JPH1123548A - カルバメート系化合物の微量分析方法 - Google Patents
カルバメート系化合物の微量分析方法Info
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- JPH1123548A JPH1123548A JP18135697A JP18135697A JPH1123548A JP H1123548 A JPH1123548 A JP H1123548A JP 18135697 A JP18135697 A JP 18135697A JP 18135697 A JP18135697 A JP 18135697A JP H1123548 A JPH1123548 A JP H1123548A
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- Japan
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- carbamate compound
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- carbamate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液体クロマトグラフィーにより微量のカルバ
メート系化合物を安定したベースラインで高感度にかつ
迅速に測定する方法を提供すること。 【解決手段】 液体クロマトグラフィーによるカルバメ
ート系化合物の微量分析方法において、夾雑物をフィル
ターを用いて除去した溶離液を使用することからなる。
メート系化合物を安定したベースラインで高感度にかつ
迅速に測定する方法を提供すること。 【解決手段】 液体クロマトグラフィーによるカルバメ
ート系化合物の微量分析方法において、夾雑物をフィル
ターを用いて除去した溶離液を使用することからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】食品や飲料水や土壌に含まれ
る農薬を分析することは我々の健康保持と環境汚染を防
ぐために必要となっている。これらの農薬の残留量を測
定する手段として高感度で高選択性の測定方法が望まれ
ている。農薬としてはカルバメート系化合物は多く使わ
れている。本発明は農薬等から由来するカルバメート系
化合物の微量を高感度にしかも迅速に分析測定する方法
に関する。
る農薬を分析することは我々の健康保持と環境汚染を防
ぐために必要となっている。これらの農薬の残留量を測
定する手段として高感度で高選択性の測定方法が望まれ
ている。農薬としてはカルバメート系化合物は多く使わ
れている。本発明は農薬等から由来するカルバメート系
化合物の微量を高感度にしかも迅速に分析測定する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】カルバメート系化合物の分析方法として
は、吸光光度法、ガスクロマトグラフィーで測定する方
法がある。しかし、吸光光度法は感度が低い。また、カ
ルバメート系化合物は熱を加えると分解しやすい化合物
が多くガスクロマトグラフィー法では、わずかな測定条
件の違いで分解し、複数のピークが出現するなど測定が
困難な場合が多い。液体クロマトグラフィーを用いる方
法は1977年にMoyeらにより紹介された。カルバ
メート系化合物をカラムで分離後、オンラインでアルカ
リにより加水分解し、生成した1級アミンを蛍光誘導体
化して検出する方法である(Anal.Lett.,1
0,1049−73,1977)。さらにその改良法が
Krauseらにより紹介された(J.Chromat
ogr.,442,333−343,1988)。Kr
auseらによるとN−メチルカルバメート系化合物を
逆相カラムで分離後、オンラインでNaOHを加えるこ
とにより、N−メチルカルバメートをメチルアミンに加
水分解し、さらにオンラインで2−メルカプトエタノー
ルを含むオルトフタルアルデヒド溶液を加えることによ
り、先に生成したメチルアミンからイソインドール化合
物を生成し、その蛍光を測定する方法である。
は、吸光光度法、ガスクロマトグラフィーで測定する方
法がある。しかし、吸光光度法は感度が低い。また、カ
ルバメート系化合物は熱を加えると分解しやすい化合物
が多くガスクロマトグラフィー法では、わずかな測定条
件の違いで分解し、複数のピークが出現するなど測定が
困難な場合が多い。液体クロマトグラフィーを用いる方
法は1977年にMoyeらにより紹介された。カルバ
メート系化合物をカラムで分離後、オンラインでアルカ
リにより加水分解し、生成した1級アミンを蛍光誘導体
化して検出する方法である(Anal.Lett.,1
