JPH11281642A - 分子集合体モデルの屈折率算出方法および装置 - Google Patents

分子集合体モデルの屈折率算出方法および装置

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JPH11281642A
JPH11281642A JP8227398A JP8227398A JPH11281642A JP H11281642 A JPH11281642 A JP H11281642A JP 8227398 A JP8227398 A JP 8227398A JP 8227398 A JP8227398 A JP 8227398A JP H11281642 A JPH11281642 A JP H11281642A
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Isazumi Ueha
功純 上羽
Hiroshi Ootsuzumi
大皷  寛
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子集合体モデルの屈折率を、コンピュータ
を用い、精度良く算出するための手法、手段を提供す
る。 【解決手段】 (A)記憶装置に格納された分子集合体
モデルに関する情報に基づき、該分子集合体モデル内に
存在する原子間結合の種類および原子間結合の方向を算
出し、(B)得られた原子間結合の種類によって決まる
結合分極率パラメーターを算出し、(C)ここに得られ
た原子間結合の種類と、原子間結合の方向と、結合分極
率パラメーターとから、前記分子集合体モデルの分極率
を算出し、(D)次いで、得られた分子集合体モデルの
分極率に基づき、前記分子集合体モデルの屈折率を算出
してなる分子集合体モデルの屈折率算出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、分子集合体モデ
ルの屈折率算出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータケミストリーの分野におい
て、既存の、あるいは、新規の物質について、分子集合
体モデルを作成し、これをコンピュータを用いて解析、
検討することが行われている。この解析、検討手法は、
既存のポリマー、あるいは、新規なポリマーの加工プロ
セスにおける構造の変化の推定にも役立っている。
【0003】ある物質について、その屈折率を知る必要
がある場合がある。特に、光の吸収や実測のための試料
調整が難しいなどの理由により、実測が困難な既存物質
について、屈折率を知りたい場合や、コンピュータケミ
ストリーの手法を駆使して創出した未だコンピュータ上
の新規物質の屈折率を知りたい場合がある。
【0004】このような場合、従来は、屈折率を知りた
い目的物質に関し、適切と思われる既存物質を特定し、
その既存物質の屈折率の実験測定値に基づいて、当該目
的物質の屈折率算出のためのパラメーターを決定してい
た。そのため、当該目的物質の屈折率の推算結果の精度
があまり期待出来ない場合が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記従来
技術の問題点を解決し、実測による屈折率が求めにくい
物質の屈折率を、コンピュータによる演算処理により、
精度よく算出する分子集合体モデルの屈折率算出方法お
よび算出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の分子集合体モデルの屈折率算出方法およ
び算出装置は、次の構成からなる。
【0007】本発明の第1の分子集合体モデルの屈折率
算出方法: (A)記憶装置に格納された分子集合体モデルに関する
情報に基づき、該分子集合体モデル内に存在する原子間
結合の種類および原子間結合の方向を算出し、(B)得
られた原子間結合の種類によって決まる結合分極率パラ
メーターを算出し、(C)ここに得られた原子間結合の
種類と、原子間結合の方向と、結合分極率パラメーター
とから、前記分子集合体モデルの分極率を算出し、
(D)次いで、得られた分子集合体モデルの分極率に基
づき、前記分子集合体モデルの屈折率を算出してなる分
子集合体モデルの屈折率算出方法。
【0008】本発明の第2の分子集合体モデルの屈折率
算出方法: (A)記憶装置に格納された分子集合体モデルに関する
情報に基づき、該分子集合体モデル内に存在する各原子
の空間位置、原子間結合の種類および原子間結合の方向
を算出し、(B)得られた原子間結合の種類によって決
まる結合分極率パラメーターを算出し、(C)ここに得
られた原子間結合の種類と、原子間結合の方向と、結合
分極率パラメーターとから、前記分子集合体モデル全体
の分極率を算出し、(D)次いで、得られた分子集合体
モデル全体の分極率に基づき、前記分子集合体モデル全
体の屈折率を算出してなる分子集合体モデルの屈折率算
出方法。
【0009】本発明の第3の分子集合体モデルの屈折率
算出方法:前記第2の分子集合体モデルの屈折率算出方
法において、前記結合分極率パラメーターを算出するに
