JPH11295366A - マルチビームを利用した衛星等に搭載されたアンテナパターン方向の測定方法または移動地上局の位置推定方法 - Google Patents

マルチビームを利用した衛星等に搭載されたアンテナパターン方向の測定方法または移動地上局の位置推定方法

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JPH11295366A
JPH11295366A JP10319598A JP10319598A JPH11295366A JP H11295366 A JPH11295366 A JP H11295366A JP 10319598 A JP10319598 A JP 10319598A JP 10319598 A JP10319598 A JP 10319598A JP H11295366 A JPH11295366 A JP H11295366A
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satellite
ground station
antenna
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JP10319598A
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English (en)
Inventor
Osamu Takeda
修 竹田
Yukio Hashimoto
幸雄 橋本
Yoichi Kawakami
用一 川上
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JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYS
JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYSTEM KENKYUSHO KK
Original Assignee
JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYS
JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYSTEM KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】衛星搭載マルチビームアンテナのパターンを測
定する際、従来のアンテナパターン測定における時間的
変化の誤差を取り除こうとするものである。 【解決手段】マルチビームを利用した衛星等に搭載され
たアンテナパターン方向の測定方法は、衛星1等に搭載
されたマルチビーム送信アンテナ2から放射される複数
ビームの試験信号を、周波数分割等の多重化をしてほぼ
同時に一つの固定地上局6で受信し、該地上局で受信さ
れた上記複数ビームのいずれか二つの受信電力の相対レ
ベル差を検出して、該相対レベル差に基づく複数の等高
曲線の交点から上記衛星等に搭載された送信アンテナパ
ターン4の方向を測定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、衛星等を利用し
たマルチビーム型通信システムにおいて、軌道上にある
人工衛星等に搭載されたマルチビームアンテナが地球に
対する送信、または地球から受信する複数のビームのア
ンテナパターンから上記人工衛星等に搭載されたアンテ
ナの指向方向を一度に測定する方法または指向方向が既
知の衛星側マルチビームアンテナに対する移動地上局の
位置を一度に推定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地上と衛星軌道上では環境が大きく異な
るため、衛星に搭載されたアンテナのパターンは、予め
地上で測定したアンテナパターンとは必ずしも一致しな
い。これは、地上では重力による変形が大きいことや、
軌道上での衛星の熱環境が地上では正確にシミュレイト
できないこと等の理由による。
【0003】そこで衛星搭載アンテナ(特に、通信用の
大型アンテナ)は、軌道上でのアンテナパターンを直接
測定することが望ましい。
【0004】図6,図7に、同じ出願人によって提案さ