0,1049−73,1977)。さらにその改良法が
Krauseらにより紹介された(J.Chromat
ogr.,442,333−343,1988)。Kr
auseらによるとN−メチルカルバメート系化合物を
逆相カラムで分離後、オンラインでNaOHを加えるこ
とにより、N−メチルカルバメートをメチルアミンに加
水分解し、さらにオンラインで2−メルカプトエタノー
ルを含むオルトフタルアルデヒド溶液を加えることによ
り、先に生成したメチルアミンからイソインドール化合
物を生成し、その蛍光を測定する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液体クロマトグラフィ
ーを用いてカルバメート系化合物の分析を行う場合、カ
ルバメート系化合物を1級アミンに分解して、1級アミ
ンと反応する化合物の溶液を用いて誘導体化を行い測定
する場合が、一般的に感度が高く、広く利用されている
測定方法である。1級アミンと反応する誘導体化合物と
してはダンシルクロライド、オルトフタルアルデヒド等
の蛍光誘導体化試薬及びニンヒドリンのような可視光に
強い吸収を有する試薬がある。高感度の検出を行うには
蛍光誘導体化試薬がよい。例えば、オルトフタルアルデ
ヒドは1級アミンと反応し、イソインドール化合物が生
成する。カルバメート系化合物がカラムによって分離さ
れた後、アルカリ水溶液で分解されアミンを生成し、オ
ルトフタルアルデヒドと反応する際に、カルバメート系
化合物から生成したアミン以外の夾雑物が存在すると、
バックグランドが高くなるため高感度な分析が不可能と
なる。またベースラインが安定するまでの時間が必要に
なり、全体として分析時間が長くなる等の迅速性に欠け
る問題が生じる。さらに、溶離液を調整する際に夾雑物
の汚染に注意を払わなければならなかった。
ーを用いてカルバメート系化合物の分析を行う場合、カ
ルバメート系化合物を1級アミンに分解して、1級アミ
ンと反応する化合物の溶液を用いて誘導体化を行い測定
する場合が、一般的に感度が高く、広く利用されている
測定方法である。1級アミンと反応する誘導体化合物と
してはダンシルクロライド、オルトフタルアルデヒド等
の蛍光誘導体化試薬及びニンヒドリンのような可視光に
強い吸収を有する試薬がある。高感度の検出を行うには
蛍光誘導体化試薬がよい。例えば、オルトフタルアルデ
ヒドは1級アミンと反応し、イソインドール化合物が生
成する。カルバメート系化合物がカラムによって分離さ
れた後、アルカリ水溶液で分解されアミンを生成し、オ
ルトフタルアルデヒドと反応する際に、カルバメート系
化合物から生成したアミン以外の夾雑物が存在すると、
バックグランドが高くなるため高感度な分析が不可能と
なる。またベースラインが安定するまでの時間が必要に
なり、全体として分析時間が長くなる等の迅速性に欠け
る問題が生じる。さらに、溶離液を調整する際に夾雑物
の汚染に注意を払わなければならなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、溶離液中の夾雑物
を、フィルターを用いて除去して使用することにより、
高感度な測定が可能であることを見出した。即ち、本発
明は以下の各項の構成からなる。 液体クロマトグラフィーによるカルバメート系化合
物の微量分析方法において、フィルターを用いて夾雑物
を除いた溶離液を使用することを特徴とするカルバメー
ト系化合物の微量分析方法。 フィルターを分析流路系の試料インジェクターの前
に設けることからなる上記項記載のカルバメート系化
合物の微量分析方法。 フィルターが陽イオン交換樹脂である上記項又は
項記載のカルバメート系化合物の微量分析方法。 カルバメート系化合物を1級アミンに分解し、次い
で1級アミンと反応する誘導体化試薬を用いて1級アミ
ンの誘導体化を行う上記項〜項記載のカルバメート
系化合物の微量分析方法。 1級アミンと反応する誘導体化試薬がオルトフタル
アルデヒドである上記項記載のカルバメート系化合物
の微量分析方法。
を解決するために鋭意検討した結果、溶離液中の夾雑物
を、フィルターを用いて除去して使用することにより、
高感度な測定が可能であることを見出した。即ち、本発
明は以下の各項の構成からなる。 液体クロマトグラフィーによるカルバメート系化合
物の微量分析方法において、フィルターを用いて夾雑物
を除いた溶離液を使用することを特徴とするカルバメー
ト系化合物の微量分析方法。 フィルターを分析流路系の試料インジェクターの前
に設けることからなる上記項記載のカルバメート系化
合物の微量分析方法。 フィルターが陽イオン交換樹脂である上記項又は
項記載のカルバメート系化合物の微量分析方法。 カルバメート系化合物を1級アミンに分解し、次い
で1級アミンと反応する誘導体化試薬を用いて1級アミ
ンの誘導体化を行う上記項〜項記載のカルバメート