当たり、前記分子集合体モデルに含まれる原子間結合の
全ての種類について結合分極率パラメーターが決定され
るように、前記分子集合体モデルを構成する複数の化合
物を選択し、分子軌道法計算により、3つの実数の組で
表される分極率を算出し、前記原子間結合の全ての種類
に結合分極率パラメーターを設定してなる分子集合体モ
デルの屈折率算出方法。
【0010】本発明の第4の分子集合体モデルの屈折率
算出方法:前記第3の分子集合体モデルの屈折率算出方
法において、前記分子軌道法計算が、非経験的分子軌道
法計算である分子集合体モデルの屈折率算出方法。
【0011】本発明の第5の分子集合体モデルの屈折率
算出方法:前記第2、3あるいは4の分子集合体モデル
の屈折率算出方法において、前記結合分極率パラメータ
ーを算出するに当たり、前記分子集合体モデルに含まれ
る原子間結合の全ての種類について結合分極率パラメー
ターが決定されるように、前記分子集合体モデルを構成
する複数の化合物を選択し、分子軌道法計算により、3
つの実数の組で表される分極率を算出し、次いで、得ら
れた3つの実数で表される分極率から、2つの実数の組
を3種類全て選択し、それぞれの場合について2つの実
数で表される結合分極率パラメーターを算出し、得られ
た2つの実数で表される結合分極率パラメーターの値の
平均値を算出してなる分子集合体モデルの屈折率算出方
法。
【0012】本発明の第6の分子集合体モデルの屈折率
算出方法:前記第4の分子集合体モデルの屈折率算出方
法において、前記結合分極率パラメーター(a//、a
)を用いて、前記分子集合体モデル全体の分極率
(P)を、分子集合体モデルの屈折率を求める方向と各
原子間結合の結合軸とがなす角度(θ)に基づき、次式
(I)を用いて算出し、次いで、得られた分極率(P)
と分子集合体モデルの分子容(V)とから、次式(II)
を用いて分子集合体モデル全体の屈折率(n)を算出し
てなる分子集合体モデルの屈折率算出方法。
【0013】
【数3】
【数4】 本発明の分子集合体モデルの屈折率算出装置: (A)記憶装置に格納された分子集合体モデルにアクセ
スし、該分子集合体モデル内に存在する原子間結合の種
類および当該結合の方向を算出する手段と、(B)得ら
れた原子間結合の種類に基づき、結合分極率パラメータ
ーを算出する手段と、(C)ここに得られた原子間結合
の種類と結合の方向と結合分極率パラメーターとから、
前記分子集合体モデルの分極率を算出する手段と、
(D)次いで、得られた分子集合体モデルの分極率に基
づき、前記分子集合体モデルの屈折率を算出する手段と
からなる分子集合体モデルの屈折率算出装置。
【0014】なお、上記本発明に係る分子集合体モデル
の屈折率算出方法および算出装置の実施において、各操
作において算出される値(データ)は、一旦、実施装置
外に取り出して、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気デ
ィスクなどの記憶、格納手段に保存されても良いし、ま
た、実施装置自体の記憶、格納手段に保存されても良
い。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の分子集合体モデル
の屈折率算出方法および算出装置について、具体的実施
例を用いて、図面を参照しながら、更に説明する。図1
は、本発明の実施に用いられるコンピュータデータのフ
ロー図である。
【0016】上記ステップ(A)、あるいは、手段
(A)は、市販の分子集合体モデルの構造データファイ
ルを購入するか、もしくは、市販の分子集合体モデル作
成ソフト(例えば、MSI社のCerius2)によっ
て分子集合体モデルの構造データファイルを作成し、こ
れを所定のコンピューターシステムに取り込み、この分
子集合体モデル情報にアクセスして、所望の結合、好ま
しくは、全結合について、原子間結合の種類、その結合
の方向を算出することからなる。この算出手法は、種々
知られており、特に限定されない。これらの算出結果
は、図1に示す分子集合体構造データファイル(ファイ
ル1)1に、保存される。
【0017】なお、原子間結合の種類は、結合の両端の
原子の組によって区別される。また、ここで用いられる
分子集合体の構造データファイル1は、上記処理が可能
な形式になっていれば、元の計算が、分子動力学法計
算、分子力学法計算、あるいは、分子軌道法計算のいず
れであっても良い。これにより、温度依存性、圧力依存
性に関する計算も可能である。
【0018】上記ステップ(B)、あるいは、手段
(B)は、分子集合体モデルに含まれる原子間結合の所
望の種類に基づき、結合分極率パラメーターを算出する
ことからなる。この場合、全ての種類に対して、結合分
極率パラメーターが決定出来るように選択された複数の
化合物について、分子軌道法計算により、3つの実数の
組で表される分極率を計算し、全ての種類に、結合分極
率パラメーターを設定するのが好ましい。化合物構造デ
ータファイル(ファイル2)2には、化合物の原子の空
間位置が記述された化合物構造データが収納されてい
る。
