JPH11292947A - 低レベルHCFC―1131a副生物を含むHCFC―141b発泡フォ―ム - Google Patents

低レベルHCFC―1131a副生物を含むHCFC―141b発泡フォ―ム

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JPH11292947A
JPH11292947A JP11060199A JP6019999A JPH11292947A JP H11292947 A JPH11292947 A JP H11292947A JP 11060199 A JP11060199 A JP 11060199A JP 6019999 A JP6019999 A JP 6019999A JP H11292947 A JPH11292947 A JP H11292947A
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Herman P Doerge
ハーマン・ピー.・ダージ
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Bayer Corp
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Bayer AG
Bayer Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主発泡剤としての1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン(HCFC-141b)の脱水素ハロゲン化を大幅に
減少させ、よって1−クロロ−1−フルオロエチレン
(HCFC-1131a)副生物の濃度レベルを大幅に減少させる
ような硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供す
る。 【解決手段】a)有機ポリイソシアネートを、 b)少なくとも2個のイソシアネート反応性水素原子及
び約200〜約650のOH価を有する有機物質と、 c)1.0重量%を超える量の水及び、 d)1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの、存在下
で反応させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生成する1−クロ
ロ−1−フルオロエチレン(HCFC-1131a)副生物の濃度
レベルの大幅な減少を伴う、主発泡剤として1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン(HCFC-141b)を使用するポ
リウレタンフォームの製造方法、及びこの製造方法によ
り製造されたフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】硬質ポリウレタンフォーム及びその製造
は従来技術で周知である。このようなフォームは典型的
に、ポリイソシアネートをクロロフルオロカーボン発泡
剤の存在下でポリオールのようなイソシアネート反応性
物質と反応させることにより製造される。しかしなが
ら、これらクロロフルオロカーボン発泡剤は環境問題を
提起することも公知である。これら公知クロロフルオロ
カーボン発泡剤の代替物は目下多くの研究の主題となっ
ている。ハイドロジェンクロロフルオロカーボン(hydro
gen chlorofluorocarbon; HCFC)は最も有望な代替物に
属する。しかしながら、HCFCで遭遇する問題の一つは、
フォーム形成条件下においてHCFCがその前任者クロロフ
ルオロカーボンよりも大規模に分解する傾向があること
である。このハイドロハロカーボン(hydrohalocarbon)
は脱水素ハロゲン化(dehydrohalogenation)を経て塩素
化アルケンを形成する。該ハイドロハロカーボンはまた
ハロゲン原子が水素で置換される還元反応を経ることも
ある。Hammel等により彼等の「ポリウレタンプレミック
ス中及びフォーム中におけるHCFC-123、HCFC-123a 及び
HCFC-141b の分解」と題する論文中で示唆された、この
HCFC分解問題に対する一つの解決法は、フォーム形成混
合物へのHCFCの添加を使用直前まで待たせることであ
る。しかしながらこの解決法は商業的フォーム製造プロ
セスにおいて実用的ではない。
【0003】故にフォーム形成条件下でハイドロハロカ
ーボンを安定化する手段が当業者より探査された。例え
ば米国特許第5,137,929 号は、或るタイプの安定剤をフ
ォーム形成混合物中に含ませると該発泡プロセスの間に
おけるハイドロハロカーボン発泡剤の分解量が減少する
ことを教示している。安定剤として有用と教示された物
