JPH11239002A - 移相器 - Google Patents
移相器Info
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- JPH11239002A JPH11239002A JP3883798A JP3883798A JPH11239002A JP H11239002 A JPH11239002 A JP H11239002A JP 3883798 A JP3883798 A JP 3883798A JP 3883798 A JP3883798 A JP 3883798A JP H11239002 A JPH11239002 A JP H11239002A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 位相遅延量を連続的に調整することができ、
システムの低コスト化を図ることができ、かつコンパク
トな移相器を提供する。 【解決手段】 移相器1は、金属平板2上に強誘電体層
3を形成し、さらにその上に金属ストリップ4を形成し
たものである。金属ストリップ4と金属平板2の間の直
流電圧を変化させると、強誘電体層3の誘電率が変化し
てマイクロ波αの位相遅延量が変化する。したがって、
直流電圧を調整することで位相遅延量を連続的に調整で
きる。
システムの低コスト化を図ることができ、かつコンパク
トな移相器を提供する。 【解決手段】 移相器1は、金属平板2上に強誘電体層
3を形成し、さらにその上に金属ストリップ4を形成し
たものである。金属ストリップ4と金属平板2の間の直
流電圧を変化させると、強誘電体層3の誘電率が変化し
てマイクロ波αの位相遅延量が変化する。したがって、
直流電圧を調整することで位相遅延量を連続的に調整で
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は移相器に関し、特
に、1THz以下の電磁波の位相を遅延させるための遅
延量の制御が可能な移相器に関する。
に、1THz以下の電磁波の位相を遅延させるための遅
延量の制御が可能な移相器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マイクロ波通信を行なう分野
では、マイクロ波の位相を所望の角度だけ遅延させるた
めの移相器が用いられている。
では、マイクロ波の位相を所望の角度だけ遅延させるた
めの移相器が用いられている。
【0003】図7は、そのような従来の移相器30の構
成を示す図である。図7を参照して、この移相器30
は、導波管39によってマイクロ波が伝送されるシステ
ムで用いられるものであり、導波管39の中心軸に沿っ
て配置された複数段(図では4段)のトロイダル31〜
34を備える。トロイダル31〜34は、フェリ磁性体
で形成され、順に2倍ずつ長くなっている。トロイダル
31〜34には、それぞれドライブワイヤ35〜38が
挿通されている。
成を示す図である。図7を参照して、この移相器30
は、導波管39によってマイクロ波が伝送されるシステ
ムで用いられるものであり、導波管39の中心軸に沿っ
て配置された複数段(図では4段)のトロイダル31〜
34を備える。トロイダル31〜34は、フェリ磁性体
で形成され、順に2倍ずつ長くなっている。トロイダル
31〜34には、それぞれドライブワイヤ35〜38が
挿通されている。
【0004】ドライブワイヤ35〜38に所定のパルス
電流を流すと、トロイダル31〜34が磁化されて導波
管39内の透磁率が変化し、マイクロ波の位相が遅延す
る。磁化されたトロイダル31〜34は、それぞれマイ
クロ波の位相を22.5°,45°,90°,180°
遅延させる。したがって、パルス電流を流すワイヤ35
〜38の組合せを変えることにより、0〜360°の範
囲で22.5°単位でマイクロ波の位相遅延量を調整で
きる。
電流を流すと、トロイダル31〜34が磁化されて導波
管39内の透磁率が変化し、マイクロ波の位相が遅延す
る。磁化されたトロイダル31〜34は、それぞれマイ
クロ波の位相を22.5°,45°,90°,180°
遅延させる。したがって、パルス電流を流すワイヤ35
〜38の組合せを変えることにより、0〜360°の範
囲で22.5°単位でマイクロ波の位相遅延量を調整で
きる。
【0005】図8は、従来の他の移相器40の構成を示
す回路図である。図8を参照して、この移相器40は、
