JPH11237398A - 衝撃振動表示器 - Google Patents

衝撃振動表示器

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JPH11237398A
JPH11237398A JP10038807A JP3880798A JPH11237398A JP H11237398 A JPH11237398 A JP H11237398A JP 10038807 A JP10038807 A JP 10038807A JP 3880798 A JP3880798 A JP 3880798A JP H11237398 A JPH11237398 A JP H11237398A
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JP
Japan
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diffuser
vibrator
closed container
display
vibration
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JP10038807A
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English (en)
Inventor
Takutoshi Koshimoto
卓利 越本
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貨物等が輸送中に受ける衝撃や振動を電源等
を要せず、簡単な構成で記録および表示が可能にする。 【解決手段】 梱包箱17の外周面に、衝撃振動表示器
10の表示器12を固定し、密閉容器11は梱包箱17
の内部に収納する。密閉容器11内部には、拡散体が収
納され、外部から受ける衝撃や振動に応じて表示器12
内に拡散する。表示器12内で拡散する拡散体は、表示
器12の外部から容易に視認することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貨物等の物品が物
流過程などの輸送中に受ける衝撃や振動の有無を記録し
表示する衝撃振動表示器に関する。
【0002】
【従来の技術】貨物等は、輸送中に外部から衝撃や振動
を受ける。貨物等を衝撃や振動から保護するために、輸
送中の取扱いに注意したり、貨物等を梱包したりしてい
る。しかしながら、輸送中の貨物等の取扱いに過度に注
意を払うと、手間がかかって、輸送コストが上昇する。
梱包材で過度に保護する場合も、コストと資源の点から
問題がある。また取扱いに注意し、梱包を充分に行って
も、種々の原因で大きな衝撃や振動が加わってしまうこ
ともあり得る。適正な取扱いや梱包の程度を決定するた
め、あるいは輸送中などに貨物等に実際に与えられる衝
撃や振動の有無を知るための装置として、機械的あるい
は電子的な装置を用いることが提案されている。
【0003】たとえば実開昭64−15125および実
開昭64−50370には、板ばねで固定した振動子の
運動を、振動子に取付けた記録具によって記録紙に書込
ませて記録する衝撃値記録装置の先行技術が開示されて
いる。これらの衝撃値記録装置は、電子機器の筺体な
ど、物品に直接付着されたり、物品の梱包上から付着さ
せて、輸送中に受ける衝撃などを時系列的に記録し、後
から衝撃記録を解析して、より有効な対策を取ったり、
取扱いや梱包の適否を確認したりするために用いられ
る。
【0004】特開平8−201119には、電子的に、
製品物流の過程で製品が受ける衝撃度、温度、湿度等の
計測や記録を行う装置の先行技術が開示されている。こ
の装置には、計測、処理あるいは記録の各役割を受け持
つ電子素子から構成する電子回路が備えられ、表示部等
を持たずに衝撃や振動の記録のみに機能を限定し、また
製品品質に影響を及ぼすレベルの衝撃だけを記録に残す
ようにしている。このように計測の機会を制限すること
によって、電子回路の規模を縮小し、コストダウンを行
うことを特徴にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実開昭64−1512
5や実開昭64−50370の先行技術は、図20に示
すように、機械的に衝撃や振動を記録する際に、錘体1
を用いている。錘体1は板ばね2の先端に取付けられ、
板ばね2の基端の支点3とする一次元的な運動方向しか
持つことができず、その移動可能な方向と全く同一方向
に対して衝撃や振動が加わった場合だけしか正常な記録
を行うことができない。このような振動子の可動方向に
対して、角度θを持つ方向に衝撃や振動が発生した場合
には、図20に示すように、その力の大きさFのcos
θ倍の可動方向成分F×cosθだけしか振動子の運動
に反映されない。しかも、記録された衝撃や振動の記録
だけを見ても、振動子の可動方向に対して角度を持った
衝撃や振動であったか否かを知ることができない。特に
可動方向に対して垂直な方向の衝撃や振動に対しては、
cosθ=0となるため、全く何も記録を残すことがで
きない。
【0006】特開平8−201119のような電子的な
装置の先行技術では、電子回路を作動させるための電力
源を必要とする。貨物等の輸送中に衝撃や振動を計測し
て記録するためには、電池を電力源として使用し、電池
切れ等がないようにメンテナンスを行う必要がある。ま
た、コストダウンを図るために表示装置を内蔵しない場
合は、データの読取りと表示のための装置を用意した状
態でないと、記録データを見ることができない。逆に、
個別の装置に表示装置を取付けておくと、装置の単価が
高くなり、本来のコストダウンの目的を逸してしまう。
【0007】また先行技術による機械的あるいは電子的
な記録装置のいずれにおいても、貨物等に同梱した場合
には、貨物を開梱するまでその記録内容を知ることがで
