JPH11302668A - 軽質燃料の製造方法、エンジンの始動方法又は停止方法 - Google Patents

軽質燃料の製造方法、エンジンの始動方法又は停止方法

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JPH11302668A
JPH11302668A JP11455298A JP11455298A JPH11302668A JP H11302668 A JPH11302668 A JP H11302668A JP 11455298 A JP11455298 A JP 11455298A JP 11455298 A JP11455298 A JP 11455298A JP H11302668 A JPH11302668 A JP H11302668A
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boiling component
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Toshihisa Okawa
壽久 大川
Makoto Yoshino
誠 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】潤滑油の粘度及び耐摩耗性の低下を防止し、エ
ンジンを構成する各部品の摩耗を防止し、エンジンの性
能を長時間維持、発揮させることができる新たな手段を
提供すること。 【解決手段】エンジン始動時期又はエンジン停止時期に
使用する軽質燃料の製造方法であって、原料となる燃料
から低沸点成分をエンジン搭載装置上で分離して軽質燃
料を得る軽質燃料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン始動時期
又はエンジン停止時期に使用する軽質燃料の製造方法、
軽質燃料を使用するエンジンの始動又は停止方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エンジ
ン搭載装置は、人又は事物の輸送、人の交通手段として
広く活用されている。燃料タンクから供給される燃料
は、通常、液体のままの状態でエンジン室に入る。エン
ジンを連続的に駆動している時には、エンジン室は十分
暖機されている。したがって、燃料が、エンジン室内に
未燃焼のままで残ることはない。
【0003】しかし、エンジンが十分暖機されていない
状態、例えば、エンジン始動時又はエンジン低温時に
は、燃料の一部が、燃焼することなくエンジン室に残っ
てしまう。エンジン室に残った未燃焼の燃料は、エンジ
ン部内のピストンリングの隙間を通って潤滑油タンクに
入り、潤滑油に混入するおそれがある。未燃焼の燃料が
潤滑油に混入すると、潤滑油の粘度が低下し、ひいては
潤滑油の耐摩耗性の低下を引き起こす。この潤滑油の粘
度及び耐摩耗性の低下は、エンジンを構成する各部品の
磨耗を促進しエンジン性能を低下させる。
【0004】また、エンジン室内には、エンジン室を構
成する各部品、例えば燃料噴射ノズルが配置されてい
る。エンジン停止時には、エンジン室内に最後に供給さ
れた燃料は点火のタイミングによって燃焼しない場合が
ある。この場合、エンジン室を構成する各部品表面に液
体として大部分の燃料が残ってしまう。例えば、燃料噴
射ノズル周辺に残った燃料は、エンジンの余熱によりエ
ンジン室内で蒸し焼きされる。蒸し焼きされた燃料は、
燃料噴射ノズル等のエンジン室内の各部品にカーボンと
して堆積する。エンジン室内の各部品に堆積したカーボ
ンは、燃料の噴射量や噴射形状に影響を与えエンジン性
能を低下させる原因となる。
【0005】さらに、エンジン低温時には、燃料の一部
が燃焼することなくエンジンピストン上に溜り、この場
合にも未燃焼の燃料は蒸し焼きされる。蒸し焼きされた
燃料は、エンジンピストン上にカーボンとして堆積す
る。エンジンピストン上に堆積したカーボンは、正常な
噴霧形状や燃焼形状を変化させエンジン性能を低下させ
る。
【0006】ところで、エンジン搭載装置として自動車
を例にすると、エンジン室への燃料の供給方式には、気
化式、EFI(エレクトリック フエル インジェクショ
ン)及び燃料直噴式等がある。
【0007】例えば、気化式は、寒冷時の始動、暖機中
及び加速時に要求される燃料と空気の混合比を変化させ
