JPH1125866A - Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置 - Google Patents

Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置

Info

Publication number
JPH1125866A
JPH1125866A JP9171806A JP17180697A JPH1125866A JP H1125866 A JPH1125866 A JP H1125866A JP 9171806 A JP9171806 A JP 9171806A JP 17180697 A JP17180697 A JP 17180697A JP H1125866 A JPH1125866 A JP H1125866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
glaze layer
electrodes
display panel
plasma display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9171806A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Nagano
眞一郎 永野
Hirotoshi Takechi
洋利 武市
Masayuki Hiroshima
政幸 廣嶋
Yoshiharu Ogawa
善晴 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYUSHU NORITAKE KK, Noritake Co Ltd, Mitsubishi Electric Corp filed Critical KYUSHU NORITAKE KK
Priority to JP9171806A priority Critical patent/JPH1125866A/ja
Priority to US09/100,944 priority patent/US6114748A/en
Priority to KR1019980023827A priority patent/KR100307415B1/ko
Publication of JPH1125866A publication Critical patent/JPH1125866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J11/00Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
    • H01J11/20Constructional details
    • H01J11/34Vessels, containers or parts thereof, e.g. substrates
    • H01J11/40Layers for protecting or enhancing the electron emission, e.g. MgO layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J11/00Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
    • H01J11/10AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma
    • H01J11/12AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma with main electrodes provided on both sides of the discharge space
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J11/00Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
    • H01J11/20Constructional details
    • H01J11/34Vessels, containers or parts thereof, e.g. substrates
    • H01J11/38Dielectric or insulating layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アドレス電極を被覆するグレーズ層を有する
AC型プラズマディスプレイパネルに関し、駆動時にス
パーク放電が発生するのを抑えること。 【解決手段】 グレーズ層に適量の導電性フィラーを含
ませることによってグレーズ層の体積抵抗率を低めに調
整した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、AC型プラズマ
ディスプレイパネルおよびそれを用いた表示装置の表示
安定性を向上する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、一般的なAC面放電型プラズマ
ディスプレイパネルの放電セル構造を表す斜視図であ
る。図中、1は透明電極、2は透明電極1に電圧を供給
するための金属から成るバス電極、3は透明電極1並び
にバス電極2を覆う一様な誘電体層、4は放電のカソー
ドとして機能するMgO膜、5は上記透明電極1、バス
電極2、誘電体層3、MgO膜4を搭載する前面ガラス
基板である。また、6はバス電極2と直角交差するアド
