JPH11273067A - 磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法、磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布装置および磁気ディスク媒体 - Google Patents

磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法、磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布装置および磁気ディスク媒体

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JPH11273067A
JPH11273067A JP10070360A JP7036098A JPH11273067A JP H11273067 A JPH11273067 A JP H11273067A JP 10070360 A JP10070360 A JP 10070360A JP 7036098 A JP7036098 A JP 7036098A JP H11273067 A JPH11273067 A JP H11273067A
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lubricant
magnetic disk
disk medium
solvent
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JP10070360A
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Yoshihiro Mitobe
善弘 水戸部
Eishin Yamakawa
栄進 山川
Ichiro Kobayashi
一朗 小林
Takuya Tomoi
拓哉 友井
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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    • B05D1/18Processes for applying liquids or other fluent materials performed by dipping
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮発性の溶剤を揮発させながら潤滑剤を磁気
ディスク媒体の表面に塗布する場合でも、正確に所定の
膜厚の潤滑剤層を形成できるようにする。 【解決手段】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液6
0中に磁気ディスク媒体50を浸漬した後に、磁気ディ
スク媒体50を溶液60から取り出し、磁気ディスク媒
体50の表面に付着した溶液60中の溶剤を揮発させる
ことにより磁気ディスク媒体50の表面に潤滑剤層58
を形成する磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法におい
て、溶液60の表面に、溶液60よりも比重が小さく、
かつ揮発しにくく、かつ溶液60に溶けない純水10か
ら成る液層10aを形成しておくことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク媒体
の表面に潤滑剤を塗布する方法と、塗布装置、およびこ
れらの方法により潤滑剤が塗布された磁気ディスク媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク媒体は、アルミニウム、ガ
ラス等から成る円板(ディスク)上に磁性体をコーティ
ングして成る記録媒体であり、データ記憶装置である磁
気ディスク装置の一部を成し、回転する軸に装着されて
高速回転する。磁気ヘッドはキャリッジ機構により支持
されてこの磁気ディスク媒体の表面にローディングさ
れ、高速回転する磁気ディスク媒体が発生するエアーに
より微小な高さ浮上し、この状態で磁気ディスク媒体の
径方向へ移動しつつ磁気ディスク媒体からデータを取り
出す。磁気ディスク媒体50の基本的な構成の概要は図
4に示すように、ディスク52の両表面に磁性体層54
が形成され、さらにその上に磁気ヘッドが磁気ディスク
媒体の表面に接触した際に磁性体層を保護する目的で約
10ナノメートルの厚さのカーボン層56が形成されて
いる。さらに、このカーボン層56の表面には磁気ヘッ
ドが磁気ディスク媒体の表面に接触した状態でスタート
またはストップするとき、これが円滑になされ、磁気デ
ィスク媒体の表面が損傷しないように潤滑剤層58が数
ナノメートルの膜厚で形成されている。なお、ここでは
ディスク52にカーボン層56まで形成されているが、
潤滑剤は未だ塗布されていない状態でも磁気ディスク媒
体50という。
【0003】そして、従来から潤滑剤層58を磁気ディ
スク媒体50の表面に潤滑剤を塗布して形成する方法と
しては種々あるが、例えば図5に示すように潤滑剤を揮
発性の溶剤(以下、単に溶剤とも言う)で希釈した溶液
60が入った容器62を用意し、この溶液60中に磁気
ディスク媒体50を浸漬する。そして磁気ディスク媒体
50を一定の速度で引き上げる。この一定の速度で引き
上げることにより、磁気ディスク媒体50の表面に付着
する溶液60の量は略一定となり、さらに磁気ディスク
媒体50の表面に付着した溶液60中の溶剤は当該表面
が空気中に露出した時点で揮発するので、後には潤滑剤
のみが残り、これにより磁気ディスク媒体50の表面に
潤滑剤層58が形成されるという方法(ディップ方法と
いう)である。
【0004】また、原理的にはディップ方法と同じであ
るがディップ方法とは逆に、図6に示すように磁気ディ
スク媒体50が収納可能な容器62内へ別の補助タンク
64に入った溶液60をポンプ66を作動させて供給し