質のなかにはエステル、有機酸、酸無水物、アミノ酸、
アンモニウム塩、ブロモアルカン、ブロモアルコール、
ブロモ芳香族エステル、クロロアルコール、ニトロアル
カン、ニトロアルコール、トリアリールメチルクロライ
ド、トリアリールメチルブロマイド、3−スルフォレ
ン、ジアルキルジチオ燐酸亜鉛、ハロアルキル燐酸エス
テル、炭素分子ふるい、活性炭粉末、ゼオライト分子ふ
るい、スルホン酸エステル及びハロアルキル燐酸エステ
ルがある。Bodnar等は彼等の「硬質ポリイソシアヌレー
トフォーム中におけるHCFC-141b分解の最小化」と題す
る論文中において異なる取組み方法を採る。即ちBodnar
等は、フォーム形成反応に使用される触媒が、ポリオー
ル中に存在する如何なる相溶化剤(compatibilizer)も該
触媒のカチオンを溶媒和させることができず、それによ
り該触媒のアニオンの反応性を高めるように選択される
ことを推奨した。米国特許第5,407,596 号は、フォーム
形成混合物中に、多少のヒドロキシル基がブロックされ
ているスクロースベースのポリオールを使用することに
よりハイドロハロカーボン発泡剤の分解(degradation)
が低減又は抑止されることを教示している。特別に変性
されたポリオール、特殊な触媒及び/若しくは安定剤の
使用は必然的にコストを増大させる結果を生む。したが
って、特別に変性若しくは適合させた物質を使用せずに
発泡剤の分解を減少させる、HCFC-141b からフォームを
製造する方法を開発するのが有利であろう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、主発
泡剤として1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCF
C-141b)を使用するポリウレタンフォームの製造方法を
提供することにある。本発明の課題はまた、HCFC-141b
の脱ハロゲン水素が大幅に減少する、HCFC-141b を使用
するポリウレタンフォームの製造方法を提供することに
もある。本発明のもう一つ別の課題は、気泡壁内に存在
する該脱ハロゲン水素副生物の量を大幅に減少させる顕
著な特性を特徴とするポリウレタンフォームを提供する
ことにもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】当業者には明白であろう
と思われるがこれらの又は他の課題は有機ポリイソシア
ネートを、水とジクロロ−フルオロエタン(HCFC-141b)
とからなる発泡剤の存在下で少なくとも2個のイソシア
ネート反応性水素原子を有する有機物質と反応させるこ
とにより達成される。水は、全フォーム形成混合物の
1.0重量%を超える量で存在する必要がある。生成す
るフォームは、約0.160 Btu-in./hr.ft2 oF未
満、好ましくは約0.150 Btu-in./hr.ft2 oF未満
の熱伝導率を特徴とする。本発明は、主発泡剤としてジ
クロロフルオロエタンを使用するポリウレタンフォーム
の製造方法及び、上述のポリオールで製造されるフォー
ムを指向するものである。本発明の方法においては有機
ポリイソシアネートが、1,1−ジクロロ−1−フルオ
ロエタンを含む発泡剤と、1.0重量%(該フォーム形
成混合物の全重量を基準として)を超える量の水との存
在下で、少なくとも2個のイソシアネート反応性水素原
子を有する有機物質と反応する。
【0006】
【発明の実施の形態】HCFC-141b は商業的に入手可能で
あって、反応混合物中に、該フォーム形成混合物の全重
量を基準として一般に約2〜約10重量%、好ましくは
約3〜約9重量%、最も好ましくは約4〜約7重量%の
量で含まれることができる。該フォーム形成混合物中に
含まれる水は、該フォーム形成混合物の全重量を基準と
して一般に1.0重量%を超える量、好ましくは1.0
〜約4.0重量%の量、最も好ましくは約1.5重量%
の量で含まれる。該HCFC-141b 及び水は個別に該フォー
ム形成混合物に添加されてよいが、該HCFC-141b 及び水
は該フォーム形成混合物への添加に先だって組み合わさ
れて混合物を形成するのが好ましい。必要とする該HCFC
-141b 及び水に加えて他の公知の発泡剤を使用するとこ
も勿論可能である。そのような随意的な発泡剤としては
モノクロロジフルオロメタン(HCFC-22);2−モノクロ
ロ−2,2−ジフルオロエタン(HCFC-142b);及び1,
1,1−トリフルオロ−2−クロロ−2−フルオロエタ
ン(HCFC-124)のような他のHCFCがある。これらの随意
的な発泡剤はその使用に際して該発泡剤混合物中に、一
般に該発泡剤混合物の全重量の70重量%を超えない
量、好ましくは50重量%以下の量、最も好ましくは3
