JPH11280853A - 遊星歯車装置の組み立て方法 - Google Patents

遊星歯車装置の組み立て方法

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JPH11280853A
JPH11280853A JP7872498A JP7872498A JPH11280853A JP H11280853 A JPH11280853 A JP H11280853A JP 7872498 A JP7872498 A JP 7872498A JP 7872498 A JP7872498 A JP 7872498A JP H11280853 A JPH11280853 A JP H11280853A
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planetary
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Michio Shirokoshi
教夫 城越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小バックラッシが要求される遊星歯車装置に
おいて、部品精度を高めることなく、各遊星歯車の荷重
配分の均一化、角度伝達誤差の低減化を達成すること。 【解決手段】 同心状に配置した太陽歯車9および内歯
車2と、これらの双方に噛み合っていると共に、自転お
よび太陽歯車の回りに公転可能な状態でキャリヤによっ
て支持されている複数の遊星歯車7とを有する遊星歯車
装置1において、当該遊星歯車装置の組み立て時に、各
遊星歯車7の偏心誤差方向が、装置軸直角断面で見た場
合に、装置軸線を中心として半径方向の外側に向かうよ
うに、各遊星歯車を組み付けることにより、各遊星歯車
の荷重配分を均一化する。あるいは、各遊星歯車の偏心
誤差方向が、相互に平行となるように、各遊星歯車を組
み付けることにより、角度伝達誤差を低減化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正確な位置決めが
要求されると同時に、起動・停止、正転・逆転が頻繁に
切り換わる動力伝達機構に採用される小バックラッシ遊
星歯車装置に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、小バックラッ
シが要求される遊星歯車装置において、各遊星歯車の荷
重等配と滑らかな回転の維持のうちのいずれか一方、あ
るいは双方を実現するのに適した遊星歯車装置の組み立
て方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】一般に遊星歯車装置は、外歯の歯車装置
に比べて小型軽量にでき、入出力が同軸上にとれるなど
の利点がある。しかし遊星歯車装置は複数の遊星歯車が
同時に太陽歯車や内歯車と噛み合うため、種々の誤差が
各噛み合いに相互に影響を及ぼし、各遊星歯車の荷重を
不均等にする。この対策として噛合部に隙間や弾性を与
えたり、内歯車や太陽歯車をギヤカップリングなどで支
持することによって各遊星歯車の荷重の等配を図ってい
る。
【0004】このことは遊星歯車装置としてのバックラ
ッシを大きくすることになるが、遊星歯車装置は従来か
ら正転・逆転の切り替わりが少ないところに適用される
事が多かったため、バックラッシの増加が特に重要視さ
れることは少なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、最近FA現場で
はモーションコントロールを目的としたアプリケーショ
ンの重要な構成要素として小型遊星歯車装置の需要が増
えている。正確な位置決めと起動・停止、正転・逆転が
頻繁に発生するといった用途上、この装置には小バック
ラッシが要求されている。そのため設計上歯車の噛合部
および遊星歯車軸受け部の隙間をつめることが必要とな
るが、このことによって各遊星歯車に対する荷重等配お
よび滑らかな回転を維持することは容易でない。
【0006】この相反する問題をいかに解決していくか
に設計上の要点がある。このため部品精度の向上が対策
の一つとして図られている傾向にあるが、現実には製造
コストからの制限もあり精度の向上には限界がある。
【0007】本発明の課題は、小バックラッシが要求さ
れる遊星歯車装置において、部品精度を高めることな
く、各遊星歯車の荷重配分の均一化を達成することにあ
る。
【0008】また、本発明の課題は、小バックラッシが
要求される遊星歯車装置において、部品精度を高めるこ
