JPH11194125A - 無機水硬性物質の結合水量測定方法 - Google Patents

無機水硬性物質の結合水量測定方法

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JPH11194125A
JPH11194125A JP36893497A JP36893497A JPH11194125A JP H11194125 A JPH11194125 A JP H11194125A JP 36893497 A JP36893497 A JP 36893497A JP 36893497 A JP36893497 A JP 36893497A JP H11194125 A JPH11194125 A JP H11194125A
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JP
Japan
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water
inorganic hydraulic
hydraulic substance
mass
cement
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Application number
JP36893497A
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English (en)
Inventor
Norio Marushima
丸嶋紀夫
Satoru Namiki
並木哲
Hiroshi Kubota
久保田浩
Kazumasa Goto
後藤和正
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】無機水硬性物質の結合水量を迅速に測定するこ
と。 【解決手段】無機水硬性物質の空中での質量と水中での
見掛けの質量とを測定し、これらの質量と、無機水硬性
物質自身の密度と、無機水硬性物質と化学的に結合した
ときの水の体積収縮率とから、無機水硬性物質と化学的
に結合した水の量を求める無機水硬性物質の結合水量測
定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機水硬性物質の
結合水量の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】セメントの水和はコンクリートの物性に大
きく影響する。硬化不良、強度不足などは何らかの理由
でセメントの水和反応が正常に進行しなかったことが主
因である場合が多いし、耐久性等も密接な関係がある。
【0003】従来、セメントの水和の進行程度を推定す
る方法として結合水量を求める方法がある。セメントの
水和反応がどの程度進行しているかを知るためにセメン
トの結合水量を測定することは、硬化コンクリートの物
性の異常の原因を解明する上で、必要である。
【0004】しかし、セメントの結合水量を測定する方
法としては、試料の水和を停止した後、湿度11%乾燥
あるいはD−乾燥を行なって試料中の自由水を除去した
後、JIS−R−5202(ポルトランドセメントの化
学分析方法)の強熱減量の定量方法により強熱減量を測
定して、結合水量を求める方法がある。
【0005】しかし、次のような問題点がある。 (1)湿度11%乾燥あるいはD−乾燥とも、乾燥恒量
時間が2週間程度と長く、また、結合水と自由水との分
離を完全に行うことができない。 (2)湿度11%乾燥方法では、乾燥恒量の終点が分か
り難い。 (3)D−乾燥方法では、エトリンガイト水和物の結合
水の一部が脱水される。 (4)強熱減量の測定を行う際、特別な機器と技術を必
要とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたものであり、無機水硬
性物質の結合水量を迅速に測定することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機水硬性物
質の空中での質量と水中での見掛けの質量とを測定し、
これらの質量と、無機水硬性物質自身の密度と、無機水
硬性物質と化学的に結合したときの水の体積収縮率とか
ら、無機水硬性物質と化学的に結合した水の量を求め
る、無機水硬性物質の結合水量測定方法、又は、無機水
硬性物質の空中での質量と水中での見掛けの質量とを測
定し、これらの質量の差と無機水硬性物質自身の密度と
から無機水硬性物質と化学的に結合した水の水中での見
掛けの質量を求め、この求めた質量と、無機水硬性物質
と化学的に結合した水の体積収縮率とから無機水硬性物
質と化学的に結合した水の量を求める、無機水硬性物質
の結合水量測定方法、又は、無機水硬性物質、水、骨材
の構成成分量が既知である無機水硬性混練物試料におい
て、空中での質量と水中での見掛けの質量とを計測し、
それらの質量差と、無機水硬性物質と骨材の密度とか
ら、試料中の骨材と水の量を除いた試料中の無機水硬性
物の質量を求め、無機水硬性物質自身の密度と、無機水
硬性物質と化学的に結合したときの水の体積収縮率とか
ら、無機水硬性物質と化学的に結合した水の量を求め
る、無機水硬性物質の結合水量測定方法、又は、無機水
硬性物質、水、骨材の構成成分量が既知である無機水硬
性混練物試料において、空中での質量と水中での見掛け
の質量とを計測し、それらの質量差と、無機水硬性物質
と骨材の密度とから、試料中の骨材と水の量を除いた試
料中の無機水硬性物の質量を求め、無機水硬性物質と化
学的に結合した水の水中での見掛けの質量と、無機水硬
性物質と化学的に結合したときの水の体積収縮率とか
ら、無機水硬性物質と化学的に結合した水の量を求め
