JPH11277465A - 毒性物質採取装置 - Google Patents

毒性物質採取装置

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JPH11277465A
JPH11277465A JP8141198A JP8141198A JPH11277465A JP H11277465 A JPH11277465 A JP H11277465A JP 8141198 A JP8141198 A JP 8141198A JP 8141198 A JP8141198 A JP 8141198A JP H11277465 A JPH11277465 A JP H11277465A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑で嵩張る部材を設けることなく、かつ操
作性に優れ、保守点検も容易な毒性物質採取装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】 本発明の毒性物質採取装置1は、上腕2
1、中腕22、下腕23でなる多重管で進出又は退入自
在に構成したマニュプレータ2と、このマニュプレータ
2の基部を外壁面において3次元方向に揺動自在に連結
する球面軸25に取り付けたマニュプレータの角度調整
部材(操作レバー28)と、マニュプレータ2の進出退
入機構(電動リール27など)と、マニュプレータ2の
先端部分に付け替え可能に設けた採取部材3とを備えた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境が毒性物質で
汚染された場合、気密保護された車輌の内側から作業者
が外気に曝されることなく毒性物質を採取することがで
きる毒性物質採取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、環境が毒性物質に汚染された場
合、毒性物質の採取に用いる作業装置としては、気密構
造の車輌の壁面に、内側つまり車輌内から遠隔操作し得
る電動、油圧、空圧のいずれかの動力によるマニュプレ
ータを配置している。このマニュプレータは、多関節と
され、関節部において角度を変更することができ、先端
には爪形形状をなす採取部が設けられ、この採取部によ
って汚染された土壌や草などを掴み取る。この採取部で
採取した毒性物質は、車輌外に設けた容器にマニュプレ
ータを操作して収納される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
作業装置では、採取の対象となる試料が指先で摘む程度
の、又は箸で掴む程度の少量であるにも拘わらず、マニ
ュプレータの構造が複雑であり、また、関節部が多いの
でこれに伴うモータやシリンダ等の部品点数が多くなり
高価なものとなってしまうといった問題があった。
【0004】また、従来の作業装置は、上記したように
関節部が多くなるとこれに伴う操作ボタンやレバー等も
多くなり、操作が複雑になり、作業を容易に行えないの
で作業者に操作の習熟を強いなければならないといった
問題も生じていた。また、従来の作業装置は、構造が複
雑であるが故に、保守点検を頻繁に行う必要があり、こ
の保守点検も容易に行えるものではなく、さらには保守
点検作業を怠ると故障箇所が1箇所でもあるとマニュプ
レータ全体が機能しないといった不具合も生じていた。
【0005】さらに、従来の作業装置は、マニュプレー
タの駆動部分が毒性物質に汚染された状況下に曝されな
いよう保護する部材が必要となり、装置全体が大掛かり
になるといった問題や、装置が大掛かりで操作が複雑で
あることから小回りが利かないといった問題もあった。
【0006】また、採取物としては、粉状、ペースト
状、礫状、溜り水のような液状の場合もある。従って、
マニュプレータ先端の採取部材は、性状に応じてスプー
ン状、ピンセット状など採取物に適したものを用いる必
要があるが、汚染状況下で作業者が車輌外に出て採取物
に適した採取部材に取り替えるのは非常に危険である。
