JPH11199490A - 活性酸素を用いた血液またはその成分の浄化方法 - Google Patents

活性酸素を用いた血液またはその成分の浄化方法

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JPH11199490A
JPH11199490A JP10031962A JP3196298A JPH11199490A JP H11199490 A JPH11199490 A JP H11199490A JP 10031962 A JP10031962 A JP 10031962A JP 3196298 A JP3196298 A JP 3196298A JP H11199490 A JPH11199490 A JP H11199490A
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blood
component
singlet oxygen
virus
viruses
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JP10031962A
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Yoshitaka Suzuki
喜隆 鈴木
Toshiyuki Yoda
敏行 依田
Takeo Nomoto
健雄 野本
Akiya Ozawa
昭弥 小沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】残留毒性の危険性が無く、物質の製造、保管、
使用に際し安全性の確保のための高度の管理を必要とせ
ず、安全で、且つ極めて簡単な装置と低いランニングコ
ストにより血液またはその成分を浄化する方法を提供す
る。 【構成】血液またはその成分中のウイルスと一重項酸素
とを接触せしめることにより、該ウイルスを選択的に死
滅ないしは不活性化せしめることを特徴とする血液また
はその成分の浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一重項酸素を用いた
血液またはその成分の浄化方法に関し、特に微生物が他
の種類の生物と混ざり合った集団に一重項酸素を接触さ
せることにより、前記微生物のみを選択的に死滅ないし
は不活性化させる血液またはその成分の浄化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、人の血液またはその成分中の微生
物を除去する方法としては、弱加熱、抗生物質等を加え
る方法が一般に行われてきた。しかしながらこれらの操
作は選択性が低く、または物質に副作用があり、血液ま
たはその成分中での寿命が比較的長いので、残留毒性の
危険性が有った。さらに、これらの操作ならびに物質の
使用に当たっては、安全性の確保のため、高度の管理が
必要であり、この処理方法は高コストとならざるを得な
かった。また、これらの方法ではウイルスから血液中の
生理活性成分にいたるまで、無差別に死滅させるため、
一旦ウイルスに汚染された血液またはその成分からウイ
ルスを除去する有効な方法が無かった。また従来、一重
項酸素が強力な殺菌作用を持つことが知られてはいた
が、この現象を実際に利用するためには色素と被殺菌液
との分離を必要とするところから、実用には至っていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のこれら
の欠点を解決するものであって、残留毒性の危険性が少
なく、物質の製造、保管、使用には安全性の確保のた
め、高度の管理を必要とせず、誰にでも安全に使用で
き、且つ極めて簡単な装置と低いランニングコストによ
り微生物を除去できる方法を提供するものである。更に
本発明者等は、一重項酸素が各種の生物に対して選択的
に作用し、特にウイルスの様な小さな生物に対しては極
めて強力な殺菌作用を示すのに対し、血液または血清中
の生理活性成分、赤血球、白血球、血小板等の比較的大
きな細胞には大した損傷をを与えないことを発見し、こ
の選択性を利用して血液またはその成分におけるウイル
ス汚染を除去する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、血液またはそ
の成分中のウイルスと一重項酸素とを接触せしめること
により、該ウイルスを選択的に死滅ないしは不活性化せ
しめる血液またはその成分の浄化方法、およびウイルス
と一重項酸素とを接触せしめることにより、該ウイルス
を死滅ないしは不活性化せしめ、これを血液またはその
成分と反応せしめることにより抗原を得るワクチンの製
造方法である。
【0005】一重項酸素とは、通常の酸素分子
【化1】 が電子的に励起されてエネルギー的に高い状態になった
もので、
【化2】 と書き表される状態をいう。一重項酸素の発生方法とし
ては化学的発生法、物理的発生法等、種々の方法が知ら
れているが、本発明で用いる方法の一例は光を一旦有機
色素に当てて、色素を基底状態から一重項励起状態、更
に三重項励起状態とし、そのエネルギーを基底状態の酸
素分子に与えることにより一重項酸素とするものであ
り、次式の様に表される。
【式1】
【式2】 一重項酸素の存在は一重項酸素がエネルギーを放出して
基底状態に戻る際の近赤外光として検出することにより
確認できる。この光は図1に示す1270nmの近赤外
光である。この他に、一重項酸素は電磁波による方法と
酵素化学的方法によっても作ることが出来、これらの方
法を本発明に適用することも勿論可能である。
【0006】一重項酸素は従来殺菌に用いられてきた塩
素や過酸化水素等とは異なり、小さな細胞からなるウイ
ルスに対しては、比較的大きな細胞である赤血球や白血
球に対するよりもはるかに大きな損傷を与えることを本
発明者等は発見したものであり、この選択性を利用する
ことにより、血液またはその成分の浄化を可能としたも
のである。本発明で言う血液の成分とは、例えば血清、
血液製剤等である。さらに、ウイルスの死骸に血液また
はその成分の白血球を反応させることによって抗原を作
り、これをワクチンとして用いることもできる。