マイクロストリップ線路によってマイクロ波が伝送され
るシステムで用いられるものであり、入出力端子40
a,40b間に直列接続された複数(図では4つ)のダ
イオード41〜44と、それぞれダイオード41〜44
に並列接続されたマイクロストリップ線路45〜48と
を備える。
す回路図である。図8を参照して、この移相器40は、
マイクロストリップ線路によってマイクロ波が伝送され
るシステムで用いられるものであり、入出力端子40
a,40b間に直列接続された複数(図では4つ)のダ
イオード41〜44と、それぞれダイオード41〜44
に並列接続されたマイクロストリップ線路45〜48と
を備える。
【0006】ダイオード41〜44の各々には、対応の
ダイオードに順バイアス電圧を与えて導通させるための
直流電源(図示せず)が設けられている。マイクロスト
リップ線路45〜48は、順に2倍ずつ長くなってい
て、それぞれマイクロ波の位相を22.5°,45°,
90°,180°遅延させる。したがって、導通させる
ダイオード41〜44の組合せを変えることにより、0
〜360°の範囲で22.5°単位でマイクロ波の位相
遅延量を調整できる。
ダイオードに順バイアス電圧を与えて導通させるための
直流電源(図示せず)が設けられている。マイクロスト
リップ線路45〜48は、順に2倍ずつ長くなってい
て、それぞれマイクロ波の位相を22.5°,45°,
90°,180°遅延させる。したがって、導通させる
ダイオード41〜44の組合せを変えることにより、0
〜360°の範囲で22.5°単位でマイクロ波の位相
遅延量を調整できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7の移相器
30では、フェリ磁性体製のトロイダル31〜34を用
いていたので、装置サイズが大きくなり、装置重量が大
きくなるという問題があった。また、ドライブワイヤ3
5〜38の各々に高出力のパルス電流発生装置が必要で
あり、システムがコスト高になっていた。
30では、フェリ磁性体製のトロイダル31〜34を用
いていたので、装置サイズが大きくなり、装置重量が大
きくなるという問題があった。また、ドライブワイヤ3
5〜38の各々に高出力のパルス電流発生装置が必要で
あり、システムがコスト高になっていた。
【0008】また、図8の移相器40では、長いマイク
ロストリップ線路45〜48を用いていたので、装置サ
イズが大きくなるという問題があった。また、ダイオー
ド41〜44を導通/非導通にするための複数の直流電
源およびそれらの制御装置が必要であり、システムがコ
スト高になっていた。
ロストリップ線路45〜48を用いていたので、装置サ
イズが大きくなるという問題があった。また、ダイオー
ド41〜44を導通/非導通にするための複数の直流電
源およびそれらの制御装置が必要であり、システムがコ
スト高になっていた。
【0009】また、いずれの移相器30,40も、位相
遅延量を22.5°単位でしか調整できず、位相遅延量
を連続的に調整することができなかった。トロイダル3
1〜34やマイクロストリップ線路45〜48の数を増
やせば位相遅延量をより小さな角度で調整することもで
きるが、より多くのパルス発生装置などが必要となりコ
スト高になってしまう。
遅延量を22.5°単位でしか調整できず、位相遅延量
を連続的に調整することができなかった。トロイダル3
1〜34やマイクロストリップ線路45〜48の数を増
やせば位相遅延量をより小さな角度で調整することもで
きるが、より多くのパルス発生装置などが必要となりコ
スト高になってしまう。
【0010】それゆえに、この発明の主たる目的は、位
相遅延量を連続的に調整することができ、システムの低
コスト化を図ることができ、かつコンパクトな移相器を
提供することである。
相遅延量を連続的に調整することができ、システムの低
コスト化を図ることができ、かつコンパクトな移相器を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
1THz以下の電磁波の位相を遅延させるための遅延量
の制御が可能な移相器であって、互いに対向して設けら
れ、電磁波を伝送するとともに、一方と他方の間に遅延
量を制御するための電磁波よりも低い周波数の制御電圧
が印加される1対の伝送線、および1対の伝送線の間に
設けられ、制御電圧に応じてその誘電率が変化する絶縁
性物質を備えたものである。
