JPH11302713A - 竪型溶融還元炉およびその修理方法 - Google Patents

竪型溶融還元炉およびその修理方法

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JPH11302713A
JPH11302713A JP10812998A JP10812998A JPH11302713A JP H11302713 A JPH11302713 A JP H11302713A JP 10812998 A JP10812998 A JP 10812998A JP 10812998 A JP10812998 A JP 10812998A JP H11302713 A JPH11302713 A JP H11302713A
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JP
Japan
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furnace
furnace body
tuyere
refractory
smelting reduction
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JP10812998A
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Nobumoto Takashiba
信元 高柴
Yoshichika Sato
良親 佐藤
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Kawatetsu Machinery Co Ltd
Original Assignee
Kawatetsu Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 竪型溶融還元炉の炉下部における耐火物の補
修を容易に行うことができるできる竪型溶融還元炉とそ
の補修方法を提供する。 【解決手段】 炉上部27と炉下部32とに分割できる構造
として、炉上部27を独立して支持フレーム33に支持させ
る一方、炉下部32をさらに羽口部炉体26とその下の炉底
部炉体25とに分割できる構造とすると共に、炉下部32の
耐火物損傷に応じて炉底部炉体25を単体、または炉底部
炉体25と羽口部炉体26とをまとめ、羽口部炉体26または
炉上部27から下方に分離可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉上部と炉下部と
に分割できる構造とし、該炉下部を分離移動して補修す
るようにした竪型溶融還元炉およびその修理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、資源リサイクル、エネルギー節減
等の観点から鉄スクラップのリサイクルが望まれてい
る。しかし、鉄スクラップは発生源によってその品質が
大きく異なる。例えば、自家発生スクラップ(鉄鋼製造
過程で発生するスクラップ)は、その組成が明確で、か
つ不純物の混入が少ないため、そのほとんどが発生工場
内で消費される。これに対し、二次加工スクラップや老
廃スクラップは、鉄鋼製品の二次加工や最終製品まで組
み込まれた後に分別回収されたものであるため、表面処
理鋼板や特殊鋼のスクラップを多く含む不純物が多いも
のであり、これらは電気炉メーカにおいて精錬され、再
利用される。
【0003】電気炉精錬の際に発生する電炉ダストに
は、原料スクラップの不純物に対応してZn分が20〜40
%、Fe分が25〜50%以上含まれている他、Cr、Sn、Cd、
Pb等の埋め立て廃棄した場合に溶出して環境汚染を引き
起こす元素が数%含まれている。これらの処理・再資源
化、すなわちZn、Fe等の有価金属の回収・再資源化とC
r、Sn、Cd、Pb等の有害金属の安価な固定化とが強く望
まれている。
【0004】この点に関する従来技術として竪型炉を用
いて粉状鉱石を溶融還元する技術があり、例えば、特開
平7-173543号公報には、炭素系固体還元剤の充填層を有
する竪型溶融還元炉内に羽口を通して電炉ダスト(製鋼
飛灰ともいう)等を吹き込み、溶融還元して電炉ダスト
等に含まれる揮発性の有害金属をダストの形で回収する
と共に、Fe等の有価金属を溶銑の形で回収する技術が開
示されている。
【0005】この竪型溶融還元炉(以下、溶融還元炉と
いう)1は、図12に示すように炉頂に均排圧ホッパ2を
設置してあり、装入コンベヤ3により輸送される炭素系
固体還元剤、例えば塊コークスが上部シュート4を介し
て下部シール弁7を閉じた均排圧ホッパ2に装入され
る。装入コンベヤ3より1チャージ分の塊コークスを均
排圧ホッパ2に装入した後、上部シール弁8を閉じて均
排圧ホッパ2内を炉頂圧力、例えば 0.4kg/cm2と均圧し
て下部シール弁7を開き、均排圧ホッパ2から塊コーク
スを装入管ホッパ5を経て炉内に装入し、コークス充填
層6を形成する。
【0006】溶融還元炉1は、熱風発生装置から送られ
た800 〜1000℃の高温空気9(または酸素富化空気)を
