JPH11258232A - 血液分析装置 - Google Patents

血液分析装置

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JPH11258232A
JPH11258232A JP10687098A JP10687098A JPH11258232A JP H11258232 A JPH11258232 A JP H11258232A JP 10687098 A JP10687098 A JP 10687098A JP 10687098 A JP10687098 A JP 10687098A JP H11258232 A JPH11258232 A JP H11258232A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定期的に測定された網血小板のデータに基い
ていち早く回復転化時点を検知することができるような
血液分析装置を提供する。 【解決手段】 同一被検者の血液を測定装置で定期的に
測定して得られる網血小板比率のデータを受入れ、ある
データを対象データとした場合にその対象データが他の
データ群に対して特異変動したか否かを判定する解析装
置と、入力された網血小板に関するデータの推移情報と
特異変動情報を表示する表示装置とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定期的に測定され
た網血小板に関するデータから臨床上有益な情報を提供
することができる血液分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】網血小板は幼若な血小板であり、再生不
良性貧血や急性骨髄性白血病などでその数が減少するこ
とが知られている。また、例えば、ガン治療で使用され
る化学療法や骨髄移植の後の骨髄回復を知るためのマー
カとして有用ではないかともいわれている。化学療法に
おいて極度に血小板が減少した時には血小板製剤の輸血
が必要となるが、輸血後GVHD(移植片対宿主病)の
危険性及びコストの面から不必要な輸血は避けるべきで
あると考えられている。
【0003】一方、ITP(血小板減少症性紫斑病)な
どにおいては、治療としてステロイド剤や免疫グロブリ
ンなどが投与されるが、ステロイド剤はリバウンド、免
疫グロブリンは薬価が高いなどの問題があり、こちらも
必要最小限の投与が望まれている。
【0004】もし、血小板の回復を事前に予知すること
ができれば、不要な輸血や投与を避けることができる。
「Blood,Vol88,No9(Nov.1),1
996:pp3288−3298」には、網血小板比率
と血小板数との関連性についての記載があり、ヒトにP
EG−rHuMGDF(Pegylated Reco
mbinantHuman Megakaryocyt
e Growth and Development
Factor)を投与すると、血小板数が増加する5か
ら8日前に網血小板数に変化が起こったことが記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記論文のFig.7
には網血小板比率と血小板数との関連性がグラフ表示さ
れている。このグラフ全体を眺めれば、血小板が回復に
転じたことを知ることができるかもしれない。しかし、
データ順次獲得の途中でいち早くその時点を知ることは
できない。本発明の課題は、定期的に測定されたデータ
に基づき、血小板が回復の方向に転化した場合にそのこ
とをいち早く検知することができるような血液分析装置
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の血液分析装置
は、同一被検者の血液を定期的に測定して得られる網血
小板のデータ群について、あるデータを対象データとし
た場合にその対象データが他のデータ群に対して特異変
動したか否かを判定し、これら網血小板のデータ群に関
する推移情報と特異変動情報とを表示するよう構成され
ている。
【0007】よって、もし最新データが過去のデータ群
に対して特異的に上昇(変動)していれば、その後のデ
ータを待つことなく最新データを得た時点でいち早く、
そして正しくその最新データが特異上昇(特異変動)し
たことを知ることができるのである。併せて今までの網
血小板のデータの推移状況も知ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の血液分析装置の解析部に
おける機能は、ハードウェアであるいはソフトウェアで
あるいはその両方で構成されていてよい。また、表示部
としてはCRTやLCDなどのディスプレイ装置を使用
することが好ましいが、プリンターなどの印刷装置であ
ってもよい。
【0009】本発明の血液分析装置は、利便性の観点か
ら血液を分析し網血小板のデータを得る測定部をさらに
備えていていてよい。そして、その測定部は上記解析部