れた従来の衛星搭載用アンテナパターンの測定方法を示
す。(特願平8−329031号,特願平8−3290
90号) 上記従来の衛星搭載受信アンテナパターンの測定方法
は、衛星に搭載されている既存の通信用受信アンテナと
通信用送信アンテナを接続し、地上から送られてきた信
号を上記受信アンテナで受け、上記受信された電波を上
記送信アンテナにより再び地上へ送ることにより上記受
信アンテナの受信感度を測定するものである。上記従来
のアンテナパターンの測定における受信感度の測定は、
(1)衛星の姿勢を変えながら行う、(2)地上用アン
テナシステムの位置を変えながら行う、(3)上記受信
アンテナの放射パターンを変えながら行う、等により行
われ、上記受信アンテナの放射パターンを測定するもの
である。ただし、上記(1)の放射パターンの測定にお
いて、上記衛星搭載通信用送信アンテナの放射パターン
の影響を無視できるようにするため、上記アンテナパタ
ーン測定のため衛星の姿勢を変動させる範囲で一定にす
る必要がある。
【0005】同じ出願人によって提案された従来の衛星
搭載用アンテナパターンの測定方法を、図6,図7によ
って説明する。
【0006】図6,図7において、1は衛星本体、2は
衛星搭載受信アンテナ、3は衛星搭載送信アンテナであ
る。4及び5は、それぞれ該衛星搭載受信アンテナ2、
衛星搭載送信アンテナ3のアンテナパターンを示す。
6、7は地上局であり、8、9は、それぞれ地上局の送
信アンテナ及び受信アンテナを示す。
【0007】図6は、受信アンテナ2が可変ビーム機能
を有している場合の衛星の受信アンテナパターンを測定
する上記従来の測定方法を示している。図において、固
定の地上局6からの送信信号がアンテナ2で受信され、
この受信信号はトランスペアレントな中継を行って、送
信アンテナ3で再び地上局に送信し、地上局7ではこの
受信信号の強度を観測する。この時、衛星搭載受信アン
テナ2の可変ビーム機能を利用し、4の受信アンテナパ
ターンを固定の地上局に対して地上で2次元的に走査す
ることにより、相対的に受信アンテナパターンを測定す
る。
【0008】具体的には、実際の地表面の座標を(X
i,Yj)[ここで、Xiは経度、Yjは緯度を表す。
i=0,±1,±2,…±m、j=0,±1,±2,…
±n]とし、地上局6の位置をこの中心座標(X0 ,Y
0 )に設置する。このマッピングされた各座標に4の受
信アンテナパターンの方向(受信強度が最大になる方
向)を可変ビームの設計値に従って制御していき、それ
ぞれのポイントにおける電界強度を地上局7で観測す
る。ここで可変ビームの設計値が真値であれば、地上局
7で観測された受信電界強度は中心座標(X0 ,Y0
で最大となるが、通常はアンテナ鏡面の温度による変
形、衛星の姿勢変化、及び可変ビームの設計誤差等の影
響で(Xα,Yβ)で最大値を観測することになる。以
上の測定によって、衛星搭載受信アンテナ2のアンテナ
パターンの方向は、設計値より経度方向で(Xα−
0 )、緯度方向で(Yβ−Y0 )だけ変移しているこ
とが判る。
【0009】上記の例は、受信アンテナに可変ビーム機
能を有している場合を表したが、受信アンテナに可変ビ
ーム機能を持っていない場合の従来例を図7に示す。こ
こでは、衛星搭載受信アンテナ2のアンテナビームを変
化させる代わりに、衛星自体の姿勢を変化させることに
よって各座標のポイントに4の受信アンテナパターンの
方向を制御する方式であり、その他の測定法は上記の従
来例と同じである。但し、衛星自体の姿勢が変化するの
で、5の送信アンテナパターンの指向性が強い場合は地
上局7での受信電界強度の測定に影響を及ぼすので、送
信アンテナは図7に示すように無指向特性をもつ送信ア
ンテナにして、その影響を緩和する必要がある。尚、以
上の例は衛星の受信アンテナパターンを測定する例を示
したものであるが、衛星の送信アンテナパターンの測定
については、衛星で中継を行う必要がなく、衛星の送信
アンテナから送信される信号強度を地上局で測定するこ
とになる。よって、座標系の設定法、及び設計値からの
変移量の解析法は受信アンテナパターンと同様である。
また、その他の例として、衛星の送受信アンテナのパタ
ーンを固定し、複数の地上局を上記の適当な座標系に配
置し、これらの複数の地上局にて衛星からの送信信号強
