JPH11244669A - 塩水生成装置 - Google Patents

塩水生成装置

Info

Publication number
JPH11244669A
JPH11244669A JP4551198A JP4551198A JPH11244669A JP H11244669 A JPH11244669 A JP H11244669A JP 4551198 A JP4551198 A JP 4551198A JP 4551198 A JP4551198 A JP 4551198A JP H11244669 A JPH11244669 A JP H11244669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
seawater
water
salt
stored
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4551198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3913885B2 (ja
Inventor
Yasuhide Nakakuki
康秀 中久喜
Hidenori Kayano
秀則 茅野
Naomi Kawahito
尚美 川人
Izumi Yasui
泉 安井
Minoru Kawarada
稔 川原田
Yasuaki Totsuka
康昭 戸塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Komuten Co Ltd filed Critical Takenaka Komuten Co Ltd
Priority to JP04551198A priority Critical patent/JP3913885B2/ja
Publication of JPH11244669A publication Critical patent/JPH11244669A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3913885B2 publication Critical patent/JP3913885B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー消費量が少なく、かつ設備の設置
面積が小さい塩水生成装置を得る。 【解決手段】 原水ポンプ12を稼動することにより濃
塩水タンク24に海水90を貯留した後、循環ポンプ3
4及び熱源40を稼動することにより、濃塩水タンク2
4に貯留した海水90を加熱すると共に濃塩水タンク2
4と膜蒸留膜モジュール18との間で循環させる。これ
と同時に加熱していない海水90を膜蒸留膜モジュール
18内を通過させる。これによって、膜蒸留膜モジュー
ル18では、上記循環されている海水から淡水のみを抽
出して淡水タンク46に貯留する。従って、上記循環さ
れている海水は、時間の経過に従って、抽出された淡水
の量に応じて塩分濃度が徐々に高くなるので、濃塩水タ
ンク24に貯留されている海水の塩分濃度が所望の濃度
に達した時点で上記循環を停止することにより、所望の
塩分濃度の塩水を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩水生成装置に係
り、特に、複数の塩分濃度の塩水を生成する塩水生成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の塩分濃度の塩水を生成する
技術として適用し得るものとして、蒸発法及び電気透析
法があった。
【0003】蒸発法は、図8(A)に示すように、海水
90を火力等により加熱することによって、水のみを蒸
発させて、淡水と濃塩水とに分離する方法である。この
際の海水90に対する加熱時間、加熱温度等を調整する
ことによって、複数の塩分濃度の塩水を生成することが
できる。
【0004】また、電気透析法は、図8(B)に示すよ
うに、海水90が貯留された容器内に2枚のイオン交換
膜97を所定間隔隔てて設け、容器内における一方のイ
オン交換膜97の外側にプラス電極98Aを、他方のイ
オン交換膜97の外側にマイナス電極98Bを、各々海
水90に浸すように設置して海水90内に電気を流すこ
とによってイオンを移動させて、イオン交換膜97によ
って淡水と濃塩水とに分離する方法である。この際の各
電極間の電位差、電気を流す期間等を調整することによ
って、複数の塩分濃度の塩水を生成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記蒸
発法では、設備の設置面積を小さくするために海水90
の加熱面積を小さくした場合には海水90の加熱のため
のエネルギー消費量が多くなり、エネルギー消費量を小
さくしようとすると加熱面積を大きくする必要があり設
備の設置面積が大きくなる、という問題があった。
【0006】また、上記電気透析法では、電気エネルギ
ーの消費量が非常に大きい、という問題点があった。
【0007】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、エネルギー消費量が少なく、かつ設備
の設置面積が小さい塩水生成装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の塩水生成装置は、海水を貯留した第
1のタンクと、前記第1のタンクに貯留された海水を加
熱する加熱手段と、内部に設けられた膜を隔てて配置さ
れた温海水が通過する第1の通路と冷海水が通過する第
2の通路とを備えると共に前記加熱手段によって加熱さ
れた海水が前記第1のタンクと前記第1の通路との間で
循環されかつ前記第2の通路に加熱されていない海水が
通過された際に前記加熱された海水から淡水のみを抽出
する淡水抽出手段と、前記加熱手段によって加熱された
海水の前記第1のタンクと前記第1の通路との間の循環
を制御すると共に前記第1のタンクに貯留されている海
水の塩分濃度が所定の濃度に達した場合に前記循環を停
止するように制御する制御手段と、を備えている。
【0009】請求項1に記載の塩水生成装置によれば、
第1のタンクに貯留された海水が加熱手段によって加熱
され、該加熱された海水の第1のタンクと淡水抽出手段
に備えられた温海水が通過する第1の通路との間の循環
が制御手段によって制御される。
【0010】淡水抽出手段には、内部に設けられた膜を
隔てて配置された温海水が通過する上述した第1の通路
と冷海水が通過する第2の通路とが備えられており、加
熱された海水が第1のタンクと第1の通路との間で循環
されかつ第2の通路に加熱されていない海水が通過され
た際に加熱された海水から淡水のみが抽出されるように
構成されている。従って、上記循環の際に第2の通路に
加熱していない海水を通過させることによって加熱され
た海水から淡水のみが抽出される。なお、上述した淡水
