JPH11298081A - 往復型増幅器 - Google Patents
往復型増幅器Info
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- JPH11298081A JPH11298081A JP9602198A JP9602198A JPH11298081A JP H11298081 A JPH11298081 A JP H11298081A JP 9602198 A JP9602198 A JP 9602198A JP 9602198 A JP9602198 A JP 9602198A JP H11298081 A JPH11298081 A JP H11298081A
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Abstract
でも高い増幅効率を保つとともに、固体レーザロッド内
で発生熱による波面収差を発生しても高パワーのレーザ
光を得る。 【解決手段】 偏光子4と、2本の固体レーザロッド2
と、2本の固体レーザロッド2の間に設けられた凹面レ
ンズ5と、2本の固体レーザロッド2の間に設けられた
90°旋光子6と、固体レーザロッド光軸上に設けられ
た波面変換手段11と、波面変換手段11と固体レーザ
ロッド2の間に設けられた波面形状測定手段21と、波
面変換手段11と固体レーザロッド2の間に設けられた
1/4波長板7と、波面形状測定手段21からのデータ
信号26から波面変換手段11を制御するフィードバッ
ク手段31とを備える。
Description
ドを用いた往復型増幅器の構成に関し、特に、固体レー
ザロッドの励起出力が変化した場合でも高効率で増幅
し、高ビーム品質で高パワーのレーザ光を得るための往
復型増幅器の構成方法に関する。
は、レーザ発振器から出射されたレーザ光を固体レーザ
ロッドに入射させ光出力の増幅を行い、その後、反射手
段によりレーザ光を折り返し、再び固体レーザロッドを
用いて光出力の増幅を行い光出力を得るものである。こ
のため、レーザ発振器からのレーザ光及び反射手段から
の折り返されたレーザ光をいかに効率良く固体レーザロ
ッドに入射させるか、及び固体レーザロッドとレーザ光
のビームオーバーラップをいかに大きく取るかが増幅器
の効率に影響を与える。
た固体レーザロッドを励起する際、固体レーザロッドは
励起による発生熱が生じるため、固体レーザロッド側面
部から冷却媒質により冷却される。このため、固体レー
ザロッド横断面内で熱分布が生じるため、温度差による
屈折率の分布が生じ、特に、固体レーザ媒質がNd(ネ
オジウム)原子が印加されたY3 Al5 O12(イットリ
ウム・アルミニウム・ガーネット)結晶(以下、Nd:
YAGという場合もある)のように等方性媒質の場合、
固体レーザロッドがレーザ光に対し凸レンズ的な働き
(以下、熱レンズという場合もある)をする。
のレーザ光が固体レーザロッドで増幅されたレーザ光は
収束光線となるため、反射手段により反射され再び固体
レーザロッドに入射するレーザ光は、固体レーザロッド
とのビームオーバーラップが減少する。このため、固体
レーザロッドで増幅されたレーザ光を凹レンズ及び凸面
鏡等の補償光学系で補償し、レーザ光径及び広がり角を
もとに戻し、再び固体レーザロッドで増幅させる方法が
用いられている。
の補償は、固体レーザロッドのある熱レンズ値に対し定
められたものであり、固体レーザロッドの励起出力が変
化することで熱レンズ値が変化した場合、最適な補償状
態からはずれる。このため、固体レーザロッドの励起出
力は常に一定にすることが求められる。
r,“Solid−State Laser Engi
neering”,4th Ed. Springer
Series in Optical Scienc
ed Vol.1 p.599に示された往復型増幅器
の構成である。図7において、101は往復型増幅器、
102は固体レーザロッド、104は偏光子、103は
偏光子104で透過する方向の直線偏光光、105は凹
面レンズ、106は90°旋光子、107は1/4波長
板、108は出力光、109は全反射鏡である。
向の直線偏光光であるレーザ光は、偏光子104を透過
し、固体レーザロッド102を通過することで、レーザ
光の光強度の増幅が行われる。ここで、固体レーザロッ
ド102は、励起による発生熱により熱レンズとして作
用する。図7の場合、固体レーザロッドにNd:YAG
