JPH11202916A - 数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置

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JPH11202916A
JPH11202916A JP2024498A JP2024498A JPH11202916A JP H11202916 A JPH11202916 A JP H11202916A JP 2024498 A JP2024498 A JP 2024498A JP 2024498 A JP2024498 A JP 2024498A JP H11202916 A JPH11202916 A JP H11202916A
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JP
Japan
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curve
tool
machining
speed
escape
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JP2024498A
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Akira Saito
明 斉藤
Tatsuya Fujii
達哉 藤井
Shuji Ono
修司 小野
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】CNCによる高速・高精度の曲線加工を実現す
ること。 【構成】ワーク上に与えられた加工曲線の始点および終
点において、加工曲線加工時と速度および加速度が段差
無く連続するようなアプローチ曲線およびエスケープ曲
線を算出する手段を従来の数値制御装置に設けた。ま
た、工具がワークから受ける抗力の変動量を工具とワー
クとの位置関係から予測し、その変動量に応じて速度制
御する手段をも更に設けた。これらにより、工具の速度
および加速度に関する予測困難な変動要因が排除され、
サーボへの指令値にも段差がなくなるため、形状誤差補
正が容易となり、高速・高精度の工作加工が実現可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーボ系の追随遅
れ及び工作工具と被工作媒体(ワーク)との間に作用す
る抗力の変化量の加工形状誤差に対する影響を高度かつ
精密に鑑みた、高速・高精度工作機械の数値制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】加工曲線の曲率半径が比較的小さい被工
作媒体(ワーク)の加工においては、加減速の遅れやサ
ーボの追随遅れにより形状誤差が発生しやすく、指令値
よりも曲率半径が小さくなる傾向にある。この形状誤差
を防止する方法として、1988年6月5日発行の精密
工学会誌VOL.54,NO.6,1113頁〜111
8頁に記載されたものがある。このものは、円弧補間時
の形状誤差の要因である定常半径減少量を指令半径に加
えて補間を行うようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、曲線の加工を行
う場合には、加工曲線に先立つ加工曲線の始点で連続な
アプローチ曲線と、加工曲線に後続する加工曲線の終点
で連続なエスケープ曲線とを用いて、アプローチ曲線→
加工曲線→エスケープ曲線の順に加工を行うが、上記従
来技術の場合、アプローチ曲線やエスケープ曲線と円弧
との継ぎ目で形状誤差が大きくなっていた。また、この
継ぎ目の誤差を小さくするために、上記の文献では円弧
の最初と最後の補間のときに定常半径減少量に係数を乗
じたものを用いているが、依然として継ぎ目の誤差を無
視することは出来ない。したがって、従来技術におい
て、これらの誤差を低減し所望の形状精度を得るために
は、上記文献にも掲載されていた次式(式1)からも分
かるように、形状誤差△rを招く主要因となる工具の送
り速度Fを低減させねばならず、このように従来より上
記の継ぎ目における問題は、高速・高精度加工技術上の
障壁となっていた。これが第1の課題である。
【数1】 △r=F2(T2+1/K2)/2R ・・・・・・・・・・・・(式1) ここで、△rは形状誤差(mm)、Fは工具の送り速度
(mm/sec)、Tは補間後加減速時定数(se
c)、Kは位置ループゲイン(sec-1)、Rは加工円
の半径である。また、第2の課題は、真円加工のように
上記の加工曲線の始点と終点とが一致する場合には、ア
プローチ時に取り代ろが一部分削られた箇所をエスケー
プ直前の加工の際にも再度加工することになるので、こ
こで加工負荷が減少することとなり、この加工負荷の変
動が形状誤差を招く大きな要因となっていたことであ
る。
【0004】本発明は上記の課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、サーボ系の追随遅れによ
る加工誤差を減少させ、工作工具と被工作媒体(ワー
ク)との間に作用する抗力の変化量の加工形状誤差に対
する影響を精密に予測することにより、工具の送り速度
を低減させることなく高速・高精度の工作加工を実現す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の第1の課題を解決
するためには、補正されるべきサーボ系の追従遅れ量を
演算する遅延補正量演算手段と、軌道の補間手段を備え
た従来の数値制御装置において、以下の(1)〜(3)
の手段を備えることが重要となる。 (1)指令された加工曲線の始点または終点で、工具の
位置、速度、および加速度が段差無く連続的に変化する
ような、始点に先立つアプローチ曲線または終点から後
続するエスケープ曲線を求めるA/E曲線演算手段。 (2)上記の加工曲線、アプローチ曲線およびエスケー
プ曲線を上記の補正量で補正する曲線軌道補正手段。 (3)曲線軌道補正手段にて補正された曲線軌道に基づ
いて工具を制御する制御手段。 これらの手段により、アプローチ曲線やエスケープ曲線
と加工曲線との継ぎ目における形状誤差の問題を工具の
送り速度を低減させることなく解決することが出来る。
【0006】つぎに、上記の第2の課題を解決するため
には、 (4)工具とワークとの間で作用する抗力の変動量を工
具とワークとの位置関係により決定される接触状態の変
化に応じて予測する抗力変動量予測演算手段と、 (5)抗力変動量予測演算手段により求められた抗力変
動量に基づいて加工負荷が略一定と成るように工具の送
り速度を補正する速度補正手段とを更に備えることが重
要となる。 この手段により、上記のエスケープ直前の再加工時に
も、加工負荷の変動を予測しそれを抑えた上で加工する
ことが出来るため、工具の送り速度を低減させることな
く高速・高精度の工作加工を実現することができる。
【0007】
【作用及び発明の効果】一般に、滑らかな加工曲線を確
保するためには、工具と加工曲線との接点を加工曲線上
にて滑らかに移動させればよいのだが、実際に工具を移
動させる場合には、工具の速度および加速度が、指令さ
れた加工曲線からの誤差に影響を及ぼす。したがって、
この速度および加速度の値を事前に予測し、工具の軌道
を補正してやることが重要となるが、サーボ機構の場
合、更に特に次の3点に注意が必要となる。 (1)前記の速度および加速度に関する予測困難な変動
要因は極力排除する。 (2)フィードバック制御システムであるため、遅延要
因は極力排除する。特に、サーボへの指令値には、段差
が発生しないよう極力連続的に変化させるようにする。 (3)被工作媒体(ワーク)からの抗力も工具の加速度
を決定付ける要因になっていることを十分考慮に入れ
る。 本発明は、これらの注意点に十分注意を払うことにより
成されたものである。
【0008】特に、上記の第1の課題を解決するための
手段は、上記の注意点(1)および(2)に特に配慮し
たものである。従来の直線または単純な円弧によりアプ
ローチしていた技術と本発明とを比較した図3および図
4からも分かるように、従来は、加工曲線の始点および
終点で、加速度の変化において高精度な加工を行う上で
無視できない程大きな段差を生じていた。しかし、本発
明の上記手段によれば、工具の速度および加速度を連続
的かつ予測通りに変化させることができるため、補正が
容易となり、前記の第1の課題を解決することができる
のである。
【0009】また、上記の第2の課題を解決するための
手段は、特に上記の注意点(1)および(3)に配慮し
たものである。すなわち、この手段によれば、エスケー
プ直前の再加工時においても、工具がワークから及ぼさ
れる抗力の変動が抑えられるので、工具の速度および加
速度を連続的かつ予測通りに変化させることができるた
め、補正が容易となり、前記の第2の課題を解決するこ
とができるのである。
【0010】また、上記以外の効果としては、次の2点
を挙げることが出来る。 (a)高速・高精度のコンダリングが可能となるため、
従来のボーリング工程が不要となり、工具本数が少なく
できる。 (b)制御装置内にて上記の制御が可能なため、細かい
送り速度指令をNCプログラムに書き込む必要はなく、
NCプログラムが必要以上に長くならない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、装置の基本概念図である。A/E曲線
演算装置101は、指令された加工曲線の始点または終
点で、工具の位置、速度、および加速度が段差無く連続
的に変化するような、始点に先立つアプローチ曲線また
は終点から後続するエスケープ曲線を求める。軌道の補
間装置102は、加工曲線と、A/E曲線演算装置10
1にて求めたアプローチ曲線およびエスケープ曲線の補
間処理を行う。遅延補正量演算装置103は、前記(式
1)を使って、サーボ系の追従遅れ量に基づく加工曲線
に対する補正量を演算する。曲線軌道補正装置104
は、加工曲線、アプローチ曲線およびエスケープ曲線
を、遅延補正量演算装置103が算出した補正量で補正
する。この補正は、軌道曲線上の各分割点(指令位置)
における法線ベクトルの方向(凸側)に対して行うの
で、この補正量は、図3に示すようにこの法線方向のベ
クトク量としてここでx成分△rX とy成分△ry とに
分割され、x成分,y成分毎に補正される。工具制御装
置105は、曲線軌道補正装置104にて補正された曲
線軌道に基づいて工具を制御する。工具106は、工具
制御装置105に制御されて、ワーク107を加工す
る。また、抗力変動量予測演算装置108は、A/E曲
線演算装置101により決定されたアプローチ曲線を基
に、工具とワークとの間で作用する抗力の変動量を工具
とワークとの接触状態の変化に応じて予測演算する。速
度補正装置109は、抗力変動量予測演算装置108に
より予測された抗力変動量に基づいて、加工負荷が略一
定と成るように工具の送り速度を変更する指令を工具制
御装置105に送る。
【0012】図2は、本実施例のハードウェアの概略構
成を示す装置構成図である。数値制御装置200は、C
PU201を中心に、主にROM202、RAM20
3、入出力インターフェイス204より構成されてお
り、CRT205およびキーボード206は、入出力イ
ンターフェイス204を介してCPU201に接続され
ている。CPU201は、ROM202に格納されたシ
ステムプログラムに従って、数値制御装置200、サー
ボ制御装置210、工作機械220などから構成されて
いるCNCシステム全体を制御する。
【0013】図5は、(式2)で表されるxy座標平面
上の真円が加工曲線であった場合に、以下に示すxとy
との連立方程式(式3)、(式4)に従って、アプロー
チ曲線(−1≦t≦0)およびエスケープ曲線(0≦t
≦1)を決定した実施例を示している。
【数2】 x=Rcos(π(τ−1)/2),
【数3】 y=Rsin(π(τ−1)/2), 0≦τ≦4 .・・・・(式2)
【数4】 x=Rcos(π(t−1)/2)+(sgn t)R|tm|/j,
【数5】 y=Rsin(π(t−1)/2), −1≦t≦1 .・・・・(式3)
【数6】 (m,j)=(2.5,2),(2.6,4),(3,5), (2.4,−4),(5/2,−5) .・・・・・・(式4) ただし、j>0ならば外径コンダリングの場合を、j<
0ならば内径コンダリングの場合をそれぞれ示してお
り、(sgn t)は、t≧0のとき+1、t<0のとき−
1である。また、tは時間を表すパラメータで、tが1
増加する間にかかる時間は、真円加工時の工具の移動速
度の大きさをF0 、工具の角速度をωとすると、(π/
2)/ω=πR/2F0 (sec)である。(時間τに
ついても同様である。) (式2),(式3)より、工具の速度および加速度をそ
れぞれ求めてやれば判るように、m>2のとき、(式
3)のアプローチ曲線およびエスケープ曲線は、(式
2)の加工曲線の始点および終点において速度および加
速度が連続となる。したがって、m>2なる解の集合の
中から、工作機械が十分に追随できるものを実際に利用
する曲線として選んでやればよい。すなわち、例えば上
の(式3)に対して、(式4)のように適当な(m,
j)を選んでやることにより、アプローチ曲線およびエ
スケープ曲線を、加工曲線の始点および終点で、工具の
速度および加速度が十分滑らかに連続的に変化するよう
に決定することができることが分かる。なお、この実施
例においては、外径コンダリングがアップカットに、内
径コンダリングがダウンカットになるが、カット方向を
変えたい場合には、アプローチ曲線とエスケープ曲線を
逆にすればよい。即ち、アプローチ曲線(0≦t≦
1)、エスケープ曲線(−1≦t≦0)とすればよい。
【0014】また、加工曲線の始点で加工曲線と曲率円
の一致するアプローチ曲線を選んでやれば、比較的容易
に工具の速度および加速度を加工曲線の始点で略連続一
致させることができることが分かっている。例えば、
(式2),(式3),(式4)の場合以外にも、加工曲
線が二次曲線(=円錐曲線:円、楕円、放物線、双曲
線)のときには、外径コンダリングの場合にも、内径コ
ンダリングの場合にも、容易に加工曲線の始点で加工曲
線と曲率円の一致するアプローチ曲線を二次曲線の中か
ら選んでやることができる。勿論エスケープ曲線につい
ても全く同様である。より具体的には、例えば、加工曲
線が、半径16mmの真円の内径コンダリングを行う場
合には、アプローチ曲線およびエスケープ曲線として長
径a=8mm,短径b=4mmの楕円を加工真円に短径
が垂直に接するように内接させればよい。また、加工曲
線が、半径10mmの真円の外径コンダリングを行う場
合には、アプローチ曲線およびエスケープ曲線として長
径b=40mm,短径a=20mmの楕円を加工真円に
長径が垂直に接するように外接させればよい。ただし、
xy平面上の原点に中心を持つ楕円の方程式は、次の通
りである。
【数7】x2/a2 + y2/b2 = 1 .
【0015】図6は、図1の装置の基本概念図および図
2の装置構成図に基づき本発明を実施する際の、曲線軌
道補正処理および速度補正処理の実行処理フローを、コ
ンダリングすべき加工曲線が前記(式2)で与えられた
場合について示したものである。本実行処理フローにお
いては、まずステップ601において、Gコードデコー
ダによるNCプログラムの解読を行う。ステップ602
では、その解読結果に従って、解読内容が終了指令であ
った場合には、処理をステップ603に、解読内容がコ
ンダリング以外の指令であった場合には、処理をステッ
プ604に、解読内容がコンダリング指令であった場合
には、処理をステップ605に、それぞれ移す。ステッ
プ603は、終了処理を行う。ステップ604は、従来
通りの処理を行う。ステップ605からステップ612
までにおいては、請求項1に示した手段を具体的に実現
するための処理を行う。より詳細には、まず始めに、ス
テップ605により、(式3)、(式4)に従うアプロ
ーチ曲線およびエスケープ曲線を決定する。ステップ6
06では、アプローチ曲線、加工曲線およびエスケープ
曲線の形状分割などの形状補間処理を行うと共に、指定
された真円の半径Rおよび真円加工中の工具の移動速度
の大きさF0 より、工具の角速度ω(rad/sec)
を求める。ステップ607は、工具をアプローチ曲線の
始点にまで移動させるための加減速処理の指令を出力す
る。ステップ608では、(式1)により補正すべき形
状誤差△rを算出する。ステップ609では、図3に示
したようにこの△rの値を、曲線軌道上の次の指令位置
(分割点)における法線方向のベクトク量としてx成分
△rx とy成分△ry とに分割し、各成分ごとに補正を
行う。ステップ610では、この補正処理後の位置の指
令を出力する。ステップ651は、速度補正処理650
を正に真円加工中の場合にのみ呼び出す。ステップ61
1では、次に更なる指令位置が存在するかを判定し、存
在する場合には、次の処理をステップ608に移す。存
在しない場合には、次の処理をステップ612に移す。
ステップ612では、次に更なるコンダリング対称が存
在するかを判定し、存在する場合には、次の処理をステ
ップ605に移す。存在しない場合には、次の処理をス
テップ601に移す。なお、速度補正処理650の処理
内容の詳細については、請求項2の実施例の実行処理フ
ローについての説明のところで行う。
【0016】以下、請求項2の実施例を説明する。エス
ケープ前の再加工時において、工具がワークから及ぼさ
れる抗力の変動を抑え、この抗力を一定もしくは略一定
に保つ手段を考える上で、本実施例では簡単のため、ま
ず「抗力(以下、加工負荷という)は、加工中に工具と
ワークとが接触する面積(以下、工具接触面積という)
にのみ依存する」と仮定する。このとき、
【数8】 (工具接触面積)=(加工深さ)×(工具接触円弧長) =(加工深さ)×(工具半径)×(工具接触円弧中心角). であり、加工中は(加工深さ)および(工具半径)は一
定であるので、前記仮定より「加工負荷は、工具接触円
弧中心角(≡α)にのみ依存する」と考えられる。
【0017】以下、工具接触円弧中心角αについて図7
を用いて説明する。図7は、外径コンダリグを行う場合
の、二度削り時の被加工媒体(ワーク)の断面図であ
る。ここで、701は加工前のワークの形状(円)を、
702は加工曲線(円)を、703および703’は工
具の外形を、704はアプローチ曲線を、705の斜線
部はエスケープ前の二度削り部を示しており、Rは加工
曲線(円)の半径、Dは取り代の幅、Oは加工曲線の中
心点、θは点Oの回りの加工曲線の始点を基準とした工
具の回転角、Cは工具の中心点、Pは工具の加工曲線7
02との接点、Qは加工前のワークの形状701と工具
の外形703’との交点のうち、工具接触円弧上のもの
とする。ただし、エスケープ前の二度削り部705加工
時においては、アプローチ曲線704と工具の外形70
3’との交点のうち、工具接触円弧上のものとする。ま
た、βは中心角∠QOPを示し、下付きの添え字0は、
二度削りを開始した時点での各点もしくは各値を示すも
のとする。このとき、工具接触円弧中心角αは中心角∠
QCPで表される。また、A/E曲線演算手段によりア
プローチ曲線704は既知であるため、αはθの関数α
(θ)として一意的に定まり、二度削り部705加工中
(θ0 ≦θ≦2π)においては、α0 ≧α(θ)≧0で
あり、0≦θ≦θ0 においては、α(θ)=α0 =一定
であることが本図7より判る。
【0018】そこで本実施例では、加工負荷係数εをε
≡α/α0 で定義し、このεの値により、前記の速度補
正手段にて図8に示すように工具の送り速度の大きさF
を制御している。ただし、図8でF0 (=Rω)は、真
円加工時の工具の指定された送り速度の大きさを示して
おり、γは最大速度設定パラメータである。また、kは
安全係数であり、通常は1であるが、以下の場合には適
当な値を与えるものとする。 (1)加工曲線の終点におけるFの値を、エスケープ時
の移動距離内では、所定の値にまで減速しきれない場
合。 (2)加工曲線の終点に向かう際の増速時の速度もしく
は加速度が、工作機械の限界値を越える場合。
【0019】以下、本実施例の実行処理フローについ
て、図6を用いて説明する。図6の速度補正処理650
は、前記接点Pが加工真円上に有る場合にのみ実行さ
れ、ステップ652からステップ655までの処理によ
り、抗力変動量予測演算手段および速度補正手段を具体
的に実現する。より詳細には、ステップ652は、現在
の指令位置より工具接触円弧中心角αを算出する。ステ
ップ653は、加工負荷係数εをその定義ε≡α/α0
に従って算出する。ステップ654は、加工負荷係数ε
の値を判定し、その値が1であれば、何もせずに元来の
ステップ611に処理を戻す。反対に、εの値が1でな
い場合には、ステップ655に処理を移す。ステップ6
55は、εの値により図8に示した通りに、工具の送り
速度の指令値を変更する。
【0020】なお、上記の実施例においては、別途、加
工負荷係数εをε≡β/β0 のように定義してやる方法
も考えられる。あるいは、加工負荷係数εをε≡(α+
β)/(α0 +β0 )のように定義してやる方法も考え
られる。また、上記の実施例においては、「加工負荷
は、工具接触面積にのみ依存する」と仮定したが、場合
によっては、随時「工具とワークとの接触状態の変化
は、、ワークの加工部位による材質変化、ワークの温度
変化、あるいはワークの固定形態にも依存する」と考え
て、これらの変化に応じて抗力の変動量を予測する抗力
変動量予測演算手段を用いて、工具の送り速度の大きさ
Fを制御してやる方法も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の基本概念図。
【図2】本発明の装置の構成図。
【図3】従来技術と本発明とを比較した、加工曲線に対
するアプローチ曲線の平面図。
【図4】従来技術と本発明とを比較した、加工開始点P
1 近傍での工具の加速度の時間変化を示すグラフ。
【図5】速度および加速度が段差無く連続的に変化する
曲線軌道のグラフ。
【図6】補正処理のフローチャート。
【図7】工具接触円弧中心角αを求める際の被工作媒体
の断面図。
【図8】加工負荷係数εと工具の送り速度の大きさFと
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
106…工具 107…被工作媒体(ワーク) 200…数値制御装置 201…中央処理装置(CPU) 202…ROM 203…RAM 204…入出力インターフェース(IF) 205…画面表示装置(CRT) 206…キーボード(KB) 210…サーボ制御装置 220…工作機械 R…加工される真円の半径 F…工具の速度の大きさ ω…工具の角速度 F0 …真円加工中の工具の指定された速度の大きさ ar …動径方向の加速度 P1 …加工開始点 701…加工前のワークの断面形状(円) 702…加工曲線(円) 703,703’…工具の断面の外形(円) 704…アプローチ曲線 705…二度削り部 O…ワークの加工円の中心点 C…工具の中心点 P…工具と加工曲線との接点 α…工具接触円弧中心角(工具の中心点Cから見た工具
と被加工媒体との接触面の角度) β…加工円の中心点Oから見た工具と被加工媒体との接
触面の角度 C0 …2度削り開始時点での工具の中心点 P0 …2度削り開始時点での工具と加工曲線との接点 α0 …2度削り開始時点でのαの値 β0 …2度削り開始時点でのβの値 ε…加工負荷係数 γ…最大速度設定パラメータ k…安全係数

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補正されるべきサーボ系の追従遅れに基
    づく補正量を演算する遅延補正量演算手段と、軌道の補
    間手段を備えた数値制御装置において、指令された加工
    曲線の始点または終点で、工具の位置、速度、および加
    速度が段差無く連続的に変化するような、前記始点に先
    立つアプローチ曲線または前記終点から後続するエスケ
    ープ曲線を求めるA/E曲線演算手段と、前記加工曲
    線、前記アプローチ曲線および前記エスケープ曲線を前
    記補正量で補正する曲線軌道補正手段と、該曲線軌道補
    正手段にて補正された曲線軌道に基づいて工具の移動を
    制御する工具制御手段とを備えたことを特徴とする数値
    制御装置。
  2. 【請求項2】 工具とワークとの間で作用する抗力の変
    動量を工具とワークとの位置関係により決定される接触
    状態の変化に応じて予測する抗力変動量予測演算手段
    と、該抗力変動量予測演算手段により求められた抗力変
    動量に基づいて加工負荷が略一定と成るように工具の送
    り速度を補正する速度補正手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1に記載の数値制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002023814A (ja) * 2000-06-07 2002-01-25 Parametric Technology Corp 工作物の選択した部分の機械加工をコンピュータによって実行する方法
KR100917510B1 (ko) 2007-11-01 2009-09-16 엘에스산전 주식회사 위치제어기에서의 타원 보간 방법
JPWO2015037143A1 (ja) * 2013-09-13 2017-03-02 株式会社牧野フライス製作所 工具経路評価方法、工具経路生成方法、及び工具経路生成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10088824B2 (en) 2013-09-13 2018-10-02 Makino Milling Machine Co., Ltd. Toolpath evaluation method, toolpath generation method, and toolpath generation device

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