抽出手段による淡水の抽出方法は膜蒸留法と呼ばれてい
る。
【0011】以上の動作によって時間の経過に伴って第
1のタンクに貯留された海水から淡水が徐々に抽出され
るので、第1のタンクに貯留された海水の塩分濃度が徐
々に高くなる。
【0012】一方、制御手段によって第1のタンクに貯
留されている海水の塩分濃度が所定の濃度に達した場合
に上記循環を停止するように制御される。従って、第1
のタンクに貯留されている塩水の塩分濃度を所定の濃度
とすることができる。
【0013】なお、ここで生成される塩水は、海水の塩
分濃度以上の塩分濃度のものである。
【0014】このように、請求項1に記載の塩水生成装
置によれば、加熱されていない海水を膜蒸留法における
冷却源として用いていると共に、加熱されていない海水
と加熱された海水とを各々淡水抽出手段の内部を膜を隔
てて隣接して通過させることにより所定の塩分濃度の塩
水を生成しているので、エネルギー効率が非常によく、
エネルギー消費量を少なくすることができると共に、海
水の加熱面積を小さくすることができ、設備の設置面積
を小さくすることができる。
【0015】また、請求項2記載の塩水生成装置は、請
求項1記載の塩水生成装置における前記制御手段が、前
記海水の原水の塩分濃度、前記所定の濃度、及び前記第
1のタンクの寸法に基づいて前記第1のタンクに貯留さ
れた海水の塩分濃度が前記所定の濃度に達した場合の前
記第1のタンクの水位を算出し、該算出された水位に前
記第1のタンクの水位が達したときに前記第1のタンク
に貯留された海水の塩分濃度が前記所定の濃度に達した
と判断して前記循環を停止するように制御するものであ
る。
【0016】請求項2に記載の塩水生成装置によれば、
請求項1記載の制御手段によって、海水の原水の塩分濃
度、上記所定の濃度、及び上記第1のタンクの寸法に基
づいて第1のタンクに貯留された海水の塩分濃度が上記
所定の濃度に達した場合の第1のタンクの水位が算出さ
れ、該算出された水位に第1のタンクの水位が達したと
きに第1のタンクに貯留された海水の塩分濃度が所定の
濃度に達したと判断されて上記循環が停止される。
【0017】このように、請求項2に記載の塩水生成装
置によれば、塩分濃度が所定の濃度に達した場合の第1
のタンクの水位を予め算出しておき、該算出された水位
に第1のタンクの水位が達したときに循環動作を停止す
るように制御しているので、第1のタンクの塩分濃度を
測定することなしに所定の塩分濃度の塩水を容易に生成
することができる。
【0018】また、請求項3記載の塩水生成装置は、請
求項1又は請求項2記載の塩水生成装置において、前記
淡水抽出手段によって抽出された淡水を貯留する第2の
タンクと、前記第2の通路を通過した加熱されていない
海水を貯留する第3のタンクと、前記第2のタンクに貯
留された淡水と前記第3のタンクに貯留された海水とを
混合して生成した希釈海水を貯留する第4のタンクと、
を更に備え、前記制御手段は、前記第2のタンクに貯留
された淡水と前記第3のタンクに貯留された海水との混
合を制御するものである。
【0019】請求項3に記載の塩水生成装置によれば、
請求項1又は請求項2記載の塩水生成装置の淡水抽出手
段によって抽出された淡水が第2のタンクに貯留される
と共に、淡水抽出手段に備えられた第2の通路を通過し
た加熱されていない海水が第3のタンクに貯留される。
【0020】さらに、第2のタンクに貯留された淡水と
第3のタンクに貯留された海水との混合が制御手段によ
って制御されて、この混合によって生成された希釈海水
が第4のタンクに貯留される。
【0021】このように、請求項3に記載の塩水生成装
置によれば、淡水抽出手段によって抽出された淡水を第
2のタンクに貯留し、加熱されていない海水を第3のタ
ンクに貯留すると共に、第2のタンクに貯留された淡水
と第3のタンクに貯留された海水とを混合することによ
って希釈海水を生成しているので、淡水抽出手段により
抽出された淡水を有効利用して、塩分濃度が0%から海
水の塩分濃度までの塩水を安価でかつ容易に生成するこ
とができる。
【0022】また、請求項4記載の塩水生成装置は、請
求項3記載の塩水生成装置において、前記第1のタン
ク、前記第2のタンク、前記第3のタンク、及び前記第
4のタンクの少なくとも1つのタンクに、タンク内の水
位を検知する第1の検知手段と、タンク内の貯留水の塩
分濃度を検知する第2の検知手段と、を備え、前記制御
手段は、前記第1の検知手段と前記第2の検知手段とが
備えられたタンクにおいて、前記第1の検知手段により
検知された水位に基づいてタンク内の貯留水の塩分濃度
を算出し、算出された塩分濃度と前記第2の検知手段に
より検知された塩分濃度との差が所定値より大きい場合
は前記第2の検知手段の点検を促し、前記第2の検知手
段により検知された塩分濃度に基づいてタンク内の水位
を算出し、算出された水位と前記第1の検知手段により
検知された水位との差が所定値より大きい場合は前記第
1の検知手段の点検を促すものである。
【0023】請求項4に記載の塩水生成装置によれば、
請求項3記載の塩水生成装置における第1のタンク、第
2のタンク、第3のタンク、及び第4のタンクの少なく
とも1つのタンク内の水位が第1の検知手段によって検
知されると共に、タンク内の貯留水の塩分濃度が第2の
検知手段によって検知される。
【0024】この際、制御手段によって、第1の検知手
段と第2の検知手段とが備えられたタンクにおける第1
の検知手段により検知された水位に基づいてタンク内の
貯留水の塩分濃度が算出され、算出された塩分濃度と第
2の検知手段により検知された塩分濃度との差が所定値
より大きい場合は第2の検知手段の点検が促される。
【0025】また、制御手段によって、第2の検知手段
により検知された塩分濃度に基づいてタンク内の水位が
算出され、算出された水位と第1の検知手段により検知
された水位との差が所定値より大きい場合は第1の検知
手段の点検が促される。
【0026】このように、請求項4に記載の塩水生成装
置によれば、第1のタンク、第2のタンク、第3のタン
ク、及び第4のタンクの少なくとも1つのタンクにタン
ク内の水位を検知する第1の検知手段と、タンク内の貯
留水の塩分濃度を検知する第2の検知手段と、を備え、
これらの検知手段における一方の検知手段の検知精度
を、他方の検知手段による検知結果に基づいて確認する
と共に、検知精度が所定の精度より低い場合には上記一
方の検知手段の点検を促すので、第1の検知手段及び第
2の検知手段の故障を未然に防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る塩水生成装置の実施の形態について詳細に説明す
る。まず、図1を参照して、本発明の塩水生成装置の淡
水抽出手段として本実施形態で適用する膜蒸留法の原理
について説明する。
【0028】同図に示すように、本実施形態で適用する
膜蒸留法では、厚さ約300ミクロンの膜92により仕
切られた一方側に所定温度に加熱された温海水90Aを