【0019】この化合物構造データファイル(ファイル
2)2のデータを用いて分極率を求めるに当たり選択す
る複数の化合物は、低分子のものであることが、算出時
間を短縮できるので好ましい。また、対象とする分子集
合体モデルに近い構造の化合物を選択するのが、計算精
度が上げられるので好ましい。例えば、メタン、水、ア
ンモニア等の分子は、原子間結合の種類が一つであるた
め、これらの分子の分極率を求めることにより、C−
H、O−H、N−Hの結合分極パラメーターを、かなり
の精度で算出可能である。
【0020】本発明における分極率の好ましい態様は、
非経験的分子軌道法計算で得られる分極率テンソルか
ら、テンソルの対角化を行うことにより求められる主軸
方向の分極率である。従って、この場合の分極率は、3
つの実数の組で表される。なお、分極率は、半経験的分
子軌道法計算でも算出は可能であるが、この場合は、計
算精度が低くなり好ましくない。一方、非経験的分子軌
道法計算において用いる計算手法、基底関数系、電子相
関の取り込みの程度は、特に限定されない。計算プログ
ラムとしては、市販ソフトgaussian94が好ま
しいが、特に限定されるものではない。Hartree
−Fock法および密度汎関数法のいずれも使用可能で
ある。更に、基底関数系は、より大きいものであればあ
るほど、また、電子相関をより取り込むほど、計算時間
は加速度的に増大するが、分極率の計算精度は向上す
る。
【0021】なお、上記分極率の好ましい態様に対応し
て、本発明における結合分極率パラメーターの好ましい
態様は、2つの実数の組で表される。
【0022】次に、非経験的分子軌道法計算を用いた分
極率の算出とその分極率を用いた結合分極率パラメータ
ーの算出手法を説明する。
【0023】結合分極率パラメーターが2つの実数であ
ることから、結合分極率パラメーターを未知数x、yで
表し、主軸方向と各原子間結合の方向とのなす角をθi
とすると、分極率テンソルの3つの主軸について、次の
式(III )が成立する。
【0024】
【数5】 この実数係数連立2元1次方程式から、次の操作により
結合分極率パラメーターを決定する。すなわち、この実
数係数連立2元1次方程式から、i=1方向の方程式と
i=2方向の方程式、i=2方向の方程式とi=3方向
の方程式、i=3方向の方程式とi=1方向の方程式、
の3組のそれぞれが2つの方程式からなる実数係数連立
2元1次方程式を作成し、これらから、3組の結合分極
率パラメーターを算出し、得られた3つの結合分極率パ
ラメーターの値の平均値を、結合分極率パラメーターの
値とする。
【0025】目的とする分子集合体モデルは、複数の種
類の原子間結合を有している場合がほとんどである。従
って、複数の化合物について、上記計算を繰り返し、各
結合の結合分極率パラメーターを決定する操作を行い、
目的とする分子集合体モデルに含まれる全ての種類の結
合分極率パラメーターを決定する。
【0026】例えば、メタン、エタン、エチレンの3つ
の化合物について、分極率を計算することにより、炭素
−水素間、炭素−炭素間の一重結合、二重結合の結合分
極率パラメーターを決定することができ、ポリアセチレ
ンの分子集合体モデルの屈折率を計算することができ
る。
【0027】これを、更に具体的に説明する。すなわ
ち、メタンは、炭素−水素の結合のみからなるので、こ
のメタンについて、上記式(III )を立て、結合分極率
パラメーターを求める。エタンに関しては、上記式(II
I )に相当する式は、次の式(IV)となり、右辺第2項
は求まるので、炭素−炭素の一重結合間の結合分極率パ
ラメーターを求めることができる。
【0028】
【数6】 なお、この式(IV)において、炭素−水素結合の結合分
極率パラメーターは、既知である。
【0029】このようにして算出した結合分極率パラメ
ーターの値は、結合分極率パラメーターファイル(ファ
イル3)3に保存する。
【0030】次に、上記ステップ(C)、あるいは、手
段(C)、すなわち、目的とする分子集合体モデルの分
極率の算出について説明する。各原子間結合それぞれの
結合分極率パラメーターをa//、a 、屈折率を算出し
たい方向と各結合の結合軸とのなす角をθとし、分子集
合体モデル全体の算出したい方向の分極率Pを、次の式
(I)を用いて計算する。
【0031】
【数7】 次に、上記ステップ(D)、あるいは、手段(D)とし
て、次の操作を行う。すなわち、分子集合体モデルの分
子容をVとし、分子集合体モデル全体の算出したい方向
の屈折率nを、次の式(II)を用いて算出する。
【0032】
【数8】 ここでの分子容としては、周期境界条件で作成した場合
の分子集合体モデル基本セルのセル体積、または、実測
の密度を基に分子集合体モデルの分子量から計算した分
子容を用いることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を更に具体的
に説明する。
【0034】この実施例は、本発明を用いてポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETと云う)の屈折率を算