と分離的に設けられていてもよく、両者が一体的に設け
られていてもよい。測定部としては、塗抹標本からの画
像を解析するものやフローサイトメトリーによるものな
どが使用できるが、精度、高速性の点で後者の方が好ま
しい。また、網血小板のデータの解析部への入力は自
動、手動を問わないが、利便性の観点から測定手段での
測定から解析手段へのデータ入力まで自動でなされるこ
とが好ましい。
【0010】また、本発明の血液分析装置は、血液試料
が導入され個々の血球に対応して血球の特徴を反映した
信号を発生する検出部と、検出部にて検出された信号を
信号処理する信号処理部と、得られた信号に基づき網血
小板のデータを算出する解析部と、解析結果等を表示す
る表示部とを備え、解析部は、測定により得られる網血
小板のデータ群を被検者ごとに分けてファイリングする
グループファイリング手段と、各ファイルごとにそのフ
ァイル内のある対象データが他のデータ群に対して特異
変動したか否かを判定する判定手段とを備え、表示部
は、各ファイルごとに網血小板のデータ群の推移情報と
特異変動情報とを表示するものであることが好ましい。
【0011】この場合、特異変動判定を行いたいものに
ついて、データ群を被検者ごとに分けてファイリングで
きるので、複数の被検者について特異変動の判定が可能
となり、さらに操作性や利便性の点で優れる。
【0012】特異変動の判定手法としては各種手法が利
用可能であるが、被験者の状態(治療の種類や症状の重
軽など)により測定値の現れ方が異なりうること、測定
値が誤差を持つことなどから、絶対的な比較ではなく相
対的な比較が好ましく、特に統計的手法によって得られ
た閾値データと比較することが好ましい。具体的には、
データ群から選ばれたデータ群について統計的パラメー
タを算出し、その統計的パラメータを用いて閾値データ
を生成する。統計的パラメータとはデータ群の分布状態
(平均値やばらつき具合など)を表わすものであって、
平均値や標準偏差である。統計的パラメータを算出する
ためのデータ群としては対象データ近傍の(時間的に近
い)データ群であることが好ましい。
【0013】例えば、R(i);i=1,2,・・・,
nなる時系列の網血小板のデータ群があるとする(iが
大きいほど新しいデータ)。対象データをデータR
(n)とした場合に、その対象データR(n)近傍の複
数のデータ群R(n−1),R(n−2),・・・,R
(n−k)から算出される閾値データT(n−1)と対
象データR(n)とを比較することにより、その対象デ
ータR(n)が他のデータ群R(n−1),R(n−
2),・・・,R(1)に対して特異変動したか否かを
好適に判定することができる。
【0014】さらに、上記閾値データT(n−1)を上
記選択されたk個のデータ群R(n−1),R(n−
2),・・・,R(n−k)の平均値M(n−1)及び
標準偏差S(n−1)を用いてM(n−1)+c×S
(n−1)とすることができる。kは3以上である。定
数cは検知感度を調節する係数であり、cが小さいほど
特異変動は検出しやすくなるが誤検出も多くなる。cが
大きいほど誤検出はなくなるが特異変動も検出しにくく
なる。そこで、cの値としてはユーザ設定可能にしてお
き経験的に最適値を選べるようにしておくことが好まし
い。使用可能範囲としては1≦c≦4であり、好適には
2から4である。今仮に、複数のデータ群R(n−
1),R(n−2),・・・,R(n−k)が正規分布
しているとした場合、c=1.0,1.5,2.0,
3.0,4.0のとき上記複数のデータ群のうち閾値デ
ータT(n−1)を超えるデータの割合はそれぞれ1
5.9%,6.7%,2.3%,0.1%,0.0%で
ある。
【0015】ところで、網血小板のデータとは網血小板
に関連するデータという意味である。血小板数の回復予
知を行う場合には、網血小板数の血小板数に対する比で
表わされる網血小板比率を使用することが好ましい。そ
して、それが高精度で得られたデータであればあるほ
ど、データの特異変動をより正確に高精度に検出するこ
とができるので好ましい。高精度の網血小板比率データ
を得るためには血小板数又は/及び網血小板数が高精度
に測定される必要がある。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の血液分析装置の第1実施例
10のブロック図である。ここで血液分析装置10は解
析部及び表示部に測定部を付加したものとして構成され
ている。測定部12においては、被験者から採取された
血液試料14を吸引パイプ16によって測定部12内に
導入し、流体部18で希釈、染色などの前処理を行い、
検出部20で個々の血球を光学的に測定し、得られた信
号を信号処理部22で処理し血球の特徴を反映した特徴
パラメータを得、その特徴パラメータをデータ処理部2
4で解析することにより血小板数、網血小板数、網血小
板比率についての測定値を得ている。