膜92の表面に平行(図1矢印A方向)に流すと共に、
他方側に上記温海水90Aより温度が低い冷海水90B
を温海水90Aと平行でかつ逆方向(図1矢印B方向)
に流す。
【0029】従って、膜92の両側には温度差が発生
し、この温度差によって温海水90Aの水蒸気が図1矢
印C方向に膜92を通過して移動し、冷海水90Bの通
過によって冷却された冷却面94の表面で凝縮されて水
滴96になり、この水滴96を図1矢印D方向に移動さ
せて淡水を得ることができる。従って、このような膜蒸
留法を実施した後の温海水90Aは、得られた淡水の量
に応じた塩分濃度の塩水となる。
【0030】次に、図2を参照して、本実施形態に係る
塩水生成装置10の構成について説明する。同図に示す
ように、本実施形態に係る塩水生成装置10は海水90
を汲み上げる原水ポンプ12を備えており、原水ポンプ
12の海水90を流出する流出口は図示しないろ過装置
等によって構成された前処理部14の流入口に配管され
ている。
【0031】前処理部14のろ過処理等がなされた海水
90を流出する流出口は上述した膜蒸留法を実現する膜
蒸留膜モジュール18の冷海水90Bを流入する流入口
に配管されており、膜蒸留膜モジュール18の冷海水9
0Bを流出する流出口はモータ20によって流出方向が
変更される1流入2流出のモータ弁22の流入口に配管
されている。なお、モータ20は塩水生成装置10全体
の動作を制御する制御盤32に接続されており、制御盤
32はモータ弁22の流出方向を随時変更することがで
きる。
【0032】また、前処理部14と膜蒸留膜モジュール
18との間の配管の途中には、該配管を流れる海水90
の塩分濃度を検知するセンサ16が設置されている。な
お、センサ16は制御盤32に接続されており、制御盤
32は、この部分を通過する海水90の塩分濃度を随時
知ることができる。センサ16としては、電気伝導度計
や塩分計等が適用できる(後述するセンサ30、センサ
50及びセンサ74も同様)。
【0033】また、モータ弁22の一方の流出口は濃塩
水タンク24の流入口に配管されている。また、濃塩水
タンク24の上部には濃塩水タンク24内に貯留された
塩水を攪拌する攪拌器26及び濃塩水タンク24内に貯
留された塩水の水位を検知するレベル計28が設置され
ており、さらに、濃塩水タンク24内部には濃塩水タン
ク24内に貯留された塩水の塩分濃度を検知するセンサ
30が設置されている。なお、攪拌器26、レベル計2
8、及びセンサ30は制御盤32に接続されており、制
御盤32は濃塩水タンク24内に貯留された塩水の攪拌
動作を制御することができると共に、濃塩水タンク24
内に貯留された塩水の水位及び塩分濃度を随時知ること
ができる。
【0034】一方、濃塩水タンク24の流出口は循環ポ
ンプ34の流入口に配管されており、循環ポンプ34の
流出口はモータ36によって流出方向が変更される1流
入2流出のモータ弁38の流入口に配管されている。な
お、循環ポンプ34及びモータ36は制御盤32に接続
されており、制御盤32は循環ポンプ34の作動の制御
及びモータ弁38の流出方向の変更を随時行うことがで
きる。
【0035】また、モータ弁38の一方の流出口は塩水
生成装置10の外部へと配管されており、他方の流出口
は流入された海水90を所定温度(本実施形態では最高
約80℃)に加熱する熱源40の流入口に配管されてい
る。さらに、熱源40の流出口は膜蒸留膜モジュール1
8の温海水90Aを流入する流入口に配管されており、
膜蒸留膜モジュール18の温海水90Aを流出する流出
口は濃塩水タンク24の流入口に配管されている。
【0036】一方、膜蒸留膜モジュール18の淡水を流
出する流出口は、モータ42によって流出方向が変更さ
れる1流入2流出のモータ弁44の流入口に配管されて
おり、モータ弁44の一方の流出口は塩水生成装置10
の外部へと配管されており、他方の流出口は淡水タンク
46の流入口に配管されている。なお、モータ42は制
御盤32に接続されており、制御盤32はモータ弁44
の流出方向を随時変更することができる。
【0037】淡水タンク46の上部には、淡水タンク4
6内に貯留された淡水の水位を検知するレベル計48が
設置されており、淡水タンク46内部には淡水タンク4
6内に貯留された淡水の塩分濃度を検知するセンサ50
が設置されている。なお、レベル計48及びセンサ50
は制御盤32に接続されており、制御盤32は淡水タン
ク46内に貯留された淡水の水位及び塩分濃度を随時知
ることができる。
【0038】淡水タンク46の流出口は淡水供給ポンプ
52の流入口に配管されており、淡水供給ポンプ52の
流出口はモータ54によって流出方向が変更される1流
入3流出のモータ弁56の流入口に配管されている。ま
た、モータ弁56の一つ目の流出口は塩水生成装置10
の外部へと配管されており、二つ目の流出口は濃塩水タ
ンク24の流入口に配管されており、三つ目の流出口は
後述する混合タンク72の流入口に配管されている。な
お、淡水供給ポンプ52及びモータ54は制御盤32に
接続されており、制御盤32は淡水供給ポンプ52の作
動の制御及びモータ弁56の流出方向の変更を随時行う
ことができる。
【0039】一方、前処理部14と膜蒸留膜モジュール
18との間の配管は分岐されており、モータ58により
流出方向が変更される1流入2流出のモータ弁60の流
入口に配管されている。また、この前処理部14とモー
タ弁60との間の配管には、上述したモータ弁22の他
方の流出口からの配管が合流されている。なお、モータ
58は制御盤32に接続されており、制御盤32はモー
タ弁60の流出方向の変更を随時行うことができる。
【0040】一方、モータ弁60の一方の流出口は塩水
生成装置10の外部へと配管されており、他方の流出口
は海水タンク62の流入口に配管されている。
【0041】海水タンク62の上部には、海水タンク6
2内に貯留された海水の水位を検知するレベル計64が
設置されている。なお、レベル計64は制御盤32に接
続されており、制御盤32は海水タンク62内に貯留さ
れた海水の水位を随時知ることができる。
【0042】海水タンク62の流出口は海水供給ポンプ
66の流入口に配管されており、海水供給ポンプ66の
流出口はモータ68によって流出方向が変更される1流
入2流出のモータ弁70の流入口に配管されている。ま
た、モータ弁70の一方の流出口は塩水生成装置10の
外部へと配管されており、他方の流出口は後述する混合
タンク72の流入口に配管されている。なお、海水供給
ポンプ66及びモータ68は制御盤32に接続されてお
り、制御盤32は海水供給ポンプ66の作動の制御及び
モータ弁70の流出方向の変更を随時行うことができ
る。
【0043】一方、本実施形態に係る塩水生成装置10
には混合タンク72が設けられており、混合タンク72
の流入口には、上述したようにモータ弁56の他方の流
出口及びモータ弁70の他方の流出口が各々配管されて