出したものである。
【0035】先ず、上記ステップ(B)の操作を行っ
た。PETを構成する原子間結合の結合分極率パラメー
ターを決めるために、6つの分子、メタン、エタン、ベ
ンゼン、水、エタノール、ギ酸について、非経験的分子
軌道計算を行い、分極率テンソルを求めた。各化合物に
ついてのこの非経験的分子軌道法計算は、米国MSI社
が市販している材料設計用ソフトウェアパッケージ「C
erius2」のVisualizerで初期構造を作
成し、結果を、化合物構造データファイルであるファイ
ル2に、保存した。次いで、gaussian94を用
いて、各化合物それぞれについて、先ず、RHF/6−
31G**で構造最適化を行い、次いで、BLYP/6
−31G**で、再度、構造最適化をした後、分極率テ
ンソルを計算し、その結果を、化合物構造データファイ
ル(ファイル2)2に、保存した。
【0036】次いで、メタンの分極率テンソルから、炭
素−水素結合の結合分極率パラメーターを求めた。この
炭素−水素結合の結合分極率パラメーターとエタンの分
極率テンソルから、炭素−炭素結合の結合分極率パラメ
ーターを、また、炭素−水素結合の結合分極率パラメー
ターとベンゼンの分極率テンソルから、ベンゼン環の炭
素−炭素結合の結合分極率パラメーターを、求めた。
【0037】また、水の分極率テンソルから、酸素−水
素結合の結合分極率パラメーターを求めた。この酸素−
水素結合の結合分極率パラメーターとエタノールの分極
率テンソルから、炭素−酸素結合の結合分極率パラメー
ターを、また、酸素−水素結合の結合分極率パラメータ
ー、炭素−酸素結合の結合分極率パラメーターおよびギ
酸の分極率テンソルから、炭素−酸素二重結合の結合分
極率パラメーターを、求めた。以上に算出した結合分極
率パラメーターの値は、結合分極率パラメーターファイ
ル(ファイル3)3に保存した。
【0038】PETの分子集合体構造は、米国MSI社
の材料設計用ソフトウェアパッケージ「Cerius
2」のVisualizer、Polymer Bui
lder、Amorphous Builderを用い
て、PET1,000ユニットの初期構造を作成し、M
inimizer、Dynamicsを用いて、298
K、1atmで、Dreiding力場パラメーターを
用いて、時間刻み0.2fs、計算時間100psの分
子動力学計算を行い、非晶構造の分子集合体モデルを作
成した。この分子集合体モデルの構造を、bgf形式
で、分子集合体構造データファイルであるファイル1に
保存した。
【0039】bgf形式の保存とすることにより、前半
に分子集合体モデル内に存在する原子に関する情報(種
類、直交座標で表した位置、等)が、後半に結合に関す
る情報が、それぞれ保存される。操作に当たり、前半部
において、原子の種類、座標を配列して保存し、後半部
において、結合が確定する毎に、その両端の原子種と2
つの原子の相対位置を分子集合体構造データファイル
(ファイル1)1に入力した。
【0040】次いで、上記式(V)を用いて、屈折率を
求めたい方向の分極率を求めた。分子集合体データファ
イル(ファイル1)1のデータを1行ずつ読み出して、
屈折率を求めたい方向とのなす角、更に、分子集合体の
分極率に対するその方向への各結合の寄与を計算し、そ
の総和を求め、分子集合体のその方向における分極率と
した。
【0041】ここに得られた分極率から、上記式(VI)
を用いて、求めたい方向の屈折率nを計算した。なお、
分子容としては、実測の密度を基に分子集合体モデルの
分子量から計算した分子容を用いた。
【0042】結果: 空間直交座標系での3本の座標軸
方向の屈折率は、1.59、1.60、1.50とな
り、平均値は、1.56となった。この値は、非晶PE
Tの実測の屈折率の値1.58に比べ、1.1%の誤差
を有するに過ぎなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、分子集合体モデルの屈
折率を、実験値や経験的なパラメーターによらず、算出
できるので、新規は物質に対しても、精度良く、その屈
折率を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施に用いられるコンピュー
タデータのフロー図である。
【符号の説明】
1:分子集合体構造データファイル(ファイル1) 2:化合物構造データファイル(ファイル2) 3:結合分極率パラメーターファイル(ファイル3)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)記憶装置に格納された分子集合体モ
    デルに関する情報に基づき、該分子集合体モデル内に存
    在する原子間結合の種類および原子間結合の方向を算出
    し、 (B)得られた原子間結合の種類によって決まる結合分
    極率パラメーターを算出し、 (C)ここに得られた原子間結合の種類と、原子間結合
    の方向と、結合分極率パラメーターとから、前記分子集
    合体モデルの分極率を算出し、 (D)次いで、得られた分子集合体モデルの分極率に基
