JPH11262965A - 透光性を備える積層体およびその製造方法 - Google Patents

透光性を備える積層体およびその製造方法

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JPH11262965A
JPH11262965A JP10068443A JP6844398A JPH11262965A JP H11262965 A JPH11262965 A JP H11262965A JP 10068443 A JP10068443 A JP 10068443A JP 6844398 A JP6844398 A JP 6844398A JP H11262965 A JPH11262965 A JP H11262965A
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JP
Japan
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laminate
light
fiber
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Application number
JP10068443A
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English (en)
Inventor
Kanichi Sato
寛一 佐藤
Masayuki Oishi
真之 大石
Masaaki Okamoto
昌明 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性を備える積層体として耐衝撃性,耐貫
通性を所有して外観上、観者に安心感あるいは特異な状
態(審美感)を与える機能を備えるものを提供する。 【解決手段】 透光性を備えるシート部材による積層体
において、それらシート部材(ガラス板1,プラスチッ
ク高強度部材2)の接合中間層3に繊維体4を規則的に
配列するかネット状に編成されるかした繊維部材5を埋
設して、補強するとともに外部から積層内部にある繊維
体4が視認できるようにされている。また、このような
透光性を備えた積層体10を得るのに、射出圧縮成形機
によって成形型内に積層するシート部材を保持させると
ともに、それらシート部材間に繊維部材を成形周縁で把
持させてキャビティ内に配し、溶融樹脂を射出すると同
時に圧縮して前記繊維部材を一体に積層成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性を備えた積
層体の内層部に視認性を損なわない範囲で繊維体などを
埋め込んで補強するほかに、視覚上の安全に対する安心
感を与えたり、電波をシールドする効果を与えるなどの
機能を備えた透光性を備える積層体とその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透光性を備える積層体としては、
合わせガラスやプラスチックとガラス板との積層体が知
られており、それらは通常の板ガラスに比べて安全性も
高められたものとされている。また、安全性を高める目
的で、線入りガラスや網入りガラスが使用に供されてい
る。
【0003】また、透光性を有する板材においてその内
部に線状体を埋め込んだものとしては、例えば自動車の
窓ガラスとして熱線入りガラスやアンテナの導線入りガ
ラスなどが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記合わせガラスやプ
ラスチックとガラス板との積層体は、透光性の面構成材
として一般のガラス板に比べて安全性が高められてお
り、特にプラスチックとガラス板との積層体にあって
は、その組合わせ材料の選択で、例えばポリカーボネー
トの板材とガラス板との積層体にすれば耐衝撃性に優れ
て安全である透光性面構成材が得られる。そして、この
ような透光性面構成材を、例えば建設機械の運転室の前
面ガラスや天窓に使用すれば、作業時における岩や石の
破砕片の飛来に対する耐衝撃性・耐貫通性にを備えて安
全に保てることになると考えられる。しかしながら、こ
のような強度の高い透光性面構成材を使用しても、運転
室内に位置する運転者としては、外部からの飛来物の衝
突に対して心理的に、常に不安感を抱くという問題点が
ある。
【0005】このようなことから、建設機械、例えば油