度を測定したり、或いは複数の地上局から衛星に向けて
信号を送信し、衛星にて多重化した後、再び中継される
地上局で信号強度を測定する方法もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のア
ンテナパターン測定方法では次のような問題点がある。 (1)ビーム可変機能によってアンテナパターン方向を
制御する方法では、アンテナパターン方向を制御し、受
信電界強度を測定する行為を座標ポイントの数(m×
n)だけ繰り返す必要があり、衛星は軌道上を移動して
いるので、この期間の中で衛星の姿勢、アンテナ鏡面の
変化、或いは伝送路系が変化する可能性が十分あり、正
確なビームパターンの推定に比較的大きな誤差を及ぼす
要因となる。 (2)衛星自体の姿勢を制御して、アンテナのビーム方
向を走査する方法においても同様に、ビーム方向を制御
して走査完了までの時間の中で、アンテナ鏡面の変化、
或いは伝送路系が変化する可能性が十分あり、正確なビ
ームパターンの推定が難しい。 (3)複数の地上局を座標系に配置する方法について
は、各地上局で受信電界強度測定の時刻同期を取ること
によって、リアルタイムの測定が可能であるが、数多く
の地上局を準備する必要があり、その分地上局設備規模
が大きくなる。また、衛星から各地上局までは、それぞ
れ異なる伝搬状態を有すると共に、各地上局の送信出力
及び検波精度にもばらつきがあり、この分は測定誤差と
なる。 (4)従来のパターン測定では、基本的に地上で試験信
号の絶対値を検出する必要があるので、特に受信アンテ
ナパターンの測定については、別途、搭載の送信アンテ
ナを設ける必要があり、またこの追加された送信アンテ
ナを余分に経由する分、送信アンテナのパターン測定に
比べると、測定誤差をより生じやすい。
【0011】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、衛星搭載マルチビームアンテナ
のパターンを測定する際、該マルチビームのそれぞれの
受信電界強度を周波数分割等の多重化をしてほぼ同時に
一つの固定地上局で受信し、一度に該受信電界強度を得
ることにより前記従来のアンテナパターン測定における
時間的変化の誤差を取り除こうとするものである。
【0012】また、上記複数ビームのいずれか二つの受
信電力の相対レベル差を検出して、該相対レベル差に基
づく複数の等高曲線の交点から上記衛星等に搭載された
送信アンテナパターンの方向を測定することにより、ア
ンテナ以外の伝送路系において、絶対レベルの変動がア
ンテナパターンの測定精度に与える影響を取り除くこと
を目的としている。
【0013】さらに、上記アンテナパターンの測定方法
は固定の地上局に対する衛星搭載アンテナの方向を検知
しているのであるが、裏返せば同じ原理により衛星搭載
アンテナパターンが既知で定まったものであれば、移動
地上局で上記マルチビームの受信電界強度測定をしてマ
ルチビーム間の相対レベル差を測定することにより、該
移動地上局の位置が求まることになる。この発明は、こ
のような簡易型の移動地上局の位置推定方法を提供する
ことも目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係るマルチビ
ームを利用した衛星等に搭載されたアンテナパターン方
向の測定方法は、人工衛星等を利用するマルチビーム型
通信システムにおいて、衛星等に搭載されたマルチビー
ム送信アンテナから放射される複数ビームの試験信号
を、周波数分割等の多重化をしてほぼ同時に一つの固定
地上局で受信し、該地上局で受信された上記複数ビーム
のいずれか二つの受信電力の相対レベル差を2種類以上
検出して、該相対レベル差に基づいて取得された複数の
等高曲線の交点と前記固定地上局の位置情報のずれか
ら、上記衛星等に搭載された送信アンテナパターンの方
向を測定することを特徴とするものである。
【0015】また、人工衛星等を利用するマルチビーム
型通信システムにおいて、一つの固定地上局から周波数
分割等の多重化をしてほぼ同時に送信した試験信号を、
衛星等に搭載されたマルチビーム受信アンテナで受信
し、該受信された複数ビームの試験信号のいずれか二つ
の受信電力の相対レベル差を2種類以上検出し、該相対
