JPH11264777A - 物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体 - Google Patents

物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体

Info

Publication number
JPH11264777A
JPH11264777A JP6750998A JP6750998A JPH11264777A JP H11264777 A JPH11264777 A JP H11264777A JP 6750998 A JP6750998 A JP 6750998A JP 6750998 A JP6750998 A JP 6750998A JP H11264777 A JPH11264777 A JP H11264777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
residual stress
stress
value
point
difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6750998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3241658B2 (ja
Inventor
Yukitaka Murakami
敬宜 村上
Shigefumi Kihara
茂文 木原
Satoshi Yano
敏 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP06750998A priority Critical patent/JP3241658B2/ja
Publication of JPH11264777A publication Critical patent/JPH11264777A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3241658B2 publication Critical patent/JP3241658B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体内部の真の残留応力値の近似値を算出す
ることができる物体内部残留応力検出方法を、提供す
る。 【解決手段】測定値入力部11は、検査対象物体の表面
における注目点,及びその近傍点でのX線測定による残
留応力実測値,及び、注目点を含む領域における素材除
去後の注目点,及び上記近傍点でのX線測定による残留
応力実測値の入力を、受け付ける。応力変化量計算部1
2は、上記近傍点での素材除去前における残留応力実測
値と素材除去後における残留応力実測値との差分を算出
する。荷重値設定部13,有限要素解析部14及び目的
関数計算部15は、上記差分に応じた応力を発生させる
ために素材除去面に加えるべき荷重値を算出し、算出し
た荷重を加えたときに注目点に生ずべき応力値を算出す
る。内部応力推定部16は、算出された応力値に注目点
での残留応力実測値を加算することによって、物体内部
残留応力の近似値を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、素材除去後に現れたの
物体表面を実測して得た応力測定値に基づいて物体内部
の真の残留応力値の近似値を算出するための物体内部残
留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】物体表面の残留応力は、X線測定するこ
とによって実測することができる。また、伝統的手法と
して、ひずみゲージを用いた実測値に基づいて計算する
ことも可能でる。しかしながら、物体内部の残留応力に
関しては、これを直接実測する方法は未だ実現されてい
ない。そのため、従来、物体内部の残留応力を検出する
ためには、物体内部の注目点(測定対象点)が露出する
まで物体表面の素材を除去し、露出した新たな表面の残
留応力をX線測定等の方法によって実測していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、素材を
除去してしまうと、除去前において物体内部で有限の値
で釣り合っていた内部力が解放されて零になってしまう
ので、応力の再配分が生じ、物体表面に生じる応力の状
態は除去前の状態とは全く異なったものとなってしま
う。そのため、従来の手法で得られる物体内部残留応力
は、真の値とは全く異なったものでしかなかった。
【0004】そこで、本発明は、従来における以上の問
題点に鑑み、素材除去によって開放された内部力に因る
応力値の推定値を実測値に加算することによって、物体
内部の真の残留応力値の近似値を算出することができる
物体内部残留応力検出方法及び物体内部残留応力検出プ
ログラムを格納したコンピュータ可読媒体の提供を、課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下の構成を採用した。即ち、請求項1
記載の物体内部残留応力検出方法は、検査対象物体表面
における注目点の近傍点での第1残留応力を実測する第
1測定段階と、前記検査対象物体における前記注目点を
含むが前記近傍点を含まない領域から素材を除去する素
材除去段階と、この素材の除去によって前記検査対象物
体に形成された素材除去面における前記注目点の直下の
内部注目点での第2残留応力を実測するとともに前記近
傍点での第3残留応力を実測する第2測定段階と、前記
第1残留応力と前記第3残留応力との差分を算出する差
分算出段階と、前記差分に相当する応力を前記近傍点に
発生させるために前記素材除去面に加えるべき荷重値を
推定する荷重値推定段階と、推定された荷重値を前記素
材除去面に加えた時に前記内部注目点に生ずべき応力を
推定する応力推定段階と、推定された応力を前記第2残
留応力に加算する物体内部残留応力算出段階とからなる
ことを、特徴とする。
【0006】このような方法に従って物体内部応力検出
を実行すれば、第1残留応力値と第3残留応力値との差
分は、検査対象物体からの素材除去によって解放された
内部力に起因する応力に相当すると考えられるので、こ
の差分に相当する応力を近傍点に発生させることができ
る素材除去面への荷重値を推定すれば、この推定された
荷重値は、前記内部力に等しいと考えることができる。
また、この内部力を前記素材除去面に加えた時に内部注
目点に発生する応力値を推定すれば、この推定された応
力は、前記内部力の解放によって失われた応力であると
考えることができる。そこで、この推定された応力を第
2残留応力に加算することによって、真の物体内部残留
応力に極近似した値を推定することができるのである。
【0007】請求項2記載の物体内部残留応力検出方法