レス電極、10はアドレス電極6を覆う一様なグレーズ
層、7は個々のアドレス電極6を区画するためのバリア
リブ、8はグレーズ層10の表面とバリアリブ7の壁面
に形成された蛍光体で、添え字でR、G、Bとあるの
は、それぞれ赤、緑、青の蛍光色を発する種類であるこ
とを意味する。
【0003】9は上記アドレス電極6、バリアリブ7、
蛍光体8、グレーズ層10を搭載する背面ガラス基板で
ある。バリアリブ7の頂部がMgO膜4に接すること
で、蛍光体8とMgO膜4とに囲まれた放電空間が形成
され、該放電空間はNe+Xe等の混合ガスで満たされ
ている。
【0004】この構造では図に示すように、一対の透明
電極1並びにバス電極2すなわち一対の放電維持電極X
nとYnによってn番目の走査線が構成されている。そ
して、走査線とアドレス電極6とが立体交差する各点が
一個の放電セルとなり、放電セルがマトリクス状に配列
した恰好でプラズマディスプレイパネルが構成されてい
る。
【0005】当構造のプラズマディスプレイパネルを駆
動して所望の画像を得るには、下記の[1]−[4]の
駆動シーケンスによる。 [1]線順次書き込み放電:維持放電電極群{Yn}を
線順次走査し、それに同期してアドレス電極6に選択/
非選択の画像データ信号を入力することで、選択したセ
ルで維持放電電極Xn〜Yn間の書き込み放電を起こ
す。書き込み放電が終了すると、選択したセルで維持放
電電極Xn、Ynの近傍のMgO膜4の表面上に壁電荷
が蓄えられる。
【0006】[2]維持放電:パネル全面で維持放電電
極Xn〜Yn間に維持放電パルスを所定の数だけ印加す
る。これにより、[1]で選択されたセルでは壁電荷に
よる電位との相乗作用により所定の数だけ維持放電電極
Xn〜Yn間に維持放電が発生する。
【0007】[3]プライミング放電:壁電荷の有無に
関わらず全てのセルで維持放電電極Xn〜Yn間放電を
1回だけ起こすベく、十分な電圧パルスをXn〜Yn間
に印加する。 [4]消去放電:全てのセルで維持放電電極Xn〜Yn
間に消去パルスを印加して維持放電電極Xn〜Yn間の
消去放電を発生させ、MgO膜4の表面上にあった壁電
荷を十分に消去する。これにより、当画面の情報がリセ
ットされて、次画面の[1]がスタンバイとなる。
【0008】蛍光体8は上述の各放電に伴い放射される
紫外光を受けて励起され、赤、緑、青の可視光を発す
る。こうして、主として[2]の維持放電によって所望
の画像が得られる。なお、上述の放電はいずれも維持放
電電極Xn〜Yn間で発生するものであって、アドレス
電極6は主に[1]で維持放電電極Xn〜Yn間の書き
込み放電を触発するために設けているものの、ガス放電
の放電電極としての機能は殆ど担わせない構造となって
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図2の構造
のプラズマディスプレイパネルを駆動すると、正規の画
像(=放電)に混じって“スパーク放電”が発生してい
ることが肉眼で観察された。このスパーク放電の特徴を
以下(1)−(5)に列記する。 (1)一個当たりのスパーク放電の持続時間は肉眼では
測れないほどに短い。蛍光体8の残光時間よりも短く、
msec以下のオーダーと思われる。 (2)一回当たりのスパーク放電の発光強度は瞬間的と
はいえ極めて大きい。一回の維持放電電極Xn〜Yn間
における正規のガス放電の発光強度に比べると桁違いに
強烈であることは間違いない。 (3)スパーク放電は、画像によって発生頻度と発生し
易い場所が変わる。傾向としては、画面中の比較的暗い
領域で明るい領域に近接している箇所に多く現れる。 (4)殆どのスパーク放電はバリアリブ7と平行な方向
に、数セル〜数十セルのスパンに及ぶ線的な発光を見せ
る。バリアリブ7と垂直な方向ヘの拡がりは比較的弱い
が、時にはバリアリブ数十〜百数十本のスパンにまたが
る面的な発光が現れることもある。 (5)スパーク放電の発生頻度は、凡そ「数秒当たり1
回以下」の程度であるが、画像によっては殆ど現れな
い。特に画面全域“黒”の画像を出した時は全く現れな
い。このスパーク放電は肉眼で観察できるイレギュラー
な発光である以上、パネルの品質にとって問題となり、
表示装置においては表示の安定性という観点から望まし
くないことは確かである。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、スパーク放電を除去するような
パネル構造とすることにより、パネルの品質を向上し、
パネルを使用した表示装置の表示の安定性を向上すると
いうことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明においては、
複数の互いに平行な維持放電電極対並びに該維持放電電
極対を被覆する誘電体層とを有する第1の基板と、該維
持放電電極対と交差する方向に配線された複数のアドレ
ス電極並びに上記アドレス電極を被覆するグレーズ層と
を有する第2の基板とが向かい合わせとなって形成され
る対向空間に、放電用のガスが封入されている構造のA
C型プラズマディスプレイパネルにおいて、上記グレー
ズ層は、導電性部材が含まれていることを特徴とするも
のである。
【0012】第2の発明においては、アドレス電極を被
覆するグレーズ層の組成は、絶縁性の無機バインダーに
フィラーが分散されたものであり、該フィラーには導電
性酸化物が含まれており、該導電性酸化物として、酸化
錫か酸化インジウムの内少なくとも一つを含んでいるこ
とを特徴とするものである。
【0013】第3の発明においては、グレーズ層の中に
占める導電性酸化物の、重量組成比が2%以上であるこ
