JPH11296566A - Cadシステム装置およびcadによる製品設計方法 - Google Patents

Cadシステム装置およびcadによる製品設計方法

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JPH11296566A
JPH11296566A JP10097290A JP9729098A JPH11296566A JP H11296566 A JPH11296566 A JP H11296566A JP 10097290 A JP10097290 A JP 10097290A JP 9729098 A JP9729098 A JP 9729098A JP H11296566 A JPH11296566 A JP H11296566A
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JP
Japan
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shape
knowledge base
data
constraint rule
cad
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JP10097290A
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Kenji Tamaoki
研二 玉置
Hideaki Onozuka
英明 小野塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CADシステムにより、部品を設計するにあた
り、部品を形状要素に分解して定義し、その形状要素ご
とに、形状修正を自動的におこなって、多様な部品を効
率的に設計することのできるようにする。 【解決手段】部品の形状を、形状要素の組み合わせによ
って定義して、知識ベースには、形状要素に対する形状
制約ルールを記載し、複数の知識ベースから適用する知
識ベースを選択して、選択された形状要素に関連する形
状要素を検索して、検索された形状制約ルールと、現在
の形状要素のデータとを照合して形状検査をおこなっ
て、その形状制約ルールに違反している場合には、自動
的にその形状要素のデータを修正する。また、製造性に
関する知識ベースのときには、金型とその加工のときの
条件を、形状要素の修正にフィードバックする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CADシステム装
置およびCADによる製品設計方法に係り、適用機能ご
とに分けられた複数の知識ベースを持ち、その知識ベー
スに基づいて設計部品の形状を自動的に修正し、設計効
率をあげるために好適なCADシステム装置およびCA
Dによる製品設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータにより、部品を
設計したり部品の金型を設計するCADシステムが、設
計の合理化、設計労力の軽減という観点から広く用いら
れてきている。CADシステムの構成としては、設計対
象に関する知識を知識ベースとして蓄え、それに基づい
て設計を進めるという技術が知られている。このような
知識ベースを利用した設計システムとしては、(1)特
開平6−162150号公報の「金型設計評価システ
ム」に開示されているように、ベテランの設計者の経験
と知識をプロダクションルールとしてルールベースに蓄
積しておき、そのルールに従って最適な金型設計をおこ
なうことのできる金型設計評価システムがある。
【0003】また、他の公知例として、(2)特開平7
−271848号公報の「金型の製作方法」に開示され
ているように、金型修正データベースを構築しておき、
新規の金型設計製作の際に参照することで迅速に金型を
製作する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術(1)
は、金型を設計対象にして、加工費や加工の難易度を考
慮に入れた知識ベースに基づいて評価し、ベテラン設計
者でなくても金型設計に評価を下せるようにしている。
この上記従来技術(1)は、知識ベースに基づいて金型
自体の部品の形状を直接に自動修正するものではなく、
また金型が成形する部品の設計形状を直接に自動修正す
るものではない。
【0005】また、上記従来技術(2)は、新規の金型
を迅速に製作するために、金型製作の不具合に係わる過
去のデータをデータベース化しておいて、それを新規の
金型の製作に利用するようにしている。この上記従来技
術(2)も、金型の不具合に対する対策データを提供す
るもので金型が成形する部品の設計形状を直接に自動修
正するものではない。
【0006】これら上記従来技術(1)、(2)のよう
に、一般に、従来の設計知識ベースを組み込んだCAD
システムは、設計した製品のある尺度での評価値を計算
したり、評価した結果発見した不具合に対して対策案を
提供する機能を有しているものはあったが、不具合を解
消するために知識ベースに基づいて直接に設計形状を修
正する汎用的な機能を持つものは無かった。
【0007】そのため、部品や金型の形状評価はできて
も、それから先の設計は、人手でやらなければならず労
力がかかりがちであるという問題点があった。
【0008】設計対象となる部品形状の自動修正を実現
するためには、その部品の満たすべき条件を知識ベース
に蓄え、その知識ベースを用いて部品形状の自動修正を
するというシステムを構築をすることは可能である。
【0009】しかしながら、この方法では、部品一つに
対して、一つの条件を設定しなければならず、条件が爆
発的に増大するのを防ぐために部品のバリエーションも
制限されがちになり、新規の部品に対しては、あらた
に、条件を設定しなければならないという問題点があっ
た。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、CADシステムにより、部
品を設計するにあたり、部品を形状要素に分解して定義
し、その形状要素ごとに、形状修正を自動的におこなえ
るようにすることにより、多様な部品を効率的に設計す
ることのできるCADシステム装置およびCADによる
製品設計方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のCADシステム装置に係る発明の構成は、
部品の設計をおこなうCAD(Computer Aided Desig
n)システム装置において、入力装置と、出力装置と、
一つ以上の知識ベースと、それらの知識ベースを管理す
る知識ベース管理装置と、形状要素のデータを修正する
形状操作装置とを備え、前記部品の形状を、形状要素の
組み合わせによって定義して、また、前記知識ベースに
は、定義された形状要素に対する形状に関する制約とし
て、形状制約ルールが記載されていて、前記知識ベース
管理装置は、前記部品の形状要素の一つを前記入力装置
により選択されると、その形状要素に関連した知識ベー
スの一覧を、前記出力装置上に表示して、表示された前
記知識ベース一覧の中から、一つだけ、あるいは複数の
知識ベースが選択されると、前記知識ベース管理装置
は、選択された形状要素に関連する形状制約ルールを検
索して、前記形状操作装置は、その検索された形状制約
ルールと、現在の形状要素のデータとを照合して形状検
査をおこない、その形状制約ルールに違反している場合
には、自動的にその形状要素のデータを修正するように
したものである。
【0012】より詳しくは、上記CADシステム装置に
おいて、その形状要素に関連あるものとして、検索され
た形状制約ルールを、前記出力装置上に、形状制約ルー
ル候補一覧として表示して、表示された前記形状制約ル
ールが、前記入力装置により選択されると、前記形状操
作装置が、その選択された形状制約ルールに基づいて、
現在の形状要素のデータとを照合して形状検査をおこな
い、その後の自動修正もおこなうようにしたものであ
る。
【0013】また詳しくは、上記CADシステム装置に
おいて、前記形状要素の選択をおこなわずに、前記入力
装置より、一括形状検査コマンドを入力すると、設計対
象となる形状要素のすべてに対して、前記知識ベース
は、選択された知識ベースの中から、関連する形状制約
ルールを検索して、前記形状操作装置が、その選択され
た形状制約ルールに基づいて、現在の形状要素のデータ
とを照合して形状検査をおこない、その後の自動修正も
おこなうようにしたものである。
【0014】さらに詳しくは、上記CADシステム装置
において、上記一括形状コマンドを入力して、その部品
のすべての形状要素に対して、形状検査と自動修正する
機能と、上記のように、ある形状要素に関連ある形状制
約ルールを、形状制約ルール候補一覧として表示して、
表示された前記形状制約ルールが、前記入力装置により
選択されると、前記形状操作装置が、その選択された形
状制約ルールに基づいて、形状検査と自動修正する機能
との両者を併せ持つようにしたものである。
【0015】また、表示に関して詳しくは、上記CAD
システム装置において、前記出力装置上に、前記形状要
素に関連ある形状制約ルールを、形状制約ルール候補一
覧として表示するのを、形状要素に関連する設計基準の
形式で表示するようにしたものである。
【0016】より詳しくは、上記CADシステム装置に
おいて、複数の知識ベースの適用を選択したときに、適
用された各々の形状修正の結果が矛盾するときには、そ
の矛盾情報を、前記出力装置上に表示するようにしたも
のである。
【0017】また詳しくは、上記CADシステム装置に
おいて、前記入力装置により、選択された知識ベースの
解除、または、復帰コマンドを入力すると、形状要素デ
ータを修正前のデータに戻す復帰機能を有するようにし
たものである。
【0018】知識ベースの適用に関して詳しくは、上記
CADシステム装置において、前記知識ベースに、製造
性に関するものを含むようにしたものである。
【0019】また詳しくは、上記CADシステム装置に
おいて、前記製造性に関する知識ベースが選択されたと
きに、前記出力装置上に、加工方法、あるいは、加工手
順の一覧を表示し、その加工方法、加工手順が選択され
ると、前記製造性に関する知識ベースの中から、その選
択に適合するような形状制約ルールを適用するようにし
