JPH1128340A - 中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜モジュール

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JPH1128340A
JPH1128340A JP18419197A JP18419197A JPH1128340A JP H1128340 A JPH1128340 A JP H1128340A JP 18419197 A JP18419197 A JP 18419197A JP 18419197 A JP18419197 A JP 18419197A JP H1128340 A JPH1128340 A JP H1128340A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
hollow yarn
yarns
membrane module
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Withdrawn
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JP18419197A
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English (en)
Inventor
Kenji Watari
謙治 亘
Masumi Kobayashi
真澄 小林
Masanori Itakura
正則 板倉
Kenji Honjo
賢治 本城
Satoshi Miyashita
聡史 宮下
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過有効面積の大幅な減少を伴うことなく、
中空糸膜の絡み合いが少なく、取扱い性に優れ、かつ、
複数のモジュールを設置したときにそれぞれのモジュー
ルに均等にバブリング洗浄を行うことができる中空糸膜
モジュール。 【解決手段】 複数本の並列した中空糸膜1の少なくと
も片端部が固定された中空糸膜モジュールにおいて、中
空糸膜が、その中空糸膜の長手方向に対して垂直な方向
に沿った複数本の拘束糸条3により一体化されていると
共に、中空糸膜の濾過有効域内における各拘束糸条の間
隔は2mm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空糸膜モジュール
に関し、特に汚濁性の高い液体を濾過するのに適した中
空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中空糸膜モジュールは、無菌水、
飲料水、高純度水の製造や、空気の浄化といったいわゆ
る精密濾過の分野において多く使用されてきたが、近
年、下水処理場における二次処理、三次処理や、浄化槽
における固液分離等の高汚濁性水処理用途に用いる検討
が様々な形で行われている。このような用途に用いる中
空糸膜モジュールは、濾過処理時における中空糸膜の目
詰まりが大きいために、一定時間の濾過処理後、空気を
送って中空糸膜を振動させて膜表面を洗浄したり、濾過
処理と逆方向に処理水を通水するなどの膜面洗浄を繰り
返し行っている。ところで、これらの分野で用いられて
いる中空糸膜モジュールは、従来の精密濾過の分野にお
いて用いられてきた円形状や同心円状に中空糸膜を集束
して配置した円筒形タイプのものがほとんどであった。
また、改良が施されるとしても、中空糸膜の充填率や充
填形態を変えるだけのものが多かった。このような従来
の中空糸膜モジュールを用いて高汚濁性水の濾過処理を
行った場合には、使用に伴い中空糸膜表面に付着した有
機物等の堆積物を介して、中空糸膜同士が固着して一体
化されることにより、モジュール内の中空糸膜の有効膜
面積が減少し、濾過流量の急激な低下がみられた。ま
た、このようにして中空糸膜同士が固着一体化したモジ
ュールを定期的に膜面洗浄や逆洗を行う場合も、モジュ
ールとしての機能回復は容易ではなく、洗浄効率の低下
がみられた。この問題の解決策として、上述した集束型
の中空糸膜モジュールに換えて、中空糸膜をシート状に
配置し、中空糸膜の片端部あるいは両端部が、一つある
いは異なるニつのハウジング内の固定部材でそれぞれの
開口状態を保ちつつ固定した中空糸膜モジュールであっ
て、固定部材の中空糸膜に垂直な断面の形状がいずれも
細長いほぼ矩形である中空糸膜モジュールが提案されて
いる。このようなシート状の平型の中空糸膜モジュール
は、中空糸膜を一定間隔を設けて内外層に均等に配置さ
せることが可能となり、膜面洗浄の際、中空糸膜表面を
均等に洗浄することが極めて容易となるので、これまで