熱風管10、11を通して上段羽口12および下段羽口13から
炉内に吹き込み、炉内にコークス燃焼によるレースウエ
イ14を形成している。上段羽口12に配置した2本の原料
供給用ランス22から窒素ガスをキャリアガスとして吹き
込み原料(金属の溶融還元飛灰、電炉ダスト、合金鉄ダ
スト、電気メッキスラッジ、石灰と珪石等の精錬用溶剤
等)が吹き込まれる。炉内に形成されるレースウエイ14
は吹き込み原料を融体化するに十分な高温域であるの
で、粉粒体の吹き込み原料は飛翔中に溶解し、コークス
表面に付着する。レースウエイ14近傍のコークスは融体
を保持しながら旋回し、吹き込み原料を溶融、還元す
る。
【0007】溶融還元により生じた金属は炉内を滴下す
る途中でメタルとスラグに分離され、炉底に溜まって出
銑口15から溶銑とスラグが排出されるが、クロム、カド
ミウム等の金属も溶銑とスラグ中に固定され無害化され
ることとなる。出銑口15から鋳床46に設置されている出
銑樋19に排出された溶銑とスラグは、出銑樋19のスキン
マ28により分離され溶銑は溶銑鍋21、スラグはスラグ鍋
20にそれぞれ受け入れる。なお、出銑口15の開閉は、炉
内圧が低い場合は、耐火物製のシール板のスライドまた
は圧着により出銑、閉塞を行う。炉内圧が高い場合、開
口は金棒式開口機で行い、また出銑が終了したら出銑口
15内にマッドガンを用いてマッドを充填して閉塞を行
う。
【0008】一方、コークス燃焼熱と還元ガスにより還
元された亜鉛等は蒸気となりコークス充填層6を通って
炉頂ダクト16より排ガスとして排出される。炉頂に設け
た二次燃焼用ランス17から別途に二次燃焼用空気18を吹
き込んで排ガス中のCOガスを燃焼させ、炉頂温度を800
℃以上に維持して炉頂ガスのZnの存在形態をZn蒸気とし
て、通気阻害や棚吊り等の操業トラブルを防止する。溶
融還元炉1から排出される排ガスを冷却装置(図示せ
ず)に導いて冷却し、排ガス中に含まれるZn蒸気または
Zn酸化物を疑似粒子化してバグフィルタ等の微粉回収集
塵機により回収する。
【0009】ところで前記溶融還元炉1は、小型高炉の
イメージで炉頂から炭素系固体還元剤を装入し、粉粒状
の鉄原料等の吹き込み原料は上段羽口12からキャリアガ
スと共に吹き込む技術であり、炉体は鉄皮23の内側に耐
火物24を構築した一体構造となっている。溶融還元炉1
への吹き込み鉄原料は、電炉ダストを包含する製鋼飛灰
とも称する製鋼ダストであり、これらダスト発生量に見
合うように溶融還元炉1の処理能力は200t/day程度で十
分であり、最大でも300t/day程度である。したがって溶
融還元炉1の炉床内径は、3.5mφ以下で足り、余裕を持
たせても4.0mφが上限で高炉に比較して極めて小型とな
る。
【0010】ちなみに、図12に示す溶融還元炉1の上段
羽口12および下段羽口13から吹き込まれた高温空気9が
形成するレースウエイ14の水平方向距離は炉内の中心部
近傍まで到達するため、上段羽口12および下段羽口13は
炉体円周上の対向位置に一対づつ配置するだけで十分で
あり、また炉底には出銑口15が1個配置される。溶融還
元炉1は、鉄皮23の内側に耐火物24を構築した一体構造
であるが、炉体の上部を構築する耐火物24に比較して上
段羽口12、下段羽口13並びに溶銑とスラグが溜まる炉体
の下部を構築する耐火物24は高温に曝されるためその損
傷が著しい。このため、溶融還元炉1は、高炉のように
鉄皮内面にステーブ等を設置する積極的な炉体水冷は実
施しないが、従来、操業初期には炉底部を空冷し、耐火
物が浸食される末期時には鉄皮散水による冷却を行って
炉体の寿命延長を図る場合もあった。
【0011】前記のようにして上段羽口12から吹き込ま
れた吹き込み原料は、ほとんどが高温となり、下段羽口
13の位置まで下降する間に溶融、還元され、炉底に溶銑
およびスラグが溜まってくる。炉下部への入熱は、上段
羽口12、下段羽口13から供給した熱が炉内を滴下する溶
銑、スラグによる熱移動により行われるので、炉の断面
積に比例するが、炉下部の抜熱は鉄皮外表面積に比例す
る。したがって、炉内径の大きさにかかわらず耐火物24
の厚さを一定または同等とした場合、溶融還元炉1では
大型の高炉に比べて格段に内径が小さいので、鉄皮外表
面の比率が大で、抜熱量が入熱量に対して大きくなり、
炉下部における入出熱のアンバランスにより炉下部の冷
え込みが生じ易い。特に、炉容量が最大300tで小さく、
炉底に溜まる溶銑、溶融スラグが少なくその保有熱量が
小さいので、ダスト吹き込み装置の故障等により突発的
に休風状態になると炉の冷え込みが著しく大トラブルに
発展するという問題点があった。
【0012】また、炉底部炉体内に滴下して溜まる溶銑
量およびスラグ量に比較して炉下部を構築する耐火物24
の厚みが余りにも大きいと、炉上部からの入熱による炉
下部の温度変化が小さくなる。したがって、炉下部の温
度制御性が極めて鈍く、安定操業の妨げとなると共に、
高炉のような炉頂からの原料装入と比べて「原料処理量
の調整など操業アクションに対する反応が早い」とい
う、原料の羽口吹き込みの利便性を阻害する原因となる
問題点があった。
【0013】溶融還元炉1では、上部にCOガスの燃焼に