レベル差に基づいて取得された複数の等高曲線の交点と
前記固定地上局の位置情報のずれから、上記衛星等に搭
載された受信アンテナパターンの方向を測定することを
特徴とするアンテナパターン方向の測定方法である。
【0016】また、この発明に係る衛星搭載マルチビー
ムアンテナを利用した移動地上局の位置推定方法は、人
工衛星等を利用するマルチビーム型通信システムにおい
て、衛星等に搭載されたマルチビーム送信アンテナから
放射される複数ビームの試験信号を、周波数分割等の多
重化をしてほぼ同時に一つの移動地上局で受信し、該地
上局で受信された上記複数ビームのいずれか二つの受信
電力の相対レベル差を検出し、該相対レベル差に基づく
複数の等高曲線の上に前記移動地上局方向をプロットす
ることにより、上記移動地上局の位置(地理)情報を得
ることを特徴とするものである。
【0017】また、人工衛星等を利用するマルチビーム
型通信システムにおいて、一つの移動地上局から周波数
分割等の多重化をしてほぼ同時に送信した試験信号を、
衛星等に搭載されたマルチビーム受信アンテナで受信
し、該受信された複数ビームの試験信号のいずれか二つ
の受信電力の相対レベル差を2種類以上検出し、該相対
レベル差に基づく複数の等高曲線の上に前記移動地上局
方向をプロットすることにより、上記移動地上局の位置
(地理)情報を得ることを特徴とする移動地上局の位置
推定方法である。
【0018】すなわち、本発明は人工衛星等を利用する
マルチビーム型通信システムにおいて、衛星の各送信ビ
ームをビーム毎にある特定のビーム構成に変える可変ビ
ーム機能を衛星が有し、この複数ビームからの試験信号
を1カ所の地上局にて同時に受信し、それらの試験信号
の相対レベルを検出する機能を地上局が備え、予め地上
にて測定され既知情報である上記の特定ビーム構成にお
ける衛星の送信ビームパターンと、同じく既知情報であ
る地上局の位置情報によって、軌道上にて運用状態にあ
る衛星の送信ビームパターンの実際の位置を推定できる
アンテナパターン方向の測定方法である。
【0019】また、上記の通信システムにおいて、衛星
の各受信ビームをビーム毎に或る特定のビーム構成に変
える可変ビーム機能を衛星が有し、また地上局から送信
される試験信号を、衛星にて該複数ビームで同時受信
し、これらの複数の試験信号をFDMA、或いはTDM
A方式等の任意の多重化方式で多重し、この多重化され
た信号を単一ビームを用いて再び地上局へ転送する機能
を衛星が備え、これらの多重化された試験信号を受信す
る機能と、これら複数ビームの各試験信号の相対レベル
を検出する機能を地上局が備え、予め地上にて測定され
既知情報である上記の特定ビーム構成における衛星の送
信ビームパターンと、同じく既知情報である地上局の位
置情報によって、軌道上にて運用状態にある衛星の受信
ビームパターンの実際の位置を推定できるアンテナパタ
ーン方向の測定法である。
【0020】さらに、上記原理を利用し、移動地上局の
位置測定を行うものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明のアンテナパターン
の測定系統図を表したものである。先ず、2の衛星搭載
アンテナが送信アンテナの場合について、そのアンテパ
ターンの測定原理を述べる。
【0022】2の搭載アンテナは、複数のビーム(図1
ではビームa,ビームb、及びビームcの3ビーム構成
の例で示してある。)を同時に地球上の地上局へ向けて
試験信号を照射する。この試験信号は、各ビーム毎に異
なる周波数を用いるか、同一周波数で時間を分割する方
法、或いは異なる符号化を施す方法や、これらを組み合
わせる方法等を用いて、単一の固定地上局(検波器)で
各ビームの試験信号のレベルを個別に検出できるように
する。ビームの配置は図2に示すように、各ビームのア
ンテナパターン方向(送信電界強度が最大となる方向)
と地球上表面との交点、Oa,Ob、及びOcが互いに
ほぼ等間隔となるように設定する。ビーム間隔を等間隔
に設定する理由は、高い測定精度を得られるように考慮
するためであり、必要精度によっては必ずしも等間隔で
ある必要はない。今、ビームaとビームbのみに着目す
る。この時、Oa,Obを含む直線AB上にある地上局
にて、両ビームの試験信号を受信した時の受信電界強度