のような濾過効率の低下を抑えることができるなど、高
汚濁性水の濾過に適した中空糸膜モジュールであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような平型の中空
糸膜モジュールは、露出している中空糸膜の自由度が大
きく、エアーバブリングによる膜面洗浄の際、中空糸膜
の揺れも大きくなり洗浄の効果が高い。しかしながらそ
の一方、それぞれの中空糸膜がモジュール内のあるいは
別のモジュールの中空糸膜と絡み合うことがあり、そう
なると絡み合った中空糸膜同士は、洗浄の効果が低下し
たり、また、絡み合うことにより無理な応力が中空糸膜
に加わり膜の損傷の原因になることがある。特に側端部
において、中空糸膜が分離することがあり、均整なモジ
ュール形態の維持が難しい問題がある。また、固定され
ている端部以外は中空糸膜は固定されていないので、取
り扱いの際に、中空糸膜が弛緩するとそれぞれの中空糸
膜がばらけ、不意に中空糸膜を引っかけ損傷してしまう
恐れもある。また、複数の中空糸膜モジュールを一定間
隔を設けてシート面を垂直になるように処理槽に浸漬し
て運転する場合、均等な間隔を設けても中空糸膜が弛緩
しているためその間隔に不均一が生じ、それぞれの中空
糸膜モジュールに均等なエアーバブリングによるスクラ
ビング洗浄が施されないことがあった。本発明は前記課
題を解決するためになされたもので、濾過有効面積の大
幅な減少を伴うことなく、中空糸膜の絡み合いが少な
く、取扱い性に優れ、かつ、複数のモジュールを設置し
たときにそれぞれのモジュールに均等にバブリング洗浄
を行うことができる中空糸膜モジュールを提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の中空糸膜モジュ
ールは、複数本の並列した中空糸膜の少なくとも片端部
が固定された中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜
が、該中空糸膜の長手方向に対して垂直な方向に沿った
複数本の拘束糸条により一体化され、中空糸膜の濾過有
効域内における各拘束糸条の間隔は2mm以上であるこ
とを特徴とするものである。その際、中空糸膜の濾過有
効域内で、各拘束糸条の間隔は等しいことが望ましい。
また、中空糸膜の濾過有効域外の各拘束糸条の間隔が、
濾過有効域内の各拘束糸条の間隔よりも狭く、かつ、該
間隔が5mm以下であることが望ましい。さらに、拘束
糸条は中空糸膜を1本づつ拘束していることが好まし
い。また、拘束糸条には抗菌性処理を施しておくことが
望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明をその一形態例を示
す図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す中空糸膜
モジュールは、複数本の中空糸膜1とその両端に設けら
れた集水管6を有して概略構成されるもので、中空糸膜
1は同方向に平行して並列状態とされている。中空糸膜
1は、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビ
ニルアルコール系、ポリスルフォン系等の各種材料から
なるものが使用でき、特にポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの強伸度のものが好ましい。なお、濾過膜として
使用可能なものであれば、孔径、空孔率、膜厚、外径等
には特に制限はないが、除去対象物や容積当たりの膜面
積の確保及び中空糸膜の強度等を考えると、好ましい例
としては、孔径0.01〜1μm、空孔率20〜90
%、膜厚5〜300μm、外径20〜2000μmの範
囲を挙げることができる。また、バクテリアの除去を目
的とする場合の孔径は0.2μm以下であることが必須
となり、有機物やウイルスの除去を目的とする場合には
分画分子量数万から数十万の限外濾過膜を用いる場合も
ある。
【0006】中空糸膜の表面特性としては表面に親水性
基等を持ついわゆる恒久親水化膜であることが望まし
い。恒久親水化膜の製法としては、ポリビニルアルコー
ル系のような親水性高分子で中空糸膜を製造する方法、
または疎水性高分子膜の表面を親水化する方法など公知
の方法が使用できる。例えば、親水性高分子を膜面に付
与し疎水性中空糸膜を親水化する際の親水性高分子とし
ては、エチレン−酢酸ビニル系共重合体けん化物、ポリ
ビニルピロリドン等を挙げることができる。別の手法に
よる膜面親水化の例としては、親水性モノマーの膜面重
合方式があり、このモノマーの例としてはジアセトンア
クリルアミド等を挙げることができる。また、他の手法