【0017】検出部20は、蛍光染色された血球を含む
試料液をシース液で囲んでフローセルに流すことによっ
て試料液細流を形成し、その試料液細流にレーザ光を照
射し、そのレーザ光照射領域を通過する個々の血球から
発せられる前方方向の散乱光と蛍光をダイクロイックミ
ラーで選別しそれぞれフォトダイオード(前方散乱
光)、フォトマルチプライヤ(前方蛍光)で受光する構
成をとっている。血小板や網血小板を測定対象とする場
合には、血小板と網血小板とを他の粒子群から光学的に
識別可能なように蛍光染色を行えばよい。具体的にはオ
ーラミンO、アクリジンオレンジ、プロピディウムアイ
オダイド、エチジウムブロマイド、ヘキスト3334
2、ピロニンY、ローダミンなどが使用できる。ここで
は染料としてオーラミンOを使用し、光源としてアルゴ
ンレーザを使用した。
【0018】フォトダイオード、フォトマルチプライヤ
でそれぞれ受光された散乱光、蛍光は信号処理部22で
増幅やノイズ除去などの各種信号処理がなされ、各信号
のピーク値がピークホールドされA/D変換される。A
/D変換された信号はデータ解析部24に蓄積され解析
される。
【0019】図2はデータ処理部24で生成された、前
方散乱光強度Fscと蛍光強度Flをパラメータとする
2パラメータ分布図(スキャッタグラム)である。前方
散乱光強度Fsc(縦軸)は粒子サイズを反映したパラ
メータであり、蛍光強度Fl(横軸)は粒子含有RNA
量を反映したものである。領域RBは赤血球(成熟赤血
球)、REは網赤血球(未成熟赤血球)、PLは血小板
(成熟血小板)、RPは網血小板(未成熟血小板)がそ
れぞれ分布する領域である。そして、FRは分裂赤血球
などの非血小板粒子が分布する領域であり、OTは分裂
白血球などのその他粒子が分布する領域である。
【0020】この分布図において、血小板の分布領域の
近傍で蛍光強度Flが小の側の領域FRに分裂赤血球が
分布することがあること、網血小板の分布領域に隣接し
て蛍光強度Flが大の側の領域OTに分裂白血球が分布
することがあることが新しく判明した。これらは、特開
平8−178826号公報に示す装置で各領域の粒子を
撮影した画像によって確認された。なお、これら分裂赤
血球や分裂白血球は健常人では出現しないものである。
【0021】上記分布をクラス分けすることにより血小
板数、網血小板数のデータが得られ、これらデータから
網血小板比率のデータが得られるが、分裂赤血球などの
非血小板粒子を排除することができれば異常検体であっ
てもより正しく血小板数を得ることができる。また、分
裂白血球などのその他の粒子を排除することができれば
異常検体であってもより正しく網血小板数を得ることが
できる。いずれもより正しい網血小板数を得ることに貢
献する。
【0022】2パラメータの分布データを生成してから
網血小板比率のデータを得るまでの処理を図2を参照し
ながら説明する。 〔1〕.赤血球と血小板とを分画する分画線Eの決定。 そのために、特開平1−308964号公報記載の方法
を使用した。 〔2〕.血小板と分裂赤血球を分画する分画線Bの決
定。 そのために、血小板集団の分布の重心とスッキャッタグ
ラムの原点を結んだ直線Aと平行であって、直線Aの直
角方向に投影した血小板の度数分布において平均値−標
準偏差×3に相当する位置を通る直線を分画線Bとし
た。 〔3〕.血小板と網血小板を分画する分画線Dの決定。 そのために、直線Aと平行であって、直線Aの直角方向
に投影した血小板の度数分布において平均値+標準偏差
×2に相当する位置を通る直線を分画線Dとした。 〔4〕.網血小板と分裂白血球を分画する分画線Cの決
定。 そのために、蛍光強度Flが大の側に直線Aと平行な直
線を設定しそれを分画線Cとした。 〔5〕.血小板数および網血小板数の算出。 そのために、領域PL、領域RPに属する粒子数を計数
し、血小板数、網血小板数をそれぞれ算出した。 〔6〕.網血小板比率の算出。 そのために、網血小板数÷血小板数×100%で算出し
た。
【0023】分画線Bを設定したときの方が設定しない
ときよりも高精度に血小板数を算出することができ、分
画線Cを設定したときの方が設定しないときよりも高精
度に網血小板数を算出することができる。このようにし
て常により高精度に網血小板比率を算出することができ
た。
【0024】同一被験者から定期的(経日的あるいは経
時的)に血液を採取し測定部に供することにより、同一
被験者の血小板数および網血小板比率に関するデータが
時系列的に得られ、これら同一被検者の時系列データ群
は、解析部26の入力部30に伝送され、ひとまず記憶
部32に記憶される。演算部34は記憶部32に記憶さ
れた網血小板比率のデータを使って網血小板比率データ
の特異上昇の有無を判定する。31は解析部26を操作
するためのキーボードやマウスなどの操作部である。
【0025】演算部34で行われる判定処理について説