0重量%以下の量含まれている。
【0007】本発明の方法においては任意の公知イソシ
アネートを使用してよい。使用してよいイソシアネート
としては芳香族、脂肪族及び脂環式ポリイソシアネート
並びにこれらを組み合わせたものがある。好適なイソシ
アネートの例は:m−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイ
ソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサ
ンジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシア
ネート及びその異性体、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、1−メチルフェニル−2,4−フェニルジイソ
シアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−
ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート
並びに3,3′−ジメチル−ジフェニルプロパン−4,
4′−ジイソシアネートのようなジイソシアネート;
2,4,6−トルエントリイソシアネートのようなトリ
イソシアネート;並びに4,4′−ジメチルジフェニル
メタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート及
びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのよう
なポリイソシアネートである。
【0008】粗製ポリイソシアネートもまた本発明の方
法によるポリウレタン製造に使用されることができる。
トルエンジアミン混合物のホスゲン化により得られる粗
製トルエンジイソシアネート及び、粗製ジフェニルメタ
ンジアミンのホスゲン化により得られる粗製ジフェニル
メタンジイソシアネートは好適な粗製ポリイソシアネー
トの例である。好適な未蒸留又は粗製ポリイソシアネー
トは米国特許第3,215,652 号に開示されている。硬質ポ
リウレタン製造に好適なポリイソシアネートは一般に約
25〜約35%のイソシアネート(即ちNCO)含有量
を有するであろう。優先されるポリイソシアネートはそ
のポリウレタン架橋能力の故に、メチレン架橋ポリフェ
ニルポリイソシアネート、及びこのメチレン架橋ポリフ
ェニルポリイソシアネートの、1分子につき約1.8〜
約3.5、好ましくは約2.0〜約3.1イソシアネー
ト部分の平均官能価と、約28〜約34重量%のNCO
含有量とを有するプレポリマーである。該ポリイソシア
ネートはイソシアネート率(即ちイソシアネート基当量
の、イソシアネート反応性基当量に対する比)が一般に
約0.9〜約1.5、好ましくは約1.0〜約1.1に
なるような量が使用される。
【0009】公知の有機化合物であって、なかでも好ま
しくは少なくとも2個のイソシアネート反応性水素原子
を含みかつ約200〜約650、好ましくは約350〜
約450のヒドロキシル(OH)価を有するポリオール
が本発明の方法に使用されることができる。好適な高官
能価・高分子量ポリオールは、活性水素を含む好適な開
始剤をアルキレンオキシドと反応させることにより調製
されることができる。好適な開始剤は少なくとも4個の
活性水素を含むものか、又は開始剤の組み合わせであっ
て活性水素の平均モル数が少なくとも4、好ましくは約
4〜約8、より好ましくは約6〜約8のものである。活
性水素は周知のツェレウィチノフ試験(Kohler著, Jour
nal of the American Chemical Society, Vol.49 (192
7), p.3181)で観測される水素と定義されている。この
ような、活性水素を含む基の代表例としては−OH、−
COOH、−SHおよび−NHR(ここでRはH又はア
ルキル、アリール芳香族基及びこれに類するもの)があ
る。
【0010】好適な開始剤の例としてはペンタエリトリ
トール;ラクトース、α−メチルグルコシド、α−ヒド
ロキシエチルグルコシド、ヘキシトール、ヘプチトー
ル、ソルビトール、デキストロース、マニトール、スク
ロース及びこれに類するもののような炭水化物がある。
好適な、少なくとも4個の活性水素を含む芳香族開始剤
としてはトルエンジアミン、特にメタ−トルエンジアミ
ン及びメタンジフェニルアミン、フェノールとホルムア
ルデヒドとの反応生成物、並びに米国特許第3,297,597;
4,137,265及び 4,383,102号(ここで参考文献として取
り入れられている)に記載されているようなフェノール
とホルムアルデヒドとジアルカノールアミンとの反応生
成物、のような芳香族アミンがある。少なくとも4個の