いる。
【0044】また、混合タンク72内部には混合タンク
72内に貯留された塩水の塩分濃度を検知するセンサ7
4が、混合タンク72の上部には混合タンク72内に貯
留された塩水の水位を検知するレベル計76及び混合タ
ンク72内に貯留された塩水を攪拌する攪拌器78が、
各々設置されている。なお、センサ74、レベル計7
6、及び攪拌器78は各々制御盤32に接続されてお
り、制御盤32は混合タンク72内に貯留された塩水の
塩分濃度及び水位を随時知ることができると共に、混合
タンク72内に貯留された塩水の攪拌動作を随時制御す
ることができる。
【0045】一方、混合タンク72の流出口は希釈塩水
供給ポンプ80の流入口に配管されており、希釈塩水供
給ポンプ80の流出口は塩水生成装置10の外部へと配
管されている。なお、希釈塩水供給ポンプ80は制御盤
32に接続されており、制御盤32は希釈塩水供給ポン
プ80の作動の制御を随時行うことができる。
【0046】なお、本実施形態における濃塩水タンク2
4、淡水タンク46、海水タンク62、及び混合タンク
72の形状は各々円柱状とされている。
【0047】また、膜蒸留膜モジュール18が本発明の
淡水抽出手段に、濃塩水タンク24が本発明の第1のタ
ンクに、制御盤32が本発明の制御手段に、熱源40が
本発明の加熱手段に、淡水タンク46が本発明の第2の
タンクに、海水タンク62が本発明の第3のタンクに、
混合タンク72が本発明の第4のタンクに、レベル計2
8、48、76が本発明の第1の検知手段に、センサ3
0、50、74が本発明の第2の検知手段に、各々相当
する。
【0048】次に、図3及び図4の流れ図を参照して、
塩水生成装置10の作用について詳細に説明する。ま
ず、図3を参照して、濃塩水を生成する際の作用につい
て説明する。なお、塩水生成装置10は初期状態とし
て、モータ弁22の流出方向が海水タンク62の方向
に、モータ弁38の流出方向が膜蒸留膜モジュール18
の方向に、モータ弁44の流出方向が淡水タンク46の
方向に、モータ弁56の流出方向が濃塩水タンク24の
方向に、モータ弁60の流出方向が海水タンク62の方
向に、各々設定されている。
【0049】まず制御盤32は、モータ弁22の流出方
向を濃塩水タンク24の方向に変更した後に原水ポンプ
12の稼動を開始する。これによって、原水ポンプ12
によって海水90が汲み上げられ、該汲み上げられた海
水90が前処理部14、膜蒸留膜モジュール18、モー
タ弁22を順に介して濃塩水タンク24内へ至ることに
より、濃塩水タンク24内への海水90の貯留が開始さ
れる。
【0050】次に、レベル計28によって濃塩水タンク
24内の水位hを測定し、該水位hが濃塩水タンク24
のタンク最高水位hmax と等しくなったか否かを判定
し、等しくなった場合にモータ弁22の流出方向を海水
タンク62の方向に変更し、海水タンク62への海水9
0の貯留を開始する。その後、制御盤32は、海水タン
ク62への海水90の流入量が海水タンク62のタンク
容量に達した場合にモータ弁60の流出方向を塩水生成
装置10の外部方向に変更する。なお、以上の動作によ
って濃塩水タンク24及び海水タンク62に貯留された
海水90は前処理部14によってろ過等の処理がなされ
たものとなる。
【0051】次に制御盤32は、図示しないキーボード
等の入力手段を介して必要とする塩水の塩分濃度Ck
入力を行い、センサ16によって取水海水の塩分濃度C
0 を測定した後、次の(1)式により目標水位レベルh
e を算出する。
【0052】
【数1】
【0053】ここで、Vは濃塩水タンク24のタンク容
量、Aは濃塩水タンク24の水平断面積である。
【0054】次に制御盤32は、循環ポンプ34の稼動
を開始すると共に熱源40による加熱動作を開始する。
これによって、熱源40により最高約80℃に加熱され
た海水90が濃塩水タンク24と膜蒸留膜モジュール1
8との間で循環される。この循環の際に膜蒸留膜モジュ
ール18内には加熱されていない海水90が通過されて
いるので、この加熱されていない海水90及び上記加熱
された海水90の間の温度差によって膜蒸留膜モジュー
ル18では加熱された海水90からの淡水の抽出が行わ
れ、抽出された淡水は淡水タンク46に貯留される。一
方、加熱された海水90は、海水90中の水分が淡水と
して抽出されるので、徐々に量が減少すると共に塩分濃
度が高くなる。なお、本実施形態に係る塩水生成装置1
0では、最大約15%の塩分濃度の濃塩水を生成するこ
とができる。
【0055】次に制御盤32は、レベル計28によって
濃塩水タンク24内の水位hを測定し、該水位hが上記
目標水位レベルhe と等しくなったか否かを判定し、等
しくなった場合は循環ポンプ34の稼動及び熱源40の
加熱動作を停止した後に攪拌器26による濃塩水タンク
24内の攪拌を開始する。
【0056】その後、センサ30によって濃塩水タンク
24内の濃塩水の塩分濃度Ck ’を測定した後、該塩分
濃度Ck ’が所望の塩分濃度Ck と等しいか否かを判定
し、等しくない場合は塩分濃度Ck ’が塩分濃度Ck
り低いか否かを判定し、低い場合は循環ポンプ34の稼
動を再開した後に上述したセンサ30による濃塩水タン
ク24内の塩分濃度Ck ’の測定動作に戻る。一方、塩
分濃度Ck ’が塩分濃度Ck より低くないと判定された
場合は淡水供給ポンプ52の稼動を開始した後に上述し
たセンサ30による濃塩水タンク24内の塩分濃度
k ’の測定動作に戻る。
【0057】一方、塩分濃度Ck ’が塩分濃度Ck と等
しい場合は、攪拌器26の稼動を停止することによって
濃塩水タンク24内の攪拌を停止すると共に、循環ポン
プ34が稼動している場合は該稼動を停止し、淡水供給
ポンプ52が稼動している場合は該稼動を停止する。
【0058】その後、モータ弁38の流出方向を濃塩水
供給方向(塩水生成装置10の外部方向)に変更した後
に循環ポンプ34の稼動を開始することにより、濃塩水
タンク24内に生成された所望の塩分濃度の濃塩水の外
部への供給が開始される。
【0059】その後、レベル計28によって濃塩水タン
ク24内の濃塩水の水位hを測定し、該水位hが0とな
ったか否かを判定し、0となった場合に循環ポンプ34
の駆動を停止した後、モータ弁38の流出方向を膜蒸留
膜モジュール18の方向に変更する。
【0060】以上の動作によって、塩分濃度が海水の塩
分濃度(約3.5%)から約15%までの濃塩水を得る
ことができる。なお、この際の上限の塩分濃度(約15
%)は、膜蒸留膜モジュール18内に設けられた膜92
(図1参照)の耐塩性に基づいて試算したものであり、
必ずしも約15%であるとは限らず、膜92の性能等に
よって左右されるものである。
【0061】次に、図4を参照して、塩分濃度が0%か
ら海水の塩分濃度(約3.5%)までの希釈塩水を生成
する際の作用について説明する。なお、塩水生成装置1
0は初期状態として、モータ弁56の流出方向が混合タ
