JPH11275429A - 波長選択型カメラ装置 - Google Patents

波長選択型カメラ装置

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JPH11275429A
JPH11275429A JP10079813A JP7981398A JPH11275429A JP H11275429 A JPH11275429 A JP H11275429A JP 10079813 A JP10079813 A JP 10079813A JP 7981398 A JP7981398 A JP 7981398A JP H11275429 A JPH11275429 A JP H11275429A
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optical
light
camera device
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Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
Nobuo Saito
信雄 齋藤
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Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出が困難であった水面上の油膜や有機膜な
どを高いコントラストで画像として、検出する。 【解決手段】 波長選択光学系3によって、油膜が浮か
んだ海面などを撮影して、短波長域の映像信号と、長波
長域の映像信号とを生成しながら、短波長側映像処理部
4によって短波長域の映像信号を画像処理して、デジタ
ル化した短波長域の映像信号を生成するとともに、長波
長側映像処理部5によって長波長域の映像信号を画像処
理して、デジタル化した長波長域の映像信号を生成した
後、差映像抽出部6によって短波長域の映像信号と、長
波長域の映像信号との差を抽出して、水面に浮かんだ油
膜の映像や有機膜の映像などのコントラストを高くした
映像信号を生成し、これを次段装置に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的バンドパス
フィルタと、撮像素子とを組み合わせて、特定の波長の
被写体画像を抽出する波長選択型カメラ装置に係わり、
特に海面上に浮いている油膜などの画像を抽出して映像
化する波長選択型カメラ装置に関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、光学的バンドパ
スフィルタと、撮像素子とを組み合わせて、特定の画像
を抽出する波長選択型カメラ装置に関するもので、光電
変換機能を有する複数の撮像素子と、これらの撮像素子
に同じ光学画像を分配するレンズを含む光学系と、各撮
像素子とレンズの間に設けられた互いに異なる透過波長
帯域を持つ複数の光学的バンドパスフィルタと、波長の
異なる複数の画像について、同じ空間座標もしくはレジ
ストレーション調整後の誤差範囲内の近さの空間座標を
もつ画素毎に、信号レベル差を計算し、かつ、その絶対
値に比例した値を出力する画像演算部とによって波長選
択型カメラ装置を構成することにより、従来、検出する
ことが困難であった海面や水面などに浮かんだ油膜や有
機膜などの薄膜を高コントラストの画像として映像化す
るものである。
【0003】
【従来の技術】波長選択型のカメラ装置の1つとして、
従来、図22に示すフルカラーカメラ装置が知られてい
る。
【0004】この図に示すフルカラーカメラ装置200
では、レンズ201と撮像素子202、203、204
との間に、ダイクロイックプリズム205を設けて、被
写体側からの白色光206を3原色光R、G、Bに分解
している。この場合、撮像素子202、203、204
としては、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Me
tal Oxide Semiconductor)、CPD(Charge Priming De
vice)、SIT(StaticInduction Transistor)、CMD
(Charge Modulation Device)、AMI(Amplified Mos I
ntelligent Imager)など、従来から良く用いられている
個体撮像素子が用いられる。その他、プランビコン、サ
チコン、ビジコン、カルニコン、ハーピコンなどの撮像
管なども使われる。
【0005】そして、各撮像素子202〜204によっ
て生成された各映像信号が各ヘッドアンプ回路207、
208、209に供給されて各々、増幅されるととも
に、各映像処理回路210、211、212によって各
種の補償処理が行われた後、エンコーダ回路213によ
って、合成されて、カラーテレビ信号に変換され、次段
装置に供給される。
【0006】なお、ここでは、フルカラーカメラ装置2
00では、入射光量を減衰するアイリスやND(Neutral
Density)フィルタ、赤外線を遮断するIR(Infrared)
フィルタ、駆動回路や画像処理回路にパルス信号を送る
パルス発生器、映像の輪郭を強調する輪郭補償回路、電
源などもが使用されるが、各要素部品については、この
フルカラーカメラ装置200の本質に関わらないため、
省略している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、淡水や海水
に浮かんだ油膜や有機膜などの膜は水に近い屈折率を持
つため、光吸収率が小さい場合、光(特に可視光以上の
長波長光)をほとんど吸収せず、目視では水やガラスな
どの透明物質と区別することが難しいという特性を持っ
ている。また、吸収率が大きくても膜厚が薄い場合で
も、殆どの光が薄膜を通過してしまい、目視では水やガ
ラスなどの透明物質と区別することが難しい。例えば、
水の吸収率(緑色光に対して約2.3×10-4cm-1
の3万倍以上の大きな吸収率を持つ原油(緑色光に対し
ての吸収率は約8cm-1:文献[1]V.M.ZOLO
TAREV,I.A.KITUSHINA,and S.
M.SUTOVSKIY,Optical Characteristics of
Oils in the 0.4-15μm Band,Oceanology Vol.17,No.
6,pp.736-739(1977).)でも、厚さが1μmの場合に
は、高々1%の光が吸収されるに過ぎない。
【0008】このため、従来から知られている一般的な
波長選択型カメラ装置では、海面の映像と、油膜などの
映像とを明確に区別することが難しく、淡水や海水に浮
かんだ油膜や有機膜など検出することが困難である。
【0009】同様に、図22に示すフルカラーカメラ装
置200でも、人間の視覚特性にできるだけ近い画像を
撮影することを目的としているため、前述した水面に浮
かんだ油膜や有機膜など、目視観察では容易に検出でき
ない被写体を撮影しても、これらを高コントラストな画
像として検出することができない。
【0010】また、このようなフルカラーカメラ装置2
00以外の波長選択型カメラ装置として、フルカラーカ
メラ装置のレンズの前後に、特定の波長領域の光を透過
させ、それ以外の領域の光を吸収させる色フィルタを設
置した波長選択型カメラ装置もある。
【0011】しかしながら、この波長選択型カメラ装置
は、フルカラーカメラ装置の波長選択領域を狭めただけ
であり、撮像の原理については、図22のフルカラーカ
メラ装置200と何ら変わらないことから、図22に示
すフルカラーカメラ装置200と同様に、水面に浮かん
だ油膜や有機膜などを高コントラストな画像にすること
が困難である。
【0012】以下、海面に浮かんだ油膜を例に取り、図
面を参照しながら、その理由を以下に詳細に述べる。
【0013】まず、海面に油膜が浮いている場合には、
図23に示すように、上層(一般に空気)215、中層
(液体の油膜あるいは有機膜)216、下層(淡水や海
水などの液体)217の3層構造と見なすことができる
ことから、上層215側から中層216に光218が入
射したとき、中層216を構成する薄膜の内部で何度も
反射を繰り返しながら、上層215側から光219が放
射されるとともに、下層217側から光220が放射さ
れる。これらの多数の光219(または、光220)は
互いに干渉するため、薄膜で反射された光219および
薄膜を透過した光220の強度は弱い波長依存性を持
つ。このことから、水面に浮かんだ油膜は、性能の悪い
一種の反射増加膜あるいは反射防止膜と見なすことがで
きる。
【0014】ここで、上層215、中層216、下層2
17の各屈折率をそれぞれn1、n2、n3とし、中層2
16の吸収率と厚さをそれぞれをa、Lとすると、中層
216からの反射光の強度Iは、次の(1)式で与えら
れる。
【0015】
【数1】 I=[(r1−r2-2ad2+4r12-2adsin2(ψ/2)]/ [(1−r12-2ad2+4r12-2adsin2(ψ/2)] …(1) ここで、ψは図23に示すように、隣接する反射光線
(光219)の間の位相差であり、入射する光218の
真空中における波長をλとすると、次の(2)式で表す
ことができる。
【0016】
【数2】ψ=(4πn2d)[1−(n1/n22]si
2φ10.5/λ …(2)ただし、この(2)式で
は、上層215から中層216に入射する光218の入
射角度をφ1とした。また、dは図23に示すように、
中層216を一度だけ、横切るときの光路長であり、次
の(3)式で表される。
【0017】
【数3】 d=L/[1−(1−n1/n22sin2φ10.5 …(3) さらに、r1は上層215と中層216との界面におけ
る振幅反射率、r2は中層216と下層217との界面
における振幅反射率であり、入射する光218がP波光
であるとき、次の(4)式で与えられる。
【0018】
【数4】 r1=tan(φ1−φ2)/tan(φ1+φ2) r2=tan(φ3−φ2)/tan(φ3+φ2) …(4) ここで、φ2、φ3は以下の(5)式で表される。
【0019】
【数5】 φ2=sin-1[(n1/n2)sinφ1] φ3=sin-1[(n1/n3)sinφ1] …(5) また、入射する光218がS波光である場合、r1、r2
は以下の(6)式で与えられる。
【0020】
【数6】 r1=−sin(φ1−φ2)/sin(φ1+φ2) r2=−sin(φ3−φ2)/sin(φ3+φ2) …(6) そして、(1)〜(6)式より、中層216からの反射
光(光219)と波長との関係を求めることができる。
例えば、上層215を空気(n1=1)、下層217を
海水(n3=1.33)、中層216である膜の屈折率
をn2=1.5、その吸収率をa=0cm-1とすると、
S波光の規格化された反射強度(以後、中層216の反
射率と呼ぶ)とスペクトルの関係は、図24(a)〜
(e)、図25(a)〜(e)で表される。ただし、図
24(a)〜(e)は中層216の厚さLがL=1μ
m、図25(a)〜(e)は中層216の厚さLがL=
10μmの場合であり、各層の屈折率分散を無視してい
る。ここで、波長依存性のない直線(波線)は、膜のな
い海面の反射率である。
【0021】これらの図から明らかなように、海面が空
間的、時間的に一定で、かつ膜に入射する光218の強
度が一定の場合には、膜からの反射光強度および膜がな
い海面からの反射光強度の差を測定することにより、原
理的には、両者を区別する事が可能である。
【0022】しかしながら、実際には、時間的にも、空
間的にも、海面の高さ形状などが大きく変化し、さらに
天候状態や撮影方向により、膜に入射する光218の強
度も大きく変動するため、入射角度φ1が小さく、膜か
らの反射光強度および膜がない海面からの反射光強度の
差が非常に小さい場合のみならず、入射角度φ1が大き
い場合でも、膜の反射率と海面の反射率との差を検出す
るだけでは、膜の存在位置を定めることはきわめて困難
である。
【0023】さらに、実際の測定では、反射率を直接、
測定することができず、反射光強度を測定し、この測定
結果に基づき、反射率を計算しなければならないことか
ら、前述のようなさまざまな要因によって、反射光強度
が変化しているとき、人間が判定に介在しない限り、海
面上に油膜などが浮いていても、これを認識することが
できない。したがって、従来の油膜検出方法では、測定
の自動化を図ることは事実上不可能であるのみならず、
油膜と潮目を間違えるなど、信頼性にも問題があること
が指摘されている。
【0024】また、上述した説明では、膜の吸収が無視
できることを条件にして計算を行なって、図24(a)
〜(e)、図25(a)〜(e)に示すように、S波光
の反射率を求めているが、吸収を考慮した場合、例えば
膜の吸収率aをa=8cm-1とした場合にも、図26
(a)〜(e)、図27(a)〜(e)に示すように、
中層216の反射率が波長依存性を持つ。ただし、図2
6は中層216の厚さLがL=1μm、図27は中層2
16の厚さLがL=10μmの場合であり、各層の屈折
率分散を無視している。ここで、波長依存性のない直線
(波線)は、膜のない海面の反射率である。
【0025】これらの図から明らかなように、膜の吸収
率が大きい場合でも、膜の反射率の依存性がやや小さく
なるだけで、図24(a)〜(e)、図25(a)〜
(e)と本質的な差は違わないことから、従来の波長選
択型カメラ装置のように、光学的バンドパスフィルタを
用いて波長領域を狭め、撮像素子で単純に光電変換して
画像化するだけでは、海面上に浮いている油膜などのよ
うに、元来、目視観察が困難もしくは不可能な非常にコ
ントラストの低い画像をコントラストの高い見やすい画
像に変換することはできない。
【0026】このため、海面に浮かんだ油膜や有機膜を
正確にかつ迅速に検出しなければならない場合、例えば
遭難した航空機や船舶の探索あるいは、タンカーからの
原油流出状況の的確な把握などを行なうときなどでも、
油膜などを映像化することがでず、このような映像を得
ることができる波長選択型カメラ装置の開発が強く望ま
れていた。
【0027】本発明は上記の事情に鑑み、請求項1〜8
では、海面からの反射光が強い場合でも、海面上などに
浮いている油膜や有機膜などを高いコントラストで映像
化することができ、これによって遭難現場などを確実に
見つけ出すことができる波長選択型カメラ装置を提供す