は、請求項1の荷重値推定段階では、前記素材除去面を
含む前記検査対象物体の形状を多数の節点によって示す
数値計算用物体形状モデルにおける前記素材除去面をな
す各節点に任意の荷重値を夫々設定し、荷重値が設定さ
れた数値計算用物体形状モデルに基づいて数値解析を実
行して前記近傍点に生じる残留応力を算出し、算出され
た残留応力と前記差分との差が所定許容値以下であれ
ば、前記数値計算用物体形状モデルに設定された荷重が
前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生させるため
に前記素材除去面に加えるべき荷重値であると推定する
ことで、特定したものである。
【0008】この数値解析としては、有限要素解析や境
界要素解析を用いることができる。請求項3記載の物体
内部残留応力検出方法は、請求項2の荷重推定段階で
は、前記算出された残留応力と前記差分との差が前記所
定許容値を超えていれば、前記数値計算用物体形状モデ
ルにおける前記素材除去面をなす各節点に設定された荷
重値を変更した後に、前記数値解析を再実行すること
で、特定したものである。
【0009】請求項4記載の物体内部残留応力検出方法
は、請求項3において、数値計算用物体形状モデルにお
ける前記素材除去面をなす各節点に設定された荷重値を
変更する際には、前記算出された残留応力と前記差分と
の差が小さくなるように、感度解析後逐次2次計画法等
により前記荷重値を変更することで、特定したものであ
る。
【0010】請求項5記載の物体内部残留応力検出方法
は、請求項1において、近傍点を複数個設定すること
で、特定したものである。請求項6記載の物体内部残留
応力検出方法は、請求項2又は3の数値解析が有限要素
解析又は境界要素解析であることで、特定したものであ
る。
【0011】請求項7記載のコンピュータ可読媒体に格
納された物体内部残留応力検出プログラムは、コンピュ
ータに対して、検査対象物体表面における注目点の近傍
点で実測された第1残留応力を読み込ませ、前記検査対
象物体における前記注目点を含むが前記近傍点を含まな
い領域から素材を除去した後で、前記素材の除去によっ
て前記検査対象物体に形成された素材除去面における前
記注目点の直下の内部注目点で実測された第2残留応力
及び前記近傍点で実測された第3残留応力を読み込ま
せ、前記第1残留応力と前記第3残留応力との差分を算
出させ、前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生さ
せるために前記素材除去面に加えるべき荷重値を推定さ
せ、推定された荷重値を前記素材除去面に加えた時に前
記内部注目点に生ずべき応力値を推定させ、推定された
応力を前記第2残留応力に加算させることを特徴とす
る。
【0012】請求項8記載のコンピュータ可読媒体に格
納された物体内部残留応力検出プログラムは、コンピュ
ータに対して、前記荷重を推定させるために、前記素材
除去面を含む前記検査対象物体の形状を多数の節点によ
って示す数値計算用物体形状モデルを読み込ませ、この
数値計算用物体形状モデルにおける前記素材除去面をな
す各節点に任意の荷重値を夫々設定させ、荷重値が設定
された数値計算用物体形状モデルに基づいて数値解析を
実行させて前記近傍点に生じる残留応力を算出させ、算
出された残留応力と前記差分との差が所定許容値以下で
あれば、前記数値計算用物体形状モデルに設定された荷
重が前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生させる
ために前記素材除去面に加えるべき荷重値であると推定
させることで、特定したものである。
【0013】請求項9記載のコンピュータ可読媒体に格
納された物体内部残留応力検出プログラムは、コンピュ
ータに対して、前記算出された残留応力と前記差分との
差が前記所定許容値を超えていれば、前記数値計算用物
体形状モデルにおける前記素材除去面をなす各節点に設
定された荷重値を変更させた後に、前記数値解析を再実
行させることで、特定したものである。
【0014】請求項10記載のコンピュータ可読媒体に
格納された物体内部残留応力検出プログラムは、コンピ
ュータに対して、前記数値計算用物体形状モデルにおけ
る前記素材除去面をなす各節点に設定された荷重値を変
更させる際には、前記算出された残留応力と前記差分と
の差が小さくなるように、感度解析度逐次2次計画法等
により、前記荷重値を変更させることで、特定したもの
である。
【0015】請求項11記載のコンピュータ可読媒体に
格納された物体内部残留応力検出プログラムは、コンピ
ュータに対して、前記近傍点を複数個設定させること
で、特定したものである。
【0016】請求項12記載の発明は、請求項8又は9
の数値解析が有限要素解析又は境界要素解析であること
で、特定したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。 (物体内部残留応力検出の原理)本実施形態による物体
内部残留応力検出の原理は、素材除去前後における注目
点の近傍点(素材除去される領域外における物体表面上
の点)の応力実測値の変化量に基づき、この変化量と同
量の応力を生じさせるために素材除去面(素材除去によ
って生じた穴の内面)に加えるべき荷重,及び、この荷
重を素材除去面に加えた時に注目点に生じるであろう応
力を有限要素解析によって求め、求めた応力を注目点の
応力実測値に加算することによって物体内部の真の残留
応力の近似値を算出するというものである。以下、この
原理を詳しく説明する。
【0018】図4乃至図6は、検出の第1ステップを示
す図である。これら各図に示すように、検出の第1ステ
ップでは、従来の手法と同じく、検査対象物体における
注目点a0を含むが近傍点a1〜a4を含まない領域での
素材除去を行うとともに、露出した素材除去面において
注目点a0に生じる残留応力(σxi0,σyi0,σzi0,但
し、iは素材除去の回数を示す。即ち、i=0は図4に
示す素材除去前における実測値を示し、i=1は図5に
示す1回目の素材除去時における実測値を示し、i=2
は図6に示す2回目の素材除去時における実測値を示
す)をX線測定によって実測する。ここで、検査対象物
体における「注目点a0」とは、素材除去前の物体表面
と平行に設定したx−y座標における特定の座標値を有
する全ての点を指す。但し、素材除去前の表面に位置す
る注目点a0を特に「表面注目点」と言い、素材除去後
に素材除去面に露出する注目点a0を特に「内部注目
点」と言うものとする。
【0019】本実施形態においては、上述したように、
注目点a0でのX線測定を行うと同時に、注目点a0の近
傍点a1〜a4に生じる残留応力(σxij,σyij
σzij,但し、jは各近傍点の識別番号を示す)をもX