明する。 〔1〕.データ群の獲得。 記憶部32から同一被検者について得られた血小板数及
び網血小板比率の全データR(i),R(i);i=
1,2,・・・,nを取り出す。 〔2〕.閾値データT(n−1)の算出。 複数個k、ここでは3個、の網血小板比率のデータ群R
(n−1),R(n−2),R(n−3)の平均値M
(n−1)及び標準偏差S(n−1)を算出し、M(n
−1)+4×S(n−1)を最新データR(n)に対す
る閾値データT(n−1)とする。 〔3〕.特異上昇の有無判定。 R(n)−T(n−1)、すなわちR(n)−(M(n
−1)+4×S(n−1))を判定式H(n)とし、こ
の判定式H(n)が負の値から正の値に転化したことを
もって最新データR(n)が他の過去のデータ群に対し
て特異的に上昇したと決定する。 〔4〕.結果の表示。 記憶部32に記憶されている血小板数のデータ群P
(i);i=1,2,・,nの推移情報(変化の具合)
及び網血小板比率のデータ群R(i);i=1,2,・
・・,nの推移情報、並びに検出された網血小板比率の
特異上昇情報(特異上昇が発生した時点)を、表示部3
8に送り表示する。なお、データ群の変化の具合はデー
タ群をグラフ化し推移をわかりやすく表示する。
【0026】図3、4、5は表示部38での表示結果の
例を示す。図3はある患者の骨髄移植後の結果を示す。
横軸DAYは骨髄移植後の経過日数を表わしている。血
小板数、網血小板比率のデータは毎日あるいは2日置い
て継続的に測定して得られたものである。実線の折線グ
ラフ−◆−は血小板数の変化を示し、破線の折線グラフ
・▲黒四角▼・は網血小板比率の変化を示している。1
5日経過時点上の太い破線は上記判定式H(n)が正の
値になったこと、すなわち網血小板比率データR(n)
が特異上昇したことを示している。すなわち、その数日
後に血小板数が上昇開始するであろうことが15日経過
の時点で予測することができた。
【0027】図4は別の患者の化学療法後の結果を示
す。25日経過時点で網血小板比率データが特異上昇し
たことが検知できた。
【0028】図5はさらに別の患者の化学療法後の結果
を示す。15日経過時点で網血小板比率データが特異上
昇したことが検知できた。
【0029】図3,4,5に示す例における特異上昇時
点前後の各具体的な数値を図6にまとめて示す。
【0030】図7は、本発明の血液分析装置の第2実施
40のブロック図である。この例では測定部、解析部及
び表示部が一体的に構成されている。このため第1実施
例における測定部12のデータ解析部24と解析部26
とが一体的に構成されて解析部44を構成している(測
定部12のデータ解析部24に解析部26の特異変動検
知の機能が付加されたと見てもよい)。
【0031】特異変動判定に必要なデータ群を得、記憶
するところまでは前記の通りである。本実施例において
は、測定データ群を被検者ごとに分けてファイルするグ
ループファイリング機能が備えられている。46はその
機能を実行、操作するための入力手段であり、キーボー
ドやマウス、あるいは表示部48の表示画面42上に表
示されるタッチキーなどである。
【0032】図8は解析部44要部のブロック図であ
る。50、51はそれぞれデータバス49に接続された
中央処理ユニット、記憶ユニットである。52は測定さ
れた全データが格納されている総ファイル、54a,5
4b,54c,・・・は被検者a,b,c,・・・ごと
の測定データが格納されている個別ファイルをそれぞれ
表わしている。
【0033】グループファイリング及び各ファイルごと
の特異変動判定処理の一例を説明する。 〔1〕.モード選択。 まず、入力手段46により表示画面42に現れたメニュ
ー項目の中から「血小板モニター」の項目を選択する。
このことで本機能が起動される。 〔2〕.個別ファイルの選択。 表示画面42に個別ファイルの全てについてファイル情
報(例えば被検者の検体番号や名前、記憶データ量な
ど)とともに一覧表示させる。それを参考に入力手段4
6により所定のファイルを選択する。 〔3〕.測定。 被検者の血液を装置に供し、血小板数、網血小板数及び
網血小板比率のデータを得る。 〔4〕.測定データの可否選択。 得られた測定データをファイルしてよいかどうか選択す
る。もしよければ入力手段46により「データとする」
を入力することにより測定データは個別ファイルに格納
され、特異変動判定がなされ、今までのデータの推移情
報及び特異変動情報が表示画面に表示される。測定エラ
ーの発生などによりデータとしたくないときは「データ
としない」を入力し再測定する。
【0034】ところで、特異変動の正確度を向上させた
い場合には、対象データR(n)が仮に特異変動したと
判定されても特異変動とは決定せず、その次のデータR
(n+1)も特異変動したと判定された場合に初めてこ
の最新データR(n+1)は特異変動したと決定するよ
