JPH11301246A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11301246A
JPH11301246A JP10722598A JP10722598A JPH11301246A JP H11301246 A JPH11301246 A JP H11301246A JP 10722598 A JP10722598 A JP 10722598A JP 10722598 A JP10722598 A JP 10722598A JP H11301246 A JPH11301246 A JP H11301246A
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JP
Japan
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air
blower
vehicle
heat exchanger
heat source
Prior art date
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Application number
JP10722598A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Taniguchi
博昭 谷口
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷熱源モードと温熱源モードとに切替可能な
室内側熱交換器を備えた車両用空調装置において、特別
な装置の設置を不要にしてコストの低減化を図りつつ、
温熱源モード切替時に上記室内側熱交換器に付着した除
湿水に起因する車室内の湿度の上昇及びウインドウガラ
スの曇りを防止する 【解決手段】 冷熱源モード検出手段により冷媒式熱交
換器が冷熱源モードでの作動を検出し、かつ、エンジン
停止検出手段によりエンジンの停止を検出すれば、内外
気切替アクチュエータがブロアの吸入モードを内気循環
に切り替え、パワートランジスタがブロアを作動させて
車室内の乾燥した空気で冷媒式熱交換器を乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷熱源モードと温
熱源モードとに切替可能な室内側熱交換器を備えた車両
用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置として、冷熱源モードと
温熱源モードとに切替可能に構成された冷媒式熱交換器
と、温水式熱交換器との2つの室内側熱交換器を備えた
ものが知られている。この車両用空調装置では、除湿暖
房を行う場合には上記冷媒式熱交換器を冷熱源モードで
作動することにより空気中の水分を結露させて除湿を
し、その除湿された空気を上記温水式熱交換器により加
熱して車室内に除湿した温風を吹き出すようにしてい
る。一方、急速暖房を行う場合には上記冷媒式熱交換器
を温熱源モードで作動して空気を加熱するとともに、上
記温水式熱交換器においても空気を加熱して車室内に両
熱交換器で加熱した温風を吹き出すようにしている。
【0003】このような車両用空調装置においては、上
記冷媒式熱交換器を冷熱源モードで作動させるとその表
面に除湿水が付着するようになる。そして、この除湿水
が付着した状態で上記冷媒式熱交換器を今度は温熱源モ
ードで作動させると、その放熱作用により上記付着した
除湿水が蒸発して車室内の湿度が急上昇してしまうこと
になる。このような車室内の湿度が急上昇してしまう状
況が発生する場合としては、例えば前日の天気が雨で車
室内の湿度が高かったため除湿暖房を行いそのまま一晩
駐車し、次の日の気温が低かったため車内温度を一気に
上昇させようとして急速暖房をするという場合が考えら
れる。この場合、前日の除湿暖房運転により冷媒式熱交
換器は冷熱源モードで作動されて除湿水が付着した状態
にあり、この状態のまま次の日に急速暖房運転をするこ
とにより上記冷媒式熱交換器が温熱源モードで作動して
付着した除湿水が蒸発することになる。このため、ウイ
ンドウガラスが結露して曇ってしまい乗員に対し不快感
を与えてしまうという不都合がある。特に、次の日に車
両を発車させた後に急速暖房を行うようにした場合に
は、走行中にウインドウガラスが曇ってしまうおそれが
あり問題となる。
【0004】そこで、上記の不都合を解消するために、
駐車中に冷媒式熱交換器に付着した除湿水を蒸発させて
おくことが考えられ、この種の車両用空調装置として蓄
熱装置を備えたものが知られている(例えば、特開平6
−328929号公報参照)。このものでは、上記蓄熱
装置に走行中に発生するエンジン余熱を蓄熱しておき、
駐車中に上記蓄熱した熱を放出して暖房運転を行い、上
記冷媒式熱交換器に付着した除湿水を蒸発させるように
している。
【0005】また、同じく駐車中に上記冷媒式熱交換器
を乾燥させる車両用空調装置として、電動式の冷媒コン
プレッサと2次電池とを備えたものが知られている(例
えば、特開平9−272333号公報参照)。このもの
では、走行中に上記2次電池を充電しておき、駐車中に
上記2次電池により電動式の冷媒コンプレッサを作動さ
せて暖房運転を行い、上記冷媒式熱交換器に付着した除
湿水を蒸発させるようにしている。
【0006】なお、除湿暖房運転をしている状態から急
速暖房運転に切り替える操作を行っても、上記の冷媒式
熱交換器に除湿水が付着した状態でこの冷媒式熱交換器
を温熱源モードで作動させる状況になり得るが、実際
上、除湿暖房運転中に急速暖房を行いたいという状況、
つまり急速暖房が必要なほど車内温度が急激に下がると
いうことは起きないと考えられるため、上記除湿暖房運
転状態から急速暖房運転への切り替え操作は、誤操作と
してキャンセルされるように構成されているのが一般的
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記蓄熱装
置を備えた車両用空調装置においては、蓄熱装置を新た
に備える必要があり、コストが増大してしまうという不
都合がある。
【0008】また、上記電動コンプレッサを備えた車両
用空調装置においても、予め電動式の冷媒コンプレッサ
が備えられている電気自動車の場合では有効であるが、
ガソリンエンジン車またはディーゼルエンジン車といっ
たエンジンにより駆動される冷媒コンプレッサが備えら