る、無機水硬性物質の結合水量測定方法にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。
【0009】<イ>無機水硬性物質の結合水量の測定原
理 無機水硬性物質、例えばセメントが水和すると、化学的
に結合した水はもとの水より体積が収縮して、その密度
は大きくなる。それゆえ、セメントペーストの水中での
見掛けの質量を経時的に計測すると、時間の経過ととも
に水和反応が進行して、セメントの水中での見掛けの質
量が増加していく。
【0010】そこで、結合水量を求めるには、試料の空
中での質量と水中での見掛けの質量を測定し、更にセメ
ントと水の密度、及びセメントと化学的に結合した水の
体積収縮率により算出する。セメントと化学的に結合し
た水の体積収縮率は、セメント鉱物の化学量論的な水和
反応式と、セメント鉱物と水和生成物の密度から求める
ことができる。
【0011】即ち、セメントの結合水量WCは、空中で
のセメントの質量C、水中での見掛けの質量CW、セ
メントと化学的に結合した水の体積収縮率ρW/ρ
W*(ρW*は、セメントと化学的に結合した水の密度)、
セメントの密度ρC、水中質量を測定するときの水の密
度ρWを用いて、化1で求めることができる。尚、化1
の導出方法は後述する。
【0012】
【化1】
【0013】<ロ>試料 測定する試料としては、例えば、セメントペースト、モ
ルタル、コンクリートなどがある。セメントペースト試
料の場合は試料中のセメント量とその密度を把握してお
く必要がある。又、モルタルやコンクリート試料の場合
は試料中のセメント量と骨材量とそれぞれの密度を把握
しておく必要がある。
【0014】<ハ>試料中の空気の除去 まだ固まらない状態の試料については、水を加えて攪拌
するなどして、また、硬化試料については、微粉砕して
粉状にして、試料中に含まれている空気を完全に除去し
て、水中での見掛けの質量の測定における誤差の影響を
取り除く。
【0015】<ニ>固体密度測定装置 図1に示すような固体密度測定装置1を用いて試料8の
空中での質量と水中での見掛けの質量を測定する。この
固体密度測定装置1は、架台4に電子天秤2を配置し、
電子天秤2で試料8の質量を測定する。
【0016】試料8の水中における見掛けの質量を測定
する場合、試料8を試料容器7に入れ、試料容器7自体
を水10で充満するように水槽5に注水高さ9まで水1
0を入れ、かご6を介して吊り棒3で吊り下げて行う。
【0017】以下に、セメントと化学的に結合した水の
体積収縮率について説明する。
【0018】<イ>水和反応の化学量論式 セメントに結合した水の体積は、セメントの水和反応に
より、化学収縮するので、水和反応式より、予め、水の
理論体積変化比を求めておき、これよりセメントに結合
した水の密度の計算を行う。セメントの水和反応の化学
量論式は、化2(反応式(1))〜化7(反応式
(6))である。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】<ロ>水の理論体積変化率 水和反応の化学量論式による水の理論体積変化率の計算
例を化8〜化12で示す。セメント鉱物組成は、化学式
からボーグ式で求めることができる。
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】<ハ>C3Aから生成するアルミネート水
和物がモノサルフェートとカルシウムアルミネート水和
物である場合(c=e、又はc>e) 出発物質のセメント分の体積は、化13で示すことがで
きる。
【0032】
【化13】
【0033】出発物質の水分の体積は、化14で示すこ
とができる。
【0034】
【化14】
【0035】反応生成物の体積は、化15で示すことが
できる。
【0036】
【化15】
【0037】水と化学的に結合した水の体積収縮率ρW
/ρW*は、化13〜化15により、化16で示すことが
できる。
【0038】
【化16】
【0039】<ニ>C3Aから生成するアルミネート水
和物がエトリンガイトとモノサルフェートである場合
(e>c>e/3、又はe>c=e/3) 出発物質のセメント分の体積は、化17で示すことがで
きる。
【0040】
【化17】
【0041】出発物質の水分の体積は、化18で示すこ
とができる。
【0042】
【化18】
【0043】反応生成物の体積は、化19で示すことが
できる。
【0044】
【化19】
【0045】水と化学的に結合した水の体積収縮率ρW
/ρW*は、化17〜化19により、化20で示すことが
できる。
【0046】
【化20】
【0047】<ホ>水の体積収縮率計算結果 普通ポルトランドセメント2種類、早強ポルトランドセ
メント、低熱ポルトランドセメントの、セメントと化学
的に結合した水の体積収縮率ρW/ρW*の計算例を表1
に示す。水の体積収縮率ρW/ρW*は、各セメントも、
ほぼ0.7前後の値となっている。
【0048】
【表1】
【0049】以下に、セメントの結合水量の算出手順を
示す。
【0050】<イ>無機水硬性物質における結合水量の
算出 試料中のセメントなどの無機水硬性物質の質量Cとセ
メントペースト試料中の水中での見掛けの質量CWを測
定する。実際には、セメントペースト試料では、セメン
トが水と化合するので、水中での見掛けの質量CWは、
化21のように、セメント自身の水中での見掛けの質量
1Wと結合した水の水中での見掛けの質量WCWを足し合
わせたものとなる。
【0051】
【化21】
【0052】セメントの体積は化22となり、水の体積
は化23となる。なお、ρWは水中質量を測定するとき
の媒体(水)の密度であり、ρCはセメント密度であ