系化合物の微量分析方法。 1級アミンと反応する誘導体化試薬がオルトフタル
アルデヒドである上記項記載のカルバメート系化合物
の微量分析方法。
【0005】
【発明の実施の形態】農薬に使用されるカルバメート系
化合物はカルバミド酸エステル及びその塩の総称であ
る。主に殺虫剤として用いられている。例としてカルバ
リル、アルジカルブ、エチオフェンカルブ、オキサミ
ル、ベンダイオカルブ、フェノブカルブ等が挙げられ
る。本発明はフィルターを用いて夾雑物を除いた溶離液
を使用することを特徴とする。溶離液の夾雑物には多く
の場合アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン等
の陽イオンが含まれている。したがってフィルターとし
ては、一般的に陽イオン交換機能を有するもの、例えば
陽イオン交換樹脂が使用される。フィルターの形状には
特に制限はなく、膜状でも使用可能であるが液体クロマ
トグラフィーの分析流路系(オンライン)で使用するに
は粒状物をカラムに充填して使用する方法が望ましい。
フィルターにより夾雑物を除去する方法にも特に制限は
ないが、夾雑物を効率よく除去するにはフィルターは分
析流路系のインジェクター(試料注入器)の前、特にイ
ンジェクターとポンプの間に設けるのが望ましい。陽イ
オン交換機能をもつものとしては、溶離液に不溶性の担
体に陽イオン交換基をもつものを担持させたものであれ
ばよい。担体としてシリカ、アルミナ等の無機系の担体
や、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリビニルアル
コール等の有機系の担体が挙げられる。陽イオン交換基
としてはスルホン基、カルボキシル基などが陽イオン交
換能を有するものとして例示される。これらの組み合わ
せの中でポリスチレン系の有機系の担体に陽イオン交換
基としてスルホ基を導入した陽イオン交換樹脂が望まし
い。
化合物はカルバミド酸エステル及びその塩の総称であ
る。主に殺虫剤として用いられている。例としてカルバ
リル、アルジカルブ、エチオフェンカルブ、オキサミ
ル、ベンダイオカルブ、フェノブカルブ等が挙げられ
る。本発明はフィルターを用いて夾雑物を除いた溶離液
を使用することを特徴とする。溶離液の夾雑物には多く
の場合アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン等
の陽イオンが含まれている。したがってフィルターとし
ては、一般的に陽イオン交換機能を有するもの、例えば
陽イオン交換樹脂が使用される。フィルターの形状には
特に制限はなく、膜状でも使用可能であるが液体クロマ
トグラフィーの分析流路系(オンライン)で使用するに
は粒状物をカラムに充填して使用する方法が望ましい。
フィルターにより夾雑物を除去する方法にも特に制限は
ないが、夾雑物を効率よく除去するにはフィルターは分
析流路系のインジェクター(試料注入器)の前、特にイ
ンジェクターとポンプの間に設けるのが望ましい。陽イ
オン交換機能をもつものとしては、溶離液に不溶性の担
体に陽イオン交換基をもつものを担持させたものであれ
ばよい。担体としてシリカ、アルミナ等の無機系の担体
や、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリビニルアル
コール等の有機系の担体が挙げられる。陽イオン交換基
としてはスルホン基、カルボキシル基などが陽イオン交
換能を有するものとして例示される。これらの組み合わ
せの中でポリスチレン系の有機系の担体に陽イオン交換
基としてスルホ基を導入した陽イオン交換樹脂が望まし
い。
【0006】カルバメート系化合物の分離用カラムの例
として、順相系カラムを用いる場合もあるが、一般的に
以下に挙げる逆相カラムが用いられている。例えば商品
名Shodex ODSpak(昭和電工(株)製)等
の様にシリカにオクタデシル基等の疎水基を結合させた
カラム、または商品名Shodex RSpak CA
RB−413(昭和電工(株)製)等のポリマー系の逆
相カラムが挙げられる。溶離液には有機溶媒と水溶液の
混合液を用いる。有機溶媒には一般にテトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、メタノールを用いる。水溶液には
水やリン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等を
用いることができる。カルバメート系化合物を上記のカ
ラムで分離し、その溶離液にアルカリ水溶液を加えてカ
ルバメート系化合物を加水分解し、1級アミンを生成さ
せる。アルカリとしてはNaOH、KOH等が用いられ
る。加水分解の温度はオンラインの反応管コイル中を8
0〜100℃に加熱して行うのが一般的である。アルカ