また、性状に適した複数の採取部材を設けておき、これ
らを使い分けるようにするには、機構が複雑で、嵩張る
ので使い勝手が悪くなり好ましくない。
【0007】また、容器に関しては、通常、採取する件
数が複数あるために、従来では、容器内を多数に仕切っ
て対処していたが、限られた容器内のスペースで仕切る
数には限界があり、また、隣接した仕切りに収納した採
取物同士が混ざってしまうといった不具合が生じ、さら
には、マニュプレータで採取した毒性物質を必要量だけ
容器に収納するといった操作ができなかった。また、採
取する毒性物質が液状である場合は、マニュプレータに
よる操作が非常に困難であり、また、容器内においても
液状の物質を試験紙によって検査するといった操作がマ
ニュプレータの操作ではできないといった問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、複雑で嵩張る部材を設けることな
く構成することができ、かつ操作性に優れ、保守点検も
容易で、なおかつマニュプレータ先端の採取部材を作業
者が外側に出ることなく容易にかつ安全に取り替えるこ
とができ、採取した毒性物質を作業者が内側から安全か
つ直接感覚にて操作することができる毒性物質採取装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の毒性物質採取装置は、外壁面に設けたマ
ニュプレータを進出退入機構により進出又は退入する多
重管構成とし、マニュプレータの基部を外壁面において
3次元方向に揺動自在に球面軸受に連結し、さらに球面
軸にマニュプレータの角度調整部材を取り付け、マニュ
プレータの先端部分に採取部材を付け替え可能に設けた
のである。こうすることにより、構成を簡素化すること
ができると共にその操作性も容易となり、また、構成が
簡素化されたことで保守点検も容易に行える。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の毒性物質採取装置は、進
出又は退入自在に多重管構成したマニュプレータと、こ
のマニュプレータの基部を外壁面において3次元方向に
揺動自在に連結する球面軸受に取り付けたマニュプレー
タの角度調整部材と、マニュプレータの進出退入機構
と、マニュプレータの先端部分に付け替え可能に設けた
採取部材とを備えたものである。
【0011】上記構成によれば、マニュプレータは、多
重管構造において外管に対して内管を進出退入機構によ
って互いに進出又は退入させることで全体が伸縮動作す
る。進出退入機構は、例えば常時進出方向に付勢するス
プリングと、退入時に付勢力に抗してスプリングを収縮
させるワイヤーロープと、このワイヤーロープを巻き取
り又は送り出す電動リールとで構成すれば、全体構造が
簡素化できる。
【0012】そして、このマニュプレータの3次元方向
の角度調整は、角度調整部材によって行う。この角度調
整部材としては、例えば、マニュプレータの基端部に球
面軸を設け、外壁面の該マニュプレータとの連結部位に
球面座を形成して、前記球面軸の一部に把手を設けて、
外壁の内側から把手を操作する。もちろん、角度調整部
材における角度調整のための駆動手段は電動などとして
もよい。
【0013】マニュプレータの先端部分に設けた採取部
材は、採取物が粉状、ペースト状、礫状、溜り水などの
ように様々な形態に応じて適切な採取が行えるように、
例えばスプーン状、ピンセット状など各種を用意してこ
れらを付け替える。このように、本発明の毒性物質採取
装置は、構造を極力簡素化して操作を容易としたので、
毒性環境下にあって外壁内部から遠隔にて採取物を的確
かつ確実に採取することができる。
【0014】また、本発明の毒性物質採取装置は、上記
の構成において、採取部材が届く範囲における外壁に、
この外壁を貫通すべく収納容器を設け、この収納容器に
は、外壁の内側に露出する部分に形成した開口に気密状
態でグローブを設け、かつ外側に露出する部分に前記マ
ニュプレータ先端の採取部材を挿入するための開口を形
成したものである。
