JPH11214802A - ファイバ回折格子安定化ダイオードレーザ - Google Patents

ファイバ回折格子安定化ダイオードレーザ

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JPH11214802A
JPH11214802A JP10233383A JP23338398A JPH11214802A JP H11214802 A JPH11214802 A JP H11214802A JP 10233383 A JP10233383 A JP 10233383A JP 23338398 A JP23338398 A JP 23338398A JP H11214802 A JPH11214802 A JP H11214802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラッグ式ファイバ回折格子を用いてダイオ
ードレーザの光度及び周波数の揺れの安定化を図る。 【解決手段】 ダイオードレーザ(26)は光学機械装置を
用いて、回折格子を内部に有するファイバ(32)に接続さ
れる。回折格子(34)は光ファイバの誘導モード領域に形
成される。回折格子の最大反射率の波長はダイオードレ
ーザの利得帯域の最大値の近傍になるように選択され
る。回折格子の反射率の大きさ及び帯域幅が、ファイバ
先端からの光学出力パワーをそれほど低下させることな
く、ダイオードレーザの出力を安定させる。ダイオード
レーザの光スペクトルの帯域幅の選択は回折格子のダイ
オードレーザからの距離によって決まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、例えば、固体フ
ァイバ増幅器またはファイバレーザなどのレーザを光学
的に励起するのに適した安定した光度と波長とを有する
狭帯域幅で強力な光を放出する安定化レーザ源に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本願発明の背景を説明する。光ファイバ
増幅器やレーザが急速に光通信システムの重要な構成要
素になってきている。光ファイバ増幅器はファイバ・オ
プティック通信経路に沿って減衰した光信号を強めるの
に用いられる。ファイバ・オプティック通信システムに
おいてはこれらが取り扱いの容易でない電気中継器に取
って代わり、本当の全ファイバの光通信システムの実現
が可能になっている。同様に、ファイバ・オプティック
通信システム用の光キャリア生成のために光ファイバの
レーザが提案されている。これらのレーザは外部的に変
調可能であったりモード固定可能であったりするが、場
合によってはファイバ・オプティック通信システムの強
力な光源としてダイオードレーザの代わりに用いられる
こともある。
【0003】ファイバ増幅器及びレーザはいずれも似た
ような原理に基づいて動作する。光ファイバの導波部分
の石英ガラスには、例えば、エルビウムなど希土類元素
のイオンがドープされている。エルビウムイオンの励起
状態の分布は誘導放出率が自然放出と吸収を超えた場
合、エルビウムイオンのエネルギー構造ではおよそ1530
〜1565nmの波長を有する信号の光がファイバ内で増幅さ
れるといった具合である。そうした状況において、光フ
ァイバに入射する利得帯域幅内の光は純利得を得て、増
大したパワーをもってファイバから出射することにな
る。例えば、ファイバの両端に適当な反射器を設置する
ことによってファイバでこの増幅された信号を再循環さ
せるような機構になっていれば、純利得が光学帯域幅内
の光の損失と等しい場合にファイバでレーザ作用が発生
する。いずれにおいても、エルビウムイオンを励起して
利得が発生するのに適した励起状態にもっていくことが
極めて重要である。これは波長が980nm近傍の光でエル
ビウムイオンを励起(ポンピング)することによって達
成できるが、この光は光ファイバの導波部分に結合され
た強力ダイオードレーザから供給されるのが最も都合が
よい。この部分の断面積が比較的小さければ確実に高光
度にすることができ、そのため信号波長のかなりの利得
を見込める。しかしながら、当業者は、そうした増幅器
やレーザによって生成される信号の特性は、ファイバ自
体を励起するのに用いられるダイオードレーザの性質に
よって大きく左右されることを認識するであろう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実際のシステムにおい
ては、ダイオードレーザは光学機械装置を用いて恒久的
且つ強固にドープ処理されていない光ファイバに接続さ
れ、続いて光増幅器またはレーザのドープ処理されたフ
ァイバに接続される。ダイオードレーザ、光学機械装置
及び光ファイバで構成される組立品をピグテール式ダイ
オードレーザと呼んでいる。現在、ピグテール式ダイオ
ードレーザの多くは、ポンプ型システムでノイズを発生
する波長や光度の不安定といった望ましくない特性を有
している。波長980nmのダイオードレーザにおける最も
厄介なダイオードレーザのノイズ源は、ダイオードレー
ザへの好ましくない可変性の光学的帰還や温度または投
入電流の変化によって発生するモード変動ノイズ及び波
長の揺らぎである。このノイズは、光通信増幅信号のエ
ラーを増大させ装置の実用性を落とすから、ファイバ増
幅器においては特に好ましくない。
【0005】そうしたダイオードレーザのノイズの影響
を少なくする技術はいろいろある。例えば、ダイオード
レーザ特性の揺れによって起きるファイバ増幅器の出力
の変動を検出して正しい位相で信号をダイオードレーザ
に帰還し、レーザの揺れを減らす能動的な電気システム
である。あいにく、この技術は増幅器のコストを上げる
と共にさらにそれを複雑なものにしてしまう。ダイオー
ドレーザの揺れを減らす受動的な方法を用いるのが好ま
しい。一つの魅力的な解決法はポンプダイオードレーザ
にそれ自身の光の一部を帰還させることである。これら
のレーザは光学的帰還に対して非常に反応しやすく、そ
うした帰還を正しく制御すればレーザ動作を向上させる
ことができる。帰還は通常の場合、鏡や回折格子など外
部反射器によってなされ、光を操作・誘導してダイオー
ドレーザ共振器から出したりそこに戻したりするにはレ
ンズなどの外部光学素子が必要である。外部光学素子や
外部反射器はかなりコンパクトなものが多いが、そうし
たシステムを調整するのは困難であると同時に費用もか
かり、また機械的温度的安定性についてもファイバ増幅
器やレーザに用いるには適当でないことが多い。ダイオ
ードレーザの特性を制御するもっと堅固な技術が必要で
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明の概要は、ピグ
テール式ダイオードレーザにブラッグ式ファイバ回折格
子を用いてダイオードレーザ共振器への光学的帰還を行
ない、そうすることによってダイオードレーザの周波数
をファイバ回折格子の周波数に固定することによりレー
ザのモード変動による縦方向のノイズを減らすものであ
る。ブラッグ式ファイバ回折格子は、ファイバに沿って
伝播する或る特定の波長の光を反射する光ファイバの誘
導モード部内か又はその近傍における屈折率変化の周期
的構造である。反射光はファイバ内を入射光の方向とは
反対の方向に伝播する。ダイオードレーザはブラッグ式
ファイバ回折格子を備えるファイバにピグテールで接続
され、しかも回折格子の帯域幅の中心がレーザの利得帯
域幅以内であれば、ダイオードレーザの光のスペクトル
に影響する。その影響の程は、回折格子の反射性の大き
さや帯域幅、レーザに対する回折格子の中心波長、レー
ザと回折格子との間の間隔、ダイオードレーザへの投入
電流の大きさなどのパラメータによって左右される。多
くの場合、レーザの特性は、所定の応用装置によって改
善させることができる。
【0007】本願発明による装置は、ダイオードレー
ザ、光ファイバにレーザ光放出の焦点を合わせる手段、
及び光ファイバの導波部内かまたはその近傍に形成され
る回折格子とで構成される。これらの態様の一つにおい
て、本願発明は、非常に狭い帯域幅で複数の縦モードを
有する安定したレーザ源を生成する装置からなり、その
装置は実質的に単一の空間モードで光を放出するダイオ
ードレーザからなる。光ファイバを設置し、そのファイ
バの一部分においてダイオードレーザの少なくとも一つ
のモードで誘導が可能である。ダイオードレーザから放
出された光を光ファイバへと方向指示する手段を備え
る。ブラッグ式ファイバ回折格子は光ファイバの誘導モ
ード部分の領域に形成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、先行技術によるピグテー
ル式ダイオードレーザを含むファイバ増幅器10を表す。
光ファイバ14は、増幅効果を得るためにエルビウム(数
字16で示す)でドープ処理され、そしてドープ処理され
ていないファイバ13に連結されている。増幅効果はエル
ビウム原子をおよそ980nmの光で励起することによって
得られる。これは、オプトエレクトロニクス・カプラ18
を用いて980nmの光源を透過ファイバ15からの透過光(1
550nm)に結合することによって達成される。
【0009】980nmの光源は先行技術においてはレンズ2
3によってドープ処理されていないファイバ24に結合さ
れたレーザダイオード22で構成されるピグテール式レー
ザダイオード20によって提供される。先行技術における
ピグテール式レーザダイオードの限界については先に説
明した。図2は、本願発明によるピグテール式ダイオー
ドレーザの概略図である。
【0010】図3は、先行技術のピグテール式ダイオー
ドレーザと本願発明のピグテール式ダイオードレーザと
の出力のスペクトルを比較するグラフである。図4は、
図1 に示した先行技術のファイバ増幅器と図2 に示した
本願発明のピグテール式ダイオードレーザとを組み合わ
せた実施態様の概略図である。図1は、先行技術による
ピグテール式ダイオードレーザを含むファイバ増幅器10
を表す。光ファイバ14は、増幅効果を出すためにエルビ
ウム(数字16で示す)でドープ処理され、そしてドープ
処理されていないファイバ13に連結されている。増幅効
果はエルビウム原子をおよそ980nmの光で励起すること
によって得られる。これは、オプトエレクトロニクス・
カプラ18を用いて980nmの光源を透過ファイバ15からの
透過光(1550nm)に結合することによって達成される。
【0011】980nmの光源は先行技術においてはレンズ2
3によってドープ処理されていないファイバ24に結合さ
れたレーザダイオード22で構成されるピグテール式レー
ザダイオード20によって提供される。先行技術における
ピグテール式レーザダイオードの限界については先に説
明した。図2は、本願発明の好適な実施例によるピグテ
ール式レーザダイオードを示したものである。ダイオー
ドレーザ26は単一空間モードで放射し、典型的にはInGa
As半導体材から量子ウェルエピタキシャル型構造もしく
は指数ガイド型構造によって製造される。ダイオードレ
ーザは電流の投入によって励起するのが最も都合がよ
い。必要な特性を有するダイオードレーザが市販されて
いる。
【0012】ダイオードレーザ26は前方の出発射面27か
ら主として放射する構成になっている。拡散されたレー
ザ発散光28は焦点調整システム30によって光ファイバ32
の誘導モード部分に向けられるが、この光ファイバ32は
心線内にブラッグ式ファイバ回折格子を有する。好適な
実施例の焦点調整システムでは、レーザダイオード出力
をファイバ32に焦点を合わせるために数字36で表示した
レンズ・システムからなっている。代替として、放射さ
れた光の実質的な一部分をファイバで集めるようにダイ
オードレーザの近傍にファイバを設置することもでき
る。
【0013】光ファイバ32は典型的にはファイバの光導
特性の向上を図るため極微量の添加物を含有する石英ガ
ラスから作られている。ファイバ回折格子34はダイオー
ドレーザに対して光学的帰還を行なう。このファイバ回
折格子34はリソグラフィ技術を用いてファイバ34の誘導
モード部分近傍をエッチングするか、もっと一般的に
は、高フルエンスの紫外線の周期的光度変動パターンに
ファイバを露光して作成できる。後者の技術を用いて回
折格子を製造する場合、心線が回折格子を形成する紫外
線に反応しやすくなるようにファイバの心線はゲルマニ
ウム濃度を有しているのがよい。ファイバ34はダイオー
ドレーザの発光波長で単一または複数の空間モードを保
持するものでもよい。ファイバ回折格子34は最大反射率
がダイオードレーザの発光波長の10nm以内になるように
選択されるが、その反射率はダイオードレーザの出射面
の反射率と類似している。回折格子の反射率の帯域幅は
典型的には0.05nmから1nmである。レーザへの光学的帰
還の量が或る特定の大きさ以上である場合、回折格子34
とレーザダイオード26とが数百ミクロメートルから数キ
ロメートル離して配置されていればシステムはうまく機
能する。そのような構成を用いると、ダイオードレーザ
は固体増幅器やレーザを励起するのに適した向上した改
善特性を有するようになる。
【0014】ファイバ34が捕える光は、ファイバの損失
特性によって限定される以外、通常の場合ファイバを限
りなく伝播していく。ブラッグ式ファイバ回折格子34は
このファイバの誘導モード部もしくは心線の中に作られ
る。この回折格子は最大反射の波長がダイオードレーザ
の利得帯域幅以内になるように作られる。この回折格子
はダイオードレーザの放射光の一部がファイバ及び焦点
調整システムを通ってダイオードレーザに戻るように反
射する。残りの光学出力はファイバ回折格子を通ってフ
ァイバをずっと伝わっていく。
【0015】ダイオードレーザの光学出力の特性に対す
るファイバ回折格子の影響はファイバ回折格子から形成
される結合された共振器の波長依存型損失を考慮するこ
とによって説明がつく。当業者であれば、ファイバ回折
格子からの光学的帰還はファイバ回折格子の帯域幅内で
レーザ共振器からの光の損失を低減するのに有効である
ことを認識するであろう。レーザは最低損失波長の近傍
で優先的に動作することはよく知られている。従って、
ダイオードレーザの波長をレーザのフリーランの値から
ファイバ回折格子の波長にシフトすることが可能であ
る。このシフトは、回折格子からの反射率の大きさが十
分である場合、ファイバ回折格子の波長がダイオードレ
ーザの利得帯域幅内であれば、発生し得る。
【0016】光学的帰還の条件下でのダイオードレーザ
の動作はレーザ共振器自体の影響によって複雑になるこ
とがあるが、それはレーザ共振器自体が半導体チップの
端面で形成されている場合である。図4は、ピグテール
式ダイオードレーザを含むファイバ増幅器10を表す。光
ファイバ14は、図1により説明したように、増幅効果を
出すためにエルビウムでドープ処理され、そしてドープ
処理されていないファイバ 13 に連結されている。この
場合も、オプトエレクトロニクス・カプラ18を用いて約
980nmの光源を透過ファイバ15からの透過光(1530〜156
5nm)に結合することによって達成できる。
【0017】約980nmの光源はレンズ36によってドープ
処理されていないファイバ32に結合されたレーザダイオ
ード26で構成されるピグテール式レーザダイオードによ
って提供される。本願発明では光源が安定していること
が重要であり、そのような状況下でファイバ増幅器が効
果を奏する。本願発明の好適な実施例においては、回折
格子の反射率並びに波長は、ダイオードレーザ共振器か
らの広帯域幅帰還がファイバ回折格子からの帰還より大
きくなるように、選択される。この状況において、ファ
イバ回折格子からの帰還はダイオードレーザ共振器内で
形成されるコヒーレントな電界の摂動としての働きをす
る。この摂動はダイオードレーザ発光のコヒーレンスを
破る働きをし、それによって発光帯域幅が数桁分広が
り、その結果図3の曲線Aで示すような分光分布にな
る。ブラッグ式ファイバ回折格子はダイオード共振器の
出力を回折格子の固定波長に固定すると共に外部共振器
の複数の縦モードをその波長を中心として設定するのに
有効である。この複数の縦モードがあることによってダ
イオードレーザのモード変動ノイズが低減する。これ
は、ダイオードレーザのコヒーレンス崩壊と呼ばれる。
さらに、発光の中心波長は依然としてフイバ回折格子か
らの最大反射の波長の近傍値のままである。ダイオード
レーザはこのように回折格子の帯域幅内で動作すべく制
約されるので、温度や電流の変化が原因でダイオードレ
ーザの波長が大きく揺れることがない。さらに、レーザ
はファイバ回折格子を越えて配置される反射型構成要素
からの外来的な光学的帰還によって摂動を起こされるこ
とはないが、それはその外来的な光学的帰還がファイバ
回折格子による光学的帰還より小さいことを前提とした
場合である。
【0018】本願発明のよるダイオードレーザには、フ
リーラン型のダイオードレーザに見られるようなレーザ
共振器の単一縦モードの遷移がない。そうした遷移は遷
移期間中2つのモード間の競合によって引き起こされる
ダイオードレーザ出力の光度が大きく揺れる原因とな
る。そうしたモードの遷移は、例えば、レーザの投入電
流や温度の変化が原因で起こり、光学増幅器やファイバ
レーザの動作を害する。本願発明の光学的出力は外部共
振器の20以上の縦モードからなる。これらのモード間
の光学的出力の振り分けが変化することがあるが、単一
モード、フリーラン型のダイオードレーザに比べるとレ
ーザ光度の揺れは遥かに小さい。
【0019】ダイオードレーザ・システムのファイバの
先端からの出力パワーはファイバ内の回折格子の存在に
よってほんのわずかな影響しか受けない。反射の弱い回
折格子では、ファイバからの出力パワーはおよそ(1-Rg)
だけ低下する。ここで、Rgは回折格子の最大反射率であ
る。レーザのしきい値での投入電流は回折格子があるこ
とによってわずかに低下する。この影響によってファイ
バからの出力パワーが上がるので前述のパワーの低下が
取り消される。
【0020】本願発明の範囲は, ファイバ回折格子がダ
イオードレーザからの任意の長さであるようなシステム
からなる。但し、この長さはダイオードレーザの動作に
影響する。レーザ発光のコヒーレンス崩壊を確実に保持
するため、ファイバ回折格子はダイオードレーザの前面
から十分に光学距離を置いたところに配置されている。
この距離は、前述した光学的帰還の条件下でダイオード
レーザのコヒーレント長よりはるかに長くなければなら
ない。そうすることでファイバ回折格子からの光学的帰
還がインコヒーレンスを維持し、それ故にコヒーレンス
崩壊の状態を維持するレーザが保証される。回折格子が
ダイオードレーザの数センチメートル以内に配置される
と、ファイバ回折格子からの帰還はレーザ共振器内部の
電界とコヒーレントになることがあり、その結果ダイオ
ードレーザが非常に狭い線幅で動作することになる。応
用分野によってはそうした放射が非常に有効であるが、
ファイバ増幅器やレーザを励起するのに用いるには安定
性に欠ける。それはレーザの動作特性が変化するとレー
ザ共振器のモード遷移ノイズが発生するためである。さ
らに、ダイオードレーザのコヒーレンスからインコヒー
レンスの動作への遷移を避けられないので光度の揺れを
生じることになり、ファイバ光学増幅器及びレーザの動
作を害する。
【0021】本願発明は、低複屈折の光ファイバを用い
ており、これは応力が与えられると誘導領域の電磁界の
極性を維持することができない。従って、例えば、ファ
イバが曲がって応力を受けると、ファイバ内を伝播しか
つ反射されてダイオードレーザに戻る光の偏りは、レー
ザから放出される光のそれとは異なる偏光状態にある。
ダイオードレーザは異なる偏光の光学的帰還に対しては
有効に反応しないから、ダイオードレーザ・システムの
特性は最適ではないかもしれない。しかしながら、共振
器の長さが数メートル以下で湾曲の半径が10cm以上の長
さであれば、一般的にレーザシステムの特性は先に述べ
た改善を達成するのに依然として十分である。従って、
本願発明では光学的帰還の偏光を制御する対策を講ずる
必要がない。
【0022】本願発明の好適な実施例においては、応力
変形層InGaAs多量子ウェルダイオードレーザを効率60%
の非球面レンズシステムを有する光ファイバに結合させ
ている。効率は60%である。レーザは一般的に965〜1025
nmで光を放出する。ファイバ回折格子は反射の帯域幅が
0.2〜0.3nmで最高反射率はおよそ3%である。従って、フ
ァイバ回折格子からみた有効反射率Reffは一般的に以下
のようになる。 Reff =η2 Rg ここで、ηは単一のダイオードレーザから光ファイバへ
の光の結合効率で、Rgはファイバ回折格子の最大反射率
である。例えば、この特定値に対して、(0.6)2(3%)=1.0
8%が成り立つ。これに対してダイオードレーザの前面
は、公称反射率4%である。この程度の光学的帰還は、十
分な光がファイバ回折格子を通過できると共にダイオー
ドレーザのコヒーレンス崩壊を保持するのに十分である
から、使用可能なパワーを最大限活用する。回折格子の
反射率の波長は名目上ではダイオードレーザの波長の10
nm以内である。回折格子の長さは1〜2mmである。レーザ
放射のコヒーレンス崩壊の保持を確実にするために、フ
ァイバ回折格子はダイオードレーザの前面から少なくと
も50cm距離を置いて配置される。レーザシステムのコヒ
ーレンスを保持するのが望ましければ、ファイバ回折格
子はダイオードレーザの出射面に極力近づけて配置すべ
きで、数センチメートル以上の距離を置くべきではな
い。
【0023】好適な実施例における光ファイバからの出
力パワーは最高で数パーセント低下する。最高反射率が
3%のファイバ回折格子を備えるファイバでピグテールに
した150Mwのダイオードレーザは、実験上の不確実さの
範囲ではファイバからの出力パワーが90Mwを越えること
があり、それは回折格子を有しないファイバからの出力
パワーとほぼ同じである。
【0024】図3に本願発明の光学的出力のスペクトル
を示す。この図から解かるように、曲線Bはファイバ回
折格子を有しない980nmのInGaAsピグテール型ダイオー
ドレーザの出力スペクトルである。広帯域幅の外部反射
器からダイオードレーザへおよそ0.5%の帰還があり、そ
れが原因でレーザの波長が不安定になる。曲線Aにおい
て、ダイオードレーザは同じ条件下で動作しているが、
最高反射率3%、帯域幅0.3nmのファイバ回折格子があ
る。出力スペクトルの向上は明らかである。本願発明の
出力はレーザダイオードの投入電流や温度が大きく変化
した場合でも安定している。
【0025】従って、場合によってはレーザダイオード
の温度制御が不要になり、引いてはレーザの冷却器や関
連制御電子装置が不要になる。レーザの温度の制御に要
するパワーもその分低下する。
【0026】
【産業上の利用可能性】以上のように本願発明は非常に
安定した強力な光の放出源を提供するものであり、そう
した放出源を用いて励起しなければならない光学増幅器
やレーザの特性及び安定性を向上させることが今や明ら
かである。好適な実施例については図4でファイバ増幅
器との使用において説明した。これは当業者であれば、
ファイバレーザとの組み合わせでも使用できることを認
識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術でのファイバ増幅器に接続されたピグ
テール式ダイオードレーザの概略図である。
【図2】本願発明のピグテール式ダイオードレーザの概
略図である。
【図3】先行技術のピグテール式ダイオードレーザと本
願発明のピグテール式ダイオードレーザとの出力スペク
トルの比較を表すグラフである。
【図4】本願発明の実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
10 ファイバ増幅器 13 光ファイバ 14 エルビウムをドープされた光ファイバ 18 カプラ 26 ダイオードレーザ 27 出射面 28 レーザ発散光 30 焦点調整手段 32 光ファイバ 34 ブラッグ式ファイバ回折格子 36 レンズ手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598113014 80 Rose Orchard Way San Jose California 95134 U.S.A (72)発明者 ロジャーズ グラント カナダ国 ブリティッシュ コロンビア ブイ8エックス 1シー9 ビクトリア ウィックロー ストリート 3248

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1 の光共振器及び出力を有する利得媒体
    と、 前記第1 の光共振器内にあり第1 の反射レベルを有する
    少なくとも一つの反射素子と、 前記第1 の光共振器に光学的に結合される光ファイバ
    と、 前記光ファイバに伴う反射素子であって、前記出力の一
    部が、波長の狭帯域を越えて反射されて、前記第1 の共
    振器に戻るための補足的な反射レベルを有する当該反射
    素子と、 前記補足的な反射レベルは前記第1 の反射レベルとほぼ
    同等かそれより小さいことを特徴とする光学的帰還シス
    テム。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記利得媒体が少なく
    とも部分的に前記反射率帯域とオーバラップする利得帯
    域を有する半導体レーザであることを特徴とする光学帰
    還システム。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記ファイバが単一モ
    ードファイバであることを特徴とする光学帰還システ
    ム。
  4. 【請求項4】請求項2において、前記反射素子が前記レ
    ーザのコヒーレント長以内に配置されることを特徴とす
    る光学帰還システム。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記反射素子が前記レ
    ーザのコヒーレント長を越えて配置されることを特徴と
    する光学帰還システム。
  6. 【請求項6】請求項2において、利得帯域と反射率帯域
    との前記オーバラップが動作条件の範囲を越えて前記レ
    ーザの動作波長を安定化させることを特徴とする光学帰
    還システム。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記動作条件の少なく
    とも一つが周囲温度の変化であることを特徴とする光学
    帰還システム。
  8. 【請求項8】請求項2において、前記半導体レーザは I
    nGaAs の応力変形層量子ウェル利得媒体を有することを
    特徴とする光学帰還システム。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記反射素子の反射率
    ピークは前記利得媒体のピーク利得の10nm以内であるこ
    とを特徴とする光学帰還システム。
  10. 【請求項10】請求項8において、前記反射素子は前記レ
    ーザのコヒーレント長を越えて配置されることを特徴と
    する光学帰還システム。
  11. 【請求項11】請求項2において、前記反射素子と前記レ
    ーザ源との間の空間距離はコヒーレント崩壊を起こす距
    離より長いことを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】請求項2において、前記反射素子と前記レ
    ーザ源との間の空間距離は前記レーザ源のコヒーレント
    長より小さいことを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】請求項1において、前記反射素子の反射率
    ピークが前記利得媒体のピーク利得の10nm以内であるこ
    とを特徴とする光学帰還システム。
  14. 【請求項14】請求項1において、前記反射素子は約0.05
    nmと2nmとの間の反射帯域幅を有することを特徴とする
    光学帰還システム。
  15. 【請求項15】請求項1において、前記反射素子は前記光
    ファイバに形成されたブラッグ式回折格子であることを
    特徴とする光学帰還システム。
  16. 【請求項16】安定したレーザ源を発生する装置におい
    て、 レーザ型共振器を有しかつレーザ面から光線を出力し、
    当該レーザ面は前記光線の一部が前記レーザ共振器に光
    学帰還されるように部分反射率レベルを有し、前記光線
    出力は前記レーザ源の瞬時動作特性に依存する光の波長
    帯域であるレーザ源と、 前記光線を光ファイバに受光するために前記レーザ源と
    接合された入力先端を有してなる当該光ファイバと、 前記光ファイバ内に形成された回折格子であって、反射
    率帯域を有し当該反射率帯域によって定められる選択波
    長を部分的に前記レーザ型共振器に反射して戻す当該回
    折格子とからなり、 前記光ファイバ回折格子の反射率レベルは前記レーザ源
    の面の反射率レベルとほぼ同じかまたはそれより小さく
    してなることを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】請求項16において、光のスペクトルの安
    定性及び強度を向上させるため前記ファイバ回折格子は
    前記レーザ源の複数の縦モード動作を引き起こすように
    前記レーザ源から十分に間隔をおいて配置されているこ
    とを特徴とする装置。
  18. 【請求項18】請求項17において、前記レーザ源が応力
    変形層 InGaAs 量子ウェルを含むことを特徴とする装
    置。
  19. 【請求項19】請求項16において、前記ファイバ入力先
    端の結合がレンズからなることを特徴とする装置。
  20. 【請求項20】請求項16において、前記ファイバ入力先
    端の結合は前記レーザ源の面に対して当該入力先端の閉
    じた位置で構成されてなることを特徴とする装置。
  21. 【請求項21】請求項16において、前記回折格子は、当
    該回折格子を備えていない場合の前記レーザ源の放射波
    長の10nm以内の最大反射率を有してなることを特徴とす
    る装置。
  22. 【請求項22】請求項16において、前記回折格子の反射
    帯域幅がおよそ0.05nmから2nmまでの範囲であることを
    特徴とする装置。
  23. 【請求項23】請求項16において、前記回折格子の波長
    帯域幅の最大反射率の波長が前記レーザ源の利得帯域幅
    内であることを特徴とする装置。
  24. 【請求項24】請求項16において、前記回折格子の有効
    反射率 Reff は Reff=η2 Rg であり、ここでηは光ファイバへのダイオードレーザ光
    学出力の結合効率で、Rgはブラッグ式ファイバ回折格子
    (34)のピーク反射率であり、前記回折格子の有効反射
    率は前記レーザ源の面の有効反射率レベルと同じかまた
    は3倍以上低いことを特徴とする装置。
  25. 【請求項25】請求項16において、前記回折格子の前記
    ファイバ入力先端からの間隔は前記光線出力のコヒーレ
    ント長より大きいことを特徴とする装置。
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