線測定によって実測し、物体表面での残留応力の分布を
調べる。従って、近傍点の数が多ければ多いほど、検出
結果の精度が向上する。
【0020】素材除去後のX線測定を完了すると、その
時点における各近傍点a1〜a4の残留応力実測値(σ
xij,σyij,σzij)から素材除去前における残留応力
実測値(σx0j,σy0j,σz0j)を減算して、応力変化
量(Δσxij=σxij−σx0j,Δσyij=σyij−σy0j
Δσzij=σzij−σz0j)を算出する。その結果、図5
に示す1回目の素材除去時には応力変化量(Δσx1j
σx1j−σx0j,Δσy1j=σ y1j−σy0j,Δσz1j=σ
z1j−σz0j)が得られ、図6に示す2回目の素材除去時
には応力変化量(Δσx2j=σx2j−σx0j,Δσy2j=σ
y2j−σy0j,Δσz2j=σz2j−σz0j)が得られる。
【0021】次に実行される検出の第2ステップでは、
検査対象物体の形状を多数の節点で示す数値計算用物体
形状(以下、「計算モデル」という)をコンピュータに
入力し、この計算モデルに対して有限要素解析を実行す
る。
【0022】この計算モデルを構成するメッシュ(各節
点間を結ぶ線からなる格子)は、各回の素材除去によっ
て形成された素材除去面の形状に沿った形で設定されて
いる。即ち、計算モデルの最上層を構成するメッシュは
平面状に設定されているが、除去される素材に対応する
領域の下方においては、素材除去面の形状通りにメッシ
ュが設定されている。図7は、初期状態の計算モデルか
ら1回目の素材除去により除去される素材に対応するメ
ッシュを除去した状態,即ち、1回目の素材除去によっ
て形成される素材除去面に対応したメッシュが露出した
状態を示している。また、図7における素材除去面に対
応したメッシュの下には、2回目の素材除去によって形
成される素材除去面に対応したメッシュが存在してい
る。このように設定されるメッシュにおける各節点が、
有限要素として有限要素解析の計算に用いられる。
【0023】有限要素解析では、素材除去の各段階毎
に、除去された素材に対応したメッシュを計算モデルか
ら除去し、除去によって表れた素材除去面上の節点(以
下、「内部作用点」という)の全てに夫々任意の荷重値
(Pxk,Pyk,Pzk,但し、kは内部作用点の識別番号
を示す)を作用させ(以下、当該荷重値を「作用点の反
力」ともいう)、これら各作用点の反力に起因して各接
点に生じる応力値を算出する。
【0024】次に、有限要素解析によって算出された各
接点の応力値から、各近傍点a1〜a4に対応する節点に
生じる応力値(σ'xj,σ'yj,σ'zj)を抽出する。そ
して、各近傍点a1〜a4毎に、抽出された各応力値
(σ'xj,σ'yj,σ'zj)とその素材除去の段階におけ
る応力変化量(Δσxij,Δσyij,Δσzij)との差分
の二乗和を計算し、各近傍点a1〜a4について算出され
た各二乗和の総和を計算する。即ち、下記目的関数を計
算する。そして、目的関数の値(FUNK)が所定の許容値
以下であるか否かをチェックする。
【0025】
【数1】
【0026】そして、目的関数の値(FUNK)が所定許容
値を超えていれば、感度解析後最適化逐次二次計画法に
より、この目的関数の値(FUNK)を小さくすることがで
きる各作用点の反力の値(Pxk,Pyk,Pzk)を求め、
求めた各作用点の反力の値(P xk,Pyk,Pzk)に基づ
いて有限要素解析を再実行する。
【0027】このようにして、目的関数の値(FUNK)を
小さくする様追い込んでいった結果、目的関数の値(FU
NK)が所定許容値以下になった場合、その時点での有限
要素解析に用いられた各作用点の反力の値(Pxk
yk,Pzk)は、その段階の素材除去によって解放され
た内部力に相当すると考えることができ、その時点での
有限要素解析によって算出された各接点の応力値は、当
該内部力の解放に因る残留応力実測値の減少分に相当す
ると考えられる。そこで、有限要素解析によって内部注
目点a0について算出された応力値(σ'x0,σ'y0,σ'
z0)とその素材除去の段階における当該内部注目点a0
の残留応力実測値(σxi0,σyi0,σzi0)とを加算
し、加算結果(σxi=σxi0+σ'x0,σyi=σyi0+σ'
y0,σzi=σzi0+σ'z0)を、その段階において素材除
去された深さにおける内部注目点a0での物体内部残留
応力値の推定値とする。
【0028】このようにして各素材除去段階における注
目点a0の内部残留応力(の近似値)を検出すると、物
体の深さ方向における残留応力分布を知ることができる
のである。 (物体内部応力計算用コンピュータ)次に、以上に説明
した物体内部残留応力検出原理に従って物体内部残留応
力を計算する物体内部残留応力計算用コンピュータの構
成を説明する。図1のブロック図に示すように、この物
体内部応力計算用コンピュータは、物体内部残留応力計
算プログラムを格納したフロッピーディスクFDから当
該物体内部残留応力計算プログラムを読み出して実行す
るパーソナルコンピュータである。具体的には、物体内
部残留応力計算用コンピュータは、互いにバスBによっ
て接続されたCPU1,RAM2,ディスクドライブ
3,キーボード4,バスコントローラ5,及びVRAM
6と、このVRAM6に接続されたディスプレイ7とか
ら、構成されている。
【0029】これらのうち、バスコントローラ5は、バ
スBの状態を管理する装置である。キーボード4は、C
PU1に対する各種コマンドを入力するためにオペレー
タによって操作される装置である。
【0030】ディスプレイ7は、CPU1から指示され
た各種の情報を表示するための表示装置である。VRA
M6は、ディスプレイ7によって表示されるべき情報が
書き込まれる画像メモリである。
【0031】ディスクドライブ3は、CPU1からの指
示に基づき、コンピュータ可読媒体であるフロッピーデ
ィスクFDにアクセスして、このフロッピーディスクF
Dに格納されている物体内部残留応力計算プログラムを
読み出す装置である。
【0032】RAM2は、CPU1の作業領域が展開さ
れる主記憶装置であり、フロッピーディスクFDから読
み出された物体内部残留応力計算プログラムが、CPU
1による処理に備えてページングされる。なお、このR
AM2内には、CPU1が物体内部残留応力計算プログ
ラムを実行することにより、測定値保持部21,応力変
化量保持部22,及び、計算モデル保持部23が、形成
される。
【0033】コンピュータであるCPU1は、物体内部
残留応力計算用コンピュータ全体の制御を行う中央処理
装置であり、プロッピーディスクFDから読み込んだ物
体内部残留応力計算プログラムを実行することによっ
て、素材除去をしつつ検出対象物体をX線測定して得た
残留応力実測値(σxij,σyij,σzij)に基づいて、