たり、また容器62内の溶液60を再度補助タンク64
に排出することができる構成として、溶液60の排出時
に溶液60の表面が一定の速度で下降するようにし、磁
気ディスク媒体50を次第に露出させて溶液60から完
全に取り出し、ディスク表面に潤滑剤を塗布することで
潤滑剤層58を形成するという方法(液面降下方式とい
う)もある。ここで、潤滑剤としては一般的にはPFP
E(パーフロロポリエーテル)が用いられ、揮発性の溶
剤としては濃度の異なるPFPEや、PFC、HFE、
FCなどが用いられる。溶剤は単一種で使用するのが通
例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ディップ方式や液面降下方式のように溶剤を揮発させて
潤滑剤を磁気ディスク媒体の表面に塗布する方法では、
溶剤は磁気ディスク媒体に付着したものだけでなく、溶
液の表面からも揮発し、その量が減少する。よって、溶
液中の潤滑剤の濃度を一定にするためには溶剤を次々に
補充しなければならないが、このように補充を繰り返し
ていると現在使用している溶液中の潤滑剤の正確な濃度
が把握しにくく濃度管理が正確に行えないので、磁気デ
ィスク媒体の表面に形成された潤滑剤層の膜厚が変動す
る。このため、出荷する磁気ディスク媒体の潤滑剤層の
膜厚が一定の基準内に収まるように、ディップ作業後と
アフターベーク後に2回磁気ディスク媒体の潤滑剤層の
膜厚を確認して管理しているが、作業性が悪いという課
題がある。
【0006】従って、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、揮発性の溶剤を揮発さ
せながら潤滑剤を磁気ディスク媒体の表面に塗布する場
合でも、正確に所定の膜厚の潤滑剤層を形成できる磁気
ディスク媒体の潤滑剤塗布方法および塗布装置と、膜厚
が揃った潤滑剤層が形成された磁気ディスク媒体を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1の発明は、潤滑剤を揮発性の
溶剤で希釈した溶液中に磁気ディスク媒体を浸漬した後
に、該磁気ディスク媒体を前記溶液から取り出し、磁気
ディスク媒体の表面に付着した前記溶液中の前記溶剤を
揮発させることにより磁気ディスク媒体の表面に潤滑剤
層を形成する磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法におい
て、前記溶液の表面に、該溶液よりも比重が小さく、か
つ揮発しにくく、かつ溶液に溶けない液体から成る液層
を形成しておくことを特徴とする。ここで液体は具体的
には、純水が好適である。純水は溶剤よりも比重が小さ
く、揮発しにくく、また溶剤に溶け込まないためであ
る。また、純水は潤滑剤により弾かれやすいため、溶液
からの取り出しの際に磁気ディスク媒体に水が付着する
こともない。
【0008】また、本発明に係る請求項3の発明は、潤
滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中に磁気ディスク媒
体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒体を引き上げ、該
磁気ディスク媒体の表面に付着した前記溶液中の前記溶
剤を揮発させることにより磁気ディスク媒体の表面に潤
滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布装置に
おいて、前記溶液および該溶液よりも比重が小さく、か
つ揮発しにくく、かつ溶液に溶けない液体が収納され、
溶液の表面に該液体から成る液層が形成された容器と、
前記磁気ディスク媒体を前記液層を通過させて前記溶液
中に浸漬し、また溶液から液層を通過させて引き上げる
搬送手段とを具備することを特徴とする。
【0009】また、新しい前記溶液が収納された予備タ
ンクと、前記予備タンクから前記容器へ前記新しい溶液
を供給する供給手段と、前記容器中の前記溶液の液位を
検出する液位検出手段と、該液位検出手段が検出した検
出液位が予め設定された基準液位に近づくように前記供
給手段を制御して前記容器へ前記新しい溶液を供給する
制御手段とを設けることにより、自動的に容器内の溶液
の液位を一定にすることができる。
【0010】また、一方、新しい前記潤滑剤が収納され
た第1予備タンクと、新しい前記溶剤が収納された第2
予備タンクと、前記第1予備タンクから前記容器へ前記
潤滑剤を供給する第1供給手段と、前記第2予備タンク
から前記容器へ前記溶剤を供給する第2供給手段と、前
記容器中の前記溶液の液位を検出する液位検出手段と、
前記溶液中の前記潤滑剤の濃度を検出する濃度検出手段
と、該濃度検出手段が検出した検出濃度と予め設定され
た基準濃度とを比較して該検出濃度が該基準濃度に近づ
くように、かつ前記液位検出手段が検出した検出液位と
予め設定された基準液位とを比較して該検出液位が基準
液位に近づくように前記第1供給手段と前記第2供給手
段を制御して前記容器へ前記潤滑剤および/または前記
溶剤を供給する制御手段とを設けると、自動的に容器内
の溶液の液位を一定することができると共に、溶液中の
潤滑剤の濃度も一定にすることができる。
【0011】また、本発明に係る請求項6の発明は、潤
滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中に磁気ディスク媒
体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒体を引き上げ、該
磁気ディスク媒体の表面に付着した前記溶液中の前記溶
剤を揮発させることにより磁気ディスク媒体の表面に潤
滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布装置に
おいて、前記磁気ディスク媒体が収納される容器と、前
記溶液および該溶液よりも比重が小さく、かつ揮発しに
くく、かつ溶液に溶けない液体が収納された補助タンク
