使用して原
動機動力(raw motive power)の形式で提供する機械的な
動力もまた極めて便利な動力源である。実際の使用状態
では、これらが現代社会で入手しやすい2種類の動力源
となっている。
【0003】「動力」とは、ここでは一般的に機械的あ
るいは電気的な形式の動力を指している。本発明の説明
において、「動力の伝達」とは、機械的あるいは電気的
な動力を伝達して機械または電気的な動力となすことを
指している。従って、本発明において行う動力伝達の操
作および制御は、機械ならびに電気的な動力という2種
類の動力形式を包括するものとなっている。
【0004】機械ならびに電気的な動力を考慮に入れる
時、併せて4種類の動力伝達形態(power transmission
modes)が可能なものとなる。一般的な用語として、例
えば車輌の動力系統のような機械から機械への動力伝達
を機械動力伝達と呼んでいる。電気から機械的への動力
伝達は、電動モーターを使用する時に、電気モーター動
力(electric motoring)と呼んでいる。反対に、発電機
を使用して機械的な動力を電気的な動力として伝達する
時は、電気的な動力の発電(electric power generatin
g)と呼んでいる。電気から電気への動力伝達では、一般
に、電圧および/または周波数などの調整変化が関係し
てくる。周波数がゼロとなる極端な状態においては、A
C電力がDC電力となる。
【0005】動力伝達の必要性は、ごく簡単な理由に基
づいている。すなわち、動力源を提供する際に、電気的
あるいは機械的な動力のいずれであったとしても、動力
を使用する負荷が直接マッチングできない場合には、負
荷に適した動力に変換して伝達する必要性がでてくる。
通常、動力源と負荷との関連特性要素は、機械的な動力
においてはトルクおよび回転速度であり、電気的な動力
においては、周波数ならびに電圧である。機械および電
気的な動力の使用については、その効率がますます重要
な要素となってくる。例えば、全世界で使用されている
内燃機関エンジン駆動の車輌の膨大な数量を考えると、
たとえ車輌動力源ならびに伝達効率のわずかな進歩であ
ったとしても、化石燃料消費の大幅な削減につながる。
電気自動車のような極端な使用形態においては、バッテ
リー技術が電気駆動系統の効率を向上させる上でのネッ
クとなっており、その問題を解決することが最重要課題
となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関エンジンは、
変速機(transmission)によりトルクならびに回転速度
の調整を行って車輌の駆動輪の駆動ニーズに適合できる
ようになっている。従来の車輌内燃機関エンジンは、回
転速度がゼロの時には駆動トルクを提供できないもので
ありながら、車輌は静止速度からスタート加速して前進
する必要がある。これは限られた回転速度範囲だけ(ゼ
ロ回転速度を含まない)において操作できる内燃機関エ
ンジンが、操作速度範囲全体(ゼロ回転速度を含む)に
おいて負荷を駆動する必要があることを意味している。
自動車の変速機は、機械的な動力の伝達に使用されるも
のであると同時に、必要なトルクおよび回転速度の調整
転換に用いられる。しかし、多段歯車を配設したトルク
コンバーター(torque converter)を基本とする従来の
自動車変速機には、それなりの欠点があった。このよう
な自動車変速機は、精密で複雑な流体ロジックバルブメ
カニズム(fluid logic valve mechanism)を採用してト
ルクコンバーターと3〜4組の異なるギヤ比の歯車列中
の1組を切り換え結合しなければならないので、使用さ
れている1組の歯車のみが機能を発揮することができ、
その他の歯車列は使用されない。従って、車輌の総重量
を増大させるものとなっていたとともに、従来のトルク
コンバーターは低い操作回転速度範囲において効率が極
めて悪いものとなっていた。
【0007】モーター形態(motoring mode)で動作する
電動機は、電動モーターが公知であるが、ゼロ回転速度
トルクを提供できるけれども、その際の効率は極めて低
いものであった。大出力のモーター駆動系統において
は、その起動回転速度での効率の低さから放熱の問題が
発生するので、その低速パワーを低下させて加熱により
電動機が致命的な損壊を受けないようにする必要があっ
た。もちろん、PWM(Pulse-Width Modulation)のよ
うなパワー電子駆動(power electronics drives)系統
は、確かにモーターの操作速度範囲を拡大し、かつ全体
としての操作効率を向上させたが、このような電子駆動
系統は、複雑で設備コストが高いものとなっていた。
【0008】発電形態(generating mode)において発電
機として動作する電動機も、また、その機械的な動力を
入力する回転速度範囲によって制限されるものとなって
いた。例えば、発電機を駆動する風力タービン(wind t
urbine)は、その操作が最低風速に制限されるものとな
っていた。この最低風速以下では、その発電系統は、発
電が不可能ではないにしても、家庭用途あるいは工業用
途に適合したAC電力の生産は不可能であった。
【0009】従って、機械的および/または電気的な動
力の伝達に使用することができる機器を広く検討する場
合、従来の駆動系統は、車輌用変速機、電動モータード
ライバー、発電機のいずれにおいても、低い操作速度範
囲での低いエネルギー効率特性という問題があることが
分かる。不都合なことに、低い操作速度は、これらの動
力駆動系統にとって回避することができない操作状況で
ある。交通渋滞時のような車輌用変速機の操作状況にお
いて、その低い回転速度での低い効率特性により、渋滞
に陥った膨大な数量の車輌を考えれば、空気汚染の問題
がますます深刻なものとなるろう。大部分の車輌用変速
機は、その操作回転速度範囲の一部分(通常は、高速回
転の一部分)で最良の操作効率を発揮するようにに調整
することができるが、操作回転速度範囲全体について最
良の効率特性を実現させることができなかった。デジタ
ル電子制御のパワー電子系統を採用した電動モータード
ライバーならば、確かに単純なモーターに比べて操作回
転速度範囲の全体を通じてトータルに性能を向上させる
ことができるが、パワー電子モーター制御系統は、シス
テムが複雑であり製造コストが高いものとなっていた。
【0010】そこで、本発明の主要な目的は、その操作
回転速度範囲の全体について、最良の操作性能を実現す
ることができる動力伝達装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、その操作回転
速度範囲の全体について最良の操作性能を実現すること
ができる動力伝達装置に関し、電力伝達機構(power tr
ansmitting means)と、伝達作用再分配機構(transmis
sion interaction redistribution means)とを具備する
ものである。その電力伝達機構は、第1伝達作用要素お
よび第2伝達作用要素を備え、それを入力手段に連接
し、所定の入力角速度で外部からの動力を受け入れるも
のである。第1伝達作用要素および第2伝達作用要素
は、それぞれ第1角速度ならびに第2角速度で操作さ
れ、第1伝達作用要素および第2伝達作用要素間の伝達
作用を介して動力を伝達する。伝達作用再分配機構は、
電力伝達機構ならびに出力手段と一体となって機能す
る。動力伝達装置の電力伝達機構は、第1角速度および
第2角速度で操作される時に、動力伝達作用が、伝達作
用再分配機構により出力手段上に再分配され、出力手段
は、所定の出力角速度で動力を外部負荷へ送り出すもの
である。
【0012】本発明にかかる機械方式による動力の伝達
においては、その動力伝達装置が、動力伝達機構と外擺
(はい)歯車列(epicyclic gear train)とを具備す
る。その動力伝達機構は駆動要素および被駆動要素を備
え、それを入力手段に連接し、所定の入力角速度で外部
からの機械的な動力を受け入れる。動力伝達機構の駆動
要素ならびに被駆動要素は、それぞれ第1角速度および
第2角速度で操作される時に、駆動要素ならびに被駆動
要素間の伝達作用を介して動力を伝達する。外擺歯車列
は、第1歯車、第2歯車、第3歯車を有し、第1歯車が
固定静止されて回転せず、第3歯車が駆動されて回転す
る時に第2歯車が第3歯車と同一方向に回転し、かつそ
の角速度が第3歯車より小さいものである。第3歯車が
動力伝達機構の駆動要素に連接され、第2歯車が動力伝
達機構の被駆動要素に連接され、第1歯車が出力手段
(たとえば出力軸)に連接される。駆動角速度および被
駆動角速度で操作される動力伝達機構の動力伝達作用
は、遊星歯車列により出力軸に再分配され、出力軸は所
定の出力角速度で機械的な動力を外部負荷に伝達する。
【0013】本発明にかかる電磁方式による動力の伝達
においては、その動力伝達装置が、電磁動力伝達機構
と、回転整流子(rotary commutator)とを具備する。そ
の電磁動力伝達機構は、第1電磁要素および第2電磁要
素を備え、所定の入力角速度で外部からの動力を受け入
れる。そして、第1電磁要素ならびに第2電磁要素は、
それぞれ第1角速度および第2角速度で操作されて、第
1電磁要素および第2電磁要素間の伝達作用を介して動
力を伝達する。回転整流子は、第1電磁要素を磁化する
とともに、電磁動力伝達機構の第1電磁要素ならびに第
2電磁要素と一体的に機能する。回転整流子が、所定の
整流角速度で操作されて第1電磁要素を磁化して、第1
電磁要素中に第1回転磁場を形成し、その回転角速度が
第2電磁要素の形成する第2回転磁場の角速度に同期さ
れるものである。電磁動力伝達機構は、第1回転磁場お
よび第2回転磁場が同期となる角速度で操作されて、そ
の動力伝達電磁作用が回転整流子により出力手段に再分
配され、出力手段は所定の角速度で動力を電磁動力伝達
機構を介して外部負荷に伝達する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施
の形態を図面に基づいて説明する。実施の形態の説明に
入る前に、先ず、基本的な概念を説明する。本発明にか
かる動力伝達装置は、入力手段と出力手段とを備える。
本発明にかかる動力伝達装置により動力の伝達を行う
時、その入力手段で外部の動力源を受け入れ、その出力
手段で動力を外部負荷に伝達することができる。用語
「動力の伝達」について言えば、本発明には広義の「動
力」を適用することができ、機械的な動力ならびに電気
的な動力を包括するものである。本発明に係わる各実施
の形態において、機械的あるいは電気的な動力は、外部
の動力源から動力伝達装置へ入力され、動力伝達装置か
ら機械的あるいは電気的な動力を外部負荷へ出力するこ
とができる。
【0015】各実施の形態において、本発明にかかる動
力伝達装置は、その動力形式が機械あるいは電気形式の
いずれであっても、反対方向への動力の伝達ができるも
のである。すなわち、入力から出力方向への正常な動力
伝達操作のほかにも、反対方向へ動力を伝達することが
できるので、本発明にかかる動力伝達装置は、動力再生
操作をも実現するものである。例えば、鉄道の電気機関
車の駆動系統に適用できる電気的な動力から機械的な動
力への動力伝達装置においては、その反対方向への動力
伝達機能は、機関車においてエネルギー再生方式のブレ
ーキ操作として実現することができる。
【0016】また、本発明において、DC電力は、多相
AC電力の1つの特殊な状況としてとらえている。つま
り、DC電力は周波数がゼロである単相AC電力であ
り、電位極性が変化しないAC電力なのである。
【0017】<広義な動力伝達装置(Generalized Powe
r Transmission Apparatus)>本発明にかかる動力伝達
装置は、動力伝達機構と伝達作用再分配機構とを利用し
て、両者の合体により構成されるものである。つまり、
伝達作用再分配機構の利用ならびに、その動力伝達機構
との結合方式において、2段階の基本概念が存在する。
まず、本発明にかかる動力伝達機構は、その機能要素間
の動力伝達作用が再分配されるということである。次
に、このような動力伝達作用の再分配により動力伝達機
構の操作範囲を最良性能範囲に限定することができる。
動力伝達機構の限定された操作範囲における再分配によ
って、本発明にかかる動力伝達装置は、その出力を静止
起動回転速度を含む出力回転速度範囲全体において実現
することができる。
【0018】図1において、本発明にかかる広義な動力
伝達装置を示すと、動力伝達装置100は、動力伝達機
構110と、伝達作用再分配機構120とを具備してい
る。なお、本発明にかかる各実施の形態を示す他の図面
において、等価機能を有する構成要素については同一の
符号を付しているが、もちろん、構成要素によっては、
機能が等価であっても構造の大きく異なるものも存在す
る。
【0019】一般的に、動力伝達機構110は、少なく
とも2つの動力伝達の第1伝達作用要素111ならびに
第2伝達作用要素112から構成され、そのうち第1伝
達作用要素111が動力(図示せず)を第2伝達作用要
素112に伝達することで、その動力伝達作用を達成す
る。動力伝達機構110内部で伝達される動力は、動力
伝達装置100の入力手段131を介して、外部動力源
181から受け入れられる。動力伝達機構110は、伝
達作用再分配機構120と一緒になって動力伝達装置1
00を構成する。動力伝達機構110が外部動力源18
1から受け入れた動力は、伝達作用再分配機構120に
より再分配されて出力手段132に伝達されるととも
に、外部負荷182に伝達される。
【0020】図1において、本発明にかかる動力伝達装
置100は、機械ならびに電気的な2種類の動力形式を
処理することができる。動力伝達装置100が受け入れ
る動力が機械的な動力である場合、入力手段131は回
転軸であり、機械的な連結方式で外部動力源181に結
合させることができる。その際、外部動力源181は機
械的な原動力を発生させることができる機械動力源であ
るから、入力カプラー171は機械的な結合器となる。
動力伝達装置100が受け入れる動力が電気的な動力で
ある場合、入力手段131は導電線であり、電気的な連
結方式で外部動力源181に結合させることができる。
その際、外部動力源181は電気的な原動力を発生させ
ることができる電気動力源であるから、入力カプラー1
71は電気的な結合器となる。
【0021】出力端において、その出力される動力が機
械的な動力である時、動力伝達装置100の出力手段1
32は回転軸であり、機械的な連結方式により外部負荷
182と結合させることができる。この際、外部負荷1
82は機械的な動力を使用する機械的な負荷であるか
ら、出力カプラー172は機械的な結合器となる。動力
伝達装置100が出力する動力が電気的な動力である
時、その出力手段132は導電線であり、電気的な連接
方式により外部負荷182と結合させることができる。
この際、外部負荷182は電気的な動力を使用する電気
的な負荷であるから、出力カプラー172は機械電気的
な結合器となる。
【0022】動力伝達装置100内部において、動力伝
達機構110の構成要素と伝達作用再分配機構120と
の整合は、例えば、2つの結合要素141,142によ
って達成される。動力伝達装置100の動力形式によ
り、これらの結合要素141,142は、機械的あるい
は電気的な結合要素となる。
【0023】本発明の基本概念を実際に応用する時、実
施可能な方式が2種類ある。つまり、本発明にかかる動
力伝達装置100の内部動作原理に基づけば、機械方式
ならびに電磁方式の2種類となる。本発明にかかる動力
伝達装置100の機械方式においては、動力の受け入
れ、再分配、出力ともに機械作用によって達成される。
同様に、本発明にかかる動力伝達装置100の電磁方式
においては、動力の受け入れ、再分配、出力ともに電磁
作用によって達成される。
【0024】これら2種類の動力方式では、いずれも伝
達作用再分配機構120が使用されている。電磁方式で
は、本発明にかかる動力伝達装置100の動力伝達機構
110は、電磁理論により動作する電動機を採用してい
るが、現在広範に使用されている従来の電動機とは構造
において若干異なるものがある。動力伝達機構110内
部の電磁作用は、伝達作用再分配機構120と一体とな
って、本発明にかかる動力伝達装置100の機能を実現
する。
【0025】次に、機械方式では、本発明にかかる動力
伝達装置100の動力伝達機構110を各種の動力伝達
装置とすることができるが、その構造には従来のものと
比べて若干の違いがある。機械的な動力の伝達作用は、
機械的な作用力全体を利用する形で伝達作用再分配機構
120の機械作用力と一体となって出力手段132上に
再分配される。この機械方式に適用できる動力伝達機構
110としては電動機があり、そのまま機械的な動力伝
達機構とすることができ、機能的には液圧トルクコンバ
ーターが動力伝達機構110として使用される状況に類
似している。
【0026】本発明にかかる動力伝達装置100の機械
方式では、機械動力から機械動力への伝達形態を適用す
ることができる。本発明にかかる動力伝達装置100の
電磁方式では、機械動力から機械動力へ、電気動力から
機械動力へ、電気動力から電気動力へという伝達形態を
それぞれ適用することができる。
【0027】本発明にかかる動力伝達装置100の機械
式動力伝達機構110として採用できるものには、さま
ざまなタイプがあって、すでに工業的に使用可能なこと
が実証されているものは、いずれも採用できる。例え
ば、液圧カプラー(fluid coupler)ならびにトルクコン
バーター(torque converter)などのような液圧装置
(hydraulic devices)、渦流クラッチ(eddy-current c
lutch)、発電機/モーターセット(generator-motor se
t)、永久磁石磁場要素を設けた誘導電動機(induction
machine with permanent magnet field element)などと
いった電磁装置がそうである。従来技術の機械式動力伝
達機構も修正を加えれば使用可能である。たとえば、従
来のトルクコンバーターに修正を加えて、その高速端に
最良の操作特性、つまり効率特性が出現するようにすれ
ば、本発明にかかる動力伝達装置に適用することが可能
である。高速性能を重視すれば、その低速性能がさらに
悪化する可能性があるが、このような修正されたトルク
コンバーターで構成された、本発明にかかる動力伝達装
置では、そのトルクコンバーターを低速範囲で操作する
必要がない。また、本発明にかかる動力伝達装置に適用
できる電磁動力伝達機構は、基本的に電磁学理論を基礎
としているので、発電ならびにモーター動力を発生する
電動機とすることができる。このような電動機には、A
C誘導電動機、DCモーター/発電機のような多くの現
行機種あるいは修正機種があって、いずれも本発明に適
用できるものである。
【0028】図2において、本発明にかかる伝達作用再
分配の概念を説明する前に、標準化角速度と等価ギア比
との関係を示す。図2の座標において、横軸がx軸で、
動力伝達機構の等価ギア比を表わし、縦軸がy軸で、動
力伝達機構の組成作用要素の標準化角速度を表わしてお
り、機械式あるいは電磁式に関わりない回転それ自体を
示している。動力伝達機構の等価ギア比は、その出力の
角速度を入力の角速度で割って得られた商と定義され
る。また、動力伝達機構の任意の機能要素の標準化角速
度は、当該特定要素の角速度を所定の参考角速度で割っ
て得られた商と定義される。
【0029】そこで、トルクコンバーターの羽根車(im
peller)について言えば、その標準化角速度は、羽根車