圧ショベルを用いたブレーカー作業において運転室の前
面ガラス前方に、ストーンガードを設けて運転者の心理
的な安心感を与えるようにされている。しかしながら、
このようなストーンガードを設けると、安心感を与える
反面、視界性が著しく低下するという問題が生じる。
【0006】また、前述の線入りガラスや網入りガラス
は、その製造時型板ガラスと同様にロールアウト方式で
ロールの間に溶融ガラスと同時に金網または金属線を送
り込んで連続的に製板されて得られるもので、その構成
上、網または線がノッチ効果になるため、外力による破
壊強度が低く、大きな衝撃をうけるとガラス部分の飛散
や脱落を極力抑える機能は果たすも、破損し易くて安全
面で問題がある。
【0007】このほかに、熱線入りガラスやアンテナの
導線入りガラスのようにガラス積層体の内部に線条を埋
め込んで透光性面構成材に他の機能を付加したものがあ
るが、これらはその構成上限定された形状構造で、特化
されたものであり、透光性面構成材として使用するには
一般的でない。
【0008】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、透光性を備える積層体として耐衝
撃性,耐貫通性を所有して外観上、観者に安心感あるい
は特異な状態(審美感)を与える機能を備えるものを提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第1発明による透光性を備
える積層体は、透光性を備えるシート部材による積層体
において、その接合中間層に繊維体が埋設されているこ
とを特徴とするものである。
【0010】こうすることにより、透光性を備える積層
体内部に埋設される繊維体の選択によって、積層体に補
強層が組み込まれて万一この積層体が外力によって破ら
れるような事故が起きても、この補強層によって最後に
守られるという安心感が得られるため、建設機械などの
過酷な現場で稼動する機械の運転室の面構成材として使
用すれば、運転者に安全で、かつ安心感を与える効果を
奏するのである。
【0011】また、その透光性を備える積層体内部に埋
設される繊維体を所要の配置で組み込ませることによ
り、補強層の構築のみならず観者に対しての審美感を高
める装飾性を備えた面構成材が得られ、インテリアに用
いて特徴のある製品とすることができる。また、積層体
の構成材の組合わせと接合中間層に埋設する繊維体の選
択配置などにより建材として用いることができ、特に積
層体を彎曲させるなど立体的なものとすることで、従来
にない優れた機能を発揮させることが可能となる効果を
奏するのである。
【0012】前記透光性を備える積層体の接合中間層に
埋設する繊維体は、金属製ワイヤーであるのがよい。ま
た、前記繊維体は高強度有機繊維(カーボン繊維、ケブ
ラーなど)であるのがよい。さらに、前記繊維体はガラ
ス繊維であるのがよい。このように、前記接合中間層に
埋設する繊維体として金属製ワイヤーあるいは高強度有
機繊維を埋設することで、補強層が形成されて積層体を
構成する材料による高強度部材の構成をさらに補強して
より強力な面構成体を得ることができると同時に、透光
性(透明な)を備える積層体に着色された繊維体が存在
することで、前述のように使用される個所での人員に安
心感を与える効果を合わせ有するものとなる。また、前
記ガラス繊維を組み込めば、視認性を損なうことが著し
く低減され、しかも高強度の面構成材とできる効果を奏
するのである。
【0013】また、前記接合中間層に埋設される繊維体
は、前記繊維を規則的配列あるいはネット状に組み合わ
されて形成される繊維部材であるのがよい。こうする
と、その繊維体を積層する際に単一で取扱うことなく処
理できて、得られる製品を設定した仕様の画一的なもの
として量産可能であり、しかも用途に応じて繊維体の配
列などを合理的に設定してニーズに合わせた製品を製作
できるという効果を奏する。
【0014】また、透光性を備える積層体を構成するシ
ート部材は、その少なくとも一方の面を構成するシート
部材がガラス板であることを特徴とする。こうすると、
ガラス板は表面硬度が高いので、耐擦傷性が確保できて
粉塵などの飛来する場所での使用によって表面の擦り傷
による劣化を防止するのに役立つ効果が得られる。
【0015】また、前記透光性を備えるプラスチックと
ガラスの積層体が複数層の組合わせであって、それら積
層のいずれかの接合中間層に前記繊維部材が埋設されて
いるのがよい。そして、前記複数層の組合わせによる透