と、前記補助タンクから前記溶液および前記液体を前記
磁気ディスク媒体が収納された前記容器に供給して磁気
ディスク媒体を溶液に浸漬すると共に、溶液の表面に液
体からなる液層が形成された後に溶液および液体を容器
から排出する給排手段とを具備することを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る請求項7の発明は、潤
滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中に浸漬した後に、
該溶液から引き上げ、ディスク表面に付着した溶液中の
前記溶剤を揮発させることにより該ディスク表面に潤滑
剤層が形成されて成る磁気ディスク媒体において、前記
溶液の表面に、該溶液よりも比重が小さく、かつ揮発し
にくく、かつ溶液に溶けない液体から成る液層を形成
し、該液層を通過させて前記溶液中に浸漬し、その後溶
液から前記液層を通過させて取り出すことで前記ディス
ク表面に前記潤滑剤層が形成されて成ることを特徴とす
る。以上、請求項1乃至請求項7の発明によれば、潤滑
剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液の液面には、溶液より
も比重が小さく、かつ揮発しにくく、かつ溶液に溶けな
い液体から成る液層が形成されるから、溶液の表面から
の溶剤の揮発が抑制でき、溶液中の潤滑剤の濃度は大き
く変化しない。よって、濃度変化の少ない状態での潤滑
剤の塗布が可能となり、潤滑剤層の膜厚が揃う。また、
溶剤を補充するにしてもその量や回数が少ないので、潤
滑剤の濃度を一定に保つ潤滑剤の濃度管理が容易に行
え、磁気ディスク媒体に塗布する潤滑剤層の膜厚を一定
にすることも容易にできる。
【0013】また、本発明に係る請求項8記載の発明
は、潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中に磁気ディ
スク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒体を引き上
げ、磁気ディスク媒体の表面に付着した前記溶液中の前
記溶剤を揮発させることにより磁気ディスク媒体の表面
に潤滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方
法において、前記溶液中の前記潤滑剤の濃度を検出しつ
つ、検出濃度が予め決められた基準濃度に近づくように
潤滑剤および/または前記溶剤を前記容器へ供給するこ
とを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る請求項9記載の発明
は、潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中に磁気ディ
スク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒体を引き上
げ、磁気ディスク媒体の表面に付着した前記溶液中の前
記溶剤を揮発させることにより磁気ディスク媒体の表面
に潤滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布装
置において、前記溶液が収納された容器と、前記磁気デ
ィスク媒体を前記容器内の前記溶液に浸漬し、また溶液
から引き上げる搬送手段と、新しい前記潤滑剤が収納さ
れた第1予備タンクと、新しい前記溶剤が収納された第
2予備タンクと、前記第1予備タンクから前記容器へ前
記潤滑剤を供給する第1供給手段と、前記第2予備タン
クから前記容器へ前記溶剤を供給する第2供給手段と、
前記溶液中の前記潤滑剤の濃度を検出する濃度検出手段
と、該濃度検出手段が検出した検出濃度と予め設定され
た基準濃度とを比較して該検出濃度が該基準濃度に近づ
くように前記第1供給手段と前記第2供給手段を制御し
て前記容器へ前記潤滑剤および/または前記溶剤を供給
する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0015】以上、請求項8と請求項9の発明によれ
ば、溶液には、溶液中の潤滑剤の濃度が予め決められた
基準濃度に近づくように潤滑剤および/または溶剤が自
動的に供給されるため、揮発性の溶剤が溶液の表面から
揮発している状況下でも、溶液中の潤滑剤の濃度は大き
く変化しない。よって、磁気ディスク媒体に形成する潤
滑剤層の膜厚を一定にすることが容易にできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気ディスク
媒体の潤滑剤塗布方法、その方法を実施する塗布装置、
およびこの方法やこの装置により製造された磁気ディス
ク媒体の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に
説明する。以下に説明する各実施の形態は、従来例で説
明したディップ方式や液面降下方式のように潤滑剤を揮
発性の溶剤で希釈した溶液中に磁気ディスク媒体を浸漬
した後に、磁気ディスク媒体を溶液から取り出し、磁気
ディスク媒体の表面に付着した溶液中の溶剤を揮発させ
ることにより磁気ディスク媒体の表面に潤滑剤を塗布す
る磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法および塗布装置に
関するものである。なお、磁気ディスク媒体を溶液から
取り出すという意味には、ディップ方式の場合の磁気デ
ィスク媒体の溶液からの引き上げと、液面降下式の溶液
の表面を降下させて磁気ディスク媒体を溶液から露出さ
せるという双方の意味が含まれる。
【0017】(第1の実施の形態)本実施の形態は、磁
気ディスク媒体50の表面に所定の膜厚の潤滑剤層58
を形成するためには、溶液60中の潤滑剤の濃度変化を
少なくすれば良く、それを実現するには潤滑剤の濃度変
化の主要な要因となっている溶液60中の溶剤の揮発に
よる量の減少を抑制すれば良いという観点からなされた
ものである。