が持ちいられているため、熱レンズは凸レンズとして働
く。このため、2本の固体レーザロッド102の熱レン
ズ効果を補償するために、2本の固体レーザロッド10
2間に凹面レンズ105を配置している。これにより、
2本の固体レーザロッド102を通過したレーザ光は、
平行光線となる。また、固体レーザロッドでは熱複レン
ズが発生するため、2本の固体レーザロッド102の間
に偏光回転手段として90°旋光子106を配置し、熱
複レンズを補償している。増幅器を通過した往路のレー
ザ光は、全反射鏡109により再び戻され、復路のレー
ザ光となる。ここで、固体レーザロッド102と全反射
鏡109の間に偏光回転手段として1/4波長板107
を配置することで、復路のレーザ光偏光方向は、往路の
レーザ光偏光方向と比較して90°回転した直線偏光と
なる。上記レーザ光は、固体レーザロッド102で復路
でも増幅された後、偏光子104によって反射され、出
力光108となる。
熱の発生がある。固体レーザロッドは、一般に側面から
冷却が行われるため、固体レーザロッド横断面の中心部
分で温度が高く、側面では温度が低くなる。これにとも
なって、温度に依存した固体レーザ媒質の屈折率分布が
生じる。図7の例では、固体レーザロッドの媒質にN
d:YAGが用いられているため、高温度では屈折率が
高く、低温度では屈折率が低くなる。従って、固体レー
ザロッドはレーザ光に対し、凸レンズ的な働きをする熱
レンズ効果を持つ。但し、固体レーザロッド断面内にお
ける熱の発生が一様でない場合、理想的な球面凸レンズ
にはならず、3次以上の波面収差を持つ凸レンズとして
働く。
復型増幅器においては、 (1)固体レーザロッドの励起出力が変化した場合、固
体レーザロッドの持つ熱レンズ値が変化し、凹面レンズ
によるビーム径の補償が最適な状態からはずれ、増幅効
率が低下する。 (2)固体レーザロッド内で発生熱による波面収差を発
生しやすいため、レーザ光は球面レンズ及び球面鏡で補
償できない成分が存在する。このため、補償できない成
分のレーザ光は散逸し、レーザ出力及び増幅効率の低下
を招く。などの課題があった。
ためになされたもので、固体レーザロッドの励起出力が
変化した場合でも、自動的に常に最適なレーザ光径及び
広がり角を確保し、高いレーザ光増幅率を提供するもの
である。
幅器は、以下の要素を有することを特徴とする。 (a)光を往路と復路で増幅する増幅手段、(b)上記
増幅手段から出射される往路光の波面を変換して復路光
として上記増幅手段に反射する波面変換手段、(c)上
記増幅手段と波面変換手段との間に、上記往路光と復路
光との波面の形状を測定する波面形状測定手段と、
(d)上記波面形状測定手段による測定結果に基づいて
上記波面変換手段による波面の変換を制御するフィード
バック手段とを備えた往復型増幅器。
分布が略均一である固体レーザ媒質を備えたことを特徴
とする。
可能な移動台と、上記移動台上に設けられた凹面レンズ
と、凹面全反射鏡を備えたことを特徴とする。
施されたビームサンプラーと、往路光が上記ビームサン
プラーで反射される方向に設けられた第1のカメラと、
復路光が上記ビームサンプラーで反射される方向に設け
られた第2のカメラを備え、フィードバック手段は、第
1のカメラと第2のカメラで得られた往路光と復路光の
径を比較する光径比較手段と、上記波面変換手段の移動
台を移動するサーボ機構を備えたことを特徴とする。
施されたビームサンプラーと、往路光が上記ビームサン
プラーで反射される方向に設けられたカメラと、復路光
が上記ビームサンプラーで反射される方向に設けられた
全反射鏡を備え、フィードバック手段は、カメラで得ら
れた往路光と復路光の形状を判断する光形状判断手段
と、上記波面変換手段の移動台を移動するサーボ機構を
備えたことを特徴とする。
施されたビームサンプラーと、往路光が上記ビームサン
プラーで反射される方向に設けられたカメラと、復路光
が上記ビームサンプラーで反射される方向に対し垂直な
方向からわずかに傾斜して設けられた全反射鏡を備え、
フィードバック手段は、カメラで得られた往路光と復路
光の径を比較するレーザ光径比較手段と、上記波面変換
手段の移動台に設けられたサーボ機構を備えたことを特
徴とする。
いて説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の一実施の形態による
固体レーザロッド往復型増幅器の構成例である。図1
(B)は、図1(A)中のB部分の拡大図である。図1