よる弱酸化性雰囲気ガスが充満し、下部に溶銑とFeO を
多く含むスラグとを貯留している。したがって、溶融還
元炉1の上部と下部では耐火物24の使用条件が全く異な
り、下部の耐火物24は損傷の大きい厳しい条件下にあ
り、炉体の上部と下部では耐火物24の損傷速度が大幅に
異なる。そこで、溶融還元炉の冷え込みを防止でき、か
つ耐火物損傷部の部分的な修理を容易に行うことが可能
な合理的な炉体構造にすることが重要となる。
【0014】すなわち、溶融還元炉1の炉体下部を形成
する耐火物厚みによる寿命延長を図るという従来の考え
方を改め、耐火物損傷の激しい部分のみを早めに交換す
ることを可能にして、炉下部の耐火物薄肉化を達成し、
これによって操業中における炉下部の冷え込みを軽減
し、安定した炉操業を維持するのが有効である。炉体の
損傷の軽微な部分と著しい部分とを区分して修理する考
え方はすでにあり、例えば、特開昭62-227012 号公報に
は、溶融還元炉において溶融物を貯留、還元する炉下部
とガスを貯留する炉の上部とを、容易に分割できる構造
とし、炉下部をだけを分離移動して修理するものが開示
されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭62-227012
号公報に開示された溶融還元炉は、炉下部と炉上部とを
容易に分割できる構造として、炉下部を分離移動して下
部だけを補修する構造とした点で合理的な技術である。
しかしながら、具体的には炉体を上下に2分割し、炉上
部を炉上部支持装置で炉下部に対してやや上昇させ、炉
下部を移動装置で水平に取り外し可能とする2分割方式
である。補修に際しては、炉上部を炉上部支持装置を用
いて上方に移動させる必要があるが、溶融還元炉には、
炉頂に固定配置された均排圧ホッパ、装入コンベヤ等の
炭素系固体還元剤装入装置や炉頂ダクトを備えているた
め、炉体を水平分割して上部炉体を上方に移動させるの
には不適当である。
【0016】本発明は、前記従来技術の溶融還元炉の炉
体を分割可能にして、損傷の著しい耐火物部分を交換修
理するという従来技術をさらに改良し、溶融還元炉の操
業中や休風時における炉下部の冷え込みを防止し、安定
した操業を維持すると共に、容易に炉体の耐火物損傷部
を修理することが可能な作業性のよい竪型溶融還元炉お
よびその修理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
炉上部と炉下部とからなる竪型溶融還元炉であって、前
記炉上部は、支持ブラケットを介して支柱に支持される
一方、前記炉下部は、羽口部炉体と炉底部炉体とからな
り、前記炉下部の耐火物損傷程度に応じて前記炉底部炉
体を単独に、または前記炉底部炉体と羽口部炉体とをま
とめ、前記羽口部炉体または前記炉上部から下方に分離
可能としたことを特徴とする竪型溶融還元炉であり、前
記炉下部側壁の耐火物の厚みを炉上部側壁の厚みに対し
て 1.0〜2.5倍にするのが好ましく、さらに、前記炉下
部の外側面を、少なくとも3点において水平力支持材に
支持させるのが好ましい。
【0018】本発明の第2の発明は、炉上部と炉下部と
からなる竪型溶融還元炉の補修方法において、前記炉下
部側壁の耐火物の厚みを炉上部側壁の耐火物の厚みに対
して1.0〜 2.5倍にすると共に、前記炉下部をさらに羽
口部炉体とその下の炉底部炉体とに分割できる構造と
し、前記羽口部炉体の耐火物損傷程度に応じて前記炉底
部炉体の耐火物補修の複数サイクル毎に、前記羽口部炉
体を前記炉底部炉体と一体に前記炉上部から分離して補
修することを特徴とする竪型溶融還元炉の修理方法であ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明では、図1に示すように溶
融還元炉1(炉内径3000mmφ、炉底〜炉口までの高さ85
00mm)を、炉上部27と炉下部32とに上部フランジ30の箇
所で分割し、また、炉下部32を上段羽口12および下段羽
口13を備えた羽口部炉体26と、出銑口15を備えた炉底部
炉体25とにフランジ29の箇所で分割できる構造とする。
そして炉上部27に設けた支持ブラケット34を介して架構
を形成する4本の支柱36あるいはこれに設けた支持梁33
に独立して支持させる。
【0020】これにより、炉底部炉体25を単独に、また
は炉底部炉体25と羽口部炉体26とを一体的に、羽口部炉
体26または炉上部27から下方に分離可能としている。分
離または修理後の取り付け作業を効率的に行うために、
炉底部炉体25の下方位置に昇降かつ移動可能な炉体移動
手段を配置しておくのが望ましい。また、炉下部32の側
壁を形成する耐火物24の厚みを1000mm以下に、炉底耐火
物31の厚みを2000mm以下にするのが望ましい。前記厚み
を超える厚みになると耐火物の熱容量並びに熱放散が大
きくなり過ぎて炉の冷え込みが生じ易く、安定した操業
ができなくなる。
【0021】図2に示すように、羽口部炉体26とその下
の炉底部炉体25とにフランジ29の円周上に配設した複数
のボルト・ナット47を用いて着脱できるようにするの
は、通常、羽口部炉体26と炉底部炉体25の炉体損傷の進