【0018】最初に、本発明に係る磁気ディスク媒体5
0の潤滑剤塗布方法について図1を用いて説明する。ま
ず、容器62に潤滑剤を溶剤で所定の濃度に希釈した溶
液60を収納し、次にこの溶液60よりも比重が小さ
く、かつ揮発しにくく、かつ溶液60に溶け込まない液
体10を容器62に収納する。この液体10としては異
物を含まない純水が好適であり、以下純水を用いた場合
について説明する。また、潤滑剤や溶剤は従来と同じも
のを使用する。容器62に収納された液体(純水)10
は溶液60よりも比重が軽いため、図1のように溶液6
0の表面に浮き上がり、純水10のみから構成された溶
液60の表面全体を覆う液層10aを形成する。
【0019】そして液層10aを形成する純水10は、
揮発しにくいので大気汚染を引き起こすことがなく、か
つ溶液に溶け込まない。逆に言えば液層10aには溶液
が溶け込まないために溶液60中の溶剤の溶液60表面
からの揮発が抑制され、溶液60中の潤滑剤の濃度変化
は従来のように溶剤が溶液60表面から常時揮発してい
る状態に比べて非常に少ない。よって、磁気ディスク媒
体50を液層10aを通過させて溶液60中に浸漬し、
その後磁気ディスク媒体50を一定の速度で溶液60か
ら再度液層10aを通過させて引き上げることにより、
溶液60中の潤滑剤の濃度変化が少ない状態で潤滑剤を
磁気ディスク媒体50の表面に塗布することができ、磁
気ディスク媒体50の表面に形成される潤滑剤層58の
膜厚を略均一にすることが可能となる。
【0020】ここで、磁気ディスク媒体50は液層10
aを通過して溶液60中に浸漬されるが、上述したよう
に磁気ディスク媒体50の表面にはカーボン層がコーテ
ィングされており、このカーボン層は水と濡れにくく
(接触角70度)、溶液60(具体的には溶剤)と濡れ
やすい(接触角10度以下)という性質を持つ。従っ
て、磁気ディスク媒体50を浸漬する際に、一旦液層1
0aを形成する純水10と接触するが、溶液60に達し
た時点ですぐに純水10が表面から離れ、溶液60と完
全に接触する。また、溶液60中に浸漬した磁気ディス
ク媒体50を溶液60から取り出す(ディップ式の場合
には引き上げ、液面降下式の場合には溶液60を容器6
2から排出して露出させる)際も、磁気ディスク媒体5
0は再度液層10aを通過するから磁気ディスク媒体5
0のディスク表面は再度純水10に接触するが、カーボ
ン層に溶液60が塗布された磁気ディスク媒体50の表
面は極端に水に濡れにくい(接触角90度)ために、表
面に水が残ることはない。よって、磁気ディスク媒体5
0の全表面から塗布された溶液60中の揮発性溶剤が全
体的に揮発することができ、むらのない潤滑剤の塗布が
従来と同様に行える。
【0021】続いて、上述した塗布方法を実施する磁気
ディスク媒体の潤滑剤塗布装置について図1を用いて説
明する。なお、塗布方法の説明に用いた構成と同じ構成
については同じ符号を付し、説明は省略する。また潤滑
剤塗布装置は一例としてディップ式とする。まず、基本
的な構成としては、溶液60および液体(純水)10が
収納され、溶液60の表面に純水の液層10aが形成さ
れた容器62と、磁気ディスク媒体50を搬送し、容器
62内の溶液60に浸漬したり、また溶液60から略垂
直に引き上げる搬送手段12とを具備すれば良い。な
お、磁気ディスク媒体50は例えば磁気ディスク媒体5
0を垂直に立てた状態で収納可能なバスケットに収納さ
れ、また磁気ディスク媒体50の中心の孔部に挿通され
た支持棒で保持される。そして搬送手段12はこのバス
ケットに収納された状態や支持棒で保持された状態の磁
気ディスク媒体50を搬送する。ここで、溶液60や純
水10中には磁気ディスク媒体50を浸漬した際に、磁
気ディスク媒体50のディスク表面に付着したゴミや塵
等の異物が混入する場合もあり、磁気ディスク媒体50
への潤滑剤の塗布作業を繰り返し行っていると、溶液6
0や純水10が汚れ、磁気ディスク媒体50にこれら異
物が付着して品質が低下するおそれがある。
【0022】そこで、本実施の形態では、容器62中の
溶液60や純水10を綺麗にしておくための機構が設け
られており、以下ではその機構について詳細に説明す
る。まず、溶液60を綺麗にする機構について図1を用
いて説明する。容器62には、溶液60を循環させなが
ら溶液60中の異物を濾過するための循環路14が取り
付けられており、循環路14には容器62中から溶液6
0を循環路14に導入するためのポンプ16と、循環路
14に導入された溶液60中の異物を濾過するためのフ
ィルタ18が取り付けられている。そしてポンプ16を
作動させて容器62の底に沈殿する異物を循環路14に
吸い込むと共に、フィルタ18で溶液60を濾過し、溶
液60の上層に供給する。これにより、磁気ディスク媒
体50を溶液60に浸漬した際に磁気ディスク媒体50
から溶液60内に混入した異物を取り除き、溶液60を
綺麗に保つことができる。
【0023】次に、純水10を綺麗にする機構について
説明する。容器62には純水10を容器62内に供給す
るための供給管20が挿入されている。本実施の形態で
は、供給管20の先端は溶液60中に浸入して溶液60
中に純水10を供給する構成となっている。供給された
純水10は溶液60よりも比重が小さいから上述したよ
うに溶液60の表面に浮いて液層10aを形成する。そ
して本実施の形態では純水10は連続して供給される。
また純水10で形成される液層10aの厚さは、溶液6
0の表面と容器62の開口部62aの口縁との間の距離
と同じ場合が最大であり、溶液60の量が略一定である
から最大の厚さも一定となる。よって、純水10はこの
ように連続供給されると容器62の開口部62aから溢
れる。ここで磁気ディスク媒体50は潤滑剤を塗布する
際に、まず純水10中を通過するのであるが、磁気ディ
スク媒体50の表面に付着したゴミや塵等の異物や汚れ
はこの際に純水10中に取り込まれ、若しくは溶け込
み、純水10は磁気ディスク媒体50のディスク表面を