とを特徴とするものである。
【0014】第4の発明においては、複数の互いに平行
な維持放電電極対並びに該維持放電電極対を被覆する誘
電体層とを有する第1の基板と、上記維持放電電極対と
交差する方向に配線された複数のアドレス電極並びに該
アドレス電極を被覆し、導電性部材が含まれているグレ
ーズ層とを有する第2の基板とが向かい合わせとなって
形成される対向空間に、放電用のガスが封入されている
構造の表示部、この表示部に画像を表示させるべく駆動
する駆動シーケンスを有する駆動部を備えた表示装置で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかわるAC型プラ
ズマディスプレイパネルおよびこのプラズマディスプレ
イパネルを使用した表示装置を、その実施の一形態を示
す図面に基づき具体的に説明する。なお、図において、
同一符号は従来のものと同一または相当のものを示す。
【0016】実施の形態を詳細に説明する前に、スパー
ク放電の発生するメカニズムを考察する。考察に際し、
手掛かりとなった実験結果を以下{1}−{3}に列記
する。 {1}駆動条件によってスパーク放電の発生状況がどの
ように変化するかを実験したところ、アドレス電極6ヘ
の印加電圧によって発生頻度が変わることを確認した。
一方、維持放電電極Xn、Ynヘの印加電圧にはあまり
依存しないことも認めた。 {2}グレーズ層10の厚みを変えて実験したところ、
同厚みが増加するに伴いスパーク放電の発生頻度が下が
っていくことを確認した。 {3}グレーズ層10を撤去した図3の構造のプラズマ
ディスプレイパネルを駆動すると、スパーク放電は全く
出現せず、安定な画像が得られる。
【0017】上述の実験結果から、スパーク放電の原因
は、「アドレス電極6の上部グレーズ層10並びに蛍光
体8に電荷が蓄積して、あるタイミングでチャージアッ
プすること」と推定した。図4は、推定したメカニズム
について解説するためのもので、図2の構造のプラズマ
ディスプレイパネルを、ある1本のアドレス電極6のラ
イン中心軸を含む走査線に垂直な断面について表したも
のである。
【0018】放電維持電極Xn〜Yn間では書き込み、
維持、プライミングの放電が容量結合型で頻繁に起こっ
ているので、誘電体層3を挟んで放電維持電極Xn、Y
nの上部近傍のMgO膜4の表面には相当な量の壁電荷
が蓄えられているタイミングが多く存在している。一
方、アドレス電極6は先述したように、それら一連の放
電に放電電極として参加していることは殆ど無いが、放
電維持電極Xn〜Yn間のガス放電によって生じるプラ
ズマ空間に発生した種々の荷電粒子の中には、アドレス
電極6の及ぼす電界によりアドレス電極6近傍の蛍光体
8の表面にトラップされるものがある。トラップされる
確率はアドレス電極6の及ぼす電界強度、すなわちアド
レス電極6への印加電圧に依存すると考えられる。
【0019】トラップされた荷電粒子の持っていた電荷
は蛍光体8に乗り移るが、一般に蛍光体8は粉末の集合
体から成るポーラス質のものなので、図3のように蛍光
体8が直接アドレス電極6と界面を接している構造で
は、左記の電荷は容易にアドレス電極6に流出する。従
って、図3の構造では蛍光体8に蓄えられる電荷量は比
較的低レベルで平衡に達する。
【0020】一方、図2、図4の構造では蛍光体8とア
ドレス電極6との間に絶縁性のグレーズ層10が挟まっ
ているので、蛍光体8にトラップされた左記の電荷はア
ドレス電極6に逃げることができない。従って、図2、
図4の構造では、アドレス電極6を被覆するグレーズ層
10の有する静電容量により、蛍光体8あるいはグレー
ズ層10に相当量の電荷が蓄えられるまで平衡に達する
ことはない。このように図2、図4の構造では、図3の
構造と比較して高レベルの電荷量が蛍光体8あるいはグ
レーズ層10に蓄えられるが、ここではグレーズ層が薄
くなるほど左記の静電容量が大きくなるので蓄積可能な
電荷量も大きくなる。
【0021】こうして蛍光体8あるいはグレーズ層10
に蓄えられる電荷量があるレベル以上に達すると、アド
レス電極6ヘの印加電圧が相乗作用して、放電空間を挟
んで対向する放電維持電極Xn、Ynとの間でガス放電
を起こしてしまう可能性が生じる。それは、特に蛍光体
8あるいはグレーズ層10に蓄えられる電荷とアドレス
電極6への印加電圧が同極性にあり、放電維持電極X
n、Ynの上部近傍のMgO膜4の表面に存在する壁電
荷と放電維持電極Xn、Ynへの印加電圧がいずれもそ
れと逆極性にあるようなタイミングで確率が高くなる。
これがスパーク放電の原因と考えれば、先述の実験結果
{1}−{3}を無理なく説明できると思われる。
【0022】スパーク放電の経路に関しては、図4
(a)のように放電セルの内部で起こるケースと、図4
(b)のようにバリアリブ7のパターンと平行方向に連
続性のある放電空間に沿って、遠距離で発生するケース
とが考えられる。一カ所でスパーク放電が立ち上がる
と、それがトリガーとなって左記の連続した放電空間に
沿ってスパーク放電が波及していくことにより、先述の
発明が解決しようとする課題(4)の特徴が現れるもの
と推測する。
【0023】また、トリガーとなるスパーク放電は、確
率的に放電維持電極Xn〜Yn間で頻繁に放電が行われ
る維持放電の期間(従来技術の説明の駆動シーケンス
[2])で“ON”のセルにおいて発生し、プライミン
グの期間(同駆動シーケンス[3])において“OF
F”の領域にも波及すると考えれば、先述の課題(3)
の特徴や、課題(5)の画面全体黒表示の下ではスパー
ク放電が発生しないという特徴も説明できる。なお、
“ON”のセルの領域内部ではスパーク放電が起こって