活性水素を含む開始剤と組み合わせて使用可能な他の好
適な開始剤としては水、グリセリン、トリメチルロール
プロパン、ヘキサントリオール、アミノエチルピペラジ
ン及びこれに類するものがある。これらの開始剤は4個
未満の活性水素を含むことができ、従って1分子当たり
の活性水素の全モル平均値が少なくとも約3.5以上に
止まるような量でのみ使用されることができる。高官能
価・高分子量ポリオールの調製に特に優先される開始剤
はスクロース、デキストロース、ソルビトール、α−メ
チルグルコシド、α−ヒドロキシエチルグルコシドから
なり、これらは個々にも、或いは又グリセリン若しくは
水のような他の開始剤と組み合わせても使用することが
できる。
【0011】これらのポリオールは Wurtz編、The Ency
clopedia of Chemical Technology、Vol. 7、p. 257〜2
66 、Interscience Publishers Inc.(1951)及び米国
特許第1,922,459 号で教示されているような、従来技術
で周知の方法により調製することができる。例えばポリ
オールはオキシアルキル化触媒の存在下で開始剤をアル
キレンオキシドと反応させることにより調製することが
できる。もし望むなら、開始剤とアルキレンオキシドと
の間の反応を促進するため多種多様のオキシアルキル化
触媒を使用することができる。好適な触媒としては米国
特許第3,393,243 及び 4,595,743号に記載されているも
のがあり、ここで参考文献として取り入れられている。
しかしながらアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナト
リウム若しくはカリウム、のような塩基性化合物、又は
トリメチルアミンのような第三級アミンを触媒として使
用するのが優先される。ポリエーテルポリオールは優先
されるポリオールに属する。スクロースをアルカリ触媒
の存在下でエチレンオキシド及び/若しくはプロピレン
オキシドのようなアルキレンオキシドと反応させること
により調製されるポリエーテルポリオールは最も優先さ
れる。米国特許第4,430,490 号はこのようなポリエーテ
ルポリオールを製造するのに好適な方法を開示してい
る。
【0012】スクロースは先ずエチレンオキシドと反応
し、次いでプロピレンオキシドと反応するのが優先され
る。エチレンオキシドは、全アルキレンオキシド使用量
を基準として一般に約10〜約50重量%、好ましくは
約20〜約40重量%の量で使用される。プロピレンオ
キシドは、全アルキレンオキシド使用量を基準として一
般に約50〜約90重量%、好ましくは約60〜約80
重量%の量で使用される。結果として生じるポリオール
は約400〜約1200、好ましくは約550〜約75
0の分子量(末端基分析により測定)を有することにな
ろう。該ポリオール中に存在する該アルカリ触媒を中和
するために使用される酸は、該アルカリ触媒と反応して
該ポリエーテル中に可溶な物質を生む如何なる酸でもよ
い。好適な酸の例としては硫酸、乳酸、サリチル酸、2
−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−
4−メチル安息香酸のような置換サリチル酸並びにこれ
らの酸の混合物がある。スクロースをベースにしたポリ
エーテルポリオールはフォーム形成混合物中に、全フォ
ーム形成混合物を基準として一般に約5〜約35重量
%、好ましくは約20〜約30重量%含まれている。
【0013】該反応は通常約60℃〜約160℃の温度
で行なわれ、かつ、約200〜約650、好ましくは約
300〜約550、最も好ましくは約350〜約500
の範囲にあるヒドロキシル価を有するポリオールを得る
ような、アルキレンオキシドの開始剤に対する比を使用
して進行される。約200〜約650のヒドロキシル価
範囲は、約86〜約280の当量範囲に相当する。65
0を超えるヒドロキシル価を有するポリオールは本発明
の方法では随意的な成分として使用されることができ
る。650を超え、好ましくは700を超えるヒドロキ
シル価を有するアミンベースのポリオールは随意的な成
分として特に有用である。
【0014】該ポリオールの調製に使用されることがで
きる該アルキレンオキシドとしては環式エーテル基を有
する任意の化合物、好ましくはα,β−オキシランがあ
り、これらは置換されていないか、或いはその代りに、
ポリオール調製時に遭遇する条件下で化学的に反応しな
い不活性基で置換されている。好適なアルキレンオキシ
ドの例としてはエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,2−若しくは2,3−ブチレンオキシド、ヘキ
サンオキシドの各種異性体、スチレンオキシド、エピク
