JPH1127888A - 回転電機の固定子及び固定子コイル挿入装置 - Google Patents

回転電機の固定子及び固定子コイル挿入装置

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JPH1127888A
JPH1127888A JP17426097A JP17426097A JPH1127888A JP H1127888 A JPH1127888 A JP H1127888A JP 17426097 A JP17426097 A JP 17426097A JP 17426097 A JP17426097 A JP 17426097A JP H1127888 A JPH1127888 A JP H1127888A
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stator
coil
slot liner
stator coil
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JP17426097A
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Inventor
Takashi Yasuhara
隆 安原
Yoichiro Asano
洋一郎 浅野
Kiyoshi Iwabuchi
清詞 岩渕
Yukiro Endo
幸郎 遠藤
Koichiro Ohara
光一郎 大原
Izumi Shimizu
泉 清水
Yoshiharu Saito
嘉治 斉藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子コイルの挿入に伴うスロットライナの
損傷発生が抑えられ、占積率の向上を充分に図ることが
できる回転電機の固定子を提供すること。 【解決手段】 固定子鉄心1のスロット3に挿入されて
いる固定子コイル7がスロット3の中から出てコイルエ
ンド部7aに至る間の、傾き部7cの前に直線立上り部
7dが存在するようにしたもの。 【効果】 スロットライナ5の端部5'で、スロットか
ら外部に突き出している部分の根元Aに大きな曲げ応力
が現れるのが確実に抑えられるので、占積率を高めても
スロットライナが損傷を受ける虞れがなくなり、小型で
高性能の回転電機を容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の固定子
及び固定子コイル挿入装置に係り、特に高占積率のコイ
ルを備えた汎用誘導電動機に好適な固定子と、このため
の固定子コイル挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】汎用誘導電動機などの回転電機の固定子
は、一般に、図6に示すように、円周方向に並んで配列
されている歯部(ティース部)2と、これらの間に存在し
ているスロット3を有する固定子鉄心1を用い、スロッ
ト3内に絶縁スロットライナ5(以下、スロットライナ
という)を装着した上で、その内部に予め巻回成形した
コイル7を挿入し、更に、同じく予め成形しておいたウ
ェッジ8を装着して作られている。なお、この図6にお
いて、4はスロット3の開口部で、9はウェッジの側部
を表す。
【0003】そして、まずスロットライナ5は、例えば
厚さ0.25mmのポリエステルフィルム等の合成樹脂
製フィルムを所定の長さに切断し、その固定子鉄心1の
側端部から外に出た部分にU字曲げ加工を施し、図7に
示すように折り返してカフス部6を形成した上でスロッ
ト3に挿入するようになっており、次に、ウェッジ8
は、例えば厚さ0.25mm〜0.35mmのポリエステ
ルフィルム等の合成樹脂製フィルムを所定寸法に切断
し、ほぼコの字形に折り曲げて成形した上で、コイル7
と同時にスロット3内に挿入するようになっている。
【0004】ところで、このような固定子コイルとウェ
ッジの固定子鉄心への挿入には、従来から種々の挿入装
置が提案されている。そこで、このような従来技術によ
る挿入装置の中で、幾つかの公知文献に開示されている
ものについて、図8と、この図8のA−B線による一部
断面を示す図9により説明すると、この装置は、図示の
ように、ハウジング10、ブレード11、ブレードホル
ダ12、コイル挿入用のストリッパ13、図示されてい