において、1は往復型増幅器、2は固体レーザロッド、
3は偏光子4で反射する方向のレーザ光である入力光、
4は偏光子、5は凹面鏡、6は90°旋光子、7は1/
4波長板、8は出力光、11は波面変換手段、12は凹
面レンズ、13は移動台、14は凹面鏡、21は波面形
状測定手段、22はビームサンプラー、22−1はビー
ムサンプラー第1面、22−2はビームサンプラー第2
面、23−1は焦点距離fの凸面レンズ、23−2は焦
点距離fの凸面レンズ、24−1はCCDカメラ、24
−2はCCDカメラ、25−1は観測光、25−2は観
測光、26−1はデータ信号、26−2はデータ信号、
31はフィードバック手段、32はレーザ光径比較手
段、33はサーボ機構、34は制御信号である。
4で反射する方向の直線偏光光の入力光3は、偏光子4
に入射することにより進行方向が曲げられ、固体レーザ
ロッド2を通過し、光出力の増幅が行われる。固体レー
ザロッド2は、光出力による固体レーザロッドの励起が
固体レーザロッド横断方向において均一であることを特
徴とする。固体レーザロッドは、等方性媒質であること
を特徴とする。例えば、一般にYAGと呼ばれるY3 A
l5 O12であってもよい。等方性媒質には遷移金属が印
加されており、Ndであってもよい。均一励起された固
体レーザロッドでは、熱の発生がロッド横断面の場所に
よらず一定となる。しかし、一般に、固体レーザロッド
の冷却は固体レーザロッドの側面から行われるため、固
体レーザロッド横断方向の熱の分布は2乗分布となる。
等方性媒質の屈折率は熱に比例するため、固体レーザロ
ッド横断方向の屈折率分布も2乗分布となる。例えば、
YAGの場合、高温度の時、高屈折率となるため、固体
レーザロッドは入射レーザ光に対し、凸レンズとして作
用する。この結果、固体レーザロッド2を通過したレー
ザ光は、光出力が増幅されるとともに、球面凸レンズを
通過させた場合と同じく、レンズ効果によって収束光と
なる。従って、この収束光は、負の焦点距離を持つ球面
の凹面レンズ5により補償が可能である。
光出力の増幅が行われる。このとき、固体レーザロッド
では、熱複レンズのため光出力の減少が見られる。この
ため、2本の固体レーザロッド2の間に偏光回転手段と
して90°旋光子6を配置し、レーザ光の偏光方向を9
0°回転させることで熱複レンズを補償している。この
とき、2本の固体レーザロッド2において、固体レーザ
ロッドでの発生熱が等しい必要があるため、励起出力の
等しい2本の固体レーザロッド2を用いている。
の凹面レンズ12と、固体レーザロッドと略同軸に移動
可能な凹面レンズ12をのせた移動台13と、1枚の凹
面全反射鏡14により構成される。一般に、波面とは、
進行する光のある時刻に同じ状態にある点を結んだ面、
即ち、同一位相にある面をいう。波面を等位相面ともい
う。波面変換手段11に入射するレーザ光が収束光又は
拡散光となった場合でも、凹面レンズ12のせた移動台
13を固体レーザロッドと略同軸に移動させることで、
ビーム径が一定で、かつ、平行光線とすることができ
る。図1の例においては、凹面レンズ5及び凹面全反射
鏡14を用いているため、往復型増幅器内でレーザ光は
焦点を持たない。このため、例えば、Q−Switch
を用い、レーザ光が短パルス高エネルギーとなった場合
でも、高エネルギーによる放電現象が起こりにくい。
凹面レンズ5により、固体レーザロッドの熱レンズは補
償されるが、固定された1枚の凹面レンズにおいて補償
可能なのは、固体レーザロッドがある熱レンズ値を示し
たときのみである。従って、固体レーザロッドの持つ熱
レンズ値が増減するに従い、2本の固体レーザロッド2
を通過したレーザ光は、収束光又は拡散光となる。上記
レーザ光は、波面変換手段11で反射され復路レーザ光
となるが、復路においても2本の固体レーザロッド2に
おいて、最大のビームオーバーラップを得るために、凹
面レンズ12をのせた移動台13の位置を固体レーザロ
ッドと略同軸に移動させることで、往路と復路のレーザ
光径を一致させることができる。
の間に偏光回転手段として、1/4波長板7を配置する
ことで、復路のレーザ光の直線偏光方向を往路のレーザ
光の直線偏光方向に対し90°回転させている。これに
よって、往路レーザ光は偏光子4で反射したのに対し、
復路レーザ光は偏光子4で透過する。偏光子4の透過出
力が本構成増幅器のレーザ出力光8となる。別の構成例
として、偏光子4への入射レーザ光偏光方向が偏光子4