も、正規の発光の中に潜伏してしまい視覚上の認識がで
きないと考えられる。
【0024】このスパーク放電を抑えるには、図3のよ
うにグレーズ層の無い構造を採用すれば完璧に達成でき
る。しかし、グレーズ層10は一般に白色顔料が分散さ
れた組成とすることで、蛍光体8の発光を反射しディス
プレイとしての輝度を稼ぐための役割を負っているので
(特開平4−47639号公報参照)、グレーズ層10
を無くすのは品質面での損失を伴う。
【0025】また、グレーズ層10のもう一つの重要な
機能として、誘電体層の絶縁破壊防止に関する信頼性向
上が挙げられる。すなわち、蛍光体8は先述のように粉
末の集合体からなるポーラス質のものなので、図3の構
造ではアドレス電極6に対する耐電圧コートは実質的に
は皆無である。従って、誘電体層3に含まれるピンホー
ルによっては、アドレス電極6と維持放電電極Xn、Y
nとの間に負荷ゼロのDC放電が発生する率が高くな
り、それは直ちに誘電体層3の絶縁破壊や、アドレス電
極6、維持放電電極Xn、Ynの断線につながる。一
方、図2の構造ではグレーズ層10がアドレス電極6を
被覆して耐電圧コートとして機能するので、誘電体層3
の絶縁破壊防止に関する信頼性では格段に有利な構造と
なっている。
【0026】その他にも、グレーズ層10は蛍光体8と
アドレス電極6との間の界面バリアとしての機能も有し
ている。すなわち、図3のように蛍光体8とアドレス電
極6とが直接界面を形成している構造では、プラズマデ
ィスプレイパネルの製造プロセスにおける熱処理を通じ
て、異物混入などの要因から蛍光体の地肌が局所的に変
色することがある。この問題に対しても、図2の構造の
ものはグレーズ層10が界面バリアとしての機能を果た
すことで殆ど克服できる。
【0027】以上の事由から、グレーズ層10は機能上
不可欠の要素といえる。図2のようにグレーズ層10を
有する構造の下でスパーク放電を抑えるには、先述のよ
うにアドレス電極6への印加電圧の調整やグレーズ層1
0の厚みを増やすことなどの手段によって、ある程度の
改善効果が得られるもののいずれも決定的ではないこと
も確認した。しかも、アドレス電極6への印加電圧の調
整は、先述の駆動シーケンスにおける書き込み放電に対
し敏感に影響を及ぼすので、調整の猶度はあまりない。
【0028】一方、グレーズ層10の厚みを増やすと、
書き込み放電が発生し難くなると同時に、隣接するアド
レス電極6同士での干渉が起こって誤放電が現れやすく
なるという弊害があることも確認した。従って、これら
の手段は効果に限界がある上に、駆動性の面での実現性
も乏しいと判断した。このため、グレーズ層としての機
能を損なわず、駆動上の弊害を伴うこともなく、スパー
ク放電を抑制するのが以下に述べる実施の形態である。
【0029】実施の形態1.図1は、本発明に関わるプラ
ズマディスプレイパネルの構造を図4と同様の切断面に
関して表したものである。図中、11は導電性材料が分
散されて絶縁抵抗が低くなったグレーズ層である。ま
た、太線の矢印は、蛍光体8やグレーズ層11に生じた
電荷がグレーズ層11の厚み越しにアドレス電極6に逃
げていく経路を表したものである。グレーズ層11の絶
縁抵抗が低いので、グレーズ層11や蛍光体8には従来
の図4の構造ほどの電荷量が存在しえなくなる。従っ
て、グレーズ層11の絶縁抵抗値を調整することでスパ
ーク放電が発生しない状況が得られる。
【0030】ここで、グレーズ層11の絶縁抵抗値の調
整について詳述する。一般に従来のグレーズ層10は、
酸化鉛等を主成分とする無機バインダーに、酸化アルミ
ニウムや酸化チタン等の絶縁質のフィラーが分散された
組成となっていた(上記特開平4−47639号公報参
照)。そのような組成では、一般に体積抵抗率は1015
Ω・cmレンジ以上の値を持っており、先述のようにス
パーク放電の発生は避けられない。そこで、フイラーの
一部あるいは全部を導電性の材料に置換して体積抵抗率
を下げたグレーズ層11を形成しようと模索した。
【0031】但し、体積抵抗率を下げるとはいえ、互い
に隣接するアドレス電極6の間では駆動の上で十分な絶
縁性を維持する必要がある。そこで、上記の導電性材料
による置換比率の調整幅をなるベく広く取ろうと考えた
ので、導電性材料には金属等と比較して固有抵抗の大き
い金属酸化物が最適と推測し、その代表的なものとして
SnO2やIn23を適用した。
【0032】また、無機バインダーにはZnO系ガラス
を、絶縁質のフィラーにはAl23を採用して、複数種
の組成のグレーズ層を形成し、実験を行った。表1に
は、各種のグレーズ層に関し、適用した導電性酸化物フ
ィラーの種類と、グレーズ層を構成する導電性酸化物フ
ィラー、Al23フィラー、無機バインダーの各重量組
成比のデーターを示し、それに対応して各種グレーズ層
の体積抵抗率の実測値と、各種グレーズ層を適用したA
C型プラズマディスプレイパネルに関しスパーク放電が
見られた個体数の出現率とを示した。
【0033】
【表1】
【0034】また、図5には各サンプルの導電性酸化物
の重量組成比(リニアスケール)と体積抵抗率(log
スケール)の値を2次元グラフ上にプロットしたもので
ある。図5中、実線は、In23(粒径4.2μm)を
導電性酸化物フィラーとして採用したサンプルD、Eと
サンプルAの計3点のデータを放物線で結んだ近似線で
ある。一方、破線は、SnO2(粒径0.8μm)を導
電性酸化物フィラーとして採用したサンプルB、Cとサ
ンプルAの計3点のデータを放物線で結んだ近似線であ
る。
【0035】サンプルAは、導電性酸化物フィラーを含
まない従来のグレーズ層10に該当するものである。B