ない流体圧シリンダ等の駆動手段に連結されたロッド1
4、このロッド14をストリッパ13に結合させている
ボルト15、ウェッジガイド16、このウェッジガイド
16と一緒に、図示されていない流体圧シリンダなどの
駆動手段に連結され、且つウェッジガイド16間に配置
された棒状の部材からなるウェッジプッシャ17とで構
成されている。
【0005】ハウジング10は、図8で上から見た形状
がほぼ円筒状に作られ、装置全体の基台となるもので、
その内部には、上方向に向う複数本の棒状部材を円形櫛
歯状に配列したブレード11が周辺部に取付けられてい
る、短円柱状のブレードホルダ12と、上方に向う複数
本の棒状部材を円筒櫛歯状に配列したウエッジガイド1
6とが設けられている。
【0006】ここで、ブレード11とウエッジガイド1
6は、それぞれ図9に示されている断面形状を有し、図
示のように、ブレード11の外側にウエッジガイド16
が一対一に重合せに組み合わされているもので、さら
に、これらのブレード11とウエッジガイド16は、固
定子鉄心1の歯部2と同じ本数を有し、その内周面で、
円周方向にスロット3の開口部4に対応する間隔をお
き、各歯部2に向い合うようにして、環状に配置されて
いる。
【0007】ストリッパ13は、図の上側から見た形状
がほぼ円形をした部材で作られていて、その周辺部に
は、ブレード11が入り込むようにした複数の縦溝が形
成してある。そして、このストリッパ13には、上記し
たように、ロッド14が取付けてあり、これを介して、
図示してない流体圧シリンダなどの駆動手段により上下
に移動させられ、固定子コイル7を、ブレード11の内
周側の面(背面)に沿って移動させ、スロット3内に挿入
させる働きをする。
【0008】ウェッジプッシャ17は、ウェッジガイド
16と同様に、上方向に向う複数本の棒状部材を円形櫛
歯状に配列して構成されたもので、上記したように、ウ
ェッジガイド16間に配置され、上記した駆動装置によ
り、ストリッパ13と一緒に上下に動き、図9に示され
ているように、2本のウェッジガイド16の間に保持さ
れているウエッジ8の下端を押し、固定子コイル7と一
緒にスロット3内に挿入してゆく働きをする。
【0009】次に、この挿入装置による固定子コイル7
の挿入動作について説明する。まず、ストリッパ13を
ブレード11の根元側、つまり図8の下側の後退位置に
移動させた状態にしておき、次いで、円周方向に並んで
いる複数本のブレード11の中で、いま固定子コイル7
を挿入すべき2個のスロットに対応したブレード11を
選び、これらに、予め巻回してあるコイルのコイルエン
ド部となる部分を差し渡して保持させ、スロットに対応
しているウェッジガイド16の間にウェッジ8を保持さ
せる。
【0010】一方、これと共に、予めスロットライナ5
が各スロット3内に装着してある固定子鉄心1を用意し
ておき、これを、図8に示すように、円環状に配列され
ているブレード11の上方から挿入する。このとき固定
子鉄心1の歯部2がそれぞれのブレード11に向かい合
うように摺る。そして、固定子鉄心1の下側の側端面が
ウェッジガイド16の上端に当接する位置まで挿入した
ら、この位置に、図示してない固定子鉄心位置決装置に
より固定する。
【0011】次いで、駆動手段により、ロッド14を前
進方向(上方向)に移動させ、ストリッパ13をブレード
11の環内で前進させ、ブレード11に保持されている
コイル7を固定子鉄心1のスロット3内のスロットライ
ナ5内に挿入して行き、これと共に、同じく駆動手段に
よりウェッジプッシャ17を移動させ、ウェッジガイド
16間に保持されているウェッジ8を、スロットライナ
5の内部でスロット3の開口部4側に挿入するのであ
る。
【0012】ところで、このとき、スロット3に装着さ
れているスロットライナ5は、図7に示したように、そ
の端部5'が固定子鉄心1の側端面から突出した状態に
なるように、その長さが固定子鉄心1の軸方向の長さ、
つまり積層厚さよりも長く作られている。そして、この
突き出している端部5'を折り曲げてカフス部6を形成
しているため、そのスプリングバック、すなわち成形後
での残留弾性による戻りにより、図7に示すように、カ
フス部6がスロット3の側壁の外側に倒れ、隣接する歯
部2の面を塞ぐような状態となり、これに伴い、スロッ