の角速度を駆動トルクコンバーターの内燃機関エンジン
の1つの選定された参考角速度で割って得たものを利用
することができる。内燃機関エンジンの選定された参考
角速度は、例えば、その定格の出力動力とすることがで
きる。もしもエンジンがトルクコンバーターの羽根車を
直接駆動するのであれば、羽根車の標準化角速度が1と
なり、単位標準化角速度の1種類とすることができる。
また、このトルクコンバーターのタービン(turbine)
は、その同一の参考角速度において計測して得られた標
準化角速度は常に1よりも小さい。AC電動機の回転子
について言えば、その標準化角速度は、回転子の角速度
をその供給されるAC電源の周波数で換算して得られた
角速度で割って得られる商である。大部分の商用電力網
においては、一般に、その電源周波数は60ないしは5
0ヘルツ(Hz)である。
【0030】本発明にかかる動力伝達装置自体が、1つ
の動力伝達機構であることに注目すれば、その特性もま
た図2によって説明することができる。そこで、外部動
力源が、図2の水平入力速度線101に示したように、
1つの固定した100%の定格角速度で動力伝達機構の
入力手段に動力を伝えるが、この動力伝達機構の出力
は、横軸の等価ギア比を変数として座標中に標記するこ
とができる。出力の角速度は、出力速度線102で表わ
すことができ、動力伝達機構のギア比の関数として標記
することができる。例えば、等価ギア比が0.5であれ
ば、出力は入力の50%の速度で動作するから、出力速
度線102上の点105で表わすことができる。なお、
出力が入力される角速度より大きい状態で操作される
時、そのギア比もまた1よりも大きいものとなり、ある
いは出力の回転方向が入力とは反対となる時には、その
ギア比もまたマイナス値となることに注意する必要があ
る。
【0031】機械式動力伝達系統として使用される一般
の動力伝達機構において、その機能を出力の被駆動要素
とすることによって初めて1つの完璧な速度範囲におい
て動作させることができるようになることがしばしばあ
る。車輌駆動(vehicle propulsion)において実際的に
使用できるようにするために、その完璧な速度範囲は、
通常、静止起動速度(stall speed)を含む必要があり、
それは図2に示したギア比がゼロとなる点である。従っ
て、液圧トルクコンバーターに依存する自動車変速機で
は、コンバーター・タービンの速度範囲を静止起動点ま
で下げて、車輌が静止状態から起動発進できるようにす
る必要がある。残念ながら、周知のように、一般的なト
ルクコンバーターについて言えば、低いタービン回転速
度では低いエネルギー効率しか得られない。
【0032】本発明にかかる動力伝達装置として適用で
きる動力伝達機構には、いずれも駆動要素と、被駆動要
素とが必要である。動作時に、その駆動要素は、2要素
間の伝達作用を利用して被駆動要素を駆動する。本発明
にかかる機械方式では、その動力伝達機構をトルクコン
バーターのような機械摩擦力に依存して動作する動力伝
達機構とすることができるし、あるいは、誘導電動機の
ような電磁結合原理により動作する動力伝達機構とする
こともできる。本発明にかかる電磁方式では、モーター
ならびに発電機の原理で動作する、ある種の電動機とす
ることができる。いずれにしても、この動力伝達機構が
伝達作用再分配機構と一体的に結合して動力の伝達作用
を再分配することで、本発明にかかる動力伝達装置に特
有な動力伝達特性を実現することができる。
【0033】動力伝達機構は、本発明にかかる動力伝達
装置中に組み込まれる時、その操作速度範囲のうち一定
の選択された狭い範囲で操作されるように構成すると同
時に、本発明にかかる動力伝達装置の出力が、静止起動
速度を含む操作速度範囲全体をカバーし得るものとす
る。このような一定の狭い範囲を選択できる機能により
動力伝達機構が操作効率の悪い低速部分(静止起動速度
を含む)を回避することができる。また、本発明にかか
る動力伝達装置は、動力伝達作用を再分配する機構を備
えているが、その構成ならびに機能については後述す
る。
【0034】図1と図3とにおいて、本発明にかかる広
義な動力伝達装置の標準化角速度と等価ギア比との関係
を示す。図2と同様に、その縦軸で動力伝達装置100
の機能要素の角速度を表わし、その横軸で等価ギア比を
表わしている。入力速度線101は動力伝達装置100
の入力速度を表わしているが、外部動力源181が10
0%の定格角速度でこの動力伝達装置100の入力手段
131に対して動力を提供するものと仮定している。動
力伝達装置100の出力手段132は、出力速度線10
2で示すように、静止起動速度を含む操作速度範囲の全
体をカバーする必要がある。動力伝達装置100の合理
的かつ実際的な全操作速度範囲は、出力速度線102上
のA点からB点の間であり、横軸(x軸)上のゼロから
1のギア比範囲である。
【0035】図1の広義な動力伝達装置100におい
て、その入力構造の違いによって、入力手段131が動
力伝達機構110の駆動要素111または被駆動要素1
12に直接連接される。図1の動力伝達装置100は、
その機械方式において、その動力伝達機構110の駆動
要素111が入力手段131に直接連接されると仮定し
ている。この駆動要素111は、図3の水平な入力速度
線101に示した固定速度により入力される動力を受け
入れ、被駆動要素112は被駆動要素速度線103上の
速度によって駆動される。図3の出力速度線102は、
動力伝達装置100の出力手段132(機械方式では出
力軸132)の角速度を表わしている。
【0036】同じく、図1と図3とにおいて、動力伝達
装置100の機械方式における出力手段132が、出力
速度線102上のA点からB点に示したように、ゼロか
ら1の全速度範囲で操作できるようにするためには、動
力伝達機構110の被駆動要素112が被駆動要素速度
線103上のC点からB点に表わした対応する速度範囲
で動作しなければならない。動力伝達装置100の出力
速度線102上のA点からB点に示した出力速度範囲
は、入力手段131に加える入力速度をゼロから1まで
の完全な出力速度範囲とするためである。この完全な出
力速度範囲に対応して、動力伝達機構110の被駆動要
素112は、例えば駆動要素111の速度の75〜10
0%というより狭い速度範囲で動作すればよい。このよ
うな機能を実現するために動力伝達作用再分配機構12
0は、動力伝達機構110と結合して、速度範囲の再分
配、すなわち速度範囲の再調整を行わなければならな
い。
【0037】図1と図3と図4とにおいて、図4は、広
義な動力伝達装置100のうち、異なる構造を備えるも
のであって、図3の動力伝達機構110の駆動要素11
1が入力手段131に直接連接されているのとは異なっ
て、図4では、動力伝達機構110の駆動要素111は
入力手段131に直接連接されておらず、逆に、被駆動
要素112に直接連接されている。この場合、被駆動要
素112の被駆動要素速度線103が表わしているの
は、動力伝達機構110の入力速度線である。動力伝達
機構110の狭い操作速度範囲が動力伝達装置100の
操作速度範囲全体に対して再分配されるという概念は、
図3の説明と同様であるが、被駆動要素112が一定の
操作速度に保持され、駆動要素111が動力伝達装置1
00の等価ギア比の変動によって速度を変更するという
点だけが異なっている。
【0038】対照的に、電磁方式においては、動力伝達
装置100の入力手段131は、常に電磁動力伝達機構
110の駆動要素111と連接するものとなっている。
図1の広義な動力伝達装置100のうち、ある種の電磁
方式においては、電動機方式の電磁動力伝達機構110
は、装置出力の等価ギア比のいかんに関わらず、その駆
動要素111および被駆動要素112は、いずれも同一
の角速度で操作される。従って、動力伝達装置100の
電磁方式において、伝達作用を再分配するという概念
は、狭い範囲の速度ではなく、動力伝達機構110の1
つの特定操作速度を動力伝達装置100の操作速度範囲
全体に対して再分配するものとなる。機械方式と同様
に、電磁方式の動力伝達機構110の特定操作速度もま
た最良操作状態となる速度を選択することができる。
【0039】例えば、電磁動力伝達機構110の駆動要
素111は、回転磁場を形成することができる電動機の
磁場要素(field element)とすることができる。また、
その被駆動要素112は、電機子(armature)とするこ
とができ、駆動要素111と同一角速度で回転する別な
回転磁場を形成することができる磁化再分配電磁コイル
とすることができる。この場合、図3において、被駆動
要素速度線103が、入力速度線101と重なることに
なる。言い換えれば、入力速度線101は、この時、本
発明にかかる動力伝達装置100の電磁動力伝達機構1
10を構成する駆動要素111ならびに被駆動要素11
2の角速度を表わすものとなる。出力速度線102は、
やはり動力伝達装置100の出力手段132の角速度を
表わしており、電磁方式において被駆動要素速度線10
3は存在しないことになる。この場合、図3は、実質的
に図2のように簡略化されたものとなるので、図2によ
り電磁方式を説明することができる。
【0040】本発明にかかる動力伝達装置100の電磁
方式について言えば、駆動要素111および被駆動要素
112それぞれの回転磁場は、一般のAC同期モーター
における状況と同様に、相互干渉する必要がある。ある
種のAC同期モーターにおいて、その永久磁石回転子ま
たは、それと等価である電磁石回転子は、磁場コイルに
より形成される回転磁場に同期する速度で回転しなけれ
ばならない。両者間で、もしも同期しない場合には、モ
ーターの回転子がロックしてしまう。反対に、本発明に
かかる動力伝達装置100の機械方式では、その動力伝
達機構110の駆動要素111および被駆動要素112
間では、トルクコンバーターがそうであるように、滑り
(slip)の存在が不可欠であるから、通常、被駆動要素
112は駆動要素111速度の100%を達成すること
はできない。
【0041】なお、電気的な動力を伝達する動力伝達装
置100においては、図2と図3とに示した横軸(x
軸)で入力あるいは出力のAC電気動力の周波数比率を
表わすことができる。その等価ギア比が、つまりAC出
力および入力動力の周波数間の比率であり、横軸で表わ
すことができる。
【0042】<動力伝達装置の機械方式(Mechanical I
mplementation)>図1に示した、本発明にかかる広義な
動力伝達装置100は、その操作速度範囲全体のうち低
速部分に良好な性能を付与することができる。例えば、
機械から機械への動力伝達を行う機械方式において、あ
るいは、電気から機械への動力伝達を行う電磁方式にお
いて、車輌駆動系統に適用する場合、その良好な低速性
能により車輌の駆動系統(drive train)の構造複雑性を
低減することができるとともに、良好な低速効率を達成
することができる。次に、本発明にかかる動力伝達装置
の機械方式による好適な実施例を説明する。
【0043】本発明にかかる動力伝達装置の機械方式
は、動力伝達機構と、機械動力伝達用の伝達作用再分配
機構とを採用し、かつ両者を結合したものと定義でき
る。これら2つの構成要素は、本発明の概念に基づいて
一体的に整合されることにより、機械から機械への動力
伝達を行うことができる動力伝達系統を構築するもので
ある。その機械動力伝達用の伝達作用再分配機構は、シ
ンプルな外擺歯車列とすることができる。この外擺歯車
列は、リング歯車を有する標準的な遊星歯車列(planet
ary gear train 遊星歯車機構ともいう)、もしくはリ
ング歯車を有さない平歯車遊星歯車列(all-spur plane
tary gear train)、あるいは差動歯車列(differential
gear train)とすることができる。動力伝達作用を機械
方式により再分配するために、これらの歯車列(歯車
列)はいずれも外擺歯車列とすることができる。
【0044】機械方式の伝達作用再分配機構としての標
準的な遊星歯車列は、キャリアフレームワーク(carrie
r framework)により多数個の遊星歯車を搭載した歯車列
を採用したものであり、このようなキャリアで遊星歯車
を搭載する構造には、リング歯車と太陽歯車とがキャリ
アに対して回転するものが含まれる。同様に、平歯車遊
星歯車列もまたキャリアフレームワークを採用して多数
個のダブルピニオン(double pinion)を搭載した歯車列
であり、そのキャリアにより大小の太陽歯車がキャリア
に対して回転するものが含まれる。同様に、差動歯車列
はキャリアフレームワークを採用して多数個の遊星歯車
を搭載する歯車列であり、そのキャリアにより2つの傘
歯車がキャリアに対して回転するものが含まれる。以下
の説明において、遊星歯車のキャリアフレームワークを
便宜的にキャリア歯車という。
【0045】本発明にかかる動力伝達装置の機械方式に
おける独特で、不可欠な特性としては、動力を伝達する
時に、伝導作用再分配機構として使用される外擺歯車列
の全ての歯車ならびに遊星キャリアが、いずれも回転し
ているということがあげられる。標準的な遊星歯車列と
平歯車遊星歯車列と差動歯車列とは、構造的に異なった
ものであるけれども、幾何学構造においては等価(to
pologically equivalent)であ
る。本発明にかかる動力伝達装置において伝達作用の再
分配という機能を達成するために、3種類の歯車列のキ
ャリア歯車がいずれも遊星歯車を利用して、いずれも別
な2つの歯車、すなわち標準的なリング歯車および太陽
歯車、または平歯車遊星歯車列の大小2つの太陽歯車、
あるいは差動歯車列の2つの傘歯車が、すべて遊星歯車
と噛み合うことにより各歯車列の幾何学構造に基づいて
決定された速度と方向とで回転する。
【0046】図5と図6と図7とにおいて、標準的な遊
星歯車列および平歯車遊星歯車列ならびに差動歯車列に
つき、図1に示した動力伝達装置100の機械方式によ
る伝達作用再分配機構120を構成する時のそれぞれの
角速度とギア比とを示す。それぞれ横軸(x軸)が動力
伝達装置100の出力に対する入力のギア比を表わし、
縦軸(y軸)が歯車が標準化された後の角速度を表わ
す。
【0047】図5、図6、図7それぞれの歯車列におけ
る各歯車要素間の速度関係は、外擺歯車列の運動方程式
で表示することができ、この方程式は、各歯車列の歯車
の大きさならびに幾何学構造から導かれる。例えば、図
5の標準的な遊星歯車列においては、そのリング歯車の
半径をR、その太陽歯車の半径をSとする。もしリング
歯車の角速度が図5に示した入力速度線101に標準化
された単位速度に維持されれば、太陽歯車が横軸(x
軸)方向の出力速度線102に沿って、A点のギア比ゼ
ロ速度点からB点の1対1の単位ギア比速度点まで線形
にその速度を変化させるので、縦軸(y軸)により標記
される太陽歯車の角速度がω=xとなり、変数xが
ギア比を表わすものとなる。この場合、キャリア歯車は
速度線103で表される角速度ωc となり、次の数式1
により決定される。
【0048】
【数1】
【0049】太陽歯車がA点の静止起動状態にある時、
キャリア歯車のC点の速度は、R/(R+S)により決
定される。また、太陽歯車がB点のリング歯車の速度に
まで駆動される時、キャリア歯車はリング歯車および太
陽歯車と同一速度で回転する。実際に、B点の単位ギア
比の状態では、3つの全ての歯車が同一の角速度で回転
する。
【0050】ほか2つの歯車列についても、類似した速
度関係が存在している。例えば、図6の平歯車遊星歯車
列を例にとると、その太陽歯車の半径をSL 、その小さ
い太陽歯車の半径をSS とする。もしもキャリア歯車の
角速度が入力速度線101で示した標準化された単位速
度に維持されれば、小さい太陽歯車は横軸(x軸)方向
の出力速度線102に沿って、A点のギア比ゼロ速度点
からB点の単位ギア比速度点まで線形にその速度を変化
させるので、縦軸(y軸)により標記される太陽歯車の
角速度がωss=xとなる。この時、大きい太陽歯車の角
速度は、速度線103角速度により、次の数式2で決定
される。
【0051】
【数2】
【0052】小さい太陽歯車がA点の静止起動状態にあ
る時、大きい太陽歯車のC点における速度は、(SL 2
−SS 2 )/SL 2 となる。
【0053】図7において、2つの対称で大きさが同一
な傘歯車による差動歯車列では、もし1つの傘歯車の角
速度が入力速度線101で示した標準化された単位速度
に維持され、もう1つの傘歯車の角速度が横軸(x軸)
方向で出力速度線102に沿って、A点のギア比ゼロか
らB点の単位ギア比速度まで線形にその速度を変化させ
た場合、縦軸(y軸)で標記される出力傘歯車の角速度
は、ωB1=xとなる。この時、キャリア歯車の速度線1
03で示す角速度ωc となり、ωc =(x+1)/2と
なる。出力側の傘歯車がA点で静止起動状態にある時、
キャリア歯車のC点における速度は、第1傘歯車速度の
半分となる。
【0054】ここで、図11において、本発明にかかる
動力伝達装置の広義な機械方式につき、その構成例を説
明する。図中の動力伝達装置200は、機械式の動力伝
達機構210と、機械式の伝達作用再分配機構として使
用される外擺歯車列220とを具備している。なお、こ
の図11では、動力伝達機構210ならびに外擺歯車列
220間の歯車素子の構造的な結合関係を示す細部は図
示していない。素子間の結合は関係説明にとどめてお
り、動力伝達機構210および外擺歯車列220間の相
互関係を説明するだけのものである。それらの構造的な
結合関係の細部は、実装サイズによって決定されるた
め、相互結合関係の条件を詳細に説明すれば、その結合
状況が理解されやすいものとなろう。
【0055】通常、機械式の動力伝達機構210は、少
なくとも2つの伝達要素211,212を備える。2つ
の伝達要素のうち、1つは駆動要素であり、駆動角速度
により操作されるとともに、機械的な動力をもう1つの
伝達要素、つまり被駆動角速度により操作される被駆動
要素に与える。駆動要素211および被駆動要素212
間の伝達作用によって、機械式の動力伝達機構210に
動力伝達機能を付与する。機械式の動力伝達機構210
内部で伝達される機械的な動力は、動力伝達装置200
の入力回転軸231を介して外部動力源(図示せず)か
ら受け入れる。機械式の動力伝達機構210は、機械式
の伝達作用再分配機構220と一体的に整合して、本発
明にかかる動力伝達装置200を構成する。機械式の動
力伝達機構210が外部動力源から受け入れた機械的な
動力は、機械式の伝達作用再分配機構220により出力
回転軸232に再分配されて、機械的な外部負荷(図示
せず)に送られる。
【0056】機械式の伝達作用再分配機構220は、外
擺歯車列であり、第1歯車221と、第2歯車222
と、第3歯車223とを備える。第1歯車221が固定
されて静止し回転せず、第3歯車223が駆動されて回
転する時、第2歯車222は、第3歯車223と同一方
向に回転するとともに、その角速度が第3歯車223よ
り小さくなる。伝達作用再分配機構220の歯車素子間
のこのような角速度の関係は、図5から図7および図8
から図10に示した3種類の角速度/ギア比の関係図に
おいて、異なる入力による異なる歯車列の歯車素子間の
角速度関係として図示されている。各図において、もし
も第1歯車、第2歯車、第3歯車がそれぞれ各速度線1
02,103,101に示したものであれば、各図のA
点からB点までのギア比範囲は、上記した速度関係の条
件に適合したものとなる。
【0057】機械式の動力伝達機構210および外擺歯
車列よりなる伝達作用再分配機構220が一体的に整合
して、本発明にかかる動力伝達装置200の機械方式を
構築するために、伝達作用再分配機構220の第3歯車
223は、動力伝達機構210の駆動要素211に連接