【0015】上記構成によれば、採取部材で採取した毒
性物質は、収納容器の外側に露出した部分に形成された
開口にマニュプレータ先端の採取部材を挿入して納めら
れる。そして、収納容器の内側に露出した部分に形成し
た開口に気密状態で設けたグローブを作業者が装着し、
作業者が収納容器にグローブを装着した手を挿入して、
マニュプレータの採取部材で採取して収納容器に納めた
毒性物質を試験管などに移す。こうすることで、作業者
は、直接感覚で収納容器内にある毒性物質を操作するこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例について図1〜図11
を参照して説明する。図1は、本発明の毒性物質採取装
置の概略構成を示す。図2は、本発明の毒性物質採取装
置におけるマニュプレータの構造を示す。図3〜図9
は、本発明の毒性物質採取装置における採取部材を示
す。図10及び図11は、本発明の毒性物質採取装置に
おける収納容器を示す。
【0017】1は、本発明の毒性物質採取装置であっ
て、この毒性物質採取装置1は、本実施例では、気密車
輌Cの後部外壁C1に、マニュプレータ2と、このマニ
ュプレータ2の先端部に付け替え可能に設けた採取部材
3と、前記外壁C1における内外側を貫通した収納容器
4とを有しており、毒性物質採取装置1は、作業者Mが
気密車輌Cの外壁C1に設けた観察窓Wから目視しつつ
マニュプレータ2を操作して地表G又はその近傍まで採
取部材3を近付け、採取部材3によって採取物を採取し
て収納容器4に収納する。本発明の毒性物質採取装置1
は、構造の簡素化及び操作性の向上を図るように構成し
たことを特徴としており、以下に、その詳細構成を示
す。
【0018】マニュプレータ2は、図2に示すように、
外壁C1との連結部分を基端として上腕21、中腕2
2、及び先端となる下腕23でなる、例えば強化アルミ
ニウム製中空角筒の3重管構造とされ、下腕23を中腕
22に内嵌し、中腕22を上腕21に内嵌して互いに進
出又は退入して全体が伸縮する。
【0019】上腕21及び中腕22は、その内部にコイ
ルスプリング21a及び22aを内装している。上腕2
1内におけるコイルスプリング21aは、上腕21基端
側内面から中腕22の基端側外面に配され、自然長とな
るまで中腕22を先端方向に付勢する。中腕22内にお
けるコイルスプリング22aは、中腕22基端側内面か
ら下腕23の基端側外面に配され、自然長となるまで下
腕23を先端方向に付勢する。
【0020】さらに、上腕21、中腕22、下腕23内
において中空角筒の軸部には、各々基端から先端へ向け
て回動可能な軸21b,22b,23bが設けられてい
る。軸21bは、その基端部が上腕21の基端部に設け
た軸受21cで枢支され、その先端部が中腕22の基端
部に設けた軸受22cで枢支され、軸22bが内嵌され
た状態となっている。軸22bは、前記したように軸2
1bに内嵌され、軸23bを内嵌している。軸23b
は、前記したように軸22bに内嵌され、その先端部が
下腕23の先端部に設けた軸受23cで枢支されてい
る。
【0021】さらに、軸21bの内周面には溝21e
が、軸22bの内外周面には溝22eが、軸23bの外
周面には溝23eが、各々軸方向に形成され、これらの
溝21e,22e,23eによって周方向への滑動が禁
止され、後述するモータ26によって軸21b,22
b,23bは一体的に軸回転する。
【0022】また、上腕21の先端の内周4辺の各々の
辺上の中央部には当金21fが設けられ、これら当金2
1fが、中腕22の基端の外周4辺の各々の辺上の中央
部に各々設けられた当金22fとそれぞれ進出時に当接
する。そして、中腕22の先端の内周4辺の各々の辺上
の中央部には当金22gが設けられ、これら当金22g
が、下腕23の基端の外周4辺の各々の辺上の中央部に
設けた当金23fと進出時にそれぞれ当接する。
【0023】当金21fと当金22f、当金22gと当
金23fとは、上腕21、中碗22、下腕23の進出又
は退入時にがたが生じないようにすると共に進出時に中