となく、角度伝達誤差を低減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、同心状に配置した太陽歯車および内歯
車と、これらの双方に噛み合っていると共に、自転およ
び前記太陽歯車の回りに公転可能な状態でキャリヤによ
って支持されている複数の遊星歯車とを有する遊星歯車
装置において、当該遊星歯車装置の組み立て時に、各遊
星歯車の偏心誤差方向が、装置軸直角断面で見た場合
に、所定の方向となるように、各遊星歯車を組み付ける
ようにしている。
【0010】本発明において、各遊星歯車の偏心誤差方
向が、装置軸直角断面で見た場合に、装置軸線を中心と
して半径方向の外側に向かうように、各遊星歯車を組み
付けることにより、各遊星歯車の荷重配分を均一化する
ことができる。
【0011】また、各遊星歯車の偏心誤差方向が、装置
軸直角断面で見た場合に、相互に平行となるように、各
遊星歯車を組み付けることにより、角度伝達誤差を低減
することができる。この場合、太陽歯車を、軸直角方向
に移動可能な状態で組み付けることにより、各遊星歯車
の荷重配分も均一化できる。
【0012】本発明によれば、各遊星歯車の製造誤差、
組み付け誤差などが少なくなるように改善することな
く、単に、各遊星歯車の組み付け時におけるその偏心誤
差方向を調整するだけで、各遊星歯車の荷重配分の均一
化、あるいは角度伝達誤差の低減化を達成できる。
【0013】次に、本発明を成すに到るまでに行った本
発明者等の実験、その結果分析等について以下に詳細に
説明する。
【0014】本発明者は、インボリュート歯形を用いた
小バックラッシ遊星歯車装置について、遊星歯車偏心誤
差・組立時の配置方法・太陽歯車の支持方法を変え、い
ろいろな負荷時における太陽歯車軸直角方向の変位・各
遊星歯車荷重配分・角度伝達精度を実験的に調べた。
【0015】(2.対象遊星歯車装置) (2.1 構造)実験に用いた遊星歯車装置の構造を図
1に示す。本装置1はバックラッシ調整機構を備えてい
る。その仕組みは、内歯車2と一体のケーシング3から
ベアリング4、5でそれぞれ支持されている入力側キャ
リア6aと出力側キャリア6bが、4個の遊星歯車7の
うち、それぞれ対面の2個ずつを遊星軸8を介し支持し
ている。
【0016】図2は、バックラッシ調整前とバックラッ
シ調整後の、遊星歯車装置の各歯車配置を示している。
入力側と出力側のキャリアを、相対的に反対方向にねじ
ることにより、各々のキャリアに支持されている遊星歯
車同士はキャリアへの荷重伝達方向が反対になり、相手
歯面を押しつける状態になる。入力側と出力側のキャリ
アの相対位置をこの状態に保ったまま、ボルトで固定す
ることにより、キャリアの回転方向が反対になったとき
に生じるバックラッシを小さくすることができる。この
時の歯面予荷重は部品の精度・バックラッシ調整の程度
で変化するが、許容歯面荷重の10〜20%である。
【0017】(2.2 各歯車の仕様・精度)遊星歯車
装置に組み込んだ各歯車の仕様・精度を表1に示す。太
陽歯車、遊星歯車、内歯車の歯数はそれぞれ20、3
0、80であり、低速軸(キャリア)が3回転すると各
歯車の噛合関係は元の状態に戻る。遊星歯車装置は構成
部品点数が多く、誤差も種々考えられるが、一般に偏心
誤差はほかの加工誤差よりもレベル的に大きいため、こ
こではとりあえず遊星歯車の偏心誤差に着目した。従っ
て、遊星歯車は、偏心誤差を極力小さく製作したもの
(以下「A遊星」と略記;歯車精度はJIS0級)、意
図的に30〜40μm偏心誤差をつけたもの(以下「C
遊星」と略記;歯車精度は偏心関連項目のみJIS5
級、他項目はJIS0〜1級)の2種類を用意した。
【0018】
【表1】
【0019】(2.3 組立方法)対象とする小バック
ラッシ遊星歯車装置において、組立時に各遊星歯車相互
の偏心誤差方向の配置方法を考慮することで性能改善で
きるかを検討した。各遊星歯車相互の偏心誤差方向の配
置パターンは無限に考えられるが、特徴的な配置とし
て、「C遊星」の偏心誤差方向を図3に示すように、平
行(以下、「C遊星平行」と記述)、および放射状(以
下、「C遊星放射状」と記述)とする場合を考えた。
【0020】また、「A遊星」にも若干の偏心誤差があ
るが、特に各遊星歯車相互の偏心誤差方向を考慮せずに
組み立てた。これは極力誤差を小さく歯車を製作し、通
常製品レベルの組立をしたという位置づけのものと、部
品精度は悪いが組立を工夫した「C遊星平行」「C遊星
放射状」という位置づけのものとの比較のためである。
【0021】(2.4 太陽歯車支持方法)図1にて、
通常は太陽歯車9の出力側ボス部をラジアル隙間15μ
m程度のベアリングで支持しているが、太陽歯車を軸直