光性を備えるプラスチックとガラスの積層体において、
少なくともガラスから離れた接合中間層に前記繊維部材
が埋設されているのがよい。このように積層される層が
多くなる場合、その積層構成に応じて、積層によって発
生する歪みを抑えるのに適合する接合中間層を選んで繊
維部材を介在させることで歪みの発生のきわめて少ない
製品を得ることができる。特に、ポリカーボネートとガ
ラスの積層体では、熱膨張による変形、とりわけポリカ
ーボネートの厚さが厚くなると、影響が大きく現れる
が、少なくともガラス層から一番離れた層(ガラス積層
した層とは反対の層)に前記繊維部材を介在させること
により、相対的に熱膨張を抑え込むため、積層体の反り
を低減させる効果がある。
【0016】次に、第2発明による透光性を備える積層
体は、透光性を備える積層体において、金属製ワイヤ
ー,高強度有機繊維もしくはガラス繊維のいずれかで規
則的配列またはネット状にされた繊維部材は、積層され
るポリカーボネートの層に埋め込まれていることを特徴
とするものである。
【0017】こうすることにより、プラスチック層を構
成するいずれかの層に用いられるポリカーボネート樹脂
のシートを成形する際に、金属製ワイヤー,高強度有機
繊維もしくはガラス繊維のいずれかで規則的配列または
ネット状にされた繊維部材を埋め込んで成形しておき、
このような繊維部材によって補強されたシートを所要寸
法に切断して積層工程で使用するようにすれば、積層作
業が簡単になるという効果を奏する。しかも、繊維部材
が接合中間層に介在しないので、積層時の密着性が容易
に確保され、かつ繊維部材を内部に埋め込まれることに
よって、そのポリカーボネート樹脂シート(層)が反り
などの歪みの発生を防止されて、積層体自体の歪みの発
生が防止でき、窓構成材などに使用されて安定した製品
となる、という効果を得ることができる。
【0018】また、透光性を備えるプラスチックとガラ
スとの積層体において、接合中間層に金属製ワイヤー,
高強度有機繊維もしくはガラス繊維のいずれかで規則的
配列またはネット状にされた繊維部材が埋め込まれて一
体化されているのがよい。こうすると、透光性を備える
積層体を積層する工程で、積層されるシートの間に予め
準備工程で用意された所要の繊維部材を挿入して接合中
間層を構成する溶融樹脂により成形型内で巻き込ませる
とともに押圧成形されて一体化させる処理が合理的に行
えるという利点がある。
【0019】また、前述の透光性を備える積層体におい
ては、前記接合中間層あるいは積層体構成シートの一部
に、高強度のプラスチックフイルム(所望の色彩に着色
したもの、または図柄を施したもの、あるいは撚りを加
えるなど変形させたもの)を挿入して、装飾的な透光性
を備える積層体を得ることもできる。
【0020】次に、第3発明である前述の透光性を備え
る積層体の製造方法は、射出圧縮成形機における金型内
に予め積層するシート部材を装着し、積層する前記シー
ト部材間に、所要の繊維体を規則的配列あるいはネット
状にしてなる繊維部材を介在させ、接合中間層形成材料
をキャビティに注入すると同時に、圧縮力を加えて前記
シート部材および前記繊維部材を一体に形成することを
特徴とするものである。
【0021】こうすれば、積層されるシート部材を接合
して一体に積層されるシート部材の間に前記繊維部材が
介在されて一体に接合され、その繊維部材の介在によっ
て補強層を備えた透光性を備える積層体が容易に得られ
るのである。この積層されるシート部材間に介在する繊
維部材は、キャビティ内で接合中間層を形成する樹脂が
射出注入されると同時に圧縮力を加えられることによ
り、その樹脂に巻き込まれて確実に一体化され、かつこ
の接合中間層は積層するシート部材を密着させる役目を
果たし、積層体の一部として補強層を構成することにな
る。この際、その繊維部材として使用される繊維体が金
属線,高強度有機繊維あるいはガラス繊維のいずれかを
規則的に配列して閉じ込めれば、挿入された繊維部材が
筋状に現れて視界を妨げずに補強されると同時に安心感
のある透光性面構成材を得ることができる。また、前記
繊維体を選択使用して網状に加工したものを用いれば、
従来の網入りガラスのような外観でより強度の高い透光
性面構成材が容易に得られるのである。
【0022】しかも、本発明の方法により透光性を備え
る積層体を製造するにあたり、積層するシート部材を予
め彎曲させるなど二次加工されたもの、あるいは予め立