ンク72の方向に、モータ弁70の流出方向が混合タン
ク72の方向に、各々設定されている。
【0062】まず制御盤32は、レベル計48によって
淡水タンク46の水位h1 を測定した後、該水位h1
淡水タンク46のタンク最高水位h1maxと等しいか否か
を判定し、等しい場合はレベル計64によって海水タン
ク62の水位h2 を測定した後、該水位h2 が海水タン
ク62のタンク最高水位h2maxと等しいか否かを判定
し、等しい場合は図示しないキーボード等の入力手段を
介して必要とする塩水の塩分濃度Ck を入力する。
【0063】その後、制御盤32は、センサ16によっ
て取水海水の塩分濃度C0 を測定し、かつセンサ50に
よって淡水タンク46内の淡水の塩分濃度Cp を測定し
た後、次の(2)式乃至(5)式によって海水投入水量
2 、淡水投入水量V1 、海水投入水位h2e及び淡水投
入水位h1eを算出する。
【0064】
【数2】
【0065】
【数3】
【0066】
【数4】
【0067】
【数5】
【0068】ここで、Vは混合タンク72のタンク容
量、Aは混合タンク72のタンク水平断面積である。
【0069】次に制御盤32は、海水供給ポンプ66の
稼動を開始することによって海水タンク62内の海水の
混合タンク72への給水を開始した後、レベル計76に
よって混合タンク72の水位h3 を測定し、該水位h3
が海水投入水位h2eと等しくなったか否かを判定し、等
しくなった場合には海水供給ポンプ66の稼動を停止し
た後に淡水供給ポンプ52の稼動を開始することによっ
て淡水タンク46内の淡水の混合タンク72への給水を
開始する。
【0070】その後、制御盤32は、レベル計76によ
って混合タンク72の水位h3 を測定した後、該水位h
3 がh1e+h2eと等しくなったか否かを判定し、等しく
なった場合には淡水供給ポンプ52の稼動を停止した後
に攪拌器78による混合タンク72内の攪拌を開始す
る。
【0071】次に制御盤32は、センサ74により混合
タンク72内の希釈塩水の塩分濃度Ck ’を測定した
後、該塩分濃度Ck ’が所望の塩分濃度Ck と等しいか
否かを判定し、等しくない場合は塩分濃度Ck ’が塩分
濃度Ck より低いか否かを判定し、低い場合は海水供給
ポンプ66の稼動を再開した後に上述したセンサ74に
よる混合タンク72内の希釈塩水の塩分濃度Ck ’の測
定動作に戻る。一方、塩分濃度Ck ’が塩分濃度Ck
り低くないと判定された場合は淡水供給ポンプ52の稼
動を再開した後に上述したセンサ74による混合タンク
72内の希釈塩水の塩分濃度Ck ’の測定動作に戻る。
【0072】一方、塩分濃度Ck ’が所望の塩分濃度C
k と等しい場合は、攪拌器78の稼動を停止することに
よって混合タンク72内の攪拌を停止すると共に、海水
供給ポンプ66が稼動している場合は該稼動を停止し、
淡水供給ポンプ52が稼動している場合は該稼動を停止
する。
【0073】その後、希釈塩水供給ポンプ80の稼動を
開始することにより、混合タンク72内に生成された所
望の塩分濃度とされた希釈塩水の塩水生成装置10の外
部への供給が開始される。
【0074】その後、レベル計76によって混合タンク
72内の希釈塩水の水位h3 を測定し、該水位h3 が0
となったか否かを判定し、0となった場合に希釈塩水供
給ポンプ80の稼動を停止する。
【0075】以上の動作によって、塩分濃度が0%から
海水の塩分濃度(約3.5%)までの範囲の希釈塩水を
得ることができる。
【0076】一方、本実施形態に係る塩水生成装置10
では、図3に示した動作によって淡水タンク46内に貯
留された淡水及び海水タンク62内に貯留された海水9
0を各々淡水供給ポンプ52及び海水供給ポンプ66を
稼動することによっても、塩分濃度0%の淡水及び塩分
濃度約3.5%の海水を直接得ることができる。なお、
この際には、モータ弁56及びモータ弁70の各々の流
出方向を塩水生成装置10の外部方向に設定する必要が
ある。
【0077】ところで、複数の塩分濃度の塩水を生成す
るに当たって、所望の塩分濃度の塩水を高精度にかつ安
定して生成するためには、配管途中及び各タンクに設置
されたレベル計及びセンサの故障を未然に防止する必要
がある。
【0078】次に、図5を参照して、濃塩水タンク24
に設置されたセンサ30及びレベル計28の故障を濃塩
水の生成中において検出する手順の一例について説明す
る。
【0079】まず制御盤32は、レベル計28によって
濃塩水タンク24内の塩水の水位hを測定すると共にセ
ンサ16によって取水海水の塩分濃度C0 を測定し、測
定した各値を次の(6)式に代入することによって水位
換算塩分濃度Ch を算出する。
【0080】
【数6】
【0081】ここで、hmax は濃塩水タンク24のタン
ク最高水位を示す。次に、センサ30によって濃塩水タ
ンク24内の塩分濃度Cを測定し、該塩分濃度Cと水位
換算塩分濃度Ch との差の絶対値が所定の許容塩分範囲
x より大きいか否かを判定し、大きい場合には濃塩水
の生成動作を緊急停止した後にセンサ30の点検を指示
する。
【0082】一方、制御盤32は、センサ16によって
測定した取水海水の塩分濃度C0 、センサ30によって
測定した濃塩水タンク24内の塩分濃度C、及び濃塩水
タンク24のタンク最高水位hmax を次の(7)式に代
入することによって塩分換算水位hc を算出する。
【0083】
【数7】
【0084】次に、レベル計28によって測定した濃塩
水タンク24内の塩水の水位hと塩分換算水位hc との
差の絶対値が所定の許容水位範囲hx より大きいか否か
を判定し、大きい場合は濃塩水の生成動作を緊急停止し
た後にレベル計28の点検を指示する。
【0085】次に、図6を参照して、混合タンク72に
設置されたセンサ74及びレベル計76の故障を希釈塩
水の生成中において検出する手順の一例について説明す
る。
【0086】まず制御盤32は、淡水タンク46内に生
成された淡水を混合タンク72内に流入して希釈してい
る際に、センサ16による取水海水の塩分濃度C0 の測
定、センサ50による淡水タンク46内の淡水の塩分濃
度Cp の測定、及びレベル計76による混合タンク72
内の水位hの測定を行い、各測定値と(4)式により算
出した海水投入水位h2eとを次の(8)式に代入するこ
とによって水位換算塩分濃度Ch を算出する。
【0087】
【数8】
【0088】この水位換算塩分濃度Ch とセンサ74に
よって測定された塩分濃度Cとの差の絶対値が所定の許
容塩分範囲Cx より大きいか否かを判定し、大きい場合
は希釈塩水の生成動作を緊急停止した後にセンサ74の
点検を指示する。
【0089】一方、制御盤32は、塩分濃度C0 、塩分
濃度Cp 、塩分濃度C、及び海水投入水位h2eを次の
(9)式に代入することによって塩分換算水位hc を算
出する。
【0090】
【数9】
【0091】次に、レベル計76によって測定した混合
タンク72内の水位hと塩分換算水位hc との差の絶対