ることを目的としている。
【0028】また、請求項9〜16では、海面からの反
射光が強い場合でも、また海面がどのような状態であっ
ても、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高い
コントラストで映像化することができ、これによって遭
難現場などを確実に見つけ出すことができる波長選択型
カメラ装置を提供することを目的としている。
【0029】また、請求項17、18では、ヘリコプタ
や航空機などで、探索範囲の上空を高速で飛行しなが
ら、海面からの反射光が強い場合でも、また海面がどの
ような状態であっても、海面上などに浮いている油膜や
有機膜などを高いコントラストで映像化することがで
き、これによって遭難現場などを迅速に、かつ確実に見
つけ出すことができる波長選択型カメラ装置を提供する
ことを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、請求項1では、撮影動作によって得られ
た光像を各波長域毎の光像にして、特定の波長の被写体
画像を抽出する波長選択型カメラ装置において、撮影動
作によって得られた光像を透過/反射して、2つの光像
を生成する光学系と、互いに異なる透過波長領域を持
ち、前記光学系によって生成された各光像から各波長域
の光像を抽出する2つの光学的バンドパスフィルタと、
各光学的バンドパスフィルタによって抽出された各波長
域毎の光像を光電変換して各波長域の映像信号を生成す
る2つの撮像素子と、各撮像素子から出力される各波長
域の各映像信号を構成する各画素について、同じ空間座
標またはレジストレーション調整後の誤差範囲内の近さ
の空間座標を持つ各画素毎に信号レベル差を計算し、こ
の差の絶対値に基づき、映像信号を生成する画像演算部
とを備えたことを特徴としている。
【0031】また、請求項2では、請求項1に記載の波
長選択型カメラ装置において、前記画像演算部は、各撮
像素子から出力される各映像信号を取り込んで、各映像
信号を構成する各画素について、同じ空間座標もしくは
レジストレーション調整後の誤差範囲内の近さの空間座
標を持つ2つの画素を選択し、これらのレベル差を計算
する差分回路と、この差分回路から出力されるレベル差
の絶対値を計算する絶対値回路とを有することを特徴と
している。
【0032】また、請求項3では、請求項1、2のいず
れかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記各撮
像素子は、CCD、MOS、CPD、SIT、AMIな
ど、シリコンを用いた固体撮像素子またはGaAs、I
nGaAsなど赤外線領域で高い感度を示す材料を用い
た固体撮像素子、または非晶質セレンなど、紫外線や短
波長可視光で高い感度を示す材料を用いた固体撮像素
子、あるいはプランビコン、サチコン、ビジコン、カル
ニコン、ハーピコンなどの撮像管などのいずれかによっ
て構成されることを特徴としている。
【0033】また、請求項4では、請求項1、2、3の
いずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記
光学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/反射
させて複数の光像を生成する光分岐素子を有することを
特徴としている。
【0034】また、請求項5では、請求項1乃至4のい
ずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記光
学系は、光学的ローパスフィルタ機能を持つ分岐素子を
持ち、この光学的ローパスフィルタ機能によって選択さ
れた波長領域から、さらに選択波長領域を狭めるよう
に、前記各光学的バンドパスフィルタの中心波長を決め
ることを特徴としている。
【0035】また、請求項6では、請求項1乃至4のい
ずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記光
学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/反射さ
せて複数の光像を生成する光分岐素子を持ち、この光分
岐素子が光学的バンドパスフィルタ機能を持つことを特
徴としている。
【0036】また、請求項7では、請求項1乃至6のい
ずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記各
光学的バンドパスフィルタは、中心波長が短くなるほ
ど、各光学的バンドパスフィルタの中心波長の差の絶対
値が小さくなることを特徴としている。
【0037】また、請求項8では、請求項1乃至7のい
ずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記画
像演算部によって生成された映像信号を判定回路に導
き、この判定回路によって予め設定されているしきい値
と前記映像信号のレベルとを比較させて、特定の波長の
被写体画像の有無を判定させることを特徴としている。
【0038】また、請求項9では、撮影動作によって得
られた光像を各波長域毎の光像にして、特定の波長の被
写体画像を抽出する波長選択型カメラ装置において、撮
影動作によって得られた光像を透過/反射して、3つ以
上の光像を生成する光学系と、互いに異なる透過波長領
域を持ち、前記光学系によって生成された各光像から各
波長域の光像を抽出する3つ以上の光学的バンドパスフ
ィルタと、各光学的バンドパスフィルタによって抽出さ
れた各波長域毎の光像を光電変換して各波長域の映像信
号を生成する3つ以上の撮像素子と、各撮像素子から出
力される各波長域の各映像信号を構成する各画素につい
て、同じ空間座標またはレジストレーション調整後の誤
差範囲内の近さの空間座標を持つ各画素毎に信号レベル
差を計算し、この差の絶対値に基づき、映像信号を生成
する画像演算部とを備えたことを特徴としている。
【0039】また、請求項10では、請求項9に記載の
波長選択型カメラ装置において、前記画像演算部は、各
撮像素子から出力される各映像信号を取り込んで、各映
像信号を構成する各画素について、同じ空間座標もしく
はレジストレーション調整後の誤差範囲内の近さの空間
座標を持つ2つの画素を選択し、これらのレベル差を計
算する2つ以上の差分回路と、各差分回路から出力され
るレベル差の絶対値を計算する絶対値回路とを有するこ
とを特徴としている。
【0040】また、請求項11では、請求項9、10の
いずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前記
各撮像素子は、CCD、MOS、CPD、SIT、AM
Iなど、シリコンを用いた固体撮像素子またはGaA
s、InGaAsなど赤外線領域で高い感度を示す材料
を用いた固体撮像素子、または非晶質セレンなど、紫外
線や短波長可視光で高い感度を示す材料を用いた固体撮
像素子、あるいはプランビコン、サチコン、ビジコン、
カルニコン、ハーピコンなどの撮像管などのいずれかに
よって構成されることを特徴としている。
【0041】また、請求項12では、請求項9、10、
11のいずれかに記載の波長選択型カメラ装置におい
て、前記光学系は、撮影動作によって得られた光像を透
過/反射させて3つ以上の光像を生成する光分岐素子を
有することを特徴としている。
【0042】また、請求項13では、請求項9乃至12
のいずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前
記光学系は、光学的ローパスフィルタ機能を持つ分岐素
子を持ち、この光学的ローパスフィルタ機能によって選
択された波長領域から、さらに選択波長領域を狭めるよ
うに、前記各光学的バンドパスフィルタの中心波長を決
めることを特徴としている。
【0043】また、請求項14では、請求項9乃至12
のいずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前
記光学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/反
射させて3つ以上の光像を生成する光分岐素子を持ち、
この光分岐素子が光学的バンドパスフィルタ機能を持つ
ことを特徴としている。
【0044】また、請求項15では、請求項9乃至14
のいずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前
記各光学的バンドパスフィルタは、中心波長が短くなる
ほど、隣接した2つの光学的バンドパスフィルタの中心
波長の差の絶対値が小さくなることを特徴としている。
【0045】また、請求項16では、請求項9乃至15
のいずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、前
記画像演算部によって生成された映像信号を判定回路に
導き、この判定回路によって予め設定されているしきい
値と前記映像信号のレベルとを比較させて、特定の波長
の被写体画像の有無を判定させることを特徴としてい
る。
【0046】また、請求項17では、請求項1乃至16
のいずれかに記載の波長選択型カメラ装置において、波
長選択型カメラ装置の前に、光シャッタを配置し、この
光シャッタを動作させて、前記波長選択型カメラ装置に
間欠的に光像を供給することを特徴としている。
【0047】また、請求項18では、請求項17に記載
の波長選択型カメラ装置において、前記光シャッタは、
ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶、LiNbO3、LiTaO3、KDP、DKDP、P
ZT、GaAsなどの電気光学材料のいずれか、または
これらの組み合わせによって構成されることを特徴とし
ている。
【0048】上記の構成において、請求項1では、光学
系によって、撮影動作で得られた光像を透過/反射し
て、2つの光像を生成する。互いに異なる透過波長領域
を持つ2つの光学的バンドパスフィルタは、前記光学系
で生成された各光像から各波長域の光像を抽出する。2
つの撮像素子は、前記各光学的バンドパスフィルタで抽
出された各波長域毎の光像を光電変換して各波長域の映
像信号を生成する。そして、画像演算部は、各撮像素子
から出力される各波長域の各映像信号を構成する各画素
について、同じ空間座標またはレジストレーション調整
後の誤差範囲内の近さの空間座標を持つ各画素毎に信号
レベル差を計算し、この差の絶対値に基づき、映像信号
を生成する。これにより、海面からの反射光が強い場合
でも、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高い
コントラストで映像化し、遭難現場などを確実に見つけ
出す。
【0049】また、請求項2では、画像演算部として、
各撮像素子から出力される各映像信号を取り込んで、各
映像信号を構成する各画素について、同じ空間座標もし
くはレジストレーション調整後の誤差範囲内の近さの空
間座標を持つ2つの画素を選択し、これらのレベル差を
計算する差分回路と、この差分回路から出力されるレベ
ル差の絶対値を計算する絶対値回路とを有する画像演算
部を使用することにより、海面からの反射光が強い場合
でも、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高い
コントラストで映像化し、遭難現場などを確実に見つけ
出す。
【0050】また、請求項3では、各撮像素子として、
CCD、MOS、CPD、SIT、AMIなど、シリコ
ンを用いた固体撮像素子またはGaAs、InGaAs
など赤外線領域で高い感度を示す材料を用いた固体撮像
素子、または非晶質セレンなど、紫外線や短波長可視光
で高い感度を示す材料を用いた固体撮像素子、あるいは
プランビコン、サチコン、ビジコン、カルニコン、ハー
ピコンなどの撮像管などのいずれかを使用することによ
り、海面からの反射光が強い場合でも、海面上などに浮
いている油膜や有機膜などを高いコントラストで映像化
し、遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0051】また、請求項4では、光学系として、撮影
動作によって得られた光像を透過/反射させて複数の光
像を生成する光分岐素子を有する前記光学系を使用する
ことにより、海面からの反射光が強い場合でも、海面上
などに浮いている油膜や有機膜などを高いコントラスト
で映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0052】また、請求項5では、光学系として、光学
的ローパスフィルタ機能を持つ分岐素子を持つ光学系を
使用し、この光学系の光学的ローパスフィルタ機能によ
って選択された波長領域から、さらに選択波長領域を狭
めるように、前記各光学的バンドパスフィルタの中心波
長を決めることにより、海面からの反射光が強い場合で
も、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高いコ
ントラストで映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出
す。
【0053】また、請求項6では、前記光学系として、
撮影動作によって得られた光像を透過/反射させて複数
の光像を生成する光分岐素子を持つ光学系を使用し、こ
の光学系の光分岐素子に光学的バンドパスフィルタ機能
を持たせることにより、海面からの反射光が強い場合で
も、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高いコ
ントラストで映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出
す。
【0054】また、請求項7では、各光学的バンドパス
フィルタとして、中心波長が短くなるほど、各光学的バ
ンドパスフィルタの中心波長の差の絶対値が小さくなる
光学的バンドパスフィルタを使用することにより、海面
からの反射光が強い場合でも、海面上などに浮いている
油膜や有機膜などを高いコントラストで映像化し、遭難
現場などを確実に見つけ出す。
【0055】また、請求項8では、画像演算部によって
生成された映像信号を判定回路に導き、この判定回路に
よって予め設定されているしきい値と前記映像信号のレ
ベルとを比較させて、特定の波長の被写体画像の有無を