きない。記録装置を、梱包箱などの外面に貼り付けた場
合には、本来平坦な梱包箱の一部が突起状態となり、荷
積みや集合梱包を行う際の障害となって、さらにこの突
起で輸送中に他の貨物を傷つける危険性が非常に大きく
なる。
【0008】また、貨物の許容強度を超えるような衝撃
や振動を受ける際にも、誤表示や誤記録を起こさないよ
うに、記録装置を構成する1つ1つの全ての部品が変形
や故障や破壊することがなく、正常に作動して記録を続
ける必要がある。機械的に記録する先行技術では、錘体
を支える板ばねや錘体に取付けられる記録具が変形した
場合には、その後の記録が不正確なものになってしま
う。特に、実願昭64−15125の先行技術では、そ
れまでの記録の上に誤った記録が上書きされてしまう危
険性もある。電子的な記録装置の先行技術では、衝撃セ
ンサやデジタルメモリに故障や破壊が生じた場合に、誤
ったデータが読出されたり、データが全く読出されなく
なる危険性がある。
【0009】このため、各先行技術の記録装置を構成す
る各部品には、貨物等の許容強度を超えるような衝撃や
振動を受けた際にも変形や故障や破壊を生じないだけの
信頼性を持たせる必要があり、装置全体のコストが高く
なってしまう。特に、実願昭64−50370や特開平
8−201119などのように、装置を構成する部品点
数が多く複雑な構成となるほど、信頼性の確保のための
コストアップが顕著になってしまう。
【0010】本発明の目的は、電力源を必要とせず、簡
単な構成で衝撃や振動に対する信頼性が高く、低コスト
化が可能で、梱包箱などの外面に取付ける際に、輸送上
の障害とはならず、しかも輸送中の任意の時点で記録を
確認することができる衝撃振動表示器を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、拡散体を外囲
して収納し、外囲壁に部分的な貫通孔が形成される密閉
容器と、板状で、一方表面側に該密閉容器が連結され、
内部に密閉容器の貫通孔と連通する空間を有する表示器
と、該表示器内の空間に収納され、該貫通孔から放出さ
れる拡散体が拡散可能で、拡散状態が固定され、該表示
器の他方表面側から固定された拡散状態が視認可能な固
定相とを含むことを特徴とする衝撃振動表示器である。
【0012】本発明に従えば、密閉容器には、外部から
与えられる衝撃または振動の大きさに対応して拡散する
性質を有する拡散体が収納される。密閉容器は、板状の
表示器の一方表面側に連結される。表示器内には、拡散
体が拡散可能で、拡散状態が固定される固定相を収納す
る空間が設けられ、他方表面側から固定相に固定された
拡散状態を視認可能である。表示器内で固定相が収納さ
れる空間は、密閉容器の外囲壁に部分的に形成される貫
通孔と連通するので、外部からの衝撃または振動で密閉
容器内に収納されている拡散体が貫通孔を通過して固定
相内に拡散し、その拡散状態から衝撃や振動の大きさを
視認することができる。衝撃や振動で拡散する拡散体を
表示器の固定相で固定し記録を行うので、電力源を必要
とせず、簡単な構成で衝撃や振動の大きさに対応する記
録を行い、表示器の他方表面側から任意の時点で視認す
ることができる。板状の表示器を物品の梱包箱の外表面
などに装着し、表示器の一方表面側に連結される密閉容
器は梱包箱内に収納すれば、梱包箱外面に突出する部分
を少なくして、しかも記録状態を任意の時点で容易に確
認することができる。
【0013】また本発明で前記拡散体は、予め定める大
きさの外力で破壊されるカプセル状振動子内に封入され
て、前記密閉容器内に収納されることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、拡散体はカプセル状の振
動子内に封入されて密閉容器内に収納される。密閉容器
に衝撃や外力が加えられると、慣性によってカプセル状
振動子は密閉容器に対して外力の反対方向に運動し、密
閉容器の外囲壁に衝突する。衝突による衝撃力が予め定
める大きさを超えると、カプセル状振動子は破壊され、
内部に封入されていた拡散体が密閉容器内に放出され
る。拡散体の一部は貫通孔を通って表示器の内部に収納
される固定相に拡散し、固定されて、予め定める大きさ
を超える衝撃や振動が発生したことを表示することがで
きる。
【0015】また本発明で前記カプセル状振動子は、前
記密閉容器の内部に配置され、該カプセル状振動子と密
閉容器の外囲壁との間に配置される緩衝体と、該外囲壁
の内面に設けられる破砕用突起とを備えることを特徴と
する。
【0016】本発明に従えば、密閉容器の内部にカプセ
ル状振動子が配置され、カプセル状振動子と密閉容器の
外囲壁との間に緩衝体が配置され、外囲壁の内面には破
砕用突起が備えられる。外力が作用すると、外力が小さ
いうちにはカプセル状振動子は緩衝体のみに衝突する。
外力が大きくなると、緩衝体が変形し、カプセル状振動
子が破砕用突起にも衝突するようになり、破損して内部
に封入されている拡散体を放出する。緩衝体の弾力性や
破砕用突起に対する緩衝体の大きさを調整することによ
って、大きな外力でカプセル状振動子が緩衝体に衝突し
てから破砕用突起に衝突して破損するまでの減速効果を
調整することができ、カプセル状振動子の破損に必要な
衝撃や振動の外力の閾値を柔軟に調整することができ
る。
【0017】また本発明は、前記密閉容器の内部に配置
される振動子を備え、前記拡散体は、予め定める大きさ
の外力で破壊されるカプセルに封入されて、該振動子と
密閉容器の外囲壁との間に配置されることを特徴とす
る。
【0018】本発明に従えば、密閉容器内部に配置され
る振動子は、密閉容器に衝撃や振動の外力が作用する
と、慣性によって密閉容器に対して外力と反対方向に運
動する振動子と、密閉容器の外囲壁との間には、拡散体
が封入され、予め定める大きさの外力で破壊されるカプ
セルが配置されているので、振動子の運動によってカプ