1THz以下の電磁波の位相を遅延させるための遅延量
の制御が可能な移相器であって、互いに対向して設けら
れ、電磁波を伝送するとともに、一方と他方の間に遅延
量を制御するための電磁波よりも低い周波数の制御電圧
が印加される1対の伝送線、および1対の伝送線の間に
設けられ、制御電圧に応じてその誘電率が変化する絶縁
性物質を備えたものである。
【0012】請求項2に係る発明では、請求項1に係る
発明の絶縁性物質は、強誘電性物質を含む。
発明の絶縁性物質は、強誘電性物質を含む。
【0013】請求項3に係る発明では、請求項2に係る
発明の強誘電性物質は、微粒子化されてポリマ中に分散
されている。
発明の強誘電性物質は、微粒子化されてポリマ中に分散
されている。
【0014】請求項4に係る発明では、請求項1に係る
発明の絶縁性物質は、反強誘電性物質を含む。
発明の絶縁性物質は、反強誘電性物質を含む。
【0015】請求項5に係る発明では、請求項4に係る
発明の反強誘電性物質は、微粒子化されてポリマ中に分
散されている。
発明の反強誘電性物質は、微粒子化されてポリマ中に分
散されている。
【0016】請求項6に係る発明では、請求項1に係る
発明の絶縁性物質は、液晶性物質を含む。
発明の絶縁性物質は、液晶性物質を含む。
【0017】請求項7に係る発明では、請求項6に係る
発明の液晶性物質は、微粒子化されてポリマ中に分散さ
れている。
発明の液晶性物質は、微粒子化されてポリマ中に分散さ
れている。
【0018】請求項8に係る発明では、請求項1から7
のいずれかに係る発明の制御電圧は、直流電圧である。
のいずれかに係る発明の制御電圧は、直流電圧である。
【0019】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1はこの発明
の実施の形態1による移相器1の構成を示す斜視図、図
2は図1のX−X′線断面図である。
の実施の形態1による移相器1の構成を示す斜視図、図
2は図1のX−X′線断面図である。
【0020】図1および図2を参照して、この移相器1
は、マイクロストリップ線路によってマイクロ波αが伝
送されるシステムで用いられるものであり、金属平板2
上に強誘電体層3を形成し、強誘電体層3上に金属スト
リップ4を形成したものである。強誘電体層3は、具体
的にはBaTiO3 、LiNbO3 、LiTaO3 等の
単結晶層または多結晶層である。マイクロ波αは、周波
数が1GHz〜1THzの電磁波である。
は、マイクロストリップ線路によってマイクロ波αが伝
送されるシステムで用いられるものであり、金属平板2
上に強誘電体層3を形成し、強誘電体層3上に金属スト
リップ4を形成したものである。強誘電体層3は、具体
的にはBaTiO3 、LiNbO3 、LiTaO3 等の
単結晶層または多結晶層である。マイクロ波αは、周波
数が1GHz〜1THzの電磁波である。
【0021】この移相器1が通常のマイクロストリップ
線路と異なる点は、マイクロストリップ線路の絶縁層が
強誘電体層3で置換されている点である。
線路と異なる点は、マイクロストリップ線路の絶縁層が
強誘電体層3で置換されている点である。
【0022】通常のマイクロストリップ線路では、金属
平板と金属ストリップの間に絶縁層が設けられ、この絶
縁層によって金属平板と金属ストリップの間隔が一定に
保たれて線路の特性インピーダンスが一定に保たれる。
絶縁層の材料としては、構造的に十分な強度を有し、マ
イクロ波αの損失が小さく、かつ直流電圧が印加されて
もその誘電率εが変化しない材料、具体的にはFRP、
テフロンなどが選択される。
平板と金属ストリップの間に絶縁層が設けられ、この絶
縁層によって金属平板と金属ストリップの間隔が一定に
保たれて線路の特性インピーダンスが一定に保たれる。
絶縁層の材料としては、構造的に十分な強度を有し、マ
イクロ波αの損失が小さく、かつ直流電圧が印加されて
もその誘電率εが変化しない材料、具体的にはFRP、
テフロンなどが選択される。
【0023】これに対して本願の移相器1は、強誘電体
層3に直流電圧を印加すると、直流電圧の大きさに応じ
てその誘電率εが変化することを積極的に利用するもの
である。
層3に直流電圧を印加すると、直流電圧の大きさに応じ
てその誘電率εが変化することを積極的に利用するもの
である。
【0024】すなわち、マイクロ波αが強誘電体層3中
を伝搬すると、マイクロ波αの位相遅延量φは、次式で