に対して透過し、復路レーザ光偏光方向が往路レーザ光
偏光方向に90°直交することから偏光子4で反射する
成分を出力光としてもよい。
ー22、凸面レンズ23−1,23−2、CCDカメラ
24−1,24−2、往路レーザ光の観測光25−1、
復路レーザ光の観測光25−2、CCDカメラ24−1
のデータ信号26−1、CCDカメラ24−2のデータ
信号26−2により構成される。ビームサンプラー22
は、無反射コートが施されており、固体レーザロッド2
と波面変換手段11の間に固体レーザロッドと略同軸に
対し角度をつけて配置される。均一励起ロッド構成を持
つ固体レーザロッド2からの往路レーザ光は、無反射コ
ートが施されたビームサンプラー第1面22−1によっ
て極微量反射される。ここで、レーザ光径と比較して十
分に大きい開口を持ち、焦点距離がfの凸面レンズ23
−1をビームサンプラー22から距離2fの位置に配置
する。また、凸面レンズ23−1から距離2fの位置に
CCDカメラ24−1を配置する。これによって、ビー
ムサンプラー第1面22−1におけるレーザ光の像がC
CDカメラ24−1上に転写される。従って、CCDカ
メラ24−1では、ビームサンプラー第1面22−1で
のレーザ光をビームサンプラー第1面22−1で反射し
たレーザ光伝搬方向と垂直な方向に投影した像が得られ
る。波面変換手段11で反射された復路レーザ光は、ビ
ームサンプラー第2面22−2で反射される。復路でも
往路と同様に、ビームサンプラー22ら距離2fの位置
に焦点距離fの凸面レンズ23−2を配置し、更に、凸
面レンズ23−2から距離2fの位置にCCDカメラ2
4−2を配置することにより、ビームサンプラー第2面
22−2における像をCCDカメラ24−2に転写する
ことができる。これによって、往路及び復路レーザ光の
径及び波面をCCDカメラ24−1,24−2で取り込
むことができ、データ信号26−1,26−2として出
力することができる。
に伝搬するレーザ光の1例を示す。このとき、固体レー
ザロッドの熱レンズ効果を凹面レンズ5及び波面変換手
段11で補償しており、復路レーザ光は往路レーザ光を
折り返した伝搬をする。ここで、固体レーザロッドの熱
レンズ効果が強くなった場合の光の伝搬を図2(B)に
示す。ビームサンプラー第1面22−1における往路レ
ーザ光径より、ビームサンプラー第2面22−2の復路
レーザ光径の方が小さくなる。波面変換手段11の凹面
レンズ12をのせた移動台13を固体レーザロッドと略
同軸で凹面全反射鏡14側に移動させることで、往路と
復路のレーザ光の伝搬を一致させることができる。この
ときのレーザ光の伝番を図2(C)に示す。このとき、
ビームサンプラー第1面22−1とビームサンプラー第
2面22−2のレーザ光径は再び等しくなる。従って、
CCDカメラ24−1,24−2で受光したビームサン
プラー22におけるレーザ光径が、往路と復路で一致す
るまで凹面レンズ12をのせた移動台13を凹面全反射
鏡14側に移動させることにより、往路と復路のレーザ
光の伝搬を一致させることができる。
ザ光の別の例を図3に示す。凹面レンズ5及び波面変換
手段11によって、固体レーザロッドの熱レンズ効果を
補償した場合のレーザ光の伝搬を図3(A)に示す。固
体レーザロッドのレンズ効果が弱くなった場合のレーザ
光の伝搬を図3(B)に示す。ビームサンプラー第1面
22−1における往路レーザ光径より、ビームサンプラ
ー第2面22−2の復路レーザ光径の方が大きくなる。
従って、波面変換手段11の凹面レンズ12をのせた移
動台13をCCDカメラ24−1とCCDカメラ24−
2で観測されるレーザ光径が一致するまで、固体レーザ
ロッド2側に移動させることで往路と復路のレーザ光の
伝搬を一致させることができる。このときのレーザ光の
伝番を図3(C)に示す。この結果、固体レーザロッド
2を通過するレーザ光径は常に一定に保たれ、高い増幅
効率を保つことができる。凹面レンズ12は、複数枚の
凹面レンズ及び凸面レンズであってもよい。また、凹面
全反射鏡14は、平面全反射鏡及び凸面全反射鏡であっ
てもよい。移動台は微動台であってもよい。
較手段32と凹面レンズ12を乗せた移動台13を固体
レーザロッドと略同軸に移動させることができるサーボ
機構33と、サーボ機構33を制御する制御信号とによ
り構成される。レーザ光径比較手段32は、波面形状測
定手段21により得られたCCDカメラ24−1の往路
レーザ光径に比べて、CCDカメラ24−2の復路レー