され、第2歯車222は、動力伝達機構210の被駆動
要素212に連接され、第1歯車221は、出力回転軸
232に連接される。図11に示した動力伝達機構21
0の被駆動要素212は、結合手段242により伝達作
用再分配機構220の第2歯車222、つまりキャリア
歯車222に連接される。また、駆動要素211は、結
合手段241で伝達作用再分配機構220の第3歯車2
23、すなわちリング歯車223に連接される。その入
力回転軸231および出力回転軸232の中心軸線であ
る縦軸について言えば、動力伝達機構210ならびに伝
達作用再分配機構220が対称となっており、2つの結
合手段241,242も縦軸を中心として対称となって
いる。しかし、後述するように、図示した直接結合方式
以外の別な結合方式も可能である。
【0058】機械式の動力伝達機構210は、それぞれ
駆動角速度と被駆動角速度とで操作される駆動要素21
1および被駆動要素212を備えており、両者間の動力
伝達作用は、伝達作用再分配機構220の歯車列により
出力回転軸232に再分配され、出力回転軸232を介
して所定の角速度で機械的な動力を外部負荷(図示せ
ず)に伝達する。
【0059】上記したように、標準的な遊星歯車列、平
歯車遊星歯車列、差動歯車列は、本発明において機械式
の伝達作用再分配機構220として使用される時、いず
れも外擺歯車列の一種である。従って、図11に示した
動力伝達装置200の機械方式の実施の形態において、
外擺歯車列よりなる伝達作用再分配機構220は、標準
的な遊星歯車列または平歯車遊星歯車列あるいは差動歯
車列とすることができる。本発明にかかる動力伝達装置
の機械方式による外擺歯車列の幾何学構造上の特性に基
づいて、動力伝達機構と伝達作用再分配機構との整合関
係は、それぞれ異なる構造により構成されるものとな
る。しかしながら、両者間の結合関係が、それぞれ特性
に基づいて若干異なるにしても、本発明の原則に適合す
る必要がある。いずれにしても、どのような構成も前記
した歯車列の歯車素子間における速度条件に適合したも
のでなければならない。もう少し詳しく言えば、本発明
の機械方式において伝達作用再分配機構として使用され
る外擺歯車列につき、第1歯車が固定されて回転せず、
第3歯車が回転する時、その第2歯車の回転方向が第3
歯車と同一で、その回転速度が第3歯車よりも小さいと
いう条件である。
【0060】従って、標準的な遊星歯車列を伝達作用再
分配機構として採用する時、その構造は太陽歯車と、リ
ング歯車と、適当な数量の遊星歯車を搭載するキャリア
歯車とを有するものとなる。図11に示した動力伝達装
置200においては、出力回転軸232となる標準的な
遊星歯車列の第1歯車221が太陽歯車となる。動力伝
達機構210の被駆動要素212に連接された第2歯車
222がキャリア歯車となり、駆動要素211に連接さ
れた第3歯車223がリング歯車となる。別な構造にお
いては、出力回転軸232となる第1歯車221がリン
グ歯車となり、動力伝達機構210の被駆動要素212
に連接された第2歯車222がキャリア歯車となり、駆
動要素211に連接された第3歯車223が太陽歯車と
なる。
【0061】同様に、平歯車遊星歯車列においては、出
力回転軸232となる歯車列220中の第1歯車221
が小さい太陽歯車となり、動力伝達機構210の被駆動
要素212に連接された第2歯車222が大きい太陽歯
車となり、駆動要素211に連接された第3歯車223
がキャリア歯車となる。別な構造では、出力回転軸23
2となる歯車列中の第1歯車221が小さいキャリア陽
歯車となり、動力伝達機構210の被駆動要素212に
連接された第2歯車222が大きい太陽歯車となり、駆
動要素211に連接された第3歯車223が小さい太陽
歯車となる。
【0062】差動歯車列が図11の伝達作用再分配機構
220となる時には、1対の傘歯車と、適当な数量の遊
星歯車を搭載するキャリア歯車とを備えるものとなる。
この差動歯車列が対称構造を有するもの、すなわち2つ
の傘歯車の大きさが同一である時、その動力伝達装置2
00は、有効な整合方式をが1種類しか存在しない。つ
まり、出力回転軸232となる差動歯車列220中の第
1歯車221が1つの傘歯車となり、動力伝達機構21
0の被駆動要素212に連接された第2歯車222がキ
ャリア歯車となり、駆動要素211に連接された第3歯
車223がもう1つの傘歯車となる。
【0063】本発明にかかる動力伝達装置の性能特性を
考える時、上記した3種類の外擺歯車列につき、それぞ
れ実質的な整合方式に差異が存在するのは、各歯車列の
歯車サイズに違いがあるからである。すなわち、標準的
な遊星歯車列におけるリング歯車と太陽歯車との相対的
なサイズの大きさ、ならびに平歯車遊星歯車列における
小さい太陽歯車と大きい太陽歯車との相対的なサイズの
大きさにより、それぞれ動力伝達装置の性能特性が決定
される。
【0064】図11に示した機械方式において、動力伝
達機構210と伝達作用再分配機構220との間での構
造的な結合は、直接的な同軸結合あるいはデフレクト平
行軸結合を採用することができる。同軸結合構造につい
ては、動力伝達装置200の入力回転軸231および出
力回転軸232が同一軸線にあり、比較的コンパクトな
構造とすることができる。平行軸結合については、可変
ピッチ円錐ベルト車駆動(variable pitch cone pulley
drive)のような、異なる入力回転軸ならびに出力回転
軸を採用することができる。平行軸構造は、後に説明す
るように、異なる最終調整ギア比を使用する必要のある
動力伝達装置に適合するものである。図12と図13と
において、同軸構造と平行軸構造とをそれぞれ示す。
【0065】図12において、図11に示した動力伝達
装置200の機械方式のうち、同軸結合構造を採用した
実施の形態を説明する。動力伝達機構210は、例えば
液圧カプラーであり、伝達作用再分配機構220は標準
的な遊星歯車列である。なお、図12では、歯車素子の
噛み合い等の細部を図示していないとともに、各回転素
子を支持するベアリング等も図示しておらず、動力伝達
機構210ならびに遊星歯車列を利用した伝達作用再分
配機構220の相互関係のみを示している。
【0066】このような同軸結合構造において、動力伝
達機構210ならびに伝達作用再分配機構220の対称
となる中心軸線は相互に重なり合っており、入力回転軸
231および出力回転軸232の中心軸線も一致してい
る。液圧カプラーからなる動力伝達機構210の駆動要
素211は、羽根車211であり、結合フレーム241
を利用して伝達作用再分配機構220である遊星歯車列
220のリング歯車223に直接固定されている。被駆
動要素212であるタービン212は、遊星歯車列22
0中の遊星歯車224を搭載したキャリア歯車222に
直接連結されている。キャリア歯車222は、結合軸2
42を介して被駆動要素212に連接されている。な
お、この実施の形態において、キャリア歯車222は、
他のどのような歯車とも噛み合わせる必要がないので、
歯車の形態でなくともよい。このような同軸結合方式で
は、液圧カプラー210の羽根車211は、遊星歯車列
220のリング歯車223に同期して回転し、タービン
212は、キャリア歯車222と同期して回転する。
【0067】図12と図13とにおいて、平行軸構造を
採用した実施の形態を示す。図13の機械方式は図12
に示したものと同様であり、また、同じく歯車の噛み合
いやベアリングといった細部は図示していない。液圧カ
プラー210の羽根車211とタービン212とは、適
当な機械的な結合手段を利用して、それぞれ遊星歯車列
220のリング歯車223とキャリア歯車222とに連
接される。なお、図示していないが、図13において、
各素子の外周表面に歯形を形成して、相互に連結する素
子間において歯車による噛み合わせを実現することがで
きる。もし空間的に離れていれば、遊び歯車(idler ge
ar)を利用するか、あるいは、ベルトによる機械的な連
接を実現することもできる。
【0068】図12と図14とにおいて、駆動ベルト2
13を採用して動力の伝達を行う可変ピッチ円錐ベルト
車を動力伝達機構210とする動力伝達装置200の実
施の形態を示す。このようなベルト車構造によって、動
力伝達機構210の被駆動要素である被駆動ベルト車2
12は、駆動要素である駆動ベルト車211の軸心24
1と平行な支持軸242上に取り付けられる。駆動ベル
ト車211は、軸心241を介して遊星歯車列220の
リング歯車223に直接連接される。被駆動ベルト車2
12は、ベルト243を利用した第2のベルト伝動器2
40を介して遊星歯車列220のキャリア歯車222に
連結されている。簡素化のために、第2のベルト伝動器
240を、ベルト車245,246を採用した固定ピッ
チベルト伝動器としている。ベルト車246は、遊星歯
車列220のキャリア歯車222に直接連結されてい
る。また、別な実施例として、第2のベルト伝動器24
0を使用しない場合として、遊び歯車を使用して等価な
機械的な連結を構成することができる。なお、図14中
には、駆動ベルト車211および/または被駆動ベルト
車212のピッチ調整手段が図示されていない。
【0069】図12から図14に示した実施の形態にお
いて、その用途ならびに必要に応じて、適当なケース体
(図示せず)により動力伝達装置200全体をカバーす
ることができる。また、伝達作用再分配機構である遊星
歯車列などの外擺歯車列を密閉ケースに収納して潤滑性
を維持することが望ましい。
【0070】図13の非同軸、つまり平行軸構造におい
て、歯車を利用して動力伝達機構210の構成要素およ
び伝達作用再分配機構220間で機械的な連接を行う必
要がある場合、組み合わされるギア比が1対1、すなわ
ち単位ギア比である必要はない。同様な状況は、ベルト
結合を採用した図14の平行軸構造にもあてはまる。こ
の場合、2つのベルト車のピッチ比がギア比に相当す
る。組み合わされるギア比における差異は、本発明にか
かる動力伝達装置の最終ギア比を調整する1つの制御要
素として利用することができる。図15において、この
ような平行軸構造の角速度とギア比との関係を示す。例
えば、図13に示した平行軸構造において、液圧カプラ
ーまたはトルクコンバーターをして動力伝達機構210
としているが、その被駆動要素212は、駆動要素21
1と遊星歯車列220の第3歯車223との組み合せギ
ア比よりも小さいギア比により第2歯車222と連接し
ている。
【0071】図13と図15とにおいて、図13に示し
た平行軸構造は、液圧カプラー210の羽根車211が
入力速度線101に沿って1対1のギア比で遊星歯車列
220のリング歯車223に連接された場合、両者は同
一の角速度で回転する。同時に、タービン212は3対
2のギア比でキャリア歯車222に連接されて、タービ
ン212の角速度がキャリア歯車222の3分の2だけ
となる。また、遊星歯車列220のリング歯車223と
太陽歯車とのギア比を3対1と仮定すると、動力伝達装
置200の出力軸232、つまり遊星歯車列220の太
陽歯車221は、速度線102に沿って約3の最終ギア
比による回転を達成する。図15中、動力を伝達する液
圧カプラー210は加速過程において速度線103A
のC点の約50%の等価ギア比からD点の約100%ま
でに達した時、出力軸232は、それに対応する速度線
102上の静止速度点であるA点から入力軸231の約
3倍の速度となるB点の間の速度範囲で操作できるもの
となる。これは、3倍の回転速度の最終ギア比に等しい
ものとなる。
【0072】図13と図16とにおいて、図13の動力
伝達装置200につき、別な速度関係を示す。液圧カプ
ラー210のタービン212が1対1の単位ギア比で遊
星歯車列220のキャリア歯車222に連接されて、両
者が同一の角速度で回転する。また、羽根車211が8
対7のギア比でリング歯車223に連接されて、羽根車
211の角速度が速度線101A に沿ってリング歯車2
23の8分の7(0.875)となり、速度線101と
比較して7対8の減速ギア比となる。さらに、遊星歯車
列220のリング歯車223と太陽歯車とのギア比を3
対1と仮定すると、出力軸232、つまり太陽歯車22
1は、0.5に等しい最終ギア比の回転速度となる。従
って、液圧カプラー210は、速度線103上のC点に
おける85.7%(0.75対0.875)の等価ギア
比から、D点の約100%にまで達する時、出力軸23
2は、出力速度線102上の静止速度点Aから入力軸2
31の半分の速度となるB点までの対応速度範囲で操作
される。これは、0.5倍の回転速度の最終ギア比に等
しいものとなる。
【0073】従って、図15と図16とにおいて説明し
たように、動力伝達機構と伝達作用再分配機構との間を
異なるギア比で連接する構造を採用することによって、
同軸構造の動力伝達装置を機能的に等価なものとなると
ともに、最終ギア比調整の機能を追加することができ
る。もちろん、平行軸は、同軸構造と比べて複雑な構造
となるが、その出力速度範囲と入力速度範囲とが同一で
はない時、平行軸構造により余分な歯車を追加して加減
速を行う必要がなく、最終ギア比の調整を簡単に行うこ
とができる。
【0074】本発明にかかる動力伝達装置は、動力伝達
機構と外擺歯車列とを結合して構築した機械方式におい
て、動力伝達機構の駆動要素あるいは被駆動要素のいず
れであっても入力手段として、外部の動力源からの機械
的な動力を受け入れることができる。どちらを入力手段
とするかによって、動力伝達装置の出力特性に微妙な差
異がでてくる。もしも図5〜7に示した外擺歯車列の歯
車素子間の角速度関係と、図8〜10に示した対応する
関係とを比較して見ると、その差異が明確になる。その
微妙な差異は、入力軸を一定の角速度に維持する時の基
準によって発生する。
【0075】図6から図7において、それぞれの外擺歯
車列の第3歯車が動力伝達機構の駆動要素に連接されて
動力伝達装置の入力手段となり、外部からの機械的な動
力を受け入れておりそれは各入力速度線101で表わさ
れている。対照的に図8から図10では、それぞれの歯
車列が動力伝達機構の被駆動要素に連接された第2歯車
を入力手段として外部からの機械的な動力を受け入れて
おり、それは各入力速度線103で表わされている。こ
れら3種類の外擺歯車列を比較して見ると、動力伝達機
構が各2種類の構造形態において駆動要素および被駆動
要素の異なる角速度で操作される時に、動力伝達装置の
性能が微妙にシフトするものとなる。
【0076】外擺歯車列の第1歯車、第2歯車、第3歯
車を定義する時に、3つの歯車の指定が、次の特定条件
に適合するものでなければならない。すなわち、第1歯
車が固定されて静止し回転しない時、もし第3歯車が回
転すれば、第2歯車の回転方向は第3歯車と同一である
とともに、その回転速度が第3歯車より小さいものでな
ければならないという条件である。図11に示した広義
な機械方式による6種類の構造において、図5から図7
および図8から図10で説明したように、2種類の外擺
歯車列の構造形態が、上述した特定の速度関係を満たす
2組の構造形態に適合している。これら3種類の外擺歯
車列の構造形態もまた各2組が前記したギア速度関係を
満たすものとなっている。
【0077】その1組目は、図5から図7に対応するも
ので、これら3種類の各構造において、速度線101,
102で表わされる歯車素子を相互に入れ換えて獲得す
ることができる。その2組目は、図8から図10に対応
するもので、速度線101,102で表わされる歯車素
子を相互に入れ換えて獲得することができる。例えば、
図5から図8において、それぞれ速度線101,102
で表わされるリング歯車、太陽歯車は、両者を入れ換え
て、速度線101が太陽歯車を表わし、速度線102が
リング歯車を表すものとすることができる。入れ換えた
後の構造形態において、速度線103で表す歯車の速度
方程式もC点が縦軸(y軸)上を移動することにより変
更される。
【0078】再び、図12において、動力伝達機構21
0を液圧カプラーとし、伝達作用再分配機構220を遊
星歯車列とすると、各回転要素間の角速度関係もまた図
5で説明したものとなる。液圧カプラー210の駆動要
素である羽根車211がリング歯車223に連接され、
被駆動要素であるタービン212がキャリア歯車222
に連接される。また、伝達作用再分配機構220の太陽
歯車211が、動力伝達装置200の出力軸232に連
接されている。外部動力源からの機械的な動力の入力
が、駆動要素211または被駆動要素212に加えられ
て、リング歯車223あるいはキャリア歯車222に伝
達することができる。つまり、動力伝達機構は、駆動要
素または被駆動要素のいずれであっても動力伝達装置2
00への入力を行うことができる。
【0079】図5の角速度とギア比との関係図から分か
るように、リング歯車223が単位速度に維持される
時、太陽歯車211(すなわち動力伝達装置の出力軸2
32)がゼロからギア比1対1までの速度範囲で操作で
きるならば、キャリア歯車222は、R/(R+S)か
らギア比1対1までの速度範囲で操作するだけでよい。
太陽歯車とリング歯車とのギア比が1対3の典型的な遊
星歯車列において、これはリング歯車の角速度の75
(=3/(3+1))%〜100%の速度範囲に相当す
る。言い換えれば、動力伝達機構210の駆動要素21
1が単位速度で駆動される時、被駆動要素212は駆動
要素211の75〜100%の速度範囲で操作されるだ
けで、出力軸232を入力軸231のゼロから100%
までの入力角速度の全速度範囲で操作することができ
る。別な言い方をすれば、動力伝達機構210(液圧カ
プラー)の静止起動速度を含まない75〜100%の速
度範囲により動力伝達装置200の静止起動速度を含む
全速度範囲で再分配あるいは反映させることができる。
【0080】本発明にかかる動力伝達装置が採用したも
のは、その被駆動要素の角速度が正常な動力伝達操作が
できず、駆動要素の動力伝達機構を超過した時、本装置
が正常な状況においてゼロから1対1のギア比範囲のみ
で操作できるものとして、機械的な動力を入力軸から出
力軸に伝達するという構成である。これは、動力伝達機
構の駆動要素および被駆動要素が対応する外擺歯車列の
歯車素子との間で同一なギア比で連接されている状況を
想定している。これは、これらの動力伝達機構におい
て、機械的な動力が高速操作される素子から相対的に低
速操作される素子にしか伝達することができないためで
ある。
【0081】このようなギア比範囲において、本発明に
かかる動力伝達装置は、その入力軸により機械的な動力
を動力伝達機構の駆動要素または被駆動要素を介して受
け入れるとともに、その出力軸から出力することができ
るので、機械的な動力の伝達を達成することができる。
ゼロから1対1のギア比範囲において、動力伝達装置全
体として加速という自然傾向をともなっており、このよ
うな傾向は機械的な負荷を担当する出力軸を静止から1
対1のギア比方向へ加速することによっている。入力軸
が外部の動力源から機械的な動力を受け入れて、動力伝
達機構の駆動要素、例えば液圧カプラーの羽根車が被駆
動要素であるタービンと一緒にその負荷をともなった回
転速度である時、このような自然傾向が発生する。図5
に示した速度関係において、このような自然傾向によ
り、駆動要素と被駆動要素との間の滑り率が小さくなる
方向へ変化する。つまり、図5の出力速度線102のA
点からB点への方向である。
【0082】本発明が採用した可変ピッチ円錐ベルト車
など、その他の動力伝達機構において、動力伝達装置の
等価ギア比範囲は、ゼロから1対1のギア比範囲に限定
されるものではない。動力伝達機構自体のギア比は、動
力伝達装置の有効ギア比を決定する一要素を構成する。
もしも動力伝達機構自体により被駆動要素の角速度が駆