〜FではAの状態からAl23フィラーの一部または全
部が各種導電性酸化物フィラーで置換された組成となっ
ている。表1によると、同一の導電性酸化物フィラーに
関しては、それによる置換比率が大きくなるに伴い体積
抵抗率が下がっていく様子がみられる。一方、CとFの
例を見てもわかるように、同じSnO2の重量組成比で
も粒径を大きくすると体積抵抗率は下がる。
【0036】そして、スパーク放電の出現率を調査する
と、本発明に関するグレーズ層11を適用したサンプル
B〜Fでは、従来のグレーズ層10を適用したサンプル
Aと比較して、同出現率が大きく減少していることがわ
かった。すなわち、サンプルAで出現率100%であっ
たものが、0〜13%に減少した。また、サンプルB〜
Fでは1013Ω・cmレンジの体積抵抗値を持っサンプ
ルBのみが出現率13%を記録したのに対し、1011Ω
・cmレンジ以下の体積抵抗率を持つサンプルC〜Fは
全て出現率0%であることから、グレーズ層の体積抵抗
率が低下するほど、スパーク放電対策に効果があること
が確認された。
【0037】サンプルAの状態から、グレーズ層11の
体積抵抗率がどのレベルにまで下がれば、スパーク放電
に対してよりよい効果が現れるかについて考察する。サ
ンプルBですでにスパーク放電出現率が13%にまで低
下するという効果が現れている。サンプルBの体積抵抗
率はサンプルAのそれの約1/25であることから、大
雑把に言えば、グレーズ層11の体積抵抗率がサンプル
Aの体積抵抗率の1/10のレベルになれば、効果が顕
著に現れ始めると考えて良い。すると、図5によれば、
In23(粒径4.2μm)については、グレーズ層中
に占める重量組成比が2%以上になれば、効果が顕著に
現れ始めると読み取れる。
【0038】一方、SnO2(粒径0.8μm)につい
ては6%以上と読み取れるが、粒径を大きくすればサン
プルF(SnO2粒径3.1μm)の結果から類推して
もっと少量でも効果は現れるはずであり、十分に粒径が
大きくなればIn23(粒径4.2μm)と同様2%で
も効果が顕著に現れ始めると思われる。
【0039】なお、本発明の実施例であるサンプルB〜
Fに関するAC型プラズマディスプレイパネルについて
は、従来例のサンプルAのものと比較して駆動上の問題
は発生しなかった。従って、導電性のフィラーをグレー
ズ層に含めることでグレーズ層の体積抵抗率を下げ、ス
パーク放電を抑えるという本発明の処方は、同体積抵抗
率の調整幅がかなり広く取れるので、実用性が高いと言
える。
【0040】なお、上述の実施例では導電性フィラーに
SnO2やIn23を用いたが、他の導電性酸化物や、
導電性化合物、あるいは金属等を適用しても、グレーズ
層の体積抵抗率の調整幅が広いことから、目的とする調
整は十分に可能であることは容易に推察できる。
【0041】実施の形態2.図6は、グレーズ層に上述し
た内容で適量の導電性フィラーを含ませ、グレーズ層の
体積抵抗率を低めに調整したAC型プラズマディスプレ
イパネルを使用した表示装置を示したものである。10
0は表示部であり、上記発明に係るAC型プラズマディ
スプレイパネル101で構成される。102は駆動部で
あり、所望の画像を得るためにAC型プラズマディスプ
レイパネルに適宜、書き込み放電、維持放電、プライミ
ング放電及び消去放電を放電セル103に発生させ、こ
れを駆動制御する。この放電の駆動シーケンスは従来の
技術で説明した通りである。このように構成された表示
装置104は画像表示中に発生するプラズマディスプレ
イパネルのスパーク放電を低減または0にすることがで
きるので、これにより表示部に生じるノイズを低減また
は0にすることが可能となる。
【0042】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0043】第1の発明によれば、グレーズ層に導電性
部材が含まれているので、AC型プラズマディスプレイ
パネルを駆動する際に発生するスパーク放電をなくすこ
とができる。
【0044】第2の発明によれば、グレーズ層に酸化錫
または酸化インジウムの内少なくとも一つを含んでいる
ため、アドレス電極間の十分な絶縁性を維持した状態で
スパーク放電をなくすことができる。
【0045】第3の発明によれば、グレーズ層に占める
導電性酸化物の重量組成比を2%以上とすることで、確
実なスパーク放電の低減の効果を奏することができる。
【0046】第4の発明によれば、グレーズ層に導電性
部材が含まれたACプラズマディスプレイパネルを用い
て表示装置を構成したので、スパーク放電によるノイズ
に影響されない画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わるAC型プラズマディスプレイ
パネルの内部構造の断面図である。
【図2】 従来のAC型プラズマディスプレイパネルの
一例に関する内部構造の斜視図である。
【図3】 グレーズ層の無いAC型プラズマディスプレ
イパネルの内部構造の斜視図である。
【図4】 従来のAC型プラズマディスプレイパネルの
一例に関する内部構造の断面図である。
【図5】 本発明に関わる各種グレーズ層の体積抵抗率
に関するデータをグラフ化したものである。
【図6】 本発明に関わる表示装置を示したブロック図
である。
【符号の説明】
1 透明電極、2 バス電極、3 誘電体層、4 Mg
O膜、5 前面ガラス基板、6 アドレス電極、7 バ
リアリブ、8 蛍光体、9 背面ガラス基板、11 グ