れている車両については、新たに電動式の冷媒コンプレ
ッサを備える必要がありコストが増大するという不都合
がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、冷熱源モード
と温熱源モードとに切替可能な室内側熱交換器を備えた
車両用空調装置において、特別な装置の設置を不要にし
てコストの低減化を図りつつ、温熱源モード切替時に上
記室内側熱交換器に付着した除湿水に起因する車室内の
湿度の上昇及びウインドウガラスの曇りを防止すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、熱源通過モードが冷熱源モ
ードと温熱源モードとに相互に切替可能な室内側熱交換
器と、車室内に空調風を送風するブロアと、上記室内側
熱交換器の熱源通過モードが冷熱源モードであるか否か
を検出する冷熱源モード検出手段と、エンジンが停止し
たか否かを検出するエンジン停止検出手段と、上記ブロ
アの吸入モードを内気循環と外気導入とに相互に切り替
える内外気切替手段と、上記ブロアの作動及び内外気切
替手段の切り替えを制御する空調制御手段とを備えたも
のとする。そして、上記空調制御手段を、上記冷熱源モ
ード検出手段により上記室内側熱交換器の熱源通過モー
ドが冷熱源モードであると検出された状態で上記エンジ
ン停止検出手段によりエンジンの停止が検出されたと
き、上記ブロアを作動させ、かつ、上記内外気切替手段
を内気循環に切り替えるよう構成するものである。
【0011】上記の構成の場合、室内側熱交換器を冷熱
源モードで作動させれば、車室内の除湿に伴い上記室内
側熱交換器には除湿水が付着することになる。そして、
現時点までに少しの間でも上記室内側熱交換器が冷熱源
モードで作動すればこの室内側熱交換器には除湿水が付
着するため、駐車中に上記室内側熱交換器を乾燥させて
おく必要がある。そこで、上記室内側熱交換器が冷熱源
モードで作動されたことが検出された状態でエンジンが
停止すればブロアを作動させてその送風により上記室内
側熱交換器を乾燥させることが可能になる。しかも、上
記ブロアを内気循環で作動させることにより、上記室内
側熱交換器の冷熱源モードでの作動により乾燥した車室
内の空気を送風することになるため、上記室内側熱交換
器を効果的に乾燥させることが可能になる。
【0012】ここで、上記冷熱源モード検出手段として
例えばコンプレッサクラッチのクラッチ電圧を利用すれ
ば、上記室内側熱交換器の作動を検出することが可能で
あり、冷媒流通方向切替弁のソレノイド電圧を利用すれ
ば、冷媒の流通方向により上記室内側熱交換器の作動が
冷熱源モードか温熱源モードかを検出することが可能に
なる。また、上記エンジン停止検出手段としてはエンジ
ンコントロールユニットが利用すればよく、上記内外気
切替手段としては内外気切替アクチュエータを、空調制
御手段としては吹出温度または風量を制御する空調コン
トロールユニットを用いればよい。以上の手段はいずれ
も車両に対し予め備えられているものであり、一般的な
車両において予め備えられている設備を利用することに
より、上記室内側熱交換器に付着した除湿水を蒸発させ
てウインドウガラスの曇りを防止するという作用を得る
ことが可能になる。従って、従来の車両用空調装置のよ
うに新たに蓄熱装置等を備える必要はないため、コスト
の低減化が図られる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、空調制御手段を、エンジン停止検出手段に
よりエンジンの停止が検出された時点から設定時間経過
後にブロアを作動させるよう構成するものである。
【0014】ところで、エンジンが停止してすぐに上記
ブロアが作動すれば、エンジンを停止させたにも拘わら
ず何らかの機器が作動し始めることになり車室内にいる
降車前の乗員を驚かせることになったり、上記ブロアの
作動による室内側熱交換器に付着した除湿水の蒸発に伴
い車室内の湿度が上昇しウインドウガラスが曇るように
なるため、乗員が車室内にいればこの乗員に対し不快感
を与えてしまうことになったりする。しかしながら、上
記の構成の場合、エンジンが停止してから上記ブロアを
作動させるまで設定時間だけ間隔をあけることにより、
その設定時間の間に乗員は降車することが可能になる。
このため、上記ブロアが作動するときには車室内には乗
員がいない状態となり、乗員を驚かせてしまうことや、
ウインドウガラスが曇りによって乗員に対し不快感を与
えてしまうことを防止することが可能になる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の発明において、空調制御手段を、ブロアを
作動初期には高回転で作動させる一方、作動後期には低
回転で作動させるよう構成するものである。
【0016】上記の構成の場合、ブロアの作動初期に、
このブロアを高回転で作動させることにより、上記室内
側熱交換器に付着した除湿水を吹き飛ばすことが可能に
なる。特に上記室内側熱交換器がドローンカップ式のも
のであれば、ブロアを高回転で作動させると除湿水を効
果的に吹き飛ばすことが可能になる。そして、上記除湿
水を吹き飛ばした後の作動後期には、上記ブロアを低回
転で作動させることにより、上記吹き飛ばされなかった
微小な除湿水を蒸発させることが可能になる。このよう
にブロアの作動を初期に高回転で行う一方、後期には低
回転で行うように制御することにより、上記室内側熱交
換器を効果的に乾燥させることが可能になる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項
3記載のいずれかの発明において、空調制御手段を、ブ
ロアが設定時間作動した後に内外気切替手段を内気循環
から外気導入に切り替えるよう構成するものである。
【0018】上記の構成の場合、内気循環でブロアを作
動させて室内側熱交換器に付着した除湿水を車室内の乾
燥した空気により蒸発させると車室内の空気の湿度が徐
々に上昇するようになる。このため、ウインドウガラス
の曇りが生じることになるが、上記ブロアを設定時間作
動させて室内側熱交換器を乾燥させた後は、上記ブロア
の吸入モードを外気導入に切り替えて車室内に比べ乾燥
した車外の空気を取り入れることにより、車室内の湿っ
た空気を強制的に車外に放出することが可能になる。こ
のため、駐車後のブロア制御により、上記室内側熱交換