て燃料をエンジン室に供給する方式で、軽自動車の一部
で使われている。気化式は、燃料と空気の混合気を濃く
したり薄くしたりすることにより、エンジンの始動性、
加速性を改善するものである。ところが、気化式は、燃
料と空気の混合気を変化させるだけの方式であり、上述
の未燃焼燃料の潤滑油への混入、及びエンジン停止時等
のカーボンの堆積についての対策はなされていない。
【0008】EFIは、エンジン室入口の吸気バルブの
前に燃料を噴射し、吸気と混合し、エンジン室に燃料と
空気の混合気を供給する方式である。すなわち、EFI
の場合は、寒冷時の始動、暖機及び加速時等のエンジン
の使用状態に応じて、空気及び燃料の量を制御し、エン
ジン室に燃料を供給する方式である。EFIでは、エン
ジン状態を検出するために、水温センサ、吸気温セン
サ、クランク位置センサなどのセンサが用いられてい
る。しかし、これらのセンサは、空気及び燃料の量を制
御することを目的として用いられているだけで、上述の
未燃焼燃料の潤滑油への混入の防止や、カーボンの堆積
の軽減には不十分である。
【0009】直噴式は、近年実用化された方式であり、
インジェクターがエンジン室に直接、燃料を吹く方式で
ある。例えば、自動車では、GDI、D4等が該当す
る。GDIは、低燃料費化及び高出力化に向けられたも
ので、エンジン室内に直接燃料を噴射するため、過度ノ
ックが発生しない。さらに、直噴式は、点火時期を進角
できる特性を生かし、低速域でもトルク及び出力を向上
させることができる。しかし、直噴式でも、上述の未燃
焼燃料の潤滑油への混入及びカーボンの堆積を防止する
ことについて配慮されていない。
【0010】エンジンの各部品の耐熱性、耐摩耗性を改
善すれば、エンジン室内の各部品の寿命を向上させ、当
初のエンジン性能を維持、発揮することができる。しか
し、既存の部品より耐熱性、耐摩耗性の優れた部品を新
たに作ることはコストが高くなるし、設計変更も容易で
はない。エンジン室内を定期的に洗浄するとしても、手
間暇がかかり困難である。したがって、既存のエンジン
搭載装置に大幅な設計変更することなく簡便な手段を施
すことにより、燃料の潤滑油への混入やカーボンの堆積
を防止できることが望まれる。
【0011】そこで、本発明の目的は、潤滑油の粘度及
び耐摩耗性の低下を防止し、エンジンを構成する各部品
の摩耗を防止し、エンジンの性能を長時間維持、発揮さ
せることができる新たな手段を提供することにある。
【0012】また、本発明の目的は、エンジン室内の各
部品にカーボンが堆積するのを防ぎ、エンジンの性能を
長時間維持、発揮させることが出来る新たな手段を提供
することにある。
【0013】さらに、本発明の目的は、エンジンを構成
する各部品の摩耗、カーボンの堆積を防止することによ
り、結果としてエンジンの寿命を向上させることが出来
る新たな手段を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の軽質燃料の製造
方法は、エンジン始動時期又はエンジン停止時期に使用
する軽質燃料の製造方法であって、原料となる燃料から
低沸点成分をエンジン搭載装置上で分離して軽質燃料を
得ることを特徴とする。
【0015】また、本発明のエンジン始動方法は、エン
ジン搭載装置上で原料となる燃料から低沸点成分を分離
して得た軽質燃料を用いることを特徴とする。
【0016】また、本発明のエンジン停止方法は、エン
ジン搭載装置上で原料となる燃料から低沸点成分を分離
して得た軽質燃料を用いることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明でいうエンジン搭載装置
は、自動車、航空機、船舶などがある。
【0018】本発明における「軽質燃料」は、原料とな
る燃料から低沸点成分をエンジン搭載装置上で分離して
得られるものをいう。原料となる燃料は、ガソリン、軽
油などの液化化石燃料であり、特にエンジンを作動させ
るために用いるものをいう。以下、ガソリンや軽油を原
料となる燃料として、自動車上で軽質燃料を分離する場
合を一例として説明するが、本発明は、これらに限定さ
れる意図ではない。
【0019】低沸点成分とは、原料となる燃料に含まれ
る成分のうち比較的低沸点を有する成分を意味する。低
沸点成分の沸点範囲は、エンジンの始動環境、燃料の種
類に応じて適宜決定され、特に限定されることはない。