たものである。
【0020】さらに詳しくは、上記CADシステム装置
において、さらに、CAE(Computer Aided Engineeri
ng)解析システムを有し、検索された形状制約ルール
が、存在しないか、形状修正のために十分でないときに
は、このCAE(Computer Aided Engineering)解析シ
ステムにより、CAE解析をおこなって、あらたな形状
制約ルールを得るようにしたものである。
【0021】さらにまた詳しくは、上記CADシステム
装置において、さらに、加工シミュレータシステムを有
し、検索された形状制約ルールが、存在しないか、形状
修正のために十分でないときには、この加工シミュレー
タシステムにより、加工シミュレーションをおこなっ
て、あらたな形状制約ルールを得るようにしたものであ
る。
【0022】また、製造性の知識ベースを適用するとき
に詳しくは、上記CADシステム装置において、さら
に、部品の形状要素のデータを定義する部品形状要素定
義部と、その部品の形状要素を作るための金型の形状要
素を定義するための金型形状要素データ生成部と、金型
を加工するときの加工除去要素データを生成するための
加工除去要素データ生成部とを有し、その形状要素を生
成するための金型に関する形状制約ルールを用いて、金
型の形状修正データを生成し、金型の加工除去処理をす
るときの形状制約ルールを用いて、加工除去要素データ
を生成し、最終的に、これらのデータを参照して、形状
要素の修正データを生成するようにしたものである。
【0023】さらに知識ベースに関して詳しくは、上記
CADシステム装置において、前記知識ベースが一つし
かないときには、形状検査のために適用する知識ベース
の選択をさせる処理を省き、知識ベースが複数あり、ユ
ーザプロファイルとして、ユーザごとに対応する知識ベ
ースが定義されているときには、その対応する知識ベー
スを形状検査のための知識ベースとするようにしたもの
である。
【0024】上記目的を達成するために、本発明の製品
設計方法に用いるCADシステム装置に係る発明の構成
は、部品の設計をおこなうCADによる製品設計方法に
おいて、このCADによる製品設計方法に用いるCAD
システム装置は、入力装置と、出力装置と、一つ以上の
知識ベースと、それらの知識ベースを管理する知識ベー
ス管理装置と、形状要素のデータを修正する形状操作装
置とを備え、前記部品の形状を、形状要素の組み合わせ
によって定義して、また、前記知識ベースには、定義さ
れた形状要素に対する形状に関する制約として、形状制
約ルールが記載されていて、前記知識ベース管理装置
は、前記部品の形状要素の一つを前記入力装置により選
択されると、その形状要素に関連した知識ベースの一覧
を、前記出力装置上に表示して、表示された前記知識ベ
ース一覧の中から、一つだけ、あるいは複数の知識ベー
スが選択されると、前記知識ベース管理装置は、選択さ
れた形状要素に関連する形状制約ルールを検索して、前
記形状操作装置は、その検索された形状制約ルールと、
現在の形状要素のデータとを照合して形状検査をおこな
い、その形状制約ルールに違反している場合には、自動
的にその形状要素のデータを修正するようにしたもので
ある。
【0025】より詳しくは、上記製品設計方法に用いる
CADシステム装置において、その形状要素に関連ある
ものとして、検索された形状制約ルールを、前記出力装
置上に、形状制約ルール候補一覧として表示して、表示
された前記形状制約ルールが、前記入力装置により選択
されると、前記形状操作装置が、その選択された形状制
約ルールに基づいて、現在の形状要素のデータとを照合
して形状検査をおこない、その後の自動修正もおこなう
ようにしたものである。
【0026】また詳しくは、上記製品設計方法に用いる
CADシステム装置において、前記形状要素の選択をお
こなわずに、前記入力装置より、一括形状検査コマンド
を入力すると、設計対象となる形状要素のすべてに対し
て、前記知識ベースは、選択された知識ベースの中か
ら、関連する形状制約ルールを検索して、前記形状操作
装置が、その選択された形状制約ルールに基づいて、現
在の形状要素のデータとを照合して形状検査をおこな
い、その後の自動修正もおこなうようにしたものであ
る。
【0027】さらに詳しくは、上記製品設計方法に用い
るCADシステム装置において、上記一括形状コマンド
を入力して、その部品のすべての形状要素に対して、形
状検査と自動修正する機能と、上記のように、ある形状
要素に関連ある形状制約ルールを、形状制約ルール候補
一覧として表示して、表示された前記形状制約ルール
が、前記入力装置により選択されると、前記形状操作装
置が、その選択された形状制約ルールに基づいて、形状
検査と自動修正する機能との両者を併せ持つようにした
ものである。
【0028】また、表示に関して詳しくは、上記製品設
計方法に用いるCADシステム装置において、前記出力
装置上に、前記形状要素に関連ある形状制約ルールを、
形状制約ルール候補一覧として表示するのを、形状要素
に関連する設計基準の形式で表示するようにしたもので
ある。
【0029】より詳しくは、上記製品設計方法に用いる
CADシステム装置において、複数の知識ベースの適用
を選択したときに、適用された各々の形状修正の結果が
矛盾するときには、その矛盾情報を、前記出力装置上に
表示するようにしたものである。
【0030】また詳しくは、上記製品設計方法に用いる
CADシステム装置において、前記入力装置により、選
択された知識ベースの解除、または、復帰コマンドを入
力すると、形状要素データを修正前のデータに戻す復帰
機能を有するようにしたものである。
【0031】知識ベースの適用に関して詳しくは、上記
製品設計方法に用いるCADシステム装置において、前
記知識ベースに、製造性に関するものを含むようにした
ものである。
【0032】また詳しくは、上記製品設計方法に用いる
CADシステム装置において、前記製造性に関する知識
ベースが選択されたときに、前記出力装置上に、加工方
法、あるいは、加工手順の一覧を表示し、その加工方
法、加工手順が選択されると、前記製造性に関する知識
ベースの中から、その選択に適合するような形状制約ル
ールを適用するようにしたものである。
【0033】さらに詳しくは、上記製品設計方法に用い
るCADシステム装置において、このCADシステム装
置は、さらに、CAE(Computer Aided Engineering)
解析システムを有し、検索された形状制約ルールが、存
在しないか、形状修正のために十分でないときには、こ
のCAE(Computer Aided Engineering)解析システム
により、CAE解析をおこなって、あらたな形状制約ル
ールを得るようにしたものである。
【0034】さらにまた詳しくは、上記製品設計方法に
用いるCADシステム装置において、このCADシステ
ム装置は、さらに、加工シミュレータシステムを有し、
検索された形状制約ルールが、存在しないか、形状修正
のために十分でないときには、この加工シミュレータシ
ステムにより、加工シミュレーションをおこなって、あ
らたな形状制約ルールを得るようにしたものである。
【0035】また、製造性の知識ベースを適用するとき
に詳しくは、上記製品設計方法に用いるCADシステム
装置において、形状検査に用いる知識ベースが、製造性
に関するものが選択されたときに、(1)製造性に関す
る詳細条件を入力するステップ、(2)形状要素データ
と、その形状要素データを生成するための金型の形状要
素データを生成するステップ、(3)前記形状要素デー
タと、前記(2)のステップで生成された金型の形状要
素データと、加工にあたっての制約条件を参照して、前
記(2)のステップで生成された金型を加工するための
加工除去要素データを生成するステップ、(4)前記
(2)のステップの金型の形状要素データと、前記
(3)のステップの加工除去要素データとを、前記形状
要素データにフィードバックさせ、形状要素データを修
正するステップとを有し、形状検査のときには、この
(1)ないし(4)のステップをこの順におこなうよう
にしたものである。
【0036】さらに知識ベースに関して詳しくは、上記
製品設計方法に用いるCADシステム装置において、前
記知識ベースが一つしかないときには、形状検査のため
に適用する知識ベースの選択をさせる処理を省き、知識
ベースが複数あり、ユーザプロファイルとして、ユーザ
ごとに対応する知識ベースが定義されているときには、
その対応する知識ベースを形状検査のための知識ベース
とするようにしたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る一実施形態
を、図1ないし図20を用いて説明する。 〔CADシステム装置のシステム構成〕先ず、図1およ
び図2を用いて本発明に係るCADシステム装置のシス
テム構成について説明する。図1は、本発明に係るCA
Dシステム装置の機能構成を表すブロック図である。図
2は、本発明に係るCADシステム装置のハードウェア
構成を表すブロック図である。
【0038】形状操作装置10aは、本発明のCADシ
ステム装置の中核となる装置であり、知識ベースやユー
ザとインターフェイスを持ち、CADデータの変換やC
AE(Computer Aided Engineering)解析、加工シミュ
レーションなどをおこなう。この形状操作装置10a
は、知識ベース管理装置16を介して知識ベース12
a,12b,12cに接続され、また制御装置13を介
して出力装置14aや入力装置14bに接続されてい
る。
【0039】形状操作装置10aは、部品形状要素定義
部10b、部品形状変更駆動部10c、金型形状要素デ
ータ生成部10d、加工除去要素データ生成部10f、
CAE解析部10e、および加工シミュレーション部1
0gで構成されている。部品形状要素定義部10bは、
部品形状要素の形状を定義する部分である。金型形状要
素データ生成部10dは、部品形状要素定義部10bの
データを基にしてその部品を加工するための金型の形状
要素データを生成する部分である。加工形状要素データ
生成部10fは、金型を加工するための加工除去要素の
データを生成する部分である。CAE解析部10eは、
CAE解析をおこなって金型や部品の形状要素を決定す
る部分である。加工シミュレーション部10gは、金型
