JPH11213156A - 画像処理装置および方法、記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体

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JPH11213156A
JPH11213156A JP10016486A JP1648698A JPH11213156A JP H11213156 A JPH11213156 A JP H11213156A JP 10016486 A JP10016486 A JP 10016486A JP 1648698 A JP1648698 A JP 1648698A JP H11213156 A JPH11213156 A JP H11213156A
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Osamu Itokawa
修 糸川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成により、確実かつ高速に背景と前
景とを分離することのできる手法を提供する。 【解決手段】 動画像中の1画面を複数のブロックに分
割して(ステップS102)各ブロックの動きベクトル
を夫々算出し(ステップS103)、その算出結果を利
用して背景画像と前景画像との分離を行うようにするこ
とにより(ステップS104〜S111)、動画像から
背景部分と前景部分とを分離する処理を簡単なアルゴリ
ズムによって実現できるようにし、これにより、動画像
のリアルタイム性を損なうことなく、背景と前景との分
離処理を高速に行うことができるようにするとともに、
従来のブルーバック方式のように背景以外の画像部分が
背景であると誤認識されてしまうという不都合を防止で
きるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置および
方法、記録媒体に関し、特に、動画像に対して背景と前
景の分離/合成処理を行う装置に用いて好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、高性能化したCPUを搭載したパ
ーソナルコンピュータ(パソコン)の普及に伴い、パソ
コン上での動画像の編集に対する要求が高まってきてい
る。編集作業の例として、フレーム間での時間順序の入
れ替え、色合いの調整、別画像の挿入など様々なものが
あり、背景と前景の分離/合成処理もその一つである。
背景と前景を分離/合成する技術には、古くからブルー
バックと呼ばれる手法が知られている。これは、スタジ
オセットなどでブルーの背景をあらかじめ用意してお
き、スイッチャーでブルーの部分を別の画像に置き換え
るものである。
【0003】図19および図20を用いてこのブルーバ
ック方式の概要を説明する。ここでは、背景がブルーの
画像Aと、合成後に背景となる画像Bとの2種類の画像
から画像Cを作成する過程を説明する。図20は、ブル
ーバック方式のシステム全体の構成を示す図である。図
20において、2001は画像Aの入力部、2002は
画像Bの入力部、2006は合成画像Cの出力部であ
る。また、2003はスイッチャーと呼ばれる装置であ
り、スイッチ部2004とブルーの判定部2005とか
ら構成されている。
【0004】図19は、この方式のアルゴリズムを示す
フローチャートである。図19において、まず最初に、
2つの入力部2001,2002においてA,B2種類
の画像を同期を取って入力し(ステップS1901)、
画像Aの信号がブルーかどうかをブルーの判定部200
5で判定する(ステップS1902)。
【0005】そして、ブルーでなければそのまま画像A
の信号を通し(ステップS1903)、ブルーならば画
像Bの信号を通すように(ステップS1904)スイッ
チ部2004を切り替える。これを、信号の最初から最
後まで時間順で繰り返し処理する(ステップS190
5)ことにより、画像Bを画像Aの背景とした合成画像
Cを生成する。このような処理のため、ブルーバック方
式は古くからアナログ処理で利用されている。
【0006】また、最近ではデジタル技術を利用した画
像の分離/合成処理も注目されている。このデジタル技
術を利用した分離/合成処理としては、前景となる画像
と背景となる画像とで輝度・色分布が異なることを利用
する方法や、フィルタリングによリエッジ検出を行い、
輪郭を抽出する方法などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ブルーバックを利用する方法では、背景部分以外にも青
い絵柄があるとそこが背景と誤認識されてしまうという
問題があった。また、スタジオ設備の準備が必要という
問題もあった。これらの欠点を補うことのできるデジタ
ル処理においても、演算にかかる時間が長くなるため、
動画像に適応する場合、リアルタイム性を犠牲にしなけ
ればならないという問題があった。
【0008】ところで、近年の画像の高精細化に伴い、
画像が持つ情報の内容も変わりつつある。例えば、動画
像の上に文字を重ねて伝送したり、別の画像を重ねて伝
送したりすることがある。また、単位時間当たりに送れ
る情報量は増大している。これら複数の情報の中から必