リの濃度は0.01〜0.5N程度のものが適当であ
る。
として、順相系カラムを用いる場合もあるが、一般的に
以下に挙げる逆相カラムが用いられている。例えば商品
名Shodex ODSpak(昭和電工(株)製)等
の様にシリカにオクタデシル基等の疎水基を結合させた
カラム、または商品名Shodex RSpak CA
RB−413(昭和電工(株)製)等のポリマー系の逆
相カラムが挙げられる。溶離液には有機溶媒と水溶液の
混合液を用いる。有機溶媒には一般にテトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、メタノールを用いる。水溶液には
水やリン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等を
用いることができる。カルバメート系化合物を上記のカ
ラムで分離し、その溶離液にアルカリ水溶液を加えてカ
ルバメート系化合物を加水分解し、1級アミンを生成さ
せる。アルカリとしてはNaOH、KOH等が用いられ
る。加水分解の温度はオンラインの反応管コイル中を8
0〜100℃に加熱して行うのが一般的である。アルカ
リの濃度は0.01〜0.5N程度のものが適当であ
る。
【0007】生成した1級アミンを含む溶離液には次に
誘導体化試薬を加えて、1級アミンから誘導体化合物を
生成させる。1級アミンと反応する誘導体化試薬とし
て、ダンシルクロライド、ニンヒドリン、オルトフタル
アルデヒド等の試薬を挙げることができるが、これに限
定されない。オルトフタルアルデヒドの場合はメルカプ
タンを加えることにより、1級アミンと反応しイソイン
ドール化合物を生成する。メルカプタンとしては、2−
メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸等
が挙げられる。試薬の濃度は、例えばオルトフタルアル
デヒドの場合0.01〜0.1重量%の水溶液に2−メ
ルカプトエタノールを0.005〜0.1容量%添加し
たものが適当である。検出は反応したイソインドール化
合物を高感度に蛍光検出する場合は励起波長330〜3
50nmで行い、蛍光波長としては440〜460nm
付近で測定することが望ましい。
誘導体化試薬を加えて、1級アミンから誘導体化合物を
生成させる。1級アミンと反応する誘導体化試薬とし
て、ダンシルクロライド、ニンヒドリン、オルトフタル
アルデヒド等の試薬を挙げることができるが、これに限
定されない。オルトフタルアルデヒドの場合はメルカプ
タンを加えることにより、1級アミンと反応しイソイン
ドール化合物を生成する。メルカプタンとしては、2−
メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸等
が挙げられる。試薬の濃度は、例えばオルトフタルアル
デヒドの場合0.01〜0.1重量%の水溶液に2−メ
ルカプトエタノールを0.005〜0.1容量%添加し
たものが適当である。検出は反応したイソインドール化
合物を高感度に蛍光検出する場合は励起波長330〜3
50nmで行い、蛍光波長としては440〜460nm
付近で測定することが望ましい。
【0008】
【実施例】以下、実施例により具体的な分析例を示す。
本発明の方法を実施するための液体クロマトグラフィー
の分析流路系を図1に示す。図において、6は溶離液で
ポンプ5により分析ラインに送られ、分析流路系に設け
たフィルター1により夾雑物が除去される。2はインジ
ェクター(試料注入器)で、これにより試料が注入さ
れ、分離カラム3により成分が分別溶離される。分離カ
ラムはオーブン9により所定の温度に保持される。次い
で溶離液にはアルカリ水溶液7がポンプ5により流路系
に送られ、反応管コイル11内でカルバメート系化合物
がアルカリにより分解される。反応管コイル11はオー
ブン10により所定の温度に保持される。反応管コイル
11を出た溶離液には蛍光誘導体化試薬8がポンプ5に
より流路系に送られ、オーブン9により所定温度に保持
されている反応管コイル12内で、カルバメート系化合
物の分解により生じた1級アミンと反応し蛍光誘導体化
合物が生成する。この蛍光誘導体化合物を蛍光検出器4
により定量分析する。
本発明の方法を実施するための液体クロマトグラフィー
の分析流路系を図1に示す。図において、6は溶離液で
ポンプ5により分析ラインに送られ、分析流路系に設け
たフィルター1により夾雑物が除去される。2はインジ
ェクター(試料注入器)で、これにより試料が注入さ
れ、分離カラム3により成分が分別溶離される。分離カ
ラムはオーブン9により所定の温度に保持される。次い
で溶離液にはアルカリ水溶液7がポンプ5により流路系
に送られ、反応管コイル11内でカルバメート系化合物