判定させることにより、海面からの反射光が強い場合で
も、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高いコ
ントラストで映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出
す。
【0056】また、請求項9では、光学系によって、撮
影動作で得られた光像を透過/反射して、3つ以上の光
像を生成しながら、互いに異なる透過波長領域を持つ3
つ以上の光学的バンドパスフィルタによって、前記光学
系で生成された各光像から各波長域の光像を抽出する。
3つ以上の撮像素子は、各光学的バンドパスフィルタで
抽出された各波長域毎の光像を光電変換して各波長域の
映像信号を生成する。そして、画像演算部は、各撮像素
子から出力される各波長域の各映像信号を構成する各画
素について、同じ空間座標またはレジストレーション調
整後の誤差範囲内の近さの空間座標を持つ各画素毎に信
号レベル差を計算し、この差の絶対値に基づき、映像信
号を生成する。これにより、海面からの反射光が強い場
合でも、また海面がどのような状態であっても、海面上
などに浮いている油膜や有機膜などを高いコントラスト
で映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0057】また、請求項10では、画像演算部とし
て、各撮像素子から出力される各映像信号を取り込ん
で、各映像信号を構成する各画素について、同じ空間座
標もしくはレジストレーション調整後の誤差範囲内の近
さの空間座標を持つ2つの画素を選択し、これらのレベ
ル差を計算する2つ以上の差分回路と、各差分回路から
出力されるレベル差の絶対値を計算する絶対値回路とを
有する画像演算部を使用することにより、海面からの反
射光が強い場合でも、また海面がどのような状態であっ
ても、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高い
コントラストで映像化し、遭難現場などを確実に見つけ
出す。
【0058】また、請求項11では、各撮像素子とし
て、CCD、MOS、CPD、SIT、AMIなど、シ
リコンを用いた固体撮像素子またはGaAs、InGa
Asなど赤外線領域で高い感度を示す材料を用いた固体
撮像素子、または非晶質セレンなど、紫外線や短波長可
視光で高い感度を示す材料を用いた固体撮像素子、ある
いはプランビコン、サチコン、ビジコン、カルニコン、
ハーピコンなどの撮像管などのいずれかを使用すること
により、海面からの反射光が強い場合でも、また海面が
どのような状態であっても、海面上などに浮いている油
膜や有機膜などを高いコントラストで映像化し、遭難現
場などを確実に見つけ出す。
【0059】また、請求項12では、光学系として、撮
影動作によって得られた光像を透過/反射させて3つ以
上の光像を生成する光分岐素子を有する光学系を使用す
ることにより、海面からの反射光が強い場合でも、また
海面がどのような状態であっても、海面上などに浮いて
いる油膜や有機膜などを高いコントラストで映像化し、
遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0060】また、請求項13では、光学系として、光
学的ローパスフィルタ機能を持つ分岐素子を持つ光学系
を使用し、この光学系の光学的ローパスフィルタ機能に
よって選択された波長領域から、さらに選択波長領域を
狭めるように、前記各光学的バンドパスフィルタの中心
波長を決めることにより、海面からの反射光が強い場合
でも、また海面がどのような状態であっても、海面上な
どに浮いている油膜や有機膜などを高いコントラストで
映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0061】また、請求項14では、光学系として、撮
影動作によって得られた光像を透過/反射させて3つ以
上の光像を生成する光分岐素子を持つ光学系を使用し、
この光学系の光分岐素子に光学的バンドパスフィルタ機
能を持たせることにより、海面からの反射光が強い場合
でも、また海面がどのような状態であっても、海面上な
どに浮いている油膜や有機膜などを高いコントラストで
映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0062】また、請求項15では、各光学的バンドパ
スフィルタとして、中心波長が短くなるほど、隣接した
2つの光学的バンドパスフィルタの中心波長の差の絶対
値が小さくなる光学的バンドパスフィルタを使用するこ
とにより、海面からの反射光が強い場合でも、また海面
がどのような状態であっても、海面上などに浮いている
油膜や有機膜などを高いコントラストで映像化し、遭難
現場などを確実に見つけ出す。
【0063】また、請求項16では、画像演算部によっ
て生成された映像信号を判定回路に導き、この判定回路
によって予め設定されているしきい値と前記映像信号の
レベルとを比較させて、特定の波長の被写体画像の有無
を判定させることにより、海面からの反射光が強い場合
でも、また海面がどのような状態であっても、海面上な
どに浮いている油膜や有機膜などを高いコントラストで
映像化し、遭難現場などを確実に見つけ出す。
【0064】また、請求項17では、波長選択型カメラ
装置の前に、光シャッタを配置し、この光シャッタを動
作させて、前記波長選択型カメラ装置に間欠的に光像を
供給することにより、ヘリコプタや航空機などで、探索
範囲の上空を高速で飛行しながら、海面からの反射光が
強い場合でも、また海面がどのような状態であっても、
海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高いコント
ラストで映像化し、遭難現場などを迅速に、かつ確実に
見つけ出す。
【0065】また、請求項18では、光シャッタとし
て、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチッ
ク液晶、LiNbO3、LiTaO3、KDP、DKD
P、PZT、GaAsなどの電気光学材料のいずれか、
またはこれらの組み合わせによって構成される光シャッ
タを使用することにより、ヘリコプタや航空機などで、
探索範囲の上空を高速で飛行しながら、海面からの反射
光が強い場合でも、また海面がどのような状態であって
も、海面上などに浮いている油膜や有機膜などを高いコ
ントラストで映像化し、遭難現場などを迅速に、かつ確
実に見つけ出す。
【0066】
【発明の実施の形態】《第1の実施の形態の説明》 <第1の実施の形態の基本説明>図1は本発明による波
長選択型カメラ装置の実施の形態のうち、請求項1、
2、3、4、7、8に対応する波長選択型カメラ装置の
一例を示すブロック図である。なお、この図において
は、説明を簡単にするために、本発明の説明に係わらな
い部分、例えば入射光量を減衰させるアイリスやNDフ
ィルタなど、カメラ装置を構成するのに必要な部品、駆
動回路、映像処理回路などにパルス信号を送るパルス発
生回路、映像の輪郭を強調する輪郭補償回路、電源回路
などを省略してある。
【0067】この図に示す波長選択型カメラ装置1は、
被写体からの光像2を取り込んで、これを波長毎に光電
変換して、短波長域の映像信号と長波長域の映像信号と
を生成する波長選択光学系3と、この波長選択光学系3
から出力される短波長域の映像信号を画像処理して、デ
ジタル化した短波長域の映像信号を生成する短波長側映
像処理部4と、前記波長選択光学系3から出力される長
波長域の映像信号を画像処理してデジタル化した長波長
域の映像信号を生成する長波長側映像処理部5と、この
長波長側映像処理部5から出力される長波長域の映像信
号と短波長側映像処理部4から出力される短波長域の映
像信号との差に基づき、海面や水面などに浮かんだ油膜
の映像や有機膜の映像などのコントラストを高くした映
像信号を生成する差映像抽出部6とを備えており、波長
選択光学系3によって、油膜が浮かんだ海面などを撮影
して、短波長域の映像信号と、長波長域の映像信号とを
生成しながら、短波長側映像処理部4によって短波長域
の映像信号を画像処理して、デジタル化した短波長域の
映像信号を生成するとともに、長波長側映像処理部5に
よって長波長側の映像信号を画像処理して、デジタル化
した長波長域の映像信号を生成した後、差映像抽出部6
によって短波長域の映像信号と、長波長域の映像信号と
の差を抽出して、水面などに浮かんだ油膜の映像や有機
膜の映像などのコントラストを高くした映像信号を生成
し、これを次段装置(図示は省略する)に供給する。
【0068】波長選択光学系3は、被写体からの光像
(白色の光像)2を取り込んで、所定距離だけ後方に結
像させるレンズ7と、図2に示すように、入射面8に入
射されたレンズ7からの光像2の半分を反射透過面9で
2等分し、この等分処理で得られた一方の光像(反射透
過面9を透過した光像)2aを直進させて第2出射面1
1から出射させるとともに、反射透過面9で45度の角
度で反射された他方の光像(光像2aと左右が反転して
いない光像)2bを全反射面12で全反射させて第1出
射面10から出射させるビームスプリッタ13と、波長
λ1を中心波長とするバンドパスフィルタリング特性
で、ビームスプリッタ13の第1出射面10から出射さ
れる光像をバンドパスフィルタリングする光学的バンド
パスフィルタ14と、CCD、MOS、CPD、SI
T、AMIなど、シリコンを用いた固体撮像素子または
GaAs、InGaAsなど赤外線領域で高い感度を示
す材料を用いた固体撮像素子、または非晶質セレンな
ど、紫外線や短波長可視光で高い感度を示す材料を用い
た固体撮像素子、あるいはプランビコン、サチコン、ビ
ジコン、カルニコン、ハーピコンなどの撮像管のいずれ
かによって構成され、レンズ7との間の光路長が所定距
離となる位置に配置されて、光学的バンドパスフィルタ
14から出射される光像を光電変換し、映像信号を生成
する撮像素子15とを備えている。
【0069】さらに、波長選択光学系3は、波長λ2
中心波長とするバンドパスフィルタリング特性で、ビー
ムスプリッタ13の第2出射面11から出射される光像
をバンドパスフィルタリングする光学的バンドパスフィ
ルタ16と、CCD、MOS、CPD、SIT、AMI
など、シリコンを用いた固体撮像素子またはGaAs、
InGaAsなど赤外線領域で高い感度を示す材料を用
いた固体撮像素子、または非晶質セレンなど、紫外線や
短波長可視光で高い感度を示す材料を用いた固体撮像素
子、あるいはプランビコン、サチコン、ビジコン、カル
ニコン、ハーピコンなどの撮像管のいずれかによって構
成され、レンズ7との間の光路長が所定距離(レンズ7
と撮像素子15との距離と同じ距離)となる位置に配置
されて、光学的バンドパスフィルタ16から出射される
光像を光電変換し、映像信号を生成する撮像素子17と
を備えている。
【0070】この場合、被写体の上層側が空気(屈折率
1=1)、下層が表1(理科年表から引用した表)に
示すような屈折率分散を持つ淡水であれば、淡水からの
反射率の差が1%以下になるように、表2に示す如く各
光学的バンドパスフィルタ14、16の透過波長領域が
短波長域側にシフトするほど、光学的バンドパスフィル
タ14の中心波長λ1と、光学的バンドパスフィルタ1
6の中心波長λ2と差の絶対値|λ1−λ2|が小さくな
るように、光学的バンドパスフィルタ14の中心波長λ
1の値と、光学的バンドパスフィルタ16の中心波長λ2
の値とが決められる。なお、表2に示す値はあくまでも
目安であり、各光学的バンドパスフィルタ14、16の
中心波長λ1、λ2が各数値から多少、外れていても良
い。
【0071】
【表1】
【表2】
【0072】そして、ビームスプリッタ13によって、
被写体からの光像2を取り込んで、これを2等分し、一
方の光学的バンドパスフィルタ14によってビームスプ
リッタ13から出射される一方の光像2bをバンドパス
フィルタリングして、短波長域の光像(波長λ1を中心
とする波長範囲の光像)を抽出するとともに、一方の撮
像素子15によって光学的バンドパスフィルタ14から
出射される光像を光電変換し、これによって得られた映
像信号を短波長側映像処理部4に供給し、さらに他方の
光学的バンドパスフィルタ16によってビームスプリッ
タ13から出射される他方の光像2aをバンドパスフィ
ルタリングして、長波長域の光像(波長λ2を中心とす
る波長範囲の光像)を抽出するとともに、他方の撮像素
子17によって光学的バンドパスフィルタ16から出射
される光像を光電変換し、これによって得られた映像信
号を長波長側映像処理部5に供給する。
【0073】短波長側映像処理部4は、波長選択光学系
3から出力される短波長域の映像信号を一定の増幅率で
増幅するヘッドアンプ回路18と、このヘッドアンプ回
路18から出力される映像信号に対し、予め設定されて
いる画像処理、例えば各撮像素子感度のバラツキ補償、
各光学的バンドパスフィルタ14、16の透過領域補
償、各光学的バンドパスフィルタ14、16の透過率補
償などを行なう映像処理回路19と、この映像処理回路
19から出力される映像信号をA/D変換して、デジタ
ル化された映像信号を生成するA/D変換回路20とを
備えており、波長選択光学系3から出力される短波長域
の映像信号に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度のバ
ラツキ補償処理、各光学的バンドパスフィルタ14、1
6の透過領域補償処理、各光学的バンドパスフィルタ1
4、16の透過率補償処理などを行ない、これによって
得られた映像信号をデジタル化して、差映像抽出部6に
供給する。
【0074】また、長波長側映像処理部5は、波長選択
光学系3から出力される長波長域の映像信号を一定の増
幅率で増幅するヘッドアンプ回路21と、このヘッドア
ンプ回路21から出力される映像信号に対し、予め設定
されている画像処理、例えば各撮像素子感度のバラツキ
補償、各光学的バンドパスフィルタ14、16の透過領
域補償、各光学的バンドパスフィルタ14、16の透過
率補償などを行なう映像処理回路22と、この映像処理
回路22から出力される映像信号をA/D変換して、デ
ジタル化された映像信号を生成するA/D変換回路23
とを備えており、波長選択光学系3から出力される長波
