JPH11223177A - 透水層作成装置とこれを使用する透水層作成方法 - Google Patents

透水層作成装置とこれを使用する透水層作成方法

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JPH11223177A
JPH11223177A JP10023161A JP2316198A JPH11223177A JP H11223177 A JPH11223177 A JP H11223177A JP 10023161 A JP10023161 A JP 10023161A JP 2316198 A JP2316198 A JP 2316198A JP H11223177 A JPH11223177 A JP H11223177A
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water
permeable layer
layer forming
partition
permeable
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JP10023161A
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Inventor
Yoshinao Hori
義直 堀
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Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24TGEOTHERMAL COLLECTORS; GEOTHERMAL SYSTEMS
    • F24T10/00Geothermal collectors
    • F24T10/20Geothermal collectors using underground water as working fluid; using working fluid injected directly into the ground, e.g. using injection wells and recovery wells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/10Geothermal energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透水層を容易に作成する。 【解決手段】 外管21と、外管21の内部を長手方向
に仕切る長手方向に垂直な複数の仕切壁22と、隣り合
う仕切壁22,22の間の仕切空間23と外管21の外
部とを連通する噴出孔24と、外管21の仕切壁22が
形成された部分の外周に形成した環形状の遮水突起25
と、外管21に収容されて仕切空間23のそれぞれに下
流側端部が開口すると共に上流側が送水ポンプ9に取り
付けられる複数の内管26とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボーリング坑の坑
壁に高圧水を作用させて透水層を作成する送水層作成装
置及び透水層作成方法に関する。さらに詳述すると、本
発明は、高温岩体発電における注入井と生産井の間に透
水層を作成するのに好適な送水層作成装置及び透水層作
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温岩体発電を行うために、約200〜
400℃の地熱を有する地下岩盤に向けて注入井と生産
井とを約100〜450m離して掘削して、これら注入
井と生産井との間に水を加熱しながら流通させるための
透水層を多数作成する。そして、注入井で透水層に水を
注入して生産井で透水層から蒸気または熱水を取り出し
て発電に使用する。
【0003】この透水層101を作成する際は、図5に
示すように鉄管102の周囲にゴム製または金属製のチ
ューブ103を数mの間隔を設けて取り付けて、これを
注入井となるボーリング坑104に入れる。そして、ボ
ーリング坑104の内部で各チューブ103,103を
膨らませて(図5中、二点鎖線で示す)、坑壁104a
に密着させて各チューブ103,103の間の空間10
5の密封を行う。ここで、各チューブ103を膨らませ
る手段としては、チューブ103がゴム製の場合は水や
空気を注入して膨らませたり、チューブ103を上下か
ら圧縮して横方向に膨らませている。また、チューブ1
03が例えばアルミニウムやPTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)等の金属製の場合では、チューブ103
を上下方向から圧縮して横方向に膨らませている。
【0004】そして、各チューブ103,103の間の
空間105に鉄管102の噴出孔106から高圧水を噴
出する。この高圧水により岩盤107に節理を開口させ
たり割れ目を発生させて、そこに水を入り込ませて透水
層101を作成する。
【0005】また、深度を異ならせて別の透水層101
を作成する場合は、チューブ103の膨らみを無くして
坑壁104aとの間に隙間を設ける。そして、チューブ
103を昇降して次の透水層101を作成する深度に位
置させる。さらに上述した一連の作業を行い、新たな透
水層101を作成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た透水層の作成方法では、ゴム製または金属製のチュー
ブ103を使用しているので、以下の不都合を生ずるこ
とがある。ゴム製のチューブ103を使用した場合に
は、ボーリング坑104の高い内部温度で劣化したり、
また送水時に鉄管102が冷却されるのでゴムが急激に
収縮してずれ破断を生ずるおそれがある。また、金属製
のチューブ103を使用した場合には、透水層101の
作成後に上下からの圧縮力を除いても塑性変形により完
全には元の形状に復元しないのでボーリング坑104の
内部での昇降が困難となってしまう。これらの理由によ
り、透水層101の作成は困難であった。
【0007】そこで、本発明は、透水層を容易に作成で
きる透水層作成装置とこれを使用する透水層作成方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の透水層作成装置は、外管と、外管の
内部を長手方向に仕切る長手方向に垂直な複数の仕切壁
と、隣り合う仕切壁の間の仕切空間と外管の外部とを連
通する噴出孔と、外管の仕切壁が形成された部分の外周
に形成した環形状の遮水突起と、外管に収容されて仕切
空間のそれぞれに下流側端部が開口すると共に上流側が
送水ポンプに取り付けられる複数の内管とを備えるよう
にしている。
【0009】したがって、透水層作成装置をボーリング
坑に設置する際は、内管を収容した外管をボーリング坑
の内部に挿入する。そして、外管をボーリング坑の内部
の所定深さに設置してから送水ポンプにより各内管に高
圧水を供給し仕切空間に流し込む。仕切空間の高圧水は
噴出孔を通過して外管の外部に流出する。この高圧水
が、隣接する2つの遮水突起の間に充填してボーリング
坑の坑壁に水圧を掛ける。この高圧水により岩盤の既存
の節理を広げたり新たな割れ目を発生させて、これに水
を入り込ませて透水層を作成する。このため、透水層作
成装置をボーリング坑内に1回設置することにより、深
度の異なる複数の透水層を作成することができる。
【0010】また、請求項3記載の透水層作成方法は、
透水層作成装置の外管をボーリング坑の内部に設置し
て、送水ポンプにより内管に高圧水を供給し仕切空間に
流し込んで噴出孔から外管の外部に流出させて隣接する
2つの遮水突起の間に充填させてボーリング坑の坑壁に
水圧を掛けて透水層を作成するようにしている。したが
って、透水層作成装置をボーリング坑の内部に1度設置
するだけで複数の透水層を作成することができる。
【0011】ここで、透水層を作成する前の坑壁に多数
の幅狭の節理が形成されている場合は、坑壁に高圧水を
作用させることにより一部の節理が他の節理を狭めなが
ら広がって水を引き込んで透水層を作成する。また、透
水層を作成する前の坑壁に節理が形成されていない場合
は、坑壁に高圧水を作用させることにより新たな割れ目
が生じて水を引き込んで透水層を作成する。
【0012】そして、請求項2記載の透水層作成装置で
は、遮水突起は等間隔に形成されるようにしている。ま
た、請求項4記載の透水層作成方法では、透水層の作成
は複数の透水層について同時に行うようにしている。し
たがって、坑壁に対して高圧水を同時に均等に作用させ
ることができるので、ほぼ等しい幅の透水層をほぼ等間
隔に作成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1に示
すように、本実施形態の透水層作成装置20は、高温岩
体発電の注入井として高温岩盤5に予め形成されたボー
リング坑7の内部に設置して、生産井(図示せず)まで
達する透水層19を作成するためのものである。この透
水層作成装置20は、外管21と、外管21の内部を長
手方向に仕切る長手方向に垂直な複数の仕切壁22と、
隣り合う仕切壁22,22の間の仕切空間23と外管2
1の外部とを連通する噴出孔24と、外管21の仕切壁
22が形成された部分の外周に形成した環形状の遮水突
起25と、外管21に収容されて仕切空間23のそれぞ
れに下流側端部が開口する複数の内管26とを備える。
また、透水層作成装置20は、櫓6により地上からボー
リング坑7の内部に吊り下げられて支持されている。
【0014】内管26の上流側には送水ポンプ9が取り
付けられている。この送水ポンプ9は地上に設置されて
いる。送水ポンプ9は貯水池8に連結管28で連結され
ている。そして、送水ポンプ9は貯水池8の水を各内管
26に加圧して供給する。
【0015】内管26は仕切壁22を貫通して設けられ
ている。この貫通部分は密封されている。このため、各
仕切空間23は噴出孔24のみにより外部に連通されて
いる。図1及び図2に示すように、内管26は下流側端
部の深度を異ならせて3本設けられている。このため、
透水層作成装置20を1回設置することにより、ボーリ
ング坑7の深度の異なる3箇所で透水層19の作成を行
うことができる。本実施形態では内管26を3本として
いるが、これには限られず2本または4本以上としても
良い。これらの場合でも、1回の操作によりボーリング
坑7の深度の異なる複数箇所で透水層19の作成を行う
ことができる。
【0016】また、外管21及びボーリング坑7は断面
円形としている。外管21の下端部は開放されて開口2
1aが形成されている。外管21は、短管を繋ぎ合わせ
て長い管としている。すなわち、透水層作成装置20を
ボーリング坑7に設置する際は、櫓6から最初は短い外
管21を吊り下げて次々に短管を繋ぎ合わせて下方に伸
ばすようにする。ここでの接続方法としてはねじ止めや
溶接等の既存または新規の接続手段を使用することがで
きるが、組立や取り外しの容易さを考慮してねじ止めと
することが好ましい。
【0017】内管26の下流側端部が開口する部分の短
管は、噴出孔24を有するものとしている。噴出孔24
は外管21の強度を余り弱めない程度の大きさ及び数量
とする。また、噴出孔24の配置としては、例えば千鳥
状とすることができる。さらに、仕切壁22は短管の上
下端部に形成している。これにより、仕切壁22の取付
を容易に行うことができる。
【0018】そして、外管21の外径はボーリング坑7
の内径よりも約20mm小さくしている。すなわち、外
管21の外周面と坑壁7aとの間は約10mmの間隔を
有する。このため、噴出孔24から噴き出された高圧水
が坑壁7aと外管21の外周面との間を流通する抵坑が
大きいので上側に水漏れし難くなる。ここで、上側への
水漏れを防止するために最上位置の噴出孔24の形成深
度は約100m以上とすることが好ましい。また、噴出
孔24から噴き出された高圧水の漏れが少ないので、坑
壁7aを押圧する水圧の損失を小さくできる。本実施形
態では外管21の外周面と坑壁7aとの隙間を約10m
mとし最上位置の噴出孔24の形成深度を約100m以
上としているが、これには限られず高圧水の圧力,流
量,粘性等の大きさや外管21及び坑壁7aの間を流通
する際の抵坑等に基づいて上側への水漏れを防止できる
範囲で設定することができる。
【0019】内管26及び外管21としては、高温岩盤
5の温度条件を考慮すると鉄製のものを用いることが好
ましい。ただし、必ずしも鉄製の管を使用する必要はな
く、ボーリング坑7の坑壁7aの温度が低い場合にはプ
ラスチック製等の管を用いても良い。
【0020】さらに、遮水突起25は外管21の外周面
から約5mm突出している。すなわち、遮水突起25と
坑壁7aとは約5mmの隙間を有している。この程度の
隙間で有れば、噴出孔24から噴出された高圧水が遮水
突起25と坑壁7aの間からほとんど漏れ出すことはな
い。このため、噴出孔24から噴き出された高圧水の漏
れが少ないので、坑壁7aを押圧する水圧の損失を小さ
くできる。しかも、透水層作成装置20をボーリング坑
7に設置する際に、遮水突起25を坑壁7aに接触させ
ることなく容易に挿入することができる。本実施形態で
は遮水突起25と坑壁7aとの隙間を約5mmとしてい
るが、これには限られず高圧水の圧力,流量,粘性等の
大きさや遮水突起25及び坑壁7aの間を流通する際の
抵坑等に基づいて水漏れを防止できる範囲で設定するこ
とができる。
【0021】また、各遮水突起25は等間隔で設置され
ている。このため、各遮水突起25の間の空間の上下方
向の長さが同等となって透水層19を一定間隔で同時に
作成することができるので、各透水層19の間隔及び幅
を均一にすることができる。これにより、高温岩盤5の
熱を偏り無く高効率に抽熱することができるので、高温
岩体発電の効率を向上させることができる。本実施形態
では各遮水突起25を等間隔で設置しているが、これに
は限られず不等間隔に設置しても良い。この場合も、透
水層作成装置の1回の設置により深度の異なる複数の透
水層19を作成することができる。
【0022】上述した透水層作成装置20を設置して透
水層19を作成する手順を以下に説明する。
【0023】注入井を作成するために、高温岩盤5にボ
ーリング坑7を掘削する。この掘削方法は既存のまたは
新規のいかなる方法でも良いが、例えば以下の手順によ
り掘削する。
【0024】図3及び図4に示すように、ここでの掘削
装置1は、少なくとも3本の内管2〜4を通した外管1
5をボーリング坑7の内部に挿入すると共に、第1の内
管2に高圧の液体を第2の内管3に気体をそれぞれ供給
し、第1の内管2の先端に接続した液圧モータから成る
ダウンホールモータ12を液体で駆動させてビット13
を回転させる一方、ダウンホールモータ12を駆動させ
た液体の圧力と気体の浮力とで第3の内管4を通じて掘
削ズリ14を排出し且つ液体を回収するものである。第
1の内管2の先端はダウンホールモータ12の液圧供給
口12aに接続されており、その後端は貯水池8の水を
圧送する送水ポンプ9に接続されている。第2の内管3
の先端は第3の内管4の先端近傍位置に接続されてお
り、その後端はコンプレッサ10に接続されている。さ
らに、第3の内管4の先端はダウンホールモータ12の
後方に開口しており、その後端は貯水池8に開口してい
る。ダウンホールモータ12の吐水口12bは、ビット
13と坑壁7aとの間に向けて形成されている。
【0025】なお、外管15、第1の内管2、第2の内
管3、第3の内管4としては使用する温度条件を考慮す
ると鉄製のものを用いることが好ましい。ただし、必ず
しも鉄製の管を使用する必要はなく、使用温度が低い場
合にはプラスチック製等の管を用いても良い。また、必
ずしも第2の内管3の先端を第3の内管4の先端近傍に
接続する必要はなく、掘削ズリ14を上昇させてある程
度高圧水の圧力が弱まったところで圧縮空気を供給でき
る位置に第2の内管3の先端を接続しても良い。
【0026】そして、地上に組んだ櫓6を利用して掘削
装置1をボーリング坑7内に降ろすようにして挿入す
る。次に、貯水池8内の水を送水ポンプ9で加圧して第
1の水管2に供給し、この高圧水によってダウンホール
モータ12を駆動させてビット13を高速回転させる。
高速回転するビット13は岩盤5を掘削し、これにより
発生した掘削ズリ14は周囲に溜まる。一方、ダウンホ
ールモータ12を駆動した高圧水は吐水口12bから噴
出してビット13と坑壁7aとの間に流れ込み、坑壁7
aとの摩擦で加熱されるビット13を冷却すると共に掘
削ズリ14をビット13の後方に押し流す。そして、こ
の高圧水と掘削ズリ14の流れは第3の内管4に流入す
る。
【0027】一方、第2の内管3内にはコンプレッサ1
0より圧縮空気が供給される。圧縮空気は第3の内管4
内に流入し、その浮力で第3の内管4内を上昇する掘削
ズリ14及び高圧水に上昇力を与える。この浮力の助け
を借りて掘削ズリ14と高圧水が第3の内管4内を上昇
し、地上の貯水池8内に排出される。即ち、第3の内管
4を通じてボーリング坑7内から掘削ズリ14が排出さ
れると共に高圧水が回収される。ビット13が岩盤5を
掘削するのに従ってビット13を下降させることで、ボ
ーリング坑7を堀り進める。そして、必要な深さだけ掘
り下げたら掘削装置を停止させて、地上に組んだ櫓6を
利用して掘削装置1をボーリング坑7から取り出すよう
上昇させる。
【0028】この掘削方法では、第3の内管4に第1の
内管2から圧縮空気を供給することで浮力を発生させて
掘削ズリ14と高圧水の上昇を助けているので、高圧水
を多量に使用しなくても掘削ズリ14の排出と高圧水の
回収を容易に行うことができる。また、掘削ズリ14の
排出と高圧水の回収を専用の第3の内管4で行ってお
り、尚かつこの第3の内管4の内面はボーリング坑7の
坑壁7aに比べて滑らかであり掘削ズリ14及び高圧水
の流れ抵坑は小さいので、掘削ズリ14の排出や高圧水
の回収が容易になる。さらに、岩盤5中に断層などの水
の逃げ道となるものが存在していても第3の内管4を介
して掘削ズリ14の排出と高圧水の回収を確実に行うこ
とができる。
【0029】上述のようにして形成したボーリング坑7
に透水層作成装置20を櫓6の利用により下降させて挿
入させる。そして、透水層作成装置20が所定の深度に
達して下降を停止させてから、各内管26の上流側端部
を送水ポンプ9に連結する。連結後、送水ポンプ9を駆
動して貯水池8の水を加圧して各内管26に同時に供給
する。
【0030】各内管26の下流側端部では高圧水が仕切
空間23の内部に噴出する。そして、水は仕切空間23
の底部から貯められて噴出孔24に達すると噴出孔24
から外管21の外部に噴出する。また、外管21の最も
下部では仕切空間23に水が貯まることなく開口21a
から噴出する。
【0031】噴出孔24から噴出した高圧水は、その噴
出孔24の上下に設けられた遮水突起25,25と坑壁
7aと外管21の外面との間に貯められる。そして、こ
の空間から空気を追い出して完全に充填されると、高圧
水が坑壁7aを押圧する。また、外管21の最も下部で
は、高圧水は最下位置の遮水突起25と坑壁7aとの間
に貯められ空気を追い出して完全に充填されると坑壁7
aを押圧する。
【0032】ここで、坑壁7aに既に多数の幅狭の節理
が形成されている場合は、坑壁7aに高圧水を作用させ
ることにより一部の節理が他の節理を狭めながら広がっ
て水を引き込み透水層19を作成する。また、坑壁7a
に節理が形成されていない場合は、坑壁7aに高圧水を
作用させることにより新たな割れ目が生じて水を引き込
んで透水層19を作成する。このとき、透水層19に流
れ込む水量は、理論上は割れ目の幅の3乗(実際上は2
乗)に比例して増加する。
【0033】上述したように本実施形態の透水層作成装
置20によれば、複数の内管26を深度を異ならせて有
すると共に各内管26から噴出される高圧水によりそれ
ぞれ透水層19が作成されるので、深度の異なる複数の
透水層19を透水層作成装置20の1回の設置で作成す
ることができる。このため、1回の設置で1つの透水層
しか作成できない従来の透水層作成装置のように深度の
異なる複数の透水層を作成するために透水層作成装置を
何度も昇降して設置する必要がないので、深度の異なる
複数の透水層を迅速かつ容易に作成できる。
【0034】また、本実施形態の透水層作成装置20で
は、坑壁7aとの間で僅かに隙間を有しながら遮水を行
う遮水突起25を設けているので、噴出孔24から噴出
した高圧水が遮水突起25,25の間の空間で高い水圧
を維持することができると共に透水層作成装置20をボ
ーリング坑7に容易に挿入することができる。このた
め、従来のように透水層を作成する箇所の上下でチュー
ブを膨らませて遮水を行う必要が無いので、透水層の作
成の作業性を向上することができる。しかも、従来のよ
うに透水層作成装置の昇降の際にチューブを復元させる
必要がないので、透水層作成装置の設置の作業性を向上
することができる。さらに、従来のゴム製のチューブの
ように温度差で破損するようなことは無いので、作業の
確実性を向上させることができる。
【0035】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では各内管26に同時に高圧
水を送り込んでいるが、これには限られず各内管26に
時間差を設けて順に高圧水を送り込むようにしても良
い。この場合も複数の透水層19を透水層作成装置20
の1回の設置で作成することができるので、深度の異な
る複数の透水層19を迅速かつ容易に作成できる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の透水層作成装置によれば、仕切空間のそれぞれ
に下流側端部が開口する複数の内管を有しているので、
透水層作成装置をボーリング坑内に1回設置することに
より、深度の異なる複数の透水層を作成することができ
る。このため、深度の異なる複数の透水層を作成するた
めに透水層作成装置を何度も昇降して設置する必要がな
く迅速かつ容易に作成することができる。
【0037】また、請求項3記載の透水層作成方法によ
れば、透水層作成装置をボーリング坑の内部に1度設置
するだけで複数の透水層を作成することができる。この
ため、深度の異なる複数の透水層を作成するために透水
層作成装置を何度も昇降して設置する必要がなく迅速か
つ容易に作成することができる。
【0038】さらに、請求項2記載の透水層作成装置で
は遮水突起は等間隔に形成されるようにしていると共
に、請求項4記載の透水層作成方法では透水層の作成は
複数の透水層について同時に行うようにしているので、
坑壁に対して高圧水を同時に均等に作用させることがで
きる。このため、ほぼ等しい幅の透水層をほぼ等間隔に
作成することができるので、高圧水を岩盤内に偏り無く
平均的に送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透水層作成装置の全体を示す概略の側
面図である。
【図2】図1のII−II線で切断した状態を示す横断
面図である。
【図3】ボーリング坑を掘削する掘削装置の全体を示す
概略の側面図である。
【図4】ボーリング坑を掘削する掘削装置の主要部を示
す側面図である。
【図5】従来の透水層作成装置を示す側面図である。
【符号の説明】
19 透水層 20 透水層作成装置 21 外管 22 仕切壁 23 仕切空間 24 噴出孔 25 遮水突起 26 内管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外管と、前記外管の内部を長手方向に仕
    切る長手方向に垂直な複数の仕切壁と、隣り合う前記仕
    切壁の間の仕切空間と前記外管の外部とを連通する噴出
    孔と、前記外管の前記仕切壁が形成された部分の外周に
    形成した環形状の遮水突起と、前記外管に収容されて前
    記仕切空間のそれぞれに下流側端部が開口すると共に上
    流側が送水ポンプに取り付けられる複数の内管とを備え
    ることを特徴とする透水層作成装置。
  2. 【請求項2】 前記遮水突起は等間隔に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の透水層作成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の前記透水層作成
    装置の前記外管をボーリング坑の内部に設置して、前記
    送水ポンプにより前記内管に高圧水を供給し前記仕切空
    間に流し込んで前記噴出孔から前記外管の外部に流出さ
    せて隣接する2つの前記遮水突起の間に充填させて前記
    ボーリング坑の坑壁に水圧を掛けて透水層を作成するこ
    とを特徴とする透水層作成方法。
  4. 【請求項4】 前記透水層の作成は複数の前記透水層に
    ついて同時に行うことを特徴とする請求項3記載の透水
    層作成方法。
JP10023161A 1998-02-04 1998-02-04 透水層作成装置とこれを使用する透水層作成方法 Pending JPH11223177A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009105605A1 (en) * 2008-02-21 2009-08-27 William Riley Utilization of geothermal energy
US7952219B2 (en) 2007-09-27 2011-05-31 William Riley Hydroelectric pumped-storage
US8215104B2 (en) 2008-09-29 2012-07-10 William Riley Energy from subterranean reservoir fluid

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