体面に成形された部材を重ね合わせて積層成形すれば、
一般の平らな積層体に対して立体的な繊維部材入りの積
層体、例えば繊維部材入りの曲面積層体を得ることがで
きる。もちろん、シート部材を受け入れる射出圧縮成形
機において使用される成形型は、目的の立体積層成形に
対応したものを用いればよい。したがって、積層する複
数の部材に立体化したものの組合わせとすることによ
り、予期されなかった形状の透光性を有して繊維部材に
よる補強層を備えた透光性を備える積層体を得ることが
できる、という効果を奏するのである。
【0023】このようにして積層体を製造するに当た
り、積層シートの接合中間層に繊維部材を介在させるに
は、ネット状に形成されたものでは、自立性を有するも
のの場合、積層シートとほぼ同じ外形寸法に揃えたもの
をキャビティ内に挿入して成形することができる。また
規則的に配列して挿入される場合は、一定条件で配列し
た繊維体の上下、左右またはその配列に応じて成形個所
から離れた位置でそれら繊維体を把持して成形される。
したがって、前述の繊維体が連続する状態では、一成形
操作ごとに所要量づつ繰り出して順次積層成形後、繰り
出し側で切断して次に必要な分づつ繰り出してはクラン
プして固定するという要領で挿入すればよい。
【0024】なお、前記積層作業に際して、複数層重ね
合わせるシート部材のうち、いずれかのシート部材に予
め前述の繊維部材を一体に挿入したものを用いるように
してもよい。また、必要に応じて接合中間層部に繊維体
を不規則に挿入して射出圧縮することも可能である。こ
のような手段によれば、挿入される繊維体の選択で、装
飾的な模様入りの透光性を備える積層体を得ることがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明による透光性を備え
る積層体とその製造方法の具体的な実施の形態につき、
図面を参照しつつ説明する。
【0026】図1に本発明に係る透光性を備える積層体
の一例を表わす断面図が、また、図2に内部に繊維体を
規則的に配置されてなる透光性を備える積層体の一例を
表わす正面図が、それぞれ示されている。
【0027】この透光性を備える積層体10は、適宜厚
みのガラス板1(または透明なプラスチックシート材)
と透明なプラスチック高強度部材2との接合中間層3に
繊維体4を介在させて一体に積層されたものである。そ
して、そのプラスチック高強度部材2としてポリカーボ
ネート樹脂のシート(メタクリレート樹脂であってもよ
い)が採用されている。なお、接合中間層3には例えば
熱可塑性ポリウレタン樹脂が用いられている。
【0028】前記接合中間層3に介在させる(埋め込
む)繊維体4としては、金属製ワイヤー,高強度有機繊
維(例えば炭素繊維,ケブラー繊維など)あるいはガラ
ス繊維などが用いられる。
【0029】このような接合中間層3に介在させる(埋
め込む)繊維体4は、透光性を備える積層体10の用途
に応じて、前述の繊維を選択して使用される。そして、
その繊維体4は、例えば図2に示されるように、所要の
間隔で一定方向に配列させて一体に成形するほかに、図
3(a)にて示されるように格子状のネットとして、ま
たは図3(b)にて示されるように亀甲状のネットとし
て編まれたものを用いることができる。これらに示す繊
維体4の接合中間層3内での配分については、通常この
透光性を備える積層体10を通して視認するとき、その
視界を妨げない程度の配分とされるのが好ましい。
【0030】このような構成の透光性を備える積層体1
0を製作する手順を、図4(a)(b)に示される透光
性を備える積層体の製造方法の説明図によって説明す
る。
【0031】まず接合中間層3に挿入されて埋め込まれ
る繊維部材5(前記繊維体4を図2で示されるように規
則的に配列されたもの、ネット状に編成されたものを便
宜上総称してこのように呼ぶ)は、その構成状態により
一様でないが、作業性からみて予め繊維体4を所要の配
分で平行して配列したもの、あるいは別途工程でネット
に編成したものを、射出圧縮成形機(全体構造について
図示省略している)における成形型20のちょうど固定
型21と可動型23との閉じ合わせ位置上方部にリール
30などに巻いて配置し、そのリール30から成形型2
0に向かって引き出し垂下するように配しておく。
【0032】積層するシート部材1,2は、図4(a)
で示されるように、一方のシート部材1は成形機に取い
て溶融樹脂の射出ノズル(図示せず)に繋がる圧縮成形
