JPH11217612A - 炉体の煉瓦積み構造 - Google Patents

炉体の煉瓦積み構造

Info

Publication number
JPH11217612A
JPH11217612A JP1650698A JP1650698A JPH11217612A JP H11217612 A JPH11217612 A JP H11217612A JP 1650698 A JP1650698 A JP 1650698A JP 1650698 A JP1650698 A JP 1650698A JP H11217612 A JPH11217612 A JP H11217612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brick
furnace
detection
furnace body
bricks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1650698A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Iwasaki
克博 岩崎
Shinichi Isozaki
進市 磯崎
Masahiro Kawakami
正弘 川上
Terutoshi Sawada
輝俊 澤田
Takeshi Sekiguchi
関口  毅
Masayuki Watabe
雅之 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP1650698A priority Critical patent/JPH11217612A/ja
Priority to CN98810337A priority patent/CN1276862A/zh
Priority to CA002307090A priority patent/CA2307090C/en
Priority to PCT/JP1998/004703 priority patent/WO1999020966A1/ja
Priority to AU94629/98A priority patent/AU751764B2/en
Priority to KR1020007003164A priority patent/KR100339261B1/ko
Publication of JPH11217612A publication Critical patent/JPH11217612A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定式炉体の煉瓦積み構造を、安価で、そし
て正確且つ容易に、炉内に内張りした煉瓦の損耗状況を
把握することができる構造とする。 【解決手段】 鉄を含有する溶融金属6を連続して保持
し、製造する固定式炉体1の煉瓦積み構造であって、溶
融金属及びスラグ7と接触する最内周に配置する煉瓦3
を、MgO、Al23、黒鉛、SiC、又はSiO2
主成分とする煉瓦の1種若しくは2種とし、その外側
に、溶融金属及びスラグに溶出しても操業上問題が無
く、且つ、検出が容易な物質を検出用物質として10w
t%以上含有する煉瓦4を配置する。その際に、検出用
物質としてCr系酸化物、Sr系酸化物、又はZr系酸
化物を用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銑鉄や鉄合金等の
鉄を含有する溶融金属を連続して保持し、製造する固定
式炉体の煉瓦積み構造に関し、詳しくは、操業中に内張
りした煉瓦の損耗状況を容易に且つ正確に把握すること
ができるようにした煉瓦積み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄を含有する溶融金属を連続して保持
し、製造する固定式炉体として、銑鉄を製造する高炉が
良く知られている。この高炉の寿命を律速する要因は、
炉底側壁部の煉瓦の残存厚みであり、その保護を効率良
く行えば高炉寿命の延長が可能になり、設備費の大幅な
削減が達成される。そのため、高炉においては内張りし
た煉瓦の残存厚みを操業中に測定する方法が多数提案さ
れている。
【0003】例えば、特開平7−207310号公報に
は、炉底側壁部に複数本の熱電対を設置し、温度を連続
的に測定して温度の変化から炉底側壁煉瓦の残存厚みを
推定する方法が、又、特開昭49−133207号公報
には、炉底部の煉瓦中に同軸ケーブルを埋設し、この同
軸ケーブルの一端から電気パルスを入力して他端で反射
して戻るまでの時間から、煉瓦の残存厚みを推定する方
法が開示されている。更に、内張りする煉瓦中に放射性
物質を埋め込み、炉外から放射線強度を測定して放射性
物質の有無から煉瓦の残存厚みを推定する方法も提案さ
れている。
【0004】ところで、溶融状態の銑鉄を連続して保持
し、製造する固定式の鉄のスクラップ溶解炉や鉄鉱石の
溶融還元炉では、炉内に保持される銑鉄やスラグの温度
が高炉の場合に比べて高く、且つ、反応速度を促進させ
るために銑鉄とスラグとを強攪拌する操業であるため、
内張りした煉瓦の損耗が激しく、炉寿命は数週間ないし
は数ヶ月の短期間となり、寿命が10年以上である高炉
に比べて格段に短い。そのため、これら炉体において
は、操業の安定性や耐火物コストの向上のため、操業中
に、より精度良く煉瓦の残存厚みを把握することが極め
て重要となる。尚、転炉のような傾動式炉体は傾動装置
により設備費が高く、そのため、傾動の必要が無い連続
した操業を行う際は、一般的に固定式炉体が用いられ
る。又、炉内で2次燃焼させる炉においては、スラグと
接する炉壁部及びその上方の炉壁部に、耐火物の代替と
して耐火物より耐用性の高い金属製水冷パネルを設置す
ることが一般的であり、金属製水冷パネルの溶融金属に
よる溶損を防止するため、固定式炉体が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような固定式の鉄
のスクラップ溶解炉や鉄鉱石の溶融還元炉にて、内張り
された煉瓦の残存厚みを上記の方法で測定すると、以下
の問題点が発生する。
【0006】熱電対による方法では、1本の熱電対によ
り残存厚みを推定できる範囲は限られ、炉全体では多数
の熱電対が必要になる。又、熱電対と煉瓦との接触状態
により熱電対で検出される温度に変化が生じ、十分な測
定精度が得られない。
【0007】同軸ケーブルによる方法では、精度良く残
存厚みを測定できるが、同軸ケーブルを埋め込んだ位置
のみの情報であり、炉全体では熱電対に比べて、更に多
くの同軸ケーブルが必要になる。
【0008】放射性物質による方法では、放射性物質の
有無により測定するので、煉瓦の損耗速度を連続して把
握することはできず、又、炉全体では多数の放射性物質
を埋め込む必要がある。更に、放射性物質の取り扱いに
は安全衛生上の制約が多く、実用的ではない。
【0009】このように、高炉に比べてはるかに寿命の
短い固定式の鉄のスクラップ溶解炉や鉄鉱石の溶融還元
炉に、従来の煉瓦残存厚みを推定する方法を用いて、炉
全体で精度良く煉瓦の残存厚みを測定しようとすると、
測定機器の費用や、測定機器の炉への設置費用等で、極
めて大きなコストアップとなり、経済的でない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、鉄を含有する溶融金属を
連続して保持し、製造する固定式炉体において、安価
で、そして正確且つ容易に、炉内全体に内張りした煉瓦
の損耗状況を把握することができる煉瓦積み構造を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明による炉体の
煉瓦積み構造は、鉄を含有する溶融金属を連続して保持
し、製造する固定式炉体の煉瓦積み構造であって、溶融
金属及びスラグと接触する最内周に配置する煉瓦を、M
gO、Al23、黒鉛、SiC、又はSiO2を主成分
とする煉瓦の1種若しくは2種以上とし、その外側に、
溶融金属及びスラグに溶出しても操業上問題が無く、且
つ、検出が容易な物質を検出用物質として10wt%以
上含有する煉瓦を配置することを特徴とするものであ
る。
【0012】第2の発明による炉体の煉瓦積み構造は、
第1の発明において、検出用物質を、Cr系酸化物、S
r系酸化物、Zr系酸化物の物質からなる群の中の1つ
若しくは2つ以上の物質とすることを特徴とするもので
ある。
【0013】第3の発明による炉体の煉瓦積み構造は、
第1の発明又は第2の発明において、検出用物質を含有
する煉瓦を、30mm以上の厚みで配置することを特徴
とするものである。
【0014】第4の発明による炉体の煉瓦積み構造は、
第1の発明ないし第3の発明の何れか1つの発明におい
て、最内周に配置する煉瓦を1層積みとし、検出用物質
を含有する煉瓦を1層積みとし、検出用物質を含有する
煉瓦と炉体鉄皮との間に1層の煉瓦を配置した3層の煉
瓦積み構造とすることを特徴とするものである。
【0015】本発明では、鉄を含有する溶融金属を連続
して保持し、製造する炉体として、固定式炉体を用い
る。固定式炉体を用いることで、転炉のような傾動式炉
体に比べて設備費を低く抑えることができ、製造コスト
の固定費軽減に寄与する。更に、スラグと接する炉壁部
及びその上方の炉壁部を、耐火物より耐用性の高い金属
製水冷パネルとすることができ、耐火物コストの低減に
寄与する。
【0016】そして、炉体を少なくとも2層以上の煉瓦
積み構造とし、炉体内で保持される溶融金属及び溶融ス
ラグと接触する最内周に配置する煉瓦(以下、「最内周
煉瓦」と記す)として、一般に鉄を含有する溶融金属を
保持する際に用いられるMgO、Al23、黒鉛、Si
C、又はSiO2を主成分とする煉瓦とする。最内周煉
瓦は炉体の部位により、例えばMgOを主成分とする煉
瓦と、SiCを主成分とする煉瓦とで張り分けることが
可能である。そして、その外側、即ち炉体鉄皮側に、検
出用物質として、溶融金属及びスラグに溶出しても操業
上問題が無く、且つ、検出が容易な物質を含有する煉瓦
(以下、「検出用煉瓦」と記す)を配置する。尚、本発
明における検出が容易な物質とは、鉄を含有する金属を
製造する原料に不純物として殆ど含有されておらず、且
つ、最内周煉瓦にも殆ど含有されていない物質である。
【0017】この煉瓦積み構造の炉体を用いて操業する
と、最内周煉瓦が溶融金属又は溶融スラグにより損耗
し、やがて、その外側の検出用煉瓦が露出する。露出し
た検出用煉瓦は、最内周煉瓦と同様に溶融金属又は溶融
スラグにより損耗し、検出用物質が溶融金属中や溶融ス
ラグ中に溶出する。溶融金属又は溶融スラグからサンプ
ルを採取し、溶融金属又は溶融スラグの検出用物質の含
有量を調査すると、最内周煉瓦が溶融金属及び溶融スラ
グを保持する期間には検出されない検出用物質が、検出
用煉瓦の露出・損耗により検出されるようになる。この
ように、溶融金属中又は溶融スラグ中に検出用物質が検
出された時点で、炉体内の何れかで最内周煉瓦が損耗し
て無くなったことを把握することができる。
【0018】検出用煉瓦の検出用物質の含有量を、10
wt%以上、望ましくは20wt%以上とする。通常、
鉄を含有する金属及びこの金属を製造する際に発生する
スラグの分析限界は10-3wt%であるため、検出用物
質が分析限界値以上に溶融金属中又は溶融スラグ中に溶
出しないと検出できない。検出用煉瓦が10wt%以上
検出用物質を含有することで、検出用煉瓦の損耗量の少
ない時期に、検出用物質の検出が可能となり、湯漏れ等
の事故を未然に防止できる。検出用物質を20wt%以
上含有すれば、一層検出が容易になる。
【0019】そして、検出用物質として、Cr系酸化
物、Sr系酸化物、Zr系酸化物とすることが好まし
い。Cr23、SrO、ZrO2等のこれら酸化物は、
鉄を含有する溶融金属及び溶融スラグに溶出しても全く
操業上の問題が無く、そして、鉄を含有する溶融金属を
製造する原料には、不純物として殆ど含有されておら
ず、又、上記の最内周煉瓦にも殆ど含有されず、従っ
て、これらの元素を溶融金属中又は溶融スラグ中で検出
することにより、確実に最内周煉瓦が損耗して検出用煉
瓦が露出したことを把握することができる。
【0020】更に、これらの酸化物は、鉄を含有する溶
融金属の処理温度である1200℃〜1800℃の温度
よりはるかに高い融点を有する安定化合物であり、Cr
23及びZrO2はすでに煉瓦材料として使われてお
り、又、SrOはMgO、CaO、及びBaOとほぼ同
様の挙動をするアルカリ土類金属の酸化物であり、Ba
Oのような毒性が無く、且つ、安価である。これら酸化
物の何れを煉瓦中に10wt%以上含有させても煉瓦の
耐溶損性は高く、本発明で用いる最内周煉瓦と比べても
遜色ない耐溶損性を有し、検出用物質として最適であ
る。
【0021】検出用煉瓦は、30mm以上の厚みで配置
することが好ましい。検出用煉瓦が露出しても、検出用
煉瓦の耐溶損性は最内周煉瓦に比べて極端に劣るわけで
はなく、従って、炉体の耐用性が極端に低下することは
ないが、上記のように分析限界が10-3wt%であるた
め、ある程度の範囲で検出用煉瓦が露出しないと検出用
物質を検出できない。その間の検出用煉瓦の損耗の余裕
代として、30mm以上、望ましくは50mm以上の厚
みで検出用煉瓦を配置する。
【0022】又、最内周煉瓦及び検出用煉瓦をそれぞれ
1層積みとし、そして、検出用煉瓦と炉体鉄皮との間に
更に1層の煉瓦を配置した3層の煉瓦積み構造とするこ
とが好ましい。最内周煉瓦及び検出用煉瓦をそれぞれ1
層積みとしているので、損耗によりこれら煉瓦の厚みが
薄くなっても剥離・脱落することがなく、これら煉瓦の
有する本来の耐用性を発揮するので、炉体の寿命が極端
に短くなることがない。尚、本発明における鉄を含有す
る金属とは、銑鉄、鋼、鉄合金、及び、合金鉄である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示す鉄鉱石の溶融
還元用固定式炉体の側断面の概略図である。
【0024】図において、外郭を炉体鉄皮2とし、この
炉体鉄皮2内の下部に内側から炉体鉄皮2に向かって最
内周煉瓦3、検出用煉瓦4、及び永久煉瓦5の順に、3
層の煉瓦積み構造とされた溶融還元炉1が、支持台15
にて基礎16に固定されている。この3層の煉瓦積み構
造の部位で、溶銑6及び溶融スラグ7を保持する。そし
て、溶融還元炉1の側壁となる炉体鉄皮2の上部には、
集塵機(図示せず)や予備還元炉(図示せず)と連結す
るダクト13と、炉内に原料を供給するための原料投入
口14とが設けられている。又、天蓋の炉体鉄皮2を貫
通して上吹きランス8が上下移動可能に設けられてお
り、炉内に酸素を吹き込むことができる。
【0025】溶融還元炉1の炉底には、不活性ガスや溶
融還元炉1の排ガス等を攪拌用ガスとして溶銑6中に吹
き込むガス吹き羽口10が、ガス供給管11と連結して
設けられ、又、側壁の3層の煉瓦積み構造の位置には、
マッド剤17で充填された出銑口12が設けられてい
る。更に、溶融還元炉1の側壁の3層の煉瓦積み構造の
上方には、銅及び銅合金等からなる金属製水冷パネル9
が、炉体鉄皮2の内周に取り付けられている。金属製水
冷パネル9は、溶融スラグ7に対する耐用性が高く、耐
火物の代替として用いられている。
【0026】溶銑6及び溶融スラグ7と接する最内周煉
瓦3は、MgO、Al23、黒鉛、SiC、又はSiO
2を主成分とする煉瓦とする。具体的には、MgO−ド
ロマイト質煉瓦、MgO−黒鉛質煉瓦、Al23−黒鉛
質煉瓦、高Al23質煉瓦、Al23−SiC−黒鉛質
煉瓦、黒鉛質煉瓦、SiC質煉瓦、ロー石質煉瓦、粘土
質煉瓦、及び、けい石煉瓦等から使用目的に合致する材
質を適宜選択して用いる。その際に、これら煉瓦の複数
種類を設置場所により張り分けて設置しても、又、1つ
の種類を全面に設置しても、どちらでも良い。鉄鉱石の
溶融還元炉1としては、耐用性から判断して、MgO−
ドロマイト質煉瓦やMgO−黒鉛質煉瓦等が好ましい。
【0027】検出用煉瓦4は、溶銑6及び溶融スラグ7
に溶出しても操業上問題が無く、且つ、最内周煉瓦3に
も、又溶銑6の製造用原料にも殆ど含有されない物質
を、検出用物質として、10wt%以上含有した煉瓦と
する。尚、最内周煉瓦3及び製造用原料が殆ど含有しな
いという意味は、不純物として微量含有しても良いとい
うことである。最内周煉瓦3及び製造用原料が不純物と
して微量含有していても、検出用煉瓦4の溶損により分
析値に差が現れ、検出用煉瓦4の損耗が把握できるから
である。
【0028】この検出用物質としては、Cr系酸化物、
Sr系酸化物、及びZr系酸化物を用いることが好まし
い。これらの酸化物を含む煉瓦としては、具体的には、
MgO−Cr23質煉瓦、SrO−Cr23質煉瓦、S
rO−黒鉛質煉瓦、ZrO2質煉瓦、ZrO2−Cr23
質煉瓦等を用いる。これらCr系酸化物、Sr系酸化
物、Zr系酸化物を含有する煉瓦を炉内で区分して設置
すれば、最内周煉瓦3の損耗部位により検出される検出
物質が異なるため、最内周煉瓦3の損耗部位を把握する
ことができる。
【0029】永久煉瓦5は、溶銑6や溶融スラグ7と直
接接触することがないので、最内周煉瓦3に比較して、
耐溶損性が劣る材質としても良い。具体的には、MgO
質煉瓦や粘土質煉瓦等を用い、煉瓦張り替えの際は再使
用する。
【0030】この溶融還元炉1に鉄鉱石、石炭、生石
灰、及び軽焼ドロマイトを原料投入口14から供給し、
そして、上吹きランス8から酸素を吹き込み、ガス吹き
羽口10から窒素等の不活性ガスを吹き込んで鉄鉱石を
溶融還元し、溶銑6を製造する。溶銑6が、所定量確保
され、且つ金属製水冷パネル9に達する以前に、出銑口
12を開口して溶銑6及び溶融スラグ7を溶銑保持容器
(図示せず)に排出する。排出後、再び出銑口12にマ
ッド剤17を充填して排出を停止し、操業を継続する。
【0031】そして、排出した溶銑6及び溶融スラグ7
から分析用サンプルを採取し、溶銑6中、又は溶融スラ
グ7中の検出用物質を分析する。分析方法は、化学分
析、又は、蛍光X線分析やICP等の機器分析で行う。
溶銑6中又は溶融スラグ7中に検出用物質が検出された
ら、溶融還元炉1内の何れかで最内周煉瓦3が損耗して
無くなり、検出用煉瓦4が露出したことが分かる。検出
用物質が検出されたならば、溶融還元炉1の操業を終了
して、煉瓦張り替え作業を実施する。
【0032】このようにすることで、特別のセンサーを
用いることなく、最内周煉瓦3が損耗して無くなったこ
とを確実に把握することができる。又、最内周煉瓦3の
どの部分が損耗しても、その損耗を検知することができ
る。
【0033】尚、上記説明は固定式炉体として鉄鉱石の
溶融還元炉1について説明したが、固定式炉体は溶融還
元炉1に限るものではなく、酸素を吹き込み鉄スクラッ
プを連続的に溶解する鉄のスクラップ溶解炉や、酸素を
吹き込み、Ni鉱石やCr鉱石をコークスで還元して溶
融状態のFe−Ni合金及びFe−Cr合金を製造する
製錬炉にも同様に適用することができる。尚、Fe−C
r合金を製造する際は、検出用物質としてCr系酸化物
を用いることはできないので、Sr系酸化物又はZr系
酸化物を用いるものとする。又、3層の煉瓦積み構造で
説明したが、最内周煉瓦3と検出用煉瓦4との2層の煉
瓦積み構造としても、更に、3層以上の煉瓦積み構造と
しても、本発明の実施に何ら支障とならない。
【0034】
【実施例】[実施例1]図1に示す溶融還元炉1におい
て、最内周煉瓦3をMgO−黒鉛質煉瓦として900m
mの厚みに設置し、検出用煉瓦4として厚みが150m
mのMgO−Cr23質煉瓦4a、SrO−黒鉛質煉瓦
4b、及びSrO−Cr23質煉瓦4cを炉の円周方向
に3等分して張り分けた。その外側に厚みが150mm
のMgO質煉瓦を永久煉瓦5として設置した。炉体鉄皮
2の直径は10mである。図2に、この煉瓦積み構造の
炉体の側壁部の平断面概略図を示す。
【0035】そして、上吹きランス8からの酸素供給量
を75000Nm3/Hr、鉄鉱石供給量を190to
n/Hr、石炭供給量を100ton/Hr、生石灰供
給量を4ton/Hr、軽焼ドロマイトの供給量を4t
on/Hrとして鉄鉱石の溶融還元を行った。その結
果、溶銑6は125ton/Hrで製造され、2時間毎
に出銑口12から生成する溶銑6及び溶融スラグ7を溶
銑保持容器内に排出した。排出された溶銑6及び溶融ス
ラグ7のCr含有量及びSr含有量の分析をICP分析
により行いつつ、操業を継続した。
【0036】操業開始から70日後に、溶銑6中のCr
含有量が上昇して0.02wt%となったため操業を停
止した。尚、溶銑6中及び溶融スラグ7中のSr含有量
には変化が見られなかった。次いで、炉を解体して炉内
の損耗状況を観察した。煉瓦の損耗状況を観察した結果
を図2に破線で示す。
【0037】図2の破線で示すように、側壁部の最内周
煉瓦3が無くなり、MgO−Cr23質煉瓦4aが20
2程度露出しており、その損耗量は約20mmであっ
た。しかし、他の部位では最内周煉瓦3が残存してお
り、SrO−黒鉛質煉瓦4b及びSrO−Cr23質煉
瓦4cは未だ健全であった。
【0038】[実施例2]図1に示す溶融還元炉1にお
いて、最内周煉瓦3をMgO−黒鉛質煉瓦として900
mmの厚みに設置し、検出用煉瓦4として厚みが150
mmのZrO2質煉瓦4d、及びZrO2−Cr23質煉
瓦4eを炉の円周方向に2等分して張り分けた。その外
側に厚みが150mmのMgO質煉瓦を永久煉瓦5とし
て設置した。炉体鉄皮2の直径は10mである。図3
に、この煉瓦積み構造の炉体の側壁部の平断面概略図を
示す。
【0039】そして、上吹きランス8からの酸素供給量
を75000Nm3/Hr、鉄鉱石供給量を190to
n/Hr、石炭供給量を100ton/Hr、生石灰供
給量を4ton/Hr、軽焼ドロマイトの供給量を4t
on/Hrとして鉄鉱石の溶融還元を行った。その結
果、溶銑6は125ton/Hrで製造され、2時間毎
に出銑口12から生成した溶銑6及び溶融スラグ7を溶
銑保持容器内に排出した。排出された溶銑6及び溶融ス
ラグ7のZr含有量及びCr含有量の分析をICP分析
により行いつつ、操業を継続した。
【0040】操業開始から70日後に、溶融スラグ7中
のZr含有量が上昇してZrO2に換算して0.02w
t%となったため操業を停止した。尚、溶銑6中及び溶
融スラグ7中のCr含有量には変化が見られなかった。
次いで、炉を解体して炉内の損耗状況を観察した。煉瓦
の損耗状況を観察した結果を図3に破線で示す。
【0041】図3の破線で示すように、側壁部の最内周
煉瓦3が無くなり、ZrO2質煉瓦4dが10m2程度露
出しており、その損耗量は約15mmであった。しか
し、他の部位では最内周煉瓦3が残存しており、ZrO
2−Cr23質煉瓦4eは未だ健全であった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、鉄を含有する溶融金属
を連続して保持し、製造する固定式炉体において、特別
のセンサーを用いることなく、安価で、そして正確且つ
容易に、炉内全体に内張りした煉瓦の損耗状況を把握す
ることができ、工業上の効果は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す固定式炉体の
側断面概略図である。
【図2】実施例1における炉体側壁部の煉瓦積み構造を
示す平断面概略図である。
【図3】実施例2における炉体側壁部の煉瓦積み構造を
示す平断面概略図である。
【符号の説明】
1 溶融還元炉 2 炉体鉄皮 3 最内周煉瓦 4 検出用煉瓦 5 永久煉瓦 6 溶銑 7 溶融スラグ 8 上吹きランス 9 金属製水冷パネル 10 ガス吹き羽口 12 出銑口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 輝俊 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 関口 毅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡部 雅之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄を含有する溶融金属を連続して保持
    し、製造する固定式炉体の煉瓦積み構造であって、溶融
    金属及びスラグと接触する最内周に配置する煉瓦を、M
    gO、Al23、黒鉛、SiC、又はSiO2を主成分
    とする煉瓦の1種若しくは2種以上とし、その外側に、
    溶融金属及びスラグに溶出しても操業上問題が無く、且
    つ、検出が容易な物質を検出用物質として10wt%以
    上含有する煉瓦を配置することを特徴とする炉体の煉瓦
    積み構造。
  2. 【請求項2】 前記検出用物質を、Cr系酸化物、Sr
    系酸化物、Zr系酸化物の物質からなる群の中の1つ若
    しくは2つ以上の物質とすることを特徴とする請求項1
    に記載の炉体の煉瓦積み構造。
  3. 【請求項3】 検出用物質を含有する煉瓦を、30mm
    以上の厚みで配置することを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の炉体の煉瓦積み構造。
  4. 【請求項4】 最内周に配置する煉瓦を1層積みとし、
    検出用物質を含有する煉瓦を1層積みとし、検出用物質
    を含有する煉瓦と炉体鉄皮との間に1層の煉瓦を配置し
    た3層の煉瓦積み構造とすることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3の何れか1つに記載の炉体の煉瓦積み構
    造。
JP1650698A 1997-10-20 1998-01-29 炉体の煉瓦積み構造 Pending JPH11217612A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1650698A JPH11217612A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 炉体の煉瓦積み構造
CN98810337A CN1276862A (zh) 1997-10-20 1998-10-19 冶金炉的构造及该冶金炉的操作方法
CA002307090A CA2307090C (en) 1997-10-20 1998-10-19 Structure of metallurgical furnace and operating method using the same metallurgical furnace
PCT/JP1998/004703 WO1999020966A1 (fr) 1997-10-20 1998-10-19 Structure de four metallurgique et procede d'exploitation utilisant ledit four metallurgique
AU94629/98A AU751764B2 (en) 1997-10-20 1998-10-19 Structure of metallurgical furnace and operating method using the same metallurgical furnace
KR1020007003164A KR100339261B1 (ko) 1997-10-20 1998-10-19 야금로의 구조 및 그 야금로의 하부조 교환방법, 그 야금로의 조업방법 및 그 야금로에 사용되는 플랜지의 시일장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1650698A JPH11217612A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 炉体の煉瓦積み構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11217612A true JPH11217612A (ja) 1999-08-10

Family

ID=11918170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1650698A Pending JPH11217612A (ja) 1997-10-20 1998-01-29 炉体の煉瓦積み構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11217612A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205717A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Nippon Steel Corp 損耗部材の残存厚み測定方法、及び残存厚み測定用プローブ
EP3450575A1 (en) * 2017-09-01 2019-03-06 Refractory Intellectual Property GmbH & Co. KG A method for detecting a predetermined wear of a refractory lining of a metallurgical vessel and a corresponding refractory lining

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205717A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Nippon Steel Corp 損耗部材の残存厚み測定方法、及び残存厚み測定用プローブ
JP4568233B2 (ja) * 2006-01-30 2010-10-27 新日本製鐵株式会社 損耗部材の残存厚み測定方法
EP3450575A1 (en) * 2017-09-01 2019-03-06 Refractory Intellectual Property GmbH & Co. KG A method for detecting a predetermined wear of a refractory lining of a metallurgical vessel and a corresponding refractory lining
WO2019042617A1 (en) * 2017-09-01 2019-03-07 Refractory Intellectual Property Gmbh & Co. Kg METHOD FOR DETECTING PREDETERMINED WEAR OF REFRACTORY COATING OF METALLURGIC CONTAINER AND CORRESPONDING REFRACTORY COATING

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xu et al. Chemical wear mechanism of magnesia-chromite refractory for an oxygen bottom-blown copper-smelting furnace: A post-mortem analysis
Schlesinger Refractories for copper production
JPH11217612A (ja) 炉体の煉瓦積み構造
AU751764B2 (en) Structure of metallurgical furnace and operating method using the same metallurgical furnace
Raipala On hearth phenomena and hot metal carbon content in blast furnace
JP2000204405A (ja) 高炉の操業方法
US6375346B1 (en) Method for detecting the spalling of a layer of buildup of a refractory lining in a metallurgical furnace
Hubble et al. Steelmaking refractories
CN101706200B (zh) 一种电弧炉耐火材料的养护方法及系统
Steenkamp Wear analysis of tap-holes at two ferrochromium production furnaces
Iida et al. Improvement of MgO-C Bricks for BOF Based on Microstructure Investigation
EP3450575B1 (en) A method for detecting a predetermined wear of a refractory lining of a metallurgical vessel and a corresponding refractory lining
JP2921392B2 (ja) 高炉の操業方法
JPH0723499B2 (ja) 溶融還元法
JP2760155B2 (ja) 溶銑の製造方法
JP3033263B2 (ja) 溶銑製造炉および溶銑製造方法
TW434318B (en) Structure of metallurgical furnace and operating method using the same metallurgical furnace
JPH0978117A (ja) 転炉操業方法
JPH0841515A (ja) 耐火物の溶損を抑制する製錬法
RU2164953C1 (ru) Способ футеровки кислородного конвертера
Schnalzger et al. Electric Melting Furnaces for Green Steel Transformation of Integrated Steel Plants—Requirements, Challenges and Solutions from a Refractory Perspective
JP2897363B2 (ja) 溶銑の製造方法
JPH08134515A (ja) 高炉の操業方法
Enriquez et al. An update on praxair coherent jet technology in anode refining at Kennecott Utah Copper
Yadav et al. Effect of high blast humidity on furnace performance--Experiences at Tata Steel