物体内部における残留応力分布を検出する。なお、物体
内部残留応力計算プログラムを読み込んだCPU1は、
図1に示すように、測定値入力部11,応力変化量計算
部12,荷重値設定部13,有限要素解析部14,目的
関数計算部15,及び内部応力推定部16の各機能を、
生じる。
【0034】これらのうち、測定値入力部11は、オペ
レータに対して残留応力実測又は/及び素材除去及び実
測値の入力を促す表示をディスプレイ7上で行うととも
に、これに応じてオペレータがキーボード4を介して入
力した残留応力実測値の各方向成分を、各変数σxij
σyij,σzijに代入して、RAM2内の測定値保持部2
1に格納する。
【0035】応力変化量計算部12は、測定値保持部2
1に格納されている各近傍点a1〜a4の素材除去前にお
ける残留応力実測値の各方向成分(σx0j,σy0j,σ
z0j)及び素材除去後における残留応力実測値の各方向
成分(σxij,σyij,σzij)に基づいて応力変化量の
各方向成分(Δσxij,Δσyij,Δσzij)を計算し、
算出した応力変化量の各方向成分(Δσxij,Δσyij
Δσzij)を応力変化量保持部22に格納する。
【0036】荷重値設定部13は、RAM2内の計算モ
デル保持部23に保持されている計算モデルの各内部作
用点に夫々上記荷重値(Pxk,Pyk,Pzk)を設定す
る。このとき、荷重値設定部13は、初期においては荷
重値(Pxk,Pyk,Pzk)を任意に設定する。それ以降
は、目的関数計算部15における処理の結果に基づいて
上記感度解析後の最適化逐次2次計画法を実行し、これ
によって求められた荷重値(Pxk,Pyk,Pzk)を計算
モデルの各内部作用点に設定する。
【0037】有限要素解析部14は、計算モデル保持部
23に保持されている計算モデルに基づいて上述した有
限要素解析を行い、各接点に生じる応力値を算出し、算
出した各応力値を目的関数計算部15に通知する。
【0038】目的関数計算部15は、有限要素解析部1
4から通知された各応力値から各近傍点a1〜a4に対応
した各節点に生じる応力値(σ'xj,σ'yj,σ'zj)を
抽出するとともに、応力変化量保持部22に保持されて
いる各近傍点a1〜a4の応力変化量(Δσxij,Δ
σyij,Δσzij)を読み出し、これらに基づいて上記目
的関数を計算する。そして、目的関数の値(FUNK)が所
定許容値を超えていれば、荷重値設定部13に対して新
たな荷重値(Pxk,Pyk,Pzk)の設定を指示し、目的
関数の値(FUNK)が所定許容値以下となっていれば、有
限要素解析部14から通知された各応力値から内部注目
点a0に対応した節点に生じる応力値(σ'x0,σ'y0
σ'z0)を抽出して、内部応力推定部16に通知する。
【0039】内部応力推定部16は、目的関数計算部1
5から通知された応力値の各方向成分(σ'x0,σ'y0
σ'z0)に測定値保持部21に保持されている内部注目
点a0の物体内部残留応力実測値の各方向成分(σxi0
σyi0,σzi0)を加算することによって、注目点a0
内部残留応力の推定値(σxi,σyi,σzi)を計算し、
これをディスプレイ7上に表示する。 (プログラムの内容)次に、フロッピーディスクFDか
ら物体内部残留応力算出プログラムを読み込んだCPU
1が実行する処理の流れを、図2及び図3に基づいて説
明する。
【0040】CPU11は、キーボード14を介して操
作者によってスタートコマンドが入力されると、図2の
「スタート」位置から物体内部残留応力算出プログラム
の実行を開始する。
【0041】スタート後最初のS01では、CPU1
は、素材除去の回数を示す変数iを初期化して“0”と
設定する。次のS02では、CPU1は、検査対象物体
の表面注目点a0の残留応力の実測を促す旨をディスプ
レイ7上に表示するとともに、この表示に応じてキーボ
ード4を介して入力された残留応力実測値の各方向成分
を各変数σx00,σy00,σ z00に代入する。
【0042】次のS03では、CPU1は、検査対象物
体の表面における各近傍点a1〜a4の残留応力(第1残
留応力)の実測を促す旨をディスプレイ7上に表示する
とともに、この表示に応じてキーボードを介して入力さ
れた近傍点a1の残留応力実測値の各方向成分を各変数
σx01,σy01,σz01に、近傍点a2の残留応力実測値の
各方向成分を各変数σx02,σy02,σz02に、近傍点a3
の残留応力実測値の各方向成分を各変数σx03,σy03
σz03に、近傍点a4の残留応力実測値の各方向成分を各
変数σx04,σy04,σz04に、夫々代入する(第1測定
段階に相当)。
【0043】次に、CPU1は、素材除去の各段階にお
ける応力変化量(Δσxij,Δσyij,Δσzij)を得る
ために、S04乃至S09のループ処理を実行する。こ
のループ処理に入って最初のS04では、CPU1は、
検査対象物体における注目点a0を含むが各近傍点a1
4を含まない領域の素材を規定量(深さ)だけ除去す
る様促す旨を、ディスプレイ7上に表示する(素材除去
段階に相当)。
【0044】次のS05では、CPU1は、変数iを一
つインクリメントする。次のS06では、CPU1は、
検査対象物体の素材除去面における内部注目点a0の残
留応力(第2残留応力)の測定を促す旨をディスプレイ
7上に表示するとともに、この表示に応じてキーボード
4を介して入力された残留応力実測値の各方向成分を各
変数σxi0,σyi0,σzi0に代入する。
【0045】次のS07では、CPU1は、検査対象物
体の表面における各近傍点a1〜a4の残留応力(第3残
留応力)の実測を促す旨をディスプレイ7上に表示する
とともに、この表示に応じてキーボードを介して入力さ
れた近傍点a1の残留応力実測値を各変数σxi1
σyi1,σzi1に、近傍点a2の残留応力実測値の各方向
成分を各変数σxi2,σyi2,σzi2に、近傍点a3の残留
応力実測値の各方向成分を各変数σxi3,σyi3,σzi3
に、近傍点a4の残留応力実測値の各方向成分を各変数
σxi4,σyi4,σzi4に、夫々代入する。以上のS06
及びS07が第2測定段階に相当する。
【0046】次のS08では、CPU1は、各変数に対
して以下の差分算出演算を実行し、各近傍点a1〜a4
応力変化量の各方向成分を示す各変数(Δσxij,Δσ
yij,Δσzij)に代入する(差分算出段階に相当)。
【0047】
【数2】 Δσxi1=σxi1−σx01,Δσyi1=σyi1−σy01,Δσzi1=σzi1−σz01 Δσxi2=σxi2−σx02,Δσyi2=σyi2−σy02,Δσzi2=σzi2−σz02 Δσxi3=σxi3−σx03,Δσyi3=σyi3−σy03,Δσzi3=σzi3−σz03 Δσxi4=σxi4−σx04,Δσyi4=σyi4−σy04,Δσzi4=σzi4−σz04 次のS09では、CPU1は、検査対象物体からの素材