このような低沸点成分からなる軽質燃料は、所期の目的
を達成するためには、原料燃料中の高沸点成分の含有量
は少ないことが好ましい。より好ましくは、燃料の沸点
範囲が狭く、かつ低沸点側にある成分である。但し、沸
点範囲が狭すぎると得られる軽質燃料の量が少なくなる
場合もあるので、低沸点成分の沸点範囲は、原料となる
燃料に含まれる成分に応じて適当な範囲を持つことが適
当である。
【0020】より具体的に、燃料がガソリンの場合、低
沸点成分は、例えば、約27℃〜150℃の沸点範囲を持つ
燃料成分であることができる。好ましくは、約27℃〜11
0℃、より好ましくは、約27℃〜90℃である。低沸点成
分の下限を27℃と規定したのは、ガソリンの沸点範囲の
下限が、約27℃だからである。低沸点成分の上限を約15
0℃と規定したのは、ガソリンの沸点範囲が約27℃〜217
℃であり、150℃を越えると、未燃焼燃料がエンジンル
ーム内に進入することによるエンジン性能の低下抑制効
果が小さくなるからである。但し、燃料から低沸点成分
を分離して得た軽質燃料には、このような低沸点成分の
沸点範囲以外の高沸点成分が多少含まれていても良い。
【0021】燃料が軽油である場合、低沸点成分とは、
例えば、約170℃〜340℃の沸点範囲を持つ燃料成分であ
ることができる。好ましくは、約170℃〜310℃、より好
ましくは、約170℃〜280℃の範囲である。低沸点成分の
下限を170℃と規定したのは、軽油の沸点範囲の下限が
約170℃だからである。低沸点成分の上限を約340℃と規
定したのは、軽油の沸点範囲が約170℃〜約360℃であ
り、340℃を越えると、未燃焼燃料がエンジンルーム内
に進入することによるエンジン性能の低下抑制効果が小
さくなるからである。但し、燃料から低沸点成分を分離
して得た軽質燃料には、このような低沸点成分の沸点範
囲以外の沸点を持つ高沸点成分が多少含まれていても良
い。
【0022】原料となる燃料からの低沸点成分の分離
は、原料となる燃料中に含まれる成分の沸点の違いを利
用して行うことができる。一般に燃料は、ある程度の沸
点範囲をもっている。したがって、燃料中に含まれる成
分の沸点の違いを利用することにより、低沸点成分を分
離できる。例えば、外気の温度が十分高い場合には、自
然力(太陽によるエネルギー)を利用して、燃料を揮発さ
せることができる。
【0023】また、原料となる燃料を加熱して気化さ
せ、気化した低沸点成分を液化して低沸点成分を分離す
ることができる。加熱源は、燃料の沸点を極端に超えな
いほうが好ましい。但し、加熱源が極端に燃料の沸点を
超える場合でも、空冷や水冷、大気中に放置するなどの
冷却手段によって、燃料の沸点以下に下げることができ
れば、加熱源の種類は、特に限定されない。
【0024】具体的には、加熱源として、電気ヒータ
ー、ラジエター水、排気ガスの熱等のエンジン搭載装置
に既存の装置を挙げることができる。但し、低沸点成分
を得るために、新しく加熱源を設けても良い。このよう
に、原料となる燃料を加熱して低沸点成分を気化させ、
低沸点成分を得ることができる。加熱して気化した低沸
点成分は液化して軽質燃料タンクに保存することができ
る。液化には、軽質燃料タンクを設け、タンク内で自然
に放置しておくか、冷却源を用いて行うこともできる。
冷却源として、クーラー用の冷媒、走行中の風、外気等
のエンジン搭載装置に既存の装置を挙げることができ
る。但し、新たに冷却源を設けても良い。
【0025】低沸点成分の分離を、加熱源を用いて燃料
の全部又は一部を加熱して気化し、蒸留により行うこと
もできる。この場合、燃料から低沸点成分を分離して得
た軽質燃料は、高沸点成分の含有量が少ないことが好ま
しい。
【0026】軽質燃料は、エンジン始動時又はエンジン
停止時に使用される。軽質燃料は、前述の本発明の方法
により製造されたものであることができる。
【0027】軽質燃料タンクに揮発した低沸点成分を保
存しておき、この低沸点成分の軽質燃料をエンジン始動
時期又は、エンジン停止時期に利用できる。
【0028】エンジン始動時に軽質燃料を使用するの
は、未燃焼燃料が潤滑油に混入するのを避け、潤滑油の
粘度及び耐摩耗性を低下させないためである。エンジン
停止時に軽質燃料を使用するのは、未燃焼燃料による潤
滑油の粘度及び耐摩耗性の低下を防止するためと、次の