値が所定の許容水位範囲hx より大きいか否かを判定
し、大きい場合は希釈塩水の生成動作を緊急停止した後
にレベル計76の点検を指示する。
【0092】センサ16及びセンサ50については、各
々初期のデータを記憶しておき、該初期のデータと実際
の測定値との差の絶対値が所定の許容範囲より大きいか
否かを判定し、大きい場合に塩水生成装置10の動作を
緊急停止した後に許容範囲を超えたセンサの点検を指示
する。
【0093】図7には、本実施形態に係る塩水生成装置
10における各種塩分濃度の塩水の供給水量と各タンク
の容量の試算結果が示されている。なお、この試算の際
の前提条件として、濃塩水の塩分濃度を15%、淡水の
塩分濃度を0%、希釈塩水の濃度を0.9%(等張
水)、海水の濃度を3.5%、各用水の供給量を10m
3/d(m3 /dは1日当たりの供給容量(m3 )を示
す)とした。また、ここでは、膜蒸留膜モジュール18
として、旭硝子株式会社製、商品名TPVモジュールを
適用した場合について試算を行った。
【0094】10m3 /dの濃塩水の供給を実現するこ
とができる膜蒸留膜モジュール18への海水90の流入
量は2100m3 /dであった。この場合、膜蒸留膜モ
ジュール18により33m3 /dの淡水が生成される。
【0095】一方、10m3 /dの希釈塩水の供給を実
現するためには、7.4m3 /dの淡水及び2.6m3
/dの海水を混合して混合タンク72に貯留する必要が
ある。従って、淡水タンク46には外部への淡水供給量
(10m3 /d)に上記7.4m3 /dを加算した1
7.4m3 /dの淡水を流入する必要があると共に、海
水タンク62には外部への海水供給量(10m3 /d)
に上記2.6m3 /dを加算した12.6m3 /dの海
水を流入する必要がある。
【0096】従って、膜蒸留膜モジュール18により生
成される淡水(33m3 /d)の内の17.4m3 /d
については淡水タンク46に流入し、残りの15.6m
3 /dについては外部に排出して、放流、他の施設への
供給、他のタンクへの貯留等を行うことができる。ま
た、膜蒸留膜モジュール18から流出される海水(20
57m3 /d)の内の12.6m3 /dについては海水
タンク62に流入し、残りの2044m3 /dについて
は外部に排出して、放流、他の施設への供給、他のタン
クへの貯留等を行うことができる。
【0097】以上の動作の際の各タンクの最低容量は、
濃塩水タンク24が42.9m3 、淡水タンク46が1
7.4m3 、混合タンク72が10m3 、海水タンク6
2が12.6m3 と各々試算された。なお、濃塩水タン
ク24の最低容量は、3.5%の取水海水から15%の
濃塩水を生成するためには生成する濃塩水の約4.29
倍(15%÷3.5%)の取水海水が必要であるので、
10m3 ×4.29から42.9m3 と試算した。
【0098】このように、本実施形態に係る塩水生成装
置10では、加熱していない海水90を膜蒸留法におけ
る冷却源として用いていると共に、加熱していない海水
90と熱源40によって加熱した海水90とを各々膜蒸
留膜モジュール18内部を膜を隔てて平行に通過させる
ことにより所望の塩分濃度の塩水を生成しているので、
エネルギー効率が非常によく、エネルギー消費量を少な
くすることができると共に、海水の加熱面積を小さくす
ることができ、設備の設置面積を小さくすることができ
る。
【0099】なお、本実施形態では、各タンクの形状を
円柱状とした場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば直方体状、立方体状等
としてもよいことは言うまでもない。
【0100】また、本実施形態では、濃塩水タンク24
から膜蒸留膜モジュール18に向けて流出された塩水に
対して濃塩水タンク24と膜蒸留膜モジュール18との
間の配管において熱源40により加熱を行う場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、濃塩水タンク24に貯留された塩水を加熱すること
ができる形態であれば如何なる形態であってもよく、例
えば、濃塩水タンク24に加熱手段を一体的に設置して
濃塩水タンク24内の塩水を直接加熱する形態としても
よい。
【0101】
【発明の効果】請求項1記載の塩水生成装置によれば、
加熱されていない海水を膜蒸留法における冷却源として
用いていると共に、加熱されていない海水と加熱された
海水とを各々淡水抽出手段の内部を膜を隔てて隣接して
通過させることにより所定の塩分濃度の塩水を生成して
いるので、エネルギー効率が非常によく、エネルギー消
費量を少なくすることができると共に、海水の加熱面積
を小さくすることができ、設備の設置面積を小さくする
ことができる、という効果が得られる。
【0102】また、請求項2記載の塩水生成装置によれ
ば、塩分濃度が所定の濃度に達した場合の第1のタンク
の水位を予め算出しておき、該算出された水位に第1の
タンクの水位が達したときに循環動作を停止するように
制御しているので、第1のタンクの塩分濃度を測定する
ことなしに所定の塩分濃度の塩水を容易に生成すること
ができる、という更なる効果が得られる。
【0103】また、請求項3記載の塩水生成装置によれ
ば、淡水抽出手段によって抽出された淡水を第2のタン
クに貯留し、加熱されていない海水を第3のタンクに貯
留すると共に、第2のタンクに貯留された淡水と第3の
タンクに貯留された海水とを混合することによって希釈
海水を生成しているので、淡水抽出手段により抽出され
た淡水を有効利用して、塩分濃度が0%から海水の塩分
濃度までの塩水を安価でかつ容易に生成することができ
る、という更なる効果が得られる。
【0104】さらに、請求項4記載の塩水生成装置によ
れば、第1のタンク、第2のタンク、第3のタンク、及
び第4のタンクの少なくとも1つのタンクにタンク内の
水位を検知する第1の検知手段と、タンク内の貯留水の
塩分濃度を検知する第2の検知手段と、を備え、これら
の検知手段における一方の検知手段の検知精度を、他方
の検知手段による検知結果に基づいて確認すると共に、
検知精度が所定の精度より低い場合には上記一方の検知
手段の点検を促すので、第1の検知手段及び第2の検知
手段の故障を未然に防止することができる、という更な
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る膜蒸留法の構成及び原理の説明
に用いる概略図である。
【図2】実施形態に係る塩水生成装置の概略構成を示す
構成図である。
【図3】実施形態に係る塩水生成装置の濃塩水を生成す
る際の動作の説明に用いる流れ図である。
【図4】実施形態に係る塩水生成装置の希釈塩水を生成
する際の動作の説明に用いる流れ図である。
【図5】実施形態に係る塩水生成装置のレベル計28及
びセンサ30の故障検出の手順の一例を示す概略図であ
る。
【図6】実施形態に係る塩水生成装置のセンサ74及び