除去が目的とする深さまで達したか否かを、現時点での
変数iの値に基づいてチェックする。そして、未だ検査
対象物体からの素材除去が目的とする深さまで達してい
ない場合には、CPU1は、処理をS04に戻す。これ
に対して検査対象物体からの素材除去が目的とする深さ
まで達している場合には、CPU1は、処理をS10に
進める。
【0048】S10では、CPU1は、フロッピーディ
スク3から計算モデルを読み出して、計算モデル保持部
23に格納する。次のS11では、CPU1は、変数i
を“1”に設定し直す。
【0049】次に、CPU1は、計算モデル上で素材
(メッシュ)の除去を行いつつ内部応力値の近似値を算
出するために、S12乃至S22のループ処理を実行す
る。このループ処理に入って最初のS12では、CPU
1は、計算モデル上で規定量の素材(メッシュ)の除去
を行い、現在の露出面下に存する素材除去面のメッシュ
を露出させる。
【0050】次のS13では、CPU1は、計算モデル
の素材除去面に位置する各内部作用点に、夫々、任意の
荷重値(Pxk,Pyk,Pzk)を設定する。次に、CPU
1は、各近傍点a1〜a4の応力変化量に近似した応力値
を発生させる荷重値を推定するために、S14乃至S1
7のサブループ処理を実行する(荷重値推定段階に相
当)。このサブループ処理に入って最初のS14では、
CPU1は、S13(又はS18)にて設定された各荷
重値(Pxk,Pyk,Pzk)を作用させた場合における各
節点(内部注目点a0及び各近傍点a1〜a4)の応力値
(の各方向成分)を、有限要素解析によって算出する。
【0051】次のS15では、CPU1は、S14にて
算出した各応力値の各方向成分から、各近傍点a1〜a4
に対応する節点に生じる応力値の各方向成分(σ'xj
σ'yj,σ'zj)を抽出する。
【0052】次のS16では、CPU1は、S15にて
抽出した各応力値の各方向成分(σ'xj,σ'yj
σ'zj),及び、S08にて算出した各変数(Δσxij
Δσyij,Δσzij)のうちサブインデックスiが現時点
での変数iと一致するものに基づいて、上記目的関数の
値(FUNK)を算出する。
【0053】次のS17では、CPU1は、S16にて
算出された目的関数の値(FUNK)が所定の許容値以下で
あるか否かをチェックする。そして、未だ目的関数の値
(FUNK)が所定の許容値を超えている場合には、CPU
1は、処理をS18に進める。 S18では、CPU1
は、感度解析後最適化逐次2次計画法によって新たな荷
重値(Pxk,Pyk,Pzk)を求め、求めた荷重値
(Pxk,Pyk,Pzk)を、計算モデルの素材除去面に位
置する各内部作用点に夫々設定する。このS18の完了
後、CPU1は、処理をS14に戻す。
【0054】これに対して、以上のS14乃至S18の
サブループ処理を繰り返した結果、目的関数の値(FUN
K)が所定の許容値以下であるとS17にて判定した場
合には、CPU1は、処理をS19に進める。
【0055】S19では、CPU1は、直前に実行され
たS14にて算出した各応力値の各方向成分から、内部
注目点a0に生じる応力値の各方向成分(σ'x0
σ'y0,σ' z0)を抽出する(応力推定段階に相当)。
【0056】次のS20では、CPU1は、S06にて
入力した各変数(σxi0,σyi0,σ zi0)のうちサブイ
ンデックスiが現時点での変数iと一致するものを抽出
する。そして、抽出した各変数(σxi0,σyi0
σzi0)とS19にて抽出した応力値の各方向成分(σ'
x0,σ'y0,σ'z0)に対して以下の演算を実行し、上記
規定量のi倍の深さにおける内部注目点a0の内部残留
応力値の各方向成分の推定値(σxi,σyi,σzi)を算
出する(物体内部残留応力算出段階に相当)。
【0057】
【数3】σxi=σxi0+σ'x0 σyi=σyi0+σ'y0 σzi=σzi0+σ'z0 次のS21では、CPU1は、計算モデルからの素材除
去が目的とする深さまで達したか否かを、現時点での変
数iの値に基づいてチェックする。そして、未だ計算モ
デルからの素材除去が目的とする深さまで達していない
場合には、CPU1は、S22にて変数iをインクリメ
ントした後に、処理をS12に戻す。これに対して計算
モデルからの素材除去が目的とする深さまで達している
場合には、CPU1は、この物体内部残留応力検出処理
を終了する。 (物体内部残留応力検出のシュミレーション例)次に、
本実施形態による物体内部残留応力検出の精度を検証す
るために行ったシュミレーション例を説明する。このシ
ュミレーション例では、上記第2ステップ(S10〜S
22)の計算に用いる計算モデルの他に、検査対象物体
の形状を示す計算モデルを用意する。そして、この計算
モデルに対して有限要素解析による弾塑性計算を実行し
て荷重除荷後の残留応力分布を求め、この残留応力分布
における注目節点に相当する上下方向に並んだ要素の残
留応力を真の物体内部残留応力とするとともに、注目節
点に相当する要素の側面に沿って上方から順次切断(要
素解放)する過程における残量応力分布の変化を求め
る。図8には、このシュミレーションに用いられた計算
モデルMの形状(注目要素の側面に沿って若干切断[素
材除去]した状態)及び寸法が、斜視図として示されて
いる。この計算モデルMの両端下面に接している二つの
三角柱F,Fは、荷重の負荷時における支点の位置を示
している。また、計算モデルMの上面に接している矢印
は、荷重の負荷時における作用点の位置を示している。
即ち、この計算モデルMは4点曲げモデルである。な
お、図8における網掛け部分は、荷重除荷後における有
限要素解析による計算に用いられる1/4モデルM’を
示す。図9は、この1/4モデルM’を構成する各要素
の大きさ及び各要素に付された番号を、側面図として示
す図である。この図9に示される各要素の中心は、上記
第2ステップ(S10〜S22)に用いられる計算モデ
ルの節点の位置に相当している。なお、図9に示す各要
素のうち、要素1,20,39,58,77は注目点a
0に対応する要素(注目要素)であり、要素1,3,5
は各近傍点a1〜a4に対応する要素である。
【0058】この計算モデルMに対して、図10に示す
グラフの通りに荷重条件を変化させつつ有限要素解析を
行い、荷重除荷後における残留応力の分布をシュミレー
トした。図11の(1)欄は、この有限要素解析によっ
てシュミレートされた荷重除荷後における残留応力の分
布を示す。このうち要素1の残留応力は、表面注目点a
0の残留応力実測値として用いられる。また、要素20
の残留応力は注目点下0.5mmの内部残留応力の真の
値として用いられ、要素39の残留応力は注目点下1.