行速度が大幅に異なるからである。例えば、従来の溶融
還元炉1では、炉下部32の耐火物内径2800mmにおいて耐
火物24の厚みが1500mm、炉底耐火物31の高さ方向厚みが
2000mmであったのを、本発明では炉下部32の耐火物内径
3000mmにおいて耐火物24の厚みを従来より900mm薄い600
mm とし、また炉底耐火物31の高さ方向厚みを1100mm薄
い900mm として炉底耐火物の容量を大幅に減少させる。
【0022】ここで、炉下部側壁の耐火物厚みを炉上部
側壁の耐火物厚みに対して 1.0〜 2.5倍、より好ましく
は 1.2〜 2.0倍の範囲である。その理由は、炉下部側壁
の耐火物厚みが炉上部側壁の耐火物厚みに対して 1.0倍
未満であると、炉下部32の取り替え頻度が多くなり、ま
た 2.5倍を超えると炉底部の冷え込みが著しくなった問
題点の解決とならないからである。なお、炉下部側壁の
耐火物施工を、耐火物厚みを下方に向かって漸次厚くす
る施工形態とすることもできる。この場合の炉上部側壁
の耐火物厚みとの関係は、炉下部側壁高さ方向のいずれ
の個所にあっても前記範囲内にあることが必要である。
【0023】これにより、耐火物の熱容量および放散熱
を共に少なくでき、炉下部32の炉内温度を熱応答性よく
調整可能となり、炉の冷え込みが防止され、炉操業が安
定化する。反面、本発明では、炉下部32の耐火物24、炉
底耐火物31を従来の耐火物より薄肉化し、しかも冷却を
施さないか、緩冷却に止めることを基本にしているた
め、耐火物損傷速度は、従来に比較して早く耐火物寿命
が短くなるが、この場合の炉底部炉体25の損傷速度は、
羽口部炉体26の損傷速度のほぼ2倍の速度周期であっ
た。すなわち、炉底部炉体25の耐火物がまず寿命に達
し、次には、炉底部炉体25と羽口部炉体26とがほぼ同時
に寿命に達する。
【0024】本発明では、炉底部炉体25の損傷速度が羽
口部炉体26ほぼ2倍の損傷速度周期で損耗するので、そ
の損耗速度周期に基づき、炉下部32のうち最初に寿命に
達する炉底部炉体25を単独で早めに分離移動して修理す
る。次回には、炉底部炉体25と羽口部炉体26とがほぼ同
時期に寿命に達するので、その損傷速度周期で炉底部炉
体26と羽口部炉体25とを一緒に分離移動して修理するこ
とになる。このように、本発明では羽口部炉体26の耐火
物損傷に応じ、炉底部炉体25の耐火物補修の複数サイク
ル毎に羽口部炉体26の耐火物補修も同時に行うことがで
きるのである。
【0025】炉体移動のため、例えば図2に示すような
炉体移動手段を配置するのが好ましい。すなわち、炉底
部炉体25の下部に溶接等により一体に炉体移動台37が設
けてあり、炉体移動台37の下端部に軌道40上を移動する
複数の車輪38が配設されている。また、炉体移動台37を
下方から昇降自在に支持する炉体昇降装置として例え
ば、複数(3個以上)の昇降ジャッキ39を配設してあ
る。炉体昇降装置は、油圧式、ネジ式の昇降ジャッキ
等、重量の大きい炉体を昇降可能な周知の装置を適宜に
使用できる。また、炉体移動台37の下端部に配設された
下面が傾斜面となった複数の受けブロック41と、各受け
ブロック41と床42との間に介在させたコッタ部材43とに
より炉体水平度調節支持具を構成すればさらに望まし
い。
【0026】なお、炉体水平度調節支持具としては、受
けブロック41とコッタ部材43を組み合わせるコッタ方式
の代わりに、複数の板状ライナを重ねるライナ方式、ネ
ジ機構を用いたネジ方式等の周知の水平度調節手段を使
用できる。また、移動装置として炉体移動台37の側部に
連結されたワイヤ44を巻きつけたウィンチ45が配置され
ており、ウィンチ45の作動により炉体移動台37が車輪38
を介して軌道40上を移動される。
【0027】次に本発明の竪型溶融還元炉1の修理方法
について説明する。例えば、本発明の溶融還元炉1の耐
火物を新設して操業を開始した場合、最初に炉底部炉体
25の耐火物がスラグライン部の浸食等により損傷するの
で、安全をみて早めに炉内の塊コークス等を減尺して操
業を停止し、炉内をある程度冷却して炉底部炉体25の取
り替えによる修理に備える。この時点では、羽口部炉体
26の耐火物は寿命の半分程度の損傷に止まっているので
再使用することができる。
【0028】炉底部炉体25を単体で取り替える場合に
は、まず羽口部炉体26と炉底部炉体25とを接続するフラ
ンジ29のボルト・ナット47を外した後、昇降ジャッキ39
を伸長作動して上昇させ、炉体移動台37を僅かな持ち上
げ状態としてコッタ部材43を取り外す。引き続き昇降ジ
ャッキ39を収縮作動して下降させ、羽口部炉体26から炉
底部炉体25をフランジ29の箇所で切り離し、炉底部炉体
25と一体の炉体移動台37をその下端部に配設した車輪38
を介して軌道40上に載せる。
【0029】図3に示すように、溶融還元炉1を取り囲
むように鋳床46が設けてあるが、鋳床46の一方側が切り
欠いてあり、その切り欠き開口部に取り外し可能な簡易
デッキ49が配置してある。簡易デッキ49の下方には、溶
融還元炉1の設置位置から軌道切替え用ターンテーブル
48に至る軌道40が敷設してあり、さらに軌道切替え用タ