の加工除去要素を決定するための加工シミュレーション
をおこなう。部品形状変更駆動部10cは、金型形状要
素データ生成部10dで決定された金型の形状要素やC
AE解析部10eでのCAE解析の結果を受け、部品形
状要素定義10bを駆動して部品形状要素の定義を変更
するようにする。
【0040】本発明のCADシステム装置は、例えば、
図2に示すコンピュータシステムによって実現される。
このCADシステム装置は、図2に示すような1台のコ
ンピュータによって実現してもよいし、複数台のコンピ
ュータに各サブシステムを分散して実現する形態でもよ
い。
【0041】部品形状10aの部品形状要素定義部10
b、部品形状変更駆動部10c、金型形状要素データ生
成部10d、加工除去要素データ生成部10f、CAE
解析部10e、および加工シミュレーション部10g
は、ソフトウェアの構成上から言えば、サブルーチンプ
ログラムによって実現され、図2に示すコンピュータの
ハードディスク装置28に書き込まれる。一方、制御装
置13は、メインプログラムによって実現され、同じく
上記ハードディスク装置28に書き込まれる。
【0042】このCADシステム装置が動作するときに
は、ハードディスク装置28に書き込まれているメイン
プログラムとサブルーチンプログラムが、ディスク記憶
装置インターフェース装置27とデータバス30を経由
して半導体記憶装置21に転送される。そして、それを
最終的に中央演算装置20が解釈実行する。
【0043】また、図1の出力装置14aは、システム
側からユーザに情報を表示する装置であり、図2のディ
スプレイ23によって実現される。設計した部品形状の
データは、図1の制御装置13により、図2の出力デバ
イスインターフェース装置22に転送され、このディス
プレイ23に表示されることになる。図1の入力装置1
4bは、制御装置13への命令の入力や形状要素の設
計、形状要素の選択に用いられる装置であり、図2のコ
ンピュータのキーボード25およびマウス等のポインテ
ィングデバイス26によって実現される。また、図1の
知識ベース管理装置16も、ソフトウェア構成上、サブ
ルーチンプログラムによって実現され、ハードディスク
装置28内に設けられた知識ベース12a,12b,1
2cを管理する。
【0044】〔本実施形態で取り上げる部品〕次に、図
3および図4を用いて本実施形態の説明のために取り上
げる部品のモデルとそのデータ構造について説明する。
図3は、本実施形態に係る部品とその形状要素に分解し
たときの様子を示す図である。図4は、本実施形態に係
る部品を表すためにCADシステム装置が保持するデー
タ構造を表す図である。
【0045】本実施形態で採り上げる部品1は、図3
(a)に示されるような整形プラスチック部品であり、
図3(b)に示されるように1つのシェル1aと3つの
リブ1b1,1b2,1b3と言う形状要素から構成さ
れている。このように形状要素に分解するのは、本発明
は、部品を形状要素に分けてCADの設計対象にするこ
とに特徴があるからである。
【0046】部品としての完成された姿は、これらの形
状要素が一体化されてものであるが、本発明のCADシ
ステム装置は、個々の形状要素を設計対象として独立に
扱えるものである。そのために、形状要素個々に、形状
要素の境界と「シェル」や「リブ」といった形状要素の
名称を属性として保持している。このような部品形状の
要素を定義するのは、図1に示される部品形状要素定義
部10bであった。各部品の形状要素は、ライブラリ資
産として形状要素ライブラリ(図示せず)に蓄えられて
いる。CADによる設計にあたっては、この形状要素ラ
イブラリから必要な形状要素を呼び出して、必要によっ
て形状を変形させて組み合わせることになる。その際に
形状要素の境界と名称は設計過程で自動的に決定され
る。あるいは、部品形状を設計した後に、形状要素の境
界と名称を明示的に指定して定義してもよい。
【0047】次に、本実施形態で説明する部品1のデー
タ構造について説明しよう。
【0048】部品1の構造は、図4に示されるように各
セルを連結したリスト構造になっている。図中の矢印
は、セルの中に次のセルの位置を示すアドレスを保持し
ているという意味である。セルの先頭は部品ヘッダ40
aであり、これに属性部40bが付属している。この属
性部40bは、部品名称40b1、表示色情報40b
2、および画面表示制御情報40b3といった部品の属
性情報が保持されている。本実施形態の例では、部品1
の部品名称は「カバー」である。この属性部40bに保
持された情報は、このCADシステム装置の制御装置1
3が表示等のデータ操作に用いるものである。
【0049】この部品ヘッダ40aは、部品形状1ヘッ
ダ41a、部品形状2ヘッダ42a、……を指し示して
いる(AR51,AR52)。各部品形状ヘッダは、部
品形状要素のためのデータ構造を表現するものである。
各部品形状1ヘッダ41a、部品形状2ヘッダ42a、
…には、それぞれ属性部41b、属性部42b、…が付
属している。例えば、属性部41bは、名称41b1、
色41b2、画面制御情報41b3から構成されてい
て、この場合の形状要素名称は「シェル」だったので、
その文字列が格納されることになる。
【0050】形状要素は、点、線といった幾何学的な図
形から構成されるために、次の構造としては、それらの
図形を表すセルをポイントすることになる。
【0051】図4では、形状要素ヘッダ42aが、点ヘ
ッダ43aのセル、線ヘッダ44aのセルを指し示して
いる様子をあらわしている。この形状要素ヘッダ42a
のセルの表す形状要素は、「リブ1」である。
【0052】この点ヘッダ43aにも属性部43bが付
属していて、表示色情報、画面表示制御情報を保持して
いて、この形状要素に属する点のデフォルト値が設定さ
れることにする。そして、点ヘッダ43aのセルは、各
点を表す点データ45aのセルをポイントしている。点
データを表すセルは、普通複数から構成されていて、A
R55のように次の点を表すセルをポイントしており、
このポインタは、最終データを表すために最後に、円環
状に最初のセルである形状ヘッダ43aのセルに戻すこ
とにする(AR59)。この点データ43aのセルも、
属性部45bを持っており、表示色情報、画面表示制御
情報を保持している。点データのセルの属性部に格納さ
れている情報は、個別の点を表す情報であり、点ヘッダ
のセルの属性部に保持されたデフォルト情報よりも優先
する。図1に示した制御装置13は、属性部43bによ
り、このセルが表している点を選択したときに、その表
示色を変更するなどの個別の制御をおこなう。
【0053】同様に、線ヘッダ44aのセルとそれに続
く線データ46aのセル、…がある。線データのセル
は、図形的な順番により、リスト構造でポイントされて
いること、属性部に表示色情報、画面表示制御情報とい
う属性情報がセットされていることも同様である。ま
た、図示していないが、線データとしては、その点の両
端の点のデータも保持している。
【0054】〔CADシステム装置による部品形状検査
の概要〕次に、図5を用いて本発明のCADシステム装
置による部品形状検査の概要について説明する。図5
は、本発明のCADシステム装置による部品形状検査の
アルゴリズム概要を示すフローチャートである。
【0055】(1)本発明では、CADの対象とする部
品は、図3の例で示したようにいくつかの形状要素に分
解し、その形状要素一つ一つに対してCADによる設計
がおこなえるようにする。そのため、予め、その部品が
どのような形状要素に分解されるのか、どのような仕様
とするのかを定義する。
【0056】一般に部品を設計し製作する際に、前の方
の段階を上流工程、後ろの方の段階を下流工程と言う。
定義した部品形状要素は、上流工程から下流工程に行く
に従って、形状要素のデータを変換する必要が生じるか
もしれない。このときの形状要素データを変換するため
のルールを形状変換ルールと言うことにする。また、製
作にあたっての制限事項やノウハウから形状が制約され
ることもある。このときの形状要素を制約するルールを
形状制約ルールと言うことにする。
【0057】このCADシステム装置を使って部品の形
状検査をおこなう際には、予め上流工程から下流工程に
移行するための形状変換ルールと、各工程での形状制約
ルールからなる知識ベースを構築する必要がある。
【0058】一般に、図3で示したような部品は、金型
を用いて成形することが多い。そのため、部品形状要素
を設計するためには、金型を作ることを考慮にいれて設
計する必要がある。また、実際にどのように金型を加工
するかも考慮に入れなければならないこともある。ここ
で、部品形状を設計する工程から見ると、金型を設計す
る工程は、下流工程になり、金型を加工する工程は、金
型を設計する工程から見ると下流工程になる。
【0059】本実施形態では、製造にあたり金型を用い
て成形することを前提とした部品の形状要素を検査する
場合について説明する。また、その金型を加工する工程
も考慮して形状要素の検査をするものとする。
【0060】(2)ユーザがこのCADシステム装置で
形状検査をおこなう場合には、画面上で形状検査をおこ
なおうとする形状要素の一つを選択する(S70)。そ
して、その形状要素に対して、形状検査命令を入力す
る。本発明のCADシステム装置は、機能、製造性、強
度といった形状を検査するための知識分野を複数持ち、
その中から適用する知識ベースの種類を選択できるよう
になっている。ここで、製造性の知識ベースを選択する
ことにする(S71)。
【0061】(3)金型を使って加工する場合には、金
型形状要素知識ベースが設計のために十分あるか否かを
調べる(S72a)。十分にあると判定したときには、
その知識を用い、部品形状要素データを基にして、金型
形状要素データを作成する(S72b)。
【0062】(4)設計のために十分でないと判定した
ときには、CAE(Computer Aided Engineering)解析
をおこなう(S72d)。CAE解析とは、コンピュー
タにより、設計の解析をおこない、設計対象に関して必
要な知識を得る手法である。CAE解析システムが存在
しないときには、検査のためには、知識ベースは「知識
不足」である旨を表示して(S76)、終了する。CA
E解析を実行して、有用な知識が得られたときには、そ
の知識を用い、部品形状要素データを基にして、金型形