器の乾燥に加え、車室内の湿度の上昇の抑制をも実現す
ることが可能になる。その結果、乗員が再度乗車した際
にウインドウガラスの曇りに起因して不快感を与えてし
まうことを防止することが可能になる。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、ブロアにより送風される空調風を車室内に
吹き出す複数の吹出口と、この複数の吹出口を開閉切替
することにより空調風の車室内への吹出口を切り替える
吹出口切替手段とを備え、空調制御手段を、内外気切替
手段による外気導入への切り替えに伴い、空調風が窓に
向けて吹き出されるよう上記吹出口切替手段を切り替え
るように構成するものである。
【0020】ところで、内気循環にしてブロアを作動さ
せ室内側熱交換器に付着した除湿水の蒸発に伴い車室内
の空気の湿度が上昇すれば、特に、外気温の影響を最も
受けるウインドウガラスが結露して曇ってしまう。しか
しながら、上記の構成の場合、上記室内側熱交換器の乾
燥後にブロアの吸入モードを外気導入に切り替え、か
つ、吹出口切替手段により車室内の空気に比べて乾燥し
た外気を窓に吹き出すように切り替えることにより、ウ
インドウガラス近傍の湿った空気をこのウインドウガラ
スの近傍から効果的に排除することが可能になる。これ
により、駐車中に室内側熱交換器を乾燥させることに伴
うウインドウガラスの曇りをより一層効果的に防止する
ことが可能になる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項4または請
求項5記載の発明において、空調制御手段を、内外気切
替手段を内気循環に切り替えたときには、ブロアの作動
初期に上記ブロアを高回転で作動させ、かつ、その作動
後期に上記ブロアを低回転で作動させる一方、内外気切
替手段を外気導入へ切り替えたときには、上記ブロアを
内気循環のときの作動後期よりも高回転で作動させるよ
う構成するものである。
【0022】上記の構成の場合、内気循環のときには、
ブロアの作動を初期に高回転で行い、後期には低回転で
行うように制御することにより、上記室内側熱交換器を
効果的に乾燥させることが可能になる。一方、上記ブロ
アの吸入モードを外気導入にしたときには、上記ブロア
を高回転で作動させることにより、外気温によって冷や
されたウインドウガラスが結露して曇ってしまう前に車
室内の湿った空気を車外に放出することが可能になる。
これにより、車室内の湿度の上昇を抑制して、駐車中の
ウインドウガラスの曇りをより一層確実に防止すること
が可能になる。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項1〜請求項
6記載のいずれかの発明において、乗員が降車したか否
かを判定する降車判定手段を備え、空調制御手段を、上
記降車判定手段により乗員の降車が検出されたとき実行
するように構成するものである。
【0024】上記の構成の場合、エンジンが停止され、
しかも、降車判定手段により乗員が降車したことを検出
してはじめてブロアが作動されることになり、ブロアの
作動を車室内に乗員が確実にいない状態で行うことが可
能になる。このため、エンジン停止後に上記ブロアが作
動することにより乗員を驚かせてしまったり、上記ブロ
アの作動により車室内の湿度が上昇してウインドウガラ
スが曇っても乗員に不快感を与えることを確実に防止す
ることが可能になる。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、降車判定手段を、メインスイッチにより構
成し、このメインスイッチがオフであれば乗員が降車し
ていると判定するよう構成するものである。
【0026】上記の構成の場合、請求項7記載の発明に
おける降車判定手段の具体的な態様が特定され、例え
ば、一般車両における給油中や、信号停車時のアイドリ
ングストップのような、メインスイッチをオフ位置では
なくてのアクセサリ位置(ACC位置)にしてエンジン
は停止しているもののラジオ等への通電が行われている
という状況であれば、車室内に乗員がいると判定されて
ブロアが作動しないようになる。このように、メインス
イッチにより降車判定手段を構成して、メインスイッチ
がオフであれば乗員が降車していると判定することによ
り、乗員がいないことを確実に検出することが可能にな
り、乗員がいない場合にのみブロアを作動させてウイン
ドウガラスの曇り等による乗員の不快感を防止すること
が可能になる。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項7または請
求項8記載の発明において、降車判定手段を、イグニッ
ションキーが抜かれていることによりオフとなるイグニ
ッションスイッチにより構成し、このイグニッションス
イッチがオフであれば乗員が降車していると判定するよ
う構成とするものである。
【0028】上記の構成の場合、請求項7記載の発明に
おける降車判定手段の具体的な態様が特定され、イグニ
ッションキーが抜かれているときは乗員がいない状況で
ある確率が極めて高いため、イグニッションスイッチに
より降車判定手段を構成して、イグニッションキーが抜
かれていれば乗員が降車していると判定することによ
り、より一層確実に乗員がいない場合にのみブロアを作
動させることが可能になり、乗員の不快感をより一層防
止することが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0030】<第1実施形態>図1は、本発明の第1実
施形態に係る車両用空調装置を示し、このものは車室内
の温度や気流等を制御するために制御ロジックにより吹
出温度または風量等を決定するするいわゆるロジックコ
ントロール式に構成されている。そして、同図におい
て、1は多翼ファン11とこの多翼ファン11を回転さ
せるモータ12とからなるブロア、21は熱源通過モー
ドが冷熱源モードと温熱源モードとに切替可能に構成さ
れたドローンカップ式の室内側熱交換器としての冷媒式
熱交換器、22はエンジン冷却水を熱源として利用した
温水式熱交換器、31は支点を中心して首振りすること
により車室41と車外42とに開口を切り替えて上記ブ
ロア1の吸入モードを切り替える内外気切替ダンパ、3
2は上記温水式熱交換器22を通過させるか否かの流路
を切り替える温度制御ダンパ、そして、33a〜35a