ザ光径が大きい場合には、凹面レンズ12をのせた移動
台13が固体レーザロッドと略同軸で凹面全反射鏡14
側に移動するように、サーボ機構33に制御信号34を
送り、CCDカメラ24−1の往路レーザ光径に比べ
て、CCDカメラ24−2の復路レーザ光径が小さい場
合には、凹面レンズ12をのせた移動台13が固体レー
ザロッドと略同軸で固体レーザロッド2側に移動するよ
うに、サーボ機構33に制御信号34を送るものであ
る。サーボ機構33は、制御信号34により移動台13
を固体レーザロッドと略同軸に移動させるものである。
サーボ機構33は、微動ステージの電動モータと電動モ
ータ制御機構であってもよい。
ザロッドを用い、波面収差の発生をなくすことにより、
固体レーザロッドの熱レンズを球面レンズ及び球面反射
鏡のみで補償できる。このため、レーザ光出力の散逸が
きわめて小さい。また、励起出力が変化することで、固
体レーザロッドの熱レンズ値が変化した場合でも、波面
変換手段により、レーザ光径を一定にすることができ
る。更に、波面形状測定手段、フィードバック手段によ
り、励起出力が変化することで固体レーザロッドの熱レ
ンズ値が変化した場合に、自動的に最適なレーザ光径と
なるように波面変換手段を操作することができる。この
ため、励起出力によらず、常に高いレーザ光増幅効率が
得られ、高ビーム品質で高パワーのレーザ光が得られ
る。
段を、無反射コートが施されたビームサンプラーと、固
体レーザロッドからのレーザ光がビームサンプラーで反
射される方向でビームサンプラーから距離fの位置に設
けられた焦点距離2fの凸面鏡と、固体レーザロッドか
らのレーザ光がビームサンプラーで反射される方向で凸
面レンズから距離2fの位置に設けられたCCDカメラ
と、波面変換手段からのレーザ光がビームサンプラーで
反射される方向でビームサンプラーから距離2fの位置
に設けられた焦点距離fの凸面鏡と、波面変換手段から
のレーザ光がビームサンプラーで反射される方向で凸面
レンズから距離2fの位置に設けられたCCDカメラを
備え、フィードバック手段を、レーザ光径比較手段と、
波面変換手段の移動台に設けられたサーボ機構を備える
ように構成したので、構成を簡略化できる効果がある。
形態2による往復型増幅器構成を示すものである。固体
レーザロッド2と波面変換手段11の間に波面形状測定
手段21が配置される。波面形状測定手段21は、固体
レーザロッド2と波面変換手段11の間に無反射コート
が施され、固体レーザロッドと略同軸に対し角度をつけ
て配置されたビームサンプラー22、ビームサンプラー
22から距離2fの位置に配置された焦点距離fの凸面
レンズ23−1,23−2、凸面レンズ23−1から距
離2fの位置に配置されたCCDカメラ24、凸面レン
ズ23−2から距離2fの位置で、ビームサンプラー第
2面22−2で反射されたレーザ光に対し、垂直に配置
された全反射鏡27により構成される。また、フィード
バック手段31は、レーザ光形状判断手段35と、サー
ボ機構33と、制御信号34とにより構成される。
往路レーザ光は、ビームサンプラー第1面22−1で極
微量の反射され、凸面レンズ23−1によりビームサン
プラー第1面22−1のレーザ光形状がCCDカメラ2
4に転写される。また、波面変換手段11で反射された
復路レーザ光は、ビームサンプラー第2面22−2で極
微量反射され、凸面レンズ23−2によりビームサンプ
ラー第2面22−2のレーザ光形状が全反射鏡27上に
転写される。更に、全反射鏡で折り返され、再びビーム
サンプラー第2面22−2上に転写され、ビームサンプ
ラー第1面22−1を通過した後、CCDカメラ24に
転写される。従って、CCDカメラ24には、ビームサ
ンプラー第1面22−1上の往路レーザ光及びビームサ
ンプラー第2面22−2上の復路レーザ光が共に転写さ
れることとなる。
光形状判断手段35は、CCDカメラ24で受光したデ
ータ信号26をもとに判断を行い、サーボ機構33に制
御信号34を送る。図5に、ビームサンプラー第1面2
2−1及びビームサンプラー第2面22−2上でのレー
ザ光強度分布とCCDカメラ24で受光した観測光25
の強度分布を示す。レーザ光は軸対称な円形光のため、
CCD面上のある1軸の強度分布についてのみを示して
いる。一般に、レーザ光径は、レーザ光横断方向の強度
分布において、強度のピークに対し、1/e2 の強度を
持つ範囲である。図5中の矢印は、レーザ光径を示す。
レーザ光が回折限界のレーザ光の場合、レーザ光横断方