長域の映像信号に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度
のバラツキ補償処理、各光学的バンドパスフィルタ1
4、16の透過領域補償処理、各光学的バンドパスフィ
ルタ14、16の透過率補償処理などを行ない、これに
よって得られた映像信号をデジタル化して、差映像抽出
部6に供給する。
【0075】この場合、短波長側映像処理部4を構成す
る映像処理回路19と、長波長側映像処理部5を構成す
る映像処理回路22とを調整する方法として、例えば白
紙など、反射率が一定した被写体を撮影した状態で、一
方のA/D変換回路20から出力される映像信号と、他
方のA/D変換回路23から出力される映像信号とが等
しくなるように、各映像処理回路19、22の補償定数
などが調整される。
【0076】差映像抽出部6は、短波長側映像処理部4
から出力されるデジタル化された映像信号と長波長側映
像処理部5から出力されるデジタル化された映像信号と
を取り込んで、各映像信号に含まれている各画素のう
ち、同じ空間座標の各画素またはレジストレーション調
整後の誤差範囲内の近さを持つ空間座標となる各画素同
士のレベル差を演算して各映像信号の差を示す映像信号
を生成する差分回路24と、この差分回路24から出力
される映像信号の絶対値を演算する絶対値回路25と、
この絶対値回路25から出力されるデジタル信号形式の
映像信号をアナログ信号形式の映像信号に変換するD/
A変換回路26と、このD/A変換回路26から出力さ
れる映像信号を増幅する増幅回路27とを備えており、
長波長側映像処理部5から出力される長波長域の映像信
号と、短波長側映像処理部4から出力される短波長域の
映像信号とを取り込んで、各画素単位でレベル差を演算
し、水面に浮かんだ油膜の映像や有機膜の映像などのコ
ントラストを高くした映像信号を生成し、これを次段装
置に供給する。
【0077】次に、図1に示すブロック図〜図3に示す
グラフを参照しながら、この実施の形態の動作について
説明する。
【0078】まず、波長選択型カメラ装置1によって、
油膜が浮かんだ海面などを撮影すると、波長選択型カメ
ラ装置1内に設けられている波長選択光学系3のビーム
スプリッタ13によって、被写体からの光像2が2等分
された後、一方の光学的バンドパスフィルタ14によっ
てビームスプリッタ13から出射される一方の光像2b
がバンドパスフィルタリングされて、短波長域の光像
(波長λ1を中心とする波長範囲の光像)が抽出される
とともに、一方の撮像素子15によって光学的バンドパ
スフィルタ14から出射される光像が光電変換され、こ
れによって得られた映像信号が短波長側映像処理部4に
供給される。
【0079】そして、この短波長側映像処理部4によっ
て、波長選択光学系3から出力される短波長域の映像信
号に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度のバラツキ補
償処理、各光学的バンドパスフィルタ14、16の透過
領域補償処理、各光学的バンドパスフィルタ14、16
の透過率補償処理などが行なわれ、これによって得られ
た映像信号がデジタル化されて、差映像抽出部6に供給
される。
【0080】また、この動作と並行し、他方の光学的バ
ンドパスフィルタ16によって、ビームスプリッタ13
から出射される他方の光像2aがバンドパスフィルタリ
ングされて、長波長域の光像(波長λ2を中心とする波
長範囲の光像)が抽出されるとともに、一方の撮像素子
17によって光学的バンドパスフィルタ16から出射さ
れる光像が光電変換され、これによって得られた映像信
号が長波長側映像処理部5に供給され、この長波長側映
像処理部5によって、波長選択光学系3から出力される
長波長域の映像信号に対し、前置増幅処理、各撮像素子
感度のバラツキ補償処理、各光学的バンドパスフィルタ
14、16の透過領域補償処理、各光学的バンドパスフ
ィルタ14、16の透過率補償処理などが行なわれ、こ
れによって得られた映像信号がデジタル化されて、差映
像抽出部6に供給される。
【0081】そして、この差映像抽出部6によって、長
波長側映像処理部5から出力される長波長域の映像信号
と、短波長側映像処理部4から出力される短波長域の映
像信号とが取り込まれて、各画素単位でレベル差が演算
され、これによって水面に浮かんだ油膜の映像や有機膜
の映像などのコントラストを高くした映像信号が生成さ
れ、次段装置に供給される。
【0082】この際、厳密には、海水の屈折率分散によ
り反射率が変化するもの、表1に示すような水の屈折率
分散例から分かるように、その変化量が非常に小さいこ
とから、表2の上段に示す波長領域のとき、水の屈折率
分散を無視しても良く、また図3(a)〜(e)に示す
ように、油面の無い海面の反射率が波長依存性を殆ど持
たないことから、図3(f)に示すように、最下段に記
載された2つの光学的バンドパスフィルタ(両者の中心
波長λ1、λ2の差が50nmであり、表2の条件を満足
する)14、16を用いて、油面が無い海水面を撮影し
たとき、短波長側映像処理部4から出力される映像信号
と、長波長側映像処理部5から出力される映像信号とが
画素単位で同じレベルになって、差映像抽出部6からゼ
ロを示す映像信号が出力される。
【0083】一方、図3(a)〜(e)に示すように、
油膜がある海水では、入射角度がどのような角度でも、
波長に応じて油膜の反射率が大きく変化するものの、2
つの光学的バンドパスフィルタ14、16の中心波長λ
1、λ2の透過率(最大透過率)に対し、1/e以上の透
過率を持つ波長領域(図3のA〜Bの領域、B〜Cの領
域)に限ぎると、一方の光学的バンドパスフィルタ14
の波長領域(図3のA〜Bの領域)の反射率と、他方の
光学的バンドパスフィルタ16の波長領域(図3のB〜
Cの領域)の反射率とが異なっていることから、油面が
ある海水面を撮影したとき、短波長側映像処理部4から
出力される映像信号と、長波長側映像処理部5から出力
される映像信号とが異なるレベルになって、差映像抽出
部6から油膜を示す映像信号が出力される。
【0084】また、極めて稀に、油膜がある海面を撮影
したとき、特定の入射角度からの光が入射されて、短波
長側映像処理部4から出力される映像信号と、長波長側
映像処理部5から出力される映像信号とが一致すること
も考えられるが、このような場合でも、波や風などによ
って海面が常に変動し、海面が鏡面状態のときの入射角
度よりも、多様な入射角度からの光像が波長選択型カメ
ラ装置1に取り込まれることから、特定の入射角度で反
射率が同じレベルになっても、他の入射角度で反射率が
異なるレベルになることから、差映像抽出部6から油膜
を示す映像信号が出力される。
【0085】このように、この実施の形態では、波長選
択光学系3によって、油膜が浮かんだ海面などを撮影し
て、短波長域の映像信号と、長波長域の映像信号とを生
成しながら、短波長側映像処理部4によって短波長域の
映像信号を画像処理して、デジタル化した短波長域の映
像信号を生成するとともに、長波長側映像処理部5によ
って短波長域の映像信号を画像処理して、デジタル化し
た長波長域の映像信号を生成した後、差映像抽出部6に
よって短波長域の映像信号と、長波長域の映像信号との
差を抽出して、水面に浮かんだ油膜の映像や有機膜の映
像などのコントラストを高くした映像信号を生成し、こ
れを次段装置に供給するようにしているので、従来、検
出が困難であった水面上の油膜や有機膜などを高いコン
トラストで画像として、検出することができる。
【0086】これによって、従来、ヘリコプタや航空機
などから目視観察で遭難現場などの探索が困難な場合、
例えば海からの反射光が強い場合(逆光状態)、雨天の
場合、波浪が高い場合などでも、海面の状態に関わら
ず、遭難した航空機や船舶などの油膜が海面上に浮いて
いるとき、これを確実に検出して、遭難現場などを見つ
け出すことができる。
【0087】また、この実施の形態では、撮影した海面
などに油膜や有機膜などがあるときにのみ、差映像抽出
部6から出力される映像信号がゼロ以外の値になるよう
にしているので、差映像抽出部6から出力される映像信
号を次段装置などに設けられた判定回路に導き、予め設
定されているしきい値を越えているかどうかを判定させ
るだけで、遭難現場の探索を容易に自動化することがで
きる。これによって、ヘリコプタや航空機などに、図1
に示す波長選択型カメラ装置1を複数、搭載し、各波長
選択型カメラ装置1によって、全方位を同時に探索させ
て、油膜などの有無を自動判定させれば、従来の目視に
よる場合に比べて、格段に探索効率を向上させて、迅速
な災害救助を行なうことができる。
【0088】また、図1に示す波長選択型カメラ装置1
と、GPS(Global Positioning System)装置とを組み
合わせることにより、油膜の位置を瞬時に決定すること
ができ、これによって遭難現場などの発見を一層、迅速
化させることができるとともに、タンカーなどの原油流
出状況をリアルタイムで、容易に地図化することができ
る。
【0089】<第1の実施の形態の第1変形例の説明>
また、図1に示す波長選択型カメラ装置1では、レンズ
7からの光像2をビームスプリッタ13の反射透過面9
で2等分し、一方の光像(反射透過面9を透過した光
像)2aを直進させて第2出射面11から出射させると
ともに、反射透過面9で45度の角度で反射され、全反
射面12によってさらに45度の角度で全反射された他
方の光像(光像2aと左右が反転していない光像)2b
を第1出射面10から出射させて、被写体からの光像2
を2等分するようにしているが、このようなビームスプ
リッタ13に代えて、図4に示すようなビームスプリッ
タ28を使用するようにしても良い。
【0090】この図に示すビームスプリッタ28は、入
射面29に入射されたレンズ7からの光像2を45度よ
り小さい入射角度αで反射透過面30に入射させ、この
反射透過面30を透過した光像2cを直進させて第2出
射面32から出射させるとともに、反射透過面30で反
射された光像2dを45度の角度より大きな入射角度β
で全反射面86に入射させ、全反射された光像(光像2
cと左右が反転していない光像)2dを第1出射面31
から出射させる。
【0091】このように、このビームスプリッタ28を
使用しても、レンズ7からの光像を左右が反転されてい
ない2つの光像2c、2dに2等分して、各光学的バン
ドパスフィルタ14、16に各々、入射させ、各撮像素
子15、17上に結像させることができる。
【0092】勿論、このビームスプリッタ28でも、レ
ンズ7と一方の撮像素子15との間の光路長と、レンズ
7と他方の撮像素子17との間の光路長とが同じくなる
ように、ビームスプリッタ28内の各光路長が設定され
る。
【0093】<第1の実施の形態の第2変形例の説明>
また、図1に示す波長選択型カメラ装置1では、1つの
ビームスプリッタ13と、2つの光学的バンドパスフィ
ルタ14、16と、2つの撮像素子15、17によって
構成される波長選択光学系3を使用するようにしている
が、図5に示すように、プリズム型バンドパスフィルタ
33と、2つの撮像素子34、35とによって構成され
る波長選択光学系36を使用するようにしても良い(請
求項5、6の内容)。
【0094】この場合、プリズム型バンドパスフィルタ
36は、前面37側が45度にカットされたプリズム3
8と、前面39(後面40)と斜面41、42とのなす
角度が45度、135度になるようにカットされた並行
四辺形型のプリズム43と、このプリズム43の斜面4
2とプリズム38の前面37との接合面に配置され、図
6、図7に示すようなローパス特性で、入射した光像2
を構成する長波長の光を透過させるとともに、短波長の
光を反射させる光学的ローパスフィルタ44と、プリズ
ム38の出射面45に接合され、図6に示すように、光
学的ローパスフィルタ44の透過波長特性のカットオフ
波長λ44(但し、ここでは、光学的ローパスフィルタ4
4の透過率が最大透過率の50%になる波長をカットオ
フ波長と定義する)より長波長側にシフトしたカットオ
フ波長特性を持ち、光学的ローパスフィルタ44を透過
した長波長光のうち、カットオフ波長λ46より短い波長
の光(斜線部分の光)を透過させる光学的ハイパスフィ
ルタ46と、プリズム43の出射面47(後面40)に
接合され、図7に示すように、光学的ローパスフィルタ
44の反射波長特性のカットオフ波長λ44より短波長側
にシフトしたカットオフ波長λ48を持ち、光学的ローパ
スフィルタ44で反射された短波長光のうち、カットオ
フ波長λ48より長い波長の光(斜線部分の光)を透過さ
せる光学的ローパスフィルタ48とを備えている。
【0095】勿論、このプリズム型バンドパスフィルタ
33でも、レンズ7と一方の撮像素子34との間の光路
長と、レンズ7と他方の撮像素子35との間の光路長と
が同じくなるように、プリズム型バンドパスフィルタ3
3内の各光路長が設定される。
【0096】そして、レンズ7からの光像2が入射面4
9(前面39)に入射したとき、光学的ローパスフィル
タ44のフィルタリング動作、光学的ハイパスフィルタ
46のフィルタリング動作によって、光像2を構成する
各波長のうち、図6に示すように、波長λbを中心とす
る長波長領域の光像を選択して、これを一方の撮像素子
35に入射させ、長波長域の映像信号を生成させるとと
もに、光学的ローパスフィルタ44のフィルタリング動
作、光学的ローパスフィルタ48のフィルタリング動作
によって、光像2を構成する各波長のうち、図7に示す
ように、波長λa(但し、|λa−λb|は表2を満たす
値)を中心とする短波長領域の光像を選択して、これを
他方の撮像素子34に入射させ、短波長域の映像信号を
生成させる。
【0097】このように、プリズム型バンドパスフィル
タ33と、2つの撮像素子34、35とによって構成さ
れる波長選択光学系36を使用しても、レンズ7からの
光像2を左右が反転されていない2つの光像に2等分し
て、長波長域の映像信号と、短波長域の映像信号とを生
成することができる。
【0098】<第1の実施の形態の第3変形例の説明>
また、図5に示す変形例では、プリズム型バンドパスフ
ィルタ33と、2つの撮像素子34、35とによって波
長選択光学系36を構成するようにしているが、図8に
示すように、プリズム型ローパスフィルタ50と、光学
的ローパスフィルタ51と、光学的ハイパスフィルタ5
2と、2つの撮像素子53、54とによって波長選択光