は各吹出口33b〜35bを開閉する開閉ダンパであ
り、33aはウインドウガラスに向けて空気を吹き出す
デフ吹出口33bのデフ吹出口開閉ダンパ、34aは乗
員の頭胸部に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口34
bのフェイス吹出口開閉ダンパ、35aは乗員の足元に
向けて空気を吹き出すヒート吹出口35bのヒート吹出
口開閉ダンパである。
【0031】そして、図2は上記車両用空調装置の制御
系を示し、この制御系は、上記冷媒式熱交換器21が冷
熱源モードで作動されたか否かを検出する冷熱源モード
検出手段51と、エンジンの停止を検出するエンジン停
止検出手段としてのエンジンコントロールユニット52
と、上記内外気切替ダンパ31を首振りさせることによ
り上記ブロア1の吸入モードを切り替える内外気切替手
段としての内外気切替アクチュエータ53と、上記モー
タ12に電源を供給するパワートランジスタ54と、空
調制御手段としての空調コントロールユニット55とを
備えている。上記空調コントロールユニット55は、図
示省略のタイマーを備え、上記冷熱源モード検出手段5
1、及び、エンジンコントロールユニット52からの検
出信号に基づき、上記内外気切替アクチュエータ53と
パワートランジスタ54とに制御信号を出力するように
構成されている。
【0032】上記冷熱源モード検出手段51は、冷媒式
熱交換器21のコンプレッサクラッチ51a、及び、冷
媒流通方向切替弁51bとにより構成されており、上記
コンプレッサクラッチ51aのクラッチ電圧により上記
冷媒式熱交換器21の運転と停止とを判断し、上記冷媒
流通方向切替弁51bのソレノイド電圧を利用して上記
冷媒式熱交換器21が冷熱源モードで作動したか温熱源
モードで作動したかを判断するようにしている。
【0033】上記車両用空調装置において除湿暖房運転
を行う場合には、上記ブロア1を作動させて、上記冷媒
式熱交換器21を冷熱源モードで作動し、空気をこの冷
媒式熱交換器21に通して空気中の水分を結露させて除
湿をし、その除湿された空気を上記温水式熱交換器22
により加熱して、上記各吹出口33b〜35bから除湿
した温風を吹き出すようにしている。一方、急速暖房運
転を行うには、上記冷媒式熱交換器21を温熱源モード
で作動し、空気をこの冷媒式熱交換器21に通して加熱
し、その暖められた空気を温水式熱交換器22によりさ
らに加熱して、上記各吹出口33b〜35bから上記両
熱交換器21,22で加熱した温風を吹き出すようにし
ている。なお、除湿暖房運転状態から急速暖房運転への
切り替え操作は誤操作として、キャンセルされるように
構成されている。
【0034】つぎに、上記車両用空調装置による冷媒式
熱交換器の乾燥について、上記空調コントロールユニッ
ト55による制御を図3に示すフローチャートに従って
説明する。
【0035】まず、ステップS1において、上記コンプ
レッサークラッチ51a及び冷媒流通方向切替弁51b
により上記冷媒式熱交換器21が現時点までに冷熱源モ
ードで作動されたか否かを判定する。この判定は、例え
ば、スタート時点でフラグをリセットして(0にして)
おき、上記冷媒式熱交換器21が冷熱源モードで作動さ
れると上記フラグを1にするようにすれば、このフラグ
が1であるか(YES)、0であるか(NO)によって
判定することができる。そして、上記ステップS1にお
いて、現時点までに冷熱源モードでの作動が行われたな
らステップS2に進み、行われていないならばエンドに
する。
【0036】次いで、ステップS2において、上記エン
ジンコントロールユニット52により、エンジンが停止
されたか否かを検出するようにする。そして、上記エン
ジンが停止していればステップS3に進み、停止してい
なければ停止するまでこのステップS2を繰り返すよう
にする。
【0037】そして、上記ステップS3において、上記
エンジンの停止後、第1設定時間T1が経過するまで待
機する。この所定時間T1は、乗員が荷物等を降ろして
降車する時間として設定すればよく、例えば30秒に設
定すればよい。次いで、ステップS4において、上記内
外気切替アクチュエータ53を制御して内外気切替ダン
パ31を内気循環になるようにする。このとき予め上記
内外気切替ダンパ31が内気循環側であったならそのま
まにしておく。そして、ステップS5において、パワー
トランジスタ54を制御してモータ12を駆動しブロア
1を設定時間T2だけ作動させるようにする。次いで、
ステップS6において、上記パワートランジスタ54に
より上記ブロア1を停止させるようにする。このブロア
1の作動としては、例えば図4に示すように、ブロア1
の回転数を徐々に高めていき(0〜12秒経過時)、高
回転で所定時間作動させ(12〜22秒経過時)、その
後ブロア1の回転数を徐々に低くして(22〜30秒経
過時)、低回転で再び所定時間作動させ(30〜330
秒経過時)、そして、徐々に停止させるようにすればよ
い(330〜334秒経過時)。
【0038】そして、ステップS7において、上記内外
気切替アクチュエータ53により、上記内外気切替ダン
パ31を元の位置に戻す、つまり、ステップS4におい
て、上記内外気切替ダンパ31を外気導入側から内気循
環側に切り替えていれば、上記内外気切替ダンパ31を
外気導入側にする一方、内気循環側のままで切り替えて
いなければ、上記内外気切替ダンパ31をそのまま内気
循環側にしておくようにする。
【0039】つぎに、上記第1実施形態の作用・効果を
説明する。
【0040】冷媒式熱交換器21を冷熱源モードで作動
させて車室内の除湿を行えば、車室内を除湿に伴い、上
記冷媒式熱交換器21には除湿水が付着することにな
る。そして、現時点までに少しの間でも上記冷媒式熱交
換器21が冷熱源モードで作動すればこの冷媒式熱交換
器21には除湿水が付着しているため、駐車中に上記冷
媒式熱交換器21を乾燥させる必要がある。そこで、現
時点までに上記冷媒式熱交換器21が冷熱源モードで作
動され、かつ、エンジンが停止すればブロア1を作動さ
せて、その送風により上記冷媒式熱交換器21を乾燥さ
せるようにする(図1の実線の矢印参照)。しかも、上
記ブロア1を内気循環で作動させることにより、上記冷
媒式熱交換器21の冷熱源モードでの作動により乾燥し
た車室41の空気を上記冷媒式熱交換器21に向けて送