としては疎水性高分子(例えばポリオレフィン)に親水
性高分子をブレンドして紡糸製膜する方法を挙げること
ができ、使用する親水性高分子の例としては上述したも
のが挙げられる。表面が疎水性の中空糸膜であると、被
処理水中の有機物と中空糸膜表面との間に疎水性相互作
用が働き膜面への有機物吸着が発生し、それが膜面閉塞
につながり濾過寿命が短くなる。また、吸着由来の目詰
まりは膜面洗浄による濾過性能回復も一般には難しい。
恒久親水化膜を用いることで有機物と中空糸膜表面との
疎水性相互作用を減少させることができ、有機物の吸着
を抑えることができる。さらに、疎水性膜では使用中の
スクラビング洗浄において、そのバブリングエアーによ
って乾燥、疎水化が生じ、フラックスの低下を招くこと
があるが、恒久親水化膜では乾燥してもフラックスの低
下を招くことがない。
【0007】図示例の集水管6,6は、その内部を濾液
が流れる管状のもので、その端部に濾液取出し口7が形
成されている。集水管6の材質としては機械的強度及び
耐久性を有するものであれば良く、硬質ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリプロピ
レン、アクリル樹脂、ABS樹脂、変性PPO樹脂など
が例示される。図示例では、集水管6は断面が円形の集
水管であるが、特に限定されるものではなく他の形状で
あっても構わない。中空糸膜1の端部は集水管6に形成
されたスリットに挿入され、そこに固定部材5が充填さ
れることにより、中空糸膜1は集水管6に固定されてい
る。固定部材5は、多数の中空糸膜の各端部をその開口
状態を保ったまま集水管6に固定するとともに、この中
空糸膜1を濾過膜として機能させるために、被処理水と
処理水を液密に仕切る部材として機能する。固定部材5
には、エポキシ樹脂、不飽和エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等の液状樹脂を硬化させたものや、ポリオレフィ
ン等を溶融、冷却固化させたものを使うことができる。
中空糸膜の固定は、両端に限らず、目的、用途に応じて
図2〜5に示すように片端部のみとしてもよい。片端部
のみで固定する際、他端部に、中空糸の開口端部が臨む
場合には、非処理水が濾過処理されずに中空糸の孔内に
入ることがないように封止しておく必要がある。
【0008】本発明の中空糸膜モジュールにおいては、
中空糸膜1は拘束糸条3が組み合わされて編織物状とさ
れている。即ち、中空糸膜1を緯糸とした場合に拘束糸
条3を経糸としたように、中空糸膜1の長手方向Xに垂
直なY方向に沿って中空糸膜1が複数本の拘束糸条3に
編み込まれ、各中空糸膜1は一体化されている。拘束糸
条3には、一般的な編物や織物における経糸や緯糸に用
いられる糸状物を適用することができるが、製造過程や
取扱時に中空糸膜を傷めることがないように軟質なもの
が良く、ポリエステル繊維、ポリオレフィン製繊維など
の合成繊維のマルチフィラメントや紡績糸を用いること
ができる。拘束糸条3により中空糸膜1を拘束一体化で
きれば、編織態様は特に限られるものではなく、鎖編み
等、例えば、特公平4−26886号公報に開示されて
いるようなものが適用できる。また、編織の為の編み機
も特に限られるものではなく、例えば、特開平1−26
6258号公報に記載されている装置を適用することが
できる。編織においては拘束糸条により中空糸膜1を1
本づつ編み込んでも良いし、複数本を束ねるようにして
編み込んで拘束しても良い。しかしながら、複数本を束
ねて拘束すると比較的拘束状態が緩やかになり、拘束程
度が不足するおそれがあり、その場合、中空糸膜どうし
を接着して補強する必要性が生じることがある。しか
し、接着処理を施すと、濾過に有効な中空糸膜の膜面積
が低下してしまうので、拘束糸条により中空糸膜を1本
づつ編み込んで強固に拘束した方が望ましい。尚、編上
がり時において編地中の各中空糸膜の張力のバランスが
乱れ、編地形状の均一性が保たれなくなり加工性が低下
することになるので、編み立て時の張力は小さい方が良
い。
【0009】中空糸膜モジュールにおいては、実際上、
集水管6に固定された中空糸膜1の全面が有効に濾過作
用を発揮するのではなく、露出した中空糸膜1の中央部
一帯が濾過有効域となり、集水管6近傍は濾過有効域外
となる。本発明においては、少なくともこの濾過有効域
において拘束糸条3が中空糸膜1を拘束することになる
が、この濾過有効域内に位置する互いに平行な拘束糸条
3の間隔は重要である。即ち、本発明においては拘束糸
条3の間隔は2mm以上である必要があり、5mm以上
であればより好ましい。間隔が2mm未満であると、拘