向の強度分布は、ガウシアン型となる。CCDカメラ2
4で受光される2つのレーザ光の重ね合わせは、等しい
ビーム径の場合、強度分布はガウシアン型となる。図5
(A1)に、ビームサンプラー第1面22−1上でのレ
ーザ光強度分布を、図5(A2)に、ビームサンプラー
第2面22−2上でのレーザ光強度分布を、図5(A
3)に、CCDカメラ24で受光される観測光25の強
度分布を示す。図5(A3)は、図5(A1)と図5
(A2)の重ね合わせの強度分布を示すため、図5(A
1)及び図5(A2)が共に等しいレーザ光径の場合、
ガウシアン型となり、レーザ光径も図5(A1)及び図
5(A2)と等しくなる。ビームサンプラー第1面22
−1上でのレーザ光径より、ビームサンプラー第2面2
2−2上でのレーザ光径が小さくなった場合の、ビーム
サンプラー第1面22−1上でのレーザ光強度分布を図
5(B1)に、ビームサンプラー第2面22−2上での
レーザ光強度分布を図5(B2)に、CCDカメラ24
で受光される観測光25の強度分布を図5(B3)示
す。このとき、図5(B1)及び図5(B2)のレーザ
光の重ね合わせた図5(B3)の強度分布は、ガウシア
ン型からはずれ、かつ、重ね合わせのレーザ光径は図5
(B1)のガウシアン型のレーザ光径より小さくなる。
ビームサンプラー第1面22−1上でのレーザ光径よ
り、ビームサンプラー第2面22−2上でのレーザ光径
が大きくなった場合の、ビームサンプラー第1面22−
1上でのレーザ光強度分布を図5(C1)に、ビームサ
ンプラー第2面22−2上でのレーザ光強度分布を図5
(C2)に、CCDカメラ24で受光される観測光25
の強度分布を図5(C3)示す。このとき、図5(C
1)及び図5(C2)のレーザ光の重ね合わせた図5
(C3)の強度分布はガウシアン型からはずれ、かつ、
重ね合わせのレーザ光径は図5(C1)のガウシアン型
のレーザ光径より大きくなる。このため、2つのレーザ
光径を等しくするためには、重ね合わせのレーザ光強度
分布がガウシアン型であればよい。レーザ光強度分布が
ガウシアン型からはずれ、かつ、レーザ光径が小さくな
った場合、ビームサンプラー第1面22−1上の往路レ
ーザ光径よりビームサンプラー第2面22−2上の復路
レーザ光径が小さくなる。このとき、凹面レンズ12を
のせた移動台13を固体レーザロッドと略同軸に凹面全
反射鏡14側に移動させることで、2つのレーザ光径を
等しくすることができる。また、レーザ光強度分布がガ
ウシアン型からはずれ、かつ、レーザ光径が大きくなっ
た場合、ビームサンプラー第1面22−1上の往路レー
ザ光径より、ビームサンプラー第2面22−2上の復路
レーザ光径が大きくなる。このとき、凹面レンズ12を
のせた移動台13を固体レーザロッドと略同軸に固体レ
ーザロッド2側に移動させることで、2つのレーザ光径
を等しくすることができる。以上のように、固体レーザ
ロッドと略同軸に移動させることのできる凹面レンズ1
2をのせた移動台13を凹面全反射鏡14側か、或い
は、固体レーザロッド2側のどちらに移動させるべきか
を判断したレーザ光形状判断手段35は、サーボ機構3
3に制御信号34を送り、サーボ機構33は、凹面レン
ズ12をのせた移動台13を固体レーザロッドと略同軸
に移動させる。
段を、無反射コートが施されたビームサンプラーと、固
体レーザロッドからのレーザ光がビームサンプラーで反
射される方向でビームサンプラーから距離2fの位置に
設けられた焦点距離fの凸面鏡と、固体レーザロッドか
らのレーザ光がビームサンプラーで反射される方向で凸
面レンズから距離2fの位置に設けられたCCDカメラ
と、波面変換手段からのレーザ光がビームサンプラーで
反射される方向でビームサンプラーから距離2fの位置
に設けられた焦点距離2fの凸面鏡と、波面変換手段か
らのレーザ光がビームサンプラーで反射される方向で凸
面レンズから距離fの位置に設けられた全反射鏡を備
え、フィードバック手段を、レーザ光形状判断手段と、
波面変換手段の移動台に設けられたサーボ機構を備える
ように構成したので、構成を簡略化できる効果がある。
態2の波面形状測定手段21において、全反射鏡27を
ビームサンプラー第2面22−2で反射されたレーザ光
に対し、垂直な方向から極わずかに回転させて配置して
もよい。レーザ光の半径をr、凸面レンズ23−2の焦
点距離をfとしたとき、回転角θは、θ=tan-1(r
/4f)程度が望ましい。この場合、ビームサンプラー