風することになるため、上記冷媒式熱交換器21を効果
的に乾燥させることができる。
【0041】また、冷熱源モード検出手段としてのコン
プレッサクラッチ51aと冷媒流通方向切替弁51b、
エンジン停止検出手段としてのエンジンコントロールユ
ニット52、内外気切替手段としての内外気切替アクチ
ュエータ53、パワートランジスタ54、及び、空調制
御手段としての空調コントロールユニット55は、全て
車両に予め備えられているものである。すなわち、一般
的な車両において予め備えられた設備を利用することに
より、上記冷媒式熱交換器21に付着した除湿水を蒸発
させて、ウインドウガラスの曇りを防止することがで
き、従来の車両用空調装置のように新たに蓄熱装置等を
備える必要はないため、コストの低減化を図ることがで
きるようになる。
【0042】さらに、エンジンが停止してすぐに上記ブ
ロア1が作動すれば、エンジンを停止させたにも拘わら
ず何らかの機器が作動し始めることになり車室内にいる
降車前の乗員を驚かせてしまったり、また、上記ブロア
1の作動による冷媒式熱交換器21に付着した除湿水の
蒸発に伴い車室内の湿度が上昇しウインドウガラスが曇
るようになるため、乗員が車室内にいればこの乗員に対
し不快感を与えてしまことになったりする。しかしなが
ら、上記エンジンが停止した後、設定時間T1経過後に
上記ブロア1を作動させることにより、その設定時間T
1の間に乗員が降車することができるようになる。この
ため、上記ブロア1が作動するときには車室内には乗員
がいない状態となり、上記乗員を驚かせてしまったり、
ウインドウガラスの曇りによって乗員に対し不快感を与
えてしまったりすることを防止することができるように
なる。しかも、ブロア1の回転数を徐々に高めていくよ
うにすることで、たとえ乗員が車室内に残っていてもこ
の乗員を驚かせることを防止することができるようにな
る。加えて、上記ブロア1の作動を、その初期には高回
転で作動させることにより、上記冷媒式交換器21に付
着した除湿水を吹き飛ばすことができる。特にドローン
カップ式の上記冷媒式熱交換器21では、ブロアを高回
転で作動させることにより除湿水を効果的に吹き飛ばす
ことができる。この吹き飛ばした除湿水は、図1に示す
ケーシング10のドレン孔10aから排出させることが
できる。そして、上記除湿水を吹き飛ばした後には、上
記ブロア1を低回転で作動させることにより、上記吹き
飛ばされなかった微小な除湿水を蒸発させることができ
るようになる。このようにブロア1の作動を初期に高回
転で行う一方、後期には低回転で行うように制御するこ
とにより、上記冷媒式熱交換器21を効果的に乾燥させ
ることができるようになる。なお、図4に示す上記ブロ
ア1の作動パターンはドローンカップ式の上記冷媒式熱
交換器21に最適なものであり、冷媒式熱交換器が例え
ばフィンアンドチューブ式であれば、上記高回転で作動
させる時間を長くして、除湿水の吹き飛ばしと蒸発とを
併用して行うように設定した作動パターンにすればよ
い。
【0043】<第2実施形態>図5は本発明の第2実施
形態に係る車両用空調装置の制御系を示し、このもので
は、上記第1実施形態における車両用空調装置の制御系
に加えて、各吹出口33b〜35bを開閉させる吹出口
開閉ダンパ33a〜35aを作動させる吹出口切替手段
としての吹出口切替アクチュエータ56が空調コントロ
ールユニット55により制御されるようになっている。
そして、上記吹出口切替アクチュエータ56は、リンク
を介してデフ吹出口開閉ダンパ33a、フェイス吹出口
開閉ダンパ34a、及び、ヒート吹出口開閉ダンパ35
aをそれぞれ作動させるようになっている。
【0044】なお、上記車両用空調装置のその他の構成
は第1実施形態のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0045】つぎに、上記第2実施形態の車両用空調装
置による冷媒式熱交換器の乾燥制御について、図6に示
すフローチャートに従って説明する。
【0046】まず、ステップS11において、コンプレ
ッサークラッチ51a及び冷媒流通方向切替弁51bに
より上記冷媒式熱交換器21が現時点までに冷熱源モー
ドで作動されたか否かを判定する。そして、上記ステッ
プS11において、現時点までに冷熱源モードでの作動
が行われたならステップS12に進み、行われていない
ならばエンドにする。
【0047】次いで、ステップS12において、上記エ
ンジンコントロールユニット52により、エンジンが停
止されたか否かを検出するようにする。そして、上記エ
ンジンが停止していればステップS13に進み、停止し
ていなければ停止するまでこのステップS12を繰り返
すようにする。
【0048】そして、上記ステップS13において、上
記エンジンの停止後、第1設定時間T1が経過するまで
待機する。次いで、ステップS14において、上記内外
気切替アクチュエータ53により、内外気切替ダンパ3
1を内気循環になるようにする。そして、ステップS1
5において、パワートランジスタ54によりモータ12
を駆動してブロア1を第2設定時間T2だけ作動させる
ようにする。次いで、ステップS16において、内外気
切替アクチュエータ53により、内外気切替ダンパ31
を今度は外気導入に切り替え、ステップS17におい
て、吹出口切替アクチュエータ56によりデフ吹出にな
るよう各吹出口開閉ダンパ33a〜35aを切り替える
ようにし、ステップS18において、上記ブロア1を第
3設定時間T3だけ作動させた後に上記パワートランジ
スタ54により上記ブロア1を停止させるようにする。
このブロア1の作動としては、例えば図7に示すよう
に、ブロア1の回転数を徐々に高めていき(0〜12秒
経過時)、高回転で所定時間作動させ(12〜22秒経
過時)、その後ブロア1の回転数を徐々に低くして(2
2〜30秒経過時)、低回転で再び所定時間作動させ
(30〜330秒経過時)、上記ブロア1の吸入モード
の内気循環から外気導入への切り替え、及び、デフ吹出
となるよう各吹出口ダンパ33a〜35aの切替を行う
(330〜336秒経過時)。そして、再びブロア1の
回転数を徐々に高めていき(336〜344秒経過
時)、高回転で所定時間作動させ(344〜354秒経
過時)、その後、徐々に停止するようにすればよい(3
54〜366秒経過時)。
【0049】そして、ステップS19において、上記内