学系55を構成し、この波長選択光学系55を使用して
光像2を波長弁別して、短波長域の映像信号と、長波長
域の映像信号とを生成するようにしても良い(請求項5
の内容)。
【0099】この場合、プリズム型ローパスフィルタ5
0は、前面56側が45度にカットされたプリズム57
と、前面58(後面59)と斜面60、61とのなす角
度が45度、135度になるようにカットされた並行四
辺形型のプリズム62と、このプリズム62の斜面61
とプリズム57の前面56との接合面に配置され、図5
に示す光学的ローパスフィルタ44と同じローパス特性
で、入射した光像2を構成する長波長の光を透過させる
とともに、短波長の光を反射させる光学的ローパスフィ
ルタ63とを備えており、入射面64にレンズ7からの
光像2が入射したとき、光学的ローパスフィルタ63の
フィルタリング動作によって、光像2中の長波長の光を
透過させ、これを出射面65から出射させて、光学的ハ
イパスフィルタ52に入射させるとともに、光学的ロー
パスフィルタ63によって光像2中の短波長の光を反射
させた後、これを全反射面66で反射させて、出射面6
7から出射させ、光学的ローパスフィルタ51に入射さ
せる。
【0100】光学的ローパスフィルタ51は、図5に示
す光学的ローパスフィルタ48と同様なローパス特性
(図7に示すローパス特性)を持つフィルタ板によって
構成されており、プリズム型ローパスフィルタ50の出
射面67から出射される短波長域の光像を構成する各波
長のうち、図7に示すように、波長λaを中心とする短
波長領域の光像を選択して、これを一方の撮像素子53
に入射させ、短波長域の映像信号を生成させる。
【0101】また、光学的ハイパスフィルタ52は、図
5に示す光学的ハイパスフィルタ46と同様なハイパス
特性(図6に示すハイパス特性)を持つフィルタ板によ
って構成されており、プリズム型ローパスフィルタ50
の出射面65から出射される長波長域の光像を構成する
各波長のうち、図6に示すように、波長λbを中心とす
る長波長領域の光像を選択して、これを他方の撮像素子
54に入射させ、長波長域の映像信号を生成させる。
【0102】このように、プリズム型ローパスフィルタ
50と、光学的ローパスフィルタ51と、光学的ハイパ
スフィルタ52と、2つの撮像素子53、54とによっ
て構成される波長選択光学系55を使用しても、レンズ
7からの光像2を波長弁別して、短波長域の映像信号
と、長波長域の映像信号とを生成することができる。
【0103】<第1の実施の形態の第4変形例の説明>
また、図8に示す変形例では、プリズム型ローパスフィ
ルタ50と、光学的ローパスフィルタ51と、光学的ハ
イパスフィルタ52と、2つの撮像素子53、54とに
よって波長選択光学系55を構成するようにしている
が、図9に示すように、プリズム型ローパスフィルタ6
8と、2つの光学的バンドパスフィルタ69、70と、
2つの撮像素子71、72とによって波長選択光学系7
3を構成し、この波長選択光学系73を使用して、光像
2を波長弁別して、短波長域の映像信号と、長波長域の
映像信号とを生成するようにしても良い(請求項5の内
容)。
【0104】この場合、プリズム型ローパスフィルタ6
8は、前面74側が45度にカットされたプリズム75
と、前面76(後面77)と斜面78、79とのなす角
度が45度、135度になるようにカットされた並行四
辺形型のプリズム80と、このプリズム80の斜面79
とプリズム75の前面74との接合面に配置され、図8
に示す光学的ローパスフィルタ63と同じローパス特性
で、入射した光像2を構成する長波長の光を透過させる
とともに、短波長の光を反射させる光学的ローパスフィ
ルタ81とを備えており、入射面82にレンズ7からの
光像2が入射したとき、光学的ローパスフィルタ81の
フィルタリング動作によって、光像2中の長波長の光を
透過させ、これを出射面83から出射させて、一方の光
学的バンドパスフィルタ70に入射させるとともに、光
学的ローパスフィルタ81によって光像2中の短波長の
光を反射させた後、これを全反射面84で反射させて、
出射面85から出射させ、他方の光学的バンドパスフィ
ルタ69に入射させる。
【0105】また、光学的バンドパスフィルタ70は、
図10に示すように、光学的ローパスフィルタ81のロ
ーパスフィルタリング特性によって選択された長波長域
の光像中から波長λdを中心として、所定領域に含まれ
る長波長の光を抽出するバンドパス特性を持つフィルタ
板によって構成されており、プリズム型ローパスフィル
タ68の出射面83から出射される長波長域の光像を構
成する各波長のうち、図10に示すように、波長λd
中心とする所定波長領域の光像を選択して、これを一方
の撮像素子72に入射させ、長波長域の映像信号を生成
させる。
【0106】また、光学的バンドパスフィルタ69は、
図11に示すように、光学的ローパスフィルタ81のロ
ーパスフィルタリング特性によって選択された短波長域
の光像中から波長λcを中心として、所定領域に含まれ
る短波長の光を抽出するバンドパス特性を持つフィルタ
板によって構成されており、プリズム型ローパスフィル
タ68の出射面85から出射される短波長域の光像を構
成する各波長のうち、図11に示すように、波長λc
中心とする所定波長領域の光像を選択して、これを他方
の撮像素子71に入射させ、短波長域の映像信号を生成
させる。
【0107】このように、プリズム型ローパスフィルタ
68と、2つの光学的バンドパスフィルタ69、70
と、2つの撮像素子71、72とによって波長選択光学
系73を構成し、この波長選択光学系73を使用して
も、光像2を波長弁別して、短波長域の映像信号と、長
波長域の映像信号とを生成することができる。
【0108】《発明の第2の実施の形態の説明》 <第2の実施の形態の基本説明>図12は本発明による
波長選択型カメラ装置の一実施の形態のうち、請求項
9、10、11、12、13、15、16に対応する波
長選択型カメラ装置の一例を示すブロック図である。な
お、この図においては、説明を簡単にするために、本発
明の説明に係わらない部分、例えば入射光量を減衰させ
るアイリスやNDフィルタなど、カメラ装置を構成する
のに必要な部品、駆動回路、映像処理回路などにパルス
信号を送るパルス発生回路、映像の輪郭を強調する輪郭
補償回路、電源回路などを省略してある。
【0109】この図に示す波長選択型カメラ装置100
は、被写体からの光像101を取り込んで、これを波長
毎に光電変換して、短波長域の映像信号と中波長域の映
像信号と長波長域の映像信号とを生成する波長選択光学
系102と、この波長選択光学系102から出力される
短波長域の映像信号を画像処理して、デジタル化した短
波長域の映像信号を生成する短波長側映像処理部103
と、波長選択光学系102から出力される中波長域の映
像信号を画像処理して、デジタル化した中波長域の映像
信号を生成する中波長側映像処理部104と、波長選択
光学系102から出力される長波長域の映像信号を画像
処理してデジタル化した長波長域の映像信号を生成する
長波長側映像処理部105と、中波長側映像処理部10
4から出力される中波長域の映像信号を基準として、長
波長側映像処理部105から出力される長波長域の映像
信号と短波長側映像処理部103から出力される短波長
域の映像信号との差を演算して、水面に浮かんだ油膜の
映像や有機膜の映像などのコントラストを高くした映像
信号を生成する差映像抽出部106とを備えている。
【0110】そして、波長選択光学系102によって、
油膜が浮かんだ海面などを撮影して、短波長域の映像信
号と、中波長域の映像信号と、長波長域の映像信号とを
生成ししながら、短波長側映像処理部103、中波長側
映像処理部104、長波長側映像処理部105によって
短波長域の映像信号、中波長域の映像信号、短波長域の
映像信号を各々、デジタル化した後、差映像抽出部10
6によって短波長域の映像信号と、中波長域の映像信
号、長波長域の映像信号との間の差を抽出して、水面に
浮かんだ油膜の映像や有機膜の映像などのコントラスト
を高くした映像信号を生成し、これを次段装置(図示は
省略する)に供給する。
【0111】波長選択光学系102は、被写体からの光
像(白色の光像)101を取り込んで、所定距離だけ後
方に結像させるレンズ107と、1つの入射面108と
2つの全反射面109、110と第1出射面111、第
2出射面112および第3出射面113とを有するプリ
ズム114、このプリズム114内に配置され、図13
に示すように、入射面108に入射された光像101を
構成する長波長域の光、中波長域の光を透過させ、それ
以外の光(短波長域の光)を反射させる光学的ローパス
フィルタ115、プリズム114内に配置され、光学的
ローパスフィルタ115を透過した長波長域の光、中波
長域の光のうち、長波長域の光(長波長域の光)を透過
させるとともに、それ以外の光(中波長域の光)を反射
させる光学的ローパスフィルタ116によって構成さ
れ、第1出射面111、第2出射面112、第3出射面
113から短波長域の光像、長波長域の光像、中波長域
の光像を各々、出射させる分岐素子123と、図14に
示すように、波長λ1(この波長λ1は、光学的ローパス
フィルタ115のカットオフ波長より短波長側にある波
長)を中心波長とするバンドパスフィルタリング特性で
分岐素子123の第1出射面111から出射される光像
をバンドパスフィルタリングする光学的バンドパスフィ
ルタ117と、CCD、MOS、CPD、SIT、AM
Iなど、シリコンを用いた固体撮像素子またはGaA
s、InGaAsなど赤外線領域で高い感度を示す材料
を用いた固体撮像素子、または非晶質セレンなど、紫外
線や短波長可視光で高い感度を示す材料を用いた固体撮
像素子、あるいはプランビコン、サチコン、ビジコン、
カルニコン、ハーピコンなどの撮像管などのいずれかに
よって構成され、レンズ107との間の光路長が所定距
離となる位置に配置されて、光学的バンドパスフィルタ
117から出射される光像を光電変換し、映像信号を生
成する撮像素子120とを備えている。
【0112】さらに、波長選択光学系102は、図15
に示すように、波長λ2(この波長λ2は、光学的ローパ
スフィルタ116のカットオフ波長より長波長側にある
波長)を中心波長とするバンドパスフィルタリング特性
で分岐素子123の第2出射面112から出射される光
像をバンドパスフィルタリングする光学的バンドパスフ
ィルタ118と、CCD、MOS、CPD、SIT、A
MIなど、シリコンを用いた固体撮像素子またはGaA
s、InGaAsなど赤外線領域で高い感度を示す材料
を用いた固体撮像素子、または非晶質セレンなど、紫外
線や短波長可視光で高い感度を示す材料を用いた固体撮
像素子、あるいはプランビコン、サチコン、ビジコン、
カルニコン、ハーピコンなどの撮像管などのいずれかに
よって構成され、レンズ107との間の光路長が所定距
離(レンズ107と撮像素子120との距離と同じ距
離)となる位置に配置されて、光学的バンドパスフィル
タ116から出射される光像を光電変換し、映像信号を
生成する撮像素子121と、図16に示すように、波長
λ3(この波長λ3は、光学的ローパスフィルタ116の
カットオフ波長より短波長側にある波長)を中心波長と
するバンドパスフィルタリング特性で分岐素子123の
第3出射面113から出射される光像をバンドパスフィ
ルタリングする光学的バンドパスフィルタ119と、C
CD、MOS、CPD、SIT、AMIなど、シリコン
を用いた固体撮像素子またはGaAs、InGaAsな
ど赤外線領域で高い感度を示す材料を用いた固体撮像素
子、または非晶質セレンなど、紫外線や短波長可視光で
高い感度を示す材料を用いた固体撮像素子、あるいはプ
ランビコン、サチコン、ビジコン、カルニコン、ハーピ
コンなどの撮像管などのいずれかによって構成され、レ
ンズ107との間の光路長が所定距離(レンズ107と
撮像素子120との距離と同じ距離)となる位置に配置
されて、光学的バンドパスフィルタ119から出射され
る光像を光電変換し、映像信号を生成する撮像素子12
2とを備えている。
【0113】この場合、各光学的バンドパスフィルタ1
17、118、119の各中心波長λ1、λ2、λ3の間
に、λ1<λ3<λ2が成り立つように、各光学的バンド
パスフィルタ117、118、119の各中心波長
λ1、λ2、λ3の数値が決定される。さらに、被写体の
上層側が空気(屈折率n1=1)、下層が表1に示すよ
うな屈折率分散を持つ淡水であれば、下層の屈折率分散
の影響を小さくして、淡水からの反射率の差が小さくな
るように、光学的バンドパスフィルタ117の中心波長
λ1と光学的バンドパスフィルタ119の中心波長λ3
差の絶対値|λ1−λ3|と、光学的バンドパスフィルタ
119の中心波長λ3と光学的バンドパスフィルタ11
8の中心波長λ2と差の絶対値|λ3−λ2|とが|λ1
λ3|<|λ3−λ2|となるように、各光学的バンドパ
スフィルタ117、118、119の透過中心波長
λ1、λ2、λ3の各数値が決められる。なお、各波長
λ1、λ2、λ3の値はあくまでも目安であり、各光学的
バンドパスフィルタ117、118、119の中心波長
λ1、λ2、λ3が各数値から多少、外れていても良い。
【0114】そして、分岐素子123によって、被写体
からの光像101を取り込んで、短波長域の光像と、中
波長域の光像と、長波長域の光像とに分離した後、各光
学的バンドパスフィルタ117、118、119によっ
て、短波長域の光像、中波長域の光像、長波長域の光像
に各々、含まれている波長λ1を中心波長とする所定波
長範囲の光像、波長λ2を中心波長とする所定波長範囲
の光像、波長λ3を中心波長とする所定波長範囲の光像
を抽出するとともに、各撮像素子120、121、12
2によって各光像を各々、光電変換し、これによって得
られた短波長域の映像信号、中波長域の映像信号、長波
長域の映像信号を短波長側映像処理部103と、中波長
側映像処理部104と、長波長側映像処理部105とに
各々、供給する。
【0115】短波長側映像処理部103は、波長選択光
学系102から出力される短波長域の映像信号を一定の
増幅率で増幅するヘッドアンプ回路124と、このヘッ
ドアンプ回路124から出力される映像信号に対し、予
め設定されている画像処理、例えば各撮像素子感度のバ
ラツキ補償、各光学的バンドパスフィルタ117、11
8、119の透過領域補償、各光学的バンドパスフィル