腕22が上腕21から抜け落ちないように、及び下腕2
3が中腕22から抜け落ちないように防止するストッパ
ーの機能も果たしている。なお、上腕21の軸21b内
には、該上腕21の基端部から中腕22の軸22bの基
端部に亘ってコイルスプリング21dを設けており、こ
のコイルスプリング21dにより軸21bから軸22b
が抜け落ちることを防止している。
【0024】また、これら軸21b,22b,23bの
中心部には、上腕21、中腕22、下腕23の進出又は
退入を操作するための、例えばステンレス製のワイヤー
ロープ24が挿通されており、ワイヤーロープ24の一
端は、軸23bの先端部に取り付けられ、その基端は、
後述する電動リール27に取り付けられている。
【0025】上腕21の基端部は、図1(b)に示すよ
うに、球面軸25が設けられており、この球面軸25
は、気密車輌Cにおける外壁C1上部に張り出して形成
された球面座C2にて枢支され、3次元方向の揺動が自
在とされている。また、球面軸25は、その内部に、前
記軸21bを回動させるためのモータ26、及び軸23
bに設けたワイヤーロープ24を巻き取り又は送り出す
電動リール27を設けている。
【0026】そして、球面軸25において、外壁C1の
内側、すなわち気密車輌C内に面した箇所には、該球面
軸25を操作するための操作レバー28を設けており、
この操作レバー28には、前記モータ26及び電動リー
ル27の操作ボタンが配されている。さらに、操作レバ
ー28には、ワイヤー29aの一端が設けられており、
このワイヤー29aは、気密車輌Cの内部天井に設けた
滑車29b,29bを介してその他端にカウンターウェ
イト29cを設けている。このカウンターウェイト29
cによって、該マニュプレータ2全体の重さとのバラン
スが取られ、操作レバー28によるマニュプレータ2の
3次元方向の揺動の調整に大きな力を要しない。
【0027】なお、操作レバー28と球面軸25との連
結部位は、球面座C2における気密車輌Cの内側に面し
た箇所全体を覆い、その中央部から操作レバー28を突
出させた状態で設けた、例えば弾性ゴムでなる可撓性の
カバーC3で覆われており、このカバーC3は、気密車
輌C内の気密性を保持し、また、操作レバー28の操作
を妨げることはない。
【0028】上記した下腕23の軸23bの先端には、
図3乃至図9に示すような各種の採取部材3が付け替え
可能に取り付けられる。図3に示す採取部材31は、草
木を採取するのに適し、フォーク31aを有している。
採取部材31は、軸23bの先端部に形成された嵌合部
23hにピンPで取り付けられ、主としてマニュプレー
タ2の角度を垂直方向に調整して草木を掻き取り、ま
た、軸23bを回転させてフォーク21aの先端に草を
絡ませるようにして採取する。
【0029】図4に示す採取部材32は、地表Gの軟
土、砂、礫などを採取するのに適し、深底のスプーン3
2aを有している。この採取部材32は、嵌合部23h
にピンPで取り付けられ、主としてマニュプレータ2の
角度を垂直方向に調整して土などを掬い取り、また、軸
23bを僅かに回転させて抉り取る。
【0030】図5に示す採取部材33は、地表G内の土
を採取するのに適し、螺旋羽根を設けたオーガー33a
を有している。採取部材33は、オーガー33aの基端
部を軸23bの外周に嵌合させ、嵌合部23hにピンP
で取り付けられる。さらに、下腕23の先端には、オー
ガー33aが突出する程度の径で開口を有した有底状の
外筒33bが嵌合され、ピンPで結合されている。この
採取部材33は、地表Gにオーガー33aを押し当て、
軸23bを回転させると、オーガー33aの回転に伴い
土などが外筒33b内に運ばれる。
【0031】図6に示す採取部材34は、クリップ34
aを有したものであり、嵌合部23hにピンPで取り付
けられる。この採取部材34は、予めクリップ34a
に、保水性に富む綿状片を挟み、マニュプレータ2を操
作して液状の採取物に漬けたり、粘性の採取物に擦り付
けたり、軸23bを回転させて採取物に擦り付けたりし