状要素データを作成する(S72b)。
【0063】(5)次に、金型を加工する工程のことを
考える。金型を加工するための加工除去要素知識ベース
が、金型加工のために十分あるかを判定する(S73
a)。十分にあると判定したときには、その知識を用
い、部品形状要素データと金型形状要素を基にして、加
工除去要素データを作成する(S72b)。
【0064】(6)加工除去要素を決定するために十分
でないと判定したときには、加工シミュレーションをお
こなう(S73d)。加工シミュレーションとは、コン
ピュータにより、仮想的に加工をおこなったものとし
て、必要な情報を得る手法である。加工シミュレータシ
ステムが存在しないときには、検査のためには、知識ベ
ースは「知識不足」である旨を表示して(S76)、終
了する。加工シミュレーションを実行して、有用な知識
が得られたときには、その知識を用い、部品形状要素デ
ータと金型形状要素を基にして、加工除去要素データを
作成する(S72b)。
【0065】(7)加工除去要素データが得られたとき
には、その加工除去要素データを用いて、金型形状要素
データを再作成する(S74)。
【0066】(8)次に、金型形状要素データが得られ
たときには、その金型形状要素データを用いて、部品形
状要素データを再作成する(S75)。この部品形状要
素が、金型加工、その金型を加工する工程での制約を考
慮したものになる。
【0067】〔部品1の形状検査の実際〕次に、図6な
いし図18を用いて既に説明した部品1を、本発明のC
ADシステム装置により形状検査をする場合について説
明しよう。以下、図5で示したフローチャートを追いな
がら項を分けて説明することにする。
【0068】(I)知識ベースの選択と詳細条件の入力
まで 先ず、図6ないし図8を用いて、部品1の形状要素の一
つに形状検査をおこなう場合に適用する知識ベースを選
択し、詳細条件を入力するまでを説明する。図6は、本
実施形態に係るCADシステム装置が提供する画面イメ
ージであり、形状検査のために部品の形状要素を選択
し、適用する知識ベースを一覧として表示しているとこ
ろの図である。図7は、本実施形態に係るCADシステ
ム装置が提供する画面イメージであり、図6の次の段階
で、製造性の知識ベースを選択し、適用する金型加工方
法を一覧として表示しているところの図である。
【0069】図8は、本実施形態に係るCADシステム
装置が提供する画面イメージであり、図7の次の段階
で、金型加工方法として加工方法1を選択し、さらに詳
細条件として加工手順一覧金型加工方法一覧として表示
しているところの図である。
【0070】ユーザが、本発明のCADシステム装置に
より、部品1の形状検査をおこなおうとするときには、
図1に示した出力装置14a上の画面上に、3次元モデ
ルとして部品1を表示する。この3次元モデルによる表
示は、ユーザの入力に従って、任意の方向に回転させ、
任意の方向から眺めることができるようにこの部品1の
姿勢を制御することができる。
【0071】ここで、リブ形状要素1b1に関しての形
状検査をするものとする。このとき、ユーザは、注目す
る部品形状であるリブ形状要素1b1を、マウスやキー
ボードなどのような入力装置14bによって選択可能な
姿勢になるように部品1を回転させる。
【0072】次に、ユーザが、このリブ形状要素1b1
をマウスなどの入力装置14bにより選択すると画面上
で色を変えて表示する(図5のS70)。
【0073】内部の制御としては、図1に示される制御
装置13は、リブ形状要素1b1の境界線を形状操作装
置10aから収得して(図1のAR15g,AR15
d)、上記リブ形状要素1b1の出力装置14aの画面
上での色を変え(AR15e)選択状態であることを示
す。それと同時に、図4で示したデータ構造において、
リブ形状要素1b1のデータブロック先頭の形状要素ヘ
ッダ42aの属性部42bに格納されている形状要素名
称42b1を知識ベース管理装置16に転送する(AR
15i)。
【0074】部品1の形状要素であるリブ1b1が、選
択されると、知識ベース一覧表示画面2が表示され、こ
の形状要素リブ1b1に関連した知識を含む知識ベース
が一覧として表示される。知識ベース一覧表示画面2
は、表示欄2a、画面「閉じる」アイコン2b、知識ベ
ース選択ボタン2c1,2c2,2c3から構成されて
いる。表示欄には、部品名の「カバー」と、形状要素名
の「リブ」が表示される。
【0075】内部の制御としては、知識ベース管理装置
16は、制御装置13からリブ形状要素1b1の形状要
素名称42b1を受け取り、複数の知識ベース12a,
12b,12cの中から関連する知識ベースを形状要素
名称42b1をキーワードとして含むかどうか検索する
(AR15a,AR15b,AR15c)。そして、見
つかった場合には、関連する各知識ベースの名称を制御
装置13に返送する(AR15h)。制御装置13は、
返送された知識ベース名称の一覧を出力装置14aに転
送して、知識ベース一覧表示画面2として表示する。
【0076】図6の例では、三つの知識ベースが表示さ
れており、それぞれ、「機能」、「製造性」、「強度」
に関する知識ベースである。ユーザが形状検査をしたい
知識ベースを選択するとその知識ベースに関連する形状
検査がおこなわれることになる。例えば、ユーザが製造
性に関する形状検査をおこないたいとすると、「知識ベ
ース2:製造性」知識ベース選択ボタン2c2を、マウ
スなどの入力装置14bを用いて選択する(AR15
f)。選択した項目の知識ベース選択ボタン2c2に
は、チェックマークが表示される。
【0077】形状検査のために利用する知識ベースを選
択すると、次は、詳細条件を入力する段階になる(図5
のS71)。
【0078】図1に示される制御装置は、利用する知識
ベースが選択されると、その知識ベースを利用するに当
たって、詳細条件があるか否かを知識ベース管理装置1
6に問い合わせる(AR15i)。知識ベース管理装置
16は、「知識ベース2:製造性」知識ベース12bか
ら詳細条件を引き出して制御装置13に返送し(AR1
5h)、制御装置13は詳細条件を出力装置14aに転
送して子画面として表示する。
【0079】部品1は、金型で製造することになってお
り、加工方法として「直彫り加工」と「放電加工」と言
う二種類の加工方法が設定されているとする。そのとき
には、子画面としては、図7に示されるように、金型加
工方法一覧表示画面3が表示される。この金型加工方法
一覧子画面3は、表示欄3a、画面「閉じる」アイコン
3b、金型加工方法選択ボタン3c1、3c2から構成
されている。表示欄には、「知識ベース2:製造性」知
識ベースの詳細条件の名称として、「金型加工方法」と
表示されている。
【0080】ここで、ユーザが加工方法として直彫り加
工をしたいとするとすると、「加工方法1:直彫り加
工」金型加工方法選択ボタン3c1を、マウスなどの入
力装置14bを用いて選択する(AR15f)。選択し
た項目の金型加工方法選択ボタン3c1には、チェック
マークが表示される。
【0081】このとき、制御装置13は、金型加工方法
が選択されるとこれに関連する詳細条件があるか否かを
調べることになる。この場合には、「加工方法1:直彫
り加工」が選択されたので、それに関連する詳細条件が
あるか否かを知識ベース管理装置16に問い合わせる
(AR15i)。先ほどの記述と同様に、知識ベース管
理装置16は「知識ベース2:製造性」知識ベース12
bから詳細条件を引き出して制御装置13に返送し(A
R15h)、制御装置13は、さらに詳細条件を出力装
置14aに転送して子画面として表示する。
【0082】後に詳細に説明するが、この部品1のため
の金型加工には、加工手順として二種類考えられる。そ
のため、図8に示されるようにこれに応じた加工手順一
覧表示画面4が画面上に表示されることになる。加工手
順一覧表示子画面4は、表示欄4a、画面「閉じる」ア
イコン4b、加工手順選択ボタン4c1,4c2から構
成されていることは、先の二画面と同様である。表示欄
4aには、「知識ベース2:製造性」知識ベース詳細条
件の名称として、「加工手順」と表示されている。
【0083】ここで、ユーザが加工手順として、面から
溝の加工手順を選びたいとすると、「加工手順1:面→
溝」加工手順選択ボタン4c1を、マウスなどの入力装
置14bを用いて選択する(AR15f)。選択した加
工手順選択ボタン4c1には、チェックマークが表示さ
れる。
【0084】制御装置13は、この場合にも、さらに詳
細な条件がないか知識ベースから調べることは、先ほど
の場合と同様である。ここでは「加工手順1:面→溝」
に関しての詳細条件はないものとすると、知識ベースの
選択と、詳細条件の入力は、これで終わったことにな
る。
【0085】(II)形状検査の実行 知識ベースの選択と、詳細条件の入力が終わると、実際
に形状検査を実行する段階に移る。これは、図には示し
ていないが、キーボードやマウスなどの入力装置15f
によりコマンドやメニューから形状検査実行の指示をシ
ステムに与えることにより開始される。
【0086】(III)金型加工と形状制約ルールについ
て 知識ベースを用いた形状検査が実行に移されると、次
に、この部品を成形するための金型の形状が適切である
かを検査する先ず、図9および図10を用いて本実施形
態で説明している部品1の金型について説明する。図9
は、部品1の金型のコア駒80を示す斜視図である。図
10は、部品1の金型のコア駒80とキャビ駒81で成
形しているところを示す正面図と側面図である。
【0087】部品1は、成形プラスチック部品であり、
金型で成形する。金型は、凸型の形状をしたコア駒と、
凹型の形状をしたキャビ駒があり、成形するときには、
図10に示されるようにこれらを組み合わせて用い、コ
ア駒80とキャビ駒81の中空部分で部品1が成形され
ることになる。図9の平面101の切断面101で見る
と、図10(a)の側面図で、図9の平面102の切断
面102で見ると、図10(b)の正面図で、それぞれ
示されるようにコア駒80、部品1、およびキャビ駒8
1が咬み合わさることになる。
【0088】金型を成形する際には、部品の方の加工す
る形状の制約に影響されることになる。これを、データ
ベース化して蓄えたものが「形状制約ルール」である。
この部品1の場合の形状制約ルールを図11を用いて説