タ117、118、119の透過率補償などを行なう映
像処理回路125と、この映像処理回路125から出力
される映像信号をA/D変換して、デジタル化された映
像信号を生成するA/D変換回路126とを備えてお
り、波長選択光学系102から出力される短波長域の映
像信号に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度のバラツ
キ補償処理、各光学的バンドパスフィルタ117、11
8、119の透過領域補償処理、各光学的バンドパスフ
ィルタ117、118、119の透過率補償処理などを
行ない、これによって得られた映像信号をデジタル化し
て、差映像抽出部106に供給する。
【0116】また、中波長側映像処理部104は、波長
選択光学系102から出力される中波長域の映像信号を
一定の増幅率で増幅するヘッドアンプ回路127と、こ
のヘッドアンプ回路127から出力される映像信号に対
し、予め設定されている画像処理、例えば各撮像素子感
度のバラツキ補償、各光学的バンドパスフィルタ17、
118、119の透過領域補償、各光学的バンドパスフ
ィルタ117、118、119の透過率補償などを行な
う映像処理回路128と、この映像処理回路128から
出力される映像信号をA/D変換して、デジタル化され
た映像信号を生成するA/D変換回路129とを備えて
おり、波長選択光学系102から出力される中波長域の
映像信号に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度のバラ
ツキ補償処理、各光学的バンドパスフィルタ117、1
18、119の透過領域補償処理、各光学的バンドパス
フィルタ117、118、119の透過率補償処理など
を行ない、これによって得られた映像信号をデジタル化
して、差映像抽出部106に供給する。
【0117】また、長波長側映像処理部105は、波長
選択光学系102から出力される長波長域の映像信号を
一定の増幅率で増幅するヘッドアンプ回路130と、こ
のヘッドアンプ回路130から出力される映像信号に対
し、予め設定されている画像処理、例えば各撮像素子感
度のバラツキ補償、各光学的バンドパスフィルタ11
7、118、119の透過領域補償、各光学的バンドパ
スフィルタ117、118、119の透過率補償などを
行なう映像処理回路131と、この映像処理回路131
から出力される映像信号をA/D変換して、デジタル化
された映像信号を生成するA/D変換回路132とを備
えており、波長選択光学系102から出力される長波長
域の映像信号に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度の
バラツキ補償処理、各光学的バンドパスフィルタ11
7、118、119の透過領域補償処理、各光学的バン
ドパスフィルタ117、118、119の透過率補償処
理などを行ない、これによって得られた映像信号をデジ
タル化して、差映像抽出部106に供給する。
【0118】この場合、短波長側映像処理部103を構
成する映像処理回路125と、中波長側映像処理部10
4を構成する映像処理回路128と、長波長側映像処理
部105を構成する映像処理回路131とを調整する方
法として、例えば白紙など、反射率が一定した被写体を
撮影した状態で、各A/D変換回路126、129、1
32から出力される映像信号が等しくなるように、各映
像処理回路125、128、131の補償定数などが調
整される。
【0119】差映像抽出部106は、中波長側映像処理
部104から出力されるデジタル化された映像信号と短
波長側映像処理部103から出力されるデジタル化され
た映像信号とを取り込んで、各映像信号に含まれている
各画素のうち、同じ空間座標の各画素またはレジストレ
ーション調整後の誤差範囲内の近さを持つ空間座標とな
る各画素同士のレベル差を演算して各映像信号の差を示
す映像信号を生成する短波長側差分回路133と、この
短波長側差分回路133から出力される映像信号の絶対
値を演算する短波長側絶対値回路134と、中波長側映
像処理部104から出力されるデジタル化された映像信
号と長波長側映像処理部105から出力されるデジタル
化された映像信号とを取り込んで、各映像信号に含まれ
ている各画素のうち、同じ空間座標の各画素またはレジ
ストレーション調整後の誤差範囲内の近さを持つ空間座
標となる各画素同士のレベル差を演算して各映像信号の
差を示す映像信号を生成する長波長側差分回路135
と、この長波長側差分回路135から出力される映像信
号の絶対値を演算する長波長側絶対値回路136と、こ
の長波長側絶対値回路136から出力されるデジタル信
号形式の映像信号と短波長側絶対値回路134から出力
されるデジタル信号形式の映像信号とを加算して、1つ
の映像信号を生成する加算回路137と、この加算回路
137から出力されるデジタル信号形式の映像信号をア
ナログ信号形式の映像信号に変換するD/A変換回路1
38と、このD/A変換回路138から出力される映像
信号を増幅する増幅回路139とを備えている。
【0120】そして、短波長側映像処理部103から出
力される短波長域の映像信号と、中波長側映像処理部1
04から出力れさる中波長域の映像信号と、長波長側映
像処理部105から出力される長波長域の映像信号とを
取り込んで、中波長域の映像信号の各画素と、短波長域
の映像信号の各画素とのレベル差を演算するとともに、
中波長域の映像信号の各画素と、長波長域の映像信号の
各画素とのレベル差を演算した後、各レベル差を加算し
て、水面に浮かんだ油膜の映像や有機膜の映像などのコ
ントラストを高くした映像信号を生成し、これを次段装
置に供給する。
【0121】次に、図12に示すブロック図を参照しな
がら、この実施の形態の動作について説明する。
【0122】まず、波長選択型カメラ装置100によっ
て、油膜が浮かんだ海面などを撮影すると、波長選択型
カメラ装置100内に設けられている波長選択光学系1
02の分岐素子123によって、被写体からの光像10
1が取り込まれて、短波長域の光像と、中波長域の光像
と、長波長域の光像とに分離された後、各光学的バンド
パスフィルタ117、118、119によって、短波長
域の光像、中波長域の光像、長波長域の光像に各々、含
まれている波長λ1を中心波長とする所定波長範囲の光
像、波長λ2を中心波長とする所定波長範囲の光像、波
長λ3を中心波長とする所定波長範囲の光像が抽出され
るとともに、各撮像素子120、121、122によっ
て各光像が各々、光電変換され、これによって得られた
短波長域の映像信号、中波長域の映像信号、長波長域の
映像信号が短波長側映像処理部103と、中波長側映像
処理部104と、長波長側映像処理部105とに各々、
供給される。
【0123】そして、この短波長側映像処理部103、
中波長側映像処理部104、長波長側映像処理部105
によって波長選択光学系102から出力される短波長域
の映像信号、中波長域の映像信号、長波長域の映像信号
に対し、前置増幅処理、各撮像素子感度のバラツキ補償
処理、各光学的バンドパスフィルタ117、118、1
19の透過領域補償処理、各光学的バンドパスフィルタ
117、118、119の透過率補償処理などが行なわ
れ、これによって得られた短波長域の映像信号、中波長
域の映像信号、長波長域の映像信号が各々、デジタル化
されて、差映像抽出部106に供給される。
【0124】次いで、この差映像抽出部106によっ
て、短波長側映像処理部103から出力される短波長域
の映像信号と、中波長側映像処理部104から出力れさ
る中波長域の映像信号と、長波長側映像処理部105か
ら出力される長波長域の映像信号とが取り込まれ、中波
長域の映像信号の各画素と、短波長域の映像信号の各画
素とのレベル差が演算されるとともに、中波長域の映像
信号の各画素と、長波長域の映像信号の各画素とのレベ
ル差が演算された後、各レベル差が加算されて、水面に
浮かんだ油膜の映像や有機膜の映像などのコントラスト
を高くした映像信号が生成され、これが次段装置に供給
される。
【0125】この際、厳密には、海水の屈折率分散によ
り反射率が変化するもの、表1に示す水の屈折率分散例
から分かるように、その変化量が非常に小さいことか
ら、波長領域のとき、水の屈折率分散を無視しても良
く、また油面の無い海面の反射率が波長依存性を殆ど持
たないことから、3つの光学的バンドパスフィルタ11
7、118、119を用いて、油面が無い海水面を撮影
したとき、短波長側映像処理部103から出力される映
像信号と、中波長側映像処理部104から出力される映
像信号と、長波長側映像処理部105から出力される映
像信号とが同じレベルになって、差映像抽出部106か
らゼロを示す映像信号が出力される。
【0126】一方、油膜がある海水では、入射角度がど
のような角度でも、波長応じて油膜の反射率が大きく変
化するものの、3つの光学的バンドパスフィルタ11
7、118、119の中心波長λ1、λ2、λ3の透過率
(最大透過率)の1/e以上の透過率を持つ波長領域に
限ぎると、各光学的バンドパスフィルタ117、11
8、119の波長領域のうち、少なくとも2つの波長領
域の光強度が異なることから、油面がある海水面を撮影
したとき、短波長側映像処理部103から出力される映
像信号、中波長側映像処理部104から出力される映像
信号、長波長側映像処理部105から出力される映像信
号のうち、2つの映像信号が異なるレベルになって、差
映像抽出部106から油膜を示す映像信号が出力され
る。
【0127】また、極めて稀に、油膜がある海面を撮影
したとき、特定の入射角度からの光が入射されて、短波
長側映像処理部103から出力される映像信号と、中波
長側映像処理部104から出力される映像信号と、長波
長側映像処理部105から出力される映像信号とが一致
することも考えられるが、このような場合でも、図17
に示すように、波や風などによって海面140が常に変
動し、海面104が鏡面状態のときの入射角度よりも、
多様な入射角度からの光像101が波長選択型カメラ装
置100に取り込まれていることから、特定の入射角度
で反射率が同じレベルになっても、他の入射角度で反射
率が異なるレベルとなり、差映像抽出部106から油膜
を示す映像信号が出力される。
【0128】このように、この実施の形態では、波長選
択光学系102によって、油膜が浮かんだ海面140な
どを撮影して、短波長域の映像信号と、中波長域の映像
信号と、長波長域の映像信号とを生成しながら、短波長
側映像処理部103、中波長側映像処理部104、長波
長側映像処理部105によって短波長域の映像信号、中
波長域の映像信号、短波長域の映像信号を各々、デジタ
ル化した後、差映像抽出部106によって短波長域の映
像信号と、中波長域の映像信号、長波長域の映像信号と
の間の差を抽出して、水面に浮かんだ油膜の映像や有機
膜の映像などのコントラストを高くした映像信号を生成
し、これを次段装置に供給するようにしているので、水
面の状態がどのような状態であっても、水面上の油膜や
有機膜などを高いコントラストで画像として、検出する
ことができる。
【0129】これによって、従来、ヘリコプタ141や
航空機などから目視観察で遭難現場など探索が困難な場
合、例えば海面140からの反射光が強い場合(逆光状
態)、雨天の場合、波浪が高い場合などでも、海面14
0の状態に関わらず、遭難した航空機や船舶などの油膜
が海面上に浮いているとき、これを確実に検出して、遭
難現場などを見つけ出すことができる。
【0130】また、この実施の形態では、撮影した海面
140などに油膜や有機膜などがあるときにのみ、差映
像抽出部106から出力される映像信号がゼロ以外の値
になるようにしているので、差映像抽出部106から出
力される映像信号を次段装置などに設けられた判定回路
に導き、予め設定されているしきい値を越えているかど
うかを判定させるだけで、遭難現場の探索を容易に自動
化することができる。これによって、ヘリコプタ141
や航空機などに、図12に示す波長選択型カメラ装置1
00を複数、搭載し、各波長選択型カメラ装置100に
よって、全方位を同時に探索させ、油膜などの有無を自
動判定させれば、従来の目視による場合に比べて、格段
に探索効率を向上させて、迅速な災害救助を行なうこと
ができる。
【0131】また、図12に示す波長選択型カメラ装置
100と、GPS(Global Positioning System)装置と
を組み合わせることにより、油膜の位置を瞬時に決定す
ることができ、これによって遭難現場などの発見を一
層、迅速化させることができるとともに、タンカーなど
の原油流出状況をリアルタイムで、容易に地図化するこ
とができる。
【0132】<第2の実施の形態の第1変形例の説明>
また、図12に示す波長選択型カメラ装置100では、
1つの入射面108と2つの全反射面109、110と
第1出射面111、第2出射面112および第3出射面
113とを有するプリズム114、このプリズム114
内に配置され、図13に示すように、入射面108に入
射された光像101を構成する長波長域の光、中波長域
の光を透過させ、それ以外の光(短波長域の光)を反射
させる光学的ローパスフィルタ115、プリズム114
内に配置され、光学的ローパスフィルタ115を透過し
た長波長域の光、中波長域の光のうち、長波長域の光を
透過させるとともに、それ以外の光(中波長域の光)を
反射させる光学的ローパスフィルタ116によって構成
され、第1出射面111、第2出射面112、第3出射
面113から短波長域の光像、長波長域の光像、中波長
域の光像を各々、出射させる分岐素子123を使用し
て、被写体からの光像101を短波長域の光像と、中波
長域の光像と、長波長域の光像とに分離するようにして
いるが、このような分岐素子123に代えて、図18に
示すような分岐素子142を使用するようにしても良
い。
【0133】この図に示す分岐素子142は、1つの入
射面143と2つの全反射面144、145と第1〜第
3出射面146、147、148とを有するプリズム1
49と、このプリズム149内に形成され、入射面14
3に入射された光像101の半分を反射させた後、全反
射面144で全反射させて、第1出射面146から出射
させるとともに、残り半分を透過させる第1反射透過面
150と、プリズム149内に形成され、第1反射透過
面150を透過した光像101の半分を透過させて、第
2出射面147から出射させるとともに、残り半分を反