トライナ5の端部5'もスロット3の幅よりも大きく広
っている。
【0013】そこで、従来は、コイル挿入時、歯部2の
面上に棒状片を装着しておき、これにより、スロットラ
イナ5のカフス部6が周方向に広るのを抑えるようにし
ていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、スロ
ット内でのコイルの占積率の向上に伴うスロットライナ
の損傷発生率の増加について充分に配慮がされていると
はいえず、回転電機の更なる効率向上の点に問題があっ
た。この従来技術におけるスロットライナの損傷発生率
の増加について説明すると以下の通りである。
【0015】まず、上記したようにして、固定子コイル
7を固定子鉄心1のスロットに挿入すると、これにより
図10に示すように、スロット3の中にある部分からコ
イルエンド部7aに至る間に曲り部7bが形成される。
一方、図7で説明したように、スロットライナ5は、そ
の端部5'が固定子鉄心1の側端面からスロット3の外
に大きく突き出している。このため、スロット3内に固
定子コイル7を挿入すると、その曲り部7bの形成に伴
って傾き部7cが現われ、これによりスロットライナ5
の端部5'が周方向に押され、図10に示すように、そ
の根元部分Aがスロット3の出口縁部に強く押し付けら
れ、ここで曲げられてしまい、この結果、この根元部分
Aでスロットライナ5に損傷の虞れが生じてしまう。
【0016】特に、回転電機では、近年、小形化や高効
率化のため、固定子鉄心のスロット内でのコイルの占積
率(以下、占積率と記す)を高める傾向にあり、この場
合、より一層、巻回本数が増やされている固定子コイル
をスロットに挿入する必要が生じる。しかして、従来技
術では、占積率のため、巻回本数が増やされている固定
子コイルをスロットに挿入しようとすると、スロットラ
イナ5の端部5'の根元部分Aは更に強く固定子鉄心1
の側端部に押し付けられることになり、曲がりによる損
傷の発生が更に著しくなってしまうのである。
【0017】このようにして、スロットライナが損傷を
受けると、電気絶縁耐力は著しく低下し、絶縁不良を起
こしてコイル対アース間の短絡につながり、ついにはコ
イル焼損に至って事故になってしまう。従って、スロッ
トライナでの損傷発生は極めて深刻な問題で、極力、そ
の解決が望まれることになる。ところで、上記したよう
に、このスロットライナの損傷を防ぐため、歯部に棒状
片を装着する方法が従来から知られているが、この従来
の方法では、スロットライナのカフス部の広がりの抑制
に重点が置かれているだけであり、やはり上記の問題点
の解決には至っていなかった。
【0018】まず本発明の第1の目的は、上記従来技術
の問題点に鑑み、固定子コイルの挿入に伴うスロットラ
イナの損傷発生が抑えられ、占積率の向上を充分に図る
ことができる回転電機の固定子を提供することにあり、
次に、第2の目的は、この固定子の製造装置を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、固定
子コイルが、スロットライナを介して、固定子鉄心のス
ロットに挿入されている回転電機の固定子において、前
記固定子コイルの、前記スロットから前記固定子鉄心の
側端面側に抜け出ている部分に、前記スロット内での該
コイルの延長方向と同じ方向に伸びた直線部が形成され
るようにして達成される。
【0020】上記直線部は、上記スロットライナの端部
で、スロットから外部に突き出している部分の根元に大
きな曲げ応力が現れるのを抑えるように働く。従って、
占積率を高めてもスロットライナが損傷を受ける虞れが
なくなり、性能向上を充分に図ることができる。
【0021】また、上記第2の目的は、予め所定の形状
に巻回成形しておいた固定子コイルを、スロットライナ
カフス部が形成されているスロットライナを介して固定
子鉄心のスロットに挿入する方式の固定子コイル挿入装
置において、前記固定子鉄心の歯部の周方向の幅から、
前記スロットライナの厚さの2倍を減算した幅の棒状部
材を、前記歯部の側端面に装着する手段を設け、隣接す
るスロットの前記スロットライナカフス部の間に前記棒
状部材が介在した状態で、前記固定子コイルの挿入を行
うようにして達成される。
【0022】棒状部材は、固定子コイルの挿入に際して
上記スロットライナの端部で、スロットから外部に突き