5mmの内部残留応力の真の値として用いられ、要素5
8の残留応力は注目点下2.5mmの内部残留応力の真
の値として用いられ、要素77の残留応力は注目点下
3.5mmの内部残留応力の真の値として用いられる。
また、要素1,3,5の残留応力は、物体表面における
各近傍点a1〜a3の残留応力実測値として用いられる
(この例では、表面注目点a0とこれに隣接する近傍点
1〜a 3とが非常に近接している状態を想定しているの
で、要素1の残留応力は表面注目点a0の残留応力実測
値として用いられるとともに近傍点a1〜a3の残留応力
実測値としても用いられる。)。
【0059】次に、計算モデルMにおける要素1の左側
面を表面から1mm切断(側方に対する拘束を1点解
放,表面注目点a0を含む領域を0.5mm素材除去す
ることに相当)した時の残留応力分布の変化を有限要素
解析によりシュミレートした。図11の(2)欄は、こ
の変化後における残留応力の分布を示す。このうち要素
20の残留応力は、素材除去面における内部注目点a0
の残留応力実測値として用いられる。また、要素1,
3,5の残留応力は、物体表面における各近傍点a 1
3の残留応力実測値として用いられる。また、図11
の(1)−(2)欄は、各近傍点a1〜a3の応力変化量
を示す。この(1)−(2)欄に示された各応力変化量
に基づいて上記第2ステップ(S10〜S22)の計算
を行って注目点下0.5mmの物体内部残留応力を推定
した推定値は、図12(a)のグラフにプロットした通
りである。また、図11の(1)欄における要素1,
3,5の残留応力及び図12(a)に示す物体内部残留
応力の推定値に基づいて推測した検査対象物体内部の残
留応力分布を、図12(b)のグラフに示す。
【0060】次に、計算モデルMにおける要素1の左側
面を表面から2mm切断(側方に対する拘束を2点解
放,表面注目点a0を含む領域を1.5mm素材除去す
ることに相当)した時の残留応力分布の変化を有限要素
解析によりシュミレートした。図11の(3)欄は、こ
の変化後における残留応力の分布を示す。このうち要素
39の残留応力は、素材除去面における内部注目点a0
の残留応力実測値として用いられる。また、要素1,
3,5の残留応力は、物体表面における各近傍点a 1
3の残留応力実測値として用いられる。また、図11
の(1)−(3)欄は、各近傍点a1〜a3の応力変化量
を示す。この(1)−(3)欄に示された各応力変化量
に基づいて上記第2ステップ(S10〜S22)の計算
を行って注目点下0.5mmの物体内部残留応力を推定
した推定値は、図13(a)のグラフにプロットした通
りである。また、図11の(1)欄における要素1,
3,5の残留応力及び図13(a)に示す物体内部残留
応力の推定値に基づいて推測した検査対象物体内部の残
留応力分布を、図13(b)のグラフに示す。
【0061】次に、計算モデルMにおける要素1の左側
面を表面から3mm切断(側方に対する拘束を3点解
放,表面注目点a0を含む領域を2.5mm素材除去す
ることに相当)した時の残留応力分布の変化を有限要素
解析によりシュミレートした。図11の(4)欄は、こ
の変化後における残留応力の分布を示す。このうち要素
58の残留応力は、素材除去面における内部注目点a0
の残留応力実測値として用いられる。また、要素1,
3,5の残留応力は、物体表面における各近傍点a 1
3の残留応力実測値として用いられる。また、図11
の(1)−(4)欄は、各近傍点a1〜a3の応力変化量
を示す。この(1)−(4)欄に示された各応力変化量
に基づいて上記第2ステップ(S10〜S22)の計算
を行って注目点下2.5mmの物体内部残留応力を推定
した推定値は、図14(a)のグラフにプロットした通
りである。また、図11の(1)欄における要素1,
3,5の残留応力及び図14(a)に示す物体内部残留
応力の推定値に基づいて推測した検査対象物体内部の残
留応力分布を、図14(b)のグラフに示す。
【0062】次に、計算モデルMにおける要素1の左側
面を表面から4mm切断(側方に対する拘束を4点解
放,表面注目点a0を含む領域を3.5mm素材除去す
ることに相当)した時の残留応力分布の変化を有限要素
解析によりシュミレートした。図11の(5)欄は、こ
の変化後における残留応力の分布を示す。このうち要素
58の残留応力は、素材除去面における内部注目点a0
の残留応力実測値として用いられる。また、要素1,
3,5の残留応力は、物体表面における各近傍点a 1
3の残留応力実測値として用いられる。また、図11
の(1)−(5)欄は、各近傍点a1〜a3の応力変化量
を示す。この(1)−(5)欄に示された各応力変化量
に基づいて上記第2ステップ(S10〜S22)の計算
を行って注目点下3.5mmの物体内部残留応力を推定
した推定値は、図15(a)のグラフにプロットした通
りである。また、図11の(1)欄における要素1,
3,5の残留応力及び図15(a)に示す物体内部残留
応力の推定値に基づいて推測した検査対象物体内部の残
留応力分布を、図15(b)のグラフに示す。
【0063】以上のシュミレーションの結果をまとめた
のが図16のグラフである。このグラフにおける実線
は、検査対象物体内部の真の残留応力(図11の(1)欄
に記載された要素1,20,39,58,77の残留応
力)を示し、破線は従来の物体内部残留応力検出手法に
従って測定した残留応力(図11の(2)欄に記載された
要素20の残留応力,(3)欄に記載された要素39の残
留応力,(4)欄に記載された要素58の残留応力,(5)
欄に記載された要素58の残留応力)を示し、一点鎖線
は本実施形態による物体内部残留応力検出手法によって
推定した残留応力の近似値(図12(a)に示した注目点
下0.5mmの物体内部残留応力推定値,図13(a)に
示した注目点下1.5mmの物体内部残留応力推定値,
図14(a)に示した注目点下2.5mmの物体内部残留
応力推定値,図15(a)に示した注目点下3.5mmの
物体内部残留応力推定値)を示す。この図16から明ら
かなように、本実施形態の物体内部残留応力検出手法に
よれば、従来における物体内部残留応力検出手法より
も、真の物体内部残留応力値に近似した値が得られる事
が解る。 (実施例)次に、本実施形態の物体内部残留応力検出手
法を用いて実際の物体の内部残留応力の測定を行った実
施例の結果を、説明する。
【0064】本実施例では、図17に示す寸法を有する
試験片P(即ち、図8に示す計算モデルと同形状に形成
した材質S45Cの角柱)を用意した。そして、試験に
先立ち、加工に起因する初期残留応力を除去するため
に、700°Cで1時間真空焼き鈍し、その後、炉冷し
た。
【0065】試験においては、先ず、上述したシュミレ
ーション例と同様に、試験片Pを4点曲げで16ton荷
重した後に除荷することにより、残留応力を発生させ
た。そして、図17中の円で囲んだ部分の拡大図である
図18に示すように、試験片Pの上面中央に設定した表
面注目点α,及び、その隣接点β,γ,δにおいて、残
留応力をX線測定によって実測した。なお、表面注目点
αから各隣接点β,γ,δまでの距離は、βまでが1m
mであり、γまでが5mmであり、δまでが9mmであ
る。また、この試験片Pは長尺の棒状であるので、同一
断面の同一高さ位置においては、均一に残留応力が発生
する。そこで、検出片Pの側面上の注目点α1と同一断
面に沿った3点ε,ζ,ηにおいてX線測定を行い、検
出目標とする真の残留応力の実測値を得た。なお、試験
片Pの上面から各点ε,ζ,ηまでの距離は、εまでが
1mmであり、ζまでが2mmであり、ηまでが3mm
である。図20のグラフに、表面注目点α(α1),及
び各点ε,ζ,ηでの残留応力実測値(絶対値)をプロ
ットした。
【0066】次に、表面注目点αを含むが近傍点β〜δ
を含まない領域において2mmの深さに達するまで素材
除去を行い、素材除去面における内部注目点α’,及
び、各隣接点β,γ,δにおいて、残留応力をX線測定
によって実測した。このときの内部注目点α’での実測
値は、従来の物体内部残留応力検出手法による検出値そ
のものであり、図20において、その絶対値を“α2
としてプロットした。
【0067】次に、各隣接点β,γ,δでの素材除去前
における実測値と素材除去後における実測値とに基づい
て、各隣接点β,γ,δでの素材除去前後における応力
変化量を算出した。そして、算出された応力変化量に基
づき上述した第2ステップの計算を実行して、深さ2m
mにおける内部残留応力の推定値を得た。この推定値
(絶対値)を図20において“α3”としてプロットし
た。また、この“α3”に基づいて推定した内部残留応
力の分布を破線により示した。
【0068】図20に示す本実施例の結果から明らかな
ように、本実施形態による物体内部残留応力検出方法に
よれば、真の物体内部残留応力に極く近似した推定値を
得ることができる。
【0069】なお、本実施形態においては、図3のS1
4において各節点の応力値を有限要素解析によって計算
していたが、これに代えて境界要素解析によって計算し
ても良い。
【0070】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の物体内
部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体に格納さ