清掃する作用も奏する。そこで、このように順次新しい
綺麗な純水10を液層10aの下方から供給し、純水1
0の上澄みは容器62から溢れさせて排出することによ
り、取り込まれた異物を純水10と共に外部に排出して
液層10aの純水10を綺麗に保つことで、この純水1
0の清掃作用を維持することができる。また、このよう
に磁気ディスク媒体50が持ち込んだ異物や汚れ、さら
には潤滑剤中に含まれる不純物が純水10に取り込ま
れ、若しくは溶け込んで、純水10と共に流れて排出さ
れるので、溶剤や潤滑剤、また溶液60全体の純度が高
いまま保持される。なお、容器62の外壁面の開口部6
2aの付近には排出された純水10を集めて排水するた
めの樋22が設けられている。
【0024】上記の例は潤滑剤塗布装置がディップ式の
場合であるが、液面降下式の潤滑剤塗布装置の構成につ
いて概要を説明する。なお、構成は図6に示す従来の潤
滑剤塗布装置の構成と略同じであるから同じ図6を用い
て説明する。そして同じ構成については同じ符号を付
し、詳細な説明は省略する。潤滑剤塗布装置は、従来例
と同様に磁気ディスク媒体50が収納される容器62
と、補助タンク64と、補助タンク64から溶液60等
を磁気ディスク媒体50が収納された容器62に供給
し、また容器62内に供給された各液を補助タンク64
に排出して戻すことができる給排手段(ポンプ等で構成
される)66を具備する。そして本実施の形態では、補
助タンク64には溶液60だけでなく純水10も収納さ
れ、容器62には両液が供給される。なお、補助タンク
64は、一例として1つでこのタンク64に2液(溶液
60と純水10)が収納されているが、各液毎にそれぞ
れ別個のタンクに収納されていても良い。
【0025】この塗布装置の動作は、容器62に磁気デ
ィスク媒体50を略垂直に収納し、その後給排手段66
により補助タンク64から溶液60と純水10を容器6
2内に供給する。溶液60と純水10とは分離し、純水
10は溶液60の表面に液層10aを形成する。ここで
溶液60の量は磁気ディスク媒体50全体が溶液60に
浸漬できる量とする。そして溶液60中に磁気ディスク
媒体50が浸漬して溶液60の表面に液層10aが形成
された後に、給排手段66により容器62内から溶液6
0と純水10を補助タンク64に、少なくとも磁気ディ
スク媒体50が完全に露出するまでは、純水の液層10
aが略一定の速度で降下するように排出する。これによ
り、露出した磁気ディスク媒体50の表面に溶液60が
略均一な厚さで付着し、付着した溶液60から溶剤が揮
発し、ディスク表面に潤滑剤層が形成される。そしてこ
の際、溶液60のみを排出し、純水10は容器62内に
残すようにすると、次の溶液60の容器62内への供給
時には既に容器62内には純水から成る液層10aが形
成されているため、溶液60を容器62内に液層10a
の下方から供給することにより液層10aを形成したま
まの状態で溶液60を容器62内に供給することがで
き、ディップ式と同様に溶液60に含まれる溶剤の揮発
を抑えることが可能となる。
【0026】また、ディップ式や液面降下式の両方式に
ついて言えることであるが、磁気ディスク媒体50に潤
滑剤を溶剤で希釈した溶液60を付着させ、その後溶剤
を揮発させて潤滑剤層を磁気ディスク媒体50の表面に
形成する方式の場合には次第に溶液60全体の量が減少
する。そこで、自動的に容器62内の溶液60を補充で
きる構成とすると都合がよい。図2を用いて、溶液60
を自動供給可能な潤滑剤塗布装置の構成を説明する。な
お、本実施の形態は前述の本発明に係るディップ式の潤
滑剤塗布装置に、容器62に溶液60を供給する供給機
構を設けた塗布装置であり、同じ構成については同じ符
号を付し、詳細な説明は省略する。また、液面降下式の
潤滑剤塗布装置の場合にも同様の供給機構を補助タンク
64に取り付ければ、補助タンク64に溶液60を補充
でき、結果として容器62内に供給される溶液60を補
充できるようになる。
【0027】この供給機構は、新しい溶液60が収納さ
れた予備タンク24と、予備タンク24から容器62へ
新しい溶液を供給する供給手段26と、容器62中の溶
液60の液位を検出する液位検出手段28と、液位検出
手段28が検出した検出液位が予め設定された基準液位
に近づくように供給手段26を制御して容器62へ新し
い溶液60を供給する制御手段30とからなる。ここで
供給手段26は一例として開閉弁であり、また液位検出
手段28はフロートを用いた検出装置や静電容量式液位
検出装置で構成される。また、制御手段30は例えば一
般的なICやトランジスタ等の電気回路素子を用いた電
気回路でも構成できるし、またマイクロコンピュータや
メモリ等を用いても構成可能である。
【0028】供給機構の動作について説明すると、液位
検出手段28は容器62中の溶液60の液位を常時検出
しており、液位を示す液位信号を出力する。そして制御
手段30ではこの液位信号が示す液位と基準液位とを比
較し、現在の溶液60の液位が基準液位よりも低い場合
には開閉弁26を開けて予備タンク24から新しい溶液
60を循環路14に供給する。循環路14では上述した
ように常時ポンプ16が作動して容器62内の溶液60
を取り込み、濾過し、再度容器62に戻す動作をしてい
るため、新しい溶液60もフィルタ18で濾過された溶
液60と共に容器62に供給され、溶液60が補充され
る。また、現在の溶液60の液位が基準液位に達した
ら、開閉弁26を閉じ、新たな溶液60の供給を停止す
る。以上の動作により、容器62内の溶液60の液位が
基準液位に保持される。
【0029】(第2の実施の形態)本実施の形態は、磁
気ディスク媒体50の表面に潤滑剤を塗布して潤滑剤層
58を形成する際に、その膜厚を揃えるためには溶液6
0中の潤滑剤の濃度変化を少なくすれば良く、それを実
現するには溶液60中の潤滑剤の濃度変化を検出して当
該濃度が一定となるように潤滑剤や溶剤を補充すれば良
いという観点からなされたものである。
【0030】最初に、本実施の形態の磁気ディスク媒体