エンジン始動時に、すぐに軽質燃料をエンジンに供給す
るためである。
【0029】エンジン始動時の軽質燃料の使用時間は、
エンジンの状態、外気温などの諸条件により決定される
ので、特に限定されない。エンジンが暖機されるまでの
間、すなわち、一般にエンジン始動から数分間である。
エンジンが暖機された後は、未燃焼燃料による潤滑油の
粘度及び耐摩耗性の低下がほとんど起こらないためであ
る。最近の3元触媒車などのエンジン搭載装置では、酸
素センサが改良され始動時により短期間でエンジンが暖
機されるものもある。このような場合には、軽質燃料の
使用時間をより短くできる。
【0030】また、エンジンが暖機されるまでの間は、
外気温等の諸条件によっても異なる。外気温が低い場合
には、始動時の軽質燃料の使用時間をより長くすること
ができ、エンジン始動から、例えば、10分間を超えて
使用してもかまわない。また、外気温がより高い場合に
は、始動時の軽質燃料の使用時間は、より短くてもよ
く、エンジン始動から、例えば、1分間前後であっても
よい。要は、エンジンの暖機の状態に応じて軽質燃料の
使用時間を適宜変更すればよい。
【0031】エンジン停止時の軽質燃料の使用時間は、
エンジンの状態によって異なり特に限定されない。例え
ば、エンジン停止前の数分間、軽質燃料を使用すること
ができる。軽質燃料の使用時間が長くなり過ぎると、軽
質燃料のタンクが大掛かりなりすぎてしまう。軽質燃料
の使用時間は、エンジン室内の各部品へのカーボンの堆
積を防止する効果が得られる程度を考慮して、適宜決定
することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。
【0033】実施例1 燃料がガソリンの場合 (低沸点成分の分離)燃料から低沸点成分を分離するた
めには、例えば、熱交換器を使用できる。熱交換器は、
燃料タンクからの燃料を加熱(若しくは加温)する。加
熱の条件は、低沸点成分を気化させ、高沸点成分は、液
体のままとなる条件であることが適当である。
【0034】燃料がガソリンの場合には、熱交換器の熱
として、ラジエターの温水を利用できる。ラジエターの
温水は約80℃で、約5%〜40%の燃料がガス化し、
軽質燃料に転化する。
【0035】なお、原料となる燃料から低沸点成分を分
離した後、低沸点成分以外の成分は、原料となる燃料タ
ンクに戻すのが好ましい。低沸点成分以外の成分は、通
常のエンジン駆動時に利用できる。得た軽質燃料は、エ
ンジン始動時又はエンジン停止時に使用できるよう軽質
燃料タンクに蓄えておく。
【0036】(低沸点成分の液体化)軽質燃料は、気体
の状態から液体の状態に戻した後、エンジン始動時又は
エンジン停止時に利用する。尚、原料となる燃料から分
離して得た軽質燃料は、気体のままでもエンジン始動時
又はエンジン停止時に利用できる。分離して得た低沸点
成分を液体にする手段には、例えば、クーラー、走行中
の風等を利用した熱交換器がある。
【0037】熱交換器は、気体状の軽質燃料を冷却し、
気体燃料から液体燃料にする。エンジン始動時又はエン
ジン停止時に軽質燃料を直ちに使用できるように、液体
化した軽質燃料は、軽質燃料用タンクに蓄えておく。始
動時の燃料使用量は、約30〜100CC/分で、3分
も経てばある程度エンジンも暖機される。暖機された後
は、未燃焼燃料が潤滑油に混入するおそれはほとんどな
い。
【0038】(軽質燃料の貯蔵)軽質燃料用のタンク容
量は、特に限定されない。エンジンが暖機されるまでの
間、軽質燃料を使用できるように、その分の軽質燃料の
備蓄が可能であることを考慮して適宜決定できる。例え
ば、約10cc〜1000ccの範囲であることができる。
【0039】エンジン始動時又はエンジン停止時に燃料
から得た軽質燃料を実際に使用すると、燃料が潤滑油に
混入することがなく、潤滑油の粘度も良好で、耐摩耗性
の低下することがなかった。また、エンジン性能も低下
することがなかった。
【0040】実施例2 燃料から低沸点成分を分離する熱交換器の熱として、電
気ヒーターの熱を利用する。電気ヒーターの熱は、ガソ
リンの沸点範囲内であればそのまま利用することができ
る。電気ヒーターの熱が極端にガソリンの沸点範囲以上
になっているときは、電気ヒータの熱を外気で希釈して
適当な温度に下げ調整するか、液体を介して、液体の温
水を約30℃〜約100℃の間の温度に調整する。この