角方向に動きやすい状態で支持することは各遊星歯車へ
の荷重配分を良くする上でどれくらい効果があるかを確
認するために、これを外した場合についても検討した。
【0022】(2.5 組立時の歯車噛み合い状態の再
現性および組立精度把握)分解・再組立をしても歯車の
噛み合い状態が変わらないよう歯車には特定の歯にマー
キングをした。また、同じ組立条件で再度組み立てても
組立精度が異なってくるので、測定条件「A遊星」「C
遊星平行」「C遊星放射状」ごとに、バックラッシ調整
前における各遊星軸の理論的に正確な位置からの狂いの
大きさである位置偏差を、3次元測定器で逐次計測し明
確にした。計測の基準は内歯車のベアリング外輪はめあ
い部円筒面の中心軸とした。各遊星歯車の半径方向・円
周方向位置偏差を表2に示す。位置偏差の符号として半
径方向は外側を+、円周方向は反時計回り方向を+とし
て表した。表中「*」は、遊星軸2、4の円周方向位置
度が+方向に大きいが、これはバックラッシ調整により
キャリアを相対的に捩ったためである。入力側および出
力側キャリア単体のベアリング内輪はめあい部円筒面を
測定基準にした遊星軸位置偏差は5μm以内であったの
で、表中星印は、遊星歯車の偏心誤差や組み立て時に発
生した計測基準に対するキャリアの平行ずれなどの組み
立て誤差と考えられる。
【0023】
【表2】
【0024】(3.測定方法および装置)図4に、測定
装置の概略を示す。太陽歯車は入力側ボス部をアンギュ
ラベアリングで支持されており、モータで駆動される。
遊星歯車装置の出力部に、負荷フランジを締結し、滑車
を介して重りを巻き取らせることにより、いろいろな負
荷を与えられるようにした。以下に、各測定に特有の方
法について記す。
【0025】(3.1 太陽歯車の軸直角方向の動き
(以下「太陽変位」と略記)の測定方法)図5のよう
に、太陽歯車の出力側ボス部を延長し、中空の負荷プー
リーを貫通させて先端部の「太陽変位」を、非接触型変
位計を用いてX−Y方向に検出する。変位計の測定精度
は±0.5μm以内である。また実際の太陽歯車噛合部
の変位は、太陽歯車軸を長く取っているので、この軸の
傾きを実験的に考察した結果、やや変位計検出部の測定
変位の値より小さく、90〜95%程度になる。
【0026】(3.2 各遊星歯車への荷重配分(以下
「荷重配分」と略記)の測定方法)太陽歯車と遊星歯車
の歯当たり実験の結果、歯筋方向にほぼ均一な歯当たり
になっていることを確認した。従って遊星軸の曲げひず
みの測定で遊星歯車の歯面荷重が計測できると考え、図
6のようにひずみゲージを遊星軸に貼付した。さらに、
ひずみゲージの保護と遊星歯車からの荷重を遊星軸に伝
えるために、通常使用するニードルローラベアリングの
替わりに、一部分を切り欠いたスリーブを遊星軸に接着
した。この測定では、ひずみゲージから出ているリード
線により遊星歯車装置の回転角度が制約されるので、低
速軸一回転分の「荷重配分」しか計測できなかった。ま
た組み立て精度を同一にするため、この実験状態で「太
陽変位」や角度伝達誤差を計測した。なお、各計測デー
タの再現性は十分認められた。
【0027】遊星歯車装置に遊星歯車を1個組み込み、
負荷トルク0〜6.8N−m(許容歯面荷重の0〜11
5%)を与えたときの遊星軸のひずみゲージ出力電圧を
図7に示す。図7より測定の感度(電圧:V/負荷トル
ク:N−m)、ヒステリシスの最大ずれを表3に示し
た。また、通常のバックラッシ調整を含む遊星歯車装置
組み立て時には、無負荷の場合でも部分的に歯面予荷重
がかかっている箇所があるために、歯面荷重の零点あわ
せは困難である。この場合は、無負荷で回転した際に各
遊星軸のひずみゲージ電圧出力の最低値をソフトウェア
処理で零点としている。
【0028】
【表3】
【0029】(3.3 入力角度に対する出力角度伝達
誤差(以下「角度伝達」と略記)の測定方法)図8のよ
うに、入力回転角を遊星歯車装置の速比で除した値に対
する出力回転角の進み・遅れをエンコーダで測定した。
測定精度は、1.9×10-5rad(4秒)である。
【0030】(4.測定結果と考察) (4.1 「太陽変位」の測定結果)実験条件「A遊
星」「C遊星平行」「C遊星放射状」について、「太陽
変位」測定結果を図9に示す。負荷トルクは11.8N
−m(許容歯面荷重相当)、太陽歯車出力側ボス部はベ
アリングで支持している。また、遊星歯車の偏心誤差の
影響を把握しやすくするために、噛み合い周波数成分を
ローパスフィルタで除去した。これより、「A遊星」
「C遊星放射状」は共に「太陽変位」が小さい。これに
比べて「C遊星平行」の「太陽変位」は大きく、また軌
跡がループ状に約2回転半外に向かって飛び出していび