セルが振動子と外囲壁との間に挟まれて破損し、内部に
封入されていた拡散体が密閉容器内部に放出され、貫通
孔を通って表示器内の固定相に拡散して衝撃および振動
の表示が行われる。カプセルに封入されていた拡散体が
表示器内の固定相に拡散されることで、予め定める大き
さを超える衝撃や振動が与えられたことを知ることがで
き、固定相への拡散状態から外力の大きさを推定するこ
とができる。
【0019】また本発明は、前記振動子と前記外囲壁と
の間に配置される緩衝体を有することを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、振動子と外囲壁との間に
は緩衝体を有するので、振動子が外囲壁との間でカプセ
ルを挟んで破損させる際に、緩衝体によって振動子の運
動を減速させることができ、破損に必要となる衝撃や振
動の閾値を緩衝体の弾力性や大きさで柔軟に調整するこ
とができる。
【0021】また本発明で前記緩衝体は、該振動子の外
周を覆う層状の形状を有して、複数の放射状の凹部が形
成され、前記カプセルに封入された拡散体は、該凹部に
挿入されることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、振動子を覆う層状の緩衝
体に複数の放射状の凹部を形成して拡散体を封入したカ
プセルを挿入するので、緩衝体の弾力性や放射状に形成
する凹部の深さを調整することによって、振動子が外囲
壁と衝突しようとする際に、緩衝体が外囲壁と衝突して
からカプセルが振動子と外囲壁との間に挟まれて破損す
るまでの減速効果を調整することができ、破損に必要と
なる衝撃や振動の閾値を柔軟に調整することができる。
【0023】また本発明は、前記密閉容器の内部に配置
される振動子を備え、密閉容器の外囲壁の内側に形成さ
れ、予め定める大きさの外力で破壊される層に、前記拡
散体が封入されて配置されることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、密閉容器に衝撃や振動の
外力が作用すると、慣性によって振動子は密閉容器に対
して外力の反対方向に運動し、外囲壁の内側に形成され
る拡散体が封入される層に衝突する。衝突の際に、拡散
体が封入されている層を破壊する力を超える力が働け
ば、拡散体が密閉容器内に放出され、貫通孔を通って表
示器内の固定相中に拡散し、予め定める力を超える衝撃
や振動の外力が加わっていることを表示することができ
る。
【0025】また本発明で前記拡散体は、配置される位
置に応じて種類が異なることを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、密閉容器に衝撃や振動と
して加わる外力と反対方向に振動子は運動するので、振
動子の運動方向に配置される拡散体が密閉容器内に放出
されて表示器内の固定相に拡散すると、その種類に基づ
いて外力の作用した方向を特定することができる。
【0027】また本発明は、前記振動子の表面に、破砕
用突起を備えることを特徴とする。本発明に従えば、破
砕用突起を備える振動子が拡散体が封入されているカプ
セルや層を破砕用突起で破損させると、拡散体が密閉容
器内に放出され、表示器内の固定相中に拡散して衝撃や
振動を受けたことを表示することができる。緩衝体を用
いるときには、その弾力性や、破砕用突起の大きさに対
する緩衝体の厚さの調整で、破損に至る衝撃や振動の閾
値を柔軟に調整することができる。
【0028】また本発明で前記振動子と前記密閉容器の
外囲壁との間に緩衝体が配置され、該緩衝体内に散在
し、表面に破砕用突起を有する粒体を含むことを特徴と
する。
【0029】本発明に従えば、密閉容器の内部に収納さ
れる振動体は、密閉容器に対する衝撃や振動の外力と反
対方向に移動し、移動方向の緩衝体を押圧し、緩衝体内
部の粒体が拡散体を封入したカプセルや層を押圧し、粒
体に形成されている破砕用突起で破損させて拡散体を密
閉容器内部に放出させる。緩衝体の弾力性や破砕用突起
の大きさに対する厚さを調整することによって、緩衝体
の抵抗効果を調整することができ、破損に必要な衝撃や
振動の閾値を柔軟に調整することができる。
【0030】また本発明で前記振動子は、破砕用突起を
形成した重し部と、重し部に比較して軽量なフロート部
とから成り、前記密閉容器内に、該振動子を浮遊させる
緩衝液が緩衝体として注入されることを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、密閉容器に対する衝撃や
振動の外力によって、密閉容器が外力の作用する方向に
変位すると、慣性によって振動子は密閉容器内で外力と
反対方向に重し部を向ける回転運動を行う。また密閉容
器内に注入されている緩衝液も、外力の方向に偏ると同
時に液面に波動が生じ、振動子が外力方向の振動を行
う。この振動の作用によって、振動子の重し部に形成さ
れている破砕用突起が拡散体を封入したカプセルまたは
層を破壊し、内部に封入されていた拡散体が密閉容器内
部に放出されて、貫通孔を通って表示器内の固定相に拡
散し、表示を行うことができる。振動子の重し部とフロ
ート部との比率や、振動子と緩衝液との体積比率や材質
を調整することによって、重し部に形成されている破砕
用突起が拡散体を密閉容器内部に放出させるように衝突
する際の抵抗効果を調整することができ、破損に必要と
なる衝撃や振動の閾値を柔軟に調整することができる。
【0032】また本発明で前記密閉容器の外囲壁には、
内面に沿って前記拡散体が拡散可能で、拡散状態が固定
される固定相が配置され、該外囲壁は、該固定相によっ
て固定された拡散状態が外部から視認可能であることを
特徴とする。
【0033】本発明に従えば、密閉容器内に収納されて
いる拡散体は、密閉容器に作用する衝撃や振動の外力方
向に応じて、特定の部分から密閉容器内に放出され、貫
通孔を通して表示器内の固定相に拡散して衝撃や振動を