明しよう。図11は、部品1のリブ形状要素1b1の形
状制約例を図示した模式図である。
【0089】図11(a)は、部品1のリブ形状要素1
b1の部分の原型の形状であり、これは、図10(a)
の方向から見たものである。
【0090】形状制約の第一の例としては、金型加工の
際に、部品1を成形後にコア駒80から抜け易くするた
めに、図11(b)に示されるように抜き勾配82a,
82bをリブ形状要素1b1の両側に付加する場合が考
えられる。リブ形状要素1b1のコア駒80からの抜け
易さは、部品1のプラスティック材料の種類、コア駒8
0の表面荒さによって変わるため、この場合に「知識ベ
ース2:製造性」知識ベース12bにはこれらのパラメ
ータに応じた抜き勾配82a,82bの大きさが形状制
約ルールとして蓄積されている。
【0091】形状制約の第二の例としては、部品1のリ
ブ形状要素1b1がシェル形状要素1aに結合した部分
の背面にひけ(凹形状の成形不良)が発生するのを防ぐ
ために、図11(c)に示されるようにリブ形状要素1
b1のシェル形状要素1aとの結合部の周囲に溝83
a,83bを付加する場合が考えられる。リブ形状要素
1b1のシェル形状要素1aとの結合部の背面のひけの
大きさは、部品1のプラスティック材料の金型内部での
流動特性、シェル形状要素1aの厚み寸法、リブ形状要
素1b1の厚み寸法によって変わるため、この場合に
「知識ベース2:製造性」知識ベース12bには、これ
らのパラメータに応じて生じるひけの大きさとひけを防
止するための溝83a,83bの大きさが形状制約ルー
ルとして蓄積されている。
【0092】形状制約の第三の例としては、厚み寸法の
異なる部品1のリブ形状要素1b1がシェル形状要素1
aに結合したことによる反り変形が発生するのを防ぐた
めに、図11(d)示されるようにシェル形状要素1a
の厚み“a”(84a)とリブ形状要素1b1の厚み
“b”(84b)とを比較して“a=b”となるように
する場合が考えられる。リブ形状要素1b1がシェル形
状要素1aと結合したことによる反り変形の大きさは、
両形状要素の冷却時間の差、部品1のプラスティック材
料の金型内部への充填密度の差によって変わるため、こ
の場合に「知識ベース2:製造性」知識ベース12bに
は、これらのパラメータに応じて生じる反り変形の大き
さと反りを防止するための厚み寸法“a”(84a)、
“b”(84b)の許容差が形状制約ルールとして蓄積
されている。
【0093】さて、金型形状のデータを生成する際に
は、これらの形状制約ルールを参考にしておこなうこと
になる。単純に形状要素のデータを転写するだけでは、
成形品質を損なう恐れがあるからである。
【0094】形状制約ルールが存在する場合には、その
形状制約ルールを自動的に適用しても良いし、画面上に
図11のような構造と寸法などのデータを表示して、候
補例の中からユーザに明示的に選択させるようにしても
良い。
【0095】さて、形状検査実行の指示が与えられる
と、制御装置13は形状操作装置10aに対して形状制
約ルール検査命令を送る(AR15g)。形状操作装置
10aは、図4に示されるリブ形状要素1b1のデータ
ブロックの属性部42bの形状要素名称「リブ」42b
1を知識ベース管理装置16に転送する(AR15
k)。そして、金型形状要素データ生成部10dが部品
形状要素であるリブ形状要素1b1を基にして、金型形
状要素のデータを生成するに当たり利用することができ
る知識ベースが存在するどうかを問い合わせる(図5の
S72a)。リブ形状要素1b1の金型形状要素データ
知識ベースが存在すれば(S72a)、知識ベース管理
装置は「知識ベース2:製造性」知識ベース12bから
該当する形状制約ルールを形状操作装置10aの金型形
状要素データ生成部10dに返送する(AR15b、A
R15j)。
【0096】金型形状要素データ生成部10dは、送ら
れてきた形状制約ルールを参照して、適切な金型形状の
データを生成する(S72b)。
【0097】(IV)CAE解析 以上の過程では、部品と形状制約ルールを参照して、金
型形状要素のデータを生成した。ところで、検査しよう
とする形状要素の全てについて、形状を制約する必要が
あるにもかかわらず、「知識ベース2:製造性」知識ベ
ース12bに形状制約ルールが蓄積されている保証はな
い。例えば、反り変形については、成形品の形状要素の
厚み寸法の差の他に、加工時の特殊条件などが原因とな
り、全ての場合について知識ベースを用意しきれない場
合がある。例えば、具体的には、金型冷却配管の配置に
よる冷却能力の差や樹脂流入ゲートの配置による樹脂充
填密度の差が出る場合である。
【0098】すなわち、そのような場合には、金型加工
形状要素のデータを生成するにあたり、形状制約ルール
が十分に蓄えられているかを判定する(S72a)。そ
して、十分ではないと判定されたときには、CAE(Co
mputer Aided Engineering)解析をおこなって、利用で
きる形状制約ルールを求める(S72c)。CAE解析
とは、コンピュータ上で様々な条件を設定して、仮想的
な設計をおこなう技術である。例えば、CAE解析シス
テムとして、本実施形態の部品1に使える例としては、
データベースして樹脂物性データベースを持ち、樹脂流
動解析ソフトウェアにより、樹脂の流動解析をおこなっ
て、反り変形を防ぐための形状制約ルールを求めるシス
テムが考えられる。
【0099】CAE解析をおこなうために、本発明のC
ADシステム装置に、CAE解析が可能な項目をリスト
にしたCAE解析可能項目リストを知識ベースに蓄えて
おく。そして、金型形状要素データ生成部10dに、形
状要素の評価項目についてCAE解析が可能か否かを予
め与えられているCAE解析可能項目リストを検索する
ことによって調べる(S72c)。上記の例では、樹脂
流動解析CAEシステムが組み込まれていて、それによ
り反り変形の解析ができることがCAE解析可能項目リ
ストの中に含まれているような場合である。このような
ときには、金型形状要素データ生成部10dは、CAE
解析部10eに必要なデータを転送して(AR11
i)、樹脂流動CAE解析を実行させる(S72d)。
反り変形に対する検査をしたいときで、かつ、CAE解
析可能項目リストの中にその項目が含まれていない場合
には、(S72c)、「知識不足」の旨を出力装置14
aに表示して形状検査を中止する(S76)。CAE解
析部10eは、解析が終了すると解析結果を金型形状要
素データ生成部10dに送り(AR11j)、金型形状
要素データ生成部10dは解析結果に基づいて金型の形
状要素のデータを生成する(S72b)。
【0100】(V)部品1の金型加工の方法と加工時に
生じる制約について 金型を加工するためには、普通加工除去要素の形状を定
め、その仕様どおりに加工する。そのための加工手順や
加工工具によっては、制約が出てくることもあるので、
形状検査に万全を期すためには、金型加工の加工除去要
素のデータまで考慮に入れなければならない。
【0101】そのために先ず、本実施形態の部品1を金
型加工する際の加工方法、加工除去要素、およびそれに
伴って生じる制約条件について説明する。
【0102】最初に、図12ないし図16を用いて部品
1の加工方法について説明する。ここで、部品1の金型
コア駒80を加工方法Aと加工方法Bの二種類を考え
る。図12は、部品1の金型コア駒の加工方法Aと加工
方法Bにおける第一段階の加工除去要素を示す斜視図で
ある。図13は、部品1の金型コア駒の加工方法Aにお
ける第二段階の加工除去要素を示す斜視図である。図1
4は、部品1の金型コア駒の加工方法Aにおける第三段
階の加工除去要素を示す斜視図である。図15は、部品
1の金型コア駒の加工方法Bにおける第二段階の加工除
去要素を示す斜視図である。図16は、部品1の金型コ
ア駒の加工方法Bにおける第三段階の加工除去要素を示
す斜視図である。
【0103】(加工方法A)先ず、図12に示されてい
るように素材である四方形ブロック材(図示せず)か
ら、枠形状90bを取り抜いて、リブ高さHの四方形ブ
ロック90aを削り出す。
【0104】次に、図13に示されるように四方形ブロ
ック90aから溝加工により四方形ブロック91a,9
1b,91cを除去する。そして、図14に示されるよ
うに面加工により凹型の三角ブロック93a,93b,
93c,93dを取り除く。このようにすれば、四方形
ブロック92a,92b,92c,92dに、凸型の三
角ブロック94a,94b,94c,94dが成形さ
れ、金型コア駒80が完成する。
【0105】(加工方法B)第一段階としては、加工方
法Aと同様、図12に示されているように四方形ブロッ
ク材から枠形状90bを取り抜いて、リブ高さHの四方
形ブロック90aを削り出す。
【0106】加工方法Bの場合は、次に、図15に示さ
れるように四方形ブロック90aから面加工により、凹
型の三角ブロック95を除去する。四方形ブロック90
aは、凸型の三角ブロック96に成形されるので、次
に、図16に示されるように面加工により凸型の三角ブ
ロック97a,97b,97cを取り除く。このように
すれば、凸型の三角ブロック96に、凸型の三角ブロッ
ク94a,94b,94c,94dが成形され、金型コ
ア駒80が完成する。
【0107】次に、図17ないし図19を用いて上記加
工方法によって生じる制約条件と、それに伴う部品1の
形状修正について説明する。図17は、加工除去要素と
工具長の関係を対比して示した模式図である。図18
は、部品1の形状に修正を加えるときの加工方法と加工
形状を二種類説明した図である。図19は、加工方法A
を用いるときの、加工除去要素を二種類対比して示した
図である。
【0108】部品1の金型に対して、上記のような加工
方法が存在するとしよう。上記の加工方法は、共に、面
加工と溝加工を組み合わせて金型のコア駒80を成形す
る方法であった。このとき、溝加工は、エンドミルでお
こなうが、図13と図16に示した溝の深さHはミルの
刃先の長さhに関連している。また、溝の深さとリブの
高さは一致している。
【0109】図17(a)は、図13に示す加工方法A
のときの溝の深さHと、ミル98の刃先の長さhを対比
して示した断面図であり、図17(b)は、図16に示
す加工方法Bのときの溝の深さHと、ミルの刃先の長さ
hを対比して示した断面図である。もし、図のように、