示されるように、強誘電体層3の誘電率εの1/2乗に
比例する。
を伝搬すると、マイクロ波αの位相遅延量φは、次式で
示されるように、強誘電体層3の誘電率εの1/2乗に
比例する。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、Lは強誘電体層3の長さ、λ0は
自由空間を伝搬するマイクロ波αの波長、λはそのマイ
クロ波αが強誘電体層3中を伝搬するときの波長であ
る。したがって、強誘電体層3に印加する直流電圧を調
整して強誘電体層3の誘電率εを調整することにより、
マイクロ波αの位相遅延量φを調整することができる。
自由空間を伝搬するマイクロ波αの波長、λはそのマイ
クロ波αが強誘電体層3中を伝搬するときの波長であ
る。したがって、強誘電体層3に印加する直流電圧を調
整して強誘電体層3の誘電率εを調整することにより、
マイクロ波αの位相遅延量φを調整することができる。
【0027】図3は、この移相器1の位相遅延率(de
g/mm)の電界強度(kV/mm)依存性を例示する
図である。
g/mm)の電界強度(kV/mm)依存性を例示する
図である。
【0028】強誘電体層3としては、BaTiO3 の単
結晶層を形成した。マイクロ波αの周波数は、20GH
zとした。位相遅延率(deg/mm)は、移相器1を
通過することによって生じたマイクロ波αの位相遅延量
φを移相器1の線路長Lで除算したものである。
結晶層を形成した。マイクロ波αの周波数は、20GH
zとした。位相遅延率(deg/mm)は、移相器1を
通過することによって生じたマイクロ波αの位相遅延量
φを移相器1の線路長Lで除算したものである。
【0029】金属平板2を接地し、金属ストリップ4と
金属平板2の間にコイル5および可変直流電源6を直列
接続して、強誘電体層3の電界強度(kV/mm)を調
整した。コイル5は、マイクロ波αから可変直流電源6
を保護するためのローパスフィルタである。電界強度
(kV/mm)は、金属ストリップ4と金属平板2の間
の直流電圧を強誘電体層3の膜厚で除算したものであ
る。
金属平板2の間にコイル5および可変直流電源6を直列
接続して、強誘電体層3の電界強度(kV/mm)を調
整した。コイル5は、マイクロ波αから可変直流電源6
を保護するためのローパスフィルタである。電界強度
(kV/mm)は、金属ストリップ4と金属平板2の間
の直流電圧を強誘電体層3の膜厚で除算したものであ
る。
【0030】電界強度(kV/mm)を0から1.0ま
で増加させると、位相遅延率(deg/mm)は17か
ら10まで徐々に減少した。したがって、移相器1の線
路長Lを1mmとすれば、直流電圧を500V程度変化
させれば位相遅延量を4°変化させることができること
がわかった。
で増加させると、位相遅延率(deg/mm)は17か
ら10まで徐々に減少した。したがって、移相器1の線
路長Lを1mmとすれば、直流電圧を500V程度変化
させれば位相遅延量を4°変化させることができること
がわかった。
【0031】この実施の形態では、マイクロストリップ
線路の絶縁層を強誘電体層3で置換し、金属ストリップ
4と金属平板2の間の直流電圧を調整することによって
マイクロ波の位相遅延量φを調整する。したがって、直
流電圧を調整することで位相遅延量φを連続的に調整で
きる。また、1つの小電力の可変直流電源6のみで位相
遅延量φを調整できるので、高出力のパルス電流発生装
置などが必要であった従来に比べ、システムの低コスト
化が図られる。また、マイクロストリップ線路と同形状
で、線路長Lも短くて済むので、装置サイズが従来より
も小さくなる。
線路の絶縁層を強誘電体層3で置換し、金属ストリップ
4と金属平板2の間の直流電圧を調整することによって
マイクロ波の位相遅延量φを調整する。したがって、直
流電圧を調整することで位相遅延量φを連続的に調整で
きる。また、1つの小電力の可変直流電源6のみで位相
遅延量φを調整できるので、高出力のパルス電流発生装
置などが必要であった従来に比べ、システムの低コスト
化が図られる。また、マイクロストリップ線路と同形状
で、線路長Lも短くて済むので、装置サイズが従来より
も小さくなる。
【0032】なお、この実施の形態では、強誘電体層3
の具体例としてBaTiO3 の単結晶層を使用したが、
BaTiO3 に限るものではなく、強誘電体であれば何
でもよい。たとえばLiNbO3 でもよいし、LiTa