外気切替アクチュエータ53を制御して、上記内外気切
替ダンパ31を元の位置に戻すようにし、ステップS2
0において、吹出口切替アクチュエータ56を制御して
各吹出口開閉ダンパ33a〜35aを元の位置に、つま
り、ステップS17における各吹出口ダンパ33a〜3
5aの切替前の位置に戻す。
【0050】そして、上記第2実施形態の場合、内気循
環でブロアを作動させて冷媒式熱交換器21に付着した
除湿水を車室41内の乾燥した空気により蒸発させる
と、車室41の空気の湿度が徐々に上昇するようにな
る。このため、例えばウインドウガラスが曇ったりする
が、ブロア1を設定時間作動させて冷媒式熱交換器21
を乾燥させた後は(図1の実線の矢印参照)、上記ブロ
ア1の吸入モードを外気導入に切り替えて車室内に比べ
乾燥した車外42の空気を取り入れるようにする(同図
の二点鎖線の矢印参照)。これにより、車室41の湿っ
た空気を強制的に車外に放出することができるようにな
り、車室41内の湿度の上昇を抑制することができる。
その結果、駐車中に上記冷媒式熱交換器21を乾燥させ
ることによるウインドウガラスの曇りを防止することが
でき、乗員が再度乗車した際にウインドウガラスの曇り
に起因して不快感を与えてしまうことを防止することが
できるようになる。
【0051】また、ブロア1の吸入モードを外気導入に
切り替えた後に、車室41の空気に比べ乾燥した外気を
デフ吹出口33bから窓に向けて吹き出すことにより、
ウインドウガラス近傍の湿った空気をこのウインドウガ
ラスの近傍から効果的に排除することができるようにな
る。これにより、駐車中に冷媒式熱交換器21を乾燥さ
せることに伴いウインドウガラスが結露して曇ってしま
うことをより一層効果的に防止することができるように
なる。さらに、外気導入に切り替えられた後に、上記ブ
ロア1を高回転で作動させることにより、外気温によっ
て冷やされたウインドウガラスが曇ってしまう前に車室
内の湿った空気を車外に放出することができるようにな
る。これにより、車室内の湿度の上昇を抑制して、駐車
中にウインドウガラスが曇ってしまうことをより一層確
実に防止することができるようになる。
【0052】<第3実施形態>図8は本発明の第3実施
形態に係る車両用空調装置の制御系を示し、このもの
は、上記第2実施形態とは異なり、エンジンコントロー
ルユニット52の代わりに降車判定手段としてのイグニ
ッションスイッチ57の検出信号が空調コントロールユ
ニット55に出力されるようになっている。
【0053】上記イグニッションスイッチ57は、一般
車両においてメインスイッチと一体に構成されているも
のであり、上記イグニッションスイッチ57におけるア
クセサリ(ACC)がオフ、つまり、メインスイッチが
オフのときに、乗員が降車したものと判断するように構
成されている。また、メインスイッチがオフであれば、
エンジンは停止されているため、上記イグニッションス
イッチ57は、降車判定手段及びエンジン停止検出手段
の双方を兼用している。
【0054】なお、上記車両用空調装置のその他の構成
は第2実施形態のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0055】つぎに、上記第3実施形態の車両用空調装
置による冷媒式熱交換器の乾燥制御について、図9に示
すフローチャートに従って説明する。
【0056】まず、ステップS31において、コンプレ
ッサークラッチ51a及び冷媒流通方向切替弁51bに
より上記冷媒式熱交換器21が現時点までに冷熱源モー
ドで作動されたか否かを判定する。そして、上記ステッ
プS31において、現時点までに冷熱源モードでの作動
が行われたならステップS32に進み、行われていない
ならばエンドにする。
【0057】次いで、ステップS32において、上記イ
グニッションスイッチ57により、メインスイッチがオ
フになっているか否かを検出するようにする。そして、
上記メインスイッチがオフであればステップS33に進
み、オフでなければオフになるまでこのステップS32
を繰り返すようにする。
【0058】そして、上記ステップS33において、上
記アクセサリスイッチがオフにされた後、第1設定時間
T1が経過するまで待機する。次いで、ステップS34
において、上記内外気切替アクチュエータ53により、
内外気切替ダンパ31を内気循環になるようにする。そ
して、ステップS35において、パワートランジスタ5
4によりモータ12を駆動してブロア1を第2設定時間
T2だけ作動させるようにする。次いで、ステップS3
6において、内外気切替アクチュエータ53により、内
外気切替ダンパ31を今度は外気導入に切り替え、ステ
ップS37において、吹出口切替アクチュエータ56に
よりデフ吹出になるよう各吹出口開閉ダンパ33a〜3
5aを切り替えるようにし、ステップS38において、
上記ブロア1を第3設定時間T3だけ作動させた後に上
記パワートランジスタ54により上記ブロア1を停止さ
せるようにする。
【0059】そして、ステップS39において、上記内
外気切替アクチュエータ53を制御して、上記内外気切
替ダンパ31を元の位置に戻すようにし、ステップS4
0において、吹出口切替アクチュエータ56を制御して
各吹出口開閉ダンパ33a〜35aを元の位置に戻す。
【0060】そして、上記第3実施形態の場合、イグニ
ッションスイッチ57により降車判定手段を構成するこ
とにより、例えば、給油中や、信号停車時のアイドリン
グストップのような、イグニッションスイッチ57をオ
フ位置ではなくてアクセサリ位置にしてエンジンは停止
されているもののラジオ等へ通電が行われているという
状況であれば、車室内に乗員がいると判断されてブロア
1が作動しないようになる。このため、より一層乗員が
いない場合にのみ上記ブロア1を作動させることができ
るようになり、車室内の湿度が上昇することに伴うウイ
ンドウガラスの曇り等の乗員に対する不快感をより一層
防止することができるようになる。
【0061】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
〜3実施形態に限定されるものではなく、その他種々の
実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜
3実施形態では、冷媒式熱交換器21としてドローンカ
ップ式のものを用いているが、これに限らず、例えばフ