の潤滑剤塗布方法について図3を用いて説明する。ま
ず、容器62に潤滑剤を溶剤で所定の濃度に希釈した溶
液60を収納する。なお、潤滑剤や溶剤は従来と同じも
のを使用する。そして、溶液60中の潤滑剤の濃度を検
出しつつ、検出濃度が予め決められた基準濃度に近づく
ように潤滑剤および/または揮発性溶剤を容器62へ供
給する。これにより、溶液60の表面から溶剤が揮発し
ていても、また磁気ディスク媒体50への潤滑剤の塗布
が繰り返し行われても、溶液60中の潤滑剤の濃度を基
準濃度付近で略一定にできる。よって、溶液60中に磁
気ディスク媒体50を浸漬し、その後磁気ディスク媒体
50を一定の速度で溶液60から引き上げることによ
り、溶液60中の潤滑剤の濃度変化が少ない状態で潤滑
剤を磁気ディスク媒体50に塗布することができ、磁気
ディスク媒体50の表面に形成される潤滑剤層58の膜
厚を所定の厚さに揃えることが可能となる。
【0031】続いて、上述した塗布方法を実施する磁気
ディスク媒体の潤滑剤塗布装置について図3を用いて説
明する。なお、塗布方法の説明に用いた構成と同じ構成
については同じ符号を付し、説明は省略する。また潤滑
剤塗布装置はディップ式とする。容器62には溶液60
が収納される。搬送手段12は、磁気ディスク媒体50
を保持して容器62内の溶液60に浸漬し、また溶液6
0から引き上げることができる。第1予備タンク32に
は新しい潤滑剤が収納されている。第2予備タンク34
には新しい溶剤が収納されている。第1供給手段38は
第1予備タンク32から容器62へ潤滑剤を供給するも
のであり、開閉弁やポンプを用いて構成される。第2供
給手段40は第2予備タンク34から容器62へ溶剤を
供給するものであり、開閉弁やポンプを用いて構成され
る。
【0032】濃度検出手段42は溶液60中の潤滑剤の
濃度を検出する機能を有する。そして濃度検出手段42
は、容器62内から濃度検出用の溶液60のサンプルを
引き上げる引き上げポンプ43と、このポンプ43で引
き上げられた溶液60のサンプルの濃度を検出する検出
部44と、容器62→ポンプ43→検出部44→容器6
2と溶液60を循環させる配管路46とから構成されて
いる。さらに詳細に検出部44について説明すると、配
管路46に介挿され、一例として光を透過する石英ガラ
スで構成された測定用セル44aと、測定用セル44a
にハロゲン光を当てる光源44bと、測定用セル44a
を基準として光源44bと反対側に設けられた受光セン
サ44cとから構成されている。この構成により、溶液
60中の潤滑剤の濃度が変化すれば、測定用セル44a
を介して受光センサ44cに入光する光源44bからの
光が変化するので、受光センサ44cからは濃度変化に
応じて変化する濃度信号を出力できる。
【0033】濃度制御手段48は、濃度検出手段42が
出力する濃度信号から現在の溶液60中の潤滑剤の濃度
を検出すると共に、この検出濃度(現在の濃度)と予め
設定された基準濃度とを比較して検出濃度が基準濃度に
近づくように第1供給手段38と第2供給手段40を制
御して、検出濃度が基準濃度に達しない場合には第1供
給手段38を作動させて第1予備タンク32から容器6
2へ潤滑剤を供給し、また検出濃度が基準濃度を越えた
場合には第2供給手段40を作動させて第2予備タンク
34から容器62へ溶剤を供給する。また場合によって
は潤滑剤と溶剤の流量を制御しつつ両方の液を同時に供
給する場合もある。これにより、容器62内の溶液60
の潤滑剤の濃度は略一定に維持することができ、磁気デ
ィスク媒体50への塗布作業を繰り返し行っても、各磁
気ディスク媒体50に形成される潤滑剤層58の膜厚を
所定の厚さに揃えることができる。図8は濃度を一定に
維持した状態で塗布動作を行った場合の潤滑剤層58の
膜厚のバラツキを示す図であり、図7に示す従来の潤滑
剤塗布装置により形成された潤滑剤層58の膜厚のバラ
ツキと比較して、バラツキが非常に少なくなる。
【0034】なお、本実施の形態では攪拌用羽根49を
容器62内の、濃度検出手段42の配管路46の溶液6
0の取り込み口の付近に設けて潤滑剤と溶剤とを良好に
混合し、正確な濃度を検出できるようにしているが、必
須のものではない。また、容器62は第1予備タンク3
2や第2予備タンク34から新しい潤滑剤と溶剤とが供
給され、潤滑剤を溶剤で希釈して溶液60とする前槽6
2aと、前槽62aからこの溶液60が入り込んで実際
に磁気ディスク媒体50が浸漬される処理槽62bと、
処理槽62bから溢れた溶液60を取り込み、攪拌用羽
根49でさらに潤滑剤と溶剤を混合して濃度検出手段4
2のためのサンプルとする後槽62cとから構成される
が、後槽62cを無くして濃度検出手段42のためのサ
ンプルは処理槽62bから採取するようにしても良い。
【0035】以上、第1の実施の形態と第2の実施の形
態において、溶液60中の揮発性溶剤の揮発を抑えて溶
液60中の潤滑剤の濃度変化を少なくし、磁気ディスク
媒体50に塗布する潤滑剤層58の膜厚を揃えるという
観点と、溶液60中の溶剤の揮発は行われるが、その分
だけ溶剤や潤滑剤を補充して溶液60中の潤滑剤の濃度
変化を少なくし、磁気ディスク媒体50に形成する潤滑
剤層58の膜厚を揃えるという観点の2つから成した発
明の実施の形態をそれぞれ説明してきたが、第1の実施
の形態に第2の実施の形態の構成を加え、溶液60中の
溶剤の揮発を抑えつつ、濃度を検出しながら溶剤や潤滑
剤を補充して溶液60中の潤滑剤の濃度変化をさらに少
なくして磁気ディスク媒体50に形成される潤滑剤層5
8の膜厚のバラツキを一層少なくするという構成も採用
可能である。
【0036】その構成の概要を説明する。なお、各実施
の形態で説明した構成と同様の構成は同じ符号を付し、
詳細な説明は省略する。第1の実施の形態の図1で示す
潤滑剤塗布装置の構成に、以下の構成を加えて潤滑剤塗
布装置を構成する。潤滑剤が収納された第1予備タンク
32と、溶剤が収納された第2予備タンク34と、第1