受けたことを表示する。密閉容器の外囲壁の内面に沿っ
て固定相を設け、拡散体が拡散する状態を外囲壁の外部
から視認可能にしているので、密閉容器側からも衝撃や
振動の発生とその方向とを表示することができる。
【0034】また本発明は、前記表示器内部の固定相を
仕切り、前記貫通孔を始点とする拡散体の拡散経路を形
成する隔壁を備えることを特徴とする。
【0035】本発明に従えば、表示器内の固定相中に拡
散する拡散体は、隔壁によって仕切られた拡散経路に沿
って拡散するので、固定相を有効に利用して長時間にわ
たる拡散の状態を表示させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の実施の
第1形態による衝撃振動表示器10の概略的な構成を示
し、図3はその使用状態を示す。なお、後続する各実施
形態で、本実施形態を含む先行する実施形態と対応する
部分には同一の参照符を付し、重複する説明は省略する
ことがある。密閉容器11は大略的に直方体状であり、
その一表面に板状の表示器12が連結される。図2に示
すように、密閉容器11の外囲壁13内部には空間が形
成され、後述するように拡散体が収納される。密閉容器
11内に収納される拡散体は、密閉容器が外部から衝撃
や振動を受けると密閉容器11内部に放出される。表示
器12が連結されている密閉容器11の外囲壁13には
貫通孔14が設けられる。表示器11の内部には、固定
相15を収納する空間が設けられ、この空間は貫通孔1
4に連通する。表示器12は、表面の保護層16を通し
て、固定相15に拡散体が拡散する状態を外部から視認
可能である。図3に示すように、密閉容器11および表
示器12を備える衝撃振動表示器10は、梱包箱17の
表面に、表示器12を露出させた状態で装着して用いる
ことが好ましい。梱包箱17の表面上には、板状の表示
器12のみが露出しているだけであるので、荷積みや集
合包装や輸送中の障害とはならない。
【0037】本実施形態の表示器12は、たとえば2枚
の矩形の形状で、透明かつ厚みが薄いフイルムを2枚重
ね、その間の空間に固定相15を収納し、4辺を互いに
貼り合わせて形成する。表示器12と密閉容器11と
は、貫通孔14で連通する部分を除いて、外部に対して
は完全な密閉状態にしておき、内容物が外部に漏れない
ようにしておく。密閉容器11内部には、粉体や液体の
拡散体を収納する。固定相15は、貫通孔14を介して
漏れる拡散体が、固定相15内部に拡散すると、固定相
15の内容物がたとえば変質し、その様子を保護層16
を介して視認可能にしておく。
【0038】なお、拡散体は特殊な運動特性を持つ物質
である必要はない。単に、微粒子の粉体、または液体、
またさらには気体であって、表示器12の固定相15
に、たとえば着色等の変化をもたらす性質を持ち合わせ
ているだけでよい。なお、拡散は、溶媒中に浮遊する微
粒子が、溶媒分子の微視的な運動によって、経時的によ
り乱雑な状態に運ばれていく、至極一般的な現象であ
る。
【0039】図3に示すように、梱包箱17に衝撃振動
表示器10を装着する際には、梱包箱17に密閉容器1
1が収納可能な孔をあけておき、表示器12の密閉容器
11が連結されている側の表面を梱包箱17の表面に接
着したり、粘着させたりして固定する。2枚の薄いフイ
ルムから成る板状の表示器12のみが梱包箱17の外面
に露出するので、梱包箱17を取扱う際の障害を低減す
ることができる。
【0040】図4は、表示器12の内部構成を示す。密
閉容器11が連結される側の保護層16aには、連絡孔
18が設けられ、密閉容器11内に放出された拡散体1
9が連絡孔18を通って表示器12内の空間内に拡散す
る。固定相15は、密閉容器11が連結される側の保護
層16aとは対向する側の保護層16bの内面に配置さ
れる。固定相15は、拡散体19を定着させる材料また
は拡散体19によって変質を起こす材料を用いて形成す
る。
【0041】図5および図6は、本発明の実施の第2形
態の衝撃振動表示器20の概略的な構成を示す。本実施
形態の密閉容器21は、表示器22と連結する側を除い
て丸味を持った形状を有する。表示器22は、実施の第
1形態の表示器12と実質的に同等である。図6に示す
ように、密閉容器21内の外囲壁23は、大略的に球状
であり、貫通孔24は、表示器22内で固定相25を収
納する保護層26間の空間と連絡管27を介して連通す
る。本実施形態の衝撃振動表示器20の密閉容器21お
よび表示器22は、透明または半透明な材質の合成樹脂
などで一体的に成型することができる。
【0042】図7は、表示器22の内部構成を示す。表
示器22では、固定相25が連絡孔28で図6の連絡管
27および密閉容器21と連通している内部の空間29
全体に充填される。空間29は、保護層26a,26b
間に形成され、保護層26aに連絡孔28が設けられ
る。固定相25としては、連絡孔27から侵入する拡散
体が徐々に侵透していく材質や徐々に変質が進行してい
く材質を用いる。
【0043】以上の説明では、実施の第1形態では図4
に示すような内部構成の表示器12を用い、実施の第2
形態では図7に示すような内部構成の表示器22を用い
ているけれども、表示器12を実施の第2形態に用い、
表示器22を実施の第1形態に用いることもできる。
【0044】図8に、表示器22に拡散体が拡散し、固
定相25の変化が進む様子を示す。連絡孔28から侵入
する拡散体によって、固定相25には固定相変化部25
aが生じ、時間経過とともに周辺に向かって進行して行
く様子を、保護層26bを通して外部から視認すること
が可能となる。
【0045】図9は、本発明の実施の第3形態による衝
撃振動表示器30の概略的な構成を示す。本実施形態の
密閉容器11、表示器12は、基本的に図1および図2
に示す衝撃振動表示器10と同様である。本実施形態で
は、密閉容器11内に、ガス状の拡散体31を封入した
カプセル状振動子32を収納する。カプセル状振動子3
2は、卵のように薄い殻状の密閉容器であり、予め定め
る閾値を超える外力が作用すると破壊されて封入してい
る拡散体31を密閉容器1内に放出する。
【0046】カプセル状振動子32は、密閉容器11内
の空間においては3次元的に自由に運動できる状態にあ
るため、衝撃振動表示器30に衝撃や振動の外力が作用
すると、慣性によって、密閉容器11から見て、密閉容
器11の任意の変化の方向に対して、その逆方向に運動
する。カプセル状振動子32が密閉容器11の外囲壁1
3の内周面に衝突すると、衝突による衝撃力がカプセル
状振動子32を破壊する閾値より大きければ、内部に封
入されている拡散体31が密閉容器11の内部に放出さ
れ、貫通孔14を介して表示器12内に侵入し、固定相
15による表示を行うことができる。
【0047】図10は、本発明の実施の第4形態の衝撃
振動表示器40の概略的な構成を示す。本実施形態の密
閉容器21は、実質的に実施の第2形態の密閉容器21
と同等である。本実施形態では、実施の第3形態と同様
に、拡散体31を封入したカプセル状振動子32を密閉
容器21内に収納する。本実施形態では、カプセル状振
動子32と密閉容器21の外囲壁23との間に、緩衝体
41を配置し、外囲壁23の内周に破砕用突起42を設
ける。本実施形態では、カプセル状振動子32が破砕用
突起42の先端に触れると、カプセル状振動子32は容
易に破壊され、内部に封入されている拡散体31を密閉
容器21内に放出することができる。カプセル状振動子
32が破砕用突起42に衝突する過程は、緩衝体41に
よって遅延される。緩衝体41の遅延作用は、緩衝体4
1の大きさや弾力性によって柔軟に調整することができ
る。また、カプセル状振動子32が破砕用突起42に接
触してもカプセルの破壊に至らないような小さな衝撃や
振動に対しても、カプセル状振動子32が緩衝体41を
変形させながら繰返して破砕用突起42に接触すること
によって、長期的には破損し、そのような連続する衝撃
や振動が加わったことを記録し表示することができる。
【0048】図11は、本発明の実施の第5形態の衝撃
振動表示器50の概略的な構成を示す。本実施形態で
は、実施の第2形態と同様な密閉容器21を用いる。密
閉容器21内には、拡散体51を封入したカプセル52
が複数個配置される。密閉容器21の内部には、振動子
53が収納される。振動子53は、慣性によって密閉容
器21が外力で移動変位する方向と相対的に反対な方向
に運動する。振動子53は、密閉容器21の外囲壁23
との間でカプセル52を挟んで押し潰すのに充分な質量
を有する材料で形成する。また、振動子53と密閉容器
23の材料は、カプセル52を押し潰すのに充分な強度
を有する材料を用いて形成する。
【0049】図12は、本発明の実施の第6形態の衝撃
振動表示器60の概略的な構成を示す。本実施形態で
は、実施の第2形態と同様な密閉容器21を設け、振動
子53は実施の第5形態と基本的に同等である。本実施
形態のカプセル61は、内部に拡散体51を封入し、振
動子53と外囲壁23との間の空間を埋めることができ
る大きさを有する。このような構成によって、振動子5
3は外囲壁23の中心部に保持され、衝撃振動表示器6
0に外部から衝撃や振動が加わると、対応する方向に相
対的に振動子53が運動して、その方向に存在するカプ
セル61を押し潰し、拡散体31の表示器22での記録
および表示を行うことができる。
【0050】図13は、本発明の実施の第7形態の衝撃
振動表示器70の概略的な構成を示す。本実施形態の密
閉容器21は、基本的に実施の第2形態と同等である。
本実施形態では、異なる種類の拡散体51を封入したカ
プセル71,72,73,…を外囲壁23の内側に、種
類毎に位置を変えて配置する。拡散体51の種類の違い
は、たとえば色の違いとして表示される。これによっ
て、振動子53が押し潰すカプセル71,72,73,
…の位置を拡散体51の種類の違いで判断することがで
き、振動子53の移動方向と反対方向に衝撃や振動の外
力が加わったことを特定することができる。
【0051】図14は、本発明の実施の第8形態の衝撃
振動表示器80の概略的な構成を示す。本実施形態で
は、実施の第7形態の種類の異なるカプセル71,7
2,73,…を、種類毎に分ける緩衝体81を設ける。
緩衝体81で仕切ることによって、種類の異なるカプセ
ル71,72,73,…から放出される拡散体が交じる
ことなく、拡散体の種類の判別による衝撃や振動に対し
て拡散する拡散体の種類が固有のものとなり、衝撃や振
動の方向の特定精度を高めることができる。また緩衝体
81の大きさや弾力性を調整することで、カプセル7
1,72,73,…が破壊されるまでに至る外力の閾値
の調整を柔軟に行うことができる。
【0052】図15は、本発明の実施の第9形態の衝撃
振動表示器90の概略的な構成を示す。本実施形態で
は、実施の第2形態と同様に密閉容器21内に振動子5
3を収納し、その周囲に複数のカプセル52を配置す
る。本実施形態では、カプセル52を、振動子53の周
囲を覆うように層状に形成する緩衝体91に形成する放
射状の凹部92に挿入する。緩衝体91の厚さや弾力性
あるいは凹部92の深さを調整することによって、振動
子53と外囲壁23との間でカプセル52が押し潰され
る際の閾値を柔軟に調整することができる。なお緩衝体
91の厚さを大きくして、緩衝体91によって振動子5
3と外囲壁23との間の空間を充填し、かつ外囲壁23
に対して緩衝体91が回転ずれを起こさないように固定
しておけば、実施の第8形態と同様に、カプセル52の
位置に応じて内部に封入される拡散体の種類を変えて衝
撃や振動の方向を特定させることができる。
【0053】図16は、本発明の実施の第10形態の衝
撃振動表示器100の概略的な構成を示す。本実施形態
では、実施の第2形態と同様な密閉容器21内に周囲に
破砕用突起101を形成した振動子102を配置する。
振動子102の周囲は、緩衝体103で覆う。密閉容器
21の外囲壁23の内側には、拡散体31を封入した拡
散体封入層104を形成する。本実施形態の振動子10
2は、緩衝体103に包み込まれているので、小さな外
力で拡散体封入層104に衝突しても、拡散体封入層1
04を破壊することはできない。大きな外力が作用した
ときには、緩衝体103が縮み、破砕用突起101が緩
衝体103の表面から突出して拡散体封入層104に接
触し、拡散体封入層104を破損して内部に封入されて
いる拡散体31を密閉容器21内に放出させることがで
きる。緩衝体103の弾力性や、破砕用突起101に対
する緩衝体103の厚さを調整することによって、緩衝
体103が拡散体封入層104に衝突してから破砕用突
起101が拡散体封入層104を破損させるまでの減速
効果を調整することができる。これによって、拡散体封
入層104の破損に必要となる衝撃や振動の力の閾値を
柔軟に調整することが可能となる。
【0054】図17は、本発明の実施の第11形態の衝
撃振動表示器110の概略的な構成を示す。本実施形態
では、実施の第5形態と同様な振動子53を実施の第1
0形態と同様に緩衝体103で包み込む。密閉容器21
の外囲壁23の内周面には、位置によって種類が異なる
拡散体を封入した拡散体封入層111,112,11
3,…が配置される。緩衝体103は、振動子53の外
周面と拡散体封入層111,112,113,…の内周
面間を満たして、振動子53を球状の外囲壁23の中心
に保持する。緩衝体103の内部には、表面に破砕用突
起118が形成された粒体である鋲119が散在するよ
うに含まれる。
【0055】衝撃や振動の外力によって衝撃振動表示器
110が変位すると、慣性によって振動子53は密閉容
器21に対して外力の反対方向に運動する。これによっ
て外力が加えられた方向の外囲壁23の内面に対し、振
動子53が衝突しようとする。この際に鋲119が、拡
散体封入層111,112,113,…に対して押し付
けられ、拡散体封入層111,112,113,…の被
衝突部分を破損させて、内部に封入されている拡散体を
密閉容器21内に放出させることができる。緩衝体10
3の弾力性や、鋲119の大きさに対する厚さを調整す
ることによって、振動子53が鋲119を押し付け始め
てから拡散体封入層111,112,113,…を破損
させるまでの抵抗効果を調整することができ、破損に必
要となる衝撃や振動の力の閾値を柔軟に調整することが
可能となる。
【0056】図18は、本発明の実施の第12形態の衝
撃振動表示器120の概略的な構成を示す。本実施形態
では、実施の第2形態と同様な密閉容器21内に、重し
部121およびフロート部122から成る振動子123
を収納する。振動子123は、密閉容器21内に注入さ
れる緩衝液124中に浮遊させる。密閉容器21の外囲
壁23の内周側には、表示器12,22内に収納する固
定相15,25と同様な固定相を封入する固定相封入層
125および実施の第10形態と同様な拡散体封入層1
04を形成する。緩衝体としての緩衝液124中に浮遊
する振動子123は、重し部121が下側となった状態
で浮遊する。この状態で重し部121の下端には、破砕
用突起126を備えるようにしておく。
【0057】衝撃振動表示器120は衝撃や振動の外力
が加わってその方向に変位すると、振動子123は慣性
によって密閉容器21に対して外力と反対方向に重し部
121を向ける回転運動を行う。また緩衝液124も、
外力が加えられた方向に偏ると同時に、液面に波動を生
じ、振動子123は外力方向の振動を行う。この振動の
作用によって、重し部121の先端に形成される破砕用
突起126が拡散体封入層104および固定相封入層1
25を破損させ、破損部分から拡散体を密閉容器21内
部に噴出させて表示器22による記録と表示を行わせる
とともに、固定相封入層125の破損部分から内部に拡
散させ、外囲壁23を通して密閉容器21の外部からも
衝撃や振動が発生したことと、外力が加えられた方向の
視認が可能となる。重し部121とフロート部122と
の比率や、緩衝液124と振動子123との比率を調整
することによって、破砕用突起126が拡散体封入層1
04や固定相封入層125を破損するように衝突する際
の抵抗効果を調整することができ、破損に必要となる衝
撃や振動の力の閾値を柔軟に調整することが可能にな
る。
【0058】実施の第10形態や第12形態では、1種
類の拡散体が封入される拡散体封入層104を用いてい
るけれども、実施の第11形態と同様に、複数種類の拡
散体封入層111,112,113,…を位置に応じて
配置しておけば、外力が作用する方向の特定が容易にな
る。
【0059】図19は、本発明の実施の第13形態とし
て、表示器130の概略的な構成を示す。図19(a)
は側面断面図、図19(b)は正面図をそれぞれ示す。
本実施形態の表示器130は、以上説明した各実施形態
の衝撃振動表示器の表示器として使用することが可能で
ある。表示器130も概略的に板状であり、その内部は
隔壁131によって仕切られ、連絡孔27から長距離に
わたる拡散経路132が形成される。隔壁131によっ
て仕切られる拡散経路132に沿って、固定相133が
配置される。隔壁131がない場合に比べ、拡散経路1
32に沿って拡散する距離が長くなり、長い時間をかけ
て固定相133全体に拡散するようになる。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、衝撃や振
動の記録を電源を用いないでも行うことができ、記録内
容をそのまま表示器で視認可能に表示することができ
る。表示器は板状であり、その一方表面側に拡散体を収
納する密閉容器が連結されるので、梱包箱の表面に表示
器を露出させ、密閉容器を梱包箱内に収納すれば、外面
への突出量が少ない状態でいつでも表示内容を確認する
ことができ、荷積みや集合梱包や輸送中の障害を避ける
ことができる。梱包箱に装着しておけば、梱包箱内部の
物品に大きな衝撃や振動が加わっているかどうかを開梱
せずに確認することができる。密閉容器内に拡散体を収
納し、板状の表示器内に拡散体を拡散させて拡散状態を
固定する固定相を収納するだけの簡単な構成であるの
で、低コストでかつ信頼性の高い表示を行うことができ
る。
【0061】また本発明によれば、衝撃や振動の記録に
は、拡散体を封入したカプセル状振動子やカプセルや拡
散体封入層を、破壊することによって行うため、従来の
装置のように構成部品の全てに衝撃や振動に対する耐久
性を持たせる必要がなく、低コストで確実な表示を行う
ことができる。
【0062】また本発明によれば、カプセル状振動子や
振動子は、密閉容器に作用する衝撃や振動によって密閉
容器内で3次元的に方向的な制限の無い自由な運動を行
うことができるので、3次元的な全ての方向からの衝撃
や振動に対して等しく有効に基準を超える力の記録およ
び表示を行うことができる。
【0063】また本発明によれば、密閉容器の外囲壁に
設けられる破砕用突起に対する緩衝体の大きさや、緩衝
体の弾力性を変化させて、カプセル状振動子が破損する
衝撃や振動の閾値を柔軟に調整することができる。これ
によって、大きな衝撃や振動に対する瞬間的な破壊ばか
りではなく、振動や微小な衝撃の継続による破壊による
記録も行うことができる。
【0064】また本発明によれば、振動子が密閉容器内
で3次元的に自由に運動し、3次元的な全ての方向から
の衝撃や振動に対して拡散体が封入されるカプセルを破
損させ、予め定める力を超える衝撃や振動を記録し表示
することができる。
【0065】また本発明によれば、緩衝体の弾力性や大
きさを変化させて、拡散体が封入されているカプセルを
破損させる衝撃や振動の閾値を柔軟に調整することがで
きる。
【0066】また本発明によれば、緩衝体の厚さや放射
状の凹部の深さで、凹部に挿入されるカプセルを破損さ
せる衝撃や振動の閾値を柔軟に調整することができる。
【0067】また本発明によれば、密閉容器の外囲壁の
内側に拡散体を封入して予め定める外力で破壊する拡散
体封入層を配置するので、密閉容器の外囲壁を真球面に
しておき、拡散体封入層を均一な厚さに形成しておくこ
とで、振動子は3次元的に均一な真球の空間において方
向依存偏りが無い運動を行うことができ、どの方向から
の衝撃や振動にも相対強度に方向的偏りの無い正確な記
録を行うことができる。
【0068】また本発明によれば、拡散体が配置される
位置に応じて種類が異なるようにしておくので、表示器
内に拡散する拡散体の種類で、衝撃や振動の作用する方
向を特定することができる。
【0069】また本発明によれば、密閉容器内部に収納
する振動子の表面に破砕用突起を備えるので、振動子の
拡散体を封入したカプセルや層に接触すれば、カプセル
や層を容易に破壊させて封入されている拡散体を放出さ
せ、衝撃や振動を表示器で表示させることができる。
【0070】また本発明によれば、振動子と密閉容器の
外囲壁との間に配置される緩衝体内に、破砕用突起を有
する流体を散在させるので、破砕用突起に対する緩衝体
の厚さや緩衝体の弾力性の調整によって、拡散体を放出
させる衝撃や振動の閾値を柔軟に調整することができ
る。
【0071】また本発明によれば、振動子を形成するフ
ロート部と重し部との割合や、振動子と緩衝液との割合
を調整して、衝撃や振動に対する記録や表示を行う閾値
を調整することができる。
【0072】また本発明によれば、密閉容器の外囲壁の
外部からも、衝撃や振動の発生およびその方向などを確
認することができる。
【0073】また本発明によれば、表示器の固定相を隔
壁で仕切って、長時間にわたる拡散の進行状況を見るこ
とができるので、その進行具合から、衝撃や振動が発生
してからの時間の計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態の衝撃振動表示器10
の斜視図である。
【図2】図1の衝撃振動表示器10の側面断面図であ
る。
【図3】図1の衝撃振動表示器10を梱包箱11に装着
した状態を示す簡略化した断面図である。
【図4】図1の表示器12の側面断面図である。
【図5】本発明の実施の第2形態の衝撃振動表示器20
の斜視図である。
【図6】図5の衝撃振動表示器20の側面断面図であ
る。
【図7】図5の衝撃振動表示器20の表示器22の側面
断面図である。
【図8】図5の衝撃振動表示器20の表示器22におい
て、拡散体の拡散の進行による固定相の変化の様子を示
す簡略化した断面図である。
【図9】本発明の実施の第3形態の衝撃振動表示器30
の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図10】本発明の実施の第4形態の衝撃振動表示器4
0の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図11】本発明の実施の第5形態の衝撃振動表示器5
0の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図12】本発明の実施の第6形態の衝撃振動表示器6
0の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図13】本発明の実施の第7形態の衝撃振動表示器7
0の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図14】本発明の実施の第8形態の衝撃振動表示器8
0の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図15】本発明の実施の第9形態の衝撃振動表示器9
0の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図16】本発明の実施の第10形態の衝撃振動表示器
100の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図17】本発明の実施の第11形態の衝撃振動表示器
110の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図18】本発明の実施の第12形態の衝撃振動表示器
120の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図19】本発明の実施の第13形態の衝撃振動表示器
に用いる表示器130の側面断面図および正面図であ
る。
【図20】先行技術による板ばねと錘体との組合せに対
して、衝撃/振動の力Fの方向と錘体の可動方向との関
係を示す図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70,80,9
0,100,110,120 衝撃振動表示器 11,21 密閉容器 12,22 表示器 13,23 外囲壁 14,24 貫通孔 15,25 固定相 25a 固定相変化部 16,16a,16b,26a,26b 保護層 17 梱包箱 18,27 連絡孔 19,31,51 拡散体 29 空間 24 連絡管 32 カプセル状振動子 41,81,91,103 緩衝体 42,101,118,126 破砕用突起 52,61,71,72,73,… カプセル 53,102,123 振動子 92 凹部 104,111,112,113,… 拡散体封入層 119 鋲 121 重し部 122 フロート部 124 緩衝液 125 固定相封入層 131 隔壁 132 拡散経路

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散体を外囲して収納し、外囲壁に部
    分的な貫通孔が形成される密閉容器と、 板状で、一方表面側に該密閉容器が連結され、内部に密
    閉容器の貫通孔と連通する空間を有する表示器と、 該表示器内の空間に収納され、該貫通孔から放出される
    拡散体が拡散可能で、拡散状態が固定され、該表示器の
    他方表面側から固定された拡散状態が視認可能な固定相
    とを含むことを特徴とする衝撃振動表示器。
  2. 【請求項2】 前記拡散体は、予め定める大きさの外力
    で破壊されるカプセル状振動子内に封入されて、前記密
    閉容器内に収納されることを特徴とする請求項1記載の
    衝撃振動表示器。
  3. 【請求項3】 前記カプセル状振動子は、前記密閉容器
    の内部に配置され、 該カプセル状振動子と密閉容器の外囲壁との間に配置さ
    れる緩衝体と、 該外囲壁の内面に設けられる破砕用突起とを備えること
    を特徴とする請求項2記載の衝撃振動表示器。
  4. 【請求項4】 前記密閉容器の内部に配置される振動子
    を備え、 前記拡散体は、予め定める大きさの外力で破壊されるカ
    プセルに封入されて、該振動子と密閉容器の外囲壁との
    間に配置されることを特徴とする請求項1記載の衝撃振
    動表示器。
  5. 【請求項5】 前記振動子と前記外囲壁との間に配置さ
    れる緩衝体を有することを特徴とする請求項4記載の衝
    撃振動表示器。
  6. 【請求項6】 前記緩衝体は、該振動子の外周を覆う層
    状の形状を有して、複数の放射状の凹部が形成され、 前記カプセルに封入された拡散体は、該凹部に挿入され
    ることを特徴とする請求項5記載の衝撃振動表示器。
  7. 【請求項7】 前記密閉容器の内部に配置される振動子
    を備え、 密閉容器の外囲壁の内側に形成され、予め定める大きさ
    の外力で破壊される層に、前記拡散体が封入されて配置
    されることを特徴とする請求項1記載の衝撃振動表示
    器。
  8. 【請求項8】 前記拡散体は、配置される位置に応じて
    種類が異なることを特徴とする請求項4〜7のいずれか
    に記載の衝撃振動表示器。
  9. 【請求項9】 前記振動子の表面に、破砕用突起を備え
    ることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の衝
    撃振動表示器。
  10. 【請求項10】 前記振動子と前記密閉容器の外囲壁と
    の間に緩衝体が配置され、 該緩衝体内に散在し、表面に破砕用突起を有する粒体を
    含むことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の
    衝撃振動表示器。
  11. 【請求項11】 前記振動子は、破砕用突起を形成した
    重し部と、重し部に比較して軽量なフロート部とから成
    り、 前記密閉容器内に、該振動子を浮遊させる緩衝液が緩衝
    体として注入されることを特徴とする請求項4〜8のい
    ずれかに記載の衝撃振動表示器。
  12. 【請求項12】 前記密閉容器の外囲壁には、内面に沿
    って前記拡散体が拡散可能で、拡散状態が固定される固
    定相が配置され、 該外囲壁は、該固定相によって固定された拡散状態が外
    部から視認可能であることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれかに記載の衝撃振動表示器。
  13. 【請求項13】 前記表示器内部の固定相を仕切り、 前記貫通孔を始点とする拡散体の拡散経路を形成する隔
    壁を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか
    に記載の衝撃振動表示器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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