射させた後、全反射面145で全反射させて、第3出射
面148から出射させる第2反射透過面151とを備え
ており、入射面143にレンズ107からの光像が入射
されたとき、第1、第2反射透過面150、151で、
光像101の半分を透過させるとともに、半分を反射さ
せて、第1出射面146、第2出射面147、第3出射
面148から出射させる。
【0134】勿論、この分岐素子142でも、レンズ1
07と、各撮像素子120、121、122との間の各
光路長とが同じくなるように、分岐素子142内の各光
路長が設定される。
【0135】このように、レンズ107から出射される
光像101を単純に、3分割する分岐素子142を使用
しても、この分岐素子142の第1出射面146、第2
出射面147、第3出射面148から各々、出射される
光像を各光学的バンドパスフィルタ117、118、1
19によって、バンドパスフィルタリングして、短波長
域の光像と、中波長域の光像と、短波長域の光像とを抽
出し、これらを各撮像素子120、121、122に各
々、入射させて、短波長域の映像信号と、中波長域の映
像信号と、長波長域の映像信号とを出力させることがで
きる。
【0136】<第2の実施の形態の第2変形例の説明>
また、図12に示す波長選択型カメラ装置100では、
1つの分岐素子123と、3つの光学的バンドパスフィ
ルタ117、118、119と、3つの撮像素子12
0、121、122によって構成される波長選択光学系
102を使用して、被写体からの光像101を短波長域
の光像と、中波長域の光像と、長波長域の光像とに分離
するようにしているが、図19に示すように、プリズム
型バンドパスフィルタ152と、3つの撮像素子15
3、154、155とによって構成される波長選択光学
系156を使用して、被写体からの光像101を短波長
域の映像信号と、中波長域の映像信号と、長波長域の映
像信号とを生成するようにしても良い(請求項14の内
容)。
【0137】この場合、プリズム型バンドパスフィルタ
152は、1つの入射面157と2つの全反射面15
8、159と第1出射面160、第2出射面161およ
び第3出射面162とを有するプリズム163と、この
プリズム163内に配置され、図13に示すように、入
射面157に入射された光像101を構成する長波長域
の光、中波長域の光を透過させ、それ以外の光(短波長
域の光)を反射させる光学的ローパスフィルタ164
と、プリズム163内に配置され、光学的ローパスフィ
ルタ164を透過した長波長域の光、中波長域の光のう
ち、長波長域の光を透過させるとともに、それ以外の光
(中波長域の光)を反射させる光学的ローパスフィルタ
165と、プリズム163の第1出射面160に接合さ
れ、波長λ1(この波長λ1は、光学的ローパスフィルタ
164のカットオフ波長より短波長側にある波長)を中
心波長とするバンドパスフィルタリング特性でプリズム
163の第1出射面160から出射される光像をバンド
パスフィルタリングする光学的バンドパスフィルタ16
6と、プリズム163の第2出射面161に接合され、
波長λ2(この波長λ2は、光学的ローパスフィルタ16
5のカットオフ波長より長波長側にある波長)を中心波
長とするバンドパスフィルタリング特性でプリズム16
3の第2出射面161から出射される光像をバンドパス
フィルタリングする光学的バンドパスフィルタ167
と、プリズム163の第3出射面162に接合され、波
長λ3(この波長λ3は、光学的ローパスフィルタ165
のカットオフ波長より短波長側にある波長)を中心波長
とするバンドパスフィルタリング特性でプリズム163
の第3出射面162から出射される光像をバンドパスフ
ィルタリングする光学的バンドパスフィルタ168とを
備えている。
【0138】そして、プリズム163の各光学的ローパ
スフィルタ164、165によって、被写体からの光像
101を取り込んで、短波長域の光像と、中波長域の光
像と、長波長域の光像とに分離した後、各光学的バンド
パスフィルタ166、167、168によって、短波長
域の光像、中波長域の光像、長波長域の光像に各々、含
まれている波長λ1を中心波長とする所定波長範囲の光
像、波長λ2を中心波長とする所定波長範囲の光像、波
長λ3を中心波長とする所定波長範囲の光像を抽出する
とともに、各撮像素子153、154、155によって
各光像を各々、光電変換し、これによって得られた短波
長域の映像信号、中波長域の映像信号、長波長域の映像
信号を短波長側映像処理部103と、中波長側映像処理
部104と、長波長側映像処理部105とに各々、供給
する。
【0139】このように、プリズム型バンドパスフィル
タ152と、3つの撮像素子153、154、155と
によって構成される波長選択光学系156を使用して
も、被写体からの光像101を短波長域の光像と、中波
長域の光像と、長波長域の光像とに分離して、長波長域
の映像信号と、中波長域の映像信号と、長波長域の映像
信号とを生成することができる。
【0140】《第3の実施の形態の説明》次に、上述し
た各波長選択型カメラ装置1、100を使用して、海面
上に浮いている油膜を検出する際における各撮像素子1
5、17などの分解能と、油膜検出感度の関係について
説明する(請求項17の内容)。
【0141】<静止状態での探査能力>まず、上述した
各波長選択型カメラ装置1、100、例えば図1に示す
波長選択型カメラ装置1で使用されている撮像素子1
5、17の最小検出単位である各画素(ピクセル)が大
きい場合や撮影距離が短い場合には、1つのピクセルに
対し、入射角度φ1が異なる複数の光線が入射し、各ピ
クセルの出力が各光線の輝度を加算した値になる。
【0142】この際、各光線毎の入射角度φ1が異な
り、その角度差が大きいと、反射率から求めた輝度の波
長依存性が緩和されて、油膜検出感度が低下する恐れが
あることから、この点について詳細に説明する。
【0143】今、波長選択型カメラ装置1で使用される
撮像素子15、17として、垂直画素数が“450”、
水平画素数が“600”程度の画素数に設定され、かつ
ピクセルの受光部が正方形に形成される撮像素子を使用
するものと仮定し、図20に示すように、ヘリコプタ1
70に波長選択型カメラ装置1を取り付けて、波長選択
型カメラ装置1の画像取込み角度(波長選択型カメラ装
置1の光軸171と被写体からの光線とがなす最大角
度)を所定の値、例えば“±25”になるようにレンズ
7を調整するとともに、波長選択型カメラ装置1の光軸
171が海面172と直交するように、波長選択型カメ
ラ装置1の撮影方向を調整した状態で、海面172から
の高さが300〜800mとなるようにヘリコプタ17
0を飛ばして、海面172上に浮かんでいる油膜を探査
する場合を考える。
【0144】この場合、ヘリコプタ170が、例えば海
面から300〜800m上空、例えば800m上空を飛
びながら、波長選択型カメラ装置1によって海面172
を撮影すると、図21に示すように波長選択型カメラ装
置1の撮像素子15、17の撮影動作によって、1フレ
ーム間に、海面172上で、直径“746m”の円に内
接する長方形の領域ABCD(約597m×約448
m)を探査することができることから、海面172上の
“約1m2”の部分からの光線が撮像素子15、17を
構成する1つのピクセルに入射される。
【0145】この面積は、波やうなりなどによる海面1
72の揺らぎと比較すると、十分に小さな値であること
から、本発明による波長選択型カメラ装置1を使用する
だけで、十分な検出感度で、海面172に浮いている油
膜を検出することができる。また、ハイビジョンテレビ
カメラ装置などの高解像度テレビカメラ装置で使用され
ている撮像素子を用いれば、分解できる最小面積Sを
“0.2m2”にすることができることから、探査能力
をさらに向上させることができる。
【0146】<移動状態での探査能力、探査範囲>ま
た、探査範囲を広げるために、ヘリコプタ170を移動
させながら、海面172上に浮いている油膜を探査する
場合には、上述した分解可能な最小面積Sまで、検出す
るには、ヘリコプタ170の飛行速度V(Km/h)を
以下に示す値にすることが望ましい。
【0147】
【数7】 S0.5≦(V×103)/(3.6×103×30) …(7) このように、ヘリコプタ170の飛行速度V(Km/
h)を規制しても、ヘリコプタ170の飛行速度Vが約
108km/hのとき、撮像素子15、17を構成する
1ピクセル当たりの探査面積SをS≒1m2にすること
ができ、これによって油膜検出時における十分な分解能
を確保しながら、1時間当たり、“64.8Km2(1
08×0.6Km2)”の広い範囲を探索することがで
きる。
【0148】<高速移動状態での探査能力、探査範囲>
また、このように、移動しながら探査する方法では、撮
影方法として、連続撮影方法を使用することから、隣接
したテレビフレーム間では、上下2画素列しか画像が変
化しないようにすることができ、目視で映像信号の画像
を観察して油膜などを検出する際には、これで十分であ
るが、本発明による波長選択型カメラ装置1では、次段
装置内に判定回路を設けることにより、CCDなどの撮
像素子15、17が持つ垂直画素数に匹敵する距離毎に
撮影を行うようにすれば、探査を行なうヘリコプタ17
0などの飛行速度をさらに速くすることができ、これに
よってさらに広い範囲を捜索することができる。
【0149】但し、このような方法で、撮影を行なう場
合には、撮像素子15、17の前に光シャッタを設け、
この光シャッタを動作させて、各ピクセルに空間分解能
以下の海面面積からの光を入れることが必要であること
から、光シャッタの開口時間tと、探査を行なうヘリコ
プタ170などの飛行速度V(Km/h)とが次式を満
たすようにすることが望ましい。
【0150】
【数8】 S0.5≦(V×103×t)/(3.6×103×30) …(8) これにより、ヘリコプタ170に搭載した波長選択型カ
メラ装置1に設けた光シャッタの開口時間tを“t=5
(ミリ秒)”にしたとき、“V≦720(Km/h)”
にすることができ、先の例に比べて、およそ6.7倍
(720×0.6=432Km2)に拡大することがで
きる。
【0151】さらに、1台のヘリコプタ170や航空機
などに、波長選択型カメラ装置1を複数台、搭載し、各
波長選択型カメラ装置1の撮影方向を互いに異ならせ
て、異なる方向を探査すれば、さらに探査範囲を拡大す
ることができる。
【0152】例えば、3台の波長選択型カメラ装置1を
使用して、左右および真下を同時に監視すれば、1時間
当たりの探査範囲を約1300Km2にすることがで
き、これによって1時間以内で、東京湾全域を隈無く探
索することができる。
【0153】<光シャッタの選択>また、上述した光シ
ャッタとしては、ネマチック液晶、コレステリック液
晶、スメクチック液晶などの材料を使用することができ
る。この場合、光シャッタとして、90度ねじれネマチ
ック液晶を使用すれば、白色光を変調することができ、
これによって広い波長範囲で利用することができ、また
スメクチック液晶の一種である強誘電性液晶や反強誘電
性液晶を使用すれば、1ミリ秒以下の高速度で、光画像
をピックアップすることができる(請求項18の内
容)。
【0154】また、光シャッタとして、LiNbO3
LiTaO3、KDP、DKDP、PZT、GaAsな
どの電気材料を用いることもできる。但し、各電気材料
の特性として、非常に高速で光像の透過/不透過を制御
することができるものの、駆動する際、大きな印加電圧
が必要である。
【0155】これらのことから、光シャッタとして、強
誘電性液晶や反強誘電性液晶を使用することが望まし
い。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項1〜8の波長選択型カメラ装置では、海面からの反
射光が強い場合でも、海面上などに浮いている油膜や有
機膜などを高いコントラストで映像化することができ、
これによって遭難現場などを確実に見つけ出すことがで
きる。
【0157】また、請求項9〜16の波長選択型カメラ
装置では、海面からの反射光が強い場合でも、また海面
がどのような状態であっても、海面上などに浮いている
油膜や有機膜などを高いコントラストで映像化すること
ができ、これによって遭難現場などを確実に見つけ出す
ことができる。
【0158】また、請求項17、18の波長選択型カメ
ラ装置では、ヘリコプタや航空機などで、探索範囲の上
空を高速で飛行しながら、海面からの反射光が強い場合
でも、また海面がどのような状態であっても、海面上な
どに浮いている油膜や有機膜などを高いコントラストで
映像化することができ、これによって遭難現場などを迅
速に、かつ確実に見つけ出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による波長選択型カメラ装置の一実施の
形態のうち、請求項1、2、3、4、7、8に対応する
波長選択型カメラ装置の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す波長選択光学系の詳細な構成例を示
す上面図である。
【図3】図1に示す波長選択型カメラ装置の波長選択動
作例を示すグラフである。
【図4】図1に示す波長選択光学系と同等な機能を持つ
波長選択光学系の第1例を示す上面図である。
【図5】図1に示す波長選択光学系と同等な機能を持つ
波長選択光学系の第2例を示す上面図である。
【図6】図5に示す光学的ローパスフィルタ、一方の光
学的ハイパスフィルタの波長選択例を示すグラフであ
る。
【図7】図5に示す光学的ローパスフィルタ、他方の光
学的ローパスフィルタの波長選択例を示すグラフであ
る。
【図8】図1に示す波長選択光学系と同等な機能を持つ
波長選択光学系の第3例を示す上面図である。
【図9】図1に示す波長選択光学系と同等な機能を持つ
波長選択光学系の第4例を示す上面図である。
【図10】図9に示す光学的ローパスフィルタ、一方の
光学的バンドパスフィルタの波長選択例を示すグラフで
ある。
【図11】図9に示す光学的ローパスフィルタ、他方の
光学的バンドパスフィルタの波長選択例を示すグラフで
ある。
【図12】本発明による波長選択型カメラ装置の一実施
の形態のうち、請求項9乃至16に対応する波長選択型
カメラ装置の一例を示すブロック図である。
【図13】図12に示す波長選択光学系を構成する各光
学的ローパスフィルタの波長選択特性例を示すグラフで