【0007】一重項酸素は活性酸素の一種で、極めて不
安定な物質であり、強力な酸化作用による殺菌力があ
る。しかしながらその寿命が半減期で3.3×10−
秒と極めて短いため、担体に固定化された有機色素から
離れた場所での残留毒性の心配は無くなる。即ち担体に
固定された有機色素の表面から数センチメートル以内の
範囲でのみ強力な殺菌作用が発生し、それより離れた場
所では普通の酸素に戻る。有機色素は担体に担持すれ
ば、有機色素が環境中や人体に流出することは無く、環
境汚染や人体への副作用の心配が無い。即ち有機色素を
担体に固定して用いれば、有機色素と被処理液との分離
が容易であり、さらに、該固定化色素を注射筒状のガラ
ス容器内に封入して使用し、使用後に廃棄するようにす
れば、ウイルス病等の他人への感染の恐れなく一重項酸
素を殺菌用として実用化することが可能になったもので
ある。
【0008】本発明で用いる有機色素としては紫外線又
は可視光線を吸収して三重項励起状態となりうるもので
あれば良い。本発明で好適に用いられる色素としては、
例えば、メチレンブルー、チオニン、ローズベンガル、
エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフ
ラビン、フルオレノン、ローダミンB、テトラフェニル
ポルフィリン、クロロフィル(葉緑素)類、クロロフィ
リン、ヘモグロビン類、ヘミン、等の有機色素およびそ
の誘導体がある。
【0009】照射する光は使用する有機色素を励起でき
る波長の光を含めば良く、その光源としては、太陽光、
水銀灯(高圧および低圧)、ナトリウム灯(高圧および
低圧)、白熱電灯、蛍光灯、タングステン−ハロゲン
灯、キセノン灯、等を用いることができる。
【0010】有機色素を固定化するための担体として
は、水に対して安定で不溶性の材料からできており、さ
らに処理する水との接触面積が広いことが望ましく、例
えば、イオン交換樹脂、セルロース、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、シリカゲル、アルミナ、珪藻土、ゼ
オライト、ガラス等の無機または有機質の多孔体あるい
は繊維を用いることができる。また、光の利用効率を高
めるために、透明ないしは白色に近い材料が好ましい。
また、殺菌する水との分離を容易にするために、適度の
大きさの粒状、板状、ハニカム状、あるいは繊維の束と
して用いることが望ましい。
【0011】容器としては、両端に注射器との接続が容
易にできるようなルアーを装備し、さらに、固定化色素
が漏れださないように、両端に近い位置にガラスフィル
ターまたはメンブレンフィルターを装備して、内部に固
定化色素を封入したものを使い捨てできる形で使用する
のが好ましい。また、容器の素材としては、光に対して
透明なガラスまたはプラスチック筒を用いるのが好まし
い。
【0012】本発明の方法により除去できるウイルス
は、例えば、HIV、B,C型肝炎ウイルス、等の有害
ウイルスがある。
【0013】
【実施例】図2は本発明における一具体例を示すもので
あり、輸血における成分輸血装置(連続遠心分離器を応
用した装置であり、血液中の固形分は人体内へ還流して
使用する)から採取した血清部分または血漿部分を容器
の一端から連続的に流入させ、該容器内の固定化色素の
中を通過する間に外部より光を照射して、一重項酸素を
発生させて、該血清部分または血漿部分中の微生物を死
滅させた後、該容器の他端から排出せしめ、血清とし
て、あるいは、人体に還流して使用する。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明の
方法によれば、極めて簡単な構成により低コストで無公
害で血液、血清、または血液製剤内のウイルスの殺菌を
行うことが可能であり、さらに該ウイルスに対抗するワ
クチンをウイルスの死骸および血液を用いて作ることも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一重項酸素が基底状態となる際に放出する近赤
外領域の発光スペクトルを表すグラフであり、横軸は波
長、縦軸は強度を示す。
【図2】本発明の一具体例を示すフローシート。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液またはその成分中のウイルスと一重
    項酸素とを接触せしめることにより、該ウイルスを選択
    的に死滅ないしは不活性化せしめることを特徴とする血
    液またはその成分の浄化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、一重項酸素を、光の
    吸収により三重項励起状態となりうる有機色素を担体の
    固定化し、溶存酸素の存在下で光を照射することにより
    発生せしめる血液またはその成分の浄化方法。
  3. 【請求項3】 ウイルスと一重項酸素とを接触せしめる
    ことにより、該ウイルスを死滅ないしは不活性化せし
    め、これを血液またはその成分と反応せしめることによ
    り抗原を得ることを特徴とするワクチンの製造方法。
JP10031962A 1998-01-05 1998-01-05 活性酸素を用いた血液またはその成分の浄化方法 Pending JPH11199490A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532084A (ja) * 2006-03-31 2009-09-10 ノース・カロライナ・ステート・ユニバーシティ 光活性抗ウイルス材料およびデバイスならびにウイルス感染した環境の除染方法

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JP2009532084A (ja) * 2006-03-31 2009-09-10 ノース・カロライナ・ステート・ユニバーシティ 光活性抗ウイルス材料およびデバイスならびにウイルス感染した環境の除染方法

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