レベル計76の故障検出の手順の一例を示す概略図であ
る。
【図7】実施形態に係る塩水生成装置における各種塩分
濃度の塩水の供給量及び各タンクの最低容量の試算結果
を示す概略図である。
【図8】従来の複数の塩分濃度の塩水を生成するための
技術として適用し得るものの説明に用いる図であり、
(A)は蒸発法の構成及び手順を示す概略図、(B)は
電気透析法の構成及び手順を示す概略図である。
【符号の説明】
10 塩水生成装置 18 膜蒸留膜モジュール(淡水抽出手段) 24 濃塩水タンク(第1のタンク) 28 レベル計(第1の検知手段) 30 センサ(第2の検知手段) 32 制御盤(制御手段) 34 循環ポンプ 40 熱源(加熱手段) 46 淡水タンク(第2のタンク) 48 レベル計(第1の検知手段) 50 センサ(第2の検知手段) 52 淡水供給ポンプ 62 海水タンク(第3のタンク) 66 海水供給ポンプ 72 混合タンク(第4のタンク) 74 センサ(第2の検知手段) 76 レベル計(第1の検知手段) 80 希釈塩水供給ポンプ 90 海水 92 膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 泉 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 川原田 稔 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 戸塚 康昭 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海水を貯留した第1のタンクと、 前記第1のタンクに貯留された海水を加熱する加熱手段
    と、 内部に設けられた膜を隔てて配置された温海水が通過す
    る第1の通路と冷海水が通過する第2の通路とを備える
    と共に前記加熱手段によって加熱された海水が前記第1
    のタンクと前記第1の通路との間で循環されかつ前記第
    2の通路に加熱されていない海水が通過された際に前記
    加熱された海水から淡水のみを抽出する淡水抽出手段
    と、 前記加熱手段によって加熱された海水の前記第1のタン
    クと前記第1の通路との間の循環を制御すると共に前記
    第1のタンクに貯留されている海水の塩分濃度が所定の
    濃度に達した場合に前記循環を停止するように制御する
    制御手段と、 を備えた塩水生成装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記海水の原水の塩分
    濃度、前記所定の濃度、及び前記第1のタンクの寸法に
    基づいて前記第1のタンクに貯留された海水の塩分濃度
    が前記所定の濃度に達した場合の前記第1のタンクの水
    位を算出し、該算出された水位に前記第1のタンクの水
    位が達したときに前記第1のタンクに貯留された海水の
    塩分濃度が前記所定の濃度に達したと判断して前記循環
    を停止するように制御する請求項1記載の塩水生成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記淡水抽出手段によって抽出された淡
    水を貯留する第2のタンクと、 前記第2の通路を通過した加熱されていない海水を貯留
    する第3のタンクと、 前記第2のタンクに貯留された淡水と前記第3のタンク
    に貯留された海水とを混合して生成した希釈海水を貯留
    する第4のタンクと、 を更に備え、前記制御手段は、前記第2のタンクに貯留
    された淡水と前記第3のタンクに貯留された海水との混
    合を制御する請求項1又は請求項2記載の塩水生成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1のタンク、前記第2のタンク、
    前記第3のタンク、及び前記第4のタンクの少なくとも
    1つのタンクに、タンク内の水位を検知する第1の検知
    手段と、タンク内の貯留水の塩分濃度を検知する第2の
    検知手段と、を備え、 前記制御手段は、前記第1の検知手段と前記第2の検知
    手段とが備えられたタンクにおいて、前記第1の検知手
    段により検知された水位に基づいてタンク内の貯留水の
    塩分濃度を算出し、算出された塩分濃度と前記第2の検
    知手段により検知された塩分濃度との差が所定値より大
    きい場合は前記第2の検知手段の点検を促し、前記第2
    の検知手段により検知された塩分濃度に基づいてタンク
    内の水位を算出し、算出された水位と前記第1の検知手
    段により検知された水位との差が所定値より大きい場合
    は前記第1の検知手段の点検を促す請求項3記載の塩水
    生成装置。
JP04551198A 1998-02-26 1998-02-26 塩水生成装置 Expired - Fee Related JP3913885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04551198A JP3913885B2 (ja) 1998-02-26 1998-02-26 塩水生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04551198A JP3913885B2 (ja) 1998-02-26 1998-02-26 塩水生成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11244669A true JPH11244669A (ja) 1999-09-14
JP3913885B2 JP3913885B2 (ja) 2007-05-09

Family

ID=12721449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04551198A Expired - Fee Related JP3913885B2 (ja) 1998-02-26 1998-02-26 塩水生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3913885B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006320798A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Kochi Univ 高濃度塩水の製造方法および海水の濃縮システム
JP2006333849A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Taisei Corp 人工海水製造システム
KR101403620B1 (ko) * 2012-06-01 2014-06-11 대우조선해양 주식회사 선박의 연수화 장치 및 연수화 방법