動要素より速いものとなるギア比を提供できれば、図5
から図7および図8から図10において明確に示されて
いるように、動力伝達装置自体のギア比は1対1の値を
超えてしまう。
【0083】実際上、それら2つの作用要素は実質的に
対称的なものであり、液圧カプラーなどのような動力伝
達機構において、速い角速度で駆動作用を行う要素が羽
根車と呼ばれ、もう一つの遅い角速度で駆動される要素
がタービンである。しかし、場合によっては、その駆動
および被駆動の状態が反転することがあり、この時、速
度関係が反転されるために、定義により、もとの羽根車
がタービンとなり、もとのタービンが羽根車となる。動
力伝達装置の正常な動力フロー方向での操作状況と比較
して、このような速度関係の反転により動力フローを反
転することができる。
【0084】再び、図12に示した動力伝達装置200
において、例えば、動力伝達機構を液圧カプラー210
とし、伝達作用再分配機構を遊星歯車列220とし、さ
らに液圧カプラー210の羽根車211をリング歯車2
23に連接し、もう1つのタービン212をキャリア歯
車222に連接する。外部の機械的な動力源が動力伝達
装置200、例えば液圧カプラー210のリング歯車2
23に連接された羽根車211に入力される時、この動
力伝達装置200は、機械的な動力を太陽歯車221に
連結された出力軸232へ伝達する。
【0085】動力源を内燃機関エンジンとして、図5に
示した入力速度線101に沿って入力軸231を駆動す
るとともに、出力軸232の角速度を出力線102上の
高速端であるE点にまで持ってくると仮定すると、この
E点はゼロから1対1のギア比の速度範囲にある。さら
に、この時の動力源の角速度が比較的低いエンジン回転
速度、つまり縦軸(y軸)上の速度線101R にまで低
下したと仮定すると、この速度はもとの太陽歯車221
のE点における速度より低いものとなる。このような状
況において、図5中のもとの座標での出力速度点である
E点が装置の元の状態を表わし、縮尺された座標におい
ては1対1のギア比の1点を超過するものとなるが、そ
の1対1のギア比が共同出力線102上のBR 点として
標記される。
【0086】このような状況において、羽根車211に
連接された、もとは羽根車211のリング歯車232を
駆動していた角速度が低減したエンジン速度線101R
上のF点にまで低下する。このF点での羽根車211の
角速度が、もともとタービンを駆動していた羽根車21
1に連接されるキャリア歯車222の低減したキャリア
速度線103R上の対応する速度点であるG点と比べて
も、まだ遅いものとなる。この時、液圧カプラー210
の羽根車211およびタービン212の役割が入れ換
る。もとは駆動要素であった羽根車211が、今度はタ
ービンの役割を果たすものとなって相対的に遅い速度と
なるので、もとはタービンであった別な羽根212によ
って駆動され、相対的に速い速度で羽根211と駆動し
て羽根車となる。このように、装置における機械的な動
力の伝達方向が反転されて、遊星歯車列220の太陽歯
車221から入力し、リング歯車223から出力するも
のとなる。車輌駆動系統への応用においては、このよう
な反転状況はエンジンブレーキとなる。ハイブリッドカ
ー(hybrid vehicle)や電気自動車において使用されて
いるようなエネルギー回収装置を利用すれば、車輌用の
再生ブレーキ(regenerative braking)機能を提供する
ことができる。
【0087】伝達作用再分配機構として使用される遊星
歯車列において、その中心軸はキャリア歯車への適当な
ベアリング配置による回動可能な各遊星歯車を利用し
て、バランスレバーシステムを確立する必要があり、そ
のうち、太陽歯車とリング歯車とは、遊星歯車の回動中
心点を挟んだ両側に噛み合わされなければならない。図
17に示した遊星歯車列中のバランスレバーシステム
は、液圧カプラーなどの動力伝達機構が機械的な動力を
受け入れ、装置の太陽歯車を介して出力するためのもの
である。
【0088】図17において、点線で示したのは、1つ
の遊星歯車224により構成されるバランスレバー22
5であり、バランスレバー225の両端においてリング
歯車223および太陽歯車221とそれぞれ噛み合って
いる。外部の動力源が図示のような時計回り方向である
と仮定すると、遊星歯車列220のリング歯車223を
図示のように固定することを介して機械的な動力を伝達
する。動力伝達機構210は、キャリア歯車222上の
被駆動要素212に固定されて、時計回り方向へ駆動さ
れる。キャリア歯車222が図示のようなバランスレバ
ー225を駆動して、遊星歯車224全体を駆動させ、
時計回り方向へ駆動する。全体が動作している時に、遊
星歯車224自体もまたキャリア歯車222のフレーム
に対して回転するので、符号226で示したベアリング
で回転可能に支持される。バランスレバー225の外端
(図上側)でリング歯車と噛み合って反作用力を提供し
て、動力伝達機構210をその内端(図下側)の歯車で
噛み合わせて、外部の動力源から受け入れた機械的な動
力を太陽歯車221に伝達する。かくして、太陽歯車2
21が駆動されて時計回り方向へ回転するとともに、受
け取った動力を外部負荷に伝達する。
【0089】図5に示した角速度とギア比との関係を参
考にすれば、図17のバランスレバーシステムは、動力
伝達機構210の駆動または被駆動要素の角速度で受け
入れた機械的な動力を太陽歯車221により出力軸に再
分配することができる。表面的な現象から見ると、遊星
歯車224と太陽歯車221との間の噛み合いは、歯車
列全体のキャリア歯車222の角速度により、太陽歯車
221の円周面上で行われ、太陽歯車221自体が、キ
ャリア歯車222とは異なる角速度で回転している。
【0090】図18において、遊星歯車列のバランスレ
バーシステムを示すと、機械的な動力は図17とは反対
方向への動力フロー方向となっている。平歯車遊星歯車
列ならびに差動歯車列について言えば、いずれも外擺歯
車列であって幾何学構造上は等価であるので、類似した
状況がみられる。標準的な遊星歯車列でバランスレバー
によるバランスを説明したが、上記した説明は、歯車遊
星歯車列ならびに差動歯車列を含む、あらゆる形式の外
擺歯車列に適用できるものである。
【0091】本発明にかかる動力伝達装置を構築する機
械方式において、多種多様な公知の装置を使用すること
ができる。例えば、上述した実施の形態で説明したトル
クコンバーターや液圧カプラーなどの液圧動力伝達手段
のほかにも、その他の非液圧手段もまた外擺歯車列と一
体的に結合させて、本発明にかかる動力伝達装置の機械
方式とすることができる。発電機モーターセットなどの
ような電磁式動力伝達機構もまた駆動ならびに被駆動要
素を備えた動力伝達手段の1つであるから適用すること
ができる。
【0092】図19において、誘導電動機を動力伝達機
構とする機械方式を示す。この動力伝達装置200は誘
導電動機210を備え、永久磁石より形成される磁場素
子211と公知の誘導電動モーターに使用されるよう
な、かご形素子212とを有して相互作用を行うように
なっている。磁場素子211は、少なくとも1対の永久
磁石216をフレームまたは回転子とするとともに、か
ご形素子212もそれに対応して回転子あるいはフレー
ムとすることができる。また、誘導電動機210は、外
擺歯車列である遊星歯車列220と上記したような方式
で一体的に結合することができる。つまり、駆動要素で
ある永久磁石を含む磁場素子211は、連結されたフレ
ーム241を利用して遊星歯車列220のリング歯車2
23に連接され、被駆動要素であるかご形素子212
は、結合軸242を利用してキャリア歯車222に連接
される。もしも、十分な磁束量密度を備える永久磁石2
16を使用して適切なモーターレベルを達成することが
できれば、このような動力伝達装置200は、小型内燃
機関駆動車輌の変速機として利用することができる。
【0093】また、渦流カプラーおよびその他の電磁作
用を基礎とする動力伝達機構も採用することができる。
図11に示したような動力伝達装置200に組み込まれ
る場合、全ての動力伝達機構210は、構造ならびに機
能において、ほぼ類似したものであって、いずれも駆動
要素と被駆動要素とを備えて機械的な動力の伝達を行う
ものである。
【0094】<動力伝達装置の電磁方式(Electromagne
tic Implementation)>出力操作速度範囲の全体におい
て低速領域での良好な性能を提供することができる広義
な動力伝達装置は、以上に述べた機械方式のほかにも、
電磁方式のものがある。以下、本発明にかかる電磁方式
について説明する。図1に示した、本発明にかかる広義
な動力伝達装置は、入力手段131から外部の動力を受
け入れるとともに、出力手段132から負荷に対して動
力を出力することができるものである。そこで、本発明
にかかる動力伝達装置の電磁方式は、電磁動力伝達機構
と、電磁方式で伝達作用の再分配を行う電子式伝達作用
再分配機構とを採用したものである。電子式伝達作用再
分配機構は、電磁動力伝達機構の機能要素の電気的な動
力の供給をコントロールして、電磁動力伝達作用の再分
配を行うものであり、両者を一体的に結合することで、
本発明にかかる動力伝達装置を構築するものである。な
お、その動力伝達機構を電磁方式に限定しているが、そ
の実用性においては、機械方式よりも更に多種多様なも
のとすることができる。電磁方式という特性により、機
械から機械へ、電気から機械へ、機械から電気へ、電気
から電気への動力の伝達が可能となる。しかも、上述し
たように、この電磁方式により反対方向への動力の伝達
が可能となる場合が多いので、動力の再生(power rege
neration)が可能となる。
【0095】本発明にかかる動力伝達装置の電磁方式に
おいて、その動力の伝達は、機械的あるいは電気的な動
力の違いにかかわらず、いずれも電磁動力伝達機構の機
能素子間の電磁作用に依存している。典型的な電磁動力
伝達機構は、通常は公知の電動機あるいはカプラーであ
って、一般に磁場フレームおよび回転子という形式の機
能素子として構成される。本発明にかかる電磁動力伝達
機構において、2つの機能素子間の電磁伝達作用を再分
配して出力することは、2つの機能素子がそれぞれ形成
する磁場を利用して機能素子自体が回転することによっ
て達成されるものである。相互に回転することで2つの
機能素子間に実質的な角速度の差異が発生するが、この
差異は2つの機能素子の磁場により相互補正されて相互
作用を行うことができるので、動力伝達装置の出力がそ
の角速度における操作によって行えるものとなる。相互
に回転する角速度を調整する度合は、動力伝達装置の出
力の角速度に対応している。本発明にかかる動力伝達装
置が相互回転を調整できる機能は、伝達作用再分配機構
により提供されるものであるが、その詳細については後
述する。電磁動力伝達機構のもう1つの機能素子は、単
純に励磁されるだけで磁場を形成して、整流された素子
(commutated element)が形成する磁場との相互作用を
発生させる。そして、本発明にかかる伝達作用再分配機
構は、回転整流子(rotary commutator)である。この回
転整流子は、電磁動力伝達機構の2つの機能素子うちの
1つ、すなわち被整流素子のコイルに対して励磁を行
う。被整流素子に対して提供される励磁は、切換方式で
行われることにより、電磁作用を再分配する効果を獲得
することができる。被整流素子は、その磁場が回転整流
子によりコントロールされた励磁で形成されるものであ
るので、もう1つの素子、つまり整流されていない素子
の磁場と相互作用を発生させて、電磁動力伝達機構にお
いて動力の伝達をおこなうことができる。
【0096】本発明にかかる動力伝達装置の電磁方式の
独特かつ必要不可欠な特性とは、動力伝達機構の被整流
素子コイルを励磁する回転整流子が、その操作時に回転
するということである。被整流素子中のコイルは、回転
整流子の切換による励磁を受けて虚数整流指向ベクトル
(imaginary commutation orientation vector)を形成
することができるが、このベクトルにより整流される電
磁素子が形成する角度位置を指示することができる。本
発明においては、整流子自体が回転するので、この指向
ベクトルも回転し、それによって動力を伝達することが
できる。
【0097】なお、DC励磁が回転整流子を介して被整
流素子に提供される時、それが形成する磁場も被整流素
子に対して回転しているように見える。しかし、AC励
磁による場合、被整流素子が形成する磁場自体が虚数整
流指向ベクトルに対して回転する、つまり回転整流子に
対して回転する。従って、その磁場の角速度は、回転整
流子の回転とAC励磁周波数との総和である。前述した
ように、DC電流は、実際上、AC電流の特殊な状態で
あって、周波数変動のないAC電流ということができ
る。
【0098】回転整流子は、機械式のものと、電子式の
ものとの2種類が使用可能である。機械式回転整流子に
おいては、1対または複数対の導電性カーボンブラシが
カーボンブラシフレームに搭載され、操作時に整流子全
体がカーボンブラシフレームの回転にともなって回転す
る。回転整流子の回転により励磁電力を切り換えながら
動力伝達機構の被整流素子に印加する。パワー電子式の
回転整流子においては、一定数量の半導体パワー電子切
換スイッチがシーケンス制御によって切り換えられて、
励磁電力を切り換えながら動力伝達機構の被整流素子に
印加する。電子式の切換動作も実質的には機械式回転整
流子と類似した方式で行われる。実際に、パワー電子式
の回転整流子は、整流される電磁素子のコイルに対し
て、機械式回転整流子が行う切換制御と同一な制御を行
うことができる。
【0099】図20において、本発明にかかる動力伝達
装置の電磁方式は、先に説明した機械方式と同様に、入
力される動力が、標準化された単位角速度を示す入力速
度線101に沿うものと仮定し、所定の角速度で入力手
段(図示せず)を駆動する。出力は出力速度線102に
沿って推移しており、本発明にかかる動力伝達装置が異
なるギア比により外部負荷(図示せず)を駆動すること
を示している。そして、出力速度が入力速度を超えた
時、ギア比が1対1を超えた状況、あるいは出力の回転
が入力に対して反転した時に、マイナス値のギア比とな
ることができる。また、電磁方式の応用は、機械的な動
力と電気的な動力との2種類の動力伝達方式に関わって
くるので、縦軸(y軸)上では標準化する前では周波数
単位であるHzを使う。実際に回転する機械的な動力を
考える必要がでてきた時には、この単位は、簡単に毎分
の回転数(RPM)といった回転軸の回転速度に変換す
ることができる。そして、Hz自体がAC電気動力の1
つの重要な特性パラメーターでもある。
【0100】図21において、本発明にかかる広義な電
磁方式による動力伝達装置300は、電磁動力伝達機構
310と、電磁伝達作用再分配機構である回転整流子3
20とを備える。電磁動力伝達機構310は、2つの電
磁作用素子を有し、うち1つの素子が駆動角速度で操作
される第2電磁要素312であり、もう1つの素子が被
駆動角速度で操作される第1電磁要素311であって、
回転整流子320により制御調整されるシーケンスにお
いて、両者の間で電磁動力の伝達を行う。図中、点線で
示した第1電磁要素311は、第2電磁要素312の内
部に収納されている。電磁動力伝達機構310内部で伝
達される動力は、入力手段331M または331E を介
して外部動力源381から受け入れる。電磁動力伝達機
構310は、電磁伝達作用再分配機構である回転整流子
320と一体的に結合して、本発明にかかる動力伝達装
置300を構成する。電磁動力伝達機構310が外部動
力源381から受け取った動力は、回転整流子320に
より出力手段332M または332E 上に再分配される
とともに、外部負荷382へ送られる。電磁伝達作用再
分配機構である回転整流子320は、被整流素子となる
第1電磁要素311を磁化するとともに、電磁動力伝達
機構310の第2電磁要素および第1電磁要素312,
311と一体的に結合しているが、所定の角速度操作に
よって、第1電磁要素311を磁化して第1回転磁場を
形成する。この第1回転磁場は、整流していない第2電
磁要素312が形成する第2回転磁場の角速度と同期と
なっている。2つの回転磁場の同期した角速度により操
作される電磁動力伝達機構310の電磁的な動力伝達作
用は、回転整流子320により出力手段332M または
332E 上に再分配され、所定の出力角速度で動力を外
部負荷382へ出力する。なお、入力手段331M また
は331E および出力手段332M または332E とし
ているのは、本発明にかかる動力伝達装置300の出入
力が、いずれも機械的な動力としても電気的な動力とし
ても処理可能だからである。もし、機械的な動力を出入
力するならば、その出入力手段を回転軸とすることがで
きるし、もし、電気的な動力を出入力するならば、その
出入力手段を導電線とすることができる。本発明にかか
る多種多様な実施の形態において、その出入力手段とし
て回転軸ならびに導電線を同時に使用できるものとする
ことができる。
【0101】本発明にかかる電磁方式において、第1電
磁要素311を回転整流子320で整流を行う磁化再分
配電磁コイルとし、整流しない第2電磁要素312をコ
イルよりなる電磁ユニットとする。後に図面にもとづい
て説明するように、第1電磁要素311の被整流コイル
は、2種類の可能な構造のうち1種類を採用し、第2電
磁要素312の電磁コイルは、3種類の可能な構造のう
ち1種類を採用することができる。電磁伝達作用再分配
機構と結合される時、これら2種類の電磁素子の可能な
組み合せは、それぞれ機械および電気2種類の動力形態
にかかわる4種類の可能な動力伝達形態に適用すること
ができる。
【0102】第1電磁要素311の磁化再分配コイルと
して、DC励磁を使用する場合、一般のDC電動機のD
C励磁電機子に類似したDC電機子構造とすることがで
きる。あるいは、AC励磁を使用する場合、第1電磁要
素311を多重整流のAC電機子として、1対以上の整
流カーボンブラシを利用するか、もしくは回転整流子の
パワー電子など等価物により励磁を行うことができる。
いずれの場合においても、これらのコイルは回転整流子
320により励磁されて、第1回転磁場を形成すること
ができる。また、第2電磁要素312は、DC電力を利
用して励磁を行うことができるとともに、電磁石を使用
した電磁石コイルとすることができるし、多相AC電力
で励磁する多相コイルとすることもできる。あるいは、
さらに簡単には1つ、または多数個の永久磁石コイルか
ら構成して、磁場を形成できる永久磁石ユニットとする
こともできる。
【0103】図22から図27において、それぞれ電磁
方式の実施の形態を示すが、おのおの前記した3種類の
電磁素子ならびに2種類の磁化再分配コイルの電磁動力
伝達機構を基礎とするものである。各動力伝達装置30
0の基礎構造は、いずれも機械および電気的な動力の4
種類の動力伝達形態のうち全部あるいは一部の形態にか
かわるものであって、実際の応用状況にあわせて適宜選
択されるものである。なお、出入力手段として回転軸と
導電線とが同時に使用されることは、4種類の動力伝達
形態のうち、いくつかの形態では不必要なものである。
ある形態では、導電線により電磁素子の特定コイルに対
する励磁電源を提供して、機械的な動力の入力あるいは
出力を達成するが、これらの電力は主要な動力の出入力
とは見なされない。これらの励磁電力は、通常、システ
ム全体の電気的な動力の数パーセントを消費するに過ぎ
ないものであるから、実際の機械装置が避けることので
きない補助的な消費に分類されるものである。同様に、
