JPH11214918A - アンテナ - Google Patents

アンテナ

Info

Publication number
JPH11214918A
JPH11214918A JP1529598A JP1529598A JPH11214918A JP H11214918 A JPH11214918 A JP H11214918A JP 1529598 A JP1529598 A JP 1529598A JP 1529598 A JP1529598 A JP 1529598A JP H11214918 A JPH11214918 A JP H11214918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
substrate
power supply
ground electrode
antenna according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1529598A
Other languages
English (en)
Inventor
Kengo Shiiba
健吾 椎葉
Atsushi Yoshinomoto
淳 吉ノ元
Yasuki Nagatomo
泰樹 長友
Yoshio Onaka
良雄 尾中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP1529598A priority Critical patent/JPH11214918A/ja
Publication of JPH11214918A publication Critical patent/JPH11214918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 右左旋円偏波同時受信が可能な小型、高利
得、高信頼性のアンテナを提供することを目的とする。 【解決手段】 基板1の両主面1a,1bにそれぞれ放
射電極2とアース電極3をそれぞれ設け、放射電極2と
電気的に接合し、アース電極3とは非接触に設けられた
給電手段4を複数備え、基板1が放射電極2とアース電
極3の対向してなる空間の一部分にのみ配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信システム
や無線データ通信等に用いられるアンテナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、人工衛星や地上の基地局から無線
で送られてくるデータを受信し、高品質のディジタルオ
ーディオ出力を得る装置が開発されている。また、デー
タ圧縮技術の進歩によって、同様な装置によって映像出
力を得ることもできるようになると考えられている。
【0003】従来、このようなシステムに用いられる無
線の送受信用のアンテナとして、ホイップアンテナ等が
用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、ホイップアンテナの指向特性から、地上
の基地局からの無線データすなわち地上波の受信には適
しているが、人工衛星からの無線データの受信には適当
ではない。無線データの送受信カバーエリアを広くとる
ためには、人工衛星による無線データの送受信が不可欠
であり、これに適したアンテナが求められている。この
ような用途に適したアンテナとしては、現在カーナビゲ
ーション用に広く利用されているGPS用マイクロスト
リップアンテナがある。しかしながら、このGPS用マ
イクロストリップアンテナは、右旋回円偏波の受信専用
に設計・製造されるのが一般的であり、右左旋回共用に
はなっていない。前記の無線データの送受信システムに
おいては、回線チャンネル数を多くとるため右旋回/左
旋回独立に回線チャンネルを割り当てる。このため、小
型で高性能の右左旋回共用アンテナが求められている。
【0005】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、右左旋回円偏波同時受信が可能な小型、高利得、高
信頼性のアンテナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の放射電
極とアース電極に対し、複数の給電手段を備え、その給
電手段の少なくとも一つが右旋回円偏波からなる電波の
送受信が、また、他の少なくとも一つが左旋回円偏波か
らなる電波の送受信ができるような構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基板と、
基板の一方の主面に対向して設けられた放射電極と、基
板の他方の主面に対向して設けられたアース電極と、放
射電極と電気的に接合し、アース電極とは非接触に設け
られた給電手段を複数備える事により、単一のアンテナ
で偏波面や旋回方向の異なる電波送受信を同時に行うこ
とができるようになる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、複数備えた給電手段の少なくとも一つが右旋回円偏
波からなる電波の送受信を目的とし、他の少なくとも一
つが左旋回円偏波からなる電波の送受信を目的としたも
ので、単一のアンテナで旋回方向の異なる円偏波の電波
の送受信を同時に行うことができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1,2にお
いて、基板の比誘電率εrは2以上95以下とすること
によって、アンテナの小型化を促進することができ、共
振周波数の帯域を広くでき、さらには、特性のばらつき
を抑えることができる。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1〜3にお
いて、基板の表面粗さを50μm以下とした事によっ
て、Q値の低下を防止することができ、アンテナの利得
を向上させることができる。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1〜4にお
いて、基板をセラミックで構成するとともに、焼結密度
を92%以上とした事によって機械的強度を向上させる
ことができるとともに加工性なども良く、更には、安定
した特性を得ることができるともに、Q値の低下や比誘
電率の低下を防止できる。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1〜5にお
いて、基板を誘電正接が0.005以下の樹脂で構成し
た事によって機械的強度を保ちながら、軽量化を図り加
工性なども良く、更には、安定した特性を得ることがで
きるともに、Q値の低下や比誘電率の低下を防止でき
る。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項1〜6にお
いて、基板の角部に面取り加工かテーパー加工の少なく
とも一方を施すことによって、板の角部の大きな欠けを
防止できるので、使用途中でアンテナの特性が大きく変
化し、不具合が生じることはない。
【0014】請求項8記載の発明は、請求項7におい
て、面取り加工としてC面取り加工を採用するととも
に、C面取りのRを0.1mm以上としたことによっ
て、確実にしかも生産性良くアンテナを生産することが
できる。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項1〜7に
おいて、右旋回円偏波及び左旋回円偏波用として各々独
立に備えた給電手段間の電気的相互干渉を防止する手段
として導電性のシールドを各々の給電手段間に設けるこ
とによって、動作の安定したアンテナを生産することが
できる。
【0016】請求項10記載の発明は、請求項1〜9に
おいて、給電手段として給電ピンを用い、基板に貫通孔
を設け。前記貫通孔内に前記給電ピンを挿入するととも
に、前記給電ピンと放射電極を接合するとともに前記給
電ピンとアース電極は非接触としたことによって、生産
性を向上させることができる。
【0017】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
において、アンテナと、前記アンテナのアース電極の裏
面側に回路基板を接合し、前記回路基板への電源供給、
入出力信号の授受を行う同軸ケーブルを備える構成とし
たことによって前記アンテナを安定に保持し効率の良い
送受信特性を得ることができ、また、アンテナが送受信
する電波を効率よく増幅し、確実に信号処理回路と信号
のやりとりができる。
【0018】請求項12記載の発明は、請求項11にお
いて、アース電極の一方の面に請求項1〜11に記載の
アンテナを固定する際の位置決め用の凸部を設け、前記
アース電極の他方の面に前記回路基板を固定する際の位
置決め用凸部を設けることによって生産性良くアンテナ
を生産することができる。
【0019】請求項13記載の発明は、請求項12にお
いて、アンテナ基板の一方の面に放射電極及びアース電
極を固定する際、及び、前記平板上の他方の面に回路基
板を固定する際に両面テープ、または、有機接着剤を用
いることによって生産性良くアンテナを生産することが
できる。
【0020】請求項14記載の発明は、請求項11にお
いて、アース電極に回路基板を直接請求項1〜11記載
のアンテナに固定できるよう開口部を設け、さらに前記
アース電極の一方の面に請求項1〜11に記載のアンテ
ナ基板を固定する際の位置決め用の凸部を設け、前記ア
ンテナ基板と前記回路基板を固定する際に両面テープ、
または、有機接着剤を用いることによって生産性良くア
ンテナを生産することができる。
【0021】請求項15記載の発明は、人工衛星もしく
は、地上の基地局から無線で送られてくるデータを受信
する装置であって、請求項1〜14いずれか1記載のア
ンテナと、前記アンテナで受信した受信信号を復調して
データ信号を生成する手段と、前記データ信号を音声も
しくは、映像として出力する手段とを備える事によっ
て、配置場所などの限定が少なくなって、装置のレイア
ウトなどがしやすくなるとともに、確実にデータ通信を
行うことができる。また、アンテナが非常に大きな耐久
性を有するので、無線LAN装置の設置条件が広範囲に
なる。さらに、アンテナが外部に大きく突出することが
ないので、破損などの不具合が生じることはない。
【0022】以下、本発明におけるの実施の形態につい
て説明する。図1,2,3はそれぞれ本発明の一実施の
形態におけるアンテナを示す表面斜視図,裏面斜視図及
び断面図である。
【0023】図1,2,3において、1は基板で、基板
1は誘電体材料で構成される。基板1の比誘電率εrは
2以上95以下(好ましくは2以上37以下)であるこ
とが好ましい。比誘電率εrが2より小さいと、基板1
が大きくなりすぎてアンテナの小型化を行うことができ
ず、比誘電率εrが37より大きいと、共振周波数帯域
が狭くなりすぎて、ちょっとした組成の違いや、欠けな
どの発生によって共振周波数帯域が外れてしまい、所定
の特性を得ることはできないとともに、特性のばらつき
が大きくなるという不具合が生じる。また、比誘電率ε
rが2以上12以下の領域では、Q値の低下の少ない、
誘電正接が0.005以下の樹脂基板が、また、6以上
37以下の領域においては、同様に、Q値の低下の少な
い、誘電正接が0.005以下のセラミック基板が好ま
しい。
【0024】基板1の具体的構成材料としては、ガラス
/フッ素樹脂、ガラス/熱硬化PPO樹脂、BTレジ
ン、セラミック粉末PTFE積層板、セラミック/ウィ
スカ等の樹脂系基板、アルミナ、フォルステライト、チ
タン酸カルシウム等のセラミック系基板などが挙げられ
る。これらの構成材料のなかでも、耐候性が良く、機械
的強度が大きく、安価であることを考慮すると、セラミ
ックを用いることが好ましい。セラミックを基板の構成
材料として用いる場合、抗析力などを大きくするために
焼結密度は92%以上(より好ましくは95%以上)が
好ましい。焼結密度が92%以下であると、Q値の低下
や比誘電率εrが低下することがあり、不具合が生じ
る。
【0025】また、基板1の表面粗さは、後述する電極
との界面における特性のばらつきを抑制するために、5
0μm以下(特に好ましくは10μm以下、更に好まし
くは5μm以下)とすることが好ましい。表面粗さが5
0μm以上であると、実効誘電率のばらつき要因とな
り、アンテナの共振周波数のずれを引き起こし、所望の
周波数におけるアンテナ利得が下がることがある。
【0026】基板1の形状は、図1,2,3に示す様な
方形板状や、他に楕円板状,多角形板状(断面が三角
形,四角形,五角形・・・・・)とすることができる。
この時、多角形板状とする場合には、各辺が略等しい多
角形状とすることが好ましい。
【0027】また、本実施の形態では、基板1の厚みを
均一に(中央部と端部の厚さがほぼ同じ)する事によっ
て、特性の均一化または特性の安定化を行うことができ
るが、使用状況や、使用機械の種類等によって、基板1
の厚みを所定の部分間で異ならせても良い。即ち、例え
ば、基板1に複数の凹部や段差部を形成したり、基板1
の一方の端部の厚みを反対側の端部の厚みよりも厚くし
たり薄くしたりすることができる。
【0028】更に、基板1の角部には面取りやテーパー
などを施すことによって、基板1の角部1cに大きな欠
けなどが発生して特性が変化することを防止できる。
【0029】従って、前述の様に、角部に予め、面取り
やテーパー等を施しておくことによって、送信や受信特
性が途中で基板1の角部1cに大きな欠けが生じること
によって変化することはほとんどなくなる。
【0030】この時、生産性や確実な角部処理が施せる
事などを考慮すると、C面取りを施すことが好ましい。
この時のC面取りのRは0.1mm以上(好ましくは
0.2mm以上)とすることによって、ちょっとした衝
撃などが基板1に加わっても、基板1の角部の欠け等の
発生はほとんどなくなり、もし基板1が欠けるほど大き
な衝撃などが加わったとしても、ほんのわずかな欠けし
か発生せず、送信や受信特性の大きな変化が生じること
はない。この基板1の面取りやテーパー加工等は、基板
1を構成する材料が何であれ、必要であるが、上述の様
に比較的欠けが発生しやすいセラミックを用いた場合に
は、特に有効である。更に、他の実施の形態として、基
板1の角部にC面取りやテーパー加工を施さずに、基板
1の角部に、欠け防止を行う有機系の樹脂などを設ける
事によって、角部の大きな欠けを防止できる。
【0031】また、基板1の幅をL1、長さをL2、厚
さをL3、放射電極の一辺の長さをZ1とした時に、下
記条件を満たすことによって、アンテナを送受信装置に
内蔵または、回路基板等に張り付けること等ができ、外
部に大きくアンテナ部が突出したり、露出することがな
い。
【0032】 0.25×Z1<L1<0.95×Z1 0.25×Z1<L2<0.95×Z1 1mm<L3<15mm 特に厚さL3においては1mmを下回ると、基板1自体
の機械的強度が低くなり、割れなどが発生しやすくなる
と共にアンテナとしての送受信時の効率が悪くなり安定
した電波の送受信ができなくなってしまう。
【0033】図1,2,3において、2は基板1の主面
1aに対向して設けられた方形状の放射電極、3は基板
1の主面1bに対向して設けられたアース電極である。
【0034】放射電極2,アース電極3(以下、各電極
と略す)は、Ag,Au,Cu、Pdの金属材料単体、
あるいはそれらの合金、若しくは、前記金属材料の他の
金属(Ti,Ni等)との合金などが用いられる。これ
らの材料の中で、特にリン青銅、ベリリウム銅等は、導
電率に優れ、バネ材にも使用されるように機械的強度に
も優れているので、好適に用いられる。更に、各電極
は、一層で形成しても良いし、二層以上の複数層で構成
しても良い。即ち、各電極の表面に、耐腐食性、防錆性
などを向上させる目的等で、耐食性の良い金属材料等を
形成しても良い。また、同様の目的で、電極表面を化学
処理しても良い。更に各電極には、不純物として、特性
に影響を及ぼさない程度に、酸素や窒素や炭素の少なく
とも1つを不純物として含ませてもよい。
【0035】各電極等の形成は、金属板を金型によっ
て、打ち抜き加工することによって容易に得られるが、
端面の保護等を目的とした上記の化学処理などを行うこ
とが好ましい。
【0036】また、各電極の厚みは50μm以上とし、
耐食性、防錆性向上の為の金属層や化学処理層は、10
μm以下にすることが好ましい。各電極の厚みが50μ
m以下であると、スキンデプスより薄くなりアンテナの
利得が低下することがあり、耐食性、防錆性向上の為の
金属層や化学処理層は、10μm以上にすると高周波に
おける導体損や誘電体損の原因となることがあり好まし
くない為である。
【0037】一方、一般的な放射電極の形状は、送受信
するべき電波の種類によって異なるが、右旋回/左旋回
円偏波共用アンテナの場合、図1に示すような縮退分離
素子(三角形の切り欠き部)を有する方形状の他に、図
4に示すような長方形(図4(a))や楕円形(図4
(b))、縮退分離素子付き円形(図4(c))、その
他、円偏波条件を満たす多角形状(断面が三角形,四角
形,五角形・・・・・)とすることができる。この時、
多角形状とする場合には、各辺が略等しい多角形状とす
ることが好ましい。
【0038】4a,4bは給電ピンで、給電ピン4a,
4bはFeやCu等の導電材料で構成されており、更
に、放射電極2等との接合性を良くするために、表面に
半田等の導電性の金属膜等を形成しても良い。また、給
電ピン4a,4bの耐食性等を向上させるために、A
u,NiやTi等で構成された耐食性の大きな材料をコ
ーティングしてもよい。
【0039】また、給電ピンの替わりに、放射電極の一
部を線状に折り曲げ加工する事により、給電部を放射電
極と一体的に形成することもできる。
【0040】給電ピン4a,4bは基板1に設けられた
貫通孔1dに挿入され、一端は放射電極2に電気的に接
合しており、アース電極3には接触していない。アース
電極3と給電ピン4a,4bが接触する確率を減らすた
めに、アース電極3の貫通孔1dの周りの部分には空隙
部3aが設けられている。給電ピン4a,4bと放射電
極2は、半田や導電性有機接合材等の導電性接合材にて
互いに接着することによって基板1に固定している。
【0041】また、給電ピン4a,4bを設ける位置
(給電ピン4a,4bの中心、もしくは貫通孔1dの中
心)を調整することによって、アンテナのインピーダン
スの不整合を防止し、特性の劣化を防止することができ
る。すなわち、放射電極の中心を原点とすると給電ピン
の位置の原点に対する距離Za,Zbは、下記条件を満
たすことが好ましい。この時、アンテナの入力インピー
ダンスの整合状態によっては給電ピン4は、基板1の外
側に位置することもある。この場合は、貫通孔1dは不
要となる。
【0042】 縮退分離素子(切り欠き部)付き方形放射電極(図1)の場合 放射電極の辺長をZ1とした時、 Za,Zb≦0.80×Z1 長方形放射電極(図4(あ))の場合 放射電極の対角線長をZ2とした時、Za,Zb≦0.85×Z2 楕円形放射電極(図4(b))の場合 放射電極の長円方向の軸長Z31と短円方向の軸長Z32の平均値をZ3 とした時、 Za,Zb≦0.85×Z3 縮退分離素子(切り欠き部)付き円形放射電極(図4(c))の場合 放射電極の半径をZ4とした時、 Za,Zb≦0.80×Z4 等である。放射電極形状は、上記4種類に限らないた
め、全てを網羅できないが、以上のようなインピーダン
ス調整によって、通常、高周波回路において設計される
50Ωでのインピーダンスマッチングを行うことができ
る。これによって、アンテナのインピーダンスの不整合
による損失を防止し、送受信特性の劣化を防止すること
ができる。
【0043】次に共振周波数f0を調整する方法につい
て説明する。共振周波数は、放射電極の寸法、基板の厚
み、比誘電率等から決まり大略以下のような式に従う。
【0044】 方形の場合 L=C・{1−k・(1−1/√εr)}/(2・F) 円形の場合 R=1.841・C・{1−k・(1−1/√εr)}/(2・π・F) Lは方形放射電極の辺長、Rは円形放射電極の半径、Cは光速、Fは 共振周波数、εrは基板の比誘電率である。
【0045】本発明においては、基板サイズが放射電極
サイズより小さいため、放射電極とアース電極間に誘電
体基板が挿荷されている部分と空気層になっている部分
とに分けて考えなくてはならない。kは、その補正係数
である。また、上式は、大略の寸法を表すものであり、
実際には、基板の厚み、誘電体の材料特性などの効果を
考慮して最適な寸法が得られる。
【0046】例えば、共振周波数f0を高くする場合に
は、図1に示すZ1を短くすることによって行うことが
でき、Z1を長くすることによって共振周波数f0を低
くすることができる。また、周波数帯域幅を大きくとる
ためには縮退分離素子素子(切り欠き部)の面積を大き
くすればよい。しかし、縮退分離素子を大きくしすぎる
とインピーダンスの整合が取れなくなる。従って、縮退
分離素子の大きさは、全放射電極の面積に対して20%
以下、好ましくは、1%以上10%以下にするのが望ま
しい。
【0047】この間の事情は、図4に示す他の形状の放
射電極についても同様である。図4(a)の長方形放射
電極の場合は、以下の通りである。すなわち長方形の短
辺を一辺とする正方形を主放射電極と考え、その他の部
分を縮退分離素子、そして、この主放射電極と縮退分離
素子を合わせたものが全放射電極と考える。この時、全
放射電極の面積に対して縮退分離素子の面積は、20%
以下、好ましくは、1%以上10%以下にするのが望ま
しい。
【0048】このように、縮退分離素子は、図1のよう
に切り欠くことによっても構成でき、図4(a)のよう
に加えることによっても構成できる。例えば、正方形や
円形の主放射電極に、長方形や三角形等の縮退分離素子
を追加しても良い。この時、縮退分離素子の面積が、全
放射電極の20%以下、好ましくは、1%以上10%以
下であるのは上記の場合と同様である。
【0049】図4(b)の楕円形放射電極の場合は、楕
円形の短軸を一辺とする円形を主放射電極と考え、その
他の部分を縮退分離素子、そして、この主放射電極と縮
退分離素子を合わせたものが全放射電極と考えれば良
い。この時、全放射電極の面積に対して縮退分離素子の
面積は、20%以下、好ましくは、1%以上10%以下
にするのが望ましいのは長方形の場合と同様である。
【0050】図4(c)の縮退分離素子(切り欠き部)
付き円形放射電極の場合は、図1の場合と同様であり、
全放射電極の面積に対して縮退分離素子の面積は、20
%以下、好ましくは、1%以上10%以下にするのが望
ましい。
【0051】又、図5に示す様に基板1と放射電極2を
円形としアース電極3を方形状としても良いし、図6に
示す様に図5において放射電極2の外端に切り欠きを設
けて特性を調整してもよい。
【0052】次に、本実施の形態における、アンテナの
回路基板への取付の一例について、図7を参照して説明
する。
【0053】まず、アース電極3に給電ピン4a,4b
が電気的に絶縁されて貫通するのに十分な貫通孔を設け
ると共に、回路基板5に給電ピン4a,4bを挿入する
挿入孔を設け、アース電極3をはさむように、回路基板
5の挿入孔にアンテナの給電ピン4a,4bを挿入す
る。そして、回路基板5のアンテナと反対側の面に形成
された給電配線と給電ピン4a,4bを半田等の接合材
を用いてそれぞれ接合する。なお、この時、取付強度を
向上させるために、両面テープや有機接着材などをアー
ス電極と回路基板との間に設けてもよい。また、アンテ
ナ基板及び回路基板をアース電極に固定する際に、簡単
かつ精度良く位置決めを行えるようアース電極に凸部を
設けても良い。凸部は、製作上の平易さを考慮して、図
8に示すような半抜き、切り曲げ等により構成するのが
望ましい。さらに、右旋回円偏波及び左旋回円偏波用と
して各々独立に備えた給電ピン間の電気的相互干渉を防
止する手段として導電性のシールドを設けることができ
る。導電性のシールドは鉄板、銅板、アルミ板等の他、
フェライト板等の磁性板や導電性平板と磁性平板の複合
平板なども考えられる。また、回路基板を外部からの電
波や輻射などによって影響されないように、これらの導
電性平板、磁性平板、複合平板などを用いてボックス状
に覆い、シールドすることが望ましい。
【0054】次に、他の実施の形態について、図9を参
照して説明する。まず、アース電極3に回路基板5が収
納されるに十分な貫通孔を設けると共に、回路基板5に
給電ピン4を挿入する挿入孔を設け、このアース電極3
に落とし込むようにアンテナの基板1と対向して、回路
基板5の挿入孔にアンテナの給電ピン4を挿入する。す
なわち、アンテナ基板の一方の面と回路基板5が、アー
ス電極3で対向するようにアンテナを載置する。この
時、回路基板は、アンテナの基板1より十分に小さく、
回路基板とアンテナ基板がアース電極面において、十分
固定できるようにしなければならない。そして、回路基
板のアンテナを載置した側と反対側の面に形成された給
電配線と給電ピン4を半田等の接合材を用いてそれぞれ
接合する。なお、この時、取付強度を向上させるため
に、両面テープや有機接着材などをアンテナ基板と回路
基板との間に設けてもよい。また、導電性平板上にアン
テナを固定するための凸部を設けたり、右旋回円偏波及
び左旋回円偏波用として各々独立に備えた給電ピン間の
電気的相互干渉を防止する手段として導電性のシールド
を設けることは、上記の実施の形態と同様である。
【0055】以上の様に構成されたアンテナは、非常に
小型・高性能であり、右左旋回円偏波同時受信が可能
で、広い送受信エリアをカバーできる人工衛星による無
線データの送受信に好適な性能を有している。さらに
は、送受信特性がきわめて良好であるので、良好なデー
タのやりとりなどを行うことができ、データの転送エラ
ーなどを起こすことはきわめて少なくなる。
【0056】次に、上述のアンテナを用いた応用例につ
いて説明する。図10は本発明の一実施の形態における
アンテナを用いた無線装置を示す図であり、図10にお
いて、8は無線でデータを送信してくる人工衛星であ
り、9は例えば図11に示すような回路ブロックからな
る無線受信装置である。図11において、101は上述
のアンテナ、111は無線受信部、107は受信したデ
ータの信号処理部、108,109は音声信号をスピー
カー102,103から出力できるように変換する信号
処理部、105,110は映像信号をディスプレイ10
4から出力できるように変換する信号処理部である。こ
の装置では、右旋回円偏波及び左旋回円偏波を同時に受
信できることが必要であり、前述の図1から図9に示す
アンテナを用いている。
【0057】図12及び図13は、図1に示す本発明に
なるアンテナの受信特性を示したものである。ここで、
図12は、周波数特性を、図13は、指向特性を示して
いる。図12の横軸は周波数、縦軸は利得を表してお
り、広帯域にわたって、非常に良好な利得が得られてい
ることがわかる。また、図13アンテナ天面方向を0
度、背面方向を180度とした時の指向特性であるが、
広角度にわたって良好な利得が得られることがわかる。
このように、本発明になるアンテナを用いれば、送受信
感度が高く、小型のアンテナが実現できることがわか
る。
【0058】以上の様に構成された無線受信装置では、
アンテナを非常に小型化することができ、しかも人工衛
星から到来する電波を効率良く受信することができるの
で、地上のどのような場所に無線受信装置を配置して
も、データ通信を確実に行うことができる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、基板の両面にそれぞれアース
電極と放射電極とを備え、放射電極と電気的に接合し、
アース電極とは非接触に給電手段を複数備え、給電手段
の少なくとも一つが右旋回円偏波からなる電波の送受信
またはそのいずれかを行えるようにし、他の少なくとも
一つが左旋回円偏波からなる電波の送受信またはそのい
ずれかを行えるようにすることによって、右旋回円偏波
及び左旋回円偏波の電波を同時に送受信できるようにす
ると共に、アンテナの小型・高性能化を図ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるアンテナを示す
表面斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるアンテナを示す
裏面斜視図
【図3】本発明の一実施の形態におけるアンテナを示す
断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるアンテナを示す
表面斜視図
【図5】本発明の一実施の形態におけるアンテナを示す
表面斜視図
【図6】本発明の一実施の形態におけるアンテナを示す
表面斜視図
【図7】本発明の他の実施の形態におけるアンテナを示
す斜視図
【図8】本発明の他の実施の形態におけるアンテナを示
す斜視図
【図9】本発明の他の実施の形態におけるアンテナを示
す平面図
【図10】本発明の一実施の形態におけるアンテナを用
いた無線受信装置を示す図
【図11】本発明のアンテナを用いた無線受信装置の回
路ブロック図
【図12】本発明の一実施の形態におけるアンテナの周
波数特性を示すグラフ
【図13】本発明の一実施の形態におけるアンテナの指
向特性を示すグラフ
【符号の説明】
1 基板 1a,1b 主面 1c 角部 1d 貫通孔 2 放射電極 3 アース電極 4a,4b 給電ピン 5 回路基板 8 人工衛星 9 無線受信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾中 良雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板の一方の主面に対向して
    設けられた放射電極と、前記基板の他方の主面に対向し
    て設けられたアース電極と、前記放射電極と電気的に接
    合し、アース電極とは非接触に設けられた給電手段を複
    数備え、前記基板が前記放射電極と前記アース電極が対
    向してなる空間の一部分にのみ配設されている事を特徴
    とするアンテナ。
  2. 【請求項2】複数備えた給電手段の少なくとも一つが右
    旋回円偏波からなる電波の送受信またはそのいずれかを
    目的とし、他の少なくとも一つが左旋回円偏波からなる
    電波の送受信またはそのいずれかを目的とする事を特徴
    とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 【請求項3】基板の比誘電率εrは2以上95以下であ
    る事を特徴とする請求項1,2いずれか記載のアンテ
    ナ。
  4. 【請求項4】基板の表面粗さを50μm以下とした事を
    特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のアンテナ。
  5. 【請求項5】基板をセラミックで構成するとともに、焼
    結密度を92%以上とした事を特徴とする請求項1〜4
    いずれか1記載のアンテナ。
  6. 【請求項6】基板を誘電正接が0.005以下の樹脂で
    構成した事を特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の
    アンテナ。
  7. 【請求項7】基板の角部に面取り加工かテーパー加工の
    少なくとも一方を施すことを特徴とする請求項1〜6い
    ずれか1記載のアンテナ。
  8. 【請求項8】面取り加工としてC面取り加工を採用する
    とともに、C面取りのRを0.1mm以上とした事を特
    徴とする請求項7記載のアンテナ。
  9. 【請求項9】右旋回円偏波及び左旋回円偏波用として各
    々独立に備えた給電手段間の電気的相互干渉を防止する
    手段として導電性のシールドを各々の給電手段間に設け
    たことを特徴とする請求項1〜8記載のアンテナ。
  10. 【請求項10】給電手段として給電ピンを用い、基板に
    貫通孔を設け。前記貫通孔内に前記給電ピンを挿入する
    とともに、前記給電ピンと放射電極を接合するとともに
    前記給電ピンとアース電極は非接触としたことを特徴と
    する請求項1〜9いずれか1記載のアンテナ。
  11. 【請求項11】請求項1〜10に記載してなる前記アン
    テナと、前記アンテナのアース電極の裏面側に回路基板
    を接合し、前記回路基板への電源供給、入出力信号の授
    受を行う同軸ケーブルを備える構成としたことを特徴と
    するアンテナ装置。
  12. 【請求項12】前記アース電極の一方の面に請求項1〜
    10に記載のアンテナの基板を固定する際の位置決め用
    の凸部を設け、前記アース電極の他方の面に前記回路基
    板を固定する際の位置決め用凸部を設けたことを特徴と
    する請求項11記載のアンテナ装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜10に記載のアンテナの基板
    の一方の面に放射電極及びアース電極を固定する際、及
    び、前記アース電極の他方の面に前記回路基板を固定す
    る際に両面テープ、または、有機接着剤を用いたことを
    特徴とする請求項11,12いずれか1記載のアンテナ
    装置。
  14. 【請求項14】前記アース電極に前記回路基板を直接請
    求項1〜11記載のアンテナに固定できるよう開口部を
    設け、さらに前記アース電極の一方の面に請求項1〜1
    1に記載のアンテナ基板を固定する際の位置決め用の凸
    部を設け、前記アンテナ基板と前記回路基板を固定する
    際に両面テープ、または、有機接着剤を用いたことを特
    徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  15. 【請求項15】人工衛星もしくは、地上の基地局から無
    線で送られてくるデータを受信する装置であって、請求
    項1〜14いずれか1記載のアンテナと、前記アンテナ
    で受信した受信信号を復調してデータ信号を生成する手
    段と、前記データ信号を音声もしくは、映像として出力
    する手段とを備えた事を特徴とする無線受信装置。
JP1529598A 1998-01-28 1998-01-28 アンテナ Pending JPH11214918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1529598A JPH11214918A (ja) 1998-01-28 1998-01-28 アンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1529598A JPH11214918A (ja) 1998-01-28 1998-01-28 アンテナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11214918A true JPH11214918A (ja) 1999-08-06

Family

ID=11884851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1529598A Pending JPH11214918A (ja) 1998-01-28 1998-01-28 アンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11214918A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015508593A (ja) * 2011-12-23 2015-03-19 タイコ・エレクトロニクス・コーポレイションTyco Electronics Corporation 非接触コネクタ
JP2016149687A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 富士通株式会社 アンテナ装置
JP2021005795A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日本電気株式会社 偏波共用アレイアンテナ及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015508593A (ja) * 2011-12-23 2015-03-19 タイコ・エレクトロニクス・コーポレイションTyco Electronics Corporation 非接触コネクタ
JP2016149687A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 富士通株式会社 アンテナ装置
JP2021005795A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日本電気株式会社 偏波共用アレイアンテナ及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0716774B1 (en) A folded dipole antenna
US6697019B1 (en) Low-profile dual-antenna system
US6567055B1 (en) Method and system for generating a balanced feed for RF circuit
US5444452A (en) Dual frequency antenna
JP2002325014A (ja) 表面実装型アンテナ及びそれを用いた電子機器
JP2001217632A (ja) アンテナ及び電子機器
JP2001203529A (ja) アンテナ及びアンテナ装置及び電子機器
CN109565112B (zh) 天线装置
US20060152415A1 (en) Ceramic chip antenna
US5945950A (en) Stacked microstrip antenna for wireless communication
WO2008075156A1 (en) Antenna for a portable device
US6819288B2 (en) Singular feed broadband aperture coupled circularly polarized patch antenna
JPH07111413A (ja) アンテナ
JP2000151259A (ja) アンテナ
JPH11214918A (ja) アンテナ
JPH1188038A (ja) アンテナ
WO2023020011A1 (zh) 天线装置及智能电视
JP3189809B2 (ja) パッチアンテナおよびその特性調整方法
JP3006399B2 (ja) デュアルバンドアンテナ
JP2000114848A (ja) ダイバーシティアンテナ
JP2001024426A (ja) アンテナ素子及びそれを用いた円偏波アンテナ装置
US20100109962A1 (en) Circularly polarized antenna and an electronic device having the circularly polarized antenna
JP2000183644A (ja) アンテナ装置
JPH11195922A (ja) アンテナ装置
JPH10163738A (ja) 表面実装型アンテナ及びその実装方法