ように温度を調整すると、燃料はガス化し、軽質燃料が
得られる。
【0041】なお、原料となる燃料から低沸点成分を分
離した後、低沸点成分以外の成分は、原料となる燃料タ
ンクに戻すのが好ましい。この点、ラジエターによる温
水で分離した場合と同様である。低沸点成分以外の成分
は、通常のエンジン駆動時に利用できる。得た軽質燃料
は、エンジン始動時又はエンジン停止時に使用できるよ
う軽質燃料タンクに蓄えておく。
【0042】軽質燃料を気体の状態から液体の状態に戻
した後、エンジン始動時又はエンジン停止時に軽質燃料
を利用する。なお、原料となる燃料から分離して得た軽
質燃料を気体のままでもエンジン始動時又はエンジン停
止時に利用できる。この点、実施例1で述べたラジエタ
ーの温水を用いる方法と同様である。低沸点成分の液体
化をした後、軽質燃料を使用する場合には、実施例1で
述べた低沸点成分の液体化の処理を施す。
【0043】このようにして得た軽質燃料をエンジン始
動時に使用すると、エンジンの加速性が向上した。得た
軽質燃料をエンジン停止時に使用すると、カーボンの堆
積が見られず、燃料の噴射量、噴射形状が正常であるた
め、エンジン性能を長時間維持、発揮させることができ
た。さらに、エンジンを構成する各部品の寿命は向上し
た。
【0044】実施例3 燃料が軽油の場合 燃料が軽油の場合には、燃料から低沸点成分を分離する
ための熱交換器の熱は、エンジンの排ガスの熱を利用す
る。エンジンの排ガスの熱は、通常、約180℃〜約5
50℃である。燃料の沸点範囲で、熱交換すれば燃料
は、ほとんど熱分解を起こさない。したがって、軽油の
沸点範囲の上限である360℃を越えないようにするの
が好ましい。エンジンの排ガスの熱が360℃を超えな
いようにするには、空気で希釈して適当な温度にする
か、熱媒体(高温で液体の物質)の入った配管を排気ガ
スと軽質燃料タンクの間に入れる。空気で希釈して適当
な温度にした後、原料となる燃料から軽質燃料を得る。
【0045】なお、原料となる燃料から低沸点成分を分
離した後、低沸点成分以外の成分は、原料となる燃料タ
ンクに戻すのが好ましい。この点、ラジエターによる温
水で分離した場合と同様である。低沸点成分以外の成分
は、通常のエンジン駆動時に利用できる。得た軽質燃料
は、エンジン始動時又はエンジン停止時に使用できるよ
う軽質燃料タンクに蓄えておく。
【0046】軽質燃料を気体の状態から液体の状態に戻
した後、エンジン始動時又はエンジン停止時に軽質燃料
を利用する。なお、原料となる燃料から分離して得た軽
質燃料を気体のままでもエンジン始動時又はエンジン停
止時に利用できる。この点、実施例1で述べたラジエタ
ーの温水を用いる方法と同様である。低沸点成分の液体
化をした後、軽質燃料を使用する場合には、実施例1で
述べた低沸点成分の液体化の処理を施す。
【0047】このようにして得た軽質燃料を使用する
と、燃料が潤滑油に混入することなく、潤滑油の粘度も
良好で、エンジン室内の各部品表面上にカーボンの堆積
がみられず、エンジンの寿命も向上した。
【0048】
【発明の効果】軽質燃料を使用することにより、冬場の
エンジンの始動性が向上する。軽質燃料を使用すること
により、エンジン始動時、エンジン低温時などのエンジ
ンが十分暖機されていない状態でも、燃料が潤滑油に混
入することがない。したがって、潤滑油の粘度及び耐摩
耗性が低下せず、エンジンの性能が向上する。
【0049】軽質燃料を使用することにより、エンジン
停止時、エンジン低温時などにおいて、燃料が蒸焼きさ
れるのを防ぐことができるので、エンジ室内の各部品上
にカーボンが堆積することなく正常な噴霧形状及び燃焼
形状を保つことができる。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン始動時期及び/又はエンジン停
    止時期に使用する軽質燃料の製造方法であって、原料と
    なる燃料から低沸点成分をエンジン搭載装置上で分離し
    て軽質燃料を得ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 原料となる燃料からの低沸点成分の分離
    を、原料となる燃料中に含まれる成分の沸点の違いを利
    用して行う請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 原料となる燃料からの低沸点成分の分離