ーンテーブル48の両側に軌道40と直交するようにそれぞ
れ軌道51が敷設してある。簡易デッキ49を撤去した後、
炉底部炉体25の下部に一体に設けた炉体移動台37の側面
に取り付けた金具52にワイヤ44を接続する。ウィンチ45
を駆動してワイヤ44を巻き取ることにより炉体移動台37
と共に炉底部炉体25を、軌道切替え用ターンテーブル48
上まで引き込み、金具52からワイヤ44を外す。
【0030】軌道切替え用ターンテーブル48を90度ター
ンしてその軌道40を両側の軌道51に合わせた後、炉体移
動台37の金具52に一方側の軌道51の延長線上に配置した
ウィンチ53から引き出したワイヤ44を接続する。ウィン
チ53を駆動してワイヤ44を巻き取ることによって炉体移
動台37と共に炉底部炉体25を炉体補修位置まで移動し、
ここで炉底部炉体25の耐火物の修理に備える。
【0031】一方、軌道切替え用ターンテーブル48の他
方側に配置された軌道51上には予備の炉底部炉体25がそ
の炉体移動台37上に一体に設置した状態でウインチ54に
よる移動により待機させてある。ウインチ54側の金具52
からワイヤ44を外した後、待機させた炉体移動台37の反
対側側面に取り付けた金具52にウィンチ53から引き出し
たワイヤ44を接続し、ウィンチ53を駆動して炉体移動台
37と共に炉底部炉体25を軌道切替え用ターンテーブル48
上まで引き込み、金具52からワイヤ44を外す。軌道切替
え用ターンテーブル48を90度ターンした後、別のウィン
チ55を用いて予備の炉底部炉体25を炉体設置位置に移動
し、金具52からワイヤ44を外す。
【0032】次に、図2に示す昇降ジャッキ39を伸長作
動して炉底部炉体25と一体化している炉体移動台37を上
昇させ、軌道40から車輪38を離間させた状態とし、炉底
部炉体25の上面を羽口部炉体26の下面に突き合わせる。
炉底部炉体25と羽口部炉体26とをフランジ29の箇所で複
数のボルト・ナット47を用いて接続する。炉体移動台37
の下端面に配設された受けブロック41と床42との間にコ
ッタ部材43を打ち込むことにより炉底部炉体25を介して
溶融還元炉1の水平度を調節すると共に下方から支持す
る。この状態で昇降ジャッキ39を収縮作動して解除して
予備の炉底部炉体25の取り付け作業を終了し、溶融還元
炉1の操業が開始される。
【0033】溶融還元炉1の操業を再開することによ
り、炉底部炉体25の耐火物24がスラグライン部の浸食等
により損傷すると共に、羽口部炉体26の耐火物24が高温
のレースウェイにより損傷が進行し、やがてほぼ同時期
に使用限界に近づく。炉底部炉体25および羽口部炉体26
のいずれかの耐火物24が使用限界に達するまでに、安全
をみて早めに炉内の塊コークス等を減尺して操業を停止
し、炉内をある程度冷却して炉底部炉体25と羽口部炉体
26との同時取り替えを行う。
【0034】取り替えに際しては、まず炉上部27と炉下
部32とを接続するフランジ30のボルト・ナット47を外し
た後、昇降ジャッキ39を上昇させ炉体移動台37を僅かな
持ち上げた状態としてコッタ部材43を取り外す。次に、
昇降ジャッキ39を下降してフランジ30の箇所で炉上部27
から切り離し、羽口部炉体26と炉底部炉体25とを炉体移
動台37に設けた車輪38を介して軌道40上に載せる。
【0035】続いて、図3に基づいて前記炉底部炉体25
を予備の炉底部炉体25に取り替えたのと同様な手順によ
り、羽口部炉体26と炉底部炉体25とからなる炉下部32を
炉体移動台37と共に移動させて耐火物24の修理を行う。
この場合、羽口部炉体26と炉底部炉体25とからなる炉下
部32を炉体移動台37と共に炉体修理位置まで移動した
後、炉底部炉体25から羽口部炉体26を切り離して、別々
にそれぞれの耐火物24を修理する。
【0036】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。本発明では、図4に示すように炉底部炉体25と
炉体移動台37とを切り離した構造にすることもできる。
この場合、溶融還元炉1を、炉上部27と炉下部32とに上
部フランジ30の箇所で分割し、炉下部32を上段羽口12、
下段羽口13を備えた羽口部炉体26と出銑口15を備えた炉
底部炉体25とに下部フランジ29の箇所で分割できる構造
とする。また、炉上部27に設けた支持ブラケット34を介
して4本の支柱36あるいはこれに設けた支持梁33に独立
して支持させるのは、前記図1に示す実施の態様と同様
であるが、羽口部炉体26と炉底部炉体25とからなる炉下
部32をその下方に配置した炉体支持フレーム50により昇
降可能に支持させる。
【0037】すなわち、炉底部炉体25の下部に溶接等に
より一体に炉体支持フレーム50を設け、炉体支持フレー
ム50の炉体昇降装置として例えば、複数(3個以上)の
昇降ジャッキ39を配設する。また、炉体支持フレーム50
の下端部に下面が傾斜面となった複数の受けブロック41
が配設されており、各受けブロック41と床42との間に介
在させたコッタ部材43によって炉体水平度調節支持具を
形成している。一方、炉体支持フレーム50の下方には、
炉体移動台37が複数の車輪38を介して軌道40上を移動自