を図3に示す。ビームa、及びbの試験信号の検出レベ
ル(絶対値)をそれぞれ[Pa,Pb]、両者の相対値
を[Pba=Pb−Pa]とする。今例えば、ビームa
とビームbの試験信号の照射レベルが等しいとすると、
OaとObの中間地点で、ほぼ[Pba=0]となるこ
とが判る。また、1次元の直線AB上だけではなく、2
次元の地上表面を考えた時、一定のPbaを表す「Pb
aの等高曲線」が図4の様に描くことができる。
【0023】以上はビームaとビームbとの関係につい
て述べたが、ビームbとビームc、及びビームaとビー
ムcについても同様に「Pac、及びPcbの等高曲
線」を描くことができる。3ビーム構成の場合の各等高
曲線(Pba、Pac、Pcb)を重ね合わせた図を図
5に示す。
【0024】これらの等高曲線は、アンテナの特性に依
存し、サイドローブ等を考慮すると通常はもっと複雑な
パターンとなる。従って、衛星搭載用アンテナは、地上
における開発段階で詳細な等高曲線のデータを取得して
おく必要がある。このようなデータが事前に準備されて
いることを前提に、具体的な本発明の送信アンテナパタ
ーンの測定手順を次に述べる。今、図2に示すビーム構
成の中で、位置情報が既知である地上局[X0 ,Y0
にて、各ビームの試験信号を観測し、仮に3つの試験信
号の検出レベルが全て等しいとする。この場合は、図5
の等高曲線で、3本の曲線、即ちPba=0,Pac=
0,Pcb=0の交点R0[Xα,Yβ]が、実際の照
射ビームの座標系の中における、地上局の位置であると
認識できる。以上の観測、及び事前取得データにより、
実際の送信アンテナのパターンの方向は、設計値よりも
経度方向で(Xα−X0 )、緯度方向で(Yβ−Y0
だけ変移していることが判る。
【0025】以上は2の搭載アンテナが、送信アンテナ
の場合を示したものであるが、搭載アンテナが受信アン
テナの場合についても、同様に実際のアンテナパターン
方向の設計値に対する変移量を測定することが可能とな
る。すなわち、地上局から送信された試験信号について
各ビームでの検出出力を測定すればよい。但し、2が受
信アンテナの場合には、地上にて試験信号のレベルを精
度良く検出するために、通常は従来例と同様に衛星側で
受信した試験信号を地上へ送り返すことが必要である。
このためには、従来例と同様に別途衛星に送信アンテナ
を設けることも考えられるが、本発明では地上でのレベ
ル検出は絶対レベルではなく相対レベルの検出で良いの
で、従来例のように無指向性特性を持つアンテナを準備
する必要はなく、2のアンテナを送受共用型にして測定
することが可能である。
【0026】このように2の各ビームで受信された試験
信号は、各ビーム毎に周波数変換を行って周波数多重を
行うか、時間軸上でスイッチングを行うTDM多重、或
いは符号化分割多重等を利用して、再び任意の送信ビー
ムを使用して2の送受共用アンテナから地上局へ向けて
送信される。地上では衛星で受信した試験信号の相対レ
ベルを測定できればよいので、この時使用される衛星の
送信ビームは地上局での測定ダイナミックレンジの範囲
に入るビームであればいずれのビームを使用しても良い
という自由度がある。地上局にて各ビーム試験信号の相
対値を測定した後は、送信アンテナの測定手順と同様
に、実際の照射ビームの座標系の中における地上局の位
置:R0[Xα,Yβ]が求まり、実際の受信アンテナ
のパターンの方向が、設計値からどの程度変位している
かが判定可能となる。
【0027】次に、上記原理はその応用として、衛星搭
載アンテナの方向が既知であって地上局が移動している
場合に、その地上局の位置を測定できるというシステム
が考えられる。すなわち、上記方法では位置(地理)情
報が既知であるアンテナパターン観測用の地上局で、ほ
ぼリアルタイムで時々刻々変化するアンテナパターンの
方向を観測できるので、例えばこの情報を全ビームへ報
知することにより、これらのビームの受信エリア内に存
在する、任意の地上移動局が衛星からの各ビームの相対
レベル差を同じように観測すると、上記アンテナパター
ン方向の報知情報から、逆に地上移動局の位置(地理)
情報を推定できるのである。この地理(位置)情報推定
システムの分野では、システムの規模、地理情報推定精
度、及びサービスエリアの広さとの間に相関関係があ