電気的な動力を出入力する装置においても、回転軸が採
用される場合もある。いずれにしても、詳細な説明はし
ていないが、本発明にかかわる技術分野に詳しい当業者
なら理解できるように、もし必要であれば、本発明の電
磁方式においては、機械ならびに電気2種類の動力の入
力および/または出力を同時に処理するものとすること
ができる。
【0104】図22において、図21で説明した広義な
電磁方式の実施の形態を示すと、その電磁素子は多相コ
イルであり、その磁化再分配コイルはAC電機子であ
る。この動力伝達装置300は、4種類の動力伝達形態
に適用することができるが、機械から電気への動力伝達
形態にかかわっている。この実施の形態において、電磁
動力伝達機構の整流される磁化再分配電磁コイルとして
の第1電磁要素311はAC電機子311である。この
AC電機子311は、複数個の電気的に切り換え可能な
ACコイル318を有して、各ACコイル318が、い
ずれも回転整流子320により順序立った方式により切
換供給される多相AC電流で励磁されて、第1回転磁場
を形成する。多相AC電力をAC電機子311を供給す
るために、回転整流子320には1対以上の導電カーボ
ンブラシまたは等価物であるパワー電子素子を配設して
いる。また、整流しない第2電磁要素312は多相コイ
ルであって、多相AC電流により励磁されるコイル31
7を有して、第2回転磁場を形成する。図示していない
が、回転整流子320の虚数整流指向ベクトルは、その
角速度が第2電磁要素312の形成する第2回転磁場の
角速度とは同期していない。つまり、指向ベクトルの角
速度は、第2回転磁場の角速度と回転整流子320が第
1電磁要素311に供給する多相AC電流の角速度との
差に等しい。
【0105】図22に示した電磁方式において、機械か
ら機械への動力伝達を行う時、第2電磁要素312は、
回転軸331M を介して外部動力源381(図21参
照)から機械的な動力を受け入れて回転する。この時、
導電線331Eは、第2電磁要素312に励磁電力を供
給して磁場を形成させる。この第2電磁要素312は、
駆動により回転しているので、ACまたはDC励磁電力
を供給して磁場を形成させることができる。その励磁状
況を符号350で視覚化したが、カーボンブラシならび
にスリップリング352よりなる未整流励磁手段には、
外部から励磁電源が供給される。1つ1つの固定カーボ
ンブラシ351は、それぞれ対応するスリップリングに
接触しており、第2電磁要素312と一緒に回転する。
第2電磁要素312の内部に固定あるいは埋設された電
力供給回路353は、励磁電力を第2電磁要素312の
コイル317に供給することができる。もしも、第2電
磁素子である第2電磁要素312がDC励磁されるもの
であれば、それが形成する磁場の角速度は、外部の機械
的な動力源から入力回転軸331M を介して入力される
入力回転角速度に等しいものとなる。もしも、AC励磁
されるものであれば、この磁場の角速度は、外部の機械
的な動力源の角速度とAC励磁の角速度との総和に等し
いものとなる。
【0106】また、整流される第1電磁要素311を出
力軸332M に連接して、外部負荷382を駆動するこ
とができる。第1電磁要素311は、回転整流子320
の導電線332E を介して励磁される。この励磁は、別
なカーボンブラシならびにスリップリング機構360の
外部励磁電源を使用することにより発生する。符号35
0と同様に、カーボンブラシならびにスリップリング機
構360は、固定されたカーボンブラシ361およびス
リップリング362を採用して第1電磁要素311へ励
磁電源を供給する。虚数整流指向ベクトルは回転ベクト
ルであるため、カーボンブラシならびにスリップリング
機構360のスリップリング362が回転整流子320
のカーボンブラシフレーム322上に固定されている。
その詳細な構造は図示していないが、カーボンブラシフ
レーム322上に付設され、シーケンス制御により回転
される回転整流子320のカーボンブラシ321が外部
から励磁される電気的な動力を受け入れることができ
る。第1電磁要素311内部に固定または埋設される電
気的動力供給回路363により、励磁した電力を第1電
磁要素311のコイル318へ送ることができる。第1
電磁要素311は、本発明にかかる動力伝達装置300
の操作によって回転することで機械的な動力を伝達する
が、動力伝達装置300の操作において制御すべき虚数
整流指向ベクトルの角速度は、出力軸332M およびそ
の励磁という2つの角速度によって決めることができ
る。第1電磁要素311に供給されるものがDC励磁で
あるとすれば、整流指向ベクトルが必要とする角速度
は、第2電磁要素312が形成する磁場の角速度に等し
いものとなる。なお、図22において、必要な部位に適
当なベアリング手段333を配設して、動力伝達機構3
10および伝達作用再分配機構である回転整流子320
の各構成要素間における円滑な回転運動を保証する。
【0107】図22に示した動力伝達装置300は、電
気から機械への動力伝達に使用することができる。この
場合、第2電磁要素312は固定されて回転しないもの
となり、導電線331E が外部動力源に電気接続されて
第2電磁要素312に主要な電力を供給し、その駆動磁
場を形成する。励磁動力は、カーボンブラシならびにス
リップリング機構350を介して提供されるか、また
は、第2電磁要素312が固定されて回転しないもので
あるので、簡略化された配電系統により供給される。こ
の第2電磁要素312が回転せずに静止状態を保持して
いいるため、その励磁による形成される磁場の角速度
は、そのまま電気的な動力により励磁される周波数によ
って決定される。同時に、第1電磁要素311が出力軸
332M に連接されるとともに、外部の機械的な負荷を
駆動できるようになっている。第1電磁要素311は、
回転整流子320のに接続された導電線332E を介し
て、その励磁を受け入れることができる。励磁動力は、
カーボンブラシならびにスリップリング機構360を介
して供給される。機械から機械への動力伝達と同様に、
第1電磁要素311が回転して動力を伝達するので、制
御すべき虚数整流指向ベクトルの角速度は、出力軸33
M およびその励磁という2つの角速度によって決定さ
れる。第1電磁要素311に供給されるものがDC励磁
であるとすれば、整流指向ベクトルが必要とする角速度
は、第2電磁要素312が形成する磁場の角速度に等し
いものとなる。
【0108】図22の動力伝達装置300は、機械から
電気への動力伝達にも適用することができる。この場
合、第2電磁要素312は、その回転軸331M を介し
て外部動力源により駆動される。導電線331E で第2
電磁要素312に電磁動力を供給して、その磁場を形成
させる。第2電磁要素312は駆動により回転するが、
その励磁はACあるいはDC電力により供給することが
できる。カーボンブラシならびにスリップリング機構3
50により、第2電磁要素312のコイル317へ電力
を提供する。もしDC励磁を採用すれば、この第2電磁
要素312が形成する磁場の角速度は、単純に外部動力
源の入力回転速度と等しいものになる。もしAC励磁を
採用すれば、この磁場の回転速度は、機械的な外部動力
源およびAC励磁という2つの角速度の総和に等しいも
のとなる。同時に、第1電磁要素311が固定されて回
転せず、回転整流子320に接続された導電線332E
を介して外部の電気的な負荷を駆動することができる。
このカーボンブラシならびにスリップリング機構360
を簡単な電力収集手段として、発生した電力を収集する
ことができる。回転整流子320の切り換え、ならびに
第1電磁要素311のコイル318内部の電流により、
1つの磁場が形成されて、第2電磁要素312が形成す
る磁場との相互作用によって、機械から電気への動力伝
達を達成することができる。
【0109】図22の動力伝達装置300は、電気から
電気への動力伝達にも適用することができる。この場
合、第2電磁要素312は固定されて回転せず、その導
電線331E が外部の電気的な動力に電気接続されて第
2電磁要素312へ主要な電力を提供し、その駆動磁場
を形成する。第2電磁要素312が固定されて回転しな
いので、動力の励磁により第2電磁要素312内部に形
成される磁場の角速度はそのまま電力の周波数により決
定される。また、第1電磁要素311もまた固定されて
回転せず、回転整流子320に連接された導電線332
E を介して外部の電気的な負荷を駆動することができ
る。回転整流子320の切り換え、ならびに第1電磁要
素311内部の電流によって1つの磁場が形成されて、
第2電磁要素312が形成する磁場との相互作用によ
り、電気から電気への動力伝達を達成することができ
る。そして、第1電磁要素311および第2電磁要素3
12は、いずれも固定されて回転しないので、電気的な
動力の伝達に使用されるカーボンブラシならびにスリッ
プリング機構350,360を簡略化することができ
る。
【0110】図23において、本発明にかかる動力伝達
装置300の広義な電磁方式の実施の形態を示すが、図
22において示したものとは若干の差異がある。特に、
電磁動力伝達機構310の第1電磁要素311がDC電
機子であって、AC電機子ではなく、所定数量の電気的
に切換可能なコイル319を備えていることが異なって
いる。第2電磁要素312は、図22と類似した多相コ
イルである。上記したように、DCはACの特殊な形態
であるから、この実施の形態も特殊な形態ということが
でき、図22に示した動力伝達装置300が簡略化され
たものと言うことができる。DC電力をコイル319に
切換入力するために、回転整流子320に1対の導電性
のカーボンブラシ321あるいはそのパワー電子が等価
であるものを設けるだけでよい。動力伝達装置300を
操作するために、回転整流子320の虚数整流指向ベク
トルの角速度は、電磁動力伝達機構310の第2電磁要
素312が形成する第2回転磁場の角速度に同期しなけ
ればならない。つまり、指向ベクトルの角速度が第2磁
場の角速度と等しくなければならない。これは、操作切
換シーケンスによる制御で維持かつ駆動されるカーボン
ブラシ321のカーボンブラシフレーム322の角速度
によって達成することができる。このように、電気から
機械あるいは機械から電気への任意の動力伝達におい
て、第1電磁要素311の励磁を簡単なDC電力とすれ
ば、虚数整流指向ベクトルの制御は第2電磁要素312
が形成する回転磁場に同期させるだけで達成できるもの
となる。なお、電気から電気への動力伝達において、回
転整流子320の虚数整流指向ベクトルが動力を提供す
る第2電磁要素312の形成する磁場の回転に同期され
るならば、その出力手段、すなわち回転整流子320に
連接された導電線332EからはDC動力のみが発生す
る。しかし、指向ベクトルが駆動する磁場に同期するよ
うに制御されるならば、発生する電気的な動力はAC動
力となる。このAC動力の周波数は、入力電力の角速度
と指向ベクトルと差で決定される。
【0111】図24において、図23に基づいた電磁方
式の別な実施の形態を示すと、その差異は第2電磁要素
312の多相コイル317を電磁石317に置き換えた
点にあり、この電磁石317はDC電動機の固定子コイ
ルに類似するとともに、電磁石と同様に、励磁される
時、回転しない磁場を形成することができる。このよう
な構成は、機械から機械へ、機械から電気への動力伝達
に適しており、第2電磁要素312の励磁がDCである
ことを除けば、その操作も図22に類似している。第2
電磁要素312が固定されて回転しない場合、電気から
機械への動力伝達に最適なものとはならずに、一般のD
Cモーターと同様なものとなってしまう。また、もしも
電磁石である第2電磁要素312およびAC電機子がい
ずれも固定されて回転しないものであれば、装置中に変
圧器(transformer)が存在しないので、電気から電気へ
の動力伝達には適用できない。これは、第2電磁要素3
12が形成する磁場がAC電機子である第1電磁要素3
11に対して回転しないためである。
【0112】図25において、電磁方式による更に別な
実施の形態を示すと、図24と異なる点は、その電磁伝
達作用再分配機構である第1電磁要素311がDC電機
子であって、AC電機子ではないことにある。従って、
その基本的な特性は、図24の実施の形態と同じであ
る。図24のAC電機子311に対する励磁は、多相の
AC電力が最適であるが、この実施例のDC電機子31
1にはDC励磁を使用する必要がある。
【0113】図26において、電磁方式による別な実施
の形態を示すと、図24の電磁石317を永久磁石31
6に置き換えた以外は、実質的に図24と同じであり、
第2電磁要素312に対する励磁を必要としないから、
動力伝達装置300の電気系統が簡略化されたものとな
る。しかし、図24の電磁石317だと永久磁石316
よりも強大な磁場密度を有する磁場を提供することがで
きるので、励磁する電力も増大するが、図26の動力伝
達装置300では、出力できる電力が永久磁石316の
性能に左右されるものとなる。
【0114】図27において、電磁方式による実施の形
態で図26より更に簡略化されたものを示すと、図26
のDC電機子311をAC電機子311に置き換えたも
のであって、DC励磁を行う以外は、図24の操作特性
と実質的に同じである。
【0115】図22から図27に示した実施の形態は、
機械から機械への動力伝達において、速度とトルクとを
組合わせた機械的な動力の入力を別な組合せの機械的な
動力の出力に転換する動力伝達装置とすることができ、
機能的には従来技術の機械動力伝達装置、例えば液圧ト
ルクコンバーター、自動車、ディーゼル電気機関車(di
esel - electric locomotive)などに使用される発電機
/モーターセット(generator - motor set)と等価なも
のである。しかし、本発明にかかる動力伝達装置300
の低速特性が、これらの実施の形態の説明で述べたよう
に、結合されて使用する動力伝達電磁手段が回転整流子
で最適化された速度範囲に制限されるので、高い効率の
ものとなる。
【0116】電気から機械への動力伝達において、各実
施の形態は、電磁原理により動作する新しい電動モータ
ーとなるので、電気駆動系統に直接適用することができ
るとともに、PWMのような複雑なパワー電子系統を必
要としない。そして、各実施の形態が良好な低速性能を
提供できるものであり、それは回転整流子が結合する電
磁動力伝達機構を従来のモーターの最適化された速度範
囲で操作できるからであって、その電磁動力伝達機構は
従来の電動機を改善するものと言える。
【0117】機械から電気への動力伝達において、各実
施の形態は、電磁原理で動作する新しい発電機というこ
とができる。そして、各実施の形態が良好な低速性能を
提供できるものであり、それは回転整流子が結合する電
磁動力伝達機構を従来の発電機の最適化された速度範囲
で操作できるからであって、その電磁動力伝達機構は従
来の発電機を改善するものと言える。
【0118】図22から図27に示した実施の形態にお
いて、機械から電気へ、電気から機械への動力伝達を行
う場合、動力伝達機構の2つの作用要素がそれぞれ形成
する磁場間の位相角(phase angle)が、動力伝達効率を
制御する1つのパラメーターとなる。通常、電磁的な第
2電磁要素312の駆動磁場は、伝達する動力に比例し
た所定角度で第1電磁要素311の駆動される磁場をリ
ードする。言い換えれば、リードする位相角が大きけれ
ば大きいほど、伝達する動力が大きくなる。もしもリー
ドしていた電磁的な第2電磁要素がリードされるように
なると、動力の伝達方向が反転して、エネルギー再生が
行われる。
【0119】これらの実施の形態の機械から機械への動
力伝達において、2つの磁場間の位相角は、入力と負荷
との状況によって決定される1つの角度となる。電気か
ら電気への動力伝達において、第1電磁要素がDC電機
子である場合、もしも虚数整流指向ベクトルが制御され
て電磁要素の動力磁場に同期して回転するならば、その
位相角は発生されるDC電力の出力電圧を制御するもの
となる。また、もしも指向ベクトルが動力磁場に同期し
ないものであれば、単相のAC動力だけを発生させる。
これは、そのDC電機子が1対の発生される電力を吸収
する整流子カーボンブラシ、またはパワー電子の等価構
成要素しか具備していないと仮定した場合である。この
ような位相角の制御を達成するためには、適当な制御手
段を設けて、回転整流子と相互に結合させなければなら
ない。
【0120】電気から電気への動力伝達において、図2
2から図27に示した適用可能な実施の形態は、変圧器
の原理で動作する周波数コンバーター(frequency conv
erter)となる。回転整流子320の虚数整流指向ベクト
ルの角速度が制御パラメーターとなって、出力されるA
C電力の周波数を決定する。もしも指向ベクトルが制御
されて、第2電磁要素312の駆動磁場の回転に同期す
れば、回転整流子320に接続された導電線332E
ら出力される電力が周波数ゼロのAC電力、つまりDC
電力となる。しかし、虚数整流指向ベクトルが制御され
て第2電磁要素312の回転磁場よりも速いか遅い角速
度で回転する時には、回転整流子320が第1電磁要素
311から吸収するAC動力の周波数は、両者間の差と
なる。この場合、入力周波数を有する多相AC動力を入
力周波数と異なる周波数を有する別な電力に変換できる
ものとなる。
【0121】図21に示した動力伝達装置300、すな
わち図22から図27に示した各実施の形態は、機械か
ら機械および電気から機械への動力伝達において、受け
入れる機械的あるいは電気的な動力を自動加速すること
ができる。外部の動力源により一定の角速度(図20の
入力速度線101)で動力伝達装置300を駆動した場
合、受け入れた動力が伝達されて外部の機械的な負荷へ
出力されるが、負荷は、図20に示した出力速度線10
2に沿って加速される。電気から機械への動力伝達にお
いて、これは有利な特性であって、車輌ならびに工業用
の電気駆動という用途に適用することができる。機械か
ら機械への動力伝達においても、前記した機械方式の状
況に類似した利点を有している。
【0122】図22から図27に示した実施の形態にお
いて、電磁動力伝達機構と結合する回転整流子は、機械
式あるいはパワー電子式の回転整流子とすることができ
る。機械式の回転整流子は構造が比較的簡単なので、容
易に動力伝達機構と整合することができ、かつ操作も極
めて容易である。しかし、カーボンブラシと整流子リン
グとの間の摩擦接触を利用して動作する機械式の回転整
流子は定期的なメンテナンスを行って、短絡による故障
を防止または減少させる必要がある。また、半導体パワ
ー電子切換回路によるパワー電子式の回転整流子は装置
との整合が少し複雑なものとなる。但し、パワー電子式
の回転整流子はデジタル制御システムとの結合が容易で
あるから、動力伝達装置をデジタル制御方式で操作でき
るものとなる。更に、パワー電子式の回転整流子にはカ
ーボンブラシが摩耗するという問題が存在しない。図2
8と図29とに示した電磁方式において、機械式回転整
流子の構造ならびにパワー電子式回転整流子の構造を図
示している。
【0123】図28において、図22から図27の実施
の形態のように、電磁動力伝達機構に整合する機械式回
転整流子の要部を示すと、機械式回転整流子320M
一定数量、例えば3対のカーボンブラシおよびカーボン
ブラシフレームを備えたものであり(図示は1つのカー
ボンブラシ321のみ)、カーボンブラシフレーム32
2の内周面に固定されている。カーボンブラシ対の数量
は、図22から図27に示した実施の形態の磁化伝達作
用再分配機構である第1電磁要素311の電機子の構造
により決定される。もし整流される第1電磁要素311