在に配置されている。炉体移動台37は、その側部に取り
付けた金具52に連結したワイヤ44を巻き付けたウインチ
45により移動可能になっている。
【0038】炉底部炉体25を単体、または炉底部炉体25
と羽口部炉体26との同時取り替えを行う場合には、下部
フランジ29または上部フランジ30に取り付けたボルト・
ナット47を外した後、昇降ジャッキ39を伸長方向に作動
させ炉体支持フレーム50を僅かな持ち上げた状態として
コッタ部材43を取り外す。続いて、昇降ジャッキ39を収
縮方向に作動し炉体支持フレーム50を介して炉底部炉体
25を単体、または炉底部炉体25と羽口部炉体26とをまと
めて炉体移動台37上に載置する。ウインチ45を駆動して
ワイヤ44を巻き取り、炉体移動台37を車輪38を介して軌
道40上を走行させ、炉前に引き出し、前記実施の態様と
同様にして移動し、修理に備える。次に行われる予備の
炉底部炉体25、または炉底部炉体25と羽口部炉体26との
取り付け作業は、前記の取り外し作業と逆の手順で行わ
れる。
【0039】本発明のさらに他の実施の形態について説
明すると、図5に示すように溶融還元炉1を、炉上部27
に設けた支持ブラケット34を介して架構を形成する支柱
36に支持させ、炉底部炉体25の下方を自由状態にするこ
ともできる。この場合、溶融還元炉1を、炉上部27と炉
下部32とに上部フランジ30の箇所で分割し、さらに炉下
部32を上段羽口12、下段羽口13を備えた羽口部炉体26と
出銑口15を備えた炉底部炉体25とに下部フランジ29の箇
所で分割できる構造とするのは、前記図1に示す実施の
態様と同様である。溶融還元炉1の重力は、炉上部27に
設けた支持ブラケット34を介して4本の支柱36あるいは
支柱36に設けた支持梁33にのみ支持させる。なお、前記
支持ブラケット34には、高炉を支持するシャフトコラム
等と均等な作用効果を有する炉体支持構造を包含するも
のとする。この実施形態では、溶融還元炉1を炉底部炉
体25の下方に受けブロックおよびコッタ部材などの支持
手段を設置しない構造とする代わりに、炉下部32外周面
の少なくとも3点、より好ましくは外周面の同一水平面
あるいはほぼ同一水平面の少なくとも3点で、支柱36等
に設けた水平力支持材68で溶融還元炉1に作用する水平
力を支持する構造にする。
【0040】すなわち、水平力支持材68は、溶融還元炉
1の上下方向に滑り機能を有し、半径方向にはこれに組
み込んだ皿バネ69等の弾性力により、例えば、炉体に作
用する水平力Hに対して最大1.1 Hまでの水平力に対応
できるようにしてある。一方、炉底部炉体25の下方に離
間する炉体移動台37は、複数の車輪38を介して軌道40上
に移動自在に配置されている。炉体移動台37は、下部に
昇降ジャッキ39を備えていると共に、その側部に取り付
けた金具52に連結したワイヤ44を巻き付けたウインチ45
により移動可能になっている。
【0041】炉底部炉体25を単体、または炉底部炉体25
と羽口部炉体26との同時取り替えによる修理に際して
は、炉底部炉体25の直下に炉体移動台37を移動させる。
次に、炉体移動台37の下方に配置した昇降ジャッキ39を
伸長方向に作動させ炉体移動台37を支持した状態とす
る。そして、下部フランジ29または上部フランジ30のボ
ルト・ナット47を外した後、昇降ジャッキ39を収縮方向
に作動して炉底部炉体25を単体、または炉底部炉体25と
羽口部炉体26と共に炉底移動台37に支持させ、車輪38を
介して軌道40上に載せる。ウインチ45を駆動してワイヤ
44を巻き取り、軌道40に沿って炉体移動台37を車輪38を
介して走行させ、炉前に引き出し、前記実施の態様と同
様にして修理に備える一方、予備のものとの取り替えを
行う。
【0042】前記実施の態様では、いずれの場合にも、
上部フランジ30および下部フランジ29は、円周上に配設
するボルト・ナット47を締めつけて固定する場合につい
て説明したが、これに限定するものではなく、締め付け
手段としては円柱状ピンに設けたコッタ穴にコッタを差
し込んで締め付けるコッタ方式も適用可能である。ま
た、図6〜図8に示すフランジ締付け装置57を用いるの
が好適である。この場合、上部フランジ30および下部フ
ランジ29の円周上に側端面が開放する切欠き孔56を必要
個数配設し、各切欠き孔56にフランジ締めつけ装置57を
配置して上部フランジ30、下部フランジ29を締め付け固
定する。
【0043】フランジ締めつけ装置57は、切欠き孔56に
その側端面から嵌め込む円柱状ピン58と、その上部に複
数個重ねてセットした皿バネ59と、皿バネ59の上からネ
ジ部にねじ込んだ2個のナット60と、上側に位置するナ
ット60上面に載った状態で鉄皮23に設けた取付け板61に
ボルト・ナット62を用いて取り付けた支え板35を介して
上下にガイドされるパワージャッキ63と、円柱状ピン58
の下部に設けたコッタ用横穴64を備えている。そしてパ
ワージャッキ63が備えたピストンロッド部65の上方には
鉄皮26に受けフランジ66が設けてある。
【0044】図6はフランジ締めつけ装置57の作動前の
状態を示しており、パワージャッキ63が備えたピストン