要な部分のみを取り出し、保存または再編集する必要性
はこれから更に増してくる。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、簡単な構成により、確実かつ高
速に背景と前景とを分離することのできる手法を提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、動画像から背景画像と前景画像との分離を行う機能
を有する画像処理装置において、画面を複数のブロック
に分割して各ブロックの動きベクトルを夫々算出し、そ
の算出結果を利用して背景画像と前景画像との分離を行
うようにしたことを特徴とする。動きベクトルの算出
は、例えば、同一時間内の画像(現フレーム)を複数の
ブロックに分割し、異なる時間の画像(前フレーム)と
のパターンマッチングをとり、動き量を検出することに
より行う。また、画像の分離処理は、例えば、各ブロッ
ク毎に算出した動きベクトルの値(動きベクトルの大き
さおよび方向を含む)に応じて各ブロックを背景ブロッ
クおよび前景ブロックの2種類に分類し、その分類結果
に応じて背景画像と前景画像との分離を行う。このよう
に構成した本発明によれば、各ブロックの動き量の違い
から背景部分と前景部分とが正確かつ簡単に分離される
ようになる。
【0011】また、本発明の他の特徴とするところで
は、各ブロック毎に算出した動きベクトルに応じて上記
各ブロックを背景ブロック、前景ブロック、背景と前景
との境界ブロックの3種類に分類し、境界ブロックにお
いてはブロックサイズを変更して再度動きベクトルの算
出並びに算出した動きベクトルに応じた分類を行い、境
界ブロックに分類されるブロックがなくなるまで、上記
ブロックサイズの変更と上記動きベクトルの算出および
分類とを繰り返し行うようにする。このように構成した
本発明によれば、1つのブロック内に背景部分と前景部
分の画像が混在する場合は、そのブロックが更に分割さ
れ、再度動きベクトルを求めて分類する処理が繰り返し
行われることにより、背景画像と前景画像との分離が更
に確実に行われるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、図面を
参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。図
2は、本実施形態の画像処理装置の構成を示すブロック
図であり、図2(a)は全体構成を示している。以下、
この図2(a)に従って画像の入力から出力までの全体
の処理の流れを説明する。ここでは、画像Aと画像Bと
の2種類の画像を入力し、分離処理および合成処理の後
に合成画像Cを出力する過程を説明する。ここで、画像
Aは合成画像Cの前景として取り出したい画像を含んで
おり、画像Bは合成画像Cの背景として取り出したい画
像を含んでいるものとする。
【0013】図2(a)において、201は画像Aの入
力部(例えば、ビデオカメラ)、202は画像Bの入力
部(例えば、ビデオカメラ)、203は画像Aから前景
/背景を分離する分離処理部、204は画像Bから前景
/背景を分離する分離処理部、205は分離した前景画
像と背景画像とを合成する画像合成処理部、206は合
成画像Cの出力部である。画像合成処理部205での処
理は、前景画像と背景画像とを重ねあわせ、重なった部
分は前景画像を優先して用い、それ以外は背景画像を選
択することにより実現できる。
【0014】分離処理部203で前景画像を抽出する処
理と、分離処理部204で背景画像を抽出する処理と
は、どちらも基本アルゴリズムは同じであり、後述する
ように本発明固有の処理である。分離処理部203では
分離処理した画像のうち前景画像を利用し、分離処理部
204では背景画像を利用する点のみが異なる。背景画
像として利用したい画像が、あらかじめ分離処理を必要
としないものであれば、分離処理部204の処理は省略
可能である。また、合成後に背景とする画像は動画に限
らず、静止画でもなんら問題はない。
【0015】図2(b)は、上記分離処理部203,2
04の内部構成を示す機能ブロック図である。図2
(b)において、210は入力された動画像中の1フレ
ームを複数のブロックに分割するブロック化手段、21
1は分割された各ブロックの動きベクトルを夫々算出す
る動きベクトル算出手段、212は各ブロック毎に算出
した動きベクトルの値に応じて各ブロックを背景ブロッ
クおよび前景ブロックの2種類に分類する分類手段、2
13は分類の結果に応じて背景画像と前景画像との分離
を行う分離手段、214は分離した背景画像および前景
画像の何れかを選択的に抽出する抽出手段である。
【0016】上記分類手段212は、最初は、各ブロッ
ク毎に算出した動きベクトルの値に応じて上記各ブロッ
クを背景ブロック、前景ブロック、背景と前景との境界
ブロックの3種類に分類する。境界ブロックに関して
は、ブロック化手段210に通知することにより当該ブ
ロック化手段210でブロックサイズを変更する。そし
て、動きベクトル算出手段211および分類手段212
により、変更したブロックサイズの下で再度動きベクト
ルの算出および分類を行う。以上の処理を境界ブロック
に分類されるブロックがなくなるまで繰り返し行うこと
により、各ブロックを背景ブロックと前景ブロックとの
2種類に分類する。
【0017】上記分類手段212は、最初に各ブロック
を背景ブロック、前景ブロック、境界ブロックの3種類
に分類したときに、背景ブロックと判断したブロックの
動きベクトルの値と、前景ブロックと判断したブロック
の動きベクトルの値とをメモリ215に記憶しておく。
その後、境界ブロックのブロックサイズを変更した後で
再度算出した動きベクトルから分類を行うときに、先に
記憶しておいた動きベクトルの値を利用して分類を行
う。このようにすることにより、2度目以降は、分類判
定を行うための動きベクトル値の決定処理ステップを省
略することができる。
【0018】以下に、図1のフローチャートおよび図3
〜図14の画面イメージによる説明図を用いて本発明固
有の処理、すなわち分離処理部203,204の動作の
詳細を説明する。ここでは、図3に示すように、前景の
物体301が1フレームの時間内に(図3(a)の前フ
レームから図3(b)の現フレームにかけて)別の場所
に移動した場合を例に説明する。背景302は動いてい
ないものとする。
【0019】図1において、まず、図3(b)に示した
現フレームの画像を複数のブロックに分割する。すなわ
ち、まず最初のステップS101として、N×Nのブロ
ックサイズの初期値を決める。ここでは初期値がN=
8、すなわち1つのブロックが8×8のサイズであると
して説明する。ブロックサイズの初期化の後、ステップ
S102において画像のブロック化を行う。図4は、初
期段階におけるブロック化のイメージを表す図である。
【0020】次に、ステップS103で、分割したブロ
ック各々につき、動きベクトルの算出を行う。動きベク
トルの算出は、対象とするブロックの画像と同じ画像を
前のフレームからサーチするパターンマッチングという
方法が一般的である。このパターンマッチング方法を図
5を用いて説明する。ここでは図5(a)に示すよう
に、現フレームの各ブロックのうち、代表的なブロック
501,502,503を例にとって説明する。
【0021】ブロック501のように動いていない背景
のような画像の場合は、そのブロックの画像と同じ画像
を前フレームからサーチすると、図5(b)のブロック
504が該当する。図5(d)のように、図5(a)と
図5(b)とを重ねて考えると、ブロック501とブロ
ック504とは画面上の位置が同じなので、動きベクト
ルは0(ゼロ)となる。
【0022】また、ブロック503のようにフレーム間
で平行移動した前景の物体301の画像の場合には、そ
のブロック503の画像と同じ画像を前フレームからサ
ーチすると、図5(c)のブロック505が該当する。
図5(d)のように、図5(a)と図5(c)とを重ね
て考えると、ブロック503とブロック505との位置
関係から、動きベクトル508が求まる。図5(e)の
ブロック503,506,507のように前景の物体3
01が複数のブロックを含んでいる場合は、これらの動
きベクトル508,509,510は何れも同じとな
る。
【0023】さらに、ブロック502のように、ブロッ
クが前景の画像と背景の画像との両方を含んでいる場合
は、前のフレーム中に全く同じパターンの画像を見つけ
ることができない。通常のパターンマッチングでは、サ
ーチした範囲内で画素間の最小二乗誤差が最も小さいブ
ロックから動きベクトルを算出するため、上記のブロッ
ク502では、物体内部の動きベクトルとも背景の動き
ベクトルとも異なったベクトル値が算出される。
【0024】1つの現フレーム画像中に含まれるすべて
のブロックの動きベクトルが求まった段階で、各ブロッ
クを背景ブロック、前景ブロック、背景と前景との境界
ブロックに分類する。すなわち、まず初めにステップS
104で背景ブロックの動きベクトル値が決定済かどう
かを判断し、決まっていない場合は、ステップS105
に進んで背景ブロックの動きベクトル値Vbを決めなけ
ればならない。ステップS105は背景ブロックの動き
ベクトル値Vbを決めるルーチンであるが、背景画像が
あらかじめ動いていないと分かっている場合は、0(ゼ
ロ)が背景ブロックの動きベクトル値Vbであるとすれ
ばよい。
【0025】背景ブロックの動きベクトル値Vbが決定
したら、次にステップS106で、現フレーム中の各ブ
ロックに対し、各ブロックの動きベクトル値と上記決定
した背景ブロックの動きベクトル値Vbとの比較を行う
ことにより、当該ブロックが背景ブロックであるかどう
かを夫々判断する。ここでのベクトル値同志の比較の結
果、値のほぼ一致したブロックについてはステップS1
07で背景ブロックとして処理する。
【0026】前景画像を抽出したい場合(例えば図2の
分離処理部203の場合)は、背景ブロックを廃棄して
もよいが、背景画像を抽出したい場合(例えば図2の分
離処理部204の場合)は、すべての背景ブロックがそ
ろうまで分離処理部204内の図示しないメモリにデー
タを蓄えておく必要がある。
【0027】次に、ステップS108で、前景ブロック
と判定するための動きベクトル値が決定済かどうかを判
断し、決まっていなければ、これを求めなければならな
い。上述したように、前景の物体301内部のブロック
はすべて同じ動きベクトル値となるので、ステップS1