り、WCはセメントと結合した水の質量であり、ρW*
セメントと結合した水の密度である。
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】化21〜化23より、化合した水の水中で
の見掛けの質量WCWは、化24となり、セメントと化合
した水の質量WCは、化25となる。
【0056】
【化24】
【0057】
【化25】
【0058】セメントと化合した水の質量WCは、化2
4〜化25より、化26となる。
【0059】
【化26】
【0060】<ロ>無機水硬性混練物における結合水量
の算出 モルタルやコンクリートなどの無機水硬性混練物試料の
場合には、試料中のセメント量とセメント密度(比重)
のほかに、骨材量と骨材の密度(比重)が分かっていれ
ば、試料中の水中での見掛けの質量測定結果から、試料
中の骨材の影響を除去して、セメントペーストの場合と
同様に求めることができる。
【0061】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0062】<イ>セメントの結合水の測定 普通ポルトランドセメント2種類、早強ポルトランドセ
メント、低熱ポルトランドセメントの計4種類のセメン
トについて、水を加えて練り混ぜてセメントペーストを
作成して、練り上がり1時間後のセメントについて測定
した。この測定値と、表1の水の体積収縮率ρW/ρW*
と、化26とにより、結合水を算出した。その結果を表
2〜表5に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】<ロ>測定結果 練り上がり1時間後のセメントの結合水量において、普
通ポルトランドセメント(A)では、平均2.50(1
00gのセメントに対して)であり、普通ポルトランド
セメント(B)では、平均2.27(100gのセメン
トに対して)であり、早強ポルトランドセメントでは、
他より多く、平均4.08(100gのセメントに対し
て)であり、低熱ポルトランドセメントでは、平均2.
26(100gのセメントに対して)であった。
【0068】
【発明の効果】本発明は、次のような効果を得ることが
できる。 <イ>試料の乾燥や粉砕などの特別な手順を必要としな
いので、測定の手間がかからず、セメントの結合水量を
迅速に測定でき、早期に測定結果を知ることができる。 <ロ>測定に使用する機器は、汎用性の秤であり、取り
扱いが容易で、特別な技術を必要とせず、誰でも簡単に
測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体密度測定装置の概略図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤和正 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機水硬性物質の空中での質量と水中での
    見掛けの質量とを測定し、これらの質量と、無機水硬性
    物質自身の密度と、無機水硬性物質と化学的に結合した
    ときの水の体積収縮率とから、無機水硬性物質と化学的
    に結合した水の量を求める、 無機水硬性物質の結合水量測定方法。
  2. 【請求項2】無機水硬性物質の空中での質量と水中での
    見掛けの質量とを測定し、これらの質量の差と無機水硬
    性物質自身の密度とから無機水硬性物質と化学的に結合
    した水の水中での見掛けの質量を求め、この求めた質量
    と、無機水硬性物質と化学的に結合した水の体積収縮率
    とから無機水硬性物質と化学的に結合した水の量を求め
    る、 無機水硬性物質の結合水量測定方法。
  3. 【請求項3】無機水硬性物質、水、骨材の構成成分量が
    既知である無機水硬性混練物試料において、空中での質
    量と水中での見掛けの質量とを計測し、それらの質量差
    と、無機水硬性物質と骨材の密度とから、試料中の骨材
    と水の量を除いた試料中の無機水硬性物の質量を求め、
    無機水硬性物質自身の密度と、無機水硬性物質と化学的
    に結合したときの水の体積収縮率とから、無機水硬性物
    質と化学的に結合した水の量を求める、 無機水硬性物質の結合水量測定方法。
  4. 【請求項4】無機水硬性物質、水、骨材の構成成分量が
    既知である無機水硬性混練物試料において、空中での質
    量と水中での見掛けの質量とを計測し、それらの質量差
    と、無機水硬性物質と骨材の密度とから、試料中の骨材
    と水の量を除いた試料中の無機水硬性物の質量を求め、
    無機水硬性物質と化学的に結合した水の水中での見掛け
    の質量と、無機水硬性物質と化学的に結合したときの水
    の体積収縮率とから、無機水硬性物質と化学的に結合し
    た水の量を求める、 無機水硬性物質の結合水量測定方法。
JP36893497A 1997-12-26 1997-12-26 無機水硬性物質の結合水量測定方法 Pending JPH11194125A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001289840A (ja) * 2000-04-06 2001-10-19 Earthnics Corp フレッシュコンクリートの評価方法
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CN102269683A (zh) * 2011-05-10 2011-12-07 吴江市明港道桥工程有限公司 一种水泥比重实验的加料方法

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