用の成形型20における固定型21の前面に設けられた
保持部22に沿わせ、他方のシート部材2は可動型23
の前面に設けられた保持部24に沿わせて、それぞれ保
持させる。この状態で可動型23に組み込まれて成形形
状の外周に額縁状に配されるシール構成材25と固定型
21の前面で前記シール構成材25の端面に対応して設
けられる把持座26とによる積層埋め込みの繊維部材把
持機構27によって、前記リール30から垂下させた繊
維部材5を成形型20の閉じ合わせによってまず少なく
とも上下を把持して緊張状態に把持させる。その後に成
形型20の上部でカッター32により切断して準備を整
える。
【0033】こうして、成形型20の内部に形成された
キャビティ28内に、接合中間層3形成の溶融樹脂3a
(熱可塑性ポリウレタン樹脂)を射出し、図4(b)で
示されるように、同時に可動型23を前進させてそのキ
ャビティ28内に注入された前記溶融樹脂3aを圧縮さ
せて成形するのである。すると、キャビティ28内に端
部を繊維部材把持機構27によって緊張状態に把持され
ていた繊維部材5は溶融樹脂3aに巻き込まれるととも
に両シート部材(ガラス板1とプラスチック高強度部材
2)間に埋め込まれて一体に積層されるのである。な
お、この射出圧縮成形に際して型内にシート部材を挿入
することになるので、それらシート部材を保持する型は
予め加温して、シート部材の品温を高めておくことで接
合中間層3を形成する樹脂の密着性をよくすることがで
きる。
【0034】こうして得られた積層体は、その周囲に繊
維部材5の把持端部が露出しているので、その露出部分
を切除すると前述のような内部に繊維体4による補強層
を備えた透光性のある積層体となるのである。そして、
得られた透光性を備える積層体10は、前述のように射
出圧縮成形によって2枚のシート部材1,2が繊維部材
5を内在させてごく薄い接合中間層3によって密着する
とともに補強されて強力な透光性の面構成材に仕上げら
れる。
【0035】したがって、この透光性を備える積層体1
0は、その片側にガラス板1を備え、他方の側をポリカ
ーボネートのようなプラスチック高強度部材2とすれ
ば、そのガラス板1の表面は耐擦傷性を有し、プラスチ
ック高強度部材2が耐衝撃性を有するので、外部から岩
石などの破砕小片が飛来するような環境で使用される建
設機械の運転室40のストーンガード17として、ある
いは直接に窓構成材として使用する場合(図5参照)、
その積層体自体の耐用性と同時に積層内部に配されてい
る繊維部材5による補強機能に加えて、この繊維部材5
による補強繊維条4が視認できることで、特に運転者に
万一の破壊時でも窓全体が破壊飛散しないという安心感
を与え、心理的にも有効な機能を発揮できるのである。
もちろん、表面側をガラス板の層にすることで飛来物に
よる擦傷が生じないから視認性が低下せず長期にわたり
使用できる効果を奏するのである。
【0036】このようにして得られる透光性を備える積
層体10は、その積層内部に埋め込まれる繊維部材5に
ついて、これを金属製ワイヤーで形成し、その一部を端
部で積層体から他の部分に接続できる端子部のような部
片と繋いで取付けられるようにすれば、電波シールドの
機能を備えた面構成材とすることが可能である。あるい
は繊維部材5における繊維体4の配列を整えてアンテナ
パネルとすることができる。これらの場合を含めて積層
内部に埋める繊維部材5については、前述のようにその
構成繊維体4の材質ならびに配列・編成形状など任意最
適なものを選定して構成することができる。
【0037】上記の説明においてはガラス板1とプラス
チック高強度部材2との組み合わせによる透光性を備え
た積層体10についてであるが、ガラス板を使用するこ
となくプラスチック高強度部材2の組み合わせによる透
光性を備えた積層体(プラスチック積層体)とすること
ができる。このようなプラスチック積層体にあっては、
その構成部材であるプラスチック高強度部材がシートの
状態で、あるいは部材としての成形時に曲面に成形する
ことが可能であるから、例えば、図6で示されるように
彎曲させたプラスチック高強度部材2aを2枚、前記実
施例と同様に射出圧縮成形機によって彎曲した部材を受
け入れられる成形型(図示省略)に保持させて、それら
両プラスチック高強度部材2aの間に所要の繊維部材5
を挿入して溶融樹脂の射出圧縮成形により、接合させる
と同時にこの接合中間層3に埋め込むことができて、彎
曲した透光性を備える積層体10A(プラスチック積層