り、GPS衛星を用いた大規模なシステムで高精度な地
理情報推定を行うものや、PHSの様に地上網の簡易な
システムで構築され比較的推定精度の劣るものが存在す
るが、本発明の応用分野としての地理情報推定システム
は、上記のシステムのほぼ中間的な位置を占めると考え
られる。即ち、本発明の地理情報推定システムは、GP
Sシステムのように複数の衛星を利用せゆe4e4e4e4e4e4
e4e4e4b8、単一の衛星を用いたシステムと仮定すると1
衛星でシステムを構築可能であるが、地理情報推定精度
及びサービスエリアでは1衛星であることの制約を受け
るので、GPS程の精度は期待できない。しかし、PH
Sシステムに比較すると、衛星を利用する必要があるた
め設備規模が大きくなるが、位置推定がサービスエリア
の特定のみに留まるPHSシステムに比べ高い精度が得
られる点と、衛星からの照射ビームエリア内ならばシー
ムレスでより広範囲なサービスエリア(例えば、静止衛
星のカバー範囲)を提供可能な点で優れている。 従っ
て、システムの規模、地理情報推定精度、及びサービス
エリアの広さの見地から、本発明の応用効果である地理
情報推定システムは、GPSシステムや、PHSシステ
ムのような従来システムの中で、それらの補間的なシス
テムを提供可能である。なお、本発明は、周回衛星や複
数の静止衛星を用いたシステムの中に拡張することも可
能であり、この場合はGPSの精度に限りなく近づける
ことも可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンテナ
パターン測定法は次のような効果がある。 (1)複数のビーム間の相対レベル差を測定し、予め開
発段階に取得済みの各ビーム間等高曲線の中にマッピン
グする方法を採用しているので、ほぼリアルタイムで時
々刻々変化するアンテナパターンの方向が、観測可能で
ある。従って、従来例のように比較的長い測定時間を要
するために生じる測定誤差要因を、取り除くことが可能
となる効果を有する。 (2)衛星の受信アンテナビームの測定について、受信
電界強度のレベル検出は衛星搭載設備規模の制約と測定
精度の関係から通常地上にて実施するため衛星で試験信
号を中継する必要がある。この点に関し、本発明の方式
では絶対レベルの測定は必要なく、各ビーム間の相対レ
ベル差が求める物理量なので衛星には無指向性の送信ア
ンテナを別途搭載する必要はなく、衛星の受信アンテナ
を送受共用とする事ができ、従来よりも衛星搭載設備の
簡素化が図れるという効果を有する。 (3)従来、本発明の様にリアルタイム性のあるアンテ
ナパターン方向の観測を実現しようとすると、必要とな
るパターン観測精度に対応するかなりの数の地上局設備
を準備する必要があったが、本発明の測定法では1局の
みの地上局で実現可能であり、地上設備の簡素化も図れ
るという効果を有する。 (4)本発明の方式は複数ビームの相対レベル差の測定
なので、測定精度は衛星と観測する地上局との間の伝搬
状況には依存しない。従って、一般的にフェージングが
大きくなる高い周波数領域でも測定可能であり、同じサ
イズのアンテナでも構成ビームエリアを絞り込み、全体
のビーム数を増やすことが可能となるので、測定精度を
向上させることができるという効果を有する。 (5)本発明では地理情報が既知であるアンテナパター
ン観測用の地上局でほぼリアルタイムで時々刻々変化す
るアンテナパターンの方向を観測できるので、例えばこ
の情報を全ビームへ報知することにより、これらのビー
ムの受信エリア内に存在する任意の地上移動局が衛星か
らの各ビームの相対レベル差を同じように観測すると、
上記アンテナパターン方向の報知情報から、逆に地上移
動局の地理情報を推定できるという応用効果も有する。
【0029】すなわち、GPSシステムのように複数の
衛星を利用せず、1衛星でシステムを構築可能であると
共に、PHSシステムに比較すると位置推定がサービス
エリアの特定のみに留まるPHSシステムに比べ高い精
度が得られる点と、衛星からの照射ビームエリア内なら
ばシームレスでより広範囲なサービスエリア(例えば、
静止衛星のカバー範囲)を提供可能な点で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の衛星搭載アンテナパターン測定の全