ィンアンドチューブ式のものなどを用いてもよい。
【0062】上記第3実施形態では、降車判定手段とし
てイグニッションスイッチ57を用いているが、これに
限らず、例えば運転席に向けて照射する赤外線を用い
て、この運転席に乗員が着座しているか否か検出するよ
うにしてもよい。また、運転席その他のシートクッショ
ン内に重量センサを備え、このセンサの検出結果によ
り、乗員が降車したか否かを検出するようにしてもよ
い。
【0063】上記第3実施形態では、降車判定手段とし
てイグニッションスイッチ57を用いてメインスイッチ
がオフになれば乗員がいないと判断するようにしている
が、これに限らず、例えばイグニッションキーが抜かれ
ることにより乗員が降車したと判断するようにしてもよ
い。この場合、車両用空調装置における冷媒式熱交換器
の乾燥についてのフローチャートは、図10に示すよう
になり、ステップS52において、上記イグニッション
キーが抜かれたかを判定するようになる。そして、上記
イグニッションキーが抜かれればエンジンは確実に停止
しており、しかも、乗員が降車している可能性が極めて
高いため、乗員がいない場合にのみブロア1を作動させ
ることになる。その結果、乗員に対し不快感を与えるこ
とを防止することができるようになる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における車両用空調装置によれば、現時点までに上記
室内側熱交換器が冷熱源モードで作動されたことが検出
された状態でエンジンが停止すればブロアを作動させる
ことにより、その送風により上記室内側熱交換器を乾燥
させることができる。しかも、上記ブロアを内気循環で
作動させることにより、上記室内側熱交換器の冷熱源モ
ードでの作動により乾燥した車室内の空気を送風するた
め、上記室内側熱交換器を効果的に乾燥させることがで
きる。また、一般的な車両において既存の設備を利用す
ることにより、上記室内側熱交換器に付着した除湿水を
蒸発させてウインドウガラスの曇りを防止することがで
き、従来の車両用空調装置のように新たに蓄熱装置等を
備える必要はなく、コストの低減化を図ることができ
る。
【0065】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、エンジンが停止した
後、設定時間経過後にブロアを作動させることにより、
その設定時間の間に乗員が降車するため、上記ブロアが
作動するときには車室内には乗員がいない状態となり、
乗員を驚かせてしまうことや、ウインドウガラスの曇り
により乗員に対し不快感を与えてしまうことを防止する
ことができる。
【0066】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1または請求項2記載の発明による効果に加えて、ブロ
アの作動を初期に高回転で行う一方、後期には低回転で
行うように制御することにより、上記室内側熱交換器を
効果的に乾燥させることができる。
【0067】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
1〜請求項3記載のいずれかの発明による効果に加え
て、ブロアを設定時間作動させて室内側熱交換器を乾燥
させれた後は、上記ブロアの吸入モードを外気導入に切
り替えて車室内に比べ乾燥した車外の空気を取り入れる
ようにすることにより、車室内の湿った空気を強制的に
車外に放出することができる。このため、駐車後のブロ
ア制御により、上記室内側熱交換器の乾燥に加え、車室
内の湿度の上昇の抑制をも実現できる。その結果、乗員
が再度乗車した際にウインドウガラスの曇りに起因して
不快感を与えてしまうことを防止することができる。
【0068】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、ブロアの吸入モード
を外気導入にして、車室内の空気に比べ乾燥した外気を
窓に吹き出すことにより、ウインドウガラス近傍の湿っ
た空気をこのウインドウの近傍から効果的に排除するこ
とができる。これにより、駐車中に室内側熱交換器を乾
燥させることに伴うウインドウガラスの曇りをより一層
効果的に防止することができる。
【0069】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
4または請求項5記載の発明による効果に加えて、内気
循環のときには、ブロアの作動を初期に高回転で行う一
方、後期には低回転で行うように制御することにより、
上記室内側熱交換器を効果的に乾燥させることができ
る。そして、上記ブロアの吸入モードを外気導入にし多
後に、このブロアを高回転で作動させることにより、外
気温によって冷やされたウインドウガラスが曇ってしま
う前に車室内の湿った空気を車外に放出することができ
る。これにより、車室内の湿度の上昇を抑制して、駐車
中にウインドウガラスが曇ってしまうことをより一層確
実に防止することができる。
【0070】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
1〜請求項6記載のいずれかの発明による効果に加え
て、エンジンが停止され、しかも、降車判定手段により
乗員が降車したことを検出してはじめてブロアが作動さ
れることになり、このブロアの作動を車室内に乗員が確
実にいない状態で行うことができる。このため、上記ブ
ロアが作動することにより乗員を驚かせてしまったり、
上記ブロアの作動により車室内の湿度が上昇してウイン
ドウガラスが曇っても乗員に不快感を与えてしまったり
することを確実に防止することができる。
【0071】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
7記載の発明による効果に加えて、降車判定手段の具体
的な態様を特定することができ、メインスイッチにより
降車判定手段を構成することにより、乗員がいないこと
を確実に検出することが、でき乗員がいない場合にのみ
ブロアを作動させて乗員の不快感を防止することができ
る。
【0072】請求項9記載の発明によれば、上記請求項
7または請求項8記載の発明による効果に加えて、降車
判定手段の具体的な態様を特定することができ、イグニ
ッションキーが抜かれているときは乗員がいない状況で
ある確率が極めて高いため、イグニッションスイッチに
より降車判定手段を構成することにより、より一層乗員