て採取する。
【0032】図7に示す採取部材35は、採取物を挟み
取る場合に適しており、軸23bの嵌合部23hにピニ
オン35aを外嵌して設け、下腕23の先端にラック3
5bを有した外筒35cを外嵌して設けたものである。
外筒35cは、その直径より長いガイド35dを設けて
おり、このガイド35dによってラック35bが案内さ
れる。ラック35bの端部には、移動爪35eが設けら
れている。また、軸23b直下におけるガイド35dの
内側には、固定爪35fを設けている。この採取部材3
5は、軸23bによってピニオン35aを回転させる
と、ガイド35dに沿ってラック35bが移動し、この
ラック35bの移動で移動爪35eが固定爪35fに対
して接近して、採取物を挟む。
【0033】図8に示す採取部材36は、液体を採取す
るのに適しており、採取管36a、採取チューブ36
b,36c、及び常時膨張する方向に弾性力を呈した採
取ポンプ36dから構成されている。採取チューブ36
bは、例えば上述した図6に示した採取部材34のクリ
ップ34aに設け、採取管36aの下端開口に取り付け
られる。採取チューブ36cは、採取管36aの上端開
口と採取ポンプ36dとを繋ぐ。採取ポンプ36dは、
後述する収納容器4に配されて、ここから吸引動作を行
う。なお、採取チューブ36bは、断面形状が扁平に変
形しないように、硬質の例えばゴムを使用している。一
方、採取チューブ36cは、軟質の例えばゴムを使用し
ているので、マニュプレータ2の動きに追従させること
ができる。
【0034】図9に示す採取部材37は、気体を採取す
るのに適しており、常時膨張する方向に弾性力を呈した
採取袋37aと、この採取袋37aの開口端部に設けた
コック又は逆止弁37bと、採取チューブ37c,37
dで構成されている。この採取部材37は、採取チュー
ブ37cを、例えば図6に示した採取部材34のクリッ
プ34aに設け、採取袋37aを収納容器4内に配した
状態で、収納容器4内において採取袋37aを潰して内
部の空気を排出し、その後、コック37bを開状態とす
ると、採取袋37aが弾性力によって膨張し、この膨張
時に、採取チューブ37cから気体を吸引する。この
後、コック37bを閉状態とすれば、気体が採取袋37
aに採取される。
【0035】以上説明した採取部材31〜37のいずれ
かを付け替える、あるいは採取部材31〜37のいずれ
かを用いマニュプレータ2を操作して採取した毒性物質
を収納する収納容器4は、図10及び図11に示すよう
な構成となっている。収納容器4は、マニュプレータ2
の採取部材3が届く範囲に配され、例えば図1の気密車
輌Cを側面から視た状態ではマニュプレータ2に対して
紙面手前位置に配されている。
【0036】収納容器4は、外壁C1を貫通し、内側に
露出する部分に形成した開口4aに気密状態でグローブ
4bが設けられ、かつ外側に露出する部分にマニュプレ
ータ2の先端を挿入するための開口4cが形成されてい
る。開口4aに対して気密状態で設けられたグローブ4
bは、ゴム又は合成樹脂でなり、作業者が手を挿入する
開口部が収納容器4の開口4a周縁に密着して設けられ
ており、その形状は、左右の手に対応し、かつ5本の指
に対応したものとされ、また、収納容器4内の隅々まで
届く大きさとされている。
【0037】さらに、収納容器4の、内側に露出した部
分の上面とその正面部分は、透明な、例えばプラスチッ
ク製の窓4dが設けられ、該収納容器4内での作業を目
視できるようになっている。
【0038】また、収納容器4の内部には、試験管を収
納するための多数の孔4h、及びマニュプレータ2の採
取部材3を収納するための孔4iが形成された棚4jが
設けられている。
【0039】次に、上記構成の毒性物質採取装置1の動
作を説明する。作業者Mは気密車輌Cの内側に乗車して
観察窓Wを覗きながらマニュプレータ2を操作する。例
えば採取物が気密車輌Cの後方遠くで地表G上にある場
合は、マニュプレータ2が届く位置まで気密車輌Cを後
退させ、マニュプレータ2が届く範囲に近付いたとき