出している部分を支え、その根元に曲りが発生しないよ
うに働く。従って、占積率を高めてもスロットライナが
損傷を受ける虞れのない固定子が得られることになり、
性能向上を充分に図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による回転電機の固
定子と、固定子コイル挿入装置について、図示の実施形
態により詳細に説明する。図1は、本発明による回転電
機の固定子の一実施形態で、図10に示した従来技術の
場合と同じく、固定子鉄心1のスロット3に固定子コイ
ル7が挿入されている状態を示した断面図であるが、こ
の図1と図10とを比較してみれば明らかなように、こ
の図1の実施形態の場合には、固定子コイル7がスロッ
ト3の中から出てコイルエンド部7aに至る間で、傾き
部7cの前に直線立上り部7dが存在している点で、図
10の従来技術の場合とは異なっている。
【0024】そして、この結果、この図1の実施形態で
は、スロットライナ5の端部5'に傾きが発生せず、そ
の根元部分Aでの曲げ応力の発生もない。従って、この
実施形態によれば、固定子コイル7の占積率を高めて
も、スロットライナ5に損傷発生の虞れは全くなく、高
占積率化を充分に図ることができ、小型で効率の良い回
転電機を容易に得ることができる。
【0025】次に、この図1の実施形態による固定子を
得る方法について、図2により説明する。まず、この図
2において、18はカフスプロテクタであり、その他
は、図1と同じである。そして、図1に示した固定子
は、この図2に示すように、固定子コイル7をスロット
3に挿入する際、カフスプロテクタ18をスロットライ
ナカフス部6の間の歯部2の表面に装着しておくことに
より、作り出すことができる。
【0026】そこで、以下、本発明による固定子コイル
挿入装置についての説明と共に、カフスプロテクタ18
を用いることにより、図1の固定子が作り出せる理由に
ついて、図3に示す一実施形態により説明する。まず、
この図3の実施形態は、図8に示した従来技術と基本的
な構成は同じである。
【0027】従って、この図3において、まず、ストリ
ッパ13をブレード11の根元側に移動させた状態にし
ておき、次いで、円周方向に並んでいる複数本のブレー
ド11の中で、いま固定子コイル7を挿入すべき2個の
スロットに対応したブレード11を選び、これらに、予
め巻回してあるコイルのコイルエンド部となる部分を差
し渡して保持させ、スロットに対応しているウェッジガ
イド16の間にウェッジ8を保持させ、次いで、予めス
ロットライナ5が各スロット3内に装着してある固定子
鉄心1をブレード11の上方から、固定子鉄心1の歯部
2が、それぞれのブレード11に向かい合うようにし
て、その外面に沿わせて挿入するまでの処理は、図8の
従来技術と同じである。
【0028】しかして、図3の実施形態では、このとき
の固定子鉄心1の挿入が終わったあとで、まず、この固
定子鉄心1の下側にカフスプロテクタ18が装着され、
その後、固定子コイル7の挿入を開始し、終了後、カフ
スプロテクタ18を外してコイル挿入処理を終えるよう
になっている点で、図8の従来技術の場合とは異なって
いる。
【0029】そこで、まず、このカフスプロテクタ18
について、図4と図5により詳しく説明する。なお、こ
れらの図において、まず図4は、カフスプロテクタ18
の一部を拡大し、それを固定子鉄心1に装着した状態を
示したもので、図3の下側から見た図となり、次に図5
は、図4のC−D線による断面図である。
【0030】カフスプロテクタ18は、所定の強度を備
えた適当なプラスチック材などで作られ、図4から明ら
かなように、固定子鉄心1の各歯部2に対応して外周側
から内周側に向かって放射状に伸びた複数本の棒状部1
8aと、これらの棒状部18aの外周側を一体にしてい
る円弧部18bとで構成されている。
【0031】そして、その棒状部18aの断面形状は、
図5に示すように、スロットライナ5のスロットライナ
カフス部6の間に丁度入り込めるように、ほぼ角形に形
成されており、ここで、この棒状部18aの幅方向の寸
法Wは、歯部2の幅から両側のスロットライナカフス部
6の厚さを引いた寸法にしてある。従って、いま、歯部
2の幅を図示のようにTとし、スロットライナ5の厚さ
をtとすると、 W=T−2t となる。