つな形状になっている。このループの回数は、出力一回
転中の遊星歯車の自転回数と一致するので、遊星歯車の
自転の影響が現れているものと推測される。通常の運転
条件で歯車噛み合いが元に戻る出力3回転分の「太陽変
位」を「C遊星平行」について測定した結果を図10に
示す。この場合は無負荷、太陽歯車出力側ボス部はベア
リングで支持している。出力3回転後、軌跡は開始点に
戻っており、真円内にバランスよく収まっている。この
時の負荷トルクに対する太陽歯車の最大変位を示すと、
図11となる。「C遊星平行」は、負荷を増やしていく
ことによって増加傾向が見られる。また太陽歯車出力側
ボス部をベアリングで支持していると「太陽変位」が規
制され、ベアリングで支持していない場合に比べ小さく
なっている。「A遊星」「C遊星放射状」は、太陽歯車
支持方法、負荷の大小による「太陽変位」の変化は少な
い。
【0031】(4.2 「荷重配分」の測定結果)実験
条件「A遊星」「C遊星平行」「C遊星放射状」につい
て、「荷重配分」測定結果を図12に示す。負荷トルク
は11.8N−m、太陽歯車出力側ボス部をベアリング
で支持している条件である。図12は、遊星歯車2、4
の荷重は負荷トルクを受ける方向なので符号を+、遊星
歯車1、3はバックラッシ除去のため遊星歯車2、4と
は逆歯面に荷重を受けるので符号を−として、測定電圧
を表3の感度で校正して記録している。さらにこの記録
を次式で電算処理して、縦軸を荷重配分比で表示し出力
回転角に対し示している。
【0032】γpi=−Fpi/(−Fp1+Fp2−
Fp3+Fp4)×100 (i=1,3) γpi=Fpi/(−Fp1+Fp2−Fp3+Fp
4)×100 (i=2,4) γpi:遊星歯車iの荷重配分比(%) Fpi:遊星歯車iの荷重 「C遊星平行」は、「A遊星」「C遊星放射状」に比
べ、荷重配分比の変化が大きく、出力回転角により負荷
荷重を受ける遊星歯車2と4の荷重分担の最大値が周期
的に交替している。また、遊星歯車1、3の荷重が大き
くなると遊星歯車2、4の荷重を増加させている。この
現象は、「C遊星」の偏心誤差の方向を考慮せずに組み
立てた場合にもみられた。これに対して、「A遊星」
「C遊星放射状」は、荷重配分比の変化が小さく、特に
「C遊星放射状」の場合の方が遊星歯車の偏心誤差が大
きいのにもかかわらず、「荷重配分」は良好である。こ
れより、遊星歯車の偏心誤差方向に注意し「放射状」に
組み立てることの有効性がうかがえる。つぎに、図12
と同じ負荷トルクで、太陽歯車出力側ボス部をベアリン
グで支持しない場合の「荷重配分」測定結果を図13に
示す。「C遊星平行」の場合図13(2)は荷重配分比
の変化が図12(2)に比べ小さくなっている。これ
は、太陽歯車が軸直角方向により自由になり、荷重配分
を均等にする効果があると考えられる。「A遊星」「C
遊星放射状」の場合、「太陽変位」が小さくもともと荷
重配分が各遊星歯車でほぼ均等なため、太陽歯車出力側
ボス部をベアリングで支持する・しないにかかわらず図
13(1)(3)と図12(1)(3)の間では、荷重
配分比の変化の差は少ない。
【0033】(4.3 「角度伝達」の測定結果)「A
遊星」「C遊星平行」「C遊星放射状」について、「角
度伝達」の測定結果を図14に示す。横軸に出力回転
角、縦軸に波形が上にある場合は進み、下にある場合
は、遅れの角度伝達誤差を表す。「C遊星放射状」は波
形の最大値と最小値の幅で、1.7×10-3rad(6
分)と大きく表1に示した遊星歯車偏心量から計算した
角度伝達誤差値とほぼ一致する。また波形のうねる周期
が遊星歯車自転周期と一致している。それに比べて「A
遊星」「C遊星平行」は波形の最大値と最小値の幅で、
0.3×10-3〜0.4×10-3rad(1〜1.5
分)と小さく、波形のうねる周期が「C遊星放射状」の
約半分である。
【0034】「C遊星平行」におけるこの結果を考察す
るために、次の実験を行った。図15(1)(2)に
「C遊星平行」の場合、遊星歯車を1個入れた場合、お
よび図15(3)に遊星歯車を2個入れた場合の「角度
伝達」の測定結果を示す。図15(3)は、図15
(1)(2)のおのおの角度進み誤差側の「山」を選択
してつないだ形状で振幅が小さくなり、波形の周期が半
分になっている。「C遊星平行」は荷重をかけていくに
つれ、波形が平滑化し、伝達誤差としては良くなってい
く傾向にあるが、「C遊星放射状」は荷重をかけていっ
ても波形の変化が少ない。
【0035】(5.結論)バックラッシを小さくした遊
星歯車装置について実験を行った結果、次の結論を得
た。
【0036】(1)遊星歯車装置組み立て時に、遊星歯