がいない場合にのみブロアを作動させることができ、乗
員の不快感をより一層防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用空調装置を示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係る車両用空調装置の制御系を
示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る車両用空調装置の乾燥制御
を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係るブロアの作動制御を示す説
明図である。
【図5】第2実施形態に係る車両用空調装置の制御系を
示す図2対応図である。
【図6】第2実施形態に係る車両用空調装置の乾燥制御
を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係るブロアの作動制御を示す説
明図である。
【図8】第3実施形態に係る車両用空調装置の制御系を
示す図2対応図である。
【図9】第3実施形態に係る車両用空調装置の乾燥制御
を示すフローチャートである。
【図10】他の実施形態に係る車両用空調装置の乾燥制
御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ブロア 21 冷媒式熱交換器(室内側熱交換器) 51 冷熱源モード検出手段 52 エンジンコントロールユニット(エンジ
ン停止検出手段) 53 内外気切替アクチュエータ(内外気切替
手段) 55 空調コントロールユニット(空調制御手
段) 56 吹出口切替アクチュエータ(吹出口切替
手段) 57 イグニッションスイッチ(降車判定手
段) 33b デフ吹出口 34b フェイス吹出口 35b ヒート吹出口 51a コンプレッサスイッチ(冷熱源モード検
出手段) 51b 冷媒流通方向切替弁(冷熱源モード検出
手段)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源通過モードが冷熱源モードと温熱源
    モードとに相互に切替可能な室内側熱交換器と、車室内
    に空調風を送風するブロアと、上記室内側熱交換器の熱
    源通過モードが冷熱源モードであるか否かを検出する冷
    熱源モード検出手段と、エンジンが停止したか否かを検
    出するエンジン停止検出手段と、上記ブロアの吸入モー
    ドを内気循環と外気導入とに相互に切り替える内外気切
    替手段と、上記ブロアの作動及び内外気切替手段の切り
    替えを制御する空調制御手段とを備え、 上記空調制御手段は、上記冷熱源モード検出手段により
    上記室内側熱交換器の熱源通過モードが冷熱源モードで
    あると検出された状態で上記エンジン停止検出手段によ
    りエンジンの停止が検出されたとき、上記ブロアを作動
    させ、かつ、上記内外気切替手段を内気循環に切り替え
    るよう構成されていることを特徴とする車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 空調制御手段は、エンジン停止検出手段によりエンジン
    の停止が検出された時点から設定時間経過後にブロアを
    作動させるよう構成されていることを特徴とする車両用
    空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 空調制御手段は、ブロアを作動初期には高回転で作動さ
    せる一方、作動後期には低回転で作動させるよう構成さ
    れていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 空調制御手段は、ブロアが設定時間作動した後に内外気
    切替手段を内気循環から外気導入に切り替えるよう構成
    されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 ブロアにより送風される空調風を車室内に吹き出す複数
    の吹出口と、この複数の吹出口を開閉切替することによ
    り空調風の車室内への吹出口を切り替える吹出口切替手
    段とを備え、 空調制御手段は、内外気切替手段による外気導入への切
    り替えに伴い、空調風が窓に向けて吹き出されるよう上
    記吹出口切替手段を切り替えるように構成されているこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、 空調制御手段は、内外気切替手段を内気循環に切り替え
    たときには、ブロアの作動初期に上記ブロアを高回転で
    作動させ、かつ、その作動後期に上記ブロアを低回転で
    作動させる一方、内外気切替手段を外気導入へ切り替え
    たときには、上記ブロアを内気循環のときの作動後期よ
    りも高回転で作動させるよう構成されていることを特徴
    とする車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかにおい
    て、 乗員が降車したか否かを判定する降車判定手段を備え、
    空調制御手段は、ブロアの作動を上記降車判定手段によ
    り乗員の降車が検出されたとき実行するように構成され
    ていることを特徴とする車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 降車判定手段は、メインスイッチにより構成され、この
    メインスイッチがオフであれば乗員が降車していると判
    定するよう構成されていることを特徴とする車両用空調
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8において、 降車判定手段は、イグニッションキーが抜かれることに
    よりオフとなるイグニッションスイッチにより構成さ
    れ、このイグニッションスイッチがオフであれば乗員が
    降車していると判定するよう構成されていることを特徴
    とする車両用空調装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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