の電機子がDC励磁であれば、1対のカーボンブラシ3
21で十分である。もし整流される第1電磁要素311
の電機子がAC励磁であれば、1対以上のカーボンブラ
シ321が必要となる。また、カーボンブラシフレーム
322は、カーボンブラシ321を搭載するキャリアで
あって、例えば、中空な円筒形構造を採用して、各カー
ボンブラシ321をその内周面上の所定位置に配設する
が、例えばキャップ323を利用してカーボンブラシフ
レーム322に取り付けることができる。このキャップ
323内部にはバネなどの弾性部材(図示せず)を付設
して、カーボンブラシ321の表面を電機子である第1
電磁要素311の整流子リング315に押圧させるの
で、カーボンブラシ321が長時間の使用により次第に
摩耗してきても、一定の範囲では弾性部材によりカーボ
ンブラシ321を押し出すことができる。そして、カー
ボンブラシフレーム322の中空となった空間に、電機
子である第1電磁要素311の軸332Mおよび整流子
リング315を挿入することができ、適切に組立てられ
れば、カーボンブラシフレーム322に搭載された各カ
ーボンブラシ321が整流子リング315の表面に所定
角度ならびに所定位置で押圧される。
【0124】外部の電気的な動力が電機子である第1電
磁要素311を励磁する時、各カーボンブラシ321の
キャップ323がカーボンブラシフレーム322の外周
面の対応するスリップリング362と電気的に接続され
るが、図示のように、カーボンブラシフレーム322の
円筒壁面を貫通するコネクター364で接続される。ス
リップリング362を使用するのは回転整流子320M
が回転するからであり、カーボンブラシフレーム322
が装置本体に対して回転するからである。対応する複数
のカーボンブラシ321とキャップ323とスリップリ
ング362とによって形成された導電性経路を利用し
て、外部の励磁動力源をコイル318から第1電磁要素
311の整流子リング315へ励磁動力として供給する
ことができる。
【0125】回転整流子320M のカーボンブラシフレ
ーム322の回転速度は、本発明にかかる動力伝達装置
300の構造に基づいて決定されたシーケンス制御によ
り決められる。この回転速度は、動力の伝達形態および
AC動力の周波数などによって決まる。回転整流子32
M を回転させ、その1対のカーボンブラシにより決定
される虚数整流指向ベクトルの回転を、図28には図示
していないが、電磁要素が発生させる磁場に同期させな
い時、通常は駆動器によりカーボンブラシフレーム32
2を駆動することで、速度に基づいて制御するシーケン
スにより回転させることができる。また、回転整流子3
20M が未整流要素である第2電磁要素312に同期し
て回転する特別な状況においては、カーボンブラシフレ
ーム322を第2電磁要素312上に単純に固定するこ
とにより、両者を同期して回転させることができる。例
えば、図27の実施の形態において、第2電磁要素31
2の永久磁石316で第1磁場を形成する場合、そのカ
ーボンブラシフレーム322を第2電磁要素312のケ
ース体上に直接固定することができる。
【0126】図29において、本発明にかかる電磁方式
による実施の形態は、図22から図27に示した実施の
形態のように、パワー電子式回転整流子320E の回路
を示しており、半導体スイッチアレイ325と、制御ロ
ジック328とを備えている。このパワー電子式回転整
流子320E が第1電磁要素311(図22から図27
を参照)上に搭載されて、半導体スイッチ3251A−3
251D,3252A−3252D,…および325NA−32
NDがコイルアレイ319を構成するコイル3191
3192 ,…ならびに319N に連接され、必要な励磁
切換シーケンスを実行できるようにしている。第1電磁
要素311中に合計N個のコイルがあるとすれば、この
半導体スイッチアレイ325によりコイル3191 ,3
192 ,…ならびに319N に対して励磁電力の供給を
行うことになる。この励磁に使用される動力源が外部か
ら提供される時は、1対のスリップリング362,36
2により対応するカーボンブラシ361を介して外部動
力源381から励磁動力を受け入れるようにすることが
できる。半導体スイッチアレイ325により実施される
切換シーケンスは、制御ロジック328により制御され
る。制御ロジック328は、非整流電磁要素である第2
電磁要素312が形成する磁場の角速度と角度位置とに
基づいて、その制御シーケンスを実施する。第2電磁要
素312の形成する磁場の角速度と角度位置とは、セン
サー327によって検知されるものであり、例えば光電
結合方式により制御ロジック328に接続されて、検知
したデータを入力する。
【0127】図29に示した実施の形態において、パワ
ー電子式回転整流子320E は、1対のカーボンブラシ
を備えてDC励磁を受ける、図28に示した機械式回転
整流子320M と機能的には等価である。外部のDC動
力源381は、スリップリング362を介して対応する
カーボンブラシ361との回転摩擦接触を通じて励磁に
必要な電気的な動力を提供する。半導体スイッチアレイ
325中の半導体スイッチは、2組、すなわち正(ポジ
ティブ)グループ325P と負(ネガティブ)グループ
325N とに分かれ、各グループがそれぞれ半数を占め
る。第1電磁要素311の各コイル3191 ,31
2 ,…ならびに319N は、DC動力源381に切換
接続される両端をそれぞれ有している。その各端は、制
御ロジック328によって管理されるシーケンスに基づ
いて、それぞれDC動力源381の正負端に切換接続さ
れる。もしもSCR(silicon - controlled rectifier
シリコン制御整流子)を半導体スイッチとして採用す
るならば、第1電磁要素311のコイルの各端には2つ
のSCRを使用する必要があり、いずれもDC動力源3
81の正負端に順次接続して完全な回路とし、励磁が順
調に行われるようにしなければならない。従って、コイ
ルアレイ319中の合計N個のコイルについて言えば、
半導体スイッチアレイ325中に合計4N個のSCRを
必要とする。例えば、コイルアレイ319中の3191
を例に取れば、その両端の1つである3191Aは、SC
R3251A,3251Cを介して、それぞれDC動力源3
81の正負端に接続されている。もう1つの319
1Bは、SCR3251B,3251Dを介して、それぞれD
C動力源381の正負端に接続されている。励磁シーケ
ンスにおいてコイル3191 の一端3191Aが正端に接
続され、他端3191Bが負端に接続される時、制御ロジ
ック328がトリガー信号バス326を介して、これら
2つのSCRに対応するゲート信号を出力してSCR3
251AおよびSCR3251Dを同時にオンとする。コイ
ル端3191Aを負端に接続し、コイル端3191Bを正端
に接続する時は、SCR3251CおよびSCR3251B
が同時にオンとなる。コイルアレイ319中のその他の
コイル3192 〜319N は、類似した制御シーケンス
に基づいて対応するSCRに接続される。もちろん、コ
イルアレイ319において1つ以上のコイルが同時に励
磁されるように回路構成することも可能であり、いずれ
にせよ、制御ロジック328による適切なシーケンス制
御のもとでは、半導体スイッチアレイ325中の全ての
SCRが適切にオンオフの切換動作を行うことができ
る。
【0128】本発明にかかる機械方式と同様に、特定の
構造においては、電磁動力伝達機構の2つの第1電磁要
素ならびに第2電磁要素の役割を反転することができ
る。動力伝達装置の通常な入力から出力へと向かう動力
フローにおいて、このような反転により動力を反対方向
へ伝達することができる。このような反転状況は、公知
の電動機の同様な原理においても可能であり、機械的な
動力を伝達する回転軸を負荷により駆動する回転軸に変
えれば、モーターを容易に発電機に転換することができ
る。例えば、図23で示した電磁方式による電気から機
械への動力伝達において、第2電磁要素312は、固定
されて回転しないケース体上に巻き付けられた多相コイ
ルであり、その磁化伝達作用再分配機構である第1電磁
要素311は、DC電機子であって、回転整流子320
により励磁されてるから、回転整流子320が1対のカ
ーボンブラシを備えた機械式の回転整流子であると仮定
すれば、励磁動力が外部の電気的な動力源から第2電磁
要素312の多相コイルに供給されると、その回転の角
速度が外部電力源の周波数に等しい磁場を形成する。こ
の磁場が、第1電磁要素311から回転整流子320を
介して励磁により形成された磁場へフィードバックさ
れ、両者間で第1電磁要素311を駆動することにな
る。回転整流子320の虚数整流指向ベクトルは、カー
ボンブラシの直径方向の軸線により決まる場合は、第2
電磁要素312の磁場に同期して回転する。つまり、外
部の電気的な動力源の周波数に基づいて変換された角速
度で同期して回転する。前記したように、出力軸332
M 、すなわち第1電磁要素311の回転軸は、図20の
ギア比座標軸上の任意の速度で外部の負荷を駆動するこ
とができる。
【0129】そこで、機械的な負荷を機械的な動力源に
変換して第1電磁要素311の回転軸332M を駆動す
る時、第2電磁要素312の多相コイル317が多相A
C動力を発生させることができるようになり、それに電
気接続された電気的な負荷を駆動できる。その際に第1
電磁要素311の回転軸332M 上に発生する機械的な
動力の角速度には関わりなく、再生されたAC電力は、
もとの電気的な動力源と同一な周波数となるように制御
されている。これは、虚数整流指向ベクトルを元の電気
的な動力源の特定角速度に制御することで、簡単に実現
することができる。虚数整流指向ベクトルが対応する元
の動力源の回転磁場における必要な位相角となるように
制御することで、再生されるAC動力は、元の外部の電
気的な動力源と同じ位相を備えたものとすることさえで
きる。このようなAC電力を再生する能力は、大部分の
工業ならびに輸送分野において有効に活用できるものと
なる。例えば、図23で説明した電磁方式が、通常の電
気から機械への動力伝達形態における鉄道機関車の駆動
モーターに応用することができる。その再生駆動ユニッ
トの電気系統を図30に示す。
【0130】図30において、第2電磁要素312の多
相コイルが回転しない固定子ケース体上の2相システム
(two-phase system)に巻き付けられ、電磁伝達作用再
分配機構であるDC電機子としての第1電磁要素311
が回転子上に取り付けられている。図示では、DC電機
子としての第1電磁要素311が1つの歯車列により鉄
道車輌の駆動輪に連結されているように概略的に示して
おり、この駆動輪が機械的な負荷382である。電車は
パンタグラフ386を介して架線385から電気的な動
力源381の供給を受けるが、それは単相ACであり、
必要とするのは90度位相のずれた第2相である。この
ような第2相電源は、単相AC電源である電気的な動力
源381に対して1対1の供給を行う変圧器387を使
用することで容易に獲得できる。このような鉄道駆動系
統は、上述した電気から機械への動力伝達において、電
力会社の単相電源線から動力を得て、列車の加速または
登坂を行う。
【0131】そこで、列車の減速あるいは下り坂の場合
には、第1電磁要素311が列車の運動エネルギーまた
は位置エネルギーにより駆動されることになるので、系
統制御ロジック380を利用して、動力方向を反転した
操作を行うことができるようになる。つまり、機械的な
動力を電気的な動力として収集した後に架線385へパ
ンタグラフ386を介して直接送り返すことができる。
周波数、位相、電圧といったAC動力の全てのパラメー
ターは、いずれも電力会社が発電し、配電する電力網に
蓄積された電力と一致するように制御することができる
ので、このようなエネルギーを回収して制動を行うこと
は充分に実現可能である。また、図30に示したような
電磁方式は、廃熱発電(cogeneration)および風力ター
ビン発電などのような用途にも適用することができる。
廃熱発電設備では蒸気タービンから、風力発電設備では
風力タービンから発生する機械的な動力が、減速または
下り坂にある列車と同様に、類似した性質を有してい
る。もちろん、このように再生したAC電力が商用電力
網の電力に適合したものでなければならず、もし高い周
波数の調波を商用電力網へ送り込めば、設備や部品を損
傷することになる。
【0132】なお、本発明にかかる電磁方式は、廃熱発
電や風力発電に適用される時、通常は1つの動力伝達方
向、つまり機械から電気への方向にだけ適用することが
できるものであって、基本的に図30に示した装置構成
に類似したものとなる。更には、ここでは詳細な説明を
していないが、本発明にかかる電磁方式を利用した簡略
な再生制御の利点には、他にも多くの用途がある。そし
て、実用性という見地から、本発明の各実施の形態で
は、動力伝達機構中の1つ、または2つの電磁要素を動
力伝達装置と直接結合するものとしている。例えば、D
C電磁動力源は、その定格パワーが、通常、主要な動力
源より遥かに小さいので、動力伝達装置内部のDC発電
機から提供するものとしている。従来の電動機と同じよ
うに、本発明にかかる電磁方式は、円筒形の中空ケース
体と、円柱形の回転子とから構成されるものが最適であ
る。組み立てに際して、円柱形の回転子を円筒形の中空
ケース体内部に挿入することができるので、図21に示
した電磁方式のように、円筒形の中空ケース体を有する
第2電磁要素312と、円柱形の回転子である第1電磁
要素311として構築することができる。2つの構成要
素が縦の軸線で対称となるように取り付けられて、縦の
軸線を中心に相互回転する。このような構成が、機械式
回転整流子を採用する場合には好ましいものとなる。ま
た、もしも図21の実施の形態において、動力方向を反
転できる動力伝達装置300とするも可能である。磁化
伝達作用分配機構である第1電磁要素311を円筒形の
中空ケース体とし、第2電磁要素312を円柱形の回転
子とすればよい。すなわち、中空ケース体を回転整流子
により整流する要素に変える訳である。このような構造
は、本発明にかかるパワー電子式の回転整流子を採用し
た電磁方式に適したものとなる。
【0133】本発明にかかる動力伝達装置につき、実施
の形態に基づいて詳細に説明したが、その外の方式も可
能である。例えば、本発明にかかる電磁方式において、
動力伝達機構として利用される電動機も薄い円盤状構造
を採用して、2つの電磁要素間の相互作用を円盤の表面
で発生させるものとして、中空ケース体の円周面に発生
させるものとは異なったものとすることができる。ま
た、本発明にかかる動力伝達装置の並行軸構造を採用し
た機械方式につき、遊星歯車列を整合させた可変速の動
力伝達装置を固定比率による結合に置き換えることもで
きる。このような固定比率結合のギア比が、図5から図
7ならびに図8から図10の第1電磁要素の速度線10
3のC点に近いものを選択した場合、構成される動力伝
達装置は、大減速ギア比を有する歯車列に変わる。この
ような大減速ギア比を有する固定ギア比による歯車動力
伝達機構の構築は、極めて簡単であるとともに、比較的
大きなパワーを処理することができる。従って、以上の
ごとく、本発明を好適な実施例により開示したが、当業
者であれば容易に理解できるように、本発明の技術思想
の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なさ
れうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許
請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定め
なければならない。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる動
力伝達装置は、機械から機械へ、機械から電気へ、電気
から機械へ、電気から電気への動力伝達形態において、
動力伝達作用の再分配により動力伝達機構の操作範囲を
最良性能範囲に限定して、その出力を静止起動回転速度
を含む出力回転速度範囲全体において実現することがで
きるので、良好な低速特性を獲得することができるとと
もに、入力から出力への正常な動力伝達のほかにも、反
対方向へ動力を伝達することができるので、動力再生を
も実現することができる。従って、本発明は、産業上、
画期的な価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる広義な動力伝達装置を示す基本
構成図である。
【図2】本発明にかかる動力伝達装置の標準化された角
速度と等価ギア比との関係を示す平面座標図である。
【図3】図1の広義な動力伝達装置における標準化角速
度と等価ギア比との関係を示す平面座標図である。
【図4】図1の広義な動力伝達装置につき、異なる構造
における標準化角速度と等価ギア比との関係を示す平面
座標図である。
【図5】本発明にかかる広義な動力伝達装置を構成する
機械方式のうち、標準遊星歯車列で伝達作用再分配機構
を構成した場合の各歯車間の角速度関係を示す平面座標
図である。
【図6】本発明にかかる広義な動力伝達装置を構成する
機械方式のうち、平歯車遊星歯車列で伝達作用再分配機
構を構成した場合の各歯車間の角速度関係を示す平面座
標図である。
【図7】本発明にかかる広義な動力伝達装置を構成する
機械方式のうち、差動機構で伝達作用再分配機構を構成
した場合の各歯車間の角速度関係を示す平面座標図であ
る。
【図8】本発明にかかる広義な動力伝達装置を構成する
機械方式のうち、標準遊星歯車列で別な伝達作用再分配
機構を構成した場合の各歯車間の角速度関係を示す平面
座標図である。
【図9】本発明にかかる広義な動力伝達装置を構成する
機械方式のうち、平歯車遊星歯車列で別な伝達作用再分
配機構を構成した場合の各歯車間の角速度関係を示す平
面座標図である。
【図10】本発明にかかる広義な動力伝達装置を構成す
る機械方式のうち、差動機構で別な伝達作用再分配機構
を構成した場合の各歯車間の角速度関係を示す平面座標
図である。
【図11】本発明にかかる動力伝達装置の広義な機械方
式を示す基本構成図である。
【図12】図11の機械方式において同軸構造を採用し
た場合の斜視図である。
【図13】図11の機械方式において平行軸構造を採用
した場合の斜視図である。
【図14】図11の機械方式において可変ピッチ円錐ベ
ルト車駆動構造を採用した場合の斜視図である。
【図15】図13の機械方式のうち、異なるギア比の平
行軸構造の角速度とギア比との関係を示す平面座標図で
ある。
【図16】図13の機械方式のうち、異なるギア比の別
な平行軸構造の角速度とギア比との関係を示す平面座標
図である。
【図17】図13の機械方式のうち、入力された機械的
な動力を太陽歯車から出力する遊星歯車列のバランスレ
バーシステムを示す要部説明図である。
【図18】図13の機械方式のうち、図17の動力の伝
達方向とは反対方向への動力伝達を行うバランスレバー
システムを示す要部説明図である。
【図19】本発明にかかる機械方式のうち、誘導電動機
を採用した動力伝達機構を示す説明断面図である。
【図20】本発明にかかる電磁方式のうち、動力伝達機
構および伝達作用再分配機構の等価角速度とギア比との
関係を示す平面座標図である。
【図21】図1の動力伝達装置の広義な電磁方式にかか
る基本構成を示す斜視図である。
【図22】図21の広義な電磁方式のうち、電磁要素と
して多相コイルおよび電磁伝達作用再分配機構としてA
C電機子を採用した動力伝達装置を示す説明断面図であ
る。
【図23】図21の広義な電磁方式のうち、電磁要素と
して多相コイルおよび電磁伝達作用再分配機構としてD