車偏心方向を軸直角断面で、「平行」「放射状」に配置
するかにより、遊星歯車装置は以下のような特性を持
つ。
【0037】イ.「平行」:各遊星歯車の荷重配分が悪
く好ましくないが、角度伝達誤差を小さくするには有効
である。負荷を増加してゆくと角度伝達誤差はやや減少
する傾向がある。
【0038】ロ.「放射状」:各遊星歯車の荷重配分が
良く好ましいが、角度伝達誤差は大きくなる。
【0039】(2)比較的大きな偏心誤差を持つ遊星歯
車の場合に、各偏心誤差の方向を考慮せずに組み立てる
と、回転角度によって負荷トルクを受けない遊星歯車の
歯面荷重が大きくなり、負荷トルクを受ける遊星歯車の
歯面荷重を増大させる箇所がある。
【0040】(3)各遊星歯車の加工誤差が大きく荷重
配分が悪い場合に太陽歯車を軸直角方向に動きやすく支
持することによって、各遊星歯車の荷重配分をある程度
改善できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の遊星歯車
装置の組み立て方法によれば、小バックラッシが要求さ
れる遊星歯車装置において、部品精度を高めることな
く、各遊星歯車に対する荷重配分を均一化できる。ま
た、滑らかな回転を維持することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な遊星歯車装置の概略構成図
である。
【図2】バックラッシ調整前と後における遊星歯車装置
の各歯車の配置関係を示す説明図である。
【図3】各遊星歯車相互の偏心誤差方向が平行な場合
と、放射状の場合を示す説明図である。
【図4】測定装置の概略構成図である。
【図5】太陽歯車の軸直角方向の変位の測定方法を示す
説明図である。
【図6】歪みゲージを用いて各遊星歯車への荷重配分状
態を測定するための測定方法を示す説明図である。
【図7】負荷トルクに対する、遊星軸に取り付けた歪み
ゲージの出力電圧を示すグラフである。
【図8】角度伝達誤差の測定装置の概要を示す説明図で
ある。
【図9】遊星歯車装置における太陽歯車の半径方向への
変位を示すグラフである。
【図10】遊星歯車装置における太陽歯車の半径方向へ
の変位を示すグラフである。
【図11】負荷トルクに対する太陽歯車の最大変位を示
すグラフである。
【図12】各遊星歯車における荷重配分状態の測定結果
を示すグラフである。
【図13】各遊星歯車における荷重配分状態の測定結果
を示すグラフである。
【図14】遊星歯車における角度伝達誤差の測定結果を
示すグラフである。
【図15】遊星歯車における角度伝達誤差の測定結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 遊星歯車装置 2 内歯車 3 ケーシング 4 ベアリング 5 ベアリング 6a、6b キャリア 7 遊星歯車 8 遊星軸 9 太陽歯車

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心状に配置した太陽歯車および内歯車
    と、これらの双方に噛み合っていると共に、自転および
    前記太陽歯車の回りに公転可能な状態でキャリヤによっ
    て支持されている複数の遊星歯車とを有する遊星歯車装
    置において、 当該遊星歯車装置の組み立て時に、各遊星歯車の偏心誤
    差方向が、装置軸直角断面で見た場合に、所定の方向と
    なるように、各遊星歯車を組み付けることを特徴とする
    遊星歯車装置の組み立て方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、各遊星歯車の偏心誤
    差方向が、装置軸直角断面で見た場合に、装置軸線を中
    心として、半径方向の外側に向かうように、各遊星歯車
    を組み付けることにより、各遊星歯車の荷重配分を均一
    化することを特徴とする遊星歯車装置の組み立て方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、各遊星歯車の偏心誤
    差方向が、装置軸直角断面で見た場合に、相互に平行と
    なるように、各遊星歯車を組み付けることにより、角度
    伝達誤差を低減することを特徴とする遊星歯車装置の組
    み立て方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記太陽歯車を、軸
    直角方向に移動可能な状態で組み付けることにより、各
    遊星歯車の荷重配分を均一化することを特徴とする遊星
    歯装置の組み立て方法。
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