JPH11200975A - 燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの馬力とは無関係に同じ容量のプレ
フィルタを用い、メンテナンス等のために必要なサービ
ス部品の点数を少なくできるようにする。 【構成】 燃料タンク１からウォータセパレータ７に至
る燃料供給配管１０は、途中でタンク側配管１１と、噴
射ポンプ側配管１２とに分離されており、これらタンク
側配管１１と噴射ポンプ側配管１２との先端部には、そ
れぞれ配管分離部１１ａ，１２ａが設けられている。こ
れらの配管分離部１１ａ，１２ａには、プレフィルタ２
１の流入側配管２２及び流出側配管２３とから構成した
プレフィルタユニット２０が設けられるが、このプレフ
ィルタユニット２０は、１個だけでなく、複数個並列に
設けることもできるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに燃料を
供給する燃料供給装置に関するものであり、特に燃料供
給装置に設けられ、燃料から塵埃等の異物を除去するた
めのプレフィルタの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、油圧ショベル等の建設機械には
エンジンが搭載されており、このエンジンによって油圧
ポンプが駆動され、この油圧ポンプからの吐出油により
油圧シリンダや油圧モータ等のアクチュエータが駆動さ
れるようになっている。エンジンに燃料を供給するため
に燃料供給装置が設けられる。

【０００３】図４に従来技術による燃料供給装置の概略
構成を示す。図中において、１は燃料タンク、２は噴射
ポンプユニット、３は噴射ノズルである。燃料タンク１
からの燃料供給配管４の先端は噴射ポンプユニット２を
構成するフィードポンプ５に接続されており、このフィ
ードポンプ５によって燃料タンク１から燃料が吸い込ま
れ、このフィードポンプ５により加圧されて、燃料噴射
ノズル３に供給され、この燃料噴射ノズル３で所定の混
合比で空気と混合された上でエンジンにおける燃焼室に
噴射される。噴射ポンプユニット２にはガバナ６が付設
されており、このガバナ６によりエンジンの回転数に応
じて燃料の噴射量が調整される。

【０００４】ここで、エンジンに供給される燃料に含ま
れる不純物を除去するために、燃料の供給経路にはウォ
ータセパレータ７と燃料フィルタ８とが設けられてお
り、ウォータセパレータ７により供給された燃料から水
分を除去し、また燃料フィルタ８で燃料に含まれる固形
異物が除去される。

【０００５】前述したように、建設機械としての油圧シ
ョベル等は、野外で作業を行うものであり、しかも車両
の走行は可能であるものの、その走行は作業領域内で場
所を変えるという程度のものである。従って、燃料の補
給は作業現場で行われることになり、例えば資材置き場
等にドラム缶を配置しておき、このドラム缶から必要量
の燃料を燃料タンク１に供給する場合が多い。作業現場
では多量の塵埃が飛散する等の関係から、ドラム缶内に
これら塵埃等の異物が混入する可能性が高い。燃料の供
給経路には燃料フィルタ８が設けられており、この燃料
フィルタ８は摩耗粉等の微小な異物を除去するのが本来
の機能であるから、目の細かいフィルタが一般的に用い
る。従って、供給される燃料に多量の異物が混入してい
ると、容易に目詰りを起こすことになる。

【０００６】以上のことから、燃料の補給をドラム缶
等、比較的管理の悪い補給手段から燃料が補給される、
油圧ショベル等の建設機械にあっては、燃料供給装置に
プレフィルタ９を設けるようにしている。このプレフィ
ルタ９は、燃料供給配管４における燃料タンク１に近い
位置に配置して、燃料タンク１から供給される燃料に含
まれる塵埃その他、比較的大きな異物等を予め除去する
ようにしている。これによって、燃料フィルタ８の負担
を軽減してその長寿命化を図ると共に、エンジンに不純
物を含まない清浄な燃料が供給できるようになってい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧ショベ
ル等の建設機械にあっては、機種に応じて馬力の異なる
エンジンが搭載される。大馬力の大型エンジンを搭載し
た機械にあっては、小型エンジンを搭載した機械より
も、単位時間あたりの燃料供給量は多くなる。従って、
大馬力で大型のエンジンを搭載した機械の場合には、異
物捕捉能力の高い大型のプレフィルタを用いる必要があ
る。大型エンジンを用いる場合において、小型のプレフ
ィルタ９を装着すると、その寿命が短いことから、頻繁
にフィルタの交換乃至清掃を行わなければならず、その
作業は極めて煩わしいものとなる。一般に、フィルタの
交換は、定期的に行われるメンテナンス作業時に行われ
るが、フィルタの寿命が短いと、メンテナンス作業との
タイミングが取れなくなってしまう。このために、定期
的に行われるメンテナンス作業のタイミングとフィルタ
の交換乃至清掃作業のタイミングを実質的に一致させる
等の観点から、大型エンジンを搭載した機械にあって
は、それに応じて、大型で能力の高いプレフィルタを装
着しなければならない。一方、小型エンジンを搭載した
機械に必要以上の大型プレフィルタを設けるのは無駄で
あり、またその設置スペースの確保も困難になる等の点
から、小型エンジンには、それに応じた能力のプレフィ
ルタを用いるのが好ましい。

【０００８】以上のことから、燃料供給装置を油圧ショ
ベル等の建設機械に設けるに当って、大型のエンジンを
搭載した機械では、それに応じて大型のプレフィルタを
接続し、また小型のエンジンを搭載した機械では、より
小型のプレフィルタを装着するのが一般的である。そう
すると、何種類かのプレフィルタをサービス部品として
準備しておく必要があり、サービス部品が増えると、そ
れだけ在庫管理等が面倒になる等といた問題点がある。

【０００９】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、エンジンの馬力に応
じたプレフィルタを設けるに当って、サービス部品の点
数を少なくできるようにすることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、燃料タンクと噴射ポンプユニットと
の間に接続され、この噴射ポンプユニットに燃料を供給
する燃料供給配管を、タンク側配管とポンプ側配管とに
分離して、これらの配管分離部に、所定の容量を有する
プレフィルタを備えたプレフィルタユニットを所望の数
だけ接続可能な構成としたことをその特徴とするもので
ある。

【００１１】ここで、所望数のプレフィルタ接続できる
ことから、各プレフィルタの容量としては、例えば大小
の２種類を用いれるだけでも、サービス部品の種類点数
の数を少なくできるが、全く同じ構造のプレフィルタを
用いるのが最も好ましい。そして、同じ構造のプレフィ
ルタを用いる場合の具体的な構成としては、タンク側配
管及び噴射ポンプ側配管の先端に設けたＴ字継手を装着
することにより分岐部となし、これら両継手の一方の配
管接続部にプレフィルタユニットの両側の配管を着脱可
能に接続し、他方の配管接続部には、密閉用の栓部材、
もう１つのプレフィルタユニットの両側の配管、または
少なくとも２個のプレフィルタユニットを接続可能な分
岐配管部材を選択的に接続できる構成とすることができ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。なお、燃料供給装置の全体
構成については、前述した従来技術のものと格別の差異
はないので、従来技術において説明したと同一または均
等な構成要素については、同一の符号を付してその説明
は省略する。

【００１３】図１には小型のエンジンにおける燃料供給
装置として構成したものを示し、また図２にはこれより
馬力の大きいエンジンの場合の燃料供給装置として構成
したものを示す。これらの図において、燃料タンク１か
らウォータセパレータ７に至る燃料供給配管１０は、タ
ンク側配管１１と、噴射ポンプ側配管１２とに分離され
ており、これらタンク側配管１１と噴射ポンプ側配管１
２との先端部には、それぞれ配管分離部１１ａ，１２ａ
が設けられている。

【００１４】図１の構成において、２０はプレフィルタ
ユニットを示し、このプレフィルタユニット２０は、所
定の容量を有するプレフィルタ２１と、このプレフィル
タ２１の流入側配管２２及び流出側配管２３とから構成
される。ここで、プレフィルタ２１は、機械に搭載され
るエンジンのうち、馬力の小さいエンジンを用いた場合
おいて、所定の時間内で稼動させている間にはフィルタ
がの交換が必要となるものである。ここで、通常、油圧
ショベル等の機械においては、その仕様では、所定の稼
動時間だけ作動すると、定期的に保守・点検が行われる
ようになっている。そこで、小型のエンジンが搭載され
ている機械で、燃料タンク１に供給した燃料に極端に多
量の塵埃等が混入しているような場合を除き、この定期
点検時までの稼動時間では十分に耐用でき、燃料の供給
に支障を来す程度の目詰りが発生しない容量のプレフィ
ルタ２１を用いる。

【００１５】エンジンが小型で馬力の小さいものであれ
ば、前述した容量のプレフィルタ２１を１個用いれば良
いが、より大きな馬力の大型エンジンの場合には、それ
だけ燃料供給量が多くなる。この大型エンジンでは、小
型エンジンの２倍の量の燃料が供給されるすれば、プレ
フィルタユニット２０を１個接続しただけでは、早期に
フィルタに目詰りが生じることになり、フィルタ交換ま
での稼動時間がほぼ半分となってしまう。このために、
定期的に行われる保守・点検時に加えて、その中間に１
度フィルタの交換を行わなければならないことになる。
そこで、図２に示したように、燃料供給配管１０の配管
分離部１１ａ，１２ａ間に２個のプレフィルタユニット
２０を接続するように構成する。これによって、同じ容
量のプレフィルタ２１を用いても、その耐用時間をほぼ
２倍にすることができる。

【００１６】従って、フィルタ交換作業は１個のプレフ
ィルタユニット２０を用いた小型エンジンを搭載した機
械と実質的に同じタイミングで行うことができるように
なる。さらに馬力の大きなエンジンを搭載した機械の場
合には、３個乃至それ以上のプレフィルタユニット２０
を配管分離部１１ａ，１２ａ間に接続する。これによっ
て、エンジンの馬力の如何に拘らず、プレフィルタユニ
ット２０を構成するプレフィルタ２１のフィルタ交換作
業は、常に同じタイミングで行うことができるようにな
る。しかも、プレフィルタユニット２０は全て同じ構成
のものであるから、交換用フィルタ等のサービス部品が
統一されることになり、部品点数を少なくすることがで
きるので、メンテナンス作業の管理等の点で便利であ
る。

【００１７】しかも、図２に示したように、供給量の多
い大型エンジンを搭載した機械における燃料供給装置で
は、燃料が並列に並べた複数のプレフィルタ２１を介し
て供給されることから、１個の大型のプレフィルタより
フィルタの表面積を大きくすることができる。このため
に、プレフィルタを通過する際における圧力損失の抑制
を図ることもできる。

【００１８】ここで、図３にタンク側配管１１の配管分
離部１１ａと、それに接続される部材の構成の一例を示
す。なお、噴射ポンプ側配管１２の配管分離部１２ａに
ついても同じ構成を有するものであるから、その図示は
省略する。

【００１９】而して、タンク側配管１１の配管分離部１
１ａにはＴ字継手３０が設けられている。タンク側配管
１１の先端はこのＴ字継手３０と一体になっており、こ
のＴ字継手３０には上下にそれぞれ配管接続部３０ａ，
３０ｂが設けられている。

【００２０】ここで、燃料供給配管１０には少なくとも
１個のプレフィルタユニット２０が設けられるから、継
手３０の配管接続部３０ａには、このプレフィルタユニ
ット２０における流入側配管２２の先端に設けた接続部
２２ａが着脱可能に接続される。ただし、燃料供給配管
１０には必ず１個のプレフィルタユニット２０が設けら
れる関係から、この１個のプレフィルタユニット２０に
おける流入側配管２２は継手３０と一体的に設けたもの
や、固定的に接続したものであっても良い。

【００２１】これに対して、Ｔ字継手３０の接続部３０
ｂ側には、エンジンの馬力に応じて、密閉用の栓部材３
１か、他のプレフィルタユニット２０か、または分岐配
管部材３２かのいずれかを接続できるようになってい
る。栓部材３１を装着すれば、配管分離部１１ａには１
個のプレフィルタユニット２０のみが取り付けられた状
態になる。従って、小型のエンジンを用いる場合には、
Ｔ字継手３０の接続部３０ｂ側には栓部材３１を装着す
る。

【００２２】Ｔ字継手３０の接続部３０ｂ側にも接続部
３０ａ側と同じ構造のプレフィルタユニット２０が着脱
可能に接続される。このように、Ｔ字継手３０の両接続
部３０ａ，３０ｂにそれぞれプレフィルタユニット２０
を接続すると、２倍のフィルタ容量が得られることにな
り、前述した小型のエンジンに対して２倍前後の燃料を
必要とする大型のエンジンを搭載した機械の場合にこの
ような接続方式を採用する。従って、この場合には、フ
ィルタの寿命も１個の場合と比較して、２倍の寿命にな
る。

【００２３】接続部３０ｂには分岐配管部材３２も接続
できるようになっている。この分岐配管部材３２は、配
管３３とＴ字継手部材３４とから構成される。配管３３
の一端側の接続部３３ａはタンク側配管１１に設けたＴ
字継手３０ｂに着脱可能に接続される。また、Ｔ字継手
部材３４は、３つの接続部３４ａ，３４ｂ，３４ｃを備
えたものであり、配管３３の他端側の接続部３３ｂはＴ
字継手部材３４の接続部３４ａに連結される。ここで、
配管３３の接続部３３ａとＴ字継手部材３４の接続部３
４ａとは必ずしも分離する必要がないことから、これら
を一体化するか、または接続状態で固定的に保持するこ
ともできる。そして、Ｔ字継手部材３４の接続部３４ｂ
には、プレフィルタユニット２０の流入側配管２２の接
続部２２ａが着脱可能に接続される。なお、この場合に
おける流入側配管２２は真直ぐ延在されているように示
されているが、流入側配管２２を曲げるか、または真直
ぐな状態にするかは、その機能上で格別の差異はない。
さらに、Ｔ字継手部材３４の第３の接続部３４ｃには、
さらにプレフィルタユニット２０の流入側配管２２が接
続できる。これによって、３個のプレフィルタユニット
２０が燃料供給配管１０に設けられることになり、さら
に大型のエンジンを用いる場合に、そのエンジンに合わ
せた容量のプレフィルタ２１を持たせることができる。
第３の接続部３４ｃには、さらにもう一つの分岐配管部
材３２の配管３３を接続することもできる。これによっ
て、この配管３３に接続したＴ字継手部材３４に２個の
プレフィルタユニット２０を接続できるから、合計４個
のプレフィルタユニット２０を接続できるようになる。

【００２４】以上のように構成すると、燃料タンク１と
噴射ポンプユニット２との間に任意の数のプレフィルタ
ユニット２０を設けることができ、各プレフィルタユニ
ット２０を構成するプレフィルタ２１を同一の容量とす
ることができる。そして、この場合の交換部品として
は、プレフィルタ２１のフィルタのみであり、配管やＴ
字継手等、他の部品は通常の状態では交換が必要ではな
いので、小型の機械から超大型の機械まで、どのような
エンジンが搭載されていても、メンテナンス用のサービ
ス部品が全く共通なものとなり、その管理等を行う上で
至便である。

【００２５】なお、燃料タンク１と噴射ポンプユニット
２との間に設けられるプレフィルタユニットの増設は、
前述した構成のものの他、例えばタンク側配管１１及び
噴射ポンプ側配管１２の各配管分離部１１ａ，１２ａを
マニホールドに接続し、この間にホールに所要数の接続
部を設けて、プレフィルタユニット２０を構成する流入
側配管２２または栓部材のいずれかを装着するように構
成しても良い。また、用いられるプレフィルタユニット
２０の数は機械に搭載されるエンジンに依存するもので
あるから、数タンク側配管１１及び噴射ポンプ側配管１
２の各配管分離部１１ａ，１２ａに各種の機械のエンジ
ンに必要な数の分岐配管を一体的に組み付けるように構
成しても良い。さらに、プレフィルタユニットは単一種
類のものとしたが、例えば小型のプレフィルタと大型の
プレフィルタとの２種類となし、これらを適宜組み合わ
せるようにすることもでき、この場合には大型のエンジ
ンでも装着されるプレフィルタの数を少なくできるか
ら、配管の単純化及びスペースの節約を図ることができ
る。ただし、サービス部品の点数が２倍になる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は燃料供給
配管を途中位置で分離して、その間に所望の数のプレフ
ィルタユニットを接続できる構成としたので、エンジン
の馬力とは無関係に同じ容量のプレフィルタを用いるこ
とができ、メンテナンス等のために必要なサービス部品
の点数を少なくできる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態を示すものであって、小
型のエンジンを用いる場合における燃料供給装置の概略
構成図である。

【図２】大型のエンジンを用いる場合における燃料供給
装置の概略構成図である。

【図３】タンク側配管の接続部とこの接続部に接続され
る部材を示す説明図である。

【図４】従来技術による燃料供給装置の概略構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 燃料タンク ２ 噴射ポン
プユニット ３ 噴射ノズル １０ 燃料供
給配管 １１ タンク側配管 １２ 噴射ポ
ンプ側配管 １１ａ，１２ａ 配管分離部 ２０ プレフ
ィルタユニット ２１ プレフィルタ ２２ 流入側
配管 ２３ 流出側配管 ３０ Ｔ字継
手 ３１ 栓部材 ３２ 分岐配
管部材 ３３ 配管 ３４ Ｔ字継
手部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンクと噴射ポンプユニットとの間
   に接続され、この噴射ポンプユニットに燃料を供給する
   燃料供給配管を、タンク側配管とポンプ側配管とに分離
   して、これらの配管分離部に、所定の容量を有するプレ
   フィルタを備えたプレフィルタユニットを所望の数だけ
   接続可能な構成としたことを特徴とする燃料供給装置。
2. 【請求項２】 前記複数のプレフィルタユニットを構成
   するプレフィルタは同じ容量のものであり、これら各プ
   レフィルタに接続した流入側及び流出側の各配管をそれ
   ぞれの配管分離部に着脱可能に接続することによって、
   複数のプレフィルタユニットを並列に設ける構成とした
   ことを特徴とする請求項１記載の燃料供給装置。
3. 【請求項３】 前記配管分離部は、前記タンク側配管及
   び噴射ポンプ側配管の先端に設けたＴ字継手で形成し、
   これら両継手の一方の配管接続部に前記プレフィルタユ
   ニットの両側の配管を着脱可能に接続し、他方の配管接
   続部には、密閉用の栓部材、もう１つのプレフィルタユ
   ニットの両側の配管、または少なくとも２つのプレフィ
   ルタユニットが接続可能な配管分岐部材を選択的に接続
   できる構成としたことを特徴とする請求項２記載の燃料
   供給装置。