束糸条の存在により、濾過に有効な膜面積が減少するか
らである。尚、十分な拘束一体化を確保するためには、
拘束糸条3の間隔は有効中空糸長が30cm以内であれ
ば5cm以下、有効中空糸長が30cm〜50cmであ
れば10cm以下、有効中空糸長が50cm以上であれ
ば20cm以下とすることが望ましい。また、この濾過
有効域内において、膜面全体で均一な濾過を行うため
に、拘束糸条はそれぞれ等間隔で配されていることが好
ましい。このように、拘束糸条3により中空糸膜が拘束
一体化されていることで、常に均整のとれたシートの状
態が維持され、中空糸膜の絡み合いが防止され、バブリ
ング洗浄性や取扱い性が向上する。また、中空糸長が比
較的短いモジュールにおいては、必ずしも中空糸膜全体
を拘束する必要はなく、図3,5に示すように、中空糸
長のほぼ中央部のみに拘束糸条3を集中して配すること
で、取り扱い性やバブリング洗浄性を向上させることが
できる。また、拘束糸条3の本数が減ることで中空糸膜
編織物の製作も簡略化できる。
【0010】また、図2〜5に示すように、中空糸膜1
の片端部のみを集水管6に固定するときには、中空糸膜
編織物の形態を維持するため、他端部に端部用拘束糸条
2を設けておくことが望ましい。また、固定部材5近傍
においては、その固定部材として用いた樹脂が、その硬
化前の低粘度時に毛細管現象により、中空糸膜1上に這
い上がってくる。このような部分は、濾過に有効に作用
せず、濾過有効域外になると共に、中空糸膜1と樹脂の
界面が、外部からの繰り返し応力や座屈に対して弱く、
損傷し易い。そこで、図4,5に示すように、そのよう
な固定部材近傍に、樹脂止め用拘束糸条4を設けておく
ことが好ましい。この樹脂止め用拘束糸条4を設けるこ
とで、中空糸膜上を這い上がる樹脂が固定部材5側から
漸減状に付着し、固定部材に近い側は硬く、次第に柔軟
な構造になる。したがって、中空糸膜の揺れ等による応
力が樹脂の這い上がり部と中空糸膜の界面の特定箇所に
集中せず、応力を分散して受け止めることができ、座屈
応力を緩和することができる。樹脂止め用拘束糸条4に
おいては、それぞれの糸条の間隔は密であるほど応力を
よく緩和でき、濾過有効域の拘束糸条3の間隔よりも小
さいことが望ましく、5mm以下が適当である。樹脂止
め用拘束糸条4に本数の制限はないが、糸条の本数が多
いほど応力緩和の効果は大きくなる。
【0011】各拘束糸条2〜4を設けることにより、中
空糸膜1面には凹凸が形成されることになり、中空糸膜
モジュールを高汚濁性水の濾過用として用いると、その
部分に汚れが付着しやすく、したがって雑菌の繁殖が生
じやすくなる。それを防止する観点からそれぞれの拘束
糸条は、抗菌性を有していることが好ましい。拘束糸条
に抗菌性を付与する手段としては、拘束糸条の一部ある
いは全部に抗菌性繊錐を用いればよく、抗菌性繊維につ
いても繊維製造時に抗菌剤を含有させる等繊維自体が抗
菌性を有するものであっても、製造された合成繊維等に
抗菌剤を塗布あるいは含浸させたものであっても構わな
い。抗菌剤としては、種々のものが適用でき、例えば、
天然または合成ゼオライト、特に、銀、銅、亜鉛などの
抗菌性金属を含有しているものが挙げられる。
【0012】本発明の中空糸膜モジュールにおいては、
中空糸膜モジュールを密閉容器に配設して、被処理水を
加圧して中空糸膜を透過させるいわゆる加圧濾過法も採
用できるが、活性汚泥槽や沈澱槽等に中空糸膜モジュー
ルを配設し、中空糸膜を透過した処理水を回収するサイ
ドを吸引する吸引濾過法で使用することが好ましい。特
に、周期的に一時吸引を停止する、いわゆる間欠吸引運
転方法を採用することにより、膜面堆積物が膜面内部へ
入り込むのを効率的に防止することができ、中空糸膜モ
ジュールの機能回復処理頻度を低下させることができ
る。間欠吸引の間欠間隔は、被処理水の汚濁度によって
最適範囲は異なってくる為、明確な範囲は規定できない
が、MLSS5000mg/L程度の活性汚泥を対象に
する場合の例としては、吸引時間1〜30分、停止時間
2秒〜15分の範囲を望ましい例として挙げることがで
きる。また、吸引濾過法を採用することにより、濾過時
において被処理水を槽内で循環させたり、エアーバブリ
ングを行って膜面を洗浄したりすることが行いやすくな
る。特にエアーバブリングによる洗浄方法は、膜面堆積
物が膜面内部へ入り込むのを効率的に防止することがで
きる間欠吸引運転方法と組み合わせることによってより
一層の洗浄効果を発揮する。吸引濾過法における被処理
水の流れは、中空糸膜の配設方向に対してほぼ垂直に流
れるようにして、中空糸膜の膜面の洗浄効果をアップさ
せることが好ましい。
【0013】高汚濁水の濾過においては膜面に多くのs
sや有機物が堆積する。そのために、膜面を水流やエア
ー、振動、超音波等を用いて堆積物を剥離させ洗浄する
必要がある。洗浄を行わない場合には膜面に堆積した有
機物が膜の閉塞の原因となり濾過寿命の低下を招く。具
体的な洗浄方法としては、膜面に平行に水流を流すいわ
ゆるクロスフロー濾過、膜モジュール浸漬槽にポンプ又
はモーター等で水流を起こす方法、エアーの上昇流を利
用したバブリング法、モジュール自身を振動させる方
法、被処理液を超音波により振動させる方法等が挙げら
れる。これらの洗浄は、膜面閉塞の進行具合に応じて、
連続的に行っても良いし、断続的に行っても良い。
【0014】エアーバブリングによるスクラビング洗浄
を併用しながら運転する場合には、バブリングを行うた
めの散気管が必要となる。適切なエアーハプリングを行
うためには散気管とモジュールの位置関係が重要である
が、モジュールと散気管を別々に固定するのは煩雑な作
業であり、また、運転中にモジュールが移動してしまっ
た場合、運転途中において適切なスクラビング洗浄が行
うことができなくなる問題点がある。このためには、本
発明のモジュールに散気管を固定一体化することにより
缶体あるいは処理層への装着が容易になり、運転中にお
いて適切なスクラビング洗浄が継続できる。本発明の中
空糸膜モジュールは、特に高汚濁水の濾過に適してお
り、具体的な利用分野としては、河川水の濾過、工業用
水道水濾過、下排水の固液分離、排水処理(例えば合併
浄化槽での処理)等が挙げられる。
【0015】
【実施例】
[実施例1]図1に示すような中空糸膜モジュールを作
製した。中空糸膜はエチレン−酢酸ビニル共重合体けん
化物を表面に保持したポリエチレン製の多孔質中空糸膜
であり、これをポリエステル製のマルチフィラメントか
らなる拘束糸条3で編んでシート状の編織物とした。中
空糸膜編織物は糸長方向の長さが790mm、中空糸膜
の長さが500mmのものを作製した。編織物内の拘束
糸条3は、3cm等間隔、中空糸膜長手方向に垂直に編
織物全面に配し、それぞれ中空糸膜を4本づつ集束した
ものを連続して拘束した。この中空糸膜編織物1枚を用
い、中空糸膜両端部を開口部を保持したままポリウレタ
ン樹脂で固定した。この固定は、ポリ塩化ビニル製の集
水管6内にて行った。このような中空糸膜モジュールを
4本作製し、シート面と集水管の長手方向が垂直になる
ように4本の中空糸膜モジュールを処理槽内にセットし
た。この際、それぞれの中空糸膜モジュールの中空糸膜
シートの間隔を15mmになるようにセットした。そし
て、槽内に200ppmの酵母懸濁水を入れ、中空糸膜
モジュールがこの液に浸漬する状態にした。それぞれの
中空糸膜モジュールの両集水管より、1つのポンプで吸
引することによりこの液の濾過を行った。濾過運転中
は、連続的に70NI/minのエアーでスクラビング
洗浄を行った。その結果、良好なスクラビング洗浄が中
空糸膜モジュール全体になされ、0.013m3/m2・h
の定流量濾過において、6ケ月間膜間差圧は10〜35
cmHgであり、安定した濾過が継続できた。
【0016】[実施例2]それぞれの中空糸膜を1本づ
つ連続して拘束したこと以外は、実施例1と同様の中空
糸膜編織物を利用し、その他に条件も同様の中空糸膜モ
ジュールを4本作製し、実施例1と同様の濾過運転を行
った。その結果、6ケ月間膜間差圧は10〜30cmH
gであり、安定した濾過が継続できた。 [実施例3]実施例1の中空糸膜編織物において、中空
糸膜モジュール化されたとき固定部材の樹脂が這い上が
る箇所に、樹脂止め用拘束糸条を5本、1.5mm間隔
で設けた図4に示すような中空糸膜編織物を利用して実
施例1と同様の方法で中空糸膜モジュールを4本作製
し、実施例1と同様の濾過運転を行った。その結果、6
ケ月間膜間差圧は10〜35cmHgであり、安定した
濾過が継続できた。また、その後、エアー量を200N
I/minにしてスクラビング洗浄を連続的に行いなが
ら濾過運転を行ったが、中空糸膜などの損傷は生じなか
った。
【0017】[比較例1]中空糸編織物における拘束糸
条3の間隔を1.5mmとしたこと以外は実施例1と同
様の中空糸膜編織物を用いて中空糸膜モジュールを4本
作製した。これを実施例1と同様の方式で処理槽内にセ
ットし、濾過運転を行った。0.013m3/m2・hの定
流量濾過においては、初期差圧が30cmHgであった
が、1ヵ月間の運転後、差圧が62cmHgに上昇し、
一定流量で濾過を行うことが困難となった。 [比較例2]実施例1の中空糸編織物において、中空糸
膜モジュール化されたときの固定部材の樹脂が這い上が
る箇所に、樹脂止め用拘束糸条を10mm間隔で設けた
中空糸膜編織物を利用して実施例1と同様の方法で中空