に、いま例えば短縮された状態にあるマニュプレータ2
の上腕21、中腕22、下腕23を互いに進出させ、全
体を伸長させる。
【0040】マニュプレータ2の伸長は、電動リール2
7に巻き取られた状態にあるワイヤーロープ24を送り
出すと、コイルスプリング21aによって上腕21から
中腕22を、コイルスプリング22aによって中腕22
から下腕23を進出させることで行われる。そして、操
作レバー28を操作してマニュプレータ2の3次元方向
の揺動角度を調整して採取物に採取部材3を近付ける。
【0041】そして、必要に応じてモータ26を駆動し
て軸21b、軸22b、軸23bを回転させて採取部材
3に駆動力を与える。採取物を採取部材3によって採取
した後、ワイヤーロープ24を電動リール27により巻
き取ると、下腕23が中腕22に、中腕22が上腕21
に各々嵌合して全体を短縮させ、マニュプレータ2を収
納容器4に近付ける。
【0042】収納容器4にマニュプレータ2を近付けた
後、採取物を収納容器4の開口4cに挿入する。このと
き、作業者Mは収納容器4のグローブ4bに手を挿入し
て該収納容器4の内部から採取部材3をマニュプレータ
2から外す。そして、作業者Mが、採取部材3から採取
した採取物を試験管などに移し、この試験管を棚4jの
孔4hに立てる。
【0043】また、採取物の性状に適応させるべく採取
部材3を、図3〜図9に示したものに付け替える場合に
は、収納容器4内の棚4jの孔4iに予め用意しておい
た採取部材31〜37を適宜収納容器4内で、グローブ
4dに手を挿入した作業者Mが付け替える。
【0044】上記したように、毒性物質採取装置1は、
従来の多関節のアームを駆動させる構成の作業装置に較
べ、上腕21、中腕22、下腕23を電動リール27及
びコイルスプリング21a,22aによって互いに進退
移動させることによって伸長又は短縮させるようにした
ので、マニュプレータ2の構造を大幅に簡素化でき、こ
れに伴ってモータやシリンダ等の部品点数の削減を図る
ことができた。
【0045】また、毒性物質採取装置1は、構造を簡素
化したので、保守点検も容易に行えると共に故障が少な
く、さらには操作レバー28によって直接的に作業者M
がマニュプレータ2の位置調整を行うようにしているの
で小回りが利き、操作性が向上する。
【0046】また、毒性物質採取装置1は、収納容器4
内においてグローブ4bを装着して窓4dから覗きなが
ら作業者M自身の手によって、採取した毒性物質を試験
管などへ移す操作、及びマニュプレータ2の採取部材3
の付け替え操作などを行うことができるので、気密車輌
Cの内側から作業者Mが外側に出ることなく操作を安全
にかつ直接感覚で容易に行うことができる。
【0047】なお、上記実施例の毒性物質採取装置1
は、請求項1の構成に請求項2及び3の構成を付加した
態様を示したが、例えば請求項1のみに対応する構成の
場合は、収納容器4を省略し、上腕21、中腕22、下
腕23の互いの進退駆動を他の例えば上腕21の内周
面、中腕22の内外周面、下腕23の外周面に螺を形成
して、上腕21を回動させることで互いに螺進退移動さ
せるといった構成にすればよい。
【0048】また、毒性物質採取装置1は、上記実施例
に限らず種々の変形が可能である。例えば、収納容器4
は、窓4dを透明プラスチック製としていたが、これに
代えて収納容器4全体を硬質ガラス製としてもよく、こ
うすれば、一層視認性が向上する。また、グローブ4b
の取付位置は収納容器4に対して、上記実施例にて説明
した位置でなくとも、内側の任意の位置に形成した開口
4aに気密状態で取り付ければよく、その数も2つに限
定されない。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の毒性物質採取装
置は、進出又は退入自在に多重管構成したマニュプレー
タと、このマニュプレータの基部を外壁面において3次
元方向に揺動自在に連結する球面軸受に取り付けたマニ
ュプレータの角度調整部材と、マニュプレータの進出退
入機構と、マニュプレータの先端部分に付け替え可能に