    を、原料となる燃料を加熱して低沸点成分を気化させ、
    気化した低沸点成分とその他の成分とを分離し、分離し
    気化した低沸点成分を液化することで行う請求項1また
    は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 低沸点成分の気化及び気化した低沸点成
    分とその他の成分との分離を蒸留により行う請求項3に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 エンジン搭載装置が自動車である請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 原料となる燃料の加熱をラジエターから
    の温水を利用して行う請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 気化した低沸点成分の液化をクーラー用
    の冷媒を利用して行う請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 エンジンがガソリンエンジンであり、原
    料となる燃料がガソリンである請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 エンジンがディーゼルエンジンであり、
    原料となる燃料が軽油である請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 原料となる燃料から低沸点成分をエン
    ジン搭載装置上で分離して得た軽質燃料をエンジン始動
    時期に使用するエンジンの始動方法。
  11. 【請求項11】 原料となる燃料から低沸点成分をエン
    ジン搭載装置上で分離して得た軽質燃料をエンジン停止
    時期に使用するエンジンの停止方法。
  12. 【請求項12】 エンジン始動時期は、エンジン始動時
    からエンジン始動後3分間の間である請求項10に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 エンジン停止時期は、エンジン停止前
    3分間からエンジン停止までの間である請求項11に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 原料となる燃料から低沸点成分の分離
    を、原料となる燃料中に含まれる成分の沸点の違いを利
    用して行う請求項11〜13のいずれか1項に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 原料となる燃料からの低沸点成分の分
    離を、原料となる燃料を加熱して低沸点成分を気化さ
    せ、気化した低沸点成分とその他の成分とを分離し、分
    離し気化した低沸点成分を液化することで行う請求項1
    1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 低沸点成分の気化及び気化した低沸点
    成分とその他の成分との分離を蒸留により行う請求項1
    5に記載の方法。
  17. 【請求項17】 エンジン搭載装置が自動車である請求
    項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 原料となる燃料の加熱をラジエターか
    らの温水を利用して行う請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 気化した低沸点成分の液化をクーラー
    用の冷媒を利用して行う請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 エンジンがガソリンエンジンであり、
    原料となる燃料がガソリンである請求項10〜19のい
    ずれか1項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 エンジンがディーゼルエンジンであ
    り、原料となる燃料が軽油である請求項10〜20のい
    ずれか1項に記載の方法。
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