れた物体内部残留応力プログラムによれば、素材除去に
起因する注目点の近傍点における応力変化量に基づいて
素材除去によって開放された内部力を推定し、推定され
た内部力に因る応力値を実測値に加算することによっ
て、物体内部の真の残留応力値の近似値を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による物体内部残留応力算
出用コンピュータの回路構成を示すブロック図
【図2】 図2のCPUが物体内部残留応力算出プログ
ラムに従って実行する処理の内容を示すフローチャート
【図3】 図2のCPUが物体内部残留応力算出プログ
ラムに従って実行する処理の内容を示すフローチャート
【図4】 素材除去前の検査対象物体表面におけるX線
測定点を示す図
【図5】 一回目の素材除去後におけるX線測定点を示
す図
【図6】 二回目の素材除去後におけるX線測定点を示
す図
【図7】 計算モデルの構造を示す図
【図8】 本発明の実施形態を実証するシュミレーショ
ンに用いられる計算モデルを示す図
【図9】 図8の計算モデル中の1/4モデルを構成す
る各要素を示す図
【図10】 図8の計算モデルに対する荷重条件を示す
グラフ
【図11】 シュミレーションによって得られた各応力
値を示す表
【図12】 1mm切断時における応力変化量に基づく
物体内部残留応力の推定値を示すグラフ(a),及び推
測された応力分布を示すグラフ(b)
【図13】 2mm切断時における応力変化量に基づく
物体内部残留応力の推定値を示すグラフ(a),及び推
測された応力分布を示すグラフ(b)
【図14】 3mm切断時における応力変化量に基づく
物体内部残留応力の推定値を示すグラフ(a),及び推
測された応力分布を示すグラフ(b)
【図15】 4mm切断時における応力変化量に基づく
物体内部残留応力の推定値を示すグラフ(a),及び推
測された応力分布を示すグラフ(b)
【図16】 各推定値を真の残留応力値及び従来手法に
よって検出される残留応力値と比較したグラフ
【図17】 本発明の実施形態による物体内部残留応力
検出の実施例に用いられた試験片の形状を示す斜視図
【図18】 図17の試験片における素材除去前におけ
るX線測定位置を示す部分拡大図
【図19】 図17の試験片における素材除去後におけ
るX線測定位置を示す部分拡大図
【図20】 本実施例による検出結果を真の残留応力値
及び従来手法によって検出される残留応力値と比較した
グラフ
【符号の説明】
1 CPU 2 RAM 3 ディスクドライブ 11 測定値入力部 12 応力変化量計算部 13 荷重値設定部 14 有限要素解析部 15 目的関数計算部 16 内部応力推定部 21 測定値保持部 22 応力変化量保持部 23 計算モデル保持部 FD フロッピーディスク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 敏 愛媛県新居浜市惣開町5番2号住友重機械 工業株式会社新居浜製造所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象物体表面における注目点の近傍点
    での第1残留応力を実測する第1測定段階と、 前記検査対象物体における前記注目点を含むが前記近傍
    点を含まない領域から素材を除去する素材除去段階と、 この素材の除去によって前記検査対象物体に形成された
    素材除去面における前記注目点の直下の内部注目点での
    第2残留応力を実測するとともに前記近傍点での第3残
    留応力を実測する第2測定段階と、 前記第1残留応力と前記第3残留応力との差分を算出す
    る差分算出段階と、 前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生させるため
    に前記素材除去面に加えるべき荷重値を推定する荷重値
    推定段階と、 推定された荷重値を前記素材除去面に加えた時に前記内
    部注目点に生ずべき応力を推定する応力推定段階と、 推定された応力を前記第2残留応力に加算する物体内部
    残留応力算出段階とからなることを特徴とする物体内部
    残留応力検出方法。
  2. 【請求項2】前記荷重値推定段階では、 前記素材除去面を含む前記検査対象物体の形状を多数の
    節点によって示す数値計算用物体形状モデルにおける前
    記素材除去面をなす各節点に任意の荷重値を夫々設定
    し、 荷重値が設定された数値計算用物体形状モデルに基づい
    て数値解析を実行して前記近傍点に生じる残留応力を算
    出し、 算出された残留応力と前記差分との差が所定許容値以下
    であれば、前記数値計算用物体形状モデルに設定された
    荷重が、前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生さ
    せるために前記素材除去面に加えるべき荷重値であると
    推定することを特徴とする請求項1記載の物体内部残留
    応力検出方法。
  3. 【請求項3】前記荷重推定段階では、前記算出された残
    留応力と前記差分との差が前記所定許容値を超えていれ
    ば、前記数値計算用物体形状モデルにおける前記素材除
    去面をなす各節点に設定された荷重値を変更した後に、
    前記数値解析を再実行することを特徴とする請求項2記
    載の物体内部残留応力検出方法。
  4. 【請求項4】前記数値計算用物体形状モデルにおける前
    記素材除去面をなす各節点に設定された荷重値を変更す
    る際には、前記算出された残留応力と前記差分との差が
    小さくなるように、前記荷重値を感度解析後逐次2次計
    画方等により変更することを特徴とする請求項3記載の
    物体内部残留応力検出方法。
  5. 【請求項5】前記近傍点を複数個設定することを特徴と
    する請求項1記載の物体内部残留応力検出方法。
  6. 【請求項6】前記数値解析は有限要素解析又は境界要素
    解析であることを特徴とする請求項2又は3記載の物体
    内部残留応力検出方法。
  7. 【請求項7】コンピュータに対して、 検査対象物体表面における注目点の近傍点で実測された
    第1残留応力を読み込ませ、 前記検査対象物体における前記注目点を含むが前記近傍
    点を含まない領域から素材を除去した後で、前記素材の
    除去によって前記検査対象物体に形成された素材除去面
    における前記注目点の直下の内部注目点で実測された第
    2残留応力及び前記近傍点で実測された第3残留応力を
    読み込ませ、 前記第1残留応力と前記第3残留応力との差分を算出さ
    せ、 前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生させるため
    に前記素材除去面に加えるべき荷重値を推定させ、 推定された荷重値を前記素材除去面に加えた時に前記内
    部注目点に生ずべき応力を推定させ、 推定された応力を前記第2残留応力に加算させる物体内
    部残留応力検出プログラムを格納したコンピュータ可読
    媒体。
  8. 【請求項8】前記物体内部残留応力検出プログラムは、
    前記コンピュータに対して、 前記荷重を推定させるために、 前記素材除去面を含む前記検査対象物体の形状を多数の
    節点によって示す数値計算用物体形状モデルを読み込ま
    せ、 この数値計算用物体形状モデルにおける前記素材除去面
    をなす各節点に任意の荷重値を夫々設定させ、 荷重値が設定された数値計算用物体形状モデルに基づい
    て数値解析を実行させて前記近傍点に生じる残留応力を
    算出させ、 算出された残留応力と前記差分との差が所定許容値以下
    であれば、前記数値計算用物体形状モデルに設定された
    荷重が、前記差分に相当する応力を前記近傍点に発生さ
    せるために前記素材除去面に加えるべき荷重値であると
    推定させることを特徴とする請求項7記載のコンピュー
    タ可読媒体。
  9. 【請求項9】前記物体内部残留応力検出プログラムは、
    前記コンピュータに対して、 前記算出された残留応力と前記差分との差が前記所定許
    容値を超えていれば、前記数値計算用物体形状モデルに
    おける前記素材除去面をなす各節点に設定された荷重値
    を変更させた後に、前記数値解析を再実行させることを
    特徴とする請求項8記載のコンピュータ可読媒体。
  10. 【請求項10】前記物体内部残留応力検出プログラム
    は、前記コンピュータに対して、 前記数値計算用物体形状モデルにおける前記素材除去面
    をなす各節点に設定された荷重値を変更させる際には、
    前記算出された残留応力と前記差分との差が小さくなる
    ように、感度解析後逐次2次計画法等により前記荷重値
    を変更させることを特徴とする請求項9記載のコンピュ
    ータ可読媒体。
  11. 【請求項11】前記物体内部残留応力検出プログラム
    は、前記コンピュータに対して、 前記近傍点を複数個設定させることを特徴とする請求項
    7記載の物体内部残留応力検出方法。
  12. 【請求項12】前記数値解析は有限要素解析又は境界要