ある。
【図14】図12に示す波長選択光学系を構成する短波
長域用光学的バンドパスフィルタの波長選択特性例を示
すグラフである。
【図15】図12に示す波長選択光学系を構成する長波
長域用光学的バンドパスフィルタの波長選択特性例を示
すグラフである。
【図16】図12に示す波長選択光学系を構成する中波
長域用光学的バンドパスフィルタの波長選択特性例を示
すグラフである。
【図17】図12に示す波長選択型カメラ装置の使用例
を示す概略構成図である。
【図18】図12に示す波長選択光学系と同等な機能を
持つ波長選択光学系の第1例を示す上面図である。
【図19】図12に示す波長選択光学系と同等な機能を
持つ波長選択光学系の第2例を示す上面図である。
【図20】本発明による波長選択型カメラ装置を使用し
て、海面上に浮いている油膜を検出する際の検出範囲を
説明する正面図である。
【図21】本発明による波長選択型カメラ装置を使用し
て、海面上に浮いている油膜を検出する際の検出範囲を
説明する模式図である。
【図22】従来から知られている一般的なフルカラーカ
メラ装置の一例を示すブロック図である。
【図23】海面上に浮いている油膜をモデル化した断面
図である。
【図24】図23に示す中層が厚さ1μmで、かつ光を
吸収しないときにおける反射率と波長との関係を示すグ
ラフである。
【図25】図23に示す中層が厚さ10μmで、かつ光
を吸収しないときにおける反射率と波長との関係を示す
グラフである。
【図26】図23に示す中層が厚さ1μmで、かつ光を
吸収するときにおける反射率と波長との関係を示すグラ
フである。
【図27】図23に示す中層が厚さ10μmで、かつ光
を吸収するときにおける反射率と波長との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1:波長選択型カメラ装置 2、2a、2b、2c、2d、101:光像 3:波長選択光学系 4:短波長側映像処理部(画像演算部) 5:長波長側映像処理部(画像演算部) 6:差映像抽出部(画像演算部) 7:レンズ 8、29:入射面 9:反射透過面 10、31、111、146、160:第1出射面 11、32、112、147、161:第2出射面 12、144、145、158、159:全反射面 13、28:ビームスプリッタ(光学系) 14、16、69、117、118、119、70、1
66、167、168:光学的バンドパスフィルタ 15、17、34、35、53、54、71、72、1
20、121、122、153、154、155:撮像
素子 18、21、124、127、130:ヘッドアンプ回
路 19、22:映像処理回路 20、23:A/D変換回路 24:差分回路 25:絶対値回路 26:D/A変換回路 27:増幅回路 30:反射透過面 33:プリズム型バンドパスフィルタ(光学系) 36:波長選択光学系 37、39、56、58、74、76:前面 38、43、57、62、75、80、114、14
9、163:プリズム(光学系) 40、59、77:後面 41、42、60、61、78、79:斜面 44、48、63、81、115、116、164、1
65:光学的ローパスフィルタ 45、47、65、67、83、85:出射面 46、51、52:光学的ハイパスフィルタ 49、64、82、108:入射面 50:プリズム型ローパスフィルタ(光学系) 55:波長選択光学系 66、84、86、109、110:全反射面 68、:プリズム型ローパスフィルタ(光学系) 73、102:波長選択光学系 100:波長選択型カメラ装置 103:短波長側映像処理部(画像演算部) 104:中波長側映像処理部(画像演算部) 105:長波長側映像処理部(画像演算部) 106:差映像抽出部(画像演算部) 107:レンズ 113、148、162:第3出射面 123:分岐素子(光学系) 125、128、131:映像処理回路 126、129、132:A/D変換回路 133:短波長側差分回路 134:短波長側絶対値回路 135:長波長側差分回路 136:長波長側絶対値回路 137:加算回路 138:D/A変換回路 139:増幅回路 140、172:海面 141、170:ヘリコプタ 142:分岐素子 143、157:入射面 150:第1反射透過面 151:第2反射透過面 156:波長選択光学系 152:プリズム型バンドパスフィルタ(光学系) 171:光軸

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影動作によって得られた光像を各波長
    域毎の光像にして特定の波長の被写体画像を抽出する波
    長選択型カメラ装置において、 前記撮影動作によって得られた光像を透過/反射して、
    2つの光像を生成する光学系と、 互いに異なる透過波長領域を持ち、前記光学系によって
    生成された各光像から各波長域の光像を抽出する2つの
    光学的バンドパスフィルタと、 各光学的バンドパスフィルタによって抽出された各波長
    域毎の光像を光電変換して各波長域の映像信号を生成す
    る2つの撮像素子と、 各撮像素子から出力される各波長域の各映像信号を構成
    する各画素について、同じ空間座標またはレジストレー
    ション調整後の誤差範囲内の近さの空間座標を持つ各画
    素毎に信号レベル差を計算し、この差の絶対値に基づ
    き、映像信号を生成する画像演算部と、 を備えたことを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の波長選択型カメラ装置
    において、 前記画像演算部は、 各撮像素子から出力される各映像信号を取り込んで、各
    映像信号を構成する各画素について、同じ空間座標もし
    くはレジストレーション調整後の誤差範囲内の近さの空
    間座標を持つ2つの画素を選択し、これらのレベル差を
    計算する差分回路と、 この差分回路から出力されるレベル差の絶対値を計算す
    る絶対値回路と、 を有することを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の波長選
    択型カメラ装置において、 前記各撮像素子は、CCD、MOS、CPD、SIT、
    AMIなど、シリコンを用いた固体撮像素子、またはG
    aAs、InGaAsなど、赤外線領域で高い感度を示
    す材料を用いた固体撮像素子、または非晶質セレンな
    ど、紫外線や短波長可視光で高い感度を示す材料を用い
    た固体撮像素子、あるいはプランビコン、サチコン、ビ
    ジコン、カルニコン、ハーピコンなどの撮像管のいずれ
    かによって構成されることを特徴とする波長選択型カメ
    ラ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載の波
    長選択型カメラ装置において、 前記光学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/
    反射させて複数の光像を生成する光分岐素子を有するこ
    とを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の波長
    選択型カメラ装置において、 前記光学系は、光学的ローパスフィルタ機能を持つ分岐
    素子を持ち、この光学的ローパスフィルタ機能によって
    選択された波長領域から、さらに選択波長領域を狭める
    ように、前記各光学的バンドパスフィルタの中心波長を
    決める、 ことを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の波長
    選択型カメラ装置において、 前記光学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/
    反射させて複数の光像を生成する光分岐素子を持ち、こ
    の光分岐素子が光学的バンドパスフィルタ機能を持つこ
    とを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の波長
    選択型カメラ装置において、 前記各光学的バンドパスフィルタは、中心波長が短くな
    るほど、各光学的バンドパスフィルタの中心波長の差の
    絶対値が小さくなることを特徴とする波長選択型カメラ
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の波長
    選択型カメラ装置において、 前記画像演算部によって生成された映像信号を判定回路
    に導き、この判定回路によって予め設定されているしき
    い値と前記映像信号のレベルとを比較させて、特定の波
    長の被写体画像の有無を判定させることを特徴とする波
    長選択型カメラ装置。
  9. 【請求項9】 撮影動作によって得られた光像を各波長
    域毎の光像にして、特定の波長の被写体画像を抽出する
    波長選択型カメラ装置において、 撮影動作によって得られた光像を透過/反射して、3つ
    以上の光像を生成する光学系と、 互いに異なる透過波長領域を持ち、前記光学系によって
    生成された各光像から各波長域の光像を抽出する3つ以
    上の光学的バンドパスフィルタと、 各光学的バンドパスフィルタによって抽出された各波長
    域毎の光像を光電変換して各波長域の映像信号を生成す
    る3つ以上の撮像素子と、 各撮像素子から出力される各波長域の各映像信号を構成
    する各画素について、同じ空間座標またはレジストレー
    ション調整後の誤差範囲内の近さの空間座標を持つ各画
    素毎に信号レベル差を計算し、この差の絶対値に基づ
    き、映像信号を生成する画像演算部と、 を備えたことを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の波長選択型カメラ装
    置において、 前記画像演算部は、 各撮像素子から出力される各映像信号を取り込んで、各
    映像信号を構成する各画素について、同じ空間座標もし
    くはレジストレーション調整後の誤差範囲内の近さの空
    間座標を持つ2つの画素を選択し、これらのレベル差を
    計算する2つ以上の差分回路と、 各差分回路から出力されるレベル差の絶対値を計算する
    絶対値回路と、 を有することを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  11. 【請求項11】 請求項9、10のいずれかに記載の波
    長選択型カメラ装置において、 前記各撮像素子は、CCD、MOS、CPD、SIT、
    AMIなど、シリコンを用いた固体撮像素子、またはG
    aAs、InGaAsなど、赤外線領域で高い感度を示
    す材料を用いた固体撮像素子、または非晶質セレンな
    ど、紫外線や短波長可視光で高い感度を示す材料を用い
    た固体撮像素子、あるいはプランビコン、サチコン、ビ
    ジコン、カルニコン、ハーピコンなどの撮像管などのい
    ずれかによって構成されることを特徴とする波長選択型
    カメラ装置。
  12. 【請求項12】 請求項9、10、11のいずれかに記
    載の波長選択型カメラ装置において、 前記光学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/
    反射させて3つ以上の光像を生成する光分岐素子、 を有することを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  13. 【請求項13】 請求項9乃至12のいずれかに記載の
    波長選択型カメラ装置において、 前記光学系は、光学的ローパスフィルタ機能を持つ分岐
    素子を持ち、この光学的ローパスフィルタ機能によって
    選択された波長領域から、さらに選択波長領域を狭める
    ように、前記各光学的バンドパスフィルタの中心波長を
    決めることを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  14. 【請求項14】 請求項9乃至12のいずれかに記載の
    波長選択型カメラ装置において、 前記光学系は、撮影動作によって得られた光像を透過/
    反射させて3つ以上の光像を生成する光分岐素子を持
    ち、この光分岐素子が光学的バンドパスフィルタ機能を
    持つことを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  15. 【請求項15】 請求項9乃至14のいずれかに記載の
    波長選択型カメラ装置において、 前記各光学的バンドパスフィルタは、中心波長が短くな
    るほど、隣接した2つの光学的バンドパスフィルタの中
    心波長の差の絶対値が小さくなることを特徴とする波長
    選択型カメラ装置。
  16. 【請求項16】 請求項9乃至15のいずれかに記載の
    波長選択型カメラ装置において、 前記画像演算部によって生成された映像信号を判定回路
    に導き、この判定回路によって予め設定されているしき
    い値と前記映像信号のレベルとを比較させて、特定の波
    長の被写体画像の有無を判定させることを特徴とする波
    長選択型カメラ装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16のいずれかに記載の
    波長選択型カメラ装置において、 波長選択型カメラ装置の前に、光シャッタを配置し、こ
    の光シャッタを動作させて、前記波長選択型カメラ装置
    に間欠的に光像を供給する、 ことを特徴とする波長選択型カメラ装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の波長選択型カメラ
    装置において、 前記光シャッタは、ネマチック液晶、コレステリック液
    晶、スメクチック液晶、LiNbO3、LiTaO3、K
    DP、DKDP、PZT、GaAsなどの電気光学材料
    のいずれか、またはこれらの組み合わせによって構成さ
    れる、ことを特徴とする波長選択型カメラ装置。
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