第1面22−1で反射された往路レーザ光とビームサン
プラー第2面22−2で反射された復路レーザ光は、C
CDカメラ24上で分離される。大きさが有限のCCD
カメラ受光素子上に2つのレーザ光を受光するため、ビ
ームサンプラー第1面22−1で反射された往路レーザ
光の観測光25−1とビームサンプラー第2面22−2
で反射された復路レーザ光の観測光25−2は、CCD
カメラ上で隣接していることが望ましい。例えば、ビー
ムサンプラー22上で往路レーザ光及び復路レーザ光の
半径が1.5mmで、ビームサンプラー22からCCD
カメラ24及びビームサンプラー22から全反射鏡27
までの距離が0.3mの時、全反射鏡27をビームサン
プラー第2面22−2で反射されたレーザ光に対し、垂
直な方向から5mrad回転して配置した場合、CCD
カメラ上では2つのレーザ光は隣接して受光される。こ
のように、1つのCCDカメラ24上に2つのレーザ光
を受光し、レーザ光径比較手段36により2つのレーザ
光径を判断してもよい。2つのレーザ光径が異なった場
合は、凹面レンズ12をのせた移動台13をサーボ機構
33により固体レーザロッドと略同軸に移動さて、再び
等しいレーザ光径とすることができる。これによって、
増幅器内でのレーザ光の伝搬は、固体レーザロッドの励
起出力が変化し、固体レーザロッドの熱レンズ値が変化
した場合でも、常に復路レーザ光が往路レーザ光を折り
返した伝搬となるため、常に高い増幅率を持つ光パワー
のレーザ出力光8が得られる。
段を、ビームサンプラーから距離4fの位置に、波面変
換手段からのレーザ光がビームサンプラーで反射される
方向に対し、垂直な方向からわずかに傾斜して設けられ
た全反射鏡を備え、フィードバック手段を、ビーム径比
較手段と波面変換手段の移動台に設けられたサーボ機構
を備えるように構成したので、構成を簡略化できる効果
がある。
固体レーザ媒質として固体レーザロッド断面における励
起分布が略均一である固体レーザロッドを用いると共
に、反射手段として波面変換手段を具備し、上記固体レ
ーザロッドと上記波面変換手段の間に波面形状測定手段
を配置し、上記波面形状測定手段からのデータ信号から
上記波面変換手段を制御するフィードバック手段を備え
るように構成したので、固体レーザロッドの熱レンズ値
が変化した場合でも、高効率で増幅し高パワーのレーザ
光を得ることができる効果がある。
により波面変換手段を提供することができる。
により波面形状測定手段を提供することができる。
の構成図である。
合の往復型増幅器内のレーザ光伝搬を示す模式図であ
る。
合の往復型増幅器内のレーザ光伝搬を模式的に示した図
である。
の構成図である。
メラで受光される観測光の強度分布を模式的に示した図
である。
の構成図である。
ッド、3,103 入力光、4,104 偏光子、5,
105 凹面レンズ、6,106 90°旋光子、7,
107 1/4波長板、8,108 出力光、11 波
面変換手段、12 凹面レンズ、13 移動台、14
凹面全反射鏡、21 波面形状測定手段、22 ビーム
サンプラー、22−1 ビームサンプラー第1面、22
−2 ビームサンプラー第2面、23−1,23−2
凸面レンズ、24,24−1,24−2 CCDカメ
ラ、25,25−1,25−2 観測光、26,26−
1,26−2 データ信号、27,109 全反射鏡、
31 フィードバック手段、32,36 レーザ光径比
較手段、33 サーボ機構、34 制御信号、35レー
ザ光形状判断手段。
Claims (6)
- 【請求項1】 以下の要素を有する往復型増幅器(a)
光を往路と復路で増幅する増幅手段、(b)上記増幅手
段から出射される往路光の波面を変換して復路光として
上記増幅手段に反射する波面変換手段、(c)上記増幅
手段と波面変換手段との間に、上記往路光と復路光との
波面の形状を測定する波面形状測定手段と、(d)上記
波面形状測定手段による測定結果に基づいて上記波面変
換手段による波面の変換を制御するフィードバック手段
とを備えた往復型増幅器。 - 【請求項2】 上記増幅手段は、光軸の断面における励
起分布が略均一である固体レーザ媒質を備えたことを特
徴とする請求項1記載の往復型増幅器。 - 【請求項3】 上記波面変換手段は、光軸と略同軸に移
動可能な移動台と、上記移動台上に設けられた凹面レン
ズと、凹面全反射鏡を備えたことを特徴とする請求項1
記載の往復型増幅器。 - 【請求項4】 上記波面形状測定手段は、無反射コート