糸膜モジュール4本を作製し、実施例1と同様の条件で
濾過運転を行った。0.013m3/m2・hの定流量濾過
を行い、安定した濾過を継続していたが、3ヵ月間の濾
過運転後、中空糸膜モジュールのリーク試験を行った結
果、中空糸膜を固定する樹脂と中空糸膜の界面部分にお
いてリークが発生していた。
【0018】
【発明の効果】本発明の中空糸膜モジュールは、全面あ
るいは一部に拘束糸条を配した中空糸膜編織物とするこ
とで、中空糸膜相互が絡み合うことがないため、洗浄の
効果の低下や絡み合うことによる中空糸膜の損傷が起こ
りにくい。また一体化されているので取り扱い性に優れ
ている。さらに、中空糸膜の均整が保たれるので、複数
の中空糸膜モジュールを一定間隔で並列して使用すると
きは、それぞれの中空糸膜モジュールに均等なスクラビ
ング洗浄が行われ、安定した濾過流量が継続する。特
に、濾過有効域内における各拘束糸条の間隔を2mm以
上とすることで、濾過に有効な膜面積の減少が小さく、
高い濾過能力を発揮する。また、濾過有効域内において
拘束糸条を等間隔で配することで、膜面全体で均一な濾
過を行うことができる。また、濾過有効域外の拘束糸条
の間隔を濾過有効域内の拘束糸条の間隔よりも狭く、か
つ、5mm以下とすることにより、中空糸膜にかかる応
力を十分に緩和できる。また、拘束糸条で中空糸膜を1
本づつ拘束することにより、一体化強度を高めることが
できる。さらに、抗菌性を拘束糸条に付与することで、
拘束糸条を設けることによる雑菌の繁殖を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中空糸膜の両端部を固定した中空糸膜モジュ
ールの一例を示す斜視図である。
【図2】 中空糸膜の片端部を固定した中空糸膜モジュ
ールの一例を示す斜視図である。
【図3】 濾過有効域のほぼ中央部に拘束糸条を配した
中空糸膜モジュールの一例を示す斜視図である。
【図4】 樹脂止め用拘束糸条を配した中空糸膜モジュ
ールの一例を示す斜視図である。
【図5】 濾過有効域のほぼ中央部並びに固定部材近傍
に拘束糸条を配した中空糸膜モジュールの一例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜 2 端部用拘束糸条 3 拘束糸条 4 樹脂止め用拘束糸条 5 固定部材 6 集水管 7 濾液取出し口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本城 賢治 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 宮下 聡史 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の並列した中空糸膜の少なくとも
    片端部が固定された中空糸膜モジュールにおいて、 中空糸膜が、該中空糸膜の長手方向に対して垂直な方向
    に沿った複数本の拘束糸条により一体化され、中空糸膜
    の濾過有効域内における各拘束糸条の間隔は2mm以上
    であることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 【請求項2】 中空糸膜の濾過有効域内で、各拘束糸条
    の間隔は等しいことを特徴とする請求項1記載の中空糸
    膜モジュール。
  3. 【請求項3】 中空糸膜の濾過有効域外の各拘束糸条の
    間隔が、濾過有効域内の各拘束糸条の間隔よりも狭く、
    かつ、該間隔が5mm以下であることを特徴とする請求
    項1または2記載の中空糸膜モジュール。
  4. 【請求項4】 拘束糸条は中空糸膜を1本づつ拘束して
    いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    中空糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】 拘束糸条が抗菌性を有していることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜モジ
    ュール。
JP18419197A 1997-07-09 1997-07-09 中空糸膜モジュール Withdrawn JPH1128340A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019205996A (ja) * 2018-05-03 2019-12-05 Pak Vitae Private Ltd 液体をろ過するための中空繊維膜

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