ロロヒドリン、エポキシクロロヘキサン、エポキシクロ
ロペンタン及びこれらに類するものがある。性能、入手
の難易度及びコスト面を基準としてエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド若しくはこれら
の混合物が最も優先されるが、エチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド若しくはこれらの混合物が最も優先され
る。ポリオールがアルキレンオキシドの組み合わせで調
製されるとき、該アルキレンオキシドは該ポリオールの
オキシド鎖内にオキシアルキレン単位のランダム分布を
与える完全混合体として反応するか、或いは代りに該ポ
リオールのオキシド鎖内にブロック分布を与えるように
段階的に反応することができる。
【0015】このようなポリオールとしてはスクロース
から出発してプロポキシ化された平均ヒドロキシル価約
400〜約500のポリオール;ソルビトールから出発
してプロポキシ化された平均ヒドロキシル価約250〜
約290のポリオール;及びソルビトール・グリセリン
から出発してプロポキシ化された公称活性水素数平均値
約4.0〜約4.4、平均ヒドロキシル価約250〜約
290のポリオールがある。該ポリオールは、脆砕性が
低く寸法安定性が良好でかつ強度の大きい、熱伝導率が
約0.160 Btu-in./hr.ft2 oF未満のフォームを調
製するに十分な量で使用される。好適な随意的ポリオー
ルとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリヒドロキシ末端アセタール樹脂、ヒドロキ
シ末端アミン及びポリアミンがある。これら及びその他
の好適な物質の例は米国特許第4,394,491 号、特に同明
細書第3〜5欄に、より完全に記載されている。硬質フ
ォームを調製するのに最も優先されるのは、活性水素数
約2〜約8、好ましくは約3〜約8、ヒドロキシル価約
50〜約800、好ましくは約200〜約650、より
好ましくは約300〜約550のものである。このよう
なポリオールの例としては商品名 Terate (Cape Indust
ries社から入手可能)及び Multranol (Bayer Corporat
ion社から入手可能)で商業的に入手可能なものがあ
る。
【0016】本発明のポリウレタンの製造に有用な他の
成分としては界面活性剤、顔料、着色剤、充填剤、抗酸
化剤、難燃剤、安定剤等がある。ポリイソシアネートを
ベースとしたフォームを調製するとき、該フォーム形成
反応混合物が剛性を得るに至るまでの間にこれを安定化
するため、少量の界面活性剤を使用するのが一般に有利
である。そのような界面活性剤は液状若しくは固形の有
機シリコーン化合物からなるのが有利である。他の、そ
れほど優先されない界面活性剤としては長鎖アルコール
のポリエチレングリコールエーテル;長鎖アルキル酸性
硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、アルキル
アリールスルホン酸エステルの第三級アミン又はアルカ
ノールアミン塩がある。このような界面活性剤は、大き
なかつ不同の気泡の破壊及び形成に対抗して該フォーム
形成反応混合物を安定化するに十分な量で使用される。
この目的には典型的に、ポリオール組成物重量100部
につき約0.2〜約5.0部の界面活性剤が十分であ
る。該ポリオール及び水と、該ポリイソシアネートとの
反応のため、1種以上の触媒を使用するのが有利であ
る。公知の第三級アミン及び有機金属化合物を含めて、
任意の好適なウレタン触媒が使用できる。
【0017】好適な第三級アミン触媒の例としてはトリ
エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−
ジメチルアミノエチルピペラジン、3−メトキシ−N−
ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジ
エチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N
−ジメチル−N′,N′−ジメチルイソプロピル−プロ
ピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミ
ノプロピルアミン及びジメチル−ベンジルアミンがあ
る。好適な有機金属触媒としては有機水銀、有機鉛、有
機第二鉄及び有機錫触媒があるが、有機錫触媒が優先さ
れる。好適な有機錫触媒としてはジブチル錫ジ−2−エ
チルヘキサノエート及びジブチル錫ジラウレートのよう
なカルボン酸錫塩がある。塩化第一錫のような金属塩も
また該ウレタン反応の触媒として機能することができ
る。アルカリ金属アルコキシド若しくはカルボキシラー