予備タンク32から容器62へ潤滑剤を供給する第1供
給手段38と、第2予備タンク34から容器62へ溶剤
を供給する第2供給手段40と、容器62内の溶液60
中の潤滑剤の濃度を検出する濃度検出手段42とを加え
る。これらは第2の実施の形態の潤滑剤塗布装置の構成
要素である。
【0037】そしてさらに、容器62中の溶液60の液
位を検出する液位検出手段28を加える。この液位検出
手段28は第1の実施の形態の図2で説明したものと同
じである。そして、濃度検出手段42が検出した検出濃
度と予め設定された基準濃度とを比較して検出濃度が基
準濃度に近づくように、かつ液位検出手段28が検出し
た検出液位と予め設定された基準液位とを比較して検出
液位が基準液位に近づくように第1供給手段38と第2
供給手段40を制御して容器62へ潤滑剤および/また
は溶剤を供給する制御手段を設ける。
【0038】以上、本発明の好適な実施の形態について
種々述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定
されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多
くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る請求項1乃至請求項7の発
明によれば、潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液の液
面には、溶液よりも比重が小さく、かつ揮発しにくく、
かつ溶液に溶けない液体から成る液層が形成されるか
ら、溶液の液面からの溶剤の揮発が抑制でき、溶液中の
潤滑剤の濃度は大きく変化しない。よって、潤滑剤の濃
度を一定に保つことが容易にでき、磁気ディスク媒体に
形成する潤滑剤層の膜厚を一定にすることが可能とな
る。また、溶剤を補充するにしてもその量や回数が少な
いので、潤滑剤の濃度を一定に保つという潤滑剤の濃度
管理が容易であり、また経済的であるという効果があ
る。また、溶剤の外気への揮発が抑制できるから、大気
を汚染することが少なく、オゾン破壊や地球温暖化を防
止でき、環境改善に貢献できるから、オゾン規制および
地球温暖化規制が叫ばれる今日にあった塗布方法であり
装置であると言える。また、液層内に、磁気ディスク媒
体が持ち込んだ異物や汚れ、また潤滑剤中に含まれる不
純物が溶けるので、磁気ディスク媒体の表面を綺麗にし
てからその表面に潤滑剤を塗布することができ、磁気デ
ィスク媒体の品質の向上が図れると共に、溶剤の純度が
高いまま保持することができ、潤滑剤の濃度管理が容易
となって経済的である。また、請求項8と請求項9の発
明によれば、溶液には、溶液中の潤滑剤の濃度が予め決
められた基準濃度に近づくように潤滑剤および/または
溶剤が自動的に供給されるため、溶剤が揮発している状
況下でも、溶液中の潤滑剤の濃度は大きく変化しない。
よって、磁気ディスク媒体に塗布する潤滑剤の膜厚を一
定にすることが容易にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潤滑剤塗布装置の第1の実施の形
態の一の例の構成を説明するための説明図である。
【図2】本発明に係る潤滑剤塗布装置の第1の実施の形
態の他の例の構成を説明するための説明図である。
【図3】本発明に係る潤滑剤塗布装置の第2の実施の形
態の構成を説明するための説明図である。
【図4】磁気ディスク媒体の構造を示す断面図である。
【図5】従来のディップ式潤滑剤塗布装置の概要構成を
示す説明図である。
【図6】従来の液面下降式潤滑剤塗布装置の概要構成を
示す説明図である。
【図7】図5のディップ式潤滑剤塗布方法や塗布装置に
より磁気ディスク媒体の表面に形成された潤滑剤の膜厚
のバラツキ具合を示すグラフである。
【図8】本発明に係るディップ式潤滑剤塗布方法や塗布
装置により磁気ディスク媒体の表面に形成された潤滑剤
の膜厚のバラツキ具合を示すグラフである。
【符号の説明】
10 純水 10a 液層 50 磁気ディスク媒体 58 潤滑剤層 60 溶液
フロントページの続き (72)発明者 小林 一朗 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 友井 拓哉 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中
    に磁気ディスク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒
    体を前記溶液から取り出し、磁気ディスク媒体の表面に
    付着した前記溶液中の前記溶剤を揮発させることにより
    磁気ディスク媒体の表面に潤滑剤層を形成する磁気ディ
    スク媒体の潤滑剤塗布方法において、 前記溶液の表面に、該溶液よりも比重が小さく、かつ揮
    発しにくく、かつ溶液に溶けない液体から成る液層を形
    成しておくことを特徴とする磁気ディスク媒体の潤滑剤
    塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記液体は純水であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法。
  3. 【請求項3】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中
    に磁気ディスク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒
    体を引き上げ、該磁気ディスク媒体の表面に付着した前
    記溶液中の前記溶剤を揮発させることにより磁気ディス
    ク媒体の表面に潤滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の
    潤滑剤塗布装置において、 前記溶液および該溶液よりも比重が小さく、かつ揮発し