C電機子を採用した動力伝達装置を示す説明断面図であ
る。
【図24】図21の広義な電磁方式のうち、電磁要素と
して電磁石および電磁伝達作用再分配機構としてAC電
機子を採用した動力伝達装置を示す説明断面図である。
【図25】図21の広義な電磁方式のうち、電磁要素と
して電磁石および電磁伝達作用再分配機構としてDC電
機子を採用した動力伝達装置を示す説明断面図である。
【図26】図21の広義な電磁方式のうち、電磁要素と
して永久磁石および電磁伝達作用再分配機構としてAC
電機子を採用した動力伝達装置を示す説明断面図であ
る。
【図27】図21の広義な電磁方式のうち、電磁要素と
して永久磁石および電磁伝達作用再分配機構としてDC
電機子を採用した動力伝達装置を示す説明断面図であ
る。
【図28】本発明にかかる電磁方式のうち、機械式の回
転整流子を示す斜視図である。
【図29】本発明の電磁方式のうち、パワー電子式の回
転整流子を示す斜視図である。
【図30】本発明にかかる電磁方式のうち、電車に適用
されたエネルギー再生構造中の電気回路系統を示す構成
説明図である。
【符号の説明】
R 遊星歯車列のリング歯車の半径 S 遊星歯車列の太陽歯車の半径 SL 平歯車遊星歯車列の大きな太陽歯車の半径 SS 平歯車遊星歯車列の小さな太陽歯車の半径 x ギア比 y 標準化された角速度 ω 角速度 100 広義な動力伝達装置 110 動力伝達機構 111 第1伝達作用要素 112 第2伝達作用要素 120 伝達作用再分配機構 131 入力手段 132 出力手段 181 外部動力源 182 外部負荷 101 入力速度線 102 出力速度線 103 被駆動要素速度線 105 50%のギア比による出力速度点 101A 減速された入力速度線 101R 縮小されたエンジン速度線 103A 減速された被駆動要素入力速度線 103R 減速されたキャリア速度線 200 機械方式の動力伝達装置 210 機械方式の動力伝達機構(液圧カプラー、誘導
電動機) 220 機械方式の伝達作用再分配機構(外擺歯車列、
遊星歯車列) 211 駆動要素(羽根車、駆動ベルト車、太陽歯車、
磁場素子) 212 被駆動要素(タービン、被駆動ベルト車、かご
形素子) 213 駆動ベルト 216 永久磁石 225 バランスレバー 300 電磁方式の動力伝達装置 310 電磁方式の動力伝達機構 320 電磁方式の伝達作用再分配機構(回転整流子) 311 第1電磁要素(AC電機子、DC電機子) 312 第2電磁要素 316 永久磁石 321 カーボンブラシ 322 カーボンブラシフレーム 325 半導体スイッチアレイ 380 (電車の再生式駆動ユニットの)系統制御ロジ
ック 381 (電車の再生式駆動ユニットの)外部動力源 382 (電車の再生式駆動ユニットの)外部負荷 385 (電車の)架線 386 パンタグラフ 387 変圧器

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部動力源からの動力を受け入れる入力
    手段と、外部負荷に対して動力を伝達する出力手段とを
    有し、 第1伝達作用要素および第2伝達作用要素を備え、前記
    入力手段に連接されて一定の入力角速度で外部からの動
    力を受け入れ、かつ前記第1伝達作用要素および前記第
    2伝達作用要素が、それぞれ第1角速度ならびに第2角
    速度で操作され、前記第1伝達作用要素および前記第2
    伝達作用要素間の作用により動力を伝達する動力伝達機
    構と、 前記動力伝達装置ならびに出力手段と一体的に結合され
    て、前記動力伝達装置が第1角速度ならびに第2角速度
    で操作される時の動力伝達作用を、前記出力手段に対し
    て再分配した上で前記出力手段に伝達するとともに、前
    記出力手段により一定の出力角速度で動力を前記外部負
    荷に伝達する伝達作用再分配機構とを具備することを特
    徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記入力手段が、回転軸であって、前記
    外部動力源からの機械的な動力を受け入れることができ
    るとともに、前記出力手段もまた回転軸であって、機械
    的な動力を前記外部負荷に伝達することができることを
    特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記入力手段が、導電線であって、前記
    外部動力源からの電気的な動力を受け入れることができ
    るとともに、前記出力手段が、回転軸であって、機械的
    な動力を前記外部負荷に伝達することができることを特
    徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記入力手段が、回転軸であって、前記
    外部動力源からの機械的な動力を受け入れることができ
    るとともに、前記出力手段が、導電線であって、電気的
    な動力を前記外部負荷に伝達することができることを特
    徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 前記入力手段が、導電線であって、前記
    外部動力源からの電気的な動力を受け入れることができ
    るとともに、前記出力手段が、導電線であって、電気的
    な動力を前記外部負荷に伝達することができることを特
    徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 前記伝達作用再分配機構が、機械装置で
    あって、機械方式により前記動力伝達機構の動力伝達作
    用を前記出力手段に再分配するとともに、前記動力伝達
    機構の操作速度範囲中の所定選択範囲を、前記動力伝達
    機構の静止起動速度を含む速度範囲全体に対応するよう
    に再調整することを特徴とする請求項1記載の動力伝達
    装置。
  7. 【請求項7】 前記伝達作用再分配機構が、電気装置で
    あって、電気方式により前記動力伝達機構の動力伝達作
    用を前記出力手段に再分配するとともに、前記動力伝達
    機構の操作速度範囲中の所定選択範囲を、前記動力伝達
    機構の静止起動速度を含む速度範囲全体に対応するよう
    に再調整することを特徴とする請求項1記載の動力伝達
    装置。
  8. 【請求項8】 外部動力源からの動力を受け入れる入力
    軸と、外部負荷に対して動力を伝達する出力軸とを有
    し、 駆動要素および被駆動要素を備え、前記入力軸に連接さ
    れて一定の入力角速度で外部からの動力を受け入れ、か
    つ前記駆動要素および前記被駆動要素が、それぞれ第1
    角速度ならびに第2角速度で操作され、前記駆動要素お
    よび前記被駆動要素間の作用により動力を伝達する動力
    伝達機構と、 第1歯車、第2歯車、第3歯車を有し、前記第1歯車が
    固定静止されて回転せずに前記第3歯車が駆動されて回
    転する時に、前記第2歯車が、前記第3歯車と同一方向
    に回転し、かつその角速度が前記第3歯車よりも小さ
    く、前記第3歯車が、前記動力伝達機構の前記駆動要素
    に連接され、前記第2歯車が前記動力伝達機構の前記被
    駆動要素に連接され、前記第1歯車が前記出力軸に連接
    される、駆動ならびに被駆動の角速度によって操作され
    る前記動力伝達機構の動力伝達作用を再分配して前記出
    力軸に伝達し、前記出力軸を介して一定の角速度で機械
    的な動力を前記外部負荷に伝達する外擺(はい)歯車列
    とを具備することを特徴とする動力伝達装置。
  9. 【請求項9】 前記外擺歯車列が、遊星歯車列である請
    求項8記載の動力伝達装置。
  10. 【請求項10】 前記外擺歯車列が、平歯車遊星歯車列
    である請求項8記載の動力伝達装置。
  11. 【請求項11】 前記外擺歯車列が、差動歯車列である
    請求項8記載の動力伝達装置。
  12. 【請求項12】 前記外擺歯車列が、遊星歯車列であっ
    て、太陽歯車と、複数個の遊星歯車を搭載するキャリア
    歯車と、リング歯車とを備え、前記外擺歯車列の前記第
    1歯車および第2歯車ならびに第3歯車が、それぞれ遊
    星歯車列の前記太陽歯車およびキャリア歯車ならびにリ
    ング歯車、あるいは前記リング歯車およびキャリア歯車
    ならびに太陽歯車である請求項8記載の動力伝達装置。
  13. 【請求項13】 前記外擺歯車列が、正歯車遊星歯車列
    であって、第1太陽歯車と、複数個の遊星歯車を搭載す
    るキャリア歯車と、第2太陽歯車とを備え、前記第1太
    陽歯車が第2太陽歯車よりも小さく、かつ前記外擺歯車
    列の前記第1歯車および第2歯車ならびに第3歯車がそ
    れぞれ前記正歯車遊星歯車列の前記第1太陽歯車および
    第2太陽歯車ならびにキャリア歯車、あるいは前記キャ
    リア歯車および第2太陽歯車ならびに第1太陽歯車であ
    る請求項8記載の動力伝達装置。
  14. 【請求項14】 前記外擺歯車列が、差動歯車列であっ
    て、第1傘歯車と、第2傘歯車と、複数個の遊星傘歯車
    を搭載するキャリア歯車とを備え、前記外擺歯車列の前
    記第1歯車および第2歯車ならびに第3歯車がそれぞれ
    前記第1傘歯車およびキャリア歯車ならびに第2傘歯車
    である請求項8記載の動力伝達装置。
  15. 【請求項15】 前記外擺歯車列の前記第3歯車が、前
    記動力伝達機構の前記駆動要素と同軸により直接連結さ
    れて両者を同期で回転させ、前記外擺歯車列の前記第2
    歯車が、前記動力伝達機構の上記被駆動要素と同軸によ
    り直接連結されて両者を同期して回転させることを特徴
    とする請求項8記載の動力伝達装置。
  16. 【請求項16】 前記外擺歯車列の前記第3歯車が、前
    記動力伝達機構の前記駆動要素と連結されて両者を同期
    して回転させ、前記外擺歯車列の前記第2歯車が、前記
    動力伝達機構の前記被駆動要素と連結されて両者を同期
    して回転させることを特徴とする請求項8記載の動力伝
    達装置。
  17. 【請求項17】 前記外擺歯車列の前記第3歯車および
    第2歯車が、前記第1歯車ならびに前記第2歯車との接
    合を利用して前記動力伝達機構の駆動要素および被駆動
    要素と連結されることを特徴とする請求項8記載の動力
    伝達装置。
  18. 【請求項18】 前記第1歯車および第2歯車の接合
    が、同一の歯車比ならびに同一の接合回転方向を備える
    ことを特徴とする請求項17記載の動力伝達装置。
  19. 【請求項19】 前記外擺歯車列の前記第3歯車および
    第2歯車が、第1ベルトドライバーならびに第2ベルト
    ドライバーを利用して前記動力伝達機構の駆動要素およ
    び被駆動要素と連結されることを特徴とする請求項8記
    載の動力伝達装置。
  20. 【請求項20】 前記第1ベルトドライバーおよび第2
    ベルトドライバーが、同一の歯車比ならびに同一の接合
    回転方向を備えることを特徴とする請求項19記載の動
    力伝達装置。
  21. 【請求項21】 入力軸角速度およびそれに対応する入
    力から入力軸ならびに負荷の状態により決定されるもの
    は、静止から同一回転方向の入力軸回転速度の所定パー
    センテージ範囲内の出力軸角速度について言えば、前記
    動力伝達機構の前記駆動要素および被駆動要素の両者
    が、いずれも非静止角速度により操作されることを特徴
    とする請求項8記載の動力伝達装置。
  22. 【請求項22】 前記入力軸が、前記動力伝達機構の前
    記駆動要素または被駆動要素に連接されることを特徴と
    する請求項8記載の動力伝達装置。
  23. 【請求項23】 前記動力伝達機構が、液圧カプラーで
    あることを特徴とする請求項8記載の動力伝達装置。
  24. 【請求項24】 前記動力伝達機構が、トルクインバー
    ターであることを特徴とする請求項8記載の動力伝達装
    置。
  25. 【請求項25】 前記動力伝達機構が、発電機およびモ
    ーターを備えた発電機モーターセットであって、前記駆
    動要素が前記発電機であり、前記被駆動要素が前記モー
    ターであることを特徴とする請求項8記載の動力伝達装
    置。
  26. 【請求項26】 前記動力伝達機構が、誘導電動機であ
    って、永久磁石磁場ユニットとかご形回転子とを備える
    ことを特徴とする請求項8記載の動力伝達装置。
  27. 【請求項27】 前記動力伝達機構が、誘導電動機であ
    って、かご形磁場ユニットと永久磁石回転子とを備える
    ことを特徴とする請求項8記載の動力伝達装置。
  28. 【請求項28】 前記動力伝達機構が、渦流カプラーで
    あることを特徴とする請求項8記載の動力伝達装置。
  29. 【請求項29】 外部動力源から機械的な動力を受け入
    れることができる入力軸と、外部負荷に対して機械的な
    動力を伝達することができる出力軸とを備え、入力軸角
    速度に対応して、前記出力軸が静止から同一回転方向の
    入力軸角速度の所定パーセンテージの速度範囲内で操作
    され、 駆動要素と被駆動要素とを備え、前記入力軸に連接さ
    れ、かつ所定の入力角速度で外部からの機械的な動力を
    受け入れて同期して回転するとともに、前記駆動要素お
    よび被駆動要素が、それぞれ駆動角速度ならびに被駆動
    角速度で操作され、前記駆動要素および被駆動要素間の
    作用を経て機械的な動力を伝達する動力伝達機構と、 リング歯車と、太陽歯車と、複数個の遊星歯車を搭載し
    たキャリア歯車とを備え、前記リング歯車が前記動力伝
    達機構の前記駆動要素に連接されて両者が同期して回転
    し、前記キャリア歯車が前記動力伝達機構の前記被駆動
    要素に連接されて両者が同期して回転し、前記太陽歯車
    が前記出力軸に連接されるとともに、駆動角速度および
    被駆動角速度により操作される前記動力伝達機構の動力
    伝達作用が再分配されて前記出力軸に伝達され、前記出
    力軸が所定の出力角速度で機械的な動力を前記外部負荷
    に伝達すると同時に、所定の入力角速度およびその速度
    範囲内での入力から入力軸ならびに負荷の状態によって
    決定される対応する出力角速度については、前記動力伝
    達機構の前記駆動要素および被駆動要素の両者が、いず
    れも非静止角速度で操作される遊星歯車列とを具備する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  30. 【請求項30】 外部動力源から機械的な動力を受け入
    れることができる入力軸と、外部負荷に対して機械的な
    動力を伝達することができる出力軸とを備え、入力軸角
    速度に対応して、前記出力軸が静止から同一回転方向の
    入力軸角速度の所定パーセンテージの速度範囲内で操作
    され、 駆動要素と被駆動要素とを備え、前記入力軸に連接さ
    れ、かつ所定の入力角速度で外部からの機械的な動力を
    受け入れて同期して回転するとともに、前記駆動要素お
    よび被駆動要素が、それぞれ駆動角速度ならびに被駆動
    角速度で操作され、前記駆動要素および被駆動要素間の
    作用を経て機械的な動力を伝達する動力伝達機構と、 第1太陽歯車と、複数個の遊星歯車を搭載したキャリア
    歯車と、第2太陽歯車とを備え、前記第1太陽歯車が前
    記第2太陽歯車より小さく、前記キャリア歯車が前記動
    力伝達機構の前記駆動要素に連接されて両者が同期して
    回転し、前記第2太陽歯車が前記動力伝達機構の前記被
    駆動要素に連接されて両者が同期して回転し、前記第1
    太陽歯車が前記出力軸に連接されるとともに、駆動角速
    度および被駆動角速度により操作される前記動力伝達機
    構の動力伝達作用が再分配されて前記出力軸に伝達さ
    れ、前記出力軸が所定の出力角速度で機械的な動力を前
    記外部負荷に伝達すると同時に、所定の入力角速度およ
    びその速度範囲内での入力から入力軸ならびに負荷の状
    態によって決定される対応する出力角速度については、
    前記動力伝達機構の前記した駆動要素および被駆動要素
    の両者が、いずれも非静止角速度で操作される平歯車遊
    星歯車列とを具備することを特徴とする動力伝達装置。
  31. 【請求項31】 外部動力源から機械的な動力を受け入
    れることができる入力軸と、外部負荷に対して機械的な
    動力を伝達することができる出力軸とを備え、入力軸角
    速度に対応して、前記出力軸が静止から同一回転方向の
    入力軸角速度の所定パーセンテージの速度範囲内で操作
    され、 駆動要素と被駆動要素とを備え、前記入力軸に連接さ
    れ、かつ所定の入力角速度で外部からの機械的な動力を
    受け入れて同期して回転するとともに、前記駆動要素お
    よび被駆動要素が、それぞれ駆動角速度ならびに被駆動
    角速度で操作され、前記駆動要素および被駆動要素間の
    作用を経て機械的な動力を伝達する動力伝達機構と、 第1傘歯車と、第2傘歯車と、複数個の遊星歯車を搭載
    したキャリア歯車とを備え、前記第2傘歯車が前記動力
    伝達機構の前記駆動要素に連接されて両者が同期して回
    転し、前記キャリア歯車が前記動力伝達機構の前記被駆
    動要素に連接されて両者が同期して回転し、前記第1傘
    歯車が前記出力軸に連接されるとともに、駆動角速度お
    よび被駆動角速度により操作される前記動力伝達機構の
    動力伝達作用が再分配されて前記出力軸に伝達され、前
    記出力軸が所定の角速度で機械的な動力を前記外部負荷
    に伝達すると同時に、所定の入力軸角速度ならびにその
    速度範囲内において入力から入力軸および負荷の状態に
    よって決定される対応した出力軸角速度については、前
    記動力伝達機構の前記駆動要素ならびに被駆動要素がい
    ずれも非静止角速度で操作されるものである差動歯車列
    とを具備することを特徴とする動力伝達装置。
  32. 【請求項32】 外部動力源からの動力を受け入れる入
    力手段と、外部負荷に対して動力を伝達する出力手段と
    を有し、 第1電磁要素と第2電磁要素とを備え、所定の入力角速
    度で外部からの動力を受け入れ、かつ前記第1電磁要素
    および第2電磁要素がそれぞれ第1角速度ならびに第2
    角速度で操作され、前記第1電磁要素および第2電磁要
    素間の作用により動力を伝達する電磁動力伝達機構と、 前記第1電磁要素を磁化できるとともに、前記第1電磁
    要素および第2電磁要素と一体的に組み合わされる回転
    整流子とを備えると同時に、 前記回転整流子が、所定の転流角度速度で操作されて前
    記第1電磁要素を磁化し、かつ前記第1電磁要素中に第
    1回転磁場を形成して、その回転角速度が前記第2電磁
    要素中に形成される第2回転磁場の角速度に同期される
    と同時に、 前記電磁動力伝達機構が前記第1回転磁場および第2回
    転磁場の角速度で操作される時の動力伝達作用が、前記
    回転整流子により再分配されて前記出力手段に伝達さ
    れ、前記出力手段が所定の出力角速度で動力を前記電磁
    動力伝達機構から前記外部負荷へ伝達することを特徴と