O3 でもよい。また、単結晶でなくても多結晶層でもよ
い。
の具体例としてBaTiO3 の単結晶層を使用したが、
BaTiO3 に限るものではなく、強誘電体であれば何
でもよい。たとえばLiNbO3 でもよいし、LiTa
O3 でもよい。また、単結晶でなくても多結晶層でもよ
い。
【0033】また、強誘電体でなくても、電界強度によ
って誘電率εが変化する絶縁性物質であれば何でもよ
い。たとえば、PbZrO3 のような反強誘電体でもよ
いし、液晶性材料でもよい。
って誘電率εが変化する絶縁性物質であれば何でもよ
い。たとえば、PbZrO3 のような反強誘電体でもよ
いし、液晶性材料でもよい。
【0034】また、この実施の形態では、金属ストリッ
プ4と金属平板2の間に直流電圧を印加したが、直流電
圧に限るものではなく、マイクロ波αよりも低い周波数
の電圧であれば交流電圧でもよい。この場合は、交流電
圧の振幅、周波数を調整することにより、マイクロ波α
の位相遅延量φを調整できる。
プ4と金属平板2の間に直流電圧を印加したが、直流電
圧に限るものではなく、マイクロ波αよりも低い周波数
の電圧であれば交流電圧でもよい。この場合は、交流電
圧の振幅、周波数を調整することにより、マイクロ波α
の位相遅延量φを調整できる。
【0035】[実施の形態2]図4は、この発明の実施
の形態2による移相器10の構成を示す断面図であっ
て、図2と対比される図である。
の形態2による移相器10の構成を示す断面図であっ
て、図2と対比される図である。
【0036】図4の移相器10が図1の移相器1と異な
る点は、強誘電体層3が強誘電体微粒子/ポリマ分散層
11で置換されている点である。強誘電体を微粒子化し
てポリマ中に分散させたのは、製造方法の容易化を図る
とともに、微粒子12/ポリマ13の成分比を変えて位
相遅延率を所望の値に調整するためである。
る点は、強誘電体層3が強誘電体微粒子/ポリマ分散層
11で置換されている点である。強誘電体を微粒子化し
てポリマ中に分散させたのは、製造方法の容易化を図る
とともに、微粒子12/ポリマ13の成分比を変えて位
相遅延率を所望の値に調整するためである。
【0037】図5は、この移相器10の位相遅延率(d
eg/mm)の電界強度(kV/mm)依存性を例示す
る図である。強誘電体微粒子12としては直径1μmの
BaTiO3 の単結晶粒子を使用し、微粒子12をポリ
マ13中に分散させて分散層11を形成した。微粒子1
2/ポリマ13の成分比は80%とした。
eg/mm)の電界強度(kV/mm)依存性を例示す
る図である。強誘電体微粒子12としては直径1μmの
BaTiO3 の単結晶粒子を使用し、微粒子12をポリ
マ13中に分散させて分散層11を形成した。微粒子1
2/ポリマ13の成分比は80%とした。
【0038】電界強度(kV/mm)を0から1.0ま
で増加させると、位相遅延率(deg/mm)は0.2
から0.05まで徐々に減少した。したがって、移相器
10の線路長Lを10mmとし直流電圧を1kV程度変
化させれば位相遅延量φを1.5°程度変化させること
ができることがわかった。また、実施の形態1に比べ、
位相遅延率(deg/mm)が1/100程度に小さく
なることがわかった。また、微粒子12/ポリマ13の
成分比を変えれば、位相遅延率(deg/mm)が変化
すると考えられる。
で増加させると、位相遅延率(deg/mm)は0.2
から0.05まで徐々に減少した。したがって、移相器
10の線路長Lを10mmとし直流電圧を1kV程度変
化させれば位相遅延量φを1.5°程度変化させること
ができることがわかった。また、実施の形態1に比べ、
位相遅延率(deg/mm)が1/100程度に小さく
なることがわかった。また、微粒子12/ポリマ13の
成分比を変えれば、位相遅延率(deg/mm)が変化
すると考えられる。
【0039】この実施の形態では、実施の形態1と同じ
効果が得られる他、強誘電体微粒子12をポリマ13中
に分散させた分散層11を使用するので、強誘電体の単
結晶層を使用していた実施の形態1に比べて容易に製造
できる。また、微粒子12/ポリマ13の成分比を調整
することにより、位相遅延率を調整できる。
効果が得られる他、強誘電体微粒子12をポリマ13中
に分散させた分散層11を使用するので、強誘電体の単
結晶層を使用していた実施の形態1に比べて容易に製造
できる。また、微粒子12/ポリマ13の成分比を調整