がアルカリにより分解される。反応管コイル11はオー
ブン10により所定の温度に保持される。反応管コイル
11を出た溶離液には蛍光誘導体化試薬8がポンプ5に
より流路系に送られ、オーブン9により所定温度に保持
されている反応管コイル12内で、カルバメート系化合
物の分解により生じた1級アミンと反応し蛍光誘導体化
合物が生成する。この蛍光誘導体化合物を蛍光検出器4
により定量分析する。
【0009】(実施例1)分析サンプルには林純薬
(株)の農薬標準品を用い、図1の工程により分析し
た。カルバメート系化合物の分離用逆相カラムとして、
Shodex RSpakCARB−413(昭和電工
(株)製の商品名)を用いカラムオーブン9を40℃と
した。フィルターとして陽イオン交換樹脂Shodex
RSpak DCを充填したカラム(内径6mm、長
さ150mm)を用いた。溶離液として水とアセトニト
リル混合液(アセトニトリル37容量%)を用い、流速
を0.8ml/minとし、また試料の注入量は20μ
lとした。加水分解用のアルカリ水溶液としてNaOH
(0.05N)を用い、流速0.4ml/minとし
た。加水分解の反応管コイル11を90℃に加熱した。
蛍光誘導体化試薬としてオルトフタルアルデヒドを用
い、その0.05重量%の水溶液に、2−メルカプトエ
タノールを0.1容量%加えて、反応試薬液とし、流速
を0.4ml/minとして流路系に送った。反応管コ
イル12を40℃に加熱した。蛍光検出器における測定
は励起波長340nmで行い蛍光波長は450nmで測
定した。
(株)の農薬標準品を用い、図1の工程により分析し
た。カルバメート系化合物の分離用逆相カラムとして、
Shodex RSpakCARB−413(昭和電工
(株)製の商品名)を用いカラムオーブン9を40℃と
した。フィルターとして陽イオン交換樹脂Shodex
RSpak DCを充填したカラム(内径6mm、長
さ150mm)を用いた。溶離液として水とアセトニト
リル混合液(アセトニトリル37容量%)を用い、流速
を0.8ml/minとし、また試料の注入量は20μ
lとした。加水分解用のアルカリ水溶液としてNaOH
(0.05N)を用い、流速0.4ml/minとし
た。加水分解の反応管コイル11を90℃に加熱した。
蛍光誘導体化試薬としてオルトフタルアルデヒドを用
い、その0.05重量%の水溶液に、2−メルカプトエ
タノールを0.1容量%加えて、反応試薬液とし、流速
を0.4ml/minとして流路系に送った。反応管コ
イル12を40℃に加熱した。蛍光検出器における測定
は励起波長340nmで行い蛍光波長は450nmで測
定した。
【0010】フィルターを用いた本発明の場合と、フィ
ルターを用いない場合のクロマトグラムを夫々図2,3
に示す。バックグランドの蛍光強度はフィルターを用い
た場合を0とすると用いない場合は230となった。図
2,3において、、等は以下の化合物を示す。 オキサミル メチオカルブスルホキシド アルジカルブ メチオカルブスルホン ベンダイオカルブ エチオフェンカルブ カルバリル フェノブカルブ メチオカルブ またベースラインが安定するまでの時間はフィルターを
用いた場合は約1/2に短縮できた。S/N(シグナル
/ノイズ)比はフィルターを用いると約1/2となり、
サンプルにN−メチルカルバメートを用いた場合検出限
界は約2ppbとなった。
ルターを用いない場合のクロマトグラムを夫々図2,3
に示す。バックグランドの蛍光強度はフィルターを用い
た場合を0とすると用いない場合は230となった。図
2,3において、、等は以下の化合物を示す。 オキサミル メチオカルブスルホキシド アルジカルブ メチオカルブスルホン ベンダイオカルブ エチオフェンカルブ カルバリル フェノブカルブ メチオカルブ またベースラインが安定するまでの時間はフィルターを
用いた場合は約1/2に短縮できた。S/N(シグナル
/ノイズ)比はフィルターを用いると約1/2となり、
サンプルにN−メチルカルバメートを用いた場合検出限
界は約2ppbとなった。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、液体クロマトグラフィ
ーでカルバメート系化合物の微量を測定する際に、フィ
ルターを用いて溶離液に含まれる夾雑物を取り除くこと
により、安定したベースラインを得ることができる。従
って、カルバメート系化合物の残留量を高感度に測定す
ることが可能である。また、安定化するまでの時間を短
縮することができるため迅速な測定法を提供することが
できる。
ーでカルバメート系化合物の微量を測定する際に、フィ
ルターを用いて溶離液に含まれる夾雑物を取り除くこと
により、安定したベースラインを得ることができる。従
って、カルバメート系化合物の残留量を高感度に測定す
ることが可能である。また、安定化するまでの時間を短