が施されたビームサンプラーと、往路光が上記ビームサ
ンプラーで反射される方向に設けられた第1のカメラ
と、復路光が上記ビームサンプラーで反射される方向に
設けられた第2のカメラを備え、 フィードバック手段は、第1のカメラと第2のカメラで
得られた往路光と復路光の径を比較する光径比較手段
と、上記波面変換手段の移動台を移動するサーボ機構を
備えたことを特徴とする請求項3記載の往復型増幅器。 - 【請求項5】 上記波面形状測定手段は、無反射コート
が施されたビームサンプラーと、往路光が上記ビームサ
ンプラーで反射される方向に設けられたカメラと、復路
光が上記ビームサンプラーで反射される方向に設けられ
た全反射鏡を備え、 フィードバック手段は、カメラで得られた往路光と復路
光の形状を判断する光形状判断手段と、上記波面変換手
段の移動台を移動するサーボ機構を備えたことを特徴と
する請求項3記載の往復型増幅器。 - 【請求項6】 上記波面形状測定手段は、無反射コート
が施されたビームサンプラーと、往路光が上記ビームサ
ンプラーで反射される方向に設けられたカメラと、復路
光が上記ビームサンプラーで反射される方向に対し垂直
な方向からわずかに傾斜して設けられた全反射鏡を備
え、 フィードバック手段は、カメラで得られた往路光と復路
光の径を比較するレーザ光径比較手段と、上記波面変換
手段の移動台に設けられたサーボ機構を備えたことを特
徴とする請求項5記載の往復型増幅器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9602198A JP3519596B2 (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 往復型増幅器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9602198A JP3519596B2 (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 往復型増幅器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11298081A true JPH11298081A (ja) | 1999-10-29 |
JP3519596B2 JP3519596B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=14153644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9602198A Expired - Fee Related JP3519596B2 (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 往復型増幅器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3519596B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007214289A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Hamamatsu Photonics Kk | レーザ装置 |
JP2018056146A (ja) * | 2015-02-06 | 2018-04-05 | スペクトロニクス株式会社 | レーザ光源装置及びレーザパルス光生成方法 |
-
1998
- 1998-04-08 JP JP9602198A patent/JP3519596B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007214289A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Hamamatsu Photonics Kk | レーザ装置 |
JP2018056146A (ja) * | 2015-02-06 | 2018-04-05 | スペクトロニクス株式会社 | レーザ光源装置及びレーザパルス光生成方法 |
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JP3519596B2 (ja) | 2004-04-19 |
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