することにより、位相遅延率を調整できる。
【0040】なお、図6に示すように、金属ストリップ
4と金属平板2の間に強誘電体層21とポリマ層22を
交互に積層してもよい。この移相器20では、強誘電体
層21/ポリマ層22の膜厚比を調整することにより、
位相遅延率を容易に調整できる。
4と金属平板2の間に強誘電体層21とポリマ層22を
交互に積層してもよい。この移相器20では、強誘電体
層21/ポリマ層22の膜厚比を調整することにより、
位相遅延率を容易に調整できる。
【0041】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る移相器
は、電磁波を伝送するとともに、一方と他方の間に電磁
波の位相遅延量を制御するための制御電圧が印加される
1対の伝送線と、1対の伝送線間に設けられ、制御電圧
に応じて誘電率が変化する絶縁性物質とを備える。した
がって、制御電圧を調整することで位相遅延量を連続的
に調整できる。また、制御電圧を発生するための小電力
の電源のみで位相遅延量を調整できるので、高出力のパ
ルス電流発生装置などを必要としていた従来に比べ、シ
ステムの低コスト化が図られる。また、通常の伝送線路
と同形状なので、装置サイズが小さくて済む。
は、電磁波を伝送するとともに、一方と他方の間に電磁
波の位相遅延量を制御するための制御電圧が印加される
1対の伝送線と、1対の伝送線間に設けられ、制御電圧
に応じて誘電率が変化する絶縁性物質とを備える。した
がって、制御電圧を調整することで位相遅延量を連続的
に調整できる。また、制御電圧を発生するための小電力
の電源のみで位相遅延量を調整できるので、高出力のパ
ルス電流発生装置などを必要としていた従来に比べ、シ
ステムの低コスト化が図られる。また、通常の伝送線路
と同形状なので、装置サイズが小さくて済む。
【0043】好ましくは、絶縁性物質は、強誘電性物
質、反強誘電性物質、または液晶性物質を含む。これに
より、誘電率を大きく変化させ、電磁波の位相遅延量を
大きく変化させることができる。
質、反強誘電性物質、または液晶性物質を含む。これに
より、誘電率を大きく変化させ、電磁波の位相遅延量を
大きく変化させることができる。
【0044】また好ましくは、強誘電性物質などは、微
粒子化されてポリマ中に分散される。この場合は、微粒
子/ポリマの成分比を調整することにより、誘電率を調
整できる。
粒子化されてポリマ中に分散される。この場合は、微粒
子/ポリマの成分比を調整することにより、誘電率を調
整できる。
【0045】また好ましくは、制御電圧は直流電圧とさ
れる。これにより、小電力の可変直流電源のみで位相遅
延量を調整できるので、システムの一層の低コスト化が
図られる。
れる。これにより、小電力の可変直流電源のみで位相遅
延量を調整できるので、システムの一層の低コスト化が
図られる。
【図1】この発明の実施の形態1による移相器の構成を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図2】図1のX−X′線断面図である。
【図3】図1に示した移相器における位相遅延率の電界
強度依存性を例示する図である。
強度依存性を例示する図である。
【図4】この発明の実施の形態2による移相器の構成を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図5】図4に示した移相器における位相遅延率の電界
強度依存性を例示する図である。
強度依存性を例示する図である。
【図6】図4に示した移相器の改良例を示す図である。
【図7】従来の移相器の構成を示す斜視図である。
【図8】従来の他の移相器の構成を示す回路図である。
1,10,20,30,40 移相器 2 金属平板 3,21 強誘電体層 4 金属ストリップ 5 コイル 6 直流電源 12 強誘電体微粒子 13,22 ポリマ 31〜34 トロイダル 35〜38 ドライブワイヤ 41〜44 ダイオード 45〜48 マイクロストリップ線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 昭 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 斉藤 瓊郎 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 大見 則親 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内