縮することができるため迅速な測定法を提供することが
できる。
【図1】本発明の液体クロマトグラフィーを用いたカル
バメート系化合物の微量分析流路系統図である。
バメート系化合物の微量分析流路系統図である。
【図2】本発明による分析例を示すクロマトグラムであ
る。
る。
【図3】従来の分析例を示すクロマトグラムである。
1 フィルター 2 試料インジェクター 3 分離カラム 4 蛍光検出器 5 ポンプ 6 溶離液 7 アルカリ水溶液 8 蛍光誘導体化試薬 9 オーブン 10 オーブン 11 反応管コイル 12 反応管コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 広志 東京都港区芝大門1丁目13番9号 昭和電 工株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 液体クロマトグラフィーによるカルバメ
ート系化合物の微量分析方法において、フィルターを用
いて夾雑物を除いた溶離液を使用することを特徴とする
カルバメート系化合物の微量分析方法。 - 【請求項2】 フィルターを分析流路系の試料インジェ
クターの前に設けることからなる請求項1記載のカルバ
メート系化合物の微量分析方法。 - 【請求項3】 フィルターが陽イオン交換樹脂である請
求項1又は2記載のカルバメート系化合物の微量分析方
法。 - 【請求項4】 カルバメート系化合物を1級アミンに分
解し、次いで1級アミンと反応する誘導体化試薬を用い
て1級アミンの誘導体化を行う請求項1〜3記載のカル
バメート系化合物の微量分析方法。 - 【請求項5】 1級アミンと反応する誘導体化試薬がオ
ルトフタルアルデヒドである請求項4記載のカルバメー
ト系化合物の微量分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18135697A JPH1123548A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | カルバメート系化合物の微量分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18135697A JPH1123548A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | カルバメート系化合物の微量分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1123548A true JPH1123548A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16099295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18135697A Pending JPH1123548A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | カルバメート系化合物の微量分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1123548A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102520099A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-06-27 | 云南烟草科学研究院 | 卷烟主流烟气总粒相物中氨基甲酸酯类农药含量检测方法 |
CN114235988A (zh) * | 2021-11-27 | 2022-03-25 | 山东省烟台市农业科学研究院 | 一种测定抑芽丹含量的高效液相色谱法 |
-
1997
- 1997-07-07 JP JP18135697A patent/JPH1123548A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102520099A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-06-27 | 云南烟草科学研究院 | 卷烟主流烟气总粒相物中氨基甲酸酯类农药含量检测方法 |
CN114235988A (zh) * | 2021-11-27 | 2022-03-25 | 山东省烟台市农业科学研究院 | 一种测定抑芽丹含量的高效液相色谱法 |
CN114235988B (zh) * | 2021-11-27 | 2023-12-22 | 山东省烟台市农业科学研究院 | 一种测定抑芽丹含量的高效液相色谱法 |
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