体)を製作することができる。
【0038】このような彎曲構造のプラスチック積層体
10Aは、その曲率や彎曲状態を使用する場所の条件に
合わせて予め彎曲されたシート部材を製作する準備工程
を設けることにより複雑な手順を経ることなく製作可能
である。そして、このような立体構造の透光性を備える
積層体においても、その内部に繊維部材5を埋め込んで
補強することで、例えば建築物における曲面構造の面構
造体として使用することができ、その場合に前述の平面
的な積層体の場合と同様に利用者に安心感を与えること
ができる。
【0039】さらに、図7で示されるように、本発明の
透光性を備える積層体10Bにおいて、その積層構成の
シート部材を二層以上複数層積層して構成することがで
きる。なお、前述の実施例における構成材料の部分につ
いては、前述のものと同一の符号を付してその詳細な説
明について省略している。このような積層構成にあって
は、その各層の接合中間層3における任意の位置で繊維
部材5を介在させることにより、前記の目的を達成する
ことができる。このような多数層による積層構成に場合
は、接合中間層3が複数介在することになるので、例え
ば積層体の内外に受ける熱影響などの差による内部応力
がそれら接合中間層3形成する熱可塑性樹脂の部分で緩
衝されて大きな歪みの発生を緩和して変形を予防させる
ことができる。
【0040】特に、一方の面側にガラス板1を配されて
他方の面側にポリカーボネート(プラスチック高強度部
材2)が配されるような組合せの積層体である場合、そ
のガラス板1から少なくとも最も遠い位置の接合中間層
3に繊維部材5を配するように埋め込んで積層構成する
のがよい。こうすることにより、材質の異なるシート部
材を組み合わせることによる積層体で、特に、ポリカー
ボネートの厚さが厚くなると影響が大きく現れるが、相
対的に熱膨張を抑え込むため、歪みの発生(積層体に反
りが生じる)を低減させることができる。
【0041】次に、第2発明としての透光性を備える積
層体としては、図8に示されるように、積層構成するシ
ート部材(プラスチック高強度部材2)を製作する際
に、所要の配分で前記繊維体4(金属製ワイヤー,高強
度有機繊維あるいはガラス繊維など)を規則的に配列し
て、あるいはネットに編成したものを同時に内部に挿入
して、繊維部材5入りのポリカーボネート2bを他のシ
ート部材と組み合わせて接合中間層3によって一体化す
るものである。
【0042】このような構成の透光性を備える積層体1
0Cにあっても、その繊維部材5入りのポリカーボネー
ト2bが、製作時にすでに強度を高められていること
と、透明なシート内に繊維体4が埋め込まれていること
により、前記実施例による接合中間層3内に繊維部材5
を埋め込むものと同等の効果を奏し、しかも積層工程で
は繊維部材5を挿入する操作が省かれることによって、
作業が簡単になり、接合するための接合中間層3の厚み
についても圧縮成形時に任意調整できるなど、製作が容
易になる利点がある。
【0043】なお、このような予め積層構成のための部
材に繊維部材を埋め込んだものを用いることは、前述の
立体積層体にも採用できる。
【0044】また、このほかに、繊維部材を埋め込むと
同時に、あるいは繊維部材に代えて着色したフイルムを
筋状に、または繊維体と組み合わせて接合中間層に埋め
込むようにすることも可能であり、このような構成にす
れば、外部から埋め込まれた前記着色フイルムや繊維体
によって醸し出される特異な模様として、装飾的な透光
性を備える積層体を得ることができる。当然、前述の繊
維部材5の挿入によっても、単に積層体の補強やその補
強による危険時の安心感などが得られるのみならず、透
明な面構成体に内在する模様として装飾性を得ることが
できる。
【0045】以上の説明においては、積層体内部に連続
操作的に繊維部材を挿入するような手順でのものであっ
たが、シート部材を重ねて溶融樹脂による射出圧縮成型
での接合中間層形成で一体化する工程において、その成
形時に繊維部材として前述のような繊維体を不規則に配
置して射出圧縮成形できるようにすれば、その埋め込む
繊維体の不規則性による装飾効果を得て、従来にない装
飾体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る透光性を備える積層体の
一例を表わす断面図である。
【図2】図2は、内部に繊維体を規則的に配置されてな
る透光性を備える積層体の一例を表わす正面図である。