ロッド部65は、鉄皮26に設けた受けフランジ66から離れ
ていて、円柱状ピン58の下部に設けたコッタ用横穴64は
半分近くが切欠き孔56の内部に入った状態になってい
る。図7は作動中の状態を示しており、パワージャッキ
63を伸長側に作動し、ピストンロッド部65を受けフラン
ジ66に押し当てることにより、皿バネ59を圧縮して円柱
状ピン58を下方に移動させ、コッタ用横穴64を切欠き孔
56から外に出す。この状態でコッタ用横穴64内にコッタ
67を差し込む。図8は作動後の状態を示しており、パワ
ージャッキ63を収縮側に作動し、ピストンロッド部65を
受けフランジ66から離すことにより、皿バネ59のバネ力
により円柱状ピン58を上方に移動させコッタ67により上
部フランジ30や下部フランジ29を強固に締めつける。
【0045】フランジ締めつけ装置57の締付け解除作用
は前述の逆順であり、油圧ポンプから分配弁を介して複
数のフランジ締めつけ装置57を同時に操作できるので、
上部フランジ30や下部フランジ29の締付けや締付け解除
作業の時間を短縮することが可能となる。本発明では、
溶融還元炉1の操業中における炉下部32の冷え込みを防
止するのが大きな目的であるため、高炉のようにステー
ブ等を用いた炉体強冷は行わないが、必要に応じて炉壁
や炉底を空冷または水蒸気等による緩冷却を行うことが
できる。例えば、図9に示すように、炉底部炉体25にお
ける鉄皮23の側壁外周面に巡らせて半割りパイプ70を配
設して冷却通路を形成する。図では炉底面に半割りパイ
プ70を配設していないが、これは炉底面に炉体移動台37
が当接するためであり、炉底面に支持部材を配設すれば
炉底面にも半割りパイプ70を配設可能である。冷却通路
内に空気、水蒸気あるいは水ミスト(微小水滴を含む空
気)等の気体冷媒を通過させて、炉下部32の冷え込みが
生じない程度に冷却して耐火物24の損耗を軽減する。耐
火物24内に10〜20箇所に熱電対温度計71を埋設し、耐火
物24の損耗状況や炉底部炉体25内に溜まっている溶融金
属の温度、容量等を把握して冷却を調整するのが望まし
い。
【0046】本発明では、溶融還元炉1における炉底部
炉体25の耐火物がスラグライン部の浸食等により損傷し
たら、安全をみて早めに炉内の塊コークス等を減尺して
操業を停止し、炉内をある程度冷却して炉底部炉体25の
取り替えによる修理に備える。この場合、炉底部炉体25
内の損傷した耐火物24を炉外に排出する必要があり、こ
のため、炉底部炉体25の下端部側壁にマンホール72を設
置するのが望ましい。マンホール72は、炉内に小型ブル
ドーザを搬入・搬出ができるように、例えば2m×2mの大
きさで内側には耐火物24がライニングされており、外側
には蓋73を被せている。
【0047】修理を開始する場合には、溶融還元炉1の
設置位置または炉底部炉体25を修理場に移動させた後、
まず蓋73を取り外し、マンホール72付近の耐火物24を取
り除いて開口する。マンホール72から炉内に小型ブルド
ーザを搬入し、小型ブルドーザを操作して炉内の補修す
べき耐火物24を取り壊し、マンホール72から掻き出す。
続いてマンホール72から炉内に新しい耐火物24を取り込
み、これを積み上げて修理する。
【0048】前記本発明の実施の態様では、還元溶融炉
1における炉底部炉体25内に溜まった溶銑74を出銑口15
を開口して排出するものについて説明したが、図11に示
すように、炉底部炉体25の下端部に連通する耐火物24で
ライニングした常時開放したサイホン式出銑口75を設け
て、ここから溶銑74を排出することもできる。この場
合、炉底部炉体25内に溜まった溶銑74は、還元溶融炉1
の炉内圧を調整することによって溶銑74の湯面Hが調整
され、サイホン式出銑口75から溶銑鍋21への出銑が調整
される。
【0049】炉体移動台37を移動する移動装置は、前記
実施態様で説明したウィンチに限定するものではなく、
ウィンチの代わりに炉体移動台37に電気式、ジーゼル式
等の動力駆動車を連結して軌道40上を車輪を介して走行
させるか、あるいは無軌道の通路上を車輪を介して走行
させる牽引式にできる。また、炉体移動台37に走行に必
要な駆動装置を搭載して自走式にすることともできる。
さらには、炉体移動台37は車輪を備えないエアーフロー
ト式やエアースケート式輸送機あるいは重量物の搬送に
適したエンドレスコロ式輸送機等の各種移動装置を適宜
に使用した牽引式あるいは自走式により移動させること
が可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、溶融還元炉の炉上部を
独立して支持フレームに支持させる一方、炉下部を羽口
部炉体とその下の炉底部炉体とに分割できる構造として
あるので、炉体の損傷が著しい部分を容易に分割修理で
きる。さらに、最も損傷の著しい炉底部炉体を単独で、
または次に損傷が著しい部分である羽口部炉体を炉底部
炉体と修理周期を合わせて一緒に修理することが可能に
なる。
【0051】そして、炉下部を形成する耐火物を従来よ
りも薄くして炉断面積と鉄皮外表面積の比率を調整し、
入熱量と抜熱量のバランスをとることが可能となり、同