09でこの値を前景ブロックの動きベクトル値Vaとす
ればよい。
【0028】前景ブロックの動きベクトル値Vaが決定
したら、次にステップS110で、現フレーム中の各ブ
ロックに対し、各ブロックの動きベクトル値と上記決定
した前景ブロックの動きベクトル値Vaとを比較するこ
とにより、当該ブロックが前景ブロックか否かを夫々判
断する。なお、実際には境界ブロックであっても、その
動きベクトル値が前景ブロックの動きベクトル値とほぼ
同じであれば、それは前景ブロックであると判断され
る。ここでのベクトル値同志の比較の結果、値のほぼ一
致したブロックについてはステップS111で前景ブロ
ックとして処理する。
【0029】上記ステップS106およびステップS1
10において背景ブロックでも前景ブロックでもないと
判断されれば、そのブロックは境界ブロックであること
を意味する。以上のように、算出した動きベクトル値か
ら、1つの現フレーム画像中に含まれる8×8サイズの
複数ブロックを背景ブロック、前景ブロック、境界ブロ
ックの3種類に分類することが可能である。分類した様
子を図6に示す。図7は、このうち境界ブロックのみを
取り出した図である。
【0030】上述のような分類処理後、境界ブロック
は、ステップS112でブロックサイズを更に縦横半
分、すなわちN=4とされ、ステップS102に戻って
再びブロック化される。図7に示した複数の境界ブロッ
クの各々を更に4×4のサイズに再ブロック化した結果
が、図8である。次に、ステップS103では、4×4
のサイズに再ブロック化した境界ブロックの各々につ
き、動きベクトルを算出する。4×4のサイズで動きベ
クトルを算出した結果を、図9に示す。
【0031】以降、4×4ブロックサイズでの動きベク
トルを対象としてステップS104〜S112の処理を
行うが、背景ブロックおよび前景ブロックと判定するた
めの動きベクトル値Vb,Vaは既に求まっているの
で、ステップS105およびステップS109の処理は
不要である。図10は、4×4のブロックサイズでな
も、境界ブロックと判断された部分であり、図11はそ
の拡大図である。境界ブロックは、更に2×2のサイズ
に再ブロック化され、上述のステップを繰り返す。
【0032】その後、すべてのブロックが背景ブロック
と前景ブロックとに分類され、境界ブロックがなくなれ
ば、前景と背景の分離処理は終了する。ブロックサイズ
の最小単位は1×1であるため、このブロックは必ず背
景か前景かのどちらかのブロックに分類される。図12
は境界ブロックを2×2ブロック化した様子を示す図で
あり、図13は更に境界ブロックを1×1ブロック化し
た様子を示す図である。このようにして全てのブロック
を前景と背景とに分類した結果、前景部分を取り出す
と、図14のように、背景と分離した前景画像が得られ
るようになる。
【0033】以上のように、本実施形態によれば、動画
像の現フレームを複数のブロックに分割し、時間的に異
なる画像間で各ブロックの動きベクトルを算出し、その
算出結果を利用して背景画像と前景画像との分離を行う
ようにしたので、従来のブルーバック方式のように背景
以外の青い画像部分が背景であると誤認識されてしまう
不都合を防止できるととともに、算出した動きベクトル
の利用という簡単なアルゴリズムによって背景と前景と
の分離を高速に行うことができ、動画像のリアルタイム
性を確保することができる。また、装置の構成も簡単で
済む。
【0034】(第2の実施形態)上述した第1の実施形
態では、背景部分の画像が動いていない場合について説
明したが、背景部分も動いている場合の例を、以下の第
2の実施形態により説明する。第2の実施形態におい
て、基本アルゴリズムは図1と同様であるが、ステップ
S105における背景ブロックの動きベクトル値Vbを
決めるルーチンが第1の実施形態と異なる。画面上にお
けるイメージは、図15〜図18を用いて説明する。
【0035】本実施形態では、例えば図15に示すよう
に、前景の物体が画面の下から上へ移動し、背景が画面
の右から左下に動いている例に従って説明する。図16
は、図1のステップS102におけるブロック化の説明
図である。ここでは前景の物体とその周囲のブロックに
限定して説明する。これらのブロックの動きベクトルを
図1のステップS103で算出すると、図17に示すよ
うな動きベクトルが得られる。
【0036】この図17の例では境界ブロックがないた
め、動きベクトルは2種類に分類できる。一方が背景ブ
ロックの動きベクトルVbであり、もう一方が前景ブロ
ックの動きベクトルVaである。本実施形態では、図1
のステップS105で、発生頻度の大きい方の動きベク
トルを背景ブロックの動きベクトルVbとして決定する
ようにする。この場合、図17の1701が背景ブロッ
クの動きベクトルVbとなる。
【0037】また、ブロックの位置関係から、互いに同
じ値の動きベクトル1702がまとまった部分を囲んで
いる別の略均一な動きベクトルを背景ブロックの動きベ
クトルVbとしても、この例では同じ結果が得られる。
【0038】この例では、境界ブロックを含まないた
め、図1のステップS101〜S111の1回のループ
で処理は終了するが、境界ブロックが存在する場合は、
ステップS112で境界ブロックを更に小さいブロック
に分割し、ステップS102からの処理を繰り返す。ブ
ロックを最小単位(すなわち1×1サイズのブロック)
に分割するまでには、前景ブロックおよび背景ブロック
の動きベクトルVa,Vbが必ず得られるので、すべて
のブロックがどちらかの動きベクトル値を持った段階で
この処理は終了となる。図18は、このアルゴリズムに
よって抽出された前景画像を示す図である。
【0039】以上のように、本実施形態によれば、背景
画像が静止画の場合だけでなく、動きのある動画の場合
であっても、背景と前景との分離処理を確実かつ高速に
行うことができる。
【0040】なお、以上の実施形態では各ブロック毎に
算出した動きベクトルから背景画像と前景画像との分離
を行うようにしたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えば、画面中で動いている部分と動いていな
い部分とを分離する場合にも同様に適用することが可能
である。また、異なる動きベクトル値を持つ画像部分を
それぞれ分離するようにすることも可能である。
【0041】また、以上の実施形態では、分割した各ブ
ロック毎に背景ブロックか前景ブロックかを判定し、ど
ちらでもない場合に境界ブロックであると判定するよう
にしたが、境界ブロックか否かの判断は、当該ブロック
が背景ブロックに隣接しているかどうかを見ることによ
っても判定することが可能である。ただし、背景ブロッ
クに隣接していても、そのブロックの動きベクトルが前
景の内部ブロックのそれと同じであれば、それは前景ブ
ロックと判断する。
【0042】(本発明の他の実施形態)本発明の画像処
理装置は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、
インタフェース機器、リーダ、VTR、TV、プリンタ
等)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器
(例えば、パソコン、複写機、ファクシミリ装置)から
なる装置に適用しても良い。
【0043】また、上述した実施形態の機能を実現する
べく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイ
スと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータ
に対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウ
ェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるい
は装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納
されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させ
ることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれ
る。
【0044】また、この場合、上記ソフトウェアのプロ
グラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現する
ことになり、そのプログラムコード自体、およびそのプ
ログラムコードをコンピュータに供給するための手段、
例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本
発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記
憶媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードデ
ィスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、
磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用い
ることができる。
【0045】また、コンピュータが供給されたプログラ
ムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコン
ピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティング
システム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共
同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかか
るプログラムコードは本発明の実施形態に含まれること
は言うまでもない。
【0046】さらに、供給されたプログラムコードがコ
ンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続され
た機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そ
のプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボー
ドや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の
一部または全部を行い、その処理によって上述した実施
形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれること
は言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】本発明は上述したように、動画像中の1
画面を複数のブロックに分割して各ブロックの動きベク
トルを夫々算出し、その算出結果を利用して背景画像と
前景画像との分離を行うようにしたので、動画像から背
景部分と前景部分とを分離する処理を簡単なアルゴリズ
ムによって実現することができる。よって、動画像のリ
アルタイム性を損なうことなく、背景と前景との分離処
理を高速に行うことができるとともに、装置の構成も簡
単で済む。また、従来のブルーバック方式のように背景
以外の画像部分が背景であると誤認識されてしまうとい
う不都合を防止でき、背景と前景との分離を確実に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の動作
アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成
を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るフレーム間の物
体の動きを説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る8×8ブロック
化を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る動きベクトルの
算出方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る各ブロックの分
類結果を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る8×8境界ブロ
ックを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る境界ブロックの
4×4ブロック化を説明する図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る4×4ブロック
での動きベクトル算出結果を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る4×4境界ブ
ロックを示す図である。
【図11】図10の拡大図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る境界ブロック
の2×2ブロック化を説明する図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る境界ブロック
の1×1ブロック化を説明する図である。
【図14】本発明の第1の実施形態において前景として
抽出した画像を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るフレーム間の
前景と背景の動きを説明する図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るブロック化を
説明する図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る動きベクトル
算出結果を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態において前景として
抽出した画像を示す図である。
【図19】従来例に係るブルーバック方式のアルゴリズ
ムを説明するためのフローチャートである。
【図20】従来例に係るブルーバック方式のシステム全
体の構成を示す図である。
【符号の説明】
203 前景/背景分離処理部 204 前景/背景分離処理部 210 ブロック化手段 211 動きベクトル算出手段 212 分類手段 213 分離手段 214 抽出手段 215 メモリ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動画像から背景画像と前景画像との分離
    を行う機能を有する画像処理装置において、 画面を複数のブロックに分割して各ブロックの動きベク
    トルを夫々算出し、その算出結果を利用して背景画像と
    前景画像との分離を行うようにしたことを特徴とする画
    像処理装置。
  2. 【請求項2】 上記各ブロック毎に算出した動きベクト
    ルに応じて上記各ブロックを背景ブロックおよび前景ブ
    ロックの2種類に分類し、その分類結果に応じて上記背
    景画像と前景画像との分離を行うようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 上記各ブロック毎に算出した動きベクト
    ルに応じて上記各ブロックを背景ブロック、前景ブロッ
    ク、背景と前景との境界ブロックの3種類に分類し、上
    記境界ブロックにおいてはブロックサイズを変更して再
    度動きベクトルの算出並びに算出した動きベクトルに応
    じた分類を行い、境界ブロックに分類されるブロックが
    なくなるまで、上記ブロックサイズの変更と上記動きベ
    クトルの算出および分類とを繰り返し行うようにしたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 動きベクトルが略ゼロのブロックを上記
    背景ブロックとするようにしたことを特徴とする請求項
    2または3に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 略均一の動きベクトルを持つブロック同
    志を各々上記前景ブロックとするようにしたことを特徴
    とする請求項2〜4の何れか1項に記載の画像処理装
    置。
  6. 【請求項6】 略均一の動きベクトルを持つブロックの
    うち、他のブロックを囲んで配置されているブロックを
    各々上記背景ブロックとするようにしたことを特徴とす
    る請求項2または3に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 略均一の動きベクトルを持つ上記他のブ
    ロックを各々上記前景ブロックとするようにしたことを
    特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 略均一の動きベクトルを持つブロックの
    うち、その略均一ブロックの数が最大のものを各々上記
    背景ブロックとするようにしたことを特徴とする請求項
    2または3に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 略均一の動きベクトルを持つブロックの
    うち、その略均一ブロックの数が最大以外のものを各々
    上記前景ブロックとするようにしたことを特徴とする請
    求項8に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 上記境界ブロックのブロックサイズを
    変更した後で再度算出した動きベクトルから各ブロック
    の分類を行うときに、先に背景ブロックと判断されたブ
    ロックの動きベクトル、もしくは先に前景ブロックと判
    断されたブロックの動きベクトルを分類の判定に利用す
    ることを特徴とする請求項3〜9の何れか1項に記載の
    画像処理装置。
  11. 【請求項11】 動画像から背景画像と前景画像との分
    離を行うための画像処理方法において、 画面を複数のブロックに分割して各ブロックの動きベク
    トルを夫々算出し、上記各ブロック毎に算出した動きベ
    クトルに応じて上記各ブロックを背景ブロックおよび前
    景ブロックの2種類に分類し、その分類結果に応じて上
    記背景画像と前景画像との分離を行うようにしたことを
    特徴とする画像処理方法。
  12. 【請求項12】 上記各ブロック毎に算出した動きベク
    トルに応じて上記各ブロックを背景ブロック、前景ブロ
    ック、背景と前景との境界ブロックの3種類に分類し、
    上記境界ブロックにおいてはブロックサイズを変更して
    再度動きベクトルの算出並びに算出した動きベクトルに
    応じた分類を行い、境界ブロックに分類されるブロック
    がなくなるまで、上記ブロックサイズの変更と上記動き
    ベクトルの算出および分類とを繰り返し行うようにした
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  13. 【請求項13】 動画像の1フレーム又は1フィールド
    を複数のブロックに分割して各ブロックの動きベクトル
    を夫々算出する動きベクトル算出手段と、 上記各ブロック毎に算出した動きベクトルに応じて上記
    各ブロックを背景ブロックおよび前景ブロックの2種類
    に分類する分類手段と、 上記分類の結果に応じて背景画像と前景画像との分離を
    行う分離手段としてコンピュータを機能させるためのプ
    ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
  14. 【請求項14】 上記動きベクトル算出手段および分類
    手段は、上記各ブロック毎に算出した動きベクトルに応
    じて上記各ブロックを背景ブロック、前景ブロック、背
    景と前景との境界ブロックの3種類に分類し、上記境界
    ブロックにおいてはブロックサイズを変更して再度動き
    ベクトルの算出並びに算出した動きベクトルに応じた分
    類を行い、境界ブロックに分類されるブロックがなくな
    るまで、上記ブロックサイズの変更と上記動きベクトル
    の算出および分類とを繰り返し行う手段から成ることを
    特徴とする請求項13に記載のコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
  15. 【請求項15】 画面を複数のブロックに分割して各ブ
    ロックの動きベクトルを夫々算出し、その算出結果を利
    用して動画像から少なくとも2種以上の画像部分の分離
    を行うようにしたことを特徴とする画像処理装置。
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