    にくく、かつ溶液に溶けない液体が収納され、溶液の表
    面に該液体から成る液層が形成された容器と、 前記磁気ディスク媒体を前記液層を通過させて前記溶液
    中に浸漬し、また溶液から液層を通過させて引き上げる
    搬送手段とを具備することを特徴とする磁気ディスク媒
    体の潤滑剤塗布装置。
  4. 【請求項4】 新しい前記溶液が収納された予備タンク
    と、 前記予備タンクから前記容器へ前記新しい溶液を供給す
    る供給手段と、 前記容器中の前記溶液の液位を検出する液位検出手段
    と、 該液位検出手段が検出した検出液位が予め設定された基
    準液位に近づくように前記供給手段を制御して前記容器
    へ前記新しい溶液を供給する制御手段とを具備すること
    を特徴とする請求項3記載の潤滑剤塗布装置。
  5. 【請求項5】 新しい前記潤滑剤が収納された第1予備
    タンクと、 新しい前記溶剤が収納された第2予備タンクと、 前記第1予備タンクから前記容器へ前記潤滑剤を供給す
    る第1供給手段と、 前記第2予備タンクから前記容器へ前記溶剤を供給する
    第2供給手段と、 前記容器中の前記溶液の液位を検出する液位検出手段
    と、 前記溶液中の前記潤滑剤の濃度を検出する濃度検出手段
    と、 該濃度検出手段が検出した検出濃度と予め設定された基
    準濃度とを比較して該検出濃度が該基準濃度に近づくよ
    うに、かつ前記液位検出手段が検出した検出液位と予め
    設定された基準液位とを比較して該検出液位が基準液位
    に近づくように前記第1供給手段と前記第2供給手段を
    制御して前記容器へ前記潤滑剤および/または前記溶剤
    を供給する制御手段とを具備することを特徴とする請求
    項3記載の潤滑剤塗布装置。
  6. 【請求項6】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中
    に磁気ディスク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒
    体を引き上げ、該磁気ディスク媒体の表面に付着した前
    記溶液中の前記溶剤を揮発させることにより磁気ディス
    ク媒体の表面に潤滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の
    潤滑剤塗布装置において、 前記磁気ディスク媒体が収納される容器と、 前記溶液および該溶液よりも比重が小さく、かつ揮発し
    にくく、かつ溶液に溶けない液体が収納された補助タン
    クと、 前記補助タンクから前記溶液および前記液体を前記磁気
    ディスク媒体が収納された前記容器に供給して磁気ディ
    スク媒体を溶液に浸漬すると共に、溶液の表面に液体か
    らなる液層が形成された後に溶液および液体を容器から
    排出する給排手段とを具備することを特徴とする磁気デ
    ィスク媒体の潤滑剤塗布装置。
  7. 【請求項7】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中
    に浸漬した後に、該溶液から引き上げ、ディスク表面に
    付着した溶液中の前記溶剤を揮発させることにより該デ
    ィスク表面に潤滑剤層が形成されて成る磁気ディスク媒
    体において、 前記溶液の表面に、該溶液よりも比重が小さく、かつ揮
    発しにくく、かつ溶液に溶けない液体から成る液層を形
    成し、 該液層を通過させて前記溶液中に浸漬し、その後溶液か
    ら前記液層を通過させて取り出すことで前記ディスク表
    面に前記潤滑剤層が形成されて成ることを特徴とする磁
    気ディスク媒体。
  8. 【請求項8】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中
    に磁気ディスク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒
    体を引き上げ、磁気ディスク媒体の表面に付着した前記
    溶液中の前記溶剤を揮発させることにより磁気ディスク
    媒体の表面に潤滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の潤
    滑剤塗布方法において、 前記溶液中の前記潤滑剤の濃度を検出しつつ、検出濃度
    が予め決められた基準濃度に近づくように潤滑剤および
    /または前記溶剤を前記容器へ供給することを特徴とす
    る磁気ディスク媒体の潤滑剤塗布方法。
  9. 【請求項9】 潤滑剤を揮発性の溶剤で希釈した溶液中
    に磁気ディスク媒体を浸漬した後に、該磁気ディスク媒
    体を引き上げ、磁気ディスク媒体の表面に付着した前記
    溶液中の前記溶剤を揮発させることにより磁気ディスク
    媒体の表面に潤滑剤層を形成する磁気ディスク媒体の潤
    滑剤塗布装置において、 前記溶液が収納された容器と、 前記磁気ディスク媒体を前記容器内の前記溶液に浸漬
    し、また溶液から引き上げる搬送手段と、 新しい前記潤滑剤が収納された第1予備タンクと、 新しい前記溶剤が収納された第2予備タンクと、 前記第1予備タンクから前記容器へ前記潤滑剤を供給す
    る第1供給手段と、 前記第2予備タンクから前記容器へ前記溶剤を供給する
    第2供給手段と、 前記溶液中の前記潤滑剤の濃度を検出する濃度検出手段
    と、 該濃度検出手段が検出した検出濃度と予め設定された基
    準濃度とを比較して該検出濃度が該基準濃度に近づくよ
    うに前記第1供給手段と前記第2供給手段を制御して前
    記容器へ前記潤滑剤および/または前記溶剤を供給する
    制御手段とを具備することを特徴とする潤滑剤塗布装
    置。
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