うにすることが好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明の血液分析装置は、同一被検者の
血液を定期的に測定して得られる網血小板のデータ群に
ついて、あるデータを対象データとした場合にその対象
データが他のデータ群に対して特異変動したか否かを判
定し、これら網血小板のデータ群に関する推移情報と特
異変動情報とを表示するよう構成されているので、デー
タの特異変動が発生した場合、いち早くそれを知ること
ができる。そして、この情報を診断や治療に有効利用す
ることが可能となる。
【0036】データの特異変動を、統計的に行う場合に
は、被験者の状態(治療の種類や症状の重軽など)によ
り測定値の現れ方が異なっていてもより正しく検知する
ことができる。
【0037】被検者の血液を分析し網血小板に関するデ
ータを得るための測定手段が備えられて上記検知を行う
場合には、操作する上で便利である。
【0038】解析部に、測定により得られる網血小板の
データ群を被検者ごとに分けてファイリングするグルー
プファイリング手段と、各ファイルごとにそのファイル
内のある対象データが他のデータ群に対して特異変動し
たか否かを判定する判定手段とを備える場合には、デー
タ群を被検者ごとに分けてファイリングできるので、複
数の被検者について特異変動の判定が可能となり、さら
に操作性、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置における第1実施例のブロック
図である。
【図2】本発明の装置において得られた分布図の一例で
ある。
【図3】本発明の装置によって得られた第1の結果の表
示例である。
【図4】本発明の装置によって得られた第2の結果の表
示例である。
【図5】本発明の装置によって得られた第3の結果の表
示例である。
【図6】上記第1、第2、第3の結果に関する具体的数
値の一部である。
【図7】本発明の装置における第2実施例のブロック図
である。
【図8】本発明の装置における解析部要部のブロック図
である。
【符号の説明】
10,40 血液分析装置 12 測定部 14 血液試料 26,44 解析部 38,48 表示部 50 中央処理ユニット 51 記憶ユニット 52,54a,54b,54c ファイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一被検者の血液を定期的に測定して得
    られる網血小板のデータ群を受入れ、ある対象データが
    他のデータ群に対して特異変動したか否かを判定する解
    析部と、これら網血小板のデータ群に関する推移情報と
    特異変動情報とを表示する表示部とを備えることを特徴
    とする血液分析装置。
  2. 【請求項2】 解析部は、対象データと統計的手法によ
    って得られた閾値データとの比較に基いてその対象デー
    タが他のデータ群に対して特異変動したことを検知する
    ことを特徴とする請求項1記載の血液分析装置。
  3. 【請求項3】 閾値データは、対象データ近傍の他のデ
    ータ群の平均値と標準偏差を用いて得られるものである
    ことを特徴とする請求項2記載の血液分析装置。
  4. 【請求項4】 血液を分析し網血小板のデータを得る測
    定部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の血
    液分析装置。
  5. 【請求項5】 血液試料が導入され個々の血球に対応し
    て血球の特徴を反映した信号を発生する検出部と、検出
    部にて検出された信号を信号処理する信号処理部と、得
    られた信号に基づき網血小板のデータを算出する解析部
    と、解析結果等を表示する表示部とを備え、 解析部は、測定により得られる網血小板のデータ群を被
    検者ごとに分けてファイリングするグループファイリン
    グ手段と、各ファイルごとにそのファイル内のある対象
    データが他のデータ群に対して特異変動したか否かを判
    定する判定手段とを備え、 表示部は、各ファイルごとに網血小板のデータ群の推移
    情報と特異変動情報とを表示することを特徴とする血液
    分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111718A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Sysmex Corp 血小板測定用試薬、血小板測定用試薬キット並びに血小板測定方法
US7892850B2 (en) * 2003-07-04 2011-02-22 Sysmex Corporation Apparatus and method for measuring immature platelets

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