JP2016198745A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 株式会社日立製作所 随伴水処理システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006320798A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Kochi Univ 高濃度塩水の製造方法および海水の濃縮システム
JP2006333849A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Taisei Corp 人工海水製造システム
JP4652893B2 (ja) * 2005-06-06 2011-03-16 大成建設株式会社 人工海水製造システム
KR101403620B1 (ko) * 2012-06-01 2014-06-11 대우조선해양 주식회사 선박의 연수화 장치 및 연수화 방법
JP2016198745A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 株式会社日立製作所 随伴水処理システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3913885B2 (ja) 2007-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Andrés-Mañas et al. Assessment of a pilot system for seawater desalination based on vacuum multi-effect membrane distillation with enhanced heat recovery
Dow et al. Pilot trial of membrane distillation driven by low grade waste heat: Membrane fouling and energy assessment
You et al. Temperature as a factor affecting transmembrane water flux in forward osmosis: Steady-state modeling and experimental validation
Khalifa et al. Experimental and theoretical investigation on water desalination using air gap membrane distillation
Curcio et al. Membrane crystallizers
Zaragoza et al. Efficiency in the use of solar thermal energy of small membrane desalination systems for decentralized water production
Fidaleo et al. Optimal strategy to model the electrodialytic recovery of a strong electrolyte
Wu et al. Study on the heat and mass transfer in air-bubbling enhanced vacuum membrane distillation
Nakoa et al. Sustainable zero liquid discharge desalination (SZLDD)
Khayet et al. Modeling and optimization of a solar forward osmosis pilot plant by response surface methodology
Attarde et al. Osmotically driven membrane processes by using a spiral wound module—Modeling, experimentation and numerical parameter estimation
Guijt et al. Air gap membrane distillation: 2. Model validation and hollow fibre module performance analysis
Benneker et al. Influence of temperature gradients on mono-and divalent ion transport in electrodialysis at limiting currents
Hawlader et al. Transport analysis of an air gap membrane distillation (AGMD) process
Hagedorn et al. Methodical design and operation of membrane distillation plants for desalination
JPH11244669A (ja) 塩水生成装置
Alawad et al. Analysis of water gap membrane distillation process with an internal gap circulation propeller
Ali et al. A numerical analysis of the electromagnetic field effect on direct contact membrane distillation performance
KR101406037B1 (ko) 공기를 이용한 친수방지 기능을 가지는 막증류 공정에 의한 담수생산방법
Warsinger Thermodynamic design and fouling of membrane distillation systems
Mahmoudi et al. Examining the commercially available hydrophobic membranes in combined desalination and power generation through permeate gap membrane distillation
JP2014198880A (ja) 水素・酸素発生装置及びガス製造方法
Ettouney Conventional thermal processes
JP5495404B2 (ja) 随伴水濃縮システムおよび随伴水濃縮方法
JPH1133360A (ja) 造水プラントの運転制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees