JPH11237336A - 指度校正を可能にする有機物質検出装置及びそれを用いた有機物質監視システム - Google Patents

指度校正を可能にする有機物質検出装置及びそれを用いた有機物質監視システム

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JPH11237336A
JPH11237336A JP10039009A JP3900998A JPH11237336A JP H11237336 A JPH11237336 A JP H11237336A JP 10039009 A JP10039009 A JP 10039009A JP 3900998 A JP3900998 A JP 3900998A JP H11237336 A JPH11237336 A JP H11237336A
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祐輔 高野
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Hironobu Yamamoto
弘信 山本
Akihiro Takaya
明広 多加谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 監視センターにおいて計器のゼロ点調整や指
度の校正を行うことができるように構成された有機物質
検出装置を提供すること。 【解決手段】 有機物質検出装置は、有機物質と接触す
ると属性変化を起こす感知素子30と、媒質を感知素子
30と接触させるための第1の手段38、48、56
と、有機物質を含まない媒質と既知の濃度の有機物質を
含む媒質とのうちの少なくとも一方の媒質を感知素子3
0と接触させるための第2の手段50と、感知素子30
を照射する光を出力すると共に、該感知素子で反射され
た光を受光する光学手段26とを具備する。この有機物
質検出装置は、有機物質を含まない媒質と既知の濃度の
有機物質を含む媒質とのうちのいずれか一方の媒質を所
定の期間に供給するための供給部を有する監視センター
と接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】この発明は、空気や水等の媒質中
に存在する有機物質を検出する装置及びそれをもちいた
監視システムに関するものであり、特に、監視センター
における計器のゼロ点調整及び指度の校正を可能にする
有機物質検出装置及びそれを用いた監視システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】本願の出願人は、空気中に混入した蒸気
又は水中に溶存する有機物質の種別や濃度を検出するた
めの検出装置を種々提案してきた。図7は、こうした検
出装置の一例を概略的に示している。同図において、検
出装置は、光源部2と、光検出部4と、平坦な反射性の
ホルダー6上に被覆された高分子薄膜からなる感知素子
8とを備えており、これらの構成要素は筐体10に一体
に保持される。感知素子8としては、特定の有機物質と
接触すると、該有機物質と反応し又はこれを吸収或いは
吸着して膜厚及び屈折率の少なくとも一方を変える性質
を持つ高分子が使用される。
【0003】光源部2に設けられたレーザー・ダイオー
ド等の発光体から出射された光ビームは感知素子8に入
射され、そこで反射されて光検出部4の光検出器により
検出される。このとき、感知素子8の表面で反射された
光と、感知素子8を支持するホルダー6の表面で反射さ
れた光とは位相関係を持ち、相互に干渉するので、感知
素子8の膜厚及び/又は屈折率が変化すると、感知素子
の反射率又は反射光の強度が変化する。したがって、感
知素子8からの反射光の強度の関数として、燃料蒸気の
存在及び/又は濃度を検出することが可能になる。
【0004】筐体10には、有機が混入した空気又は有
機物質が溶存する水を導入するための導入口12と、空
気又は水を排出するための排出口14と、これらを連通
させて感知素子8を有機物質と接触させる通路16とが
形成されており、特定の有機物質が混入した空気又は有
機物質が溶存する水を導入口12から導入すると、有機
物質が感知素子8と接触し、感知素子8の膜厚や屈折率
が変化するので、光検出部4の出力として、特定の有機
物質が空気に混入し又は水に溶存していることを判定す
ることができる。
【0005】一般に、有機物質検出装置の或る環境下で
の最下限検出限界(MinimumDetectabl
e Limit即ちMDL)は、該有機物質検出装置の
その環境下でのゼロ・レベルの変動幅と信号強度との比
を1に取ることから通常求められる。ただし、信号強度
に温湿度特性がある場合には、MDLも同じ温湿度特性
を示す。有機物質検出装置のゼロ・レベルの変動要因と
しては、感知素子の温湿度特性、装置固有の温湿度特
性、装置固有の電気ノイズ、外来ノイズ(電気的なノイ
ズや振動を含む)等を挙げることができる。
【0006】MDLを改善するために、感知素子や装置
固有の温湿度特性を有機物質検出装置の設置後の測定さ
れた温湿度特性を用いて補正することは可能である。し
かしながら、個々の有機物質検出装置の温湿度特性を測
定するには多くの時間を必要とし、製造コストの大幅な
引き上げを生じかねない。また、厳密には、有機物質検
出装置の補正しきれないヒステリシス特性が存在する
し、こうした測定のためには、有機物質検出装置が設置
された危険区域で温湿度特性測定プローブを作動させな
ければならないという問題もある。さらに、図7に示す
ような従来の有機物質検出装置は、安全性を考慮して、
光信号のみを扱い、電気的な構成要素を含まない構成と
なっているが、こうした有機物質検出装置の温湿度特性
の測定を、有機物質検出装置に何等の電気的要素を付加
することなく、光信号のみで行うことは実質的に不可能
である。
【0007】また、従来の有機物質検出装置は、有機物
質を含む場所(例えば、有機物質で汚染された場所)に
長期間設置した場合、感知素子が固有の特性変化を起こ
し、有機物質検出装置の出力がドリフトするという欠点
もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の課
題を解決するために成されたものであり、この発明の目
的は、監視センターにおいて計器のゼロ点調整や指度の
校正を行うことができるよう新規な構成を有するうえ、
本質的に安全で、構成が簡単且つ製造が容易であり、信
頼性が高く、安価で、小型化が可能な有機物質検出装置
を提供することにある。また、この発明の他の目的は、
こうした有機物質検出装置を用いて計測部でのゼロ点調
整と指度の校正とを行うことができるた監視システムを
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、有機物質と接触すると属性変化を起
こす感知素子と、媒質を前記感知素子と接触させるため
の第1の手段と、有機物質を含まない媒質と既知の濃度
の有機物質を含む媒質とのうちの少なくとも一方の媒質
を前記感知素子と接触させるための第2の手段と、前記
感知素子を照射する光を出力すると共に、該感知素子で
反射された光を受光する光学手段と、を具備する有機物
質検出装置、を提供する。
【0010】前記有機物質検出装置は、地下タンク、サ
ンプ、海中ポンプ周辺、地上タンク、製油所、油送パイ
プ、油送ライン、油送タンカー等に設置され得る。
【0011】前記光学手段は、前記感知素子を照射する
光及び前記感知素子から反射された光を伝送する光ファ
イバーと、前記光ファイバーの一端が結合されて該光フ
ァイバーからの光を前記感知素子に収束させると共に前
記感知素子から反射された光を前記光ファイバーへ伝達
するレンズを含むレセプタクルとを備えることが望まし
い。
【0012】有機物質検出装置の使用態様に応じて、前
記第1の手段は、前記レセプタクルと対向配置するよう
前記感知素子を載置するためのホルダーと、該ホルダー
に形成された通気口と、前記ホルダーと前記媒質との間
に設けられ、前記媒質は通さないが該媒質中の有機物質
は通すフィルタとを含むのが望ましい場合と、前記レセ
プタクルと対向配置するよう前記感知素子を載置し且つ
前記媒質を透過させるホルダーを含むのが望ましい場合
とがある。
【0013】この発明の1つの実施の形態においては、
前記第2の手段は、前記レセプタクルと前記ホルダーと
の間の空間に連通して、有機物質を含まない媒質と既知
の濃度の有機物質を含む媒質とのいずれか一方の媒質を
前記空間に導入するための導入チューブと、前記空間を
排気するための排出チューブとを含む。
【0014】また、この発明は、上記の目的を達成する
ために、有機物質検出装置とそれに結合された監視セン
ターとを備える監視システムであって、前記有機物質検
出装置が、有機物質と接触すると属性変化を起こす感知
素子と、媒質を前記感知素子と接触させるための第1の
手段と、有機物質を含まない媒質と既知の濃度の有機物
質を含む媒質とのうちの少なくとも一方の媒質を前記感
知素子と接触させるための第2の手段と、前記感知素子
を照射する光を出力すると共に、該感知素子で反射され
た光を受光する光学手段と、を具備し、前記監視センタ
ーが、前記第2の手段に、有機物質を含まない媒質と既
知の濃度の有機物質を含む媒質とのうちのいずれか一方
の媒質を所定の期間に供給するための供給部と、前記光
学手段に光を供給すると共に、前記光学手段を伝送され
てきた反射光を処理して有機物質の存在と濃度とのうち
のいずれか一方を表す信号を出力する計測部と、を具備
し、前記供給部から前記第2の手段に対して、有機物質
を含まない媒質を供給するときに前記計測部のゼロ点の
調整を行い、既知の濃度の有機物質を含む媒質を供給す
るときに前記計測部の指度の校正を行うことを可能にす
る監視システム、を提供する。
【0015】この監視システムにおいては、前記光学手
段は、前記感知素子を照射する光及び前記感知素子から
反射された光を伝送する光ファイバーと、前記光ファイ
バーの一端が結合されて該光ファイバーからの光を前記
感知素子に収束させると共に前記感知素子から反射され
た光を前記光ファイバーへ伝達するレンズを含むレセプ
タクルとを備え、前記計測部は、前記光ファイバーの他
端に結合されて該光ファイバーにレーザー光を送出する
ためのレーザー・ダイオードと、前記感知素子から反射
されたレーザー光を検出して該レーザー光の強度に対応
した電気信号を出力する検出変換器とを備えることが望
ましい。
【0016】前記供給部は、乾燥無機気体を収容した第
1のボンベと、既知の濃度の有機気体を含む空気を収容
した第2のボンベと、前記第1のボンベと前記第2のボ
ンベとのいずれか一方を前記有機物質検出装置と結合す
るための弁手段とを備えるのが望ましい場合や、有機物
質が溶存していない水を収容した第1のボンベと、既知
の濃度の有機物質が溶存する水を収容した第2のボンベ
と、前記第1のボンベと前記第2のボンベとのいずれか
一方を前記有機物質検出装置と結合するための弁手段と
を備えるのが望ましい場合がある。
【0017】
【作用】有機物質の接触によって感知素子属性、例えば
膜厚や屈折率が変化する。これを利用することにより、
有機物質の存在あるいは濃度を検出する。即ち、有機物
質との相互作用の結果、感知素子には例えば膨潤等の物
理的変化が生じる。更に、かかる膨潤に起因して、感知
素子の光学的パラメーターである膜厚や屈折率が変化す
る。このような変化は、感知素子光学的性質を変化せし
めるので、感知素子の反射特性を測定することによっ
て、有機物質を検出することができる。
【0018】感知素子を構成する重合材料を適宜選択す
ることにより、有機物質、例えば、ガソリン、軽油、灯
油、ジェット燃料、重油等の燃料の存在を選択的に又は
非選択的に検出することが可能となる。しかも、感知素
子は有機物質の濃度と対応した反射特性を持つため、こ
の発明に係る有機物質検知装置は有機物質の濃度計とし
ても動作することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の若干の実施の形
態を図面を参照しながら説明する。図1は、この発明に
係る有機物質検出装置の第1の実施の形態の構成を示し
ており、空気に混入した有機物質を検出するためのもの
である。
【0020】図1の有機物質検出装置20において、一
端が監視センタ60の計測・制御部62(図2)に接続
された光ファイバー22の他端はFCコネクタ24を介
してコリメータレンズ付きのレセプタクル26に固定さ
れる。レセプタクル26内のコリメータレンズに対向す
るように、感知素子ホルダー28に接着材等で固着され
た感知素子30が配置される。計測・制御部60から発
出されて光ファイバー22により伝送された光はレセプ
タクル26内のコリメータレンズを介して感知素子30
を照射し、感知素子30で反射されて光ファイバー22
を逆方向に通過し、計測・制御部62へ戻る。
【0021】レセプタクル26は筒状の本体32の一端
に固定され、本体32の内部に感知素子ホルダー28が
固定される。本体32の他端の開口内には、外部から水
等が侵入するのを防止するためにOリング34が設けら
れ、このOリング34はOリングホルダー36に固定さ
れている。
【0022】本体32の他端の外周には、内部にフィル
タ38を有する蓋40が固定される。蓋40の中央には
開口42が設けられ、フィルタ38は開口42を通して
外気と接しており、水は通さないが水中の溶存する有機
物質は通す性質を持つ。蓋40の一端にも、Oリングホ
ルダー34と接するOリング44が設けられ、フィルタ
38はOリング44とガスケット及びサポートスクリー
ン(いずれも図示せず)との間に挟まれて蓋40に固定
される。感知素子ホルダー28には少なくとも1個の通
気孔48が形成され、これによって、感知素子30はフ
ィルタ38及び通気孔48を通過した外気と接触する。
【0023】FCコネクタ24、レセプタクル26及び
本体32の外周は、ステンレス等の材質の筒46によっ
て覆われ、水等の侵入を防止している。
【0024】更に、検出部20の筒46を貫通して、一
端が監視センター60内のボンベの1つに切り換え接続
される導入チューブ50と、一端が排気処理装置に接続
された排出チューブ52とが配設される。導入チューブ
50の他端は、本体32に形成された導入路54の一端
に気密に結合され、導入路54の他端は感知素子30と
レセプタクル26との間の空間であるチャンバー56に
開口している。同様に、排出チューブ52の他端も、本
体32に形成された排出路58の一端に気密に結合さ
れ、排出路58の他端もチャンバー56に開口する。な
お、導入チューブ50及び排出チューブ52の他端がチ
ャンバー56に連通するように、導入チューブ50及び
排出チューブ52を本体32を貫通させてもよい。
【0025】この発明においては、有機物質と接触する
と感知素子30の属性、例えば膜厚や屈折率が変化する
という性質を利用し、感知素子30の属性を検出するた
めに、例えばIER法を用いる。IER法は薄膜構造の
光学的干渉特性を利用するものである。感知素子30の
表面で反射された光は、感知素子とホルダーの反射面と
の間の界面から反射された光と位相関係を持ち、互いに
干渉し合う。感知素子30の反射率は感知素子の膜厚及
び/又は屈折率に大きく依存する。即ち、感知素子30
の膜厚及び/又は屈折率が変化すると、感知素子30の
反射率又はそこからの反射光の強度が変化する。かく
て、IER法により、反射された光の強度の関数とし
て、有機物質の存在及び/又は濃度を検出することが可
能になる。
【0026】上記のとおり、IER法は膜厚の変化に感
応するものであるが、この発明で用いられる感知素子3
0として、有機物質の屈折率とさほど違わない屈折率を
持つ材料を使用するならば、この発明においては、感知
素子30の膜厚の影響の方を屈折率よりも重視してよい
ことになる。これは、従来技術に対する本発明固有の利
点である。
【0027】IER法に適した感知素子30の反射率は
有機物質の濃度の増大と共に正弦波状に変化することが
知られている、そこで、有機物質の濃度範囲によって以
下のように調整するのが好ましい。まず、有機物質の濃
度が希薄である場合には、感知素子30の反射率の変化
が小さいため、反射率の最小値あるいは最大値に相当す
る膜厚に調整した場合、十分な反射率変化が得られな
い。よって、反射率の最小値及び最大値に対応するλ/
4ncosθ(ただし、λは入射光の波長、nは感知素
子30の屈折率、θは感知素子30内での光伝搬角度で
ある)の倍数に近い値ではないことが望ましい。一方、
有機物質が比較的高濃度の場合、感知素子30の反射率
変化が大きいので、信号スパンを大きく取るために、反
射率の最小値あるいは最大値に相当する膜厚に調整する
のが好ましい。感知素子30の膜厚は10nm〜10μ
mの範囲であってよいが、高速応答のためには1μm未
満が好ましい。
【0028】感知素子30は、
【化1】 で表わされる繰り返し単位を有するホモポリマー又はコ
ポリマーであることが好ましい。
【0029】ここで、Xは、−H、−F、−Cl、−B
r、−CH3、−CF3、−CN又は−CH2−CH3を表
し、R1は、−R2又は−Z−R2を表し、Zは、−O
−、−S−、−NH−、−NR2′−、−(C=Y)
−、−(C=Y)−Y−、−Y−(C=Y)−、−(S
2)−、−Y′−(SO2)−、−(SO2)−Y′
−、−Y′−(SO2)−Y′−、−NH−(C=O)
−、−(C=O)−NH−、−(C=O)−NR2
−、−Y′−(C=Y)−Y′−又は−O−(C=O)
−(CH2n−(C=O)−O−を表し、Yは独立して
O又はSを表し、Y′は独立してO又はNHを表し、n
は0〜20の整数を表し、R2及びR2′は、独立して水
素、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキ
ル基、不飽和炭化水素基、アリール基、飽和又は不飽和
のヘテロ環又はそれらの誘導体を表わす。ただし、R1
は水素、直鎖アルキル基、分岐アルキル基でない。
【0030】好ましくは上記繰り返し単位(I)中のX
はH又はCH3を表し、R1は、置換若しくは非置換アリ
ール基又は−Z−R2を表し、Zは、−O−、−(C=
O)−O−又は−O−(C=O)−表し、R2は直鎖ア
ルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、不飽和
炭化水素基、アリール基、飽和又は不飽和のヘテロ環又
はそれらの誘導体を表わす。
【0031】感知素子として使用されるポリマーは、単
一の上記の繰り返し単位(I)のみから成るポリマーで
も、他の繰り返し単位と上記の繰り返し単位(I)とか
ら成るコポリマーでも、上記の繰り返し単位(I)の二
種類以上から成るコポリマーでもよい。コポリマー中で
の繰り返し単位の配列はいかなるものでもよく、例え
ば、ランダムコポリマー、交互コポリマー、ブロックコ
ポリマー又はグラフトコポリマーを使用することができ
る。特に、感知素子は、ポリメタクリル酸エステル類、
ポリアクリル酸エステル類から調製されるのが特に好ま
しい。エステルの側鎖基は、好ましくは直鎖若しくは分
岐アルキル基又はシクロアルキル基であり、炭素数は好
ましくは4〜22である。
【0032】感知素子30に使用して特に好ましいポリ
マーを以下に列挙する: ポリ(メタクリル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸イソデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸メチル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−スチレ
ン) ポリ(メタクリル酸メチル−co−アクリル酸2−エチ
ルヘキシル) ポリ(メタクリル酸メチル−co−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル) ポリ(メタクリル酸イソブチル−co−メタクリル酸グ
リシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−スチレン) ポリ(プロピオン酸ビニル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−スチレン) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸グリ
シジル) ポリ(メタクリル酸ブチル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸メチ
ル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸グリシ
ジル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸メチル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸2−
エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−ジアセ
トンアクリルアミド) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸ベンジル−co−メタクリル酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸メチル−co−メタクリル酸グリシジル) ポリ(桂皮酸ビニル) ポリ(桂皮酸ビニル−co−メタクリル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル) ポリ(メタクリル酸ヘキサデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル) ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸イソブチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸2−エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸イソブ
チル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ブチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸エチ
ル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸オクタ
デシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−スチレン) ポリ(4−メチルスチレン) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ベンジル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸ベン
ジル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
ベンジル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸テト
ラヒドロフルフリル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸ヘキ
サデシル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸メチ
ル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸エチ
ル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル−co−メタクリ
ル酸ベンジル)) ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル−co−メ
タクリル酸グリシジル) ポリ(スチレン−co−アクリル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
グリシジル) ポリ(4−メトキシスチレン) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル−co−メタクリ
ル酸グリシジル) ポリ(スチレン−co−メタクリル酸テトラヒドロフル
フリル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸プロピル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
イソプロピル) ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシスチレン−co−4
−ヒドロキシスチレン) ポリ(スチレン−co−メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル−co−メタクリル酸グリシジル)。
【0033】なお、上記のメタクリル酸エステルポリマ
ー又はコポリマーにおいて、メタクリル酸に代えてアク
リル酸を用いてもよい。また、上記のポリマーは、それ
自体架橋することが可能であるが、該ポリマー中に架橋
用の反応性基を有する化合物を導入することによって架
橋することも可能である。そのような架橋用の反応性基
としては、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル
基、エポキシ基、カルボニル基及びウレタン基並びにそ
れらの誘導体や、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸、
イタコン酸及び桂皮酸並びにそれらの誘導体を挙げるこ
とができる。可視光、紫外光又は高エネルギー放射線の
照射によってカルベン又はニトレンを形成することが可
能な化学構造を有する物質も、架橋剤として使用し得
る。架橋ポリマーより形成されたフィルムは不溶性であ
るので、高分子薄膜4を形成するポリマーを架橋するこ
とにより、検知器の安定性を増すことができる。架橋方
法には特に制限はなく、従来公知の架橋方法、例えば加
熱による方法の他に、光や放射線の照射による方法を用
いることができる。
【0034】図1の有機物質検出装置においては、感知
素子30を支持する感知素子ホルダー28の面は光を反
射するよう十分平坦であることが好ましく、感知素子ホ
ルダー28自体が高い反射率を持つものでもよい。感知
素子ホルダー28の例としてはシリコン・ウエハがあげ
られる。感知素子30はスピンコート法その他の一般的
に用いられている被覆方法によって感知素子ホルダー2
8の表面に形成するのがよい。実際に感知素子30を作
製するため、ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタ
クリル酸2−エチルヘキシル)8.5gをシクロヘキサ
ノンに溶解し全量を100gとしたものをシリコンウエ
ハー製の基板上に2900rpmにてスピンコートし、
高分子薄膜を形成した。これを60℃で1時間減圧乾燥
した後、高分子薄膜の膜厚をルドルフリサーチ社製の三
波長自動エリプソメータ「Auto EL IV NIR
III」にて測定したところ、約330nmであった。
このシリコンウエハー製の基板を10mm×10mm角
に切り出し、感知素子30とした。
【0035】図1のフィルタ38は、空気中のあっては
有機物質のみを通して水を通さず、水中においては、水
中に溶存又は分離存在する有機物質を選択的に、即ち、
水を除いて有機物質のみを蒸気として取り込むことがで
きる性質を持ち、例えば高分子分離膜、即ち、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、ポリサルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリア
セタール、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、
ポリパラバン酸樹脂、全芳香属ポリアミド、ポリチオー
ル、アミノアルキド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリセル
ロース、天然ゴム、ポリエステル、不飽和ポリエステ
ル、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、及び、これら
の誘導体、及び、これらの高分子の積層体からなる分離
膜や、セラミック、多孔性金属、及び、これらの積層体
からなる分離膜によって構成することが好ましい。
【0036】これらの中で好適なのは、疎水性のPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)膜、疎水性のPVD
F(ポリビニリデンフルオライド)膜、疎水性のポリエ
チレン膜、疎水性のポリプロピレン膜、疎水性のポリエ
チレンーPTFE積層体膜、疎水性のポリプロピレンー
ポリエチレンーポリプロピレン積層体膜である。
【0037】好適には、径が0.01〜100μmで厚
みが50〜2000μmの分離膜、特に好適には、径が
0.05〜20μmで厚みが70〜300μmの分離膜
が用いられる。具体的には、 疎水性のPTFE膜:(0.1−70)、(0.2−8
0)、(0.5−75)、(1−75)、(3−7
5)、(5−125)、(10−125)、 疎水性のポリプロピレンネットサポートPTFE膜:
(0.1−130)、(0.2−130)、(0.5−
120)、(0.2−175)、(0.5−175)、
(1−145)、(3ー200)、 疎水性のポリビニリデンフロライド膜:(0.1−12
5)、(0.22−125)、(0.45−125)、
(0.65−125)、(5−125) である。なお、上記の()内は、各材料の孔径と厚みと
の組み合わせを表したもので、単位はミクロンである。
【0038】次に、図2は、図1の有機物質検出装置と
結合されて監視システムを構成する、この発明に係る監
視センター60の1つの実施の形態を示している。図2
において、光ファイバー22の一端は計測・制御部62
に、導入チューブ48の一端は切り換え弁64に、排出
チューブ50の一端は排気処理装置66にそれぞれ接続
されている。排気処理装置66で処理された気体はチュ
ーブ68を介して外気へ排出される。なお、必要に応じ
て、導入チューブ50と排出チューブ52との適宜の個
所にエアフィルタ70、72を設けてもよい。また、光
ファイバー22、導入チューブ50及び排出チューブ5
2の保護のため、これらを例えばテフロン製又はステン
レス製の管(一点鎖線で示す)に収納するのが望まし
い。
【0039】計測・制御部62は、光ファイバー22の
端部に接続された光源と、感知素子30によって反射さ
れて光ファイバー22を伝送されてきた反射光を受光
し、該反射光の強度に比例する電気信号を作る光検出回
路と、該電気信号の大きさを表示する計器とを備えると
共に、切り換え弁64を図3のタイミングで作動させる
よう制御する制御回路を備えている。光源にはレーザー
ダイオード又は発光ダイオードが適している。
【0040】切り換え弁64には、第1の気体が圧縮貯
蔵された第1のボンベ74と、第1の気体とは異なる第
2の気体が圧縮貯蔵された第2のボンベ76とが接続さ
れる。切り換え弁64は、計測・制御部62からの制御
信号78によって、導入チューブ48を第1のボンベ7
4又は第2のボンベ76に接続するよう切り換えられ
る。
【0041】第1の気体は計測・制御部62内の計器の
ゼロ点調整を行うために用いられ、有機物質を全く含ま
ない乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン等の気体である
が、乾燥空気が最も好ましい。切り換え弁64によって
導入チューブ50を第1のボンベ74に接続した期間に
は、導入チューブ50を通して検出部20に第1のボン
ベ74から例えば乾燥空気が供給されて排出チューブ5
0を通して排気されるので、このときの感知素子30か
らの反射光の強度を用いて計測・制御部62内の計器を
ゼロを指示するよう調整することができる。
【0042】第2の気体は計測・制御部62内の計器の
指度を校正するために使用され、既知の濃度の乾燥イソ
ブタン、乾燥プロパン等の乾燥有機ガスが用いられる。
例えば、検出部20が給油所に設置され、石油の漏洩を
検出すべき場合、第2の気体として、爆発下限値である
8,500ppmよりも小さい50〜8,000ppm
の濃度の、好ましくは100ppmの濃度の乾燥イソブ
タンが使用される。100ppmの濃度の乾燥イソブタ
ンが導入チューブ50を通してチャンバー56に送られ
たとすると、このイソブタンを吸収又は吸着した感知素
子30からの反射光の強度を利用して、計測・制御部6
2内の計器を100ppmのイソブタンの存在を指示す
るよう校正することができる。
【0043】図3は、切り換え弁64が導入チューブ5
0を第1のボンベ74又は第2のボンベ76に接続する
タイミングと計測・制御部62の計器の校正期間との関
係を示しており、図3の(A)は、導入チューブ50が
第1のボンベ74に時間t1から時間t2まで接続され
ることを示し、図3の(B)は、導入チューブ50が第
2のボンベ76に時間t2から時間t3まで接続される
ことを示している。計測・制御部62は切り換え弁64
に制御信号78を送り、切り換え弁64が1日1〜10
回、好ましくは8回、定期的に導入チューブ50を交互
に第1のボンベ74と第2のボンベ76とに接続するよ
う制御する。なお、図3では、1回当たり1度、導入チ
ューブ50を第1のボンベ74又は第2のボンベ76に
接続することを示しているが、各回に時間t1から時間
t3までの動作を数度反復するようにしてもよい。
【0044】導入チューブ50が第1のボンベ74又は
第2のボンベ76に接続されている期間(図3において
は、期間t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4)は、検
出部20と監視センター60との距離に応じて設定する
のがよく、通常は30秒〜60分である。
【0045】なお、第1のボンベ74に代えて、図4に
示す装置を用いることができる。図4において、レシプ
ロ・エアーコンプレッサ、スクリュー・エアーコンプレ
ッサ等のエアーコンプレッサ80から送出された空気は
空気乾燥機(例えば冷凍式の空気乾燥機)82によって
乾燥され、エアータンク84に一時蓄えられる。エアー
タンク84からの乾燥空気は第1のミストセパレータ8
6、第2のミストセパレータ88によって細かいミスト
まで除去され、オイル臭フィルタ90を介して切り換え
弁64へ供給される。なお、圧縮空気源を利用すること
が可能である場合には、圧縮空気をミストセパレータや
オイル臭フィルタを介して切り換え弁64に供給するよ
うにしてもよい。
【0046】次に、図5及び図6を用いて、この発明に
係る有機物質検出装置及びそれを用いた監視システムの
第2の実施の形態を説明する。この実施の形態における
有機物質検出装置は水に混入した有機物質を検出するた
めのものである。なお、図1及び図2に示す第1の実施
の形態におけるのと同じ又は同様の構成要素には、同一
の参照数字を付すこととし、それらについての説明は省
略する。
【0047】図5は、この発明に係る有機物質検出装置
の第2の実施の形態の構造を示している。図5に示す有
機物質検出装置20′において、筒状の本体32の一側
にはコリメータレンズ付きのレセプタクル26が固定さ
れ、本体32の他側には、該コリメータレンズに対向す
るように感知素子30が配置される。感知素子30は感
知素子ホルダー92に接着剤等によって固着される。感
知素子ホルダー92は、例えば焼結金属等の透水性のあ
る材料で作られており、本体32に気密に取り付けられ
る。感知素子30とレセプタクル26との間の空間、即
ちチャンバー56は導入チューブ50及び排出チューブ
52と連通している。
【0048】図6は、図5の有機物質検出装置20′と
接続される、この発明に係る監視センターの第2の実施
の形態を示している。図6の監視センター60′は、第
1の流体が貯蔵された第1のタンク94と、第1の流体
とは異なる第2の流体が貯蔵された第2のタンク96と
を備える。導入チューブ50の一端が接続された切り換
え弁64には、フィルタ98とポンプ100とを介して
第1のタンク94が接続され、別のフィルタ102とポ
ンプ104とを介して第2のタンク96が接続される。
第1の実施の形態におけると同様に、切り換え弁64
は、計測・制御部62からの制御信号78によって、導
入チューブ50を第1のタンク94又は第2のタンク9
6に接続するよう切り換えられる。排出チューブ52の
一端は廃液処理装置106に接続され、廃液処理装置1
06で処理された水はチューブ108を介して排出され
る。
【0049】第1の流体は計測・制御部62内の計器の
ゼロ点調整を行うために用いられ、市水、井水、純水等
であり、純水が特に好ましい。第2の流体は計測・制御
部62内の計器の指度を校正するために用いられ、既知
の濃度の有機物質を含む。第2の流体としては、1〜2
00ppmの有機物質を含む水、例えば、10ppmの
濃度のトルエンを含む水や10ppmのキシレンを含む
水が好ましい。例えば、導入チューブ50を介して10
ppmのトルエンを含む水をチャンバー56に供給した
とき、このトルエンを吸収又は吸着した感知素子30か
らの反射光の強度を利用して、計測・制御部62内の計
器を10ppmのトルエンの存在を指示するよう校正す
ることができる。
【0050】図6の監視センター60′においても、計
測・制御部62は、図3に示すと同じタイミングで切り
換え弁64を動作させ、導入チューブ50を第1のボン
ベ74又は第2のボンベ76に交互に接続させる。
【0051】なお、以上説明した第1及び第2の実施の
形態は、計測・制御部62内の計器のゼロ点調整と指度
の校正との両方を行うものであったが、いずれか一方の
みを行えば足りる場合には、切り換え弁64の代わりに
単に弁を設置し、この弁を計測・制御部62により制御
して、導入チューブ50を所定のタイミングで、ゼロ点
調整の場合には第1のボンベ74又は第1のタンク94
に、指度の校正の場合には第2のボンベ76又は第2の
タンク96に接続すればよい。
【0052】
【発明の効果】以上、この発明の実施の形態を図面を参
照しながら詳細に説明したところから明らかなとおり、
この発明は、検出部が設置された場所での温度の変動、
感知素子の経年変化による屈折率の変動等々の種々の変
動要因に影響されることなく、計器のゼロ点や指度の校
正を行うことができるので、有機物質の存在や濃度を高
精度に感知することが可能になるという格別の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る有機物質検出装置の第1の実施
の形態の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の有機物質検出装置と接続される、この発
明に係る監視センターの第1の実施の形態の構成を概略
的に示す図である。
【図3】(A)及び(B)は、図2の切り換え弁の動作
タイミングを示し、(C)は計器のゼロ点調整と指度の
校正を行う期間を示すグラフである。
【図4】図2に示す第1のボンベの代わりに使用し得る
装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】この発明に係る有機物質検出装置の第2の実施
の形態の構成を概略的に示す図である。
【図6】図5の有機物質検出装置と接続される、この発
明に係る監視センターの第2の実施の形態の構成を概略
的に示す図である。
【図7】従来の有機物質検出装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
20、20′:有機物質検出装置、 22:光ファイバ
ー、24:FCコネクタ、 26:レセプタクル、 3
0:感知素子、32:本体、 38:フィルタ、 5
0:導入チューブ、52:排出チューブ、 54:導入
路、 56:チャンバー、58:排出路、 60、6
0′:監視センター、 62:計測・制御部、64:切
り換え弁、 66:排気処理装置、 70、72:フィ
ルタ、74、76:ボンベ、 92:感知素子ホルダ
ー、 94、96:タンク
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 指度校正を可能にする有機物質検出装
置及びそれを用いた有機物質監視システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】この発明は、空気や水等の媒質中
に存在する有機物質を検出する装置及びそれをもちいた
監視システムに関するものであり、特に、監視センター
における計器のゼロ点調整及び指度の校正を可能にする
有機物質検出装置及びそれを用いた監視システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】本願の出願人は、空気中に混入した蒸気
又は水中に溶存する有機物質の種別や濃度を検出するた
めの検出装置を種々提案してきた。図7は、こうした検
出装置の一例を概略的に示している。同図において、検
出装置は、光源部2と、光検出部4と、平坦な反射性の
ホルダー6上に被覆された高分子薄膜からなる感知素子
8とを備えており、これらの構成要素は筐体10に一体
に保持される。感知素子8としては、特定の有機物質と
接触すると、該有機物質と反応し又はこれを吸収或いは
吸着して膜厚及び屈折率の少なくとも一方を変える性質
を持つ高分子が使用される。
【0003】光源部2に設けられたレーザー・ダイオー
ド等の発光体から出射された光ビームは感知素子8に入
射され、そこで反射されて光検出部4の光検出器により
検出される。このとき、感知素子8の表面で反射された
光と、感知素子8を支持するホルダー6の表面で反射さ
れた光とは位相関係を持ち、相互に干渉するので、感知
素子8の膜厚及び/又は屈折率が変化すると、感知素子
の反射率又は反射光の強度が変化する。したがって、感
知素子8からの反射光の強度の関数として、燃料蒸気の
存在及び/又は濃度を検出することが可能になる。
【0004】筐体10には、有機が混入した空気又は有
機物質が溶存する水を導入するための導入口12と、空
気又は水を排出するための排出口14と、これらを連通
させて感知素子8を有機物質と接触させる通路16とが
形成されており、特定の有機物質が混入した空気又は有
機物質が溶存する水を導入口12から導入すると、有機
物質が感知素子8と接触し、感知素子8の膜厚や屈折率
が変化するので、光検出部4の出力として、特定の有機
物質が空気に混入し又は水に溶存していることを判定す
ることができる。
【0005】一般に、有機物質検出装置の或る環境下で
の最下限検出限界(MinimumDetectabl
e Limit即ちMDL)は、該有機物質検出装置の
その環境下でのゼロ・レベルの変動幅と信号強度との比
を1に取ることから通常求められる。ただし、信号強度
に温湿度特性がある場合には、MDLも同じ温湿度特性
を示す。有機物質検出装置のゼロ・レベルの変動要因と
しては、感知素子の温湿度特性、装置固有の温湿度特
性、装置固有の電気ノイズ、外来ノイズ(電気的なノイ
ズや振動を含む)等を挙げることができる。
【0006】MDLを改善するために、感知素子や装置
固有の温湿度特性を有機物質検出装置の設置後の測定さ
れた温湿度特性を用いて補正することは可能である。し
かしながら、個々の有機物質検出装置の温湿度特性を測
定するには多くの時間を必要とし、製造コストの大幅な
引き上げを生じかねない。また、厳密には、有機物質検
出装置の補正しきれないヒステリシス特性が存在する
し、こうした測定のためには、有機物質検出装置が設置
された危険区域で温湿度特性測定プローブを作動させな
ければならないという問題もある。さらに、図7に示す
ような従来の有機物質検出装置は、安全性を考慮して、
光信号のみを扱い、電気的な構成要素を含まない構成と
なっているが、こうした有機物質検出装置の温湿度特性
の測定を、有機物質検出装置に何等の電気的要素を付加
することなく、光信号のみで行うことは実質的に不可能
である。
【0007】また、従来の有機物質検出装置は、有機物
質を含む場所(例えば、有機物質で汚染された場所)に
長期間設置した場合、感知素子が固有の特性変化を起こ
し、有機物質検出装置の出力がドリフトするという欠点
もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の課
題を解決するために成されたものであり、この発明の目
的は、監視センターにおいて計器のゼロ点調整や指度の
校正を行うことができるよう新規な構成を有するうえ、
本質的に安全で、構成が簡単且つ製造が容易であり、信
頼性が高く、安価で、小型化が可能な有機物質検出装置
を提供することにある。また、この発明の他の目的は、
こうした有機物質検出装置を用いて計測部でのゼロ点調
整と指度の校正とを行うことができるた監視システムを
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、中空の収納管と、有機物質と接触す
ると属性変化を起こす感知素子と、前記収納管内に収納
された光ファイバであって、前記感知素子を照射する光
を出力すると共に該感知素子で反射された光を受光し伝
送するための光ファイバーと、前記光ファイバの端部を
固定するよう前記収納管内に配置されたレセプタクル
と、前記レセプタクルに対向する面に前記感知素子を載
置すると共に、前記レセプタクルとの間に空間を作るよ
うに前記収納管内に配置されたホルダーと、前記有機物
質を含む媒質を前記収納管の一端から前記空間へ導入す
るための導入手段と、前記有機物質を含まない媒質と既
知の濃度の前記有機物質を含む媒質とのうちのいずれか
一方を前記収納管の他端から前記空間に導入するための
導入チューブと、前記空間を前記収納管の他端から排気
するための排出チューブと、を具備することを特徴とす
る有機物質検出装置,を提供する。前記有機物質検出装
置は、地下タンク、サンプ、海中ポンプ周辺、地上タン
ク、製油所、油送パイプ、油送ライン、油送タンカー等
に設置され得る。
【0010】有機物質検出装置は、その使用態様に応じ
て、前記ホルダーと前記媒質との間に設けられ、前記媒
質は通さないが該媒質中の有機物質は通すフィルタとを
含むのが望ましい場合と、前記レセプタクルと対向配置
するよう前記感知素子を載置し且つ前記媒質を透過させ
るホルダーを含むのが望ましい場合とがある。
【0011】また、この発明は、上記の目的を達成する
ために、上記の有機物質検出装置とそれに結合された監
視センターとを備える監視システムであって、前記監視
センターが、前記導入チューブに対して、有機物質を含
まない媒質と既知の濃度の有機物質を含む媒質とのうち
のいずれか一方の媒質を所定の期間に供給するための供
給部と、前記光ファイバーに光を供給すると共に、前記
光ファイバーを伝送されてきた反射光を処理して有機物
質の存在と濃度とのうちのいずれか一方を表す信号を出
力する計測部と、を具備し、前記供給部から前記導入チ
ューブに対して、有機物質を含まない媒質を供給すると
きに前記計測部のゼロ点の調整を行い、既知の濃度の有
機物質を含む媒質を供給するときに前記計測部の指度の
校正を行うことを可能にする監視システム、を提供す
る。
【0012】この監視システムにおいては、前記計測部
は、前記光ファイバーの他端に結合されて該光ファイバ
ーにレーザー光を送出するためのレーザー・ダイオード
と、前記感知素子から反射されたレーザー光を検出して
該レーザー光の強度に対応した電気信号を出力する検出
変換器とを備えることが望ましい。
【0013】前記供給部は、乾燥無機気体を収容した第
1のボンベと、既知の濃度の有機気体を含む空気を収容
した第2のボンベと、前記第1のボンベと前記第2のボ
ンベとのいずれか一方を前記有機物質検出装置と結合す
るための弁手段とを備えるのが望ましい場合や、有機物
質が溶存していない水を収容した第1のボンベと、既知
の濃度の有機物質が溶存する水を収容した第2のボンベ
と、前記第1のボンベと前記第2のボンベとのいずれか
一方を前記有機物質検出装置と結合するための弁手段と
を備えるのが望ましい場合がある。
【0014】
【作用】有機物質の接触によって感知素子属性、例えば
膜厚や屈折率が変化する。これを利用することにより、
有機物質の存在あるいは濃度を検出する。即ち、有機物
質との相互作用の結果、感知素子には例えば膨潤等の物
理的変化が生じる。更に、かかる膨潤に起因して、感知
素子の光学的パラメーターである膜厚や屈折率が変化す
る。このような変化は、感知素子光学的性質を変化せし
めるので、感知素子の反射特性を測定することによっ
て、有機物質を検出することができる。
【0015】感知素子を構成する重合材料を適宜選択す
ることにより、有機物質、例えば、ガソリン、軽油、灯
油、ジェット燃料、重油等の燃料の存在を選択的に又は
非選択的に検出することが可能となる。しかも、感知素
子は有機物質の濃度と対応した反射特性を持つため、こ
の発明に係る有機物質検知装置は有機物質の濃度計とし
ても動作することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の若干の実施の形
態を図面を参照しながら説明する。図1は、この発明に
係る有機物質検出装置の第1の実施の形態の構成を示し
ており、空気に混入した有機物質を検出するためのもの
である。
【0017】図1の有機物質検出装置20において、一
端が監視センタ60の計測・制御部62(図2)に接続
された光ファイバー22の他端はFCコネクタ24を介
してコリメータレンズ付きのレセプタクル26に固定さ
れる。レセプタクル26内のコリメータレンズに対向す
るように、感知素子ホルダー28に接着材等で固着され
た感知素子30が配置される。計測・制御部62から発
出されて光ファイバー22により伝送された光はレセプ
タクル26内のコリメータレンズを介して感知素子30
を照射し、感知素子30で反射されて光ファイバー22
を逆方向に通過し、計測・制御部62へ戻る。
【0018】レセプタクル26は筒状の本体32の一端
に固定され、本体32の内部に感知素子ホルダー28が
固定される。本体32の他端の開口内には、外部から水
等が侵入するのを防止するためにOリング34が設けら
れ、このOリング34はOリングホルダー36に固定さ
れている。
【0019】本体32の他端の外周には、内部にフィル
タ38を有する蓋40が固定される。蓋40の中央には
開口42が設けられ、フィルタ38は開口42を通して
外気と接しており、水は通さないが水中の溶存する有機
物質は通す性質を持つ。蓋40の一端にも、Oリングホ
ルダー34と接するOリング44が設けられ、フィルタ
38はOリング44とガスケット及びサポートスクリー
ン(いずれも図示せず)との間に挟まれて蓋40に固定
される。感知素子ホルダー28には少なくとも1個の通
気孔48が形成され、これによって、感知素子30はフ
ィルタ38及び通気孔48を通過した外気と接触する。
【0020】FCコネクタ24、レセプタクル26及び
本体32の外周は、ステンレス等の材質の筒46によっ
て覆われ、水等の侵入を防止している。更に、検出部2
0の筒46を貫通して、一端が監視センター60内のボ
ンベの1つに切り換え接続される導入チューブ50と、
一端が排気処理装置に接続された排出チューブ52とが
配設される。導入チューブ50の他端は、本体32に形
成された導入路54の一端に気密に結合され、導入路5
4の他端は感知素子30とレセプタクル26との間の空
間であるチャンバー56に開口している。同様に、排出
チューブ52の他端も、本体32に形成された排出路5
8の一端に気密に結合され、排出路58の他端もチャン
バー56に開口する。なお、導入チューブ50及び排出
チューブ52の他端がチャンバー56に連通するよう
に、導入チューブ50及び排出チューブ52を本体32
を貫通させてもよい。
【0021】この発明においては、有機物質と接触する
と感知素子30の属性、例えば膜厚や屈折率が変化する
という性質を利用し、感知素子30の属性を検出するた
めに、例えばIER法を用いる。IER法は薄膜構造の
光学的干渉特性を利用するものである。感知素子30の
表面で反射された光は、感知素子とホルダーの反射面と
の間の界面から反射された光と位相関係を持ち、互いに
干渉し合う。感知素子30の反射率は感知素子の膜厚及
び/又は屈折率に大きく依存する。即ち、感知素子30
の膜厚及び/又は屈折率が変化すると、感知素子30の
反射率又はそこからの反射光の強度が変化する。かく
て、IER法により、反射された光の強度の関数とし
て、有機物質の存在及び/又は濃度を検出することが可
能になる。
【0022】上記のとおり、IER法は膜厚の変化に感
応するものであるが、この発明で用いられる感知素子3
0として、有機物質の屈折率とさほど違わない屈折率を
持つ材料を使用するならば、この発明においては、感知
素子30の膜厚の影響の方を屈折率よりも重視してよい
ことになる。これは、従来技術に対する本発明固有の利
点である。
【0023】IER法に適した感知素子30の反射率は
有機物質の濃度の増大と共に正弦波状に変化することが
知られている、そこで、有機物質の濃度範囲によって以
下のように調整するのが好ましい。まず、有機物質の濃
度が希薄である場合には、感知素子30の反射率の変化
が小さいため、反射率の最小値あるいは最大値に相当す
る膜厚に調整した場合、十分な反射率変化が得られな
い。よって、反射率の最小値及び最大値に対応するλ/
4ncosθ(ただし、λは入射光の波長、nは感知素
子30の屈折率、θは感知素子30内での光伝搬角度で
ある)の倍数に近い値ではないことが望ましい。一方、
有機物質が比較的高濃度の場合、感知素子30の反射率
変化が大きいので、信号スパンを大きく取るために、反
射率の最小値あるいは最大値に相当する膜厚に調整する
のが好ましい。感知素子30の膜厚は10nm〜10μ
mの範囲であってよいが、高速応答のためには1μm未
満が好ましい。
【0024】感知素子30は、
【0025】
【化1】
【0026】で表わされる繰り返し単位を有するホモポ
リマー又はコポリマーであることが好ましい。ここで、
Xは、−H、−F、−Cl、−Br、−CH3、−C
3、−CN又は−CH2−CH3を表し、R1は、−R2
又は−Z−R2を表し、Zは、−O−、−S−、−NH
−、−NR2′−、−(C=Y)−、−(C=Y)−Y
−、−Y−(C=Y)−、−(SO2)−、−Y′−
(SO2)−、−(SO2)−Y′−、−Y′−(S
2)−Y′−、−NH−(C=O)−、−(C=O)
−NH−、−(C=O)−NR2′−、−Y′−(C=
Y)−Y′−又は−O−(C=O)−(CH2n−(C
=O)−O−を表し、Yは独立してO又はSを表し、
Y′は独立してO又はNHを表し、nは0〜20の整数
を表し、R2及びR2′は、独立して水素、直鎖アルキル
基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、不飽和炭化
水素基、アリール基、飽和又は不飽和のヘテロ環又はそ
れらの誘導体を表わす。ただし、R1は水素、直鎖アル
キル基、分岐アルキル基でない。
【0027】好ましくは上記繰り返し単位(I)中のX
はH又はCH3を表し、R1は、置換若しくは非置換アリ
ール基又は−Z−R2を表し、Zは、−O−、−(C=
O)−O−又は−O−(C=O)−を表し、R2は直鎖
アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、不飽
和炭化水素基、アリール基、飽和又は不飽和のヘテロ環
又はそれらの誘導体を表わす。
【0028】感知素子として使用されるポリマーは、単
一の上記の繰り返し単位(I)のみから成るポリマーで
も、他の繰り返し単位と上記の繰り返し単位(I)とか
ら成るコポリマーでも、上記の繰り返し単位(I)の二
種類以上から成るコポリマーでもよい。コポリマー中で
の繰り返し単位の配列はいかなるものでもよく、例え
ば、ランダムコポリマー、交互コポリマー、ブロックコ
ポリマー又はグラフトコポリマーを使用することができ
る。特に、感知素子は、ポリメタクリル酸エステル類、
ポリアクリル酸エステル類から調製されるのが特に好ま
しい。エステルの側鎖基は、好ましくは直鎖若しくは分
岐アルキル基又はシクロアルキル基であり、炭素数は好
ましくは4〜22である。
【0029】感知素子30に使用して特に好ましいポリ
マーを以下に列挙する: ポリ(メタクリル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸イソデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸メチル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−スチレ
ン) ポリ(メタクリル酸メチル−co−アクリル酸2−エチ
ルヘキシル) ポリ(メタクリル酸メチル−co−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル) ポリ(メタクリル酸イソブチル−co−メタクリル酸グ
リシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−スチレン) ポリ(プロピオン酸ビニル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−スチレン) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸グリ
シジル) ポリ(メタクリル酸ブチル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸メチ
ル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸グリシ
ジル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸メチル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸2−
エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−ジアセ
トンアクリルアミド) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸ベンジル−co−メタクリル酸グリシジル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸メチル−co−メタクリル酸グリシジル) ポリ(桂皮酸ビニル) ポリ(桂皮酸ビニル−co−メタクリル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル) ポリ(メタクリル酸ヘキサデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル) ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸イソブチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸2−エチルヘキシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸2−エ
チルヘキシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸イソブ
チル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ブチル) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸エチ
ル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−メタクリル酸オクタ
デシル) ポリ(メタクリル酸ブチル−co−スチレン) ポリ(4−メチルスチレン) ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル−co−メタクリル
酸ベンジル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸ベン
ジル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
ベンジル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸テト
ラヒドロフルフリル) ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタクリル酸ヘキ
サデシル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸メチ
ル) ポリ(メタクリル酸ドデシル−co−メタクリル酸エチ
ル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸ドデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル−co−メタクリ
ル酸ベンジル)) ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル−co−メ
タクリル酸グリシジル) ポリ(スチレン−co−アクリル酸オクタデシル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
グリシジル) ポリ(4−メトキシスチレン) ポリ(メタクリル酸2−エチルブチル−co−メタクリ
ル酸グリシジル) ポリ(スチレン−co−メタクリル酸テトラヒドロフル
フリル) ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル−co−メタク
リル酸プロピル) ポリ(メタクリル酸オクタデシル−co−メタクリル酸
イソプロピル) ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシスチレン−co−4
−ヒドロキシスチレン) ポリ(スチレン−co−メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル−co−メタクリル酸グリシジル)。
【0030】なお、上記のメタクリル酸エステルポリマ
ー又はコポリマーにおいて、メタクリル酸に代えてアク
リル酸を用いてもよい。また、上記のポリマーは、それ
自体架橋することが可能であるが、該ポリマー中に架橋
用の反応性基を有する化合物を導入することによって架
橋することも可能である。そのような架橋用の反応性基
としては、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル
基、エポキシ基、カルボニル基及びウレタン基並びにそ
れらの誘導体や、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸、
イタコン酸及び桂皮酸並びにそれらの誘導体を挙げるこ
とができる。可視光、紫外光又は高エネルギー放射線の
照射によってカルベン又はニトレンを形成することが可
能な化学構造を有する物質も、架橋剤として使用し得
る。架橋ポリマーより形成されたフィルムは不溶性であ
るので、高分子薄膜4を形成するポリマーを架橋するこ
とにより、検知器の安定性を増すことができる。架橋方
法には特に制限はなく、従来公知の架橋方法、例えば加
熱による方法の他に、光や放射線の照射による方法を用
いることができる。
【0031】図1の有機物質検出装置においては、感知
素子30を支持する感知素子ホルダー28の面は光を反
射するよう十分平坦であることが好ましく、感知素子ホ
ルダー28自体が高い反射率を持つものでもよい。感知
素子ホルダー28の例としてはシリコン・ウエハがあげ
られる。感知素子30はスピンコート法その他の一般的
に用いられている被覆方法によって感知素子ホルダー2
8の表面に形成するのがよい。実際に感知素子30を作
製するため、ポリ(メタクリル酸ベンジル−co−メタ
クリル酸2−エチルヘキシル)8.5gをシクロヘキサ
ノンに溶解し全量を100gとしたものをシリコンウエ
ハー製の基板上に2900rpmにてスピンコートし、
高分子薄膜を形成した。これを60℃で1時間減圧乾燥
した後、高分子薄膜の膜厚をルドルフリサーチ社製の三
波長自動エリプソメータ「Auto EL IV NIR
III」にて測定したところ、約330nmであった。
このシリコンウエハー製の基板を10mm×10mm角
に切り出し、感知素子30とした。
【0032】図1のフィルタ38は、空気中にあっては
有機物質のみを通して水を通さず、水中においては、水
中に溶存又は分離存在する有機物質を選択的に、即ち、
水を除いて有機物質のみを蒸気として取り込むことがで
きる性質を持ち、例えば高分子分離膜、即ち、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、ポリサルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリア
セタール、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、
ポリパラバン酸樹脂、全芳香属ポリアミド、ポリチオー
ル、アミノアルキド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリセル
ロース、天然ゴム、ポリエステル、不飽和ポリエステ
ル、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、及び、これら
の誘導体、及び、これらの高分子の積層体からなる分離
膜や、セラミック、多孔性金属、及び、これらの積層体
からなる分離膜によって構成することが好ましい。
【0033】これらの中で好適なのは、疎水性のPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)膜、疎水性のPVD
F(ポリビニリデンフルオライド)膜、疎水性のポリエ
チレン膜、疎水性のポリプロピレン膜、疎水性のポリエ
チレンーPTFE積層体膜、疎水性のポリプロピレンー
ポリエチレンーポリプロピレン積層体膜である。
【0034】好適には、径が0.01〜100μmで厚
みが50〜2000μmの分離膜、特に好適には、径が
0.05〜20μmで厚みが70〜300μmの分離膜
が用いられる。具体的には、 疎水性のPTFE膜:(0.1−70)、(0.2−8
0)、(0.5−75)、(1−75)、(3−7
5)、(5−125)、(10−125)、 疎水性のポリプロピレンネットサポートPTFE膜:
(0.1−130)、(0.2−130)、(0.5−
120)、(0.2−175)、(0.5−175)、
(1−145)、(3ー200)、 疎水性のポリビニリデンフロライド膜:(0.1−12
5)、(0.22−125)、(0.45−125)、
(0.65−125)、(5−125) である。なお、上記の()内は、各材料の孔径と厚みと
の組み合わせを表したもので、単位はミクロンである。
【0035】次に、図2は、図1の有機物質検出装置と
結合されて監視システムを構成する、この発明に係る監
視センター60の1つの実施の形態を示している。図2
において、光ファイバー22の一端は計測・制御部62
に、導入チューブ50の一端は切り換え弁64に、排出
チューブ52の一端は排気処理装置66にそれぞれ接続
されている。排気処理装置66で処理された気体はチュ
ーブ68を介して外気へ排出される。なお、必要に応じ
て、導入チューブ50と排出チューブ52との適宜の個
所にエアフィルタ70、72を設けてもよい。また、光
ファイバー22、導入チューブ50及び排出チューブ5
2の保護のため、これらを例えばテフロン製又はステン
レス製の管(一点鎖線で示す)に収納するのが望まし
い。
【0036】計測・制御部62は、光ファイバー22の
端部に接続された光源と、感知素子30によって反射さ
れて光ファイバー22を伝送されてきた反射光を受光
し、該反射光の強度に比例する電気信号を作る光検出回
路と、該電気信号の大きさを表示する計器とを備えると
共に、切り換え弁64を図3のタイミングで作動させる
よう制御する制御回路を備えている。光源にはレーザー
ダイオード又は発光ダイオードが適している。
【0037】切り換え弁64には、第1の気体が圧縮貯
蔵された第1のボンベ74と、第1の気体とは異なる第
2の気体が圧縮貯蔵された第2のボンベ76とが接続さ
れる。切り換え弁64は、計測・制御部62からの制御
信号78によって、導入チューブ48を第1のボンベ7
4又は第2のボンベ76に接続するよう切り換えられ
る。
【0038】第1の気体は計測・制御部62内の計器の
ゼロ点調整を行うために用いられ、有機物質を全く含ま
ない乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン等の気体である
が、乾燥空気が最も好ましい。切り換え弁64によって
導入チューブ50を第1のボンベ74に接続した期間に
は、導入チューブ50を通して検出部20に第1のボン
ベ74から例えば乾燥空気が供給されて排出チューブ5
2を通して排気されるので、このときの感知素子30か
らの反射光の強度を用いて計測・制御部62内の計器を
ゼロを指示するよう調整することができる。
【0039】第2の気体は計測・制御部62内の計器の
指度を校正するために使用され、既知の濃度の乾燥イソ
ブタン、乾燥プロパン等の乾燥有機ガスが用いられる。
例えば、検出部20が給油所に設置され、石油の漏洩を
検出すべき場合、第2の気体として、爆発下限値である
8,500ppmよりも小さい50〜8,000ppm
の濃度の、好ましくは100ppmの濃度の乾燥イソブ
タンが使用される。100ppmの濃度の乾燥イソブタ
ンが導入チューブ50を通してチャンバー56に送られ
たとすると、このイソブタンを吸収又は吸着した感知素
子30からの反射光の強度を利用して、計測・制御部6
2内の計器を100ppmのイソブタンの存在を指示す
るよう校正することができる。
【0040】図3は、切り換え弁64が導入チューブ5
0を第1のボンベ74又は第2のボンベ76に接続する
タイミングと計測・制御部62の計器の校正期間との関
係を示しており、図3の(A)は、導入チューブ50が
第1のボンベ74に時間t1から時間t2まで接続され
ることを示し、図3の(B)は、導入チューブ50が第
2のボンベ76に時間t2から時間t3まで接続される
ことを示している。計測・制御部62は切り換え弁64
に制御信号78を送り、切り換え弁64が1日1〜10
回、好ましくは8回、定期的に導入チューブ50を交互
に第1のボンベ74と第2のボンベ76とに接続するよ
う制御する。なお、図3では、1回当たり1度、導入チ
ューブ50を第1のボンベ74又は第2のボンベ76に
接続することを示しているが、各回に時間t1から時間
t3までの動作を数度反復するようにしてもよい。
【0041】導入チューブ50が第1のボンベ74又は
第2のボンベ76に接続されている期間(図3において
は、期間t1〜t2、t2〜t3)は、検出部20と監
視センター60との距離に応じて設定するのがよく、通
常は30秒〜60分である。
【0042】なお、第1のボンベ74に代えて、図4に
示す装置を用いることができる。図4において、レシプ
ロ・エアーコンプレッサ、スクリュー・エアーコンプレ
ッサ等のエアーコンプレッサ80から送出された空気は
空気乾燥機(例えば冷凍式の空気乾燥機)82によって
乾燥され、エアータンク84に一時蓄えられる。エアー
タンク84からの乾燥空気は第1のミストセパレータ8
6、第2のミストセパレータ88によって細かいミスト
まで除去され、オイル臭フィルタ90を介して切り換え
弁64へ供給される。なお、圧縮空気源を利用すること
が可能である場合には、圧縮空気をミストセパレータや
オイル臭フィルタを介して切り換え弁64に供給するよ
うにしてもよい。
【0043】次に、図5及び図6を用いて、この発明に
係る有機物質検出装置及びそれを用いた監視システムの
第2の実施の形態を説明する。この実施の形態における
有機物質検出装置は水に混入した有機物質を検出するた
めのものである。なお、図1及び図2に示す第1の実施
の形態におけるのと同じ又は同様の構成要素には、同一
の参照数字を付すこととし、それらについての説明は省
略する。
【0044】図5は、この発明に係る有機物質検出装置
の第2の実施の形態の構造を示している。図5に示す有
機物質検出装置20′において、筒状の本体32の一側
にはコリメータレンズ付きのレセプタクル26が固定さ
れ、本体32の他側には、該コリメータレンズに対向す
るように感知素子30が配置される。感知素子30は感
知素子ホルダー92に接着剤等によって固着される。感
知素子ホルダー92は、例えば焼結金属等の透水性のあ
る材料で作られており、本体32に気密に取り付けられ
る。感知素子30とレセプタクル26との間の空間、即
ちチャンバー56は導入チューブ50及び排出チューブ
52と連通している。
【0045】図6は、図5の有機物質検出装置20′と
接続される、この発明に係る監視センターの第2の実施
の形態を示している。図6の監視センター60′は、第
1の流体が貯蔵された第1のタンク94と、第1の流体
とは異なる第2の流体が貯蔵された第2のタンク96と
を備える。導入チューブ50の一端が接続された切り換
え弁64には、フィルタ98とポンプ100とを介して
第1のタンク94が接続され、別のフィルタ102とポ
ンプ104とを介して第2のタンク96が接続される。
第1の実施の形態におけると同様に、切り換え弁64
は、計測・制御部62からの制御信号78によって、導
入チューブ50を第1のタンク94又は第2のタンク9
6に接続するよう切り換えられる。排出チューブ52の
一端は廃液処理装置106に接続され、廃液処理装置1
06で処理された水はチューブ108を介して排出され
る。
【0046】第1の流体は計測・制御部62内の計器の
ゼロ点調整を行うために用いられ、市水、井水、純水等
であり、純水が特に好ましい。第2の流体は計測・制御
部62内の計器の指度を校正するために用いられ、既知
の濃度の有機物質を含む。第2の流体としては、1〜2
00ppmの有機物質を含む水、例えば、10ppmの
濃度のトルエンを含む水や10ppmのキシレンを含む
水が好ましい。例えば、導入チューブ50を介して10
ppmのトルエンを含む水をチャンバー56に供給した
とき、このトルエンを吸収又は吸着した感知素子30か
らの反射光の強度を利用して、計測・制御部62内の計
器を10ppmのトルエンの存在を指示するよう校正す
ることができる。
【0047】図6の監視センター60′においても、計
測・制御部62は、図3に示すと同じタイミングで切り
換え弁64を動作させ、導入チューブ50を第1のボン
ベ74又は第2のボンベ76に交互に接続させる。
【0048】なお、以上説明した第1及び第2の実施の
形態は、計測・制御部62内の計器のゼロ点調整と指度
の校正との両方を行うものであったが、いずれか一方の
みを行えば足りる場合には、切り換え弁64の代わりに
単に弁を設置し、この弁を計測・制御部62により制御
して、導入チューブ50を所定のタイミングで、ゼロ点
調整の場合には第1のボンベ74又は第1のタンク94
に、指度の校正の場合には第2のボンベ76又は第2の
タンク96に接続すればよい。
【0049】
【発明の効果】以上、この発明の実施の形態を図面を参
照しながら詳細に説明したところから明らかなとおり、
この発明は、検出部が設置された場所での温度の変動、
感知素子の経年変化による屈折率の変動等々の種々の変
動要因に影響されることなく、計器のゼロ点や指度の校
正を行うことができるので、有機物質の存在や濃度を高
精度に感知することが可能になるという格別の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る有機物質検出装置の第1の実施
の形態の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の有機物質検出装置と接続される、この発
明に係る監視センターの第1の実施の形態の構成を概略
的に示す図である。
【図3】(A)及び(B)は、図2の切り換え弁の動作
タイミングを示し、(C)は計器のゼロ点調整と指度の
校正を行う期間を示すグラフである。
【図4】図2に示す第1のボンベの代わりに使用し得る
装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】この発明に係る有機物質検出装置の第2の実施
の形態の構成を概略的に示す図である。
【図6】図5の有機物質検出装置と接続される、この発
明に係る監視センターの第2の実施の形態の構成を概略
的に示す図である。
【図7】従来の有機物質検出装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】 20、20′:有機物質検出装置、 22:光ファイバ
ー、24:FCコネクタ、 26:レセプタクル、 3
0:感知素子、32:本体、 38:フィルタ、 5
0:導入チューブ、52:排出チューブ、 54:導入
路、 56:チャンバー、58:排出路、 60、6
0′:監視センター、 62:計測・制御部、64:切
り換え弁、 66:排気処理装置、 70、72:フィ
ルタ、74、76:ボンベ、 92:感知素子ホルダ
ー、 94、96:タンク
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 弘信 埼玉県川越市南台1−3−2 ヘキスト リサーチ アンド テクノロジー株式会社 内 (72)発明者 多加谷 明広 埼玉県川越市南台1−3−2 ヘキスト リサーチ アンド テクノロジー株式会社 内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物質と接触すると属性変化を起こす
    感知素子と、 媒質を前記感知素子と接触させるための第1の手段と、 有機物質を含まない媒質と既知の濃度の有機物質を含む
    媒質とのうちの少なくとも一方の媒質を前記感知素子と
    接触させるための第2の手段と、 前記感知素子を照射する光を出力すると共に、該感知素
    子で反射された光を受光する光学手段と、を具備する有
    機物質検出装置。
  2. 【請求項2】 前記光学手段が、 前記感知素子を照射する光及び前記感知素子から反射さ
    れた光を伝送する光ファイバーと、 前記光ファイバーの一端が結合されて該光ファイバーか
    らの光を前記感知素子に収束させると共に前記感知素子
    から反射された光を前記光ファイバーへ伝達するレンズ
    を含むレセプタクルと、 を備えることを特徴とする、請求項1に記載の有機物質
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の手段が、 前記レセプタクルと対向配置するよう前記感知素子を載
    置するためのホルダーと、 該ホルダーに形成された通気口と、 前記ホルダーと前記媒質との間に設けられ、前記媒質は
    通さないが該媒質中の有機物質は通すフィルタと、を含
    むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機物質
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の手段が、前記レセプタクルと
    対向配置するよう前記感知素子を載置し且つ前記媒質を
    透過させるホルダーを含むことを特徴とする、請求項1
    又は2に記載の有機物質検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の手段が、 前記レセプタクルと前記ホルダーとの間の空間に連通し
    て、有機物質を含まない媒質と既知の濃度の有機物質を
    含む媒質とのいずれか一方の媒質を前記空間に導入する
    ための導入チューブと、 前記空間を排気するための排出チューブと、を含むこと
    を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の有
    機物質検出装置。
  6. 【請求項6】 有機物質検出装置とそれに結合された監
    視センターとを備える監視システムであって、 前記有機物質検出装置が、 有機物質と接触すると属性変化を起こす感知素子と、 媒質を前記感知素子と接触させるための第1の手段と、 有機物質を含まない媒質と既知の濃度の有機物質を含む
    媒質とのうちの少なくとも一方の媒質を前記感知素子と
    接触させるための第2の手段と、 前記感知素子を照射する光を出力すると共に、該感知素
    子で反射された光を受光する光学手段と、を具備し、 前記監視センターが、 前記第2の手段に、有機物質を含まない媒質と既知の濃
    度の有機物質を含む媒質とのうちのいずれか一方の媒質
    を所定の期間に供給するための供給部と、 前記光学手段に光を供給すると共に、前記光学手段を伝
    送されてきた反射光を処理して有機物質の存在と濃度と
    のうちのいずれか一方を表す信号を出力する計測部と、
    を具備し、前記供給部から前記第2の手段に対して、有
    機物質を含まない媒質を供給するときに前記計測部のゼ
    ロ点の調整を行い、既知の濃度の有機物質を含む媒質を
    供給するときに前記計測部の指度の校正を行うことを可
    能にする監視システム。
  7. 【請求項7】 前記光学手段が、 前記感知素子を照射する光及び前記感知素子から反射さ
    れた光を伝送する光ファイバーと、 前記光ファイバーの一端が結合されて該光ファイバーか
    らの光を前記感知素子に収束させると共に前記感知素子
    から反射された光を前記光ファイバーへ伝達するレンズ
    を含むレセプタクルと、を備え、前記計測部が、前記光
    ファイバーの他端に結合されて該光ファイバーにレーザ
    ー光を送出するためのレーザー・ダイオードと、 前記感知素子から反射されたレーザー光を検出して該レ
    ーザー光の強度に対応した電気信号を出力する検出変換
    器と、を備えることを特徴とする、請求項6に記載の監
    視システム。
  8. 【請求項8】 前記第2の手段が、 前記レセプタクルと前記ホルダーとの間の空間に連通し
    て、有機物質を含まない媒質と既知の濃度の有機物質を
    含む媒質とのいずれか一方の媒質を前記空間に導入する
    ための導入チューブと、 前記空間を排気するための排出チューブと、を含み、 前記導入チューブ及び前記排出チューブのそれぞれの端
    部が前記供給部と結合されていることを特徴とする、請
    求項6又は7に記載の監視システム。
  9. 【請求項9】 前記第1の手段が、 前記レセプタクルと対向配置するよう前記感知素子を載
    置するためのホルダーと、 該ホルダーに形成された通気口と、 前記ホルダーと前記媒質との間に設けられ、前記媒質は
    通さないが該媒質中の有機物質は通すフィルタと、を含
    むことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1つに記
    載の監視システム。
  10. 【請求項10】 前記第1の手段が、前記レセプタクル
    と対向配置するよう前記感知素子を載置し且つ前記媒質
    を透過させるホルダーを含むことを特徴とする、請求項
    6〜8のいずれか1つに記載の監視システム。
  11. 【請求項11】 前記有機物質検出装置が外気と接し得
    るよう配置され、 前記供給部が、 乾燥無機気体を収容した第1のボンベと、 既知の濃度の有機気体を含む空気を収容した第2のボン
    ベと、 前記第1のボンベと前記第2のボンベとのいずれか一方
    を前記有機物質検出装置と結合するための弁手段と、を
    備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1
    つに記載の監視システム。
  12. 【請求項12】 前記有機物質検出装置が水中に配置さ
    れ、 前記供給部が、 有機物質が溶存していない水を収容した第1のボンベ
    と、 既知の濃度の有機物質が溶存する水を収容した第2のボ
    ンベと、 前記第1のボンベと前記第2のボンベとのいずれか一方
    を前記有機物質検出装置と結合するための弁手段と、を
    備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1
    つに記載の監視システム。
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