Claims (8)
- 【請求項1】 1THz以下の電磁波の位相を遅延させ
るための遅延量の制御が可能な移相器であって、 互いに対向して設けられ、前記電磁波を伝送するととも
に、一方と他方の間に前記遅延量を制御するための前記
電磁波よりも低い周波数の制御電圧が印加される1対の
伝送線、および前記1対の伝送線の間に設けられ、前記
制御電圧に応じてその誘電率が変化する絶縁性物質を備
える、移相器。 - 【請求項2】 前記絶縁性物質は、強誘電性物質を含
む、請求項1に記載の移相器。 - 【請求項3】 前記強誘電性物質は、微粒子化されてポ
リマ中に分散されている、請求項2に記載の移相器。 - 【請求項4】 前記絶縁性物質は、反強誘電性物質を含
む、請求項1に記載の移相器。 - 【請求項5】 前記反強誘電性物質は、微粒子化されて
ポリマ中に分散されている、請求項4に記載の移相器。 - 【請求項6】 前記絶縁性物質は、液晶性物質を含む、
請求項1に記載の移相器。 - 【請求項7】 前記液晶性物質は、微粒子化されてポリ
マ中に分散されている、請求項6に記載の移相器。 - 【請求項8】 前記制御電圧は、直流電圧である、請求
項1から請求項7のいずれかに記載の移相器。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3883798A JPH11239002A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 移相器 |
PCT/JP1999/000742 WO1999043036A1 (fr) | 1998-02-20 | 1999-02-18 | Dephaseur et antenne a balayage |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3883798A JPH11239002A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 移相器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11239002A true JPH11239002A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12536333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3883798A Withdrawn JPH11239002A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 移相器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11239002A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100385737C (zh) * | 2006-02-20 | 2008-04-30 | 浙江大学 | 用bst陶瓷材料制作的微型电控波束扫描阵列微带天线 |
WO2012076745A1 (en) * | 2010-12-09 | 2012-06-14 | Nokia Corporation | A voltage-tunable phase shifter and associated methods |
US8508318B2 (en) | 2007-03-16 | 2013-08-13 | Nec Corporation | Transmission line filter |
CN108054498A (zh) * | 2017-12-06 | 2018-05-18 | 江西沃格光电股份有限公司 | 微波充电的超表面天线制备方法及装置 |
WO2020161992A1 (ja) * | 2019-02-06 | 2020-08-13 | 株式会社ジャパンディスプレイ | フェーズドアレイアンテナ装置 |
-
1998
- 1998-02-20 JP JP3883798A patent/JPH11239002A/ja not_active Withdrawn
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