設けた採取部材とを備えたので、構成を大幅に簡素化す
ることができ、従来の多関節のものに較べて駆動させる
箇所が少なくなるので、これに伴って部品点数、特にモ
ータなどの使用を極力抑えることができ、従って保守点
検も容易となり、軽量化とコストダウンを図ることがで
きる。
【0050】また、上記構成において、採取部材が届く
範囲における外壁を貫通すべく設けた収納容器を備え、
この収納容器に、外壁の内側に露出する部分に形成した
開口に気密状態でグローブを設け、かつ外側に露出する
部分にマニュプレータ先端の採取部材を挿入するための
開閉自在な開口を形成したので、採取物の操作や、採取
部材の付け替えが安全にかつ、直接感覚で容易に行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の毒性物質採取装置を適用した気密車輌
を示し、(a)は側面図、(b)は気密車輌の後方にお
ける毒性物質採取装置部分の拡大図である。
【図2】本発明の毒性物質採取装置におけるマニュプレ
ータを示し、(a)は上腕、中腕、下腕が互いに突出し
た状態にある縦断面図、(b)は上腕、中腕、下腕が互
いに退入した状態にある縦断面図、(c)は(b)のA
−A線の拡大断面図である。
【図3】本発明の毒性物質採取装置におけるフォーク状
の採取部材を示す図である。
【図4】本発明の毒性物質採取装置におけるスプーン状
の採取部材を示す図である。
【図5】本発明の毒性物質採取装置におけるオーガー状
の採取部材を示す図である。
【図6】本発明の毒性物質採取装置におけるクリップ状
の採取部材を示す図である。
【図7】本発明の毒性物質採取装置における挟み取り用
の採取部材を示し、(a)は部分斜視図、(b)は
(a)のB−B線断面図、(c)は(b)のC−C線断
面図である。
【図8】本発明の毒性物質採取装置における液体吸入用
の採取部材を示す図である。
【図9】本発明の毒性物質採取装置における気体吸入用
の採取部材を示し、(a)は気体吸入後の全体の斜視
図、(b)は気体吸入前の採取袋周辺を示す図である。
【図10】本発明の毒性物質採取装置における収納容器
を示す平面図である。
【図11】本発明の毒性物質採取装置における収納容器
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 毒性物質採取装置 2 マニュプレータ 3 採取部材 4 収納容器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外壁面にマニュプレータを設け、このマ
    ニュプレータを取り付けた前記外壁面の内側からマニュ
    プレータを操作して毒性物質を採取する採取装置であっ
    て、進出又は退入自在に多重管構成したマニュプレータ
    と、このマニュプレータの基部を外壁面において3次元
    方向に揺動自在に連結する球面軸受に取り付けたマニュ
    プレータの角度調整部材と、前記マニュプレータの進出
    退入機構と、前記マニュプレータの先端部分に付け替え
    可能に設けた採取部材とを備えたことを特徴とする毒性
    物質採取装置。
  2. 【請求項2】 進出退入機構は、常時進出方向に付勢す
    るスプリングと、退入時に付勢力に抗してスプリングを
    収縮させるワイヤーロープと、このワイヤーロープを巻
    き取り又は送り出す電動リールとで構成したことを特徴
    とする請求項1記載の毒性物質採取装置。
  3. 【請求項3】 採取部材が届く範囲における外壁に、こ
    の外壁を貫通すべく収納容器を設け、この収納容器に
    は、外壁の内側に露出する部分に形成した開口に気密状
    態でグローブを設け、かつ外側に露出する部分に前記マ
    ニュプレータ先端の採取部材を挿入するための開口を形
    成したことを特徴とする請求項1又は2記載の毒性物質
    採取装置。
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