時に熱容量の低下に伴う炉下部の温度制御性も向上す
る。その結果、溶融還元炉の操業中の冷え込みに起因す
る炉況の不調を解消することができ、炉下部の温度制御
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる炉下部を分離移動可能とする溶
融還元炉の全体を示す断面図である。
【図2】本発明の溶融還元炉における分離移動可能とす
る炉下部を示す断面図である。
【図3】本発明の溶融還元炉炉における炉下部の分離移
動手順を示す平面図である。
【図4】本発明の溶融還元炉における分離移動可能とす
る他の炉下部を示す断面図である。
【図5】本発明に係わる炉下部を分離移動可能とする他
の溶融還元炉の全体を示す断面図である。
【図6】本発明のフランジ締めつけ装置の作動前の状態
を示す正面図である。
【図7】本発明のフランジ締めつけ装置の作動途中の状
態を示す側面図である。
【図8】本発明のフランジ締めつけ装置の作動後の状態
を示す正面図である。
【図9】本発明の半割りパイプからなる冷却通路を設け
た炉下部を示す断面図である。
【図10】本発明のマンホールを設けた炉下部を示す断面
図である。
【図11】本発明の炉下部に設けたサイホン式出銑口を示
す断面図である。
【図12】従来に係わる溶融還元炉の全体を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 溶融還元炉 2 均排圧ホッパ 3 装入コンベヤ 4 上部シュート 5 装入管ホッパ 6 コークス充填層 7 下部シール弁 8 上部シール弁 9 高温空気 10、11 熱風管 12 上段羽口 13 下段羽口 14 レースウェイ 15 出銑口 16 炉頂ダクト 17 二次燃焼用ランス 18 二次燃焼用空気 19 出銑樋 20 スラグ鍋 21 溶銑鍋 22 原料供給用ランス 23 鉄皮 24 耐火物 25 炉底部炉体 26 羽口部炉体 27 炉上部 28 スキンマ 29 下部フランジ 30 上部フランジ 31 炉底耐火物 32 炉下部 33 支持梁 34 支持ブラケット 35 支え板 36 支柱 37 炉体移動台 38 車輪 39 昇降ジャッキ 40、51 軌道 41 受けブロック 42 床 43 コッタ部材 44 ワイヤ 45、53、54、55 ウィンチ 46 鋳床 47、62 ボルト・ナット 48 軌道切替え用ターンテーブル 49 簡易デッキ 50 炉体支持フレーム 52 金具 56 切欠き孔 57 フランジ締付け装置 58 円柱状ピン 59、69 皿バネ 60 ナット 61 取付け板 63 パワージャッキ 64 コッタ用横穴 65 ピストンロッド部 66 受けフランジ 67 コッタ 68 水平力支持材 70 半割りパイプ 71 熱電対温度計 72 マンホール 73 蓋 74 溶銑 75 サイホン式出銑口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉上部と炉下部とからなる竪型溶融還元
    炉であって、前記炉上部は、支持ブラケットを介して支
    柱に支持される一方、前記炉下部は、羽口部炉体と炉底
    部炉体とからなり、前記羽口部炉体の耐火物損傷程度に
    応じ、前記炉底部炉体を単独に、または前記炉底部炉体
    と羽口部炉体とを一体的に前記羽口部炉体または前記炉
    上部から下方に分離可能としたことを特徴とする竪型溶
    融還元炉。
  2. 【請求項2】 前記炉下部側壁の耐火物の厚みを炉上部
    側壁の厚みに対して1.0〜2.5 倍にすることを特徴とす
    る請求項1記載の竪型溶融還元炉。
  3. 【請求項3】 前記炉下部の外周面が、少なくとも3点
    において水平力支持材に支持されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の竪型溶融還元炉。
  4. 【請求項4】 炉上部と炉下部とからなる竪型溶融還元
    炉の補修方法において、前記炉下部側壁の耐火物の厚み
    を炉上部側壁の耐火物の厚みに対して 1.0〜2.5倍にす
    ると共に、前記炉下部をさらに羽口部炉体とその下の炉
    底部炉体とに分割できる構造とし、前記羽口部炉体の耐
    火物損傷程度に応じ、前記炉底部炉体の耐火物補修の複
    数サイクル毎に前記羽口部炉体を、前記炉底部炉体と一
    体的に前記炉上部から分離して補修することを特徴とす
    る竪型溶融還元炉の修理方法。
JP10812998A 1998-04-17 1998-04-17 竪型溶融還元炉およびその修理方法 Pending JPH11302713A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100497284B1 (ko) * 2002-11-01 2005-06-28 주식회사 한국하이시스 고순도 방청제의 제조장치
CN107576196A (zh) * 2017-09-06 2018-01-12 太仓市永安欣化工设备有限公司 一种立式炉

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