体図を示す。
【図2】この発明のアンテナビームの配置を示す図であ
る。
【図3】この発明による測定の試験信号の検出レベルを
示す図である。
【図4】この発明による測定の試験信号の検出レベルの
2つのビーム間レベル差の等高曲線を示す図である。
【図5】この発明による測定の試験信号の検出レベルの
3つのビーム間レベル差の等高曲線を示す図である。
【図6】従来技術の一例を示す図である。
【図7】従来技術の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 衛星本体 2 衛星搭載受信アンテナ 3 衛星搭載送信アンテナ 4 衛星の受信アンテナパターン 5 送信アンテナパターン 6,7 地上局 8,9 地上局の送信アンテナ、受信アンテナ
フロントページの続き (72)発明者 川上 用一 東京都千代田区岩本町二丁目12番5号 株 式会社次世代衛星通信・放送システム研究 所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星等を利用するマルチビーム型通
    信システムにおいて、衛星等に搭載されたマルチビーム
    送信アンテナから放射される複数ビームの試験信号を、
    周波数分割等の多重化をしてほぼ同時に一つの固定地上
    局で受信し、該地上局で受信された上記複数ビームのい
    ずれか二つの受信電力の相対レベル差を2種類以上検出
    して、該相対レベル差に基づいて取得された複数の等高
    曲線の交点と前記固定地上局の位置情報のずれから、上
    記衛星等に搭載された送信アンテナパターンの方向を測
    定することを特徴とするアンテナパターン方向の測定方
    法。
  2. 【請求項2】 人工衛星等を利用するマルチビーム型通
    信システムにおいて、一つの固定地上局から周波数分割
    等の多重化をしてほぼ同時に送信した試験信号を、衛星
    等に搭載されたマルチビーム受信アンテナで受信し、該
    受信された複数ビームの試験信号のいずれか二つの受信
    電力の相対レベル差を2種類以上検出し、該相対レベル
    差に基づいて取得された複数の等高曲線の交点と前記固
    定地上局の位置情報のずれから、上記衛星等に搭載され
    た受信アンテナパターンの方向を測定することを特徴と
    するアンテナパターン方向の測定方法。
  3. 【請求項3】 人工衛星等を利用するマルチビーム型通
    信システムにおいて、衛星等に搭載されたマルチビーム
    送信アンテナから放射される複数ビームの試験信号を、
    周波数分割等の多重化をしてほぼ同時に一つの移動地上
    局で受信し、該地上局で受信された上記複数ビームのい
    ずれか二つの受信電力の相対レベル差を検出し、該相対
    レベル差に基づく複数の等高曲線の上に前記移動地上局
    方向をプロットすることにより、上記移動地上局の位置
    情報を得ることを特徴とする移動地上局の位置推定方
    法。
  4. 【請求項4】 人工衛星等を利用するマルチビーム型通
    信システムにおいて、一つの移動地上局から周波数分割
    等の多重化をしてほぼ同時に送信した試験信号を、衛星
    等に搭載されたマルチビーム受信アンテナで受信し、該
    受信された複数ビームの試験信号のいずれか二つの受信
    電力の相対レベル差を2種類以上検出し、該相対レベル
    差に基づく複数の等高曲線の上に前記移動地上局方向を
    プロットすることにより、上記移動地上局の位置情報を
    得ることを特徴とする移動地上局の位置推定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014060710A (ja) * 2012-09-07 2014-04-03 Thales 軌道上の衛星の送信アンテナを特徴付ける方法および関連システム
JP2018042187A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 ソフトバンク株式会社 デジタルチャネライザ、プログラム及び通信衛星

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