    する動力伝達装置。
  33. 【請求項33】 前記電磁動力伝達機構の前記第1電磁
    要素が、前記回転整流子の励磁で前記第1回転磁場を形
    成できる磁化再分配電磁コイルであり、前記電磁動力伝
    達機構の前記第2電磁要素が、励磁により前記第2回転
    磁場を形成できる電磁コイルであることを特徴とする請
    求項32記載の動力伝達装置。
  34. 【請求項34】 前記磁化再分配電磁コイルが、交流電
    機子であって、複数個の電気的に切り換え可能な交流コ
    イルを備え、かつ各電気的に切り換え可能な交流コイル
    がいずれも前記回転整流子により順次供給される多相交
    流電源で励磁されて、前記第1回転磁場を形成するとと
    もに、 前記電磁コイルが、多相コイルであって、多相交流電源
    で励磁されて前記第2回転磁場を形成するとともに、 前記回転整流子の転流角度速度が、前記第2電磁要素に
    より形成される第2回転磁場の角速度と非同期となり、
    その転流角度速度が、前記第2回転磁場の角速度と前記
    回転整流子が上記第1電磁要素に供給する多相交流電源
    の角速度との差であることを特徴とする請求項33記載
    の動力伝達装置。
  35. 【請求項35】 前記磁化再分配電磁コイルが、直流電
    機子であって、複数個の電気的に切り換え可能な直流コ
    イルを備え、かつ各電気的に切り換え可能な直流コイル
    がいずれも前記回転整流子により順次供給される直流電
    源で励磁されて、前記第1回転磁場を形成するととも
    に、 前記電磁コイルが、多相コイルであって、多相交流電源
    で励磁されて前記第2回転磁場を形成するとともに、 前記回転整流子の転流角度速度が、前記第2電磁要素に
    より形成される第2回転磁場の角速度と同期することを
    特徴とする請求項33記載の動力伝達装置。
  36. 【請求項36】 前記磁化再分配電磁コイルが、交流電
    機子であって、複数個の電気的に切り換え可能な交流コ
    イルを備え、かつ各電気的に切り換え可能な交流コイル
    がいずれも前記回転整流子により順次供給される多相交
    流電源で励磁されて、前記第1回転磁場を形成するとと
    もに、 前記電磁コイルが、電磁鉄コイルであって、直流電源に
    より励磁されて前記第2回転磁場を形成するとともに、 前記回転整流子の転流角度速度が、前記第2電磁要素に
    より形成される第2回転磁場の角速度と非同期となり、
    その転流角度速度が、前記第2回転磁場の角速度と前記
    回転整流子が上記第1電磁要素に供給する多相交流電源
    の角速度との差であることを特徴とする請求項33記載
    の動力伝達装置。
  37. 【請求項37】 前記磁化再分配電磁コイルが、直流電
    機子であって、複数個の電気的に切り換え可能な直流コ
    イルを備え、かつ各電気的に切り換え可能な直流コイル
    がいずれも前記回転整流子により順次供給される直流電
    源で励磁されて、前記第1回転磁場を形成するととも
    に、 前記電磁コイルが、電磁鉄コイルであって、直流電源に
    より励磁されて前記第2回転磁場を形成するとともに、 前記回転整流子の転流角度速度が、前記第2電磁要素に
    より形成される第2回転磁場の角速度に同期することを
    特徴とする請求項33記載の動力伝達装置。
  38. 【請求項38】 前記磁化再分配電磁コイルが、交流電
    機子であって、複数個の電気的に切り換え可能な交流コ
    イルを備え、かつ各電気的に切り換え可能な交流コイル
    がいずれも前記回転整流子により順次供給される多相交
    流電源で励磁されて、前記第1回転磁場を形成するとと
    もに、 前記電磁コイルが、永久磁石コイルであって、駆動され
    て回転する時に前記第2回転磁場を形成するとともに、 前記回転整流子の転流角度速度が、前記第2電磁要素に
    より形成される第2回転磁場の角速度と非同期となり、
    その転流角速度が、前記第2回転磁場の角速度と前記回
    転整流子が前記第1電磁要素に供給する多相交流電源の
    角速度との差であることを特徴とする請求項33記載の
    動力伝達装置。
  39. 【請求項39】 前記磁化再分配電磁コイルが、直流電
    機子であって、複数個の電気的に切り換え可能な直流コ
    イルを備え、かつ各電気的に切り換え可能な直流コイル
    がいずれも前記回転整流子により順次供給される直流電
    源で励磁されて、前記第1回転磁場を形成するととも
    に、 前記電磁コイルが、永久磁石コイルであって、駆動され
    て回転する時に前記第2回転磁場を形成するとともに、 前記回転整流子の転流角度速度が、前記第2電磁要素に
    より形成される第2回転磁場の角速度に同期することを
    特徴とする請求項33記載の動力伝達装置。
  40. 【請求項40】 前記回転整流子が、機械式回転整流子
    であって、カーボンブラシフレームと、前記カーボンブ
    ラシフレームで支持される複数組のカーボンブラシを備
    えるとともに、 前記カーボンブラシフレームが、前記電磁動力伝達機構
    の前記第2電磁要素に連結され、かつ前記複数組のカー
    ボンブラシが、駆動されて整流子角速度で回転し、電気
    的切り換えによる励磁で前記第1電磁要素の前記磁化再
    分配電磁コイル中に形成される第1回転磁場が、前記第
    2電磁要素中に形成される第2回転磁場に同期して回転
    することを特徴とする請求項34〜39のいずれか1項
    記載の動力伝達装置。
  41. 【請求項41】 前記回転整流子が、半導体パワー電子
    式の回転整流子であって、磁場角度位置センサーおよび
    複数個の半導体スイッチを有するパワー電子スイッチ回
    路を備えるとともに、前記各半導体スイッチが前記第1
    電磁要素の前記磁化再分配コイル中の対応するコイルに
    連接されるとともに、 前記磁場角度位置センサーが、前記電磁動力伝達機構の
    前記第2電磁要素と結合されて、形成された第2回転磁
    場の角度位置を検出し、前記パワー電子スイッチ回路中
    の各半導体スイッチが電気的に前記磁化再分配コイル中
    の対応するコイルに結合されて、前記第2回転磁場の検
    出された角度位置を代表する検出信号が前記パワー電子
    スイッチ回路中の半導体スイッチのオンならびにオフ状
    態の切り換えをトリガーするとともに、それにより形成
    される第1回転磁場が、前記第2電磁要素が形成する第
    2回転磁場に同期して回転することを特徴とする請求項
    37〜42のいずれか1項記載の動力伝達装置。
  42. 【請求項42】 前記電磁動力伝達機構の前記第1電磁
    要素が、前記動力伝達装置の入力手段に連接され、前記
    電磁動力伝達機構の前記第2電磁要素が、前記動力伝達
    装置の出力手段に連接されることを特徴とする請求項3
    2記載の動力伝達装置。
  43. 【請求項43】 前記動力伝達装置が、外部負荷が動力
    源に変わるとともに、前記動力伝達装置の入力手段に連
    接されたエネルギー回収機構を駆動して前記外部負荷か
    らエネルギーを回収する時に、反対方向の動力フローを
    伝達することを特徴とする請求項42記載の動力伝達装
    置。
  44. 【請求項44】 前記電磁動力伝達機構の前記第2電磁
    要素が、前記動力伝達装置の入力手段に連接され、前記
    電磁動力伝達機構の前記第1電磁要素が、前記動力伝達
    装置の出力手段に連接されることを特徴とする請求項3
    2記載の動力伝達装置。
  45. 【請求項45】 前記動力伝達装置が、外部負荷が動力
    源に変わるとともに、前記動力伝達装置の入力手段に連
    接されたエネルギー回収機構を駆動して前記外部負荷か
    らエネルギーを回収する時に、反対方向の動力フローを
    伝達することを特徴とする請求項44記載の動力伝達装
    置。
  46. 【請求項46】 前記電磁動力伝達機構の前記第1電磁
    要素が、実際上は、円柱体形の回転子であるとともに、
    前記電磁動力伝達機構の前記第2電磁要素が、実際上
    は、中空円柱体形のケース体であって、 前記第1電磁要素および第2電磁要素が、両者の対称縦
    軸に沿って相互に重合する方式で保持し合い、前記回転
    子が前記ケース体の中空となった空間に配置されて、前
    記回転子ならびにケース体の両者が重合した軸線に沿っ
    て回転可能で、かつ、両者が相互に回転可能なことを特
    徴とする請求項32記載の動力伝達装置。
  47. 【請求項47】 前記電磁動力伝達機構の前記第2電磁
    要素が、実際上は、円柱体形の回転子であるとともに、
    前記電磁動力伝達機構の前記第1電磁要素が、実際上
    は、中空円柱体形のケース体であって、 前記第1電磁要素および第2電磁要素が、両者の対称縦
    軸に沿って相互に重合する方式で保持し合い、前記回転
    子が前記ケース体の中空となった空間に配置されて、前
    記回転子ならびにケース体の両者が重合した軸線に沿っ
    て回転可能で、かつ、両者が相互に回転可能なことを特
    徴とする請求項32記載の動力伝達装置。
  48. 【請求項48】 前記入力手段が、回転軸であって、前
    記第1電磁要素に連接されて、前記外部動力源から機械
    的な動力の入力を受け入れるとともに、前記出力手段
    が、回転軸であって、前記第2電磁要素に連接されて、
    前記外部負荷に対して機械的な動力を出力することを特
    徴とする請求項34〜39のいずれか1項記載の動力伝
    達装置。
  49. 【請求項49】 前記入力手段が、導電線であって、前
    記第1電磁要素に連接されて、前記外部動力源から電気
    的な動力の入力を受け入れるとともに、前記出力手段
    が、回転軸であって、前記第2電磁要素に連接されて、
    前記外部負荷に対して機械的な動力を出力することを特
    徴とする請求項34または35記載の動力伝達装置。
  50. 【請求項50】 前記入力手段が、回転軸であって、前
    記第1電磁要素に連接されて、前記外部動力源から機械
    的な動力の入力を受け入れるとともに、前記出力手段
    が、導電線であって、前記第2電磁要素に連接されて、
    前記外部負荷に対して電気的な動力を出力することを特
    徴とする請求項34〜39のいずれか1項記載の動力伝
    達装置。
  51. 【請求項51】 前記入力手段が、導電線であって、前
    記第1電磁要素に連接されて、前記外部動力源から電気
    的な動力の入力を受け入れるとともに、前記出力手段
    が、導電線であって、前記第2電磁要素に連接されて、
    前記外部負荷に対して電気的な動力を出力することを特
    徴とする請求項34または35記載の動力伝達装置。
  52. 【請求項52】 外部動力源からの機械的な動力を受け
    入れる入力手段と、外部負荷に対して機械的な動力を伝
    達する出力手段とを有し、 直流電動機の電機子および永久磁石磁場ケース体を備
    え、前記電機子が複数個のコイルと整流子ターリングと
    を有し、前記永久磁石磁場ケース体がケース体内部表面
    に固定された複数個の永久磁石により磁場を形成すると
    ともに、所定の入力角速度で外部からの動力を受け入
    れ、かつ前記電機子ならびに前記永久磁石磁場ケース体
    がそれぞれ第1角速度および第2角速度で操作されて、
    前記電機子ならびに前記永久磁石磁場ケース体がおのお
    の形成する磁場間の作用を介して動力を伝達する電磁動
    力伝達機構と、 カーボンブラシフレームおよび前記カーボンブラシフレ
    ームに搭載される1組のカーボンブラシを備えて、前記
    電機子を磁化できるとともに、前記カーボンブラシフレ
    ームが前記永久磁石磁場ケース体に連接され、前記1組
    のカーボンブラシが前記回転整流子リングに接触して回
    転駆動され、前記電機子の前記複数個のコイル中に第1
    回転磁場を形成する回転整流子とを備えるとともに、 第1角速度で回転する第1回転磁場が、永久磁石磁場ケ
    ース体により形成される第2回転磁場の角速度に同期
    し、前記1組のカーボンブラシが駆動されて前記第2回
    転磁場に同期して回転し、前記電磁動力伝達機構が同期
    する角速度で操作される前記第1回転磁場ならびに第2
    回転磁場間に発生する動力伝達電磁作用を前記回転整流
    子を介して前記出力手段に再分配し、前記出力手段が動
    力を前記電磁動力伝達手段により所定の出力角速度で前
    記外部負荷に伝達することを特徴とする機械動力伝達装
    置。
  53. 【請求項53】 外部動力源からの機械的な動力を受け
    入れる入力手段と、外部負荷に対して機械的な動力を伝
    達する出力手段とを有し、 磁化可能回転子および永久磁石磁場ケース体を備え、前
    記磁化可能回転子が直流電動機の複数個のコイルを有
    し、前記永久磁石磁場ケース体がケース体の内部表面に
    固定された複数個の永久磁石を有して磁場を形成し、所
    定の入力角速度で外部からの動力を受け入れ、前記磁化
    可能回転子ならびに永久磁石磁場ケース体がそれぞれ第
    1角速度および第2角速度で操作され、前記磁化可能回
    転子および永久磁石磁場ケース体がおのおの形成する磁
    場間の作用により動力を伝達する電磁動力伝達機構と、 磁場角度位置センサーおよび複数個の半導体スイッチを
    有するパワー電子スイッチ回路とを備え、前記磁化可能
    回転子を磁化するとともに、前記永久磁石磁場ケース体
    と結合されて形成された第2回転磁場の角度位置を検出
    し、前記パワー電子スイッチ回路中の各半導体スイッチ
    が前記磁化可能回転子中の対応するコイルと結合され
    て、磁場の検出された角度位置を代表する検出信号が前
    記パワー電子スイッチ回路中の半導体スイッチのオン・
    オフ状態の切り換えをトリガーする半導体パワー電子式
    回転整流子とを具備するとともに、 形成された第1回転磁場が前記永久磁石磁場ケース体が
    形成する第2回転磁場に同期して回転し、前記電磁動力
    伝達機構が同期する角速度で操作される前記第1回転磁
    場および第2回転磁場間に発生する動力伝達電磁作用が
    前記半導体パワー電子式回転整流子により前記出力手段
    に再分配され、前記出力手段が動力を前記電磁動力伝達
    機構を介して所定の出力角速度で前記外部負荷に伝達す
    ることを特徴とする機械動力伝達装置。
  54. 【請求項54】 外部動力源からの機械的な動力を受け
    入れる入力手段と、外部負荷に対して機械的な動力を伝
    達する出力手段とを有し、 直流電動機の電機子および電磁場ケース体を備え、前記
    電機子が複数個のコイルおよび整流子リングを有し、前
    記電磁場ケース体が多相交流コイルならびに回転子と磁
    場コイルとを有する交流電動機を有し、連接された磁場
    コイルのコイルならびに多相コイル中に多相交流電流に
    より磁場を形成するとともに、所定の入力角速度で外部
    からの動力を受け入れ、前記電機子ならびに前記電磁場
    ケース体がそれぞれ第1角速度および第2角速度で操作
    されて、前記電機子ならびに前記電磁場ケース体がおの
    おの形成する磁場間の作用を介して動力を伝達する電磁
    動力伝達機構と、 カーボンブラシフレームおよび前記整カーボンブラシフ
    レームに搭載される1組のカーボンブラシを備え、前記
    電機子を磁化できるとともに、前記カーボンブラシフレ
    ームが前記電磁場ケース体に連接され、前記1組のカー
    ボンブラシが前記整流子リングに接触して回転駆動さ
    れ、前記電機子の前記複数個のコイル中に第1回転磁場
    を形成する回転整流子とを備え、第1角速度で回転する
    第1回転磁場が電磁場ケース体により形成される第2回
    転磁場の角速度に同期される回転整流子とを設け、 前記1組のカーボンブラシが駆動されて前記第2回転磁
    場に同期して回転し、前記電磁動力伝達機構が同期する
    角速度で操作される前記第1回転磁場ならびに第2回転
    磁場間に発生する動力伝達電磁作用を前記回転整流子介
    して出力手段に再分配し、前記出力手段が動力を前記電
    磁動力伝達手段により所定の出力角速度で前記外部負荷
    に伝達することを特徴とする機械動力伝達装置。
  55. 【請求項55】 外部動力源からの機械的な動力を受け
    入れる入力手段と、外部負荷に対して機械的な動力を伝
    達する出力手段とを有し、 磁化可能回転子および電磁場ケース体を備え、前記磁化
    可能回転子が直流電動機の複数個のコイルを有し、前記
    電磁場ケース体が多相交流コイルならびに回転子と磁場
    コイルとを有する交流電動機を有し、連接された磁場コ
    イルのコイルならびに多相コイル中に多相交流電流によ
    り磁場を形成し、所定の入力角速度で外部からの動力を
    受け入れ、かつ前記電機子ならびに前記電磁場ケース体
    がそれぞれ第1角速度および第2角速度で操作され、前
    記磁化可能回転子ならびに前記電磁場ケース体がおのお
    の形成する磁場間の作用を介して動力を伝達する電磁動
    力伝達機構と、 磁場角度位置センサーおよび複数個の半導体スイッチを
    有するパワー電子スイッチ回路とを備え、前記磁化可能
    回転子を磁化するとともに、前記電磁場ケース体と結合
    されて形成された第2回転磁場の角度位置を検出し、前
    記パワー電子スイッチ回路中の各半導体スイッチが前記
    磁化可能回転子中の対応するコイルと結合されて、磁場
    の検出された角度位置を代表する検出信号が前記パワー
    電子スイッチ回路中の半導体スイッチのオン・オフ状態
    の切り換えをトリガーする半導体パワー電子式回転整流
    子とを具備し、 形成された第1回転磁場が前記電磁場ケース体が形成す
    る第2回転磁場に同期して回転し、前記電磁動力伝達機
    構が同期する角速度で操作される前記第1回転磁場およ
    び第2回転磁場間に発生する動力伝達電磁作用を前記半
    導体パワー電子式回転整流子を介して前記出力手段に再
    分配し、前記出力手段が動力を前記電磁動力伝達機構を
    介して所定の出力角速度で前記外部負荷に伝達すること
    を特徴とする機械動力伝達装置。
JP29592798A 1998-04-16 1998-10-16 動力伝達装置 Pending JPH11303968A (ja)

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TW87105821A TW432174B (en) 1998-04-16 1998-04-16 Power transmission device
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DE19843480A1 (de) 1999-10-28
TW432174B (en) 2001-05-01

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