H>hの関係があり、溝の深さがミルの刃先の長さより
も大きいときには加工することができない。
【0110】このときには、フィードバックして、元々
の部品形状の方を修正しなければならない。すなわち、
ミルの刃先の長さhでも、金型の加工をおこなえるよう
にリブの高さHを短くしなければならない。
【0111】部品1に対する形状修正の方法としては、
形状修正方法Aと形状修正方法Bの二通りが考えられ
る。形状修正方法Aは、図18(a)に示すようにリブ
形状要素1b1、1b2、1b3をシェル形状要素1a
の奥行き方向に均一にリブ高さhまで縮める方法であ
る。形状修正方法Bは、図18(b)に示すようにリブ
形状要素1b1、1b2、1b3の2つの下端点の内の
1つをシェル形状要素1aの端面に拘束して、もう1つ
の端点をシェル形状要素1aの裏面上に沿って移動させ
て、最大の高さになるところをリブ高さhまで縮める方
法である。
【0112】(VI)金型加工における加工除去処理 上記の部品1の加工方法と、加工に使用する工具の特性
から来る形状の制約を踏まえて、本発明のCADシステ
ム装置における部品1の形状検査の処理について説明す
る。
【0113】金型形状要素データが生成されると(S7
2b)、部品1がその部品1を成形する金型を加工可能
ならしめる形状をしているか否かを調べなければならな
い。そのために、図1に示される制御装置13は、形状
操作装置10aの金型形状要素データ生成部10dから
加工除去要素データ生成部10fに金型形状要素データ
を転送して調べさせる(AR11b)。加工除去要素デ
ータ生成部10fは、「知識ベース2:製造性」知識ベ
ース12bに加工手順や加工工具に関する知識ベースが
存在すれば(S73a)、知識ベースを照らし合わせ
て、素材から金型を削り出すために除去すべき形状を決
定する。また、その除去すべき形状を、さらに小さな要
素に分解しなければならない場合には、個々の加工除去
要素を決定する(S73b)。
【0114】加工方法Aの場合には、第一段階の加工除
去要素として、枠形状90bを定め、第二段階の加工除
去要素として、四方形ブロック91a,91b,91c
を定め、第三段階の加工除去要素として、凹型の三角ブ
ロック93a,93b,93c,93dを定めることが
これに該当する。
【0115】また、加工方法Bの場合には、第一段階の
加工除去要素として、枠形状90bを定め、第二段階の
加工除去要素として、凹型の三角ブロック95を定め、
第三段階の加工除去要素として、凸型の三角ブロック9
7a,97b,97cを定めることがこれに該当する。
【0116】どちらの加工方法を選ぶかは、要求される
加工精度・公差、適用可能な加工方法、使用できる工具
に依存して決まり、これらの条件は「知識ベース2:製
造性」知識ベース12bに加工除去要素形状制約ルール
として蓄積されている。
【0117】ここで、加工除去要素形状制約ルールとし
て、上で説明したような工具から来る制限、すなわち、
ミル98の刃先の長さhが、リブの高さH(=溝の深
さ)よりも短いとする。このときには、加工方法Aでも
加工方法Bでも溝加工のときに、H−h分の高さの彫り
残した要素が残ることになる。したがって、このような
場合には、加工除去要素データ生成部10fは、加工除
去要素を作成するために制約が出たので、これをリブ形
状要素1b1,1b2,1b3の形状要素にフィードバ
ックするために形状要素のデータを修正することを要求
する。
【0118】リブの高さhを縮める方法としては、図1
8により既に説明したように形状修正方法Aと形状修正
方法Bの二通りがある。形状修正方法Aの方の成形は、
加工方法Aでも加工方法Bを使っても可能であるが、形
状修正方法Bの成形は、加工方法Aでは成形できず、加
工方法Bの方しか成形できないことに注意する必要があ
る。というのも、加工方法Bの場合に、形状修正方法B
を適用すると図19(b)に示されるように、図13の
段階で切り出される四方形ブロック91aが、変形ブロ
ック91a′の形状となり、この場合でもミル98の刃
先の長さは、Hだけ必要だからである。
【0119】本実施形態では、図8に示されているよう
に、ユーザは「加工手順1:面→溝」を選択している
で、加工方法Bで成形する手順が選ばれている。したが
って、形状修正方法Aでも形状修正方法Bでも選ぶこと
ができる。このような場合は、「知識ベース2:製造
性」知識ベース12bの加工除去要素形状制約ルールに
優先順位を予め付けておくか、取り得る形状修正案の候
補一覧を画面に表示してユーザに選択させるようにする
とよい。
【0120】このように、加工除去要素に制約が生じた
ために形状要素データの形状変更を要求する必要がある
ときは、加工除去要素データ生成部10fは、形状修正
データを金型形状要素データ生成部10dに送る(AR
11c)。金型形状要素データ生成部10dは、送られ
てきた加工除去要素データを、金型形状修正データと再
び整合を取り(S74)、金型形状修正データ要素を部
品形状変更駆動部10cに送る(AR11d)。
【0121】最後に、部品形状変更駆動部10cは、金
型形状要素、加工除去要素の制約により生じる部品形状
要素の形状修正内容データを受け取り、最終的に部品形
状要素を修正して(S75)、部品形状要素定義部10
bの部品形状データを更新する(AR11f)。
【0122】制御装置13は、更新した部品形状データ
を受け取り(AR15d)、出力装置14aに転送して
(AR15e)表示する。
【0123】(VII)加工シミュレーション 上で説明した例は、加工除去要素データ知識ベースが十
分あり、加工除去要素データが一意的に決めることがで
きる場合について説明した。ところが、加工除去のため
に用いる工具が複数あり、それらが互いに干渉するなど
の理由のため、パラメータで一意的に評価できないこと
がある。このようなときには、加工除去要素データ知識
ベースが十分ではなものとして(S73a)、加工シミ
ュレータシステムが本発明のCADシステム装置内に存
在すれば(S73c)、本発明のCADシステムは、加
工シミュレーションをおこなう(S73d)。
【0124】加工シミュレーションをおこなうときに
は、加工除去要素データ生成部10fは、加工除去要素
データを加工シミュレーション部10gに転送して(A
R11k)工具軌跡を計算させ加工シミュレーションを
おこなわせる(S73d)。
【0125】加工シミュレータが存在しなければ(S7
3c)、「知識不足」の旨を出力装置14aに表示し
て、形状検査を中止する。
【0126】加工シミュレーション部10gは、シミュ
レーション結果を加工除去要素データ生成部10fに返
送する(AR11m)。
【0127】その後、加工除去要素データ、金型形状要
素データを経て、形状要素データを再修正する処理は、
上の(V)で説明したものと同様である。
【0128】(VIII)金型を用いずに製造する部品の場
合について 上記(I)〜(VI)の例では、部品を製造するために金
型を用いる製造工程での形状検査について説明した。
【0129】本発明のアイディアは、部品の製造に金型
を用いないとき、すなわち、部品に直接、ミルなどの切
削工具をあて、加工する製造工程を持つ部品にも適用可
能である。そのときには、(IV)のCAE解析も(VI)
の加工シミュレーションも、その部品の形状要素データ
を対象としておこなうことになる。
【0130】〔部品1の形状検査に適用する知識データ
ベースについて〕以上は、「知識ベース2:製造性」知
識ベース12bが選ばれ、部品1の形状検査が製造性の
面から検査される場合を説明してきた。
【0131】本発明に係るCADシステム装置は、適用
できる知識ベースを複数持っているのが特徴の一つであ
る。ここで、図6に示されるときに「知識ベース2:製
造性」知識ベース12bの代わりに、「知識ベース3:
強度」知識ベース12cが選択されたする。この場合に
は、制御装置3は部品形状要素定義部10bからCAE
解析部10eへ形状データを送る(AR11g)。CA
E解析部では、CAEの一種である部品1の強度の解析
をおこなうCAE強度解析を実行し、その解析結果を部
品形状変更駆動部10cへ送り、変更が必要なときに
は、形状要素データが変更されることになる。
【0132】「知識ベース2:製造性」知識ベース12
bと「知識ベース3:強度」知識ベース12cの両方が
選択された場合で、2つの知識ベースの形状制約ルール
から導かれる結果がお互いに矛盾する案であった場合に
は、矛盾を通報する画面と修正案一覧画面を表示して、
ユーザがどちらの知識ベースに基づく修正案を採用する
かを選択させるようにするとよい。
【0133】〔形状検査の復帰機能〕形状検査の復帰機
能を設けると、本発明のCADシステム装置を用いて、
試行錯誤により形状検査がしやすくなるため、ユーザイ
ンターフェイスの飛躍的な向上を図ることができる。こ
れを実現するには、形状修正の際に図4の部品形状のデ
ータ構造の形状要素ヘッダ42a以降の複製を作り、複
製の属性部42bに修正前形状属性(図示せず)を付け
て元の形状要素ヘッダ42aにリンクさせておく。そし
て、「Undo」コマンドや適用する知識ベースの選択
を解除する等の操作を、キーボード25やポインティン
グデバイス26などの入力装置14bにより入力された
ときには、元のデータを復帰させれば良い。
【0134】〔一括形状検査〕これまで説明してきた例
は、図6で示されるように部品1の形状要素であるリブ
形状要素1b1を選択して、それに対して形状検査をお
こなう処理について説明してきた。
【0135】これを、例えば、部品1を構成する要素す
べてに対して、一括して形状検査をして結果を出せるよ
うにすると便利である。
【0136】図20は、一括形状検査をするときの本発
明のCADシステム装置による部品形状検査のアルゴリ
ズム概要を示すフローチャートである。
【0137】これは、知識ベースが検索され、「一括し
て形状検査をせよ」というコマンドが入力されたときに
(S103)、形状検査を検索して(S104)、その
各々に対して図5で示したフローの形状検査をおこな
い、形状要素がなくなるまでそれを繰り返す処理をする
ようにすれば良い。
【0138】〔設計基準のユーザに対する表示〕上で説
明してきた例は、形状検査の際に、形状制約ルールが存
在する場合には、それにより自動的に、あるいは、適用
する形状選択ルールを候補として表示して、ユーザにそ