トのような、ポリイソシアネート三量化用の触媒もまた
ここで随意的に使用することができる。このような触媒
は該ポリイソシアネートの反応速度を測定可能な程度に
増大させるような量で使用される。典型的な量はポリオ
ール重量100部につき触媒約0.01〜約1部であ
る。
【0018】上述した諸成分は硬質ポリウレタン及びポ
リウレタン修飾ポリイソシアヌレートフォームの製造用
に使用することができる。OH価約200〜約650の
該イソシアネート反応性化合物及び任意の他の随意的ポ
リオールは、発泡剤、触媒、界面活性剤、添加剤、充填
剤等の存在下で有機ポリイソシアネートと反応する。本
発明の硬質フォームは全成分を同時かつ一度に反応させ
る1工程プロセスで製造するか、或いはまた所謂 quasi
プレポリマー方法により製造することができる。この、
フォーム形成を機械内で行なう1工程プロセスでは、該
活性水素含有化合物、触媒、界面活性剤、発泡剤及び随
意的添加剤は別々に混合ヘッドへ導入されることがで
き、これらはここで該ポリイソシアネートと組み合わさ
れて該ポリウレタン形成用混合物を産む。この混合物は
好適な容器内に注入若しくは射出注入されるか、又は要
求に沿うように成形されることができる。該混合ヘッド
内に通じる成分ライン数が限られている機械を使用する
ためには、該ポリイソシアネートを除く全成分のプレミ
ックスを利用するのが有利である。これにより該ポリウ
レタン形成混合物が調製される時点における反応成分の
計量及び混合が簡略化される。
【0019】上述の所謂「quasi プレポリマー」方法に
よっても該フォームを調製することができる。この方法
では、該プレポリマーを基準として約10%〜約30%
の遊離イソシアネート基を該反応生成物中に用意するよ
うな割合で、該ポリオール成分の1部分が触媒の非存在
下で該ポリイソシアネート成分と反応する。フォームを
調製するため該ポリオールの残部を加え、諸成分が触媒
並びに開始剤、界面活性剤等の他の適切な添加剤の存在
下で反応し合うようにする。諸成分を混合するのに先だ
ってそのほかの添加剤を該プレポリマー、又は残存ポリ
オール、又はこれら両者に添加することができ、こうし
て該反応の終了時には硬質ポリウレタンフォームが得ら
れる。本発明によって製造されたフォームは、低減され
た分解生成物HCFC-1131a濃度レベルを特徴とするもので
ある。本発明のポリウレタンフォームはその熱伝導率が
約0.160 Btu-in./hr.ft2 oF未満、好ましくは約
0.150 Btu-in./hr.ft2 oF未満であり、広い応用
範囲で有用である。従って器具用硬質フォームのみなら
ず吹き付け断熱用硬質断熱ボード素材、積層板及び多数
の、その他のタイプの硬質フォームが本発明の方法によ
り容易に製造できる。
【0020】以上、本発明を記述したが、以下の実施例
は本発明をさらに説明するためのものである。特に断わ
らない限りこれら実施例においてすべての部及び%はそ
れぞれ重量部及び重量%で表した。
【0021】
【実施例】以下に示す実施例で使用された材料は次の通
りである。 ポリオールA: スクロース、プロピレングリコール及
び水を、塩基の存在下で先ずエチレンオキシド(全アル
キレンオキシドの30%)、次いでプロピレンオキシド
(全アルキレンオキシドの70%)と反応させ、その
後、該反応混合物を乳酸で中和することにより調製され
たポリエーテルポリオール。形成された塩は該ポリオー
ル中に放置した。このポリオールのOH価は467.2
であった。 ポリオールB: o−トルエンジアミンを、塩基の存在
下でエチレンオキシド及びプロピレンオキシドと反応さ
せ、その後、該反応混合物を乳酸で中和することにより
調製されたポリエーテルポリオール。形成された塩は該
ポリオール中に放置した。このポリオールのOH価は3
95であった。 ポリオールC: Stepan Company社から商品名Stepanpo
l PS-2502Aで商業的に入手可能なポリエステルポリオー
ル。このポリオールのOH価は240であった。 ポリオールD: スクロース、水及びプロピレングリコ
ールを、プロピレンオキシドと反応させることにより調
製されたスクロース起源ポリエーテルポリオール。この
ポリオールのOH価は340であった。
【0022】界面活性剤A: Air Products and Chemi
cals, Inc.社から指定符号DC-5357 で商業的に入手可能
なポリアルキレンオキシドジメチルシロキサン共重合
体。 界面活性剤B: Air Products and Chemicals, Inc.社
から指定符号L-1512で商業的に入手可能なポリアルキレ
ンオキシドジメチルシロキサン共重合体。 触媒A: Air Products and Chemicals, Inc.社