    づき、前記分子集合体モデルの屈折率を算出してなる分
    子集合体モデルの屈折率算出方法。
  2. 【請求項2】(A)記憶装置に格納された分子集合体モ
    デルに関する情報に基づき、該分子集合体モデル内に存
    在する原子間結合の種類および原子間結合の方向を算出
    し、 (B)得られた原子間結合の種類によって決まる結合分
    極率パラメーターを算出し、 (C)ここに得られた原子間結合の種類と、原子間結合
    の方向と、結合分極率パラメーターとから、前記分子集
    合体モデル全体の分極率を算出し、 (D)次いで、得られた分子集合体モデル全体の分極率
    に基づき、前記分子集合体モデル全体の屈折率を算出し
    てなる分子集合体モデルの屈折率算出方法。
  3. 【請求項3】前記結合分極率パラメーターを算出するに
    当たり、前記分子集合体モデルに含まれる原子間結合の
    種類の全てが、選択される複数の化合物のいずれかに存
    在し、かつ、求めようとする結合分極率パラメーター
    が、前記複数の化合物の分極率に基づき決定される関係
    に、前記複数の化合物を選択し、分子軌道法計算によ
    り、3つの実数の組で表される分極率を算出し、前記原
    子間結合の全ての種類に結合分極率パラメーターを設定
    してなる請求項2に記載の分子集合体モデルの屈折率算
    出方法。
  4. 【請求項4】前記結合分極率パラメーターを算出するに
    当たり、前記分子集合体モデルに含まれる原子間結合の
    種類の全てが、選択される複数の化合物のいずれかに存
    在し、かつ、求めようとする結合分極率パラメーター
    が、前記複数の化合物の分極率に基づいて決定される関
    係に、前記複数の化合物を選択し、分子軌道法計算によ
    り、3つの実数の組で表される分極率を算出し、次い
    で、得られた3つの実数で表される分極率から、2つの
    実数の組を3種類全て選択し、それぞれの場合について
    2つの実数で表される結合分極率パラメーターを算出
    し、得られた2つの実数で表される結合分極率パラメー
    ターの値の平均値を算出してなる請求項2に記載の分子
    集合体モデルの屈折率算出方法。
  5. 【請求項5】前記分子軌道法計算が、非経験的分子軌道
    法計算である請求項3あるいは4に記載の分子集合体モ
    デルの屈折率算出方法。
  6. 【請求項6】前記結合分極率パラメーター(a//、a
    )を用いて、前記分子集合体モデル全体の分極率
    (P)を、分子集合体モデルの屈折率を求める方向と各
    原子間結合の結合軸とがなす角度(θ)に基づき、次式
    (I)を用いて算出し、次いで、得られた分極率(P)
    と分子集合体モデルの分子容(V)とから、次式(II)
    を用いて分子集合体モデル全体の屈折率(n)を算出し
    てなる請求項5記載の分子集合体モデルの屈折率算出方
    法。 【数1】 【数2】
  7. 【請求項7】(A)記憶装置に格納された分子集合体モ
    デルに関する情報に基づき、該分子集合体モデル内に存
    在する原子間結合の種類および原子間結合の方向を算出
    する手段、 (B)得られた原子間結合の種類によって決まる結合分
    極率パラメーターを算出する手段、 (C)ここに得られた原子間結合の種類と、原子間結合
    の方向と、結合分極率パラメーターとから、前記分子集
    合体モデルの分極率を算出する手段、 (D)次いで、得られた分子集合体モデルの分極率に基
    づき、前記分子集合体モデルの屈折率を算出する手段、
    とからなる分子集合体モデルの屈折率算出装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007031541A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子材料設計方法および装置
JP2011007629A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Kri Inc 化学物質の屈折率予測方法
US8014989B2 (en) 2005-05-23 2011-09-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Birefringence calculating method and birefringence calculating apparatus
JP2012047652A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Kri Inc 化学物質の溶解パラメータ予測方法
JP2014038038A (ja) * 2012-08-17 2014-02-27 Kri Inc 化学物質の屈折率推算方法

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