れを選択させて適用してきた。
【0139】ユーザに形状選択ルール選択させる場合
に、上の記載では図11の構造と寸法を示す例を説明し
ている。一方、この形状制約ルールは、部品を設計する
ための基準としての意味合いも持っている。したがっ
て、表現として、ユーザに読みやすいルール形式記述し
た「設計基準」として提示することも可能である。例え
ば、図11の例を設計基準で表現すると以下のようにな
る。
【0140】(b)「プラスチック材料がABS(アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン)であり、表面に
シボ模様加工を施す場合であれば、部品形状に抜き勾配
2度を設定する。」 (c)「プラスチック材料がABS(アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン)であり、シェルの厚さが2m
mであり、リブの厚> さ2mmであり、リブの高さが1
0mmであれば、シェルとリブの結合部に深さ0.7m
m、 幅1mmの溝を付加する。」 (d)「プラスチック材料がABS(アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン)であり、シェルの厚さが2m
mであり、リブの厚さが2mm以上であれば、リブの厚
さを2mmに再設定する。」 また、知識ベースとしてこのようなルール形式で入力し
て、格納できるようにすれば、修正候補の中からの修正
案の選択が容易になると同時に、知識ベースの保守管理
も容易になるという利点がある。
【0141】〔知識ベースの選択について〕上記例で
は、図6の適用する知識ベースの一覧を、知識ベース一
覧表示画面2として、表示して、ユーザに適用する知識
ベースを選択させた。
【0142】適用する知識ベースが一種類であるときに
は、知識ベースの選択はおこなわなくても良い。また、
ユーザごとにプロファイルを作り、CADに用いる知識
ベースを予め定めておけば良い。例えば、本実施形態の
例では、機能設計者は、「知識ベース1:機能」のみ適
用して、形状検査をおこなう。また、工場の生産プロセ
スの設計に関わっている設計者は、「知識ベース2:製
造性」のみ適用して形状検査をおこなうなどである。
【0143】
【発明の効果】本発明によれば、CADシステムによ
り、部品を設計するにあたり、部品を形状要素に分解し
て定義し、その形状要素ごとに、形状修正を自動的にお
こなえるようにすることにより、多様な部品を効率的に
設計することのできるCADシステム装置およびCAD
による製品設計方法を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCADシステム装置の機能構成を
表すブロック図である。
【図2】本発明に係るCADシステム装置のハードウェ
ア構成を表すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る部品とその形状要素に分解し
たときの様子を示す図である。
【図4】本実施形態に係る部品を表すためにCADシス
テム装置が保持するデータ構造を表す図である。
【図5】本発明のCADシステム装置による部品形状検
査のアルゴリズム概要を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るCADシステム装置が提供す
る画面イメージであり、形状検査のために部品の形状要
素を選択し、適用する知識ベースを一覧として表示して
いるところの図である。
【図7】本実施形態に係るCADシステム装置が提供す
る画面イメージであり、図6の次の段階で、製造性の知
識ベースを選択し、適用する金型加工方法を一覧として
表示しているところの図である。
【図8】本実施形態に係るCADシステム装置が提供す
る画面イメージであり、図7の次の段階で、金型加工方
法として加工方法1を選択し、さらに詳細条件として加
工手順一覧金型加工方法一覧として表示しているところ
の図である。
【図9】部品1の金型のコア駒80を示す斜視図であ
る。
【図10】部品1の金型のコア駒80とキャビ駒81で
成形しているところを示す正面図と側面図である。
【図11】部品1のリブ形状要素1b1の形状制約例を
図示した模式図である。
【図12】部品1の金型コア駒の加工方法Aと加工方法
Bにおける第一段階の加工除去要素を示す斜視図であ
る。
【図13】部品1の金型コア駒の加工方法Aにおける第
二段階の加工除去要素を示す斜視図である。
【図14】部品1の金型コア駒の加工方法Aにおける第
三段階の加工除去要素を示す斜視図である。
【図15】部品1の金型コア駒の加工方法Bにおける第
二段階の加工除去要素を示す斜視図である。
【図16】部品1の金型コア駒の加工方法Bにおける第
三段階の加工除去要素を示す斜視図である。
【図17】加工除去要素と工具長の関係を対比して示し
た模式図である。
【図18】部品1の形状に修正を加えるときの加工方法
と加工形状を二種類説明した図である。
【図19】加工方法Aを用いるときの、加工除去要素を
二種類対比して示した図である。
【図20】一括形状検査をするときの本発明のCADシ
ステム装置による部品形状検査のアルゴリズム概要を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…部品、1a…部品のシェル形状要素、1b1…部品
のリブ形状要素、1b2…部品のリブ形状要素、1b3
…部品のリブ形状要素、2…知識ベース一覧表示画面、
3…金型加工方法一覧表示画面、4…加工手順一覧表示
画面、10a…形状操作装置、10b…部品形状要素定
義部、10c…部品形状変更駆動部、10d…金型形状
要素データ生成部、10e…CAE解析部、10f…加
工除去要素データ生成部、10g…加工シミュレーショ
ン部、12a…知識ベース、12b…知識ベース、12
c…知識ベース、13…制御装置、14a…出力装置、
14b…入力装置、20…CPU中央演算装置、21…
半導体記憶装置、22…出力デバイスインターフェース
装置、23…ディスプレイ、24…入力デバイスインタ
ーフェース装置、25…キーボード、26…ポインティ
ングデバイス、27…ディスク記憶装置インターフェー
ス装置、28…ハードディスク装置、30…データバ
ス。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品の設計をおこなうCAD(Computer
    Aided Design)システム装置において、 入力装置と、 出力装置と、 一つ以上の知識ベースと、 それらの知識ベースを管理する知識ベース管理装置と、 形状要素のデータを修正する形状操作装置とを備え、 前記部品の形状を、形状要素の組み合わせによって定義
    して、 また、前記知識ベースには、定義された形状要素に対す
    る形状に関する制約として、形状制約ルールが記載され
    ていて、 前記知識ベース管理装置は、 前記部品の形状要素の一つを前記入力装置により選択さ
    れると、 その形状要素に関連した知識ベースの一覧を、前記出力
    装置上に表示して、 表示された前記知識ベース一覧の中から、一つだけ、あ
    るいは複数の知識ベースが選択されると、 前記知識ベース管理装置は、選択された形状要素に関連
    する形状制約ルールを検索して、 前記形状操作装置は、その検索された形状制約ルール
    と、現在の形状要素のデータとを照合して形状検査をお
    こない、 その形状制約ルールに違反している場合には、自動的に
    その形状要素のデータを修正することを特徴とするCA
    Dシステム装置。
  2. 【請求項2】 その形状要素に関連あるものとして、検
    索された形状制約ルールを、前記出力装置上に、形状制
    約ルール候補一覧として表示して、 表示された前記形状制約ルールが、前記入力装置により
    選択されると、 前記形状操作装置が、その選択された形状制約ルールに
    基づいて、現在の形状要素のデータとを照合して形状検
    査をおこない、その後の自動修正もおこなうことを特徴
    とする請求項1記載のCADシステム装置。
  3. 【請求項3】 前記形状要素の選択をおこなわずに、 前記入力装置より、一括形状検査コマンドを入力する
    と、 設計対象となる形状要素のすべてに対して、 前記知識ベースは、選択された知識ベースの中から、関
    連する形状制約ルールを検索して、 前記形状操作装置が、その選択された形状制約ルールに
    基づいて、現在の形状要素のデータとを照合して形状検
    査をおこない、その後の自動修正もおこなうことを特徴
    とする請求項1記載のCADシステム装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の一括形状コマンドを入力
    して、その部品のすべての形状要素に対して、形状検査
    と自動修正する機能と、 請求項2記載のある形状要素に関連ある形状制約ルール
    を、形状制約ルール候補一覧として表示して、 表示された前記形状制約ルールが、前記入力装置により
    選択されると、 前記形状操作装置が、その選択された形状制約ルールに
    基づいて、形状検査と自動修正する機能との両者を併せ
    持つことを特徴とする請求項1記載のCADシステム装
    置。
  5. 【請求項5】 前記出力装置上に、前記形状要素に関連
    ある形状制約ルールを、形状制約ルール候補一覧として
    表示するのを、 形状要素に関連する設計基準の形式で表示することを特
    徴とする請求項2および請求項4記載のいずれかのCA
    Dシステム装置。
  6. 【請求項6】 複数の知識ベースの適用を選択したとき
    に、 適用された各々の形状修正の結果が矛盾するときには、 その矛盾情報を、前記出力装置上に表示することを特徴
    とする請求項1ないし請求項5記載のいずれかのCAD
    システム装置。
  7. 【請求項7】 前記入力装置により、選択された知識ベ
    ースの解除、または、復帰コマンドを入力すると、 形状要素データを修正前のデータに戻す復帰機能を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項6記載のいず