【0032】次に、このカフスプロテクタ18の棒状部
18aは、固定子鉄心1の全ての歯部2に対応して同じ
本数が設けてあり、円弧部18bにより、相互に連結さ
れているが、このとき、この円弧部18bは、全ての棒
状部18aに対して共通になっているのではなくて、そ
の円周方向に沿って分割されていて、扇形状の複数個の
カフスプロテクタ18として作られている。
【0033】そして、図3の装置では、これら複数個の
カフスプロテクタ18が、それぞれ固定子鉄心1の外周
部から内周側に向かって、放射状に移動できるように構
成してある。そこで、まず、固定子鉄心1がブレード1
1に挿入される前には、予めカフスプロテクタ18を外
周側に戻しておく。そして、この状態で、固定子鉄心1
をブレード11に挿入し、所定の位置に固定したら、こ
こで、カフスプロテクタ18を、外周側から内周方向に
動かしてゆく。
【0034】そうすると、図5に示すように、歯部2の
側端面で、両側にあるスロット2に装着されてるスロッ
トライナ5のスロットライナカフス部6の間に、各カフ
スプロテクタ18の棒状部18aがそれぞれ入り込んだ
状態でカフスプロテクタ18が移動してゆき、最終的に
図4に示す位置に達する。そこで、この状態になったと
ころでカフスプロテクタ18を固定する。
【0035】そこで、このときの状態を見てみると、カ
フスプロテクタ18の棒状部18aは、図5に示されて
いるように、隣接するスロットライナカフス部6の間に
隙間なく介在された状態にされている。この結果、図5
から明らかなように、固定子鉄心1の側端部でスロット
3から突き出たスロットライナ5の端部5'とスロット
ライナカフス部6は、スロット3の外側にあるカフスプ
ロテクタ18の棒状部18aにより支えられ、これらス
ロットライナ5の端部5'とスロットライナカフス部6
がスロット3の外側に倒れ込もうとするのが的確に支持
されていることになる。
【0036】そして、この後、カフスプロテクタ18が
装着された状態で固定子コイル7の挿入を行なう。そう
すると、この後、スロット3内に、占積率を高めるた
め、コイル素線の本数を多くした固定子コイル7が挿入
されてきたとしても、スロットライナ5の端部5'とス
ロットライナカフス部6の、少なくとも根元付近で傾き
が発生する虞れは全く生じない。
【0037】従って、この挿入装置によれば、図1に示
すように、固定子コイル7がスロット3の中から出てコ
イルエンド部7aに至る間で、傾き部7cの前に直線立
上り部7dが形成されている固定子を確実に、しかも容
易に製造することができる。
【0038】そして、全部のコイルの挿入を終わった
後、カフスプロテクタ18を外周側に戻し、コイルが挿
入された固定子鉄心1を挿入装置から取り外してやれ
ば、固定子コイルの挿入処理が完了することになる。
【0039】ここで、本件発明者らが確認したところ、
本発明による挿入装置によりスロットライナが受けた損
傷の程度は、従来技術の場合に比して、面積比で35%
以下に減少しており、損傷を生じた場合でも、その程度
は軽く、絶縁不良(耐電圧不良)の原因になる程のもので
はなく、従って、本発明によれば、充分に占積率が高め
られ、性能の向上が大きく図れることが判った。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、スロットライナの端部
で、スロットから外部に突き出している部分の根元に大
きな曲げ応力が現れるのが確実に抑えられるので、占積
率を高めてもスロットライナが損傷を受ける虞れがなく
なり、小型で高性能の回転電機の固定子を容易に提供す
ることができる。
【0041】さらに本発明によれば、固定子コイルの挿
入に際して、スロットライナの端部で、スロットから外
部に突き出している部分を支え、その根元に曲りが発生
しないようにでき、従って、スロットライナの損傷によ
る絶縁不良が発生する虞れがなく、高占積率で、しかも
絶縁耐力の低下がなく、小型で高効率、且つ信頼性の高
い回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機の固定子の一実施形態を
示す部分断面図である。
【図2】本発明による回転電機の固定子の一実施形態に
おけるカフスプロテクタを説明するための部分断面図で
ある。