    素解析であることを特徴とする請求項8又は9記載のコ
    ンピュータ可読媒体
JP06750998A 1998-03-17 1998-03-17 物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体 Expired - Fee Related JP3241658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06750998A JP3241658B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06750998A JP3241658B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11264777A true JPH11264777A (ja) 1999-09-28
JP3241658B2 JP3241658B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=13347033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06750998A Expired - Fee Related JP3241658B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3241658B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243335A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Polyplastics Co 残留応力算出方法及び残留応力分布導出方法
CN111079267A (zh) * 2019-11-28 2020-04-28 扬州大学 一种基于微观残余应力突度的装载机底盘可靠性检测方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6803728B2 (ja) * 2015-12-15 2020-12-23 ポリプラスチックス株式会社 残留応力算出方法
JP7124744B2 (ja) 2019-02-08 2022-08-24 日本製鉄株式会社 残留応力推定装置、残留応力推定方法、プログラムおよび品質管理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243335A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Polyplastics Co 残留応力算出方法及び残留応力分布導出方法
CN111079267A (zh) * 2019-11-28 2020-04-28 扬州大学 一种基于微观残余应力突度的装载机底盘可靠性检测方法
CN111079267B (zh) * 2019-11-28 2023-05-23 扬州大学 一种基于微观残余应力突度的装载机底盘可靠性检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3241658B2 (ja) 2001-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7870792B2 (en) Forming limit strain analysis
Barhli et al. J-integral calculation by finite element processing of measured full-field surface displacements
Zhang et al. A novel coarse-fine search scheme for digital image correlation method
Grédiac et al. Applying the virtual fields method to the identification of elasto-plastic constitutive parameters
Réthoré et al. Robust identification of elasto-plastic constitutive law parameters from digital images using 3D kinematics
Ha et al. Ductile fracture of an aluminum sheet under proportional loading
Prates et al. Inverse strategies for identifying the parameters of constitutive laws of metal sheets
Yun et al. A self-optimizing inverse analysis method for estimation of cyclic elasto-plasticity model parameters
Yang et al. An automatic finite element modelling for deformation analysis of composite structures
Hajy Akbary et al. Elastic strain measurement of miniature tensile specimens
Brunet et al. Nonlinear kinematic hardening identification for anisotropic sheet metals with bending-unbending tests
Guzmán et al. Damage characterization in a ferritic steel sheet: Experimental tests, parameter identification and numerical modeling
JP3241658B2 (ja) 物体内部残留応力検出方法及びコンピュータ可読媒体
Cocke et al. The AFRL additive manufacturing modeling challenge: predicting micromechanical fields in AM IN625 using an FFT-based method with direct input from a 3D microstructural image
Chernyatin et al. A computational tool for estimating stress fields along a surface crack front
Moon et al. Uncertainty quantification and statistical model validation for an offshore jacket structure panel given limited test data and simulation model
Li et al. Characterization of material mechanical properties using strain correlation method combined with virtual fields method
Mu et al. Anisotropic hardening and evolution of r-values for sheet metal based on evolving non-associated Hill48 model
Ilg et al. Application of a full-field calibration concept for parameter identification of HS-steel with LS-OPT®
Khoddam et al. An inverse thermal–mechanical analysis of the hot torsion test for calibrating the constitutive parameters
JP6140863B1 (ja) 摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法及び定数同定システム
US7225112B2 (en) Conversion check device, conversion check method, and portable storage medium therefor
Conde et al. Parameter identification of Swift law using a FEMU-based approach and an innovative heterogeneous mechanical test
JP2005173706A (ja) 形状推定方法および装置ならびに解析要素生成方法および装置
CN117030448A (zh) 一种基于数字图像法分析力学试验数据的方法及相关装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees