JPH11194079A - 特性試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下方向の荷重を常に正確に測定することの
できる特性試験装置を提供する。 【解決手段】 試験対象物Ａを上面板２及び下面板３間
に保持し、上下方向移動機構４によって上面板２を下方
に移動させることにより、試験対象物Ａに圧縮荷重が加
わり、試験対象物Ａの上下方向の荷重が上下方向荷重検
出器６によって検出される。その際、試験対象物Ａに加
わる荷重が上下方向荷重検出器６によって直接検出され
ることから、測定時に上面板２の自重や上下方向移動機
構４の摺動抵抗などの影響を受けることがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば橋桁の支承
や建物の免震装置に用いられるゴム材の特性を試験する
ための特性試験装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、橋桁の支承や建物の免震に用い
られるゴム材は、多数の鋼板とゴム板を交互に積層する
ことによって形成されている。このゴム材の特性につい
て試験する場合、試験対象物に上下方向及び水平方向の
荷重を付与する特性試験装置を用い、ゴム材の上下方向
の荷重による変位と、水平方向の荷重による変位をそれ
ぞれ測定している。また、特性試験装置としては、試験
対象物の上面側を保持する上面板と、試験対象物の下面
側を保持する下面板と、上面板を上下方向に移動させる
上下方向移動機構と、下面板を水平方向に移動させる水
平方向移動機構とを備えたものが用いられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
特性試験装置では、上下方向の荷重を測定する際、上下
方向移動機構のシリンダの内圧にシリンダの断面積を乗
じることによって荷重を算出し、これに上面板の自重を
補正値として加減するようにしているため、荷重の計算
が複雑になり、測定誤差を生じやすいという問題点があ
った。

【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上下方向の荷重を常
に正確に測定することのできる特性試験装置を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、試験対象物の上面側を保持
する上面板と、試験対象物の下面側を保持する下面板
と、上面板を上下方向に移動させる上下方向移動機構
と、試験対象物の上下方向の荷重を検出する上下方向荷
重検出器とを備え、前記上面板及び上下方向移動機構を
上下方向荷重検出器を介して装置本体に支持されるよう
に設けている。これにより、試験対象物に加わる荷重が
上下方向荷重検出器によって直接検出されることから、
測定時に上面板の自重による影響を受けることがない。

【０００６】また、請求項２では、請求項１記載の特性
試験装置において、前記試験対象物の上下方向の変位を
検出する上下方向変位検出器を備え、上下方向変位検出
器の検出子を前記上面板に接触するように配置してい
る。これにより、請求項１の作用に加え、試験対象物の
変位が上面板に接触する上下方向変位測定器によって測
定されることから、上下方向移動機構や上下方向荷重検
出器の部材変形による変位量の測定誤差を生ずることが
ない。

【０００７】また、請求項３では、請求項１または２記
載の特性試験装置において、前記上面板と上下方向移動
機構との間に上面板側を上方に付勢して上下方向移動機
構側に揺動自在に圧接させる付勢機構を設けている。こ
れにより、請求項１または２の作用に加え、上面板が付
勢機構によって上下方向移動機構側に圧接されているこ
とから、加圧時に上面板の自重のみが試験対象物に加わ
ることがない。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１乃至図５は本発明の一実施形
態を示すものであり、図１は特性試験装置の正面図、図
２及び図３はその要部拡大側面図、図４及び図５はその
動作説明図である。

【０００９】この特性試験装置は、装置本体を構成する
フレーム１と、ゴム材等の試験対象物Ａの上面側を保持
する上面板２と、試験対象物Ａの下面側を保持する下面
板３と、上面板２を上下方向に移動させる上下方向移動
機構４と、下面板３を水平方向に移動させる水平方向移
動機構５と、試験対象物Ａの上下方向の荷重を検出する
上下方向荷重検出器６と、試験対象物Ａの水平方向の荷
重を検出する水平方向荷重検出器７と、試験対象物Ａの
上下方向の変位を測定する上下方向変位測定器８と、試
験対象物Ａの水平方向の変位を測定する水平方向変位測
定器９とから構成されている。

【００１０】フレーム１は、複数の支柱１ａと、各支柱
１ａの上部に架設された支持部材１ｂとからなり、各支
柱１ａの下部には基板１ｃが設けられている。

【００１１】上面板２は上面側に互いに摺動自在に嵌合
する凸球面板２ａ及び凹球面板２ｂを有し、これら凸球
面板２ａ及び凹球面板２ｂは複数の付勢機構１０によっ
て互いに圧接している。各付勢機構１０は、図２に示す
ようにシリンダ１０ａ内を摺動するピストン１０ｂのロ
ッド１０ｃを凹球面板２ｂの縁部を貫通して凸球面板２
ａの縁部に固定しており、シリンダ１０ａ内の空気圧に
よって凸球面板２ａを上方に付勢することにより、凸球
面板２ａを凹球面板２ｂに圧接させるようになってい
る。また、各付勢機構１０はシリンダ１０ａ内の空気を
排出して凸球面板２ａの上方への付勢を解除することに
より、図３に示すようにピストン１０ｂが上面板２の自
重でシリンダ１０ａの一端に当接するようになってい
る。尚、付勢機構１０は空気バネを用いても同様の機能
を持たせることができる。

【００１２】下面板３は基板１ｃ上に設置され、レール
３ａによって水平方向に移動自在に支持されている。

【００１３】上下方向移動機構４は油圧シリンダからな
り、下方に延びるロッド４ａを上面板２の凹球面板２ｂ
側に連結し、ロッド４ａの摺動により上面板２を上下方
向に移動させるようになっている。

【００１４】水平方向移動機構５は油圧シリンダからな
り、側方に延びるロッド５ａを下面板３に連結し、ロッ
ド５ａの摺動により下面板３を水平方向に移動させるよ
うになっている。

【００１５】上下方向荷重検出器６は複数の圧縮・引張
型ロードセルからなり、上端側をフレーム１の支持部材
１ｂに連結され、下端側を上下方向移動機構４の油圧シ
リンダに連結されている。即ち、上面板２及び上下方向
移動機構４はフレーム１に上下方向荷重検出器６を介し
て支持されている。

【００１６】水平方向荷重検出器７は単一の圧縮・引張
型ロードセルからなり、一端側を下面板３側に連結さ
れ、他端側を水平方向移動機構５の油圧シリンダに連結
されている。

【００１７】上下方向変位測定器８は上面板２に接触す
る複数のストロークセンサからなり、その検出子をそれ
ぞれ上面板２に接触させて配置し、上面板２の幅方向両
端側における上下方向の変位を測定するようになってい
る。

【００１８】水平方向変位測定器９は下面板３に接触す
るストロークセンサからなり、その検出子を下面板３に
接触させて配置し、下面板３の水平方向の変位を測定す
るようになっている。

【００１９】以上のように構成された特性試験装置にお
いては、試験対象物Ａを上面板２及び下面板３間に保持
し、上下方向移動機構４によって上面板２を下方に移動
させることにより、試験対象物Ａに圧縮荷重が加わる。
その際、試験対象物Ａの上下方向の荷重が上下方向荷重
検出器６によって検出され、上下方向の変位が上下方向
変位測定器８によって測定される。即ち、試験対象物Ａ
に加わる荷重が上下方向荷重検出器６によって直接検出
されることから、測定時に上面板２の自重や上下方向移
動機構４の摺動抵抗などの影響を受けることがない。そ
の際、上面板２は各付勢機構１０によって凸球面板２ａ
及び凹球面板２ｂを互いに圧接されていることから、加
圧時に上面板２の自重のみが試験対象物Ａに加わること
がない。更に、試験対象物Ａの変位が上面板２に接触す
る上下方向変位測定器８によって測定されることから、
上下方向移動機構４や上下方向荷重検出器６の部材変形
による変位量の測定誤差を生ずることがない。

【００２０】また、上下方向移動機構４によって上面板
２を上方に移動させることにより、試験対象物Ａに引張
荷重が加わり、その上下方向の荷重が上下方向荷重検出
器６によって検出され、上下方向の変位が上下方向変位
測定器８によって測定される。その際、図３に示すよう
に各付勢機構１０のシリンダ１０ａ内の空気を排出して
おくことにより、ピストン１０ｂが上面板２の自重でシ
リンダ１０ａの一端に直接係合し、試験対象物Ａに各付
勢機構１０の緩衝作用が生ずることなく引張荷重が付与
される。

【００２１】前記上下方向移動機構４による圧縮試験及
び引張試験において、水平方向移動機構５により下面板
３を水平方向に移動させることにより、試験対象物Ａに
圧縮荷重または引張荷重が加わりながら水平方向の荷重
が加わり、水平方向の荷重が水平方向荷重検出器７によ
って検出され、水平方向の変位が水平方向変位測定器９
によって測定される。

【００２２】このように、本実施形態の特性試験装置に
よれば、上面板２及び上下方向移動機構４をフレーム１
に上下方向荷重