から商品名Polycat 41で商業的に入手可能な、特有なア
ミン臭を有する強塩基性こはく様褐色液体。 触媒B: Air Products and Chemicals, Inc.社
から商品名Polycat 8 で商業的に入手可能な第三級アミ
ン触媒。 触媒C: Rhein Chemie社から商品名Desmorapid
PV で商業的に入手可能な第三級アミン触媒。 HCFC-141b : 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン。 HCFC-1131a: 1−クロロ−1−フルオロエチレン。 ISO: Bayer Corporation 社から商品名Mond
ur 1451 で商業的に入手可能な、NCO基含有量約2
9.5%の改質ポリメチレンポリフェニルポリイソシア
ネートプレポリマー。
【0023】ポリオールA、B、C及びD、界面活性
剤、触媒、発泡剤並びにISOは、下記の表に示した量
で組み合わされ、反応した。生成したフォームの物性値
もこの表に示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1のフォーム配合物の含水量は、こ
の配合物の全重量を基準として0.67重量%であっ
た。この配合物が発泡する間に生成したHCFC-1131a副生
物の濃度レベルはHCFC-141b の各グラム当たり1210
ミクログラムであった。実施例2のフォーム配合物の含
水量は、(この配合物の全重量を基準として)1.44
%であった。この配合物が発泡する間に生成したHCFC-1
131a副生物の濃度レベルはHCFC-141b の各グラム当たり
650ミクログラムに過ぎなかった。該表のデータから
直ちに明らかなことは、水の量をより多くして作ったフ
ォームは、HCFC-141b の使用量1グラムにつき、より少
い量の望ましくないHCFC-1131a副生物を含んでいた。こ
のより少ない相対的HCFC-1131a量は予期されていないも
のであった。
【0026】以上、本発明を説明する目的で詳細に記載
したが、そのような詳細は、単にそのためであり、当業
者は、特許請求の範囲に限定されるものを除き、本発明
の精神及び範囲を逸脱せずにその変更を成し得ることを
理解されよう。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約0.160 Btu-in./hr.ft2 oF未満
    の熱伝導率を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方
    法であって、 a)有機ポリイソシアネートを、 b)少なくとも2個のイソシアネート反応性水素原子及
    び約200〜約650のOH価を有する有機物質と、 c)1.0重量%を超える量の水及び、 d)1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの、存在下
    で反応させることからなる前記製造方法。
  2. 【請求項2】 該ポリイソシアネートは約25〜約35
    %のNCO含有量を有する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 該少なくとも2個のイソシアネート反応
    性水素原子を有する有機物質は、ポリエーテルポリオー
    ルと、エステル基を含むポリオールとの混合物である請
    求項1の方法。
  4. 【請求項4】 該ポリイソシアネートは、メチレン架橋
    ポリフェニルポリイソシアネート、又はこのメチレン架
    橋ポリフェニルポリイソシアネートの、約28〜約34
    %のイソシアネート基含有量を有するプレポリマーであ
    る請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 約1.0〜約4.0重量%の水が該反応
    の間に存在する請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
    とは異なるHCFC発泡剤もまた該反応の間に存在する請求
    項1の方法。
  7. 【請求項7】 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
    と、1.0重量%を超える量の水との存在下で該発泡反
    応を行わせることからなる、フォーム製造プロセスの
    間、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンから1−ク
    ロロ−1−フルオロエチレンへの分解を低減する方法。
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