【図3】本発明による固定子コイル挿入装置の一実施形
態を示す断面図である。
【図4】本発明によるカフスプロテクタの一実施形態の
一部を拡大して示した平面図である。
【図5】本発明によるカフスプロテクタの一実施形態が
装着された状態を拡大してしめした断面図である。
【図6】回転電機の固定子におけるコイルの挿入状態を
説明するための拡大図である。
【図7】回転電機の固定子におけるスロットライナの装
着状態を示す拡大図である。
【図8】従来技術によるコイル挿入装置の一例を示す断
面図である。
【図9】従来技術によるコイル挿入装置の一例における
ブレードとウェッジガイドを示す断面図である。
【図10】従来技術による固定子におけるコイルの挿入
状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄心 2 歯部 3 スロット 4 スロットの開口部 5 スロットライナ 5' スロットライナの端部 6 スロットライナカフス部 7 固定子コイル 7a コイルエンド部 7b 固定子コイルの曲り部 7c 固定子コイルの傾き部 7d 固定子コイルの直線立上り部 8 ウェッジ 9 ウェッジの側部 10 ハウジング 11 ブレード 12 ブレードホルダ 13 ストリッパ 14 ロッド 15 ボルト 16 ウェッジガイド 17 ウェッジプッシャ 18 カフスプロテクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幸郎 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 大原 光一郎 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 清水 泉 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 斉藤 嘉治 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子コイルが、スロットライナを介し
    て、固定子鉄心のスロットに挿入されている回転電機の
    固定子において、 前記固定子コイルの、前記スロットから前記固定子鉄心
    の側端面側に抜け出ている部分に、前記スロット内での
    該コイルの延長方向と同じ方向に伸びた直線部が形成さ
    れていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 【請求項2】 予め所定の形状に巻回成形しておいた固
    定子コイルを、スロットライナカフス部が形成されてい
    るスロットライナを介して固定子鉄心のスロットに挿入
    する方式の固定子コイル挿入装置において、 前記固定子鉄心の歯部の周方向の幅から、前記スロット
    ライナの厚さの2倍を減算した幅の棒状部材を、前記歯
    部の側端面に装着する手段を設け、 隣接するスロットの前記スロットライナカフス部の間に
    前記棒状部材が介在した状態で、前記固定子コイルの挿
    入を行うように構成したことを特徴とする固定子コイル
    挿入装置。
JP17426097A 1997-06-30 1997-06-30 回転電機の固定子及び固定子コイル挿入装置 Pending JPH1127888A (ja)

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JP (1) JPH1127888A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6862796B2 (en) 2001-12-26 2005-03-08 Denso Corporation Method for manufacturing an electric rotary machine
KR20110048537A (ko) * 2008-07-28 2011-05-11 다이렉트 드라이브 시스템즈, 인크. 전기 기계용 고정자
JP2016127692A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ステータ組立装置及びステータ組立方法

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