【図3】図3は、繊維体をネット状にしてなる繊維部材
を内部に埋め込んだ積層体の態様を表わす図で、(a)
は格子状のネットを用いたものを、(b)は亀甲状のネ
ットを用いたものを、それぞれ示している。
【図4】図4は、本発明に係る透光性を備える積層体の
製造方法の説明図であって、(a)はシート部材と繊維
部材を射出圧縮成形機における金型内に装着して溶融樹
脂をキャビティに射出する態様を、(b)は圧縮成形し
てシート部材および繊維部材が接合中間層によって一体
化する態様を、それぞれ表わしている。
【図5】図5は、本実施例の積層体を建設機械の運転室
前面に設けられるストーンガードとして用いた態様を示
す図である。
【図6】図6は、彎曲させた透光性を備える積層体の一
例を示す断面図である。
【図7】図7は、シート部材を多数層に積層したものの
一例を示す断面図である。
【図8】図8は、透光性を備える積層体の他の実施例を
示す図である。
【符号の説明】 1 ガラス板 2 プラスチック高強度部材(ポ
リカーボネート) 2a 彎曲させたプラスチック高強
度部材 3 接合中間層 3a 溶融樹脂 4 繊維体 5 繊維部材 10,10A,10B,10C 透光性を備える積層
体 20 成形型 21 固定型 22 固定型におけるシート部材の
保持部 23 可動型 24 可動型におけるシート部材の
保持部 25 シール構成材 26 把持座 27 繊維部材把持機構 28 キャビティ 30 繊維部材のリール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を備えるシート部材による積層体
    において、その接合中間層に繊維体が埋設されているこ
    とを特徴とする透光性を備える積層体。
  2. 【請求項2】 前記接合中間層に埋設する繊維体は、金
    属製ワイヤーである請求項1に記載の透光性を備える積
    層体。
  3. 【請求項3】 前記接合中間層に埋設する繊維体は、高
    強度有機繊維である請求項1に記載の透光性を備える積
    層体。
  4. 【請求項4】 前記接合中間層に埋設する繊維体は、ガ
    ラス繊維である請求項1に記載の透光性を備える積層
    体。
  5. 【請求項5】 前記接合中間層に埋設される繊維体は、
    前記繊維を規則的配列あるいはネット状に組み合わされ
    て形成される繊維部材である請求項1に記載の透光性を
    備える積層体。
  6. 【請求項6】 透光性を備えるシート部材は、その少な
    くとも一方の面を構成するシート部材がガラス板である
    ことを特徴とする請求項1に記載の透光性を備える積層
    体。
  7. 【請求項7】 前記透光性を備えるプラスチックとガラ
    スの積層体が複数層の組合わせであって、それら積層の
    いずれかの接合中間層に前記繊維部材が埋設されている
    請求項6に記載の透光性を備える積層体。
  8. 【請求項8】 前記複数層の組合わせによる透光性を備
    えるプラスチックとガラスの積層体において、少なくと
    もガラスから離れた接合中間層に前記繊維部材が埋設さ
    れている請求項7に記載の透光性を備える積層体。
  9. 【請求項9】 透光性を備える積層体において、金属製
    ワイヤー,高強度有機繊維もしくはガラス繊維のいずれ
    かで規則的配列またはネット状にされた繊維部材は、積
    層されるポリカーボネートの層に埋め込まれていること
    を特徴とする透光性を備える積層体。
  10. 【請求項10】 透光性を備えるプラスチックとガラス
    の積層体において、複数層の組合わせによる少なくとも
    1つのプラスチック層に前記繊維部材が埋め込まれたも
    のを組み合わせてなることを特徴とする請求項7に記載
    の透光性を備える積層体。
  11. 【請求項11】 射出圧縮成形機における金型内に予め
    積層するシート部材を装着し、積層する前記シート部材
    間に、所要の繊維体を規則的配列あるいはネット状にし
    てなる繊維部材として介在させ、接合中間層形成材料を
    キャビティに注入すると同時に、圧縮力を加えて前記シ
    ート部材および前記繊維部材を一体に形成することを特
    徴とする透光性を備える積層体の製造方法。
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