JPH11214773A - 固体レーザ発振器及びレーザマーキング装置 - Google Patents

固体レーザ発振器及びレーザマーキング装置

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JPH11214773A
JPH11214773A JP10009922A JP992298A JPH11214773A JP H11214773 A JPH11214773 A JP H11214773A JP 10009922 A JP10009922 A JP 10009922A JP 992298 A JP992298 A JP 992298A JP H11214773 A JPH11214773 A JP H11214773A
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JP
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filter tube
laser
solid
reflection layer
sealing ring
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JP10009922A
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Inventor
Joji Okada
穣治 岡田
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Keyence Corp
Original Assignee
Keyence Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタ筒の両端面に弾接する封止リングが
励起光の照射により劣化することを防止し、冷却水の漏
れ出しを伴うことなく長期の運転が行えるようにする。 【解決手段】 レーザロッド1及び励起ランプ2の挿通
孔3a,3bを備え、その外側に拡散反射層30が形成された
フィルタ筒3の端面と、このフィルタ筒3を支持するエ
ンドキャップ5との間を、夫々に弾接するOリング6に
より封止する構成において、Oリング6に弾接するフィ
ルタ筒3の端面に反射層7を形成し、この反射層7によ
り、励起ランプ2が発する励起光を反射してOリング6
への照射を防ぎ、この照射によるOリング6の劣化を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、YAGレーザ等の
固体レーザ発振器、及びこれを用いたレーザマーキング
装置に関し、更に詳しくは、これらにおいて誘導放出光
の発生源として用いられるレーザチャンバの構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の物品の表面にレーザビームを照射
し、文字、図形等のパターンをマーキングするレーザマ
ーキング装置は、消えることのないパターンを形成し得
ることから、近年におけるPL法(製造物責任法)の施
行に伴って注目を浴びる存在となっており、特に、YA
G(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ
に代表される固体レーザを利用したレーザマーキング装
置は、高いレーザ出力が得られると共に、小スポットへ
の集光が容易であり、金属、樹脂、セラミックス等、対
象物品の素材を選ばず、非接触下にて微細なパターンを
形成し得るマーキング装置として、各種の産業分野にお
いて広く用いられるようになっている。
【0003】固体レーザによるレーザマーキングは、レ
ーザ発振器が発する固体レーザのビームを、走査光学系
の動作により適宜に走査しつつ対象物品の表面に照射し
て行われる。YAGレーザの発振器は、適量のNd(ネ
オジウム)が添加されたYAGの棒状結晶体である活性
物質のロッド(レーザロッド)と棒状をなす励起ランプ
とを内蔵するレーザチャンバと、該レーザチャンバから
後述の如く放射される誘導放出光の光路に沿って所定の
距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び反射ミラー
とを備え、これらのミラー間に、アパーチャ(モードセ
レクタ)、Qスイッチ、レーザシャッタ等の必要部品を
配した構成となっている。