    れかのCADシステム装置。
  8. 【請求項8】 前記知識ベースに、製造性に関するもの
    を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の
    いずれかのCADシステム装置。
  9. 【請求項9】 前記製造性に関する知識ベースが選択さ
    れたときに、 前記出力装置上に、加工方法、あるいは、加工手順の一
    覧を表示し、 その加工方法、加工手順が選択されると、 前記製造性に関する知識ベースの中から、その選択に適
    合するような形状制約ルールを適用することを特徴とす
    る請求項8記載のCADシステム装置。
  10. 【請求項10】 さらに、CAE(Computer Aided Eng
    ineering)解析システムを有し、 検索された形状制約ルールが、存在しないか、形状修正
    のために十分でないときには、 このCAE(Computer Aided Engineering)解析システ
    ムにより、CAE解析をおこなって、あらたな形状制約
    ルールを得ることを特徴とする請求項1ないし請求項9
    記載のいずれかのCADシステム装置。
  11. 【請求項11】 さらに、加工シミュレータシステムを
    有し、 検索された形状制約ルールが、存在しないか、形状修正
    のために十分でないときには、 この加工シミュレータシステムにより、加工シミュレー
    ションをおこなって、あらたな形状制約ルールを得るこ
    とを特徴とする請求項8および請求項9記載のいずれか
    のCADシステム装置。
  12. 【請求項12】 さらに、部品の形状要素のデータを定
    義する部品形状要素定義部と、 その部品の形状要素を作るための金型の形状要素を定義
    するための金型形状要素データ生成部と、 金型を加工するときの加工除去要素データを生成するた
    めの加工除去要素データ生成部とを有し、 その形状要素を生成するための金型に関する形状制約ル
    ールを用いて、金型の形状修正データを生成し、 金型の加工除去処理をするときの形状制約ルールを用い
    て、加工除去要素データを生成し、 最終的に、これらのデータを参照して、形状要素の修正
    データを生成することを特徴とする請求項8、請求項
    9、および、請求項11記載のいずれかのCADシステ
    ム装置。
  13. 【請求項13】 前記知識ベースが一つしかないときに
    は、形状検査のために適用する知識ベースの選択をさせ
    る処理を省き、 知識ベースが複数あり、ユーザプロファイルとして、ユ
    ーザごとに対応する知識ベースが定義されているときに
    は、 その対応する知識ベースを形状検査のための知識ベース
    とすることを特徴とする請求項1ないし請求項12記載
    のいずれかのCADシステム装置。
  14. 【請求項14】 部品の設計をおこなうCADによる製
    品設計方法において、 このCADによる製品設計方法に用いるCADシステム
    装置は、 入力装置と、 出力装置と、 一つ以上の知識ベースと、 それらの知識ベースを管理する知識ベース管理装置と、 形状要素のデータを修正する形状操作装置とを備え、 前記部品の形状を、形状要素の組み合わせによって定義
    して、 また、前記知識ベースには、定義された形状要素に対す
    る形状に関する制約として、形状制約ルールが記載され
    ていて、 前記知識ベース管理装置は、 前記部品の形状要素の一つを前記入力装置により選択さ
    れると、 その形状要素に関連した知識ベースの一覧を、前記出力
    装置上に表示して、 表示された前記知識ベース一覧の中から、一つだけ、あ
    るいは複数の知識ベースが選択されると、 前記知識ベース管理装置は、選択された形状要素に関連
    する形状制約ルールを検索して、 前記形状操作装置は、その検索された形状制約ルール
    と、現在の形状要素のデータとを照合して形状検査をお
    こない、 その形状制約ルールに違反している場合には、自動的に
    その形状要素のデータを修正することを特徴とするCA
    Dによる製品設計方法。
  15. 【請求項15】 その形状要素に関連あるものとして、
    検索された形状制約ルールを、前記出力装置上に、形状
    制約ルール候補一覧として表示して、 表示された前記形状制約ルールが、前記入力装置により
    選択されると、 前記形状操作装置が、その選択された形状制約ルールに
    基づいて、現在の形状要素のデータとを照合して形状検
    査をおこない、その後の自動修正もおこなうことを特徴
    とする請求項14記載のCADによる製品設計方法。
  16. 【請求項16】 前記形状要素の選択をおこなわずに、 前記入力装置より、一括形状検査コマンドを入力する
    と、 設計対象となる形状要素のすべてに対して、 前記知識ベースは、選択された知識ベースの中から、関
    連する形状制約ルールを検索して、 前記形状操作装置が、その選択された形状制約ルールに
    基づいて、現在の形状要素のデータとを照合して形状検
    査をおこない、その後の自動修正もおこなうことを特徴
    とする請求項14記載のCADによる製品設計方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の一括形状コマンドを
    入力して、その部品のすべての形状要素に対して、形状
    検査と自動修正する機能と、 請求項15記載のある形状要素に関連ある形状制約ルー
    ルを、形状制約ルール候補一覧として表示して、 表示された前記形状制約ルールが、前記入力装置により
    選択されると、 前記形状操作装置が、その選択された形状制約ルールに
    基づいて、形状検査と自動修正する機能との両者を併せ
    持つことを特徴とする請求項14記載のCADによる製
    品設計方法。
  18. 【請求項18】 前記出力装置上に、前記形状要素に関
    連ある形状制約ルールを、形状制約ルール候補一覧とし
    て表示するのを、 形状要素に関連する設計基準の形式で表示することを特
    徴とする請求項15および請求項17記載のいずれかの
    CADによる製品設計方法。
  19. 【請求項19】 複数の知識ベースの適用を選択したと
    きに、 適用された各々の形状修正の結果が矛盾するときには、 その矛盾情報を、前記出力装置上に表示することを特徴
    とする請求項14ないし請求項18記載のいずれかのC
    ADによる製品設計方法。
  20. 【請求項20】 前記入力装置により、選択された知識
    ベースの解除、または、復帰コマンドを入力すると、 形状要素データを修正前のデータに戻す復帰機能を有す
    ることを特徴とする請求項14ないし請求項19記載の
    いずれかのCADによる製品設計方法。
  21. 【請求項21】 前記知識ベースに、製造性に関するも
    のを含むことを特徴とする請求項14ないし請求項20
    記載のいずれかのCADによる製品設計方法。
  22. 【請求項22】 前記製造性に関する知識ベースが選択
    されたときに、 前記出力装置上に、加工方法、あるいは、加工手順の一
    覧を表示し、 その加工方法、加工手順が選択されると、 前記製造性に関する知識ベースの中から、その選択に適
    合するような形状制約ルールを適用することを特徴とす
    る請求項21記載のCADによる製品設計方法。
  23. 【請求項23】 このCADシステム装置は、さらに、
    CAE(Computer Aided Engineering)解析システムを
    有し、 検索された形状制約ルールが、存在しないか、形状修正
    のために十分でないときには、 このCAE(Computer Aided Engineering)解析システ
    ムにより、CAE解析をおこなって、あらたな形状制約
    ルールを得ることを特徴とする請求項14ないし請求項
    22記載のいずれかのCADによる製品設計方法。
  24. 【請求項24】 このCADシステム装置は、さらに、
    加工シミュレータシステムを有し、 検索された形状制約ルールが、存在しないか、形状修正
    のために十分でないときには、 この加工シミュレータシステムにより、加工シミュレー
    ションをおこなって、あらたな形状制約ルールを得るこ
    とを特徴とする請求項21および請求項22記載のいず
    れかのCADによる製品設計方法。
  25. 【請求項25】 形状検査に用いる知識ベースが、製造
    性に関するものが選択されたときに、(1)製造性に関
    する詳細条件を入力するステップ、(2)形状要素デー
    タと、その形状要素データを生成するための金型の形状
    要素データを生成するステップ、(3)前記形状要素デ
    ータと、前記(2)のステップで生成された金型の形状
    要素データと、加工にあたっての制約条件を参照して、
    前記(2)のステップで生成された金型を加工するため
    の加工除去要素データを生成するステップ、(4)前記
    (2)のステップの金型の形状要素データと、前記
    (3)のステップの加工除去要素データとを、前記形状
    要素データにフィードバックさせ、形状要素データを修
    正するステップとを有し、 形状検査のときには、この(1)ないし(4)のステッ
    プをこの順におこなうことを特徴とする請求項21、請
    求項22、および、請求項24記載のいずれかのCAD
    による製品設計方法。
  26. 【請求項26】 前記知識ベースが一つしかないときに
    は、形状検査のために適用する知識ベースの選択をさせ
    る処理を省き、 知識ベースが複数あり、ユーザプロファイルとして、ユ
    ーザごとに対応する知識ベースが定義されているときに
    は、 その対応する知識ベースを形状検査のための知識ベース
    とすることを特徴とする請求項14ないし請求項25記
    載のいずれかのCADによる製品設計方法。
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