レーズ層、Xn、Yn 維持放電電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 眞一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 武市 洋利 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内 (72)発明者 廣嶋 政幸 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内 (72)発明者 小川 善晴 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の互いに平行な維持放電電極対並び
    に該維持放電電極対を被覆する誘電体層とを有する第1
    の基板と、上記維持放電電極対と交差する方向に配線さ
    れた複数のアドレス電極並びに該アドレス電極を被覆す
    るグレーズ層とを有する第2の基板とが向かい合わせと
    なって形成される対向空間に、放電用のガスが封入され
    ている構造のAC型プラズマディスプレイパネルにおい
    て、上記グレーズ層は、導電性部材が含まれていること
    を特徴とするAC型プラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 アドレス電極を被覆するグレーズ層の組
    成は、絶縁性の無機バインダーにフィラーが分散された
    ものであり、該フィラーには導電性酸化物が含まれてお
    り、該導電性酸化物として、酸化錫か酸化インジウムの
    内少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項
    1に記載のAC型プラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 グレーズ層の中に占める導電性酸化物
    の、重量組成比が2%以上であることを特徴とする請求
    項2に記載のAC型プラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 複数の互いに平行な維持放電電極対並び
    に該維持放電電極対を被覆する誘電体層とを有する第1
    の基板と、上記維持放電電極対と交差する方向に配線さ
    れた複数のアドレス電極並びに該アドレス電極を被覆
    し、導電性部材が含まれているグレーズ層とを有する第
    2の基板とが向かい合わせとなって形成される対向空間
    に放電用のガスが封入されてなる構造の表示部、この表
    示部に画像を表示させるべく駆動する駆動シーケンスを
    有する駆動部を備えた表示装置。
JP9171806A 1997-06-27 1997-06-27 Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置 Pending JPH1125866A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9171806A JPH1125866A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置
US09/100,944 US6114748A (en) 1997-06-27 1998-06-22 AC plasma display panel provided with glaze layer having conductive member
KR1019980023827A KR100307415B1 (en) 1997-06-27 1998-06-24 Ac type plasma display panel and display device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9171806A JPH1125866A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1125866A true JPH1125866A (ja) 1999-01-29

Family

ID=15930077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9171806A Pending JPH1125866A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6114748A (ja)
JP (1) JPH1125866A (ja)
KR (1) KR100307415B1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6936965B1 (en) 1999-11-24 2005-08-30 Lg Electronics Inc. Plasma display panel
US7250724B2 (en) 2002-09-12 2007-07-31 Lg Electronics Inc. Plasma display panel including dummy electrodes in non-display area
US7329990B2 (en) 2002-12-27 2008-02-12 Lg Electronics Inc. Plasma display panel having different sized electrodes and/or gaps between electrodes
CN113336575A (zh) * 2021-07-03 2021-09-03 江西省萍乡市华东出口电瓷有限公司 带相电识别功能的瓷质绝缘子

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6897564B2 (en) * 2002-01-14 2005-05-24 Plasmion Displays, Llc. Plasma display panel having trench discharge cells with one or more electrodes formed therein and extended to outside of the trench

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2773393B2 (ja) * 1990-06-13 1998-07-09 日本電気株式会社 カラー放電表示パネルおよびその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6936965B1 (en) 1999-11-24 2005-08-30 Lg Electronics Inc. Plasma display panel
US7235924B2 (en) 1999-11-24 2007-06-26 Lg Electronics Inc. Plasma display panel
US7250724B2 (en) 2002-09-12 2007-07-31 Lg Electronics Inc. Plasma display panel including dummy electrodes in non-display area
US7329990B2 (en) 2002-12-27 2008-02-12 Lg Electronics Inc. Plasma display panel having different sized electrodes and/or gaps between electrodes
US7817108B2 (en) 2002-12-27 2010-10-19 Lg Electronics Inc. Plasma display having electrodes provided at the scan lines
CN113336575A (zh) * 2021-07-03 2021-09-03 江西省萍乡市华东出口电瓷有限公司 带相电识别功能的瓷质绝缘子

Also Published As

Publication number Publication date
US6114748A (en) 2000-09-05
KR100307415B1 (en) 2001-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6548962B1 (en) Gas discharge panel
JP3466092B2 (ja) ガス放電パネル
JP3626342B2 (ja) 面放電型プラズマディスプレイパネル
KR100263854B1 (ko) 플라즈마 표시장치
JP2000106090A (ja) Ac型プラズマディスプレイパネル
JPH1125866A (ja) Ac型プラズマディスプレイパネルおよび表示装置
JP3726667B2 (ja) Ac型プラズマディスプレイ装置
JP2001501357A (ja) 表示装置
JP2003132801A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3501027B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2844980B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100719587B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100669723B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100647632B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP3984558B2 (ja) ガス放電パネル
KR100615269B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100581932B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100637236B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
EP1876630A2 (en) Plasma display apparatus
KR100696546B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100719573B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100603314B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR100603375B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP4496916B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100545072B1 (ko) 가스방전패널

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040727