【0004】反射ミラーは、実質的な全反射が可能なミ
ラーであり、また出力ミラーは、照射光の一部を透過さ
せ得る反射率を有するミラーであって、レーザチャンバ
から発せられる誘導放出光は、出力ミラーと反射ミラー
との間での多重反射の間に増幅されてレーザビームとな
り、出力ミラーを透過して、走査光学系を内蔵する走査
ヘッドに出射される。
【0005】アパーチャは、レーザロッドの口径よりも
小さい開口を誘導放出光の光路の中心に合わせて配され
た遮蔽板であり、不要なモードの発振を抑えるモード選
別作用をなす。このモード選別は、マーキングの品質向
上を図るために必要である。またQスイッチは、出力ミ
ラーと反射ミラーとの間を往復する誘導放出光の光路を
短周期にて通断し、共振器としてのメリット数(Q値)
を高めて、高速でレーザビームのオンオフを制御する動
作をなす。
【0006】以上の如き固体レーザ発振器において、誘
導放出光の発生源となるレーザチャンバは、クリプトン
・アークランプ等を用いてなる前記励起ランプが発する
高強度の励起光を前記レーザロッドに効率良く照射する
ことにより、該レーザロッドの両端から誘導放出光を放
射させる動作をなすものであり、図4に示す如く構成さ
れている。
【0007】図において1はレーザロッド、2は励起ラ
ンプであり、これらは、フィルタ筒3に形成された各別
の挿通孔3a,3bに挿通され、該フィルタ筒3と共に、基
台4上に横架支持されている。
【0008】図5は、図4のV−V線によるフィルタ筒
3の横断面図である。図示の如くフィルタ筒3は、長円
形断面を有する石英ガラス製の筒体であり、レーザロッ
ド1の吸収波長域の光を透過させる光フィルタとしての
作用をなす。前記挿通孔3a,3bは、フィルタ筒3の断面
の2か所の中心位置に、フィルタ筒3を長手方向に貫通
する貫通孔として互いに平行をなして形成されている。
これらの挿通孔3a,3bに夫々挿通されるレーザロッド1
及び励起ランプ2は、後述する支持により、挿通孔3a,
3bの内側に適宜の隙間を有して同軸的に位置決めされて
いる。
【0009】フィルタ筒3の外側は、所定の厚さの拡散
反射層30により覆われている。この拡散反射層30は、フ
ィルタ筒3の外側に、これよりもやや大寸の拘束チュー
ブ31を配置し、両者間に形成された環状の隙間に、高い
光反射率を有する硫酸バリウム(BaSO4 )の粉体を
詰め込み、フィルタ筒3の長手方向の両端部を接着剤に
より固めて形成されている。
【0010】前記基台4の上面には、フィルタ筒3の支
持部材としての一対のエンドキャップ5,5が所定長離
隔して立設されている。これらのエンドキャップ5,5
は、夫々との対向面にフィルタ筒3の断面に対応する凹
所5a,5a(図6参照)を有しており、フィルタ筒3は、
夫々の両端部をこれらの凹所5a,5aに嵌め込み、エンド
キャップ5,5間に挾持される態様に基台4の上面と略
平行をなして支持されている。
【0011】また前記レーザロッド1及び励起ランプ2
は、フィルタ筒3の両側への突出部をエンドキャップ
5,5の対応位置に形成された各別の支持孔に挿通さ
せ、夫々の端部をエンドキャップ5,5の外側に突出さ
せた状態に支持されており、励起ランプ2は、エンドキ
ャップ5,5からの突出端に接続された図示しない給電
ソケットからの給電により点灯、発光するようになして
ある。
【0012】以上の如く生じる励起ランプ2の発光は、
フィルタ筒3を透過する光が拡散反射層30に達し、これ
により拡散反射されてレーザロッド1に効率良く照射さ
れることとなり、該レーザロッド1は、エンドキャップ
5,5の外側への突出端から誘導放出光を放射し、この
誘導放出光が前述した出力ミラーと反射ミラーとの間で
の多重反射によりレーザビームとなって出射される。
【0013】このような動作をなすレーザチャンバ10に
おいては、励起ランプ2が発する励起光がレーザロッド
1から放射される誘導放出光に変換される際の変換効率
は高々数%程度に過ぎず、前記励起ランプ2の点灯に
は、数kwにも及ぶ多大の電力を要し、この点灯に伴う
発熱量が大きいことから、レーザロッド1及び励起ラン
プ2を、これらを収納する前記フィルタ筒3と共に、外
部から連続供給される冷却水により水冷する水冷構造が
採用されている。
【0014】図4に示す如く、フィルタ筒3の両側を支
持するエンドキャップ5,5の内側は空洞となってお
り、これらは、基台4の対応位置に形成された給水路4
0、及び排水路41と夫々連通され、フィルタ筒3の端面
との間に介装されたOリング6と、レーザロッド1及び
励起ランプ2の支持孔に夫々巻着されたOリングとによ
り液密に封止して、冷却水の導入室50及び導出室51を構
成している。
【0015】図6は、前記Oリング6の装着位置近傍の
拡大図である。図示の如くOリング6は、フィルタ筒3
の嵌め込みのためにエンドキャップ5に設けた凹所5aに
装着され、該凹所5aの底面とフィルタ筒3の端面とに弾
接せしめられている。このOリング6は、図5中に破線
により示す如く、前記レーザロッド1及び励起ランプ2
の挿通孔3a,3bの開口部の外側に位置し、これらを一括
して封止する構成となっている。
【0016】レーザチャンバ10の冷却水は、前記基台4
の側面に接続された図示しない給水ホースから前記給水
路40に供給され、図4中に矢符にて示す如く、この給水
路40と連通する前記導入室50に導入される。該導入室50
内への挿通孔3a,3bの開口部は、図5に示す如く、夫々
に挿通されたレーザロッド1及び励起ランプ2の外側に
環状の隙間を有しており、導入室50に導入された冷却水
は、夫々の環状隙間に流入し、高速度の乱流として他方
のエンドキャップ5に向けて流れ、この間に、レーザロ
ッド1及び励起ランプ2を外側から、またフィルタ筒3
を内側から効率良く冷却する。
【0017】他方のエンドキャップ5に形成された導出
室51と連通する排水路41には、図示しない排水ホースが
接続されており、挿通孔3a,3bを通流する冷却水は、導
出室51及び排水路41を経て排水ホースに排出される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の如く
構成されたレーザチャンバ10を備える固体レーザ発振器
においては、その運転中に、フィルタ筒3の両端面に弾
接するOリング6,6が早期に光と熱とによって劣化
し、該Oリング6,6の装着位置から冷却水が漏れ出す
という不具合があった。
【0019】冷却水の漏れ出しが生じた場合、レーザチ
ャンバ10の周辺機器に漏電等の事故を招来する虞れがあ
る上、フィルタ筒3の外側の拡散反射層30を構成する硫
酸バリウムの粉体に冷却水が吸収されて、これの内部で
蒸発することにより、石英ガラス製のフィルタ筒3、及
びこれの内部のレーザロッド1及び励起ランプ2が破損
する虞れさえあり、この漏れ出しの原因となる前記Oリ
ング6,6の劣化を防止することが重要な課題となって
いる。
【0020】Oリング6,6は、前述した如く、フィル
タ筒3の端面に弾接しており、該フィルタ筒3は、運転
中に励起ランプ2の発熱により加熱される。そこで、こ
れらのOリング6,6として、耐熱性に優れた材料を使
用することにより劣化を軽減し得るものと考えられる。
しかしながらこのようにした場合においても、実際に得
られる劣化防止効果は小さく、冷却水の漏れ出しを有効
に防止することはできなかった。また、Oリング6,6
に代えて、Xリング、Vリング等の他の形式の封止リン
グを用いた場合においても同様であった。
【0021】このように従来においては、フィルタ筒3
の両端部を封止する封止リング(Oリング6,6)の劣
化を防ぎ得ず、冷却水の漏れ出しに伴う前述した不都合
を未然に解消するために前記Oリング6,6の頻繁な交
換を強いられる結果、長期に亘って安定した運転をなし
得ないという問題があった。
【0022】本発明者は、フィルタ筒3の両端面に弾接
するOリング6,6の劣化原因を明らかにすべく調査を
行った。この結果、Oリング6,6の劣化は、フィルタ
筒3から伝わる熱によるものだけではなく、図6中に矢
符により示す如く、励起ランプ2から発せられ、拡散反
射層30に反射されてフィルタ筒3を透過し、Oリング
6,6に照射される高強度の励起光そのものの作用が大
きく、Oリング6,6の劣化が生じることを知見した。
【0023】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、フィルタ筒の両端面に弾接する封止リングが励
起光の照射により劣化することを有効に防止し、冷却水
の漏れ出しを伴うことなく長期の運転が可能となる固体
レーザ発振器、及びこれを用いたレーザマーキング装置
を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
固体レーザ発振器は、レーザロッド及び励起ランプの挿
通孔とこれらの外側を囲む拡散反射層とを備えるフィル
タ筒と、該フィルタ筒の両端部を、夫々の側への前記レ
ーザロッド及び励起ランプの突出部と共に支持する支持
部材と、該支持部材と前記フィルタ筒との対向面に弾接
し、該フィルタ筒の端面を封止する封止リングとを備
え、フィルタ筒を透過した励起ランプの発光を拡散反射
層により反射してレーザロッドに照射し、誘導放出光を
放射させる一方、これに伴う前記レーザロッド、励起ラ
ンプ及びフィルタ筒の発熱を、前記封止リングによる封
止下にて前記挿通孔に導入される冷却水により冷却する
構成としたレーザチャンバを備える固体レーザ発振器に
おいて、前記フィルタ筒の端面と封止リングとの間に両
者の弾接部を含めて形成してあり、前記フィルタ筒の透
過光を反射して、前記封止リングへの照射を緩和する反
射層を具備することを特徴とする。
【0025】本発明においては、封止リングとこれに弾
接するフィルタ筒の端面との間に、両者の弾接部を含め
て反射層を形成し、この反射層により劣化の原因となる
励起光を反射して封止リングの劣化を防止する。またこ
の反射層は、フィルタ筒から封止リングへの伝熱を防ぐ
放熱板としての作用をなし、熱の作用により封止リング
の劣化を防止する。
【0026】また第2発明に係る固体レーザ発振器は、
前記反射層がフィルタ筒の端面に金箔を貼着して形成し
てあることを特徴とする。
【0027】また第3発明に係る固体レーザ発振器は、
前記反射層が封止リングの外面に金箔を貼着して形成し
てあることを特徴とする。
【0028】これらの発明においては、フィルタ筒の端
面又は封止リングの外面に金箔を貼着することにより、
励起光を良好に反射する反射層を容易に形成する。
【0029】また第4発明に係る固体レーザ発振器は、
前記反射層がフィルタ筒の端面への金蒸着により形成し
てあることを特徴とする。
【0030】また第5発明に係る固体レーザ発振器は、
前記反射層が封止リングの外面への金蒸着により形成し
てあることを特徴とする。
【0031】これらの発明においては、フィルタ筒の端
面又は封止リングの外面に金を蒸着することにより、励
起光を良好に反射する反射層を確実に形成する。
【0032】また本発明に係るレーザマーキング装置
は、第1〜第5発明の固体レーザ発振器をマーキング用
のレーザビームの発生源として備えることを特徴とす
る。
【0033】本発明においては、冷却水の漏れ出しを防
止し得るレーザチャンバを備えることにより、封止リン
グの頻繁な交換を強いることなく長期に亘る安定した運
転を可能とする。
【0034】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る固体
レーザ発振器を備えたレーザマーキング装置の全体構成
を示す正面図である。
【0035】図示の如く本発明に係る固体レーザ発振器
は、箱形をなす支持ケース11の内部にレーザチャンバ10
を備えてなる。該レーザチャンバ10の構成は、図4に示
すそれと同様であり、支持ケース11の底板に固定された
基台4と、該基台4の上面に立設された一対のエンドキ
ャップ5,5と、これらのエンドキャップ5,5間に横
架支持されたフィルタ筒3と、該フィルタ筒3内に収納
されたレーザロッド1及び励起ランプ2とを備えてな
る。
【0036】レーザロッド1及び励起ランプ2は、夫々
の両端部をエンドキャップ5,5の外側に突出させてお
り、励起ランプ2の突出端には、図示しない給電用のソ
ケットが接続され、この励起ランプ2の発光を照射され
たレーザロッド1の両端部から、図中に一点鎖線にて示
す如く、その軸心上に誘導放出光が放射されるようにな
してある。
【0037】レーザチャンバ10の一側には、同側への前
記誘導放出光の光路上に、アパーチャAと出力ミラーM
1 とがこの順に並設されている。またレーザチャンバ10
の他側の誘導放出光の光路は、同側に適長離隔して配さ
れたミラーホルダ13内部の一対のミラー14,15により、
上位置にて逆向きに折り返されており、この折り返し光
路上には、Qスイッチ16と反射ミラーM2 とがこの順に
並設されている。
【0038】出力ミラーM1 は、一部の光の透過が可能
な反射率を有するミラーであり、レーザチャンバ10が放
出する誘導放出光の光路にその鏡面の中心を正対せしめ
て取り付けてある。アパーチャAは、誘導放出光を放射
するレーザロッド1の口径に対応する小径の開口を有す
る遮蔽板であり、該開口の中心を前記誘導放出光の光路
に合わせて取り付けてある。
【0039】反射ミラーM2 は、実質的な全反射が可能
なミラーであり、その鏡面の中心を前記折り返し光路に
正対せしめて取り付けてある。このように配置された反
射ミラーM2 は、折り返し光路を含めた誘導放出光の光
路上において、前記出力ミラーM1 と所定の距離を隔て
て対向することになり、レーザチャンバ10から発せられ
る誘導放出光は、出力ミラーM1 と反射ミラーM2 との
間での多重反射の間に増幅されてレーザ光となり、出力
ミラーM1 を透過して送り出される。
【0040】このとき、前記アパーチャAは、不要なモ
ードの発振を抑え送出されるレーザビームのモードを適
正化するモード選別作用をなす。またQスイッチ16は、
出力ミラーM1 と反射ミラーM2 との間での共振器とし
てのメリット数(Q値)を高め、励起原子の反転分布を
発生させ、高出力のレーザパルスを取り出す作用をなす
ものであり、反射ミラーM2 と同様、前記折り返し光路
上に正しく位置決めして取り付けられている。
【0041】このように構成された固体レーザ発振器
は、図1に示す如く、レーザビームの送り出し側となる
支持ケース11の端壁の外面に走査光学系を内蔵する走査
ヘッドHを取り付け、レーザマーキング装置を構成して
いる。このように構成されたレーザマーキング装置にお
いては、固体レーザ発振器から前述の如く送出されるレ
ーザビームを、前記走査ヘッドHに導入し、該走査ヘッ
ドHに内蔵された光学系の動作により走査して、該走査
ヘッドHの一部(図1においては下部)に取り付けた集
光レンズLを経て対象物に照射せしめ、前記走査軌跡に
応じた文字、図形等のパターンのマーキングを行わせる
ことができる。
【0042】さて、以上の如く構成された本発明に係る
固体レーザ発振器及びレーザマーキング装置において、
本発明の特徴は、誘導放出光の発生源となるレーザチャ
ンバ10の構成にある。
【0043】本発明のレーザチャンバ10は、前記図4に
示す如く、その外側を拡散反射層30により覆われた石英
ガラス製のフィルタ筒3と、該フィルタ筒3に貫通形成
された挿通孔3a,3bに夫々挿通されたレーザロッド1及
び励起ランプ2とを、基台4上に適長離隔して取り付け
た一対のエンドキャップ5,5間に、レーザロッド1と
励起ランプ2とが互いに平行をなすように横架支持した
構成となっている。
【0044】一方のエンドキャップ5の内側には、基台
4に形成された給水路40に連通する冷却水の導入室50
が、他方のエンドキャップ5の内側には、基台4に形成
された排水路41に連通する冷却水の導出室51が夫々形成
されており、レーザロッド1及び励起ランプ2とこれら
を収納するフィルタ筒3とは、給水路40を経て導入室50
に導入され、導出室51及び排水路41を経て排出される冷
却水が、レーザロッド1及び励起ランプ2とこれらの挿
通孔3a,3bとの環状空間を高速度にて流れることにより
水冷される構成となっている。
【0045】以上の構成は、従来のレーザチャンバ10と
同様であり、本発明の特徴は、冷却水の導入室50又は導
出室51の液密状態を保つべく、フィルタ筒3とエンドキ
ャップ5との間に構成された封止部の構成にある。
【0046】図2は、この封止部近傍の拡大断面図であ
る。図中の5aは、フィルタ筒3の端部を嵌め込むべくエ
ンドキャップ5に形成された凹所であり、導入室50又は
導出室51の封止は、前記凹所5aに装着され、該凹所5aの
底面とフィルタ筒3の端面とに弾接せしめられたOリン
グ6により行われている。このOリング6は、前記図5
中に破線により示す如く、レーザロッド1及び励起ラン
プ2の挿通孔3a,3bの開口部の外側を巡る態様に配置さ
れ、これらの開口部の外側を一括して封止するようにな
してある。
【0047】そして本発明においては、以上の如き封止
作用をなすOリング6が弾接するフィルタ筒3の端面
に、金(Au)製の反射層7が形成されている。この反
射層7は、少なくともOリング6の弾接周上に沿って適
宜の幅を有して形成してあればよいが、図5に示す如き
断面形状をなすフィルタ筒3の端面全体に形成するのが
望ましい。また反射層7は、μm単位の厚さを有する薄
肉の層であればよく、フィルタ筒3の端面への金箔の貼
着、又は前記端面への金蒸着により形成することがで
き、前者によれば、反射層7を容易に形成することがで
き、また後者によれば、前記端面に強固に被着された反
射層7を形成することができる。
【0048】レーザチャンバ10は、前述の如く、励起ラ
ンプ2が発する励起光をフィルタ筒3のフィルタ効果に
より選別し、励起波長近辺の光を拡散反射層30に拡散反
射させてレーザロッド1に照射せしめ、該レーザロッド
1から誘導放出光を放射せしめる動作をなすものであ
り、このとき発生する熱を吸収すべく前記冷却水による
水冷が行われる。
【0049】このとき、励起ランプ2から発せられる励
起光は、図2中に矢符により示す如く、拡散反射層30に
拡散反射されてフィルタ筒3の端面を封止するOリング
6に照射されようとするが、本発明においては、フィル
タ筒3の端面とOリング6との間に前述の如く形成され
た反射層7が介在しており、該反射層7がフィルタ筒3
の端面に向かう光を反射する結果、Oリング6に照射さ
れる励起光の強度が大幅に軽減され、この励起光の作用
により生じていたOリング6の劣化を防ぐことができ
る。
【0050】このような作用をなす反射層7は、第1
に、高効率にて光を反射する物質である必要がある。第
2には、高強度の励起光の照射に曝される環境下にて酸
化等の変質を生じず、良好な反射率を保ち得る安定した
物質であること、第3には、レーザロッド1、励起ラン
プ2及びフィルタ筒3の冷却水として純水を使用するこ
とから、イオンを発生しない物質であること、第4に
は、励起ランプ2による加熱に耐える物質であることが
必要である。これらの条件を全て満たし得る物質とし
て、金(Au)が用いられている。
【0051】また金は、高い熱伝導率を有することか
ら、前記反射層7は、フィルタ筒3からOリング6への
伝熱を放熱する放熱板としての作用もなし、Oリング6
の過熱を緩和し、これによるOリング6の劣化を併せて
防止することができる。
【0052】図3は、本発明の他の実施例を示すフィル
タ筒3の端部の封止部近傍の拡大断面図である。この実
施の形態においては、フィルタ筒3の端面とエンドキャ
ップ5に形成された凹所5aとに弾接するOリング6の外
面に全周に亘って反射層7が形成されている。この反射
層7は、前述の如く金(Au)製であり、Oリング6の
外面への金箔の貼着、又はOリング6の外面への金蒸着
により形成することができる。また反射層7の形成範囲
は、Oリング6の全周に亘る必要はなく、少なくともフ
ィルタ筒3の端面への弾接部が含まれておればよい。
【0053】このように形成された反射層7は、励起ラ
ンプ2が発する励起光を反射し、この励起光の作用によ
るOリング6の劣化を防ぐ作用をなし、また、フィルタ
筒3からOリング6への伝熱を放熱する放熱板として、
過熱によるOリング6の劣化を防ぐ作用を併せて行う。
【0054】なお以上の実施の形態においては、フィル
タ筒3の端部を封止する封止リングとしてOリング6を
用いた場合について述べたが、Xリング、Vリング等の
他の形式の封止リングを用いてもよいことは言うまでも
ない。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る固体レー
ザ発振器においては、レーザロッド及び励起ランプが挿
通されたフィルタ筒の端面と、この端面に弾接する封止
リングとの間に、両者の弾接部を含めて反射層を形成し
たから、励起ランプが発する高強度の励起光が前記反射
層により反射され、この励起光の作用による封止リング
の劣化を抑制することができ、冷却水の漏れ出しを確実
に防止して、この漏れ出しに伴う不都合を未然に解消す
ることができる。
【0056】またフィルタ筒の端面、又は封止リングの
外面への金箔の貼着により反射層を形成したから、励起
光を良好に反射する反射層を容易に形成することがで
き、励起光の作用による封止リングの劣化を容易に防止
することが可能となる。
【0057】またフィルタ筒の端面又は封止リングの外
面への金蒸着により反射層を形成したから、励起光を良
好に反射する反射層を強固な被着状態下にて形成でき、
励起光の作用による封止リングの劣化を確実に防止する
ことが可能となる。
【0058】また本発明に係るレーザマーキング装置に
おいては、冷却水の漏れ出しを効果的に防止し得るレー
ザチャンバを備えたから、封止リングの頻繁な交換作業
を強いることなく長期に亘って安定した運転を行わせる
ことができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体レーザ発振器を備えたレーザ
マーキング装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】フィルタ筒の端部の封止部近傍の拡大断面図で
ある。
【図3】本発明の他の実施の形態を示すフィルタ筒の端
部の封止部近傍の拡大断面図である。
【図4】レーザチャンバの断面図である。
【図5】図4のV−V線によるフィルタ筒3の横断面図
である。
【図6】従来のレーザチャンバにおけるフィルタ筒の端
部の封止部近傍の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 レーザロッド 2 励起ランプ 3 フィルタ筒 3a 挿通孔 3b 挿通孔 4 基台 5 エンドキャップ 5a 凹所 6 Oリング 7 反射層 10 レーザチャンバ 30 拡散反射層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザロッド及び励起ランプの挿通孔と
    これらの外側を囲む拡散反射層とを備えるフィルタ筒
    と、該フィルタ筒の両端部を、夫々の側への前記レーザ
    ロッド及び励起ランプの突出部と共に支持する支持部材
    と、該支持部材と前記フィルタ筒との対向面に弾接し、
    該フィルタ筒の端面を封止する封止リングとを備え、フ
    ィルタ筒を透過した励起ランプの発光を拡散反射層によ
    り反射してレーザロッドに照射し、誘導放出光を放射さ
    せる一方、これに伴う前記レーザロッド、励起ランプ及
    びフィルタ筒の発熱を、前記封止リングによる封止下に
    て前記挿通孔に導入される冷却水により冷却する構成と
    したレーザチャンバを備える固体レーザ発振器におい
    て、前記フィルタ筒の端面と封止リングとの間に両者の
    弾接部を含めて形成してあり、前記フィルタ筒の透過光
    を反射して、前記封止リングへの照射を緩和する反射層
    を具備することを特徴とする固体レーザ発振器。
  2. 【請求項2】 前記反射層は、前記フィルタ筒の端面に
    金箔を貼着して形成してある請求項1記載の固体レーザ
    発振器。
  3. 【請求項3】 前記反射層は、前記封止リングの外面に
    金箔を貼着して形成してある請求項1記載の固体レーザ
    発振器。
  4. 【請求項4】 前記反射層は、前記フィルタ筒の端面へ
    の金蒸着により形成してある請求項1記載の固体レーザ
    発振器。
  5. 【請求項5】 前記反射層は、前記封止リングの外面へ
    の金蒸着により形成してある請求項1記載の固体レーザ
    発振器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の固体レーザ発振器をマーキング用のレーザビームの発
    生源として備えるレーザマーキング装置。
JP10009922A 1998-01-21 1998-01-21 固体レーザ発振器及びレーザマーキング装置 Pending JPH11214773A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7386022B2 (en) 2003-03-17 2008-06-10 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Laser beam transmitter
CN103212903A (zh) * 2012-01-19 2013-07-24 昆山思拓机器有限公司 用于薄壁管材激光湿加工的防水密封设计方法
CN103212887A (zh) * 2012-01-19 2013-07-24 昆山思拓机器有限公司 用于薄壁管材激光湿加工的防水密封结构

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US7386022B2 (en) 2003-03-17 2008-06-10 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Laser beam transmitter
CN103212903A (zh) * 2012-01-19 2013-07-24 昆山思拓机器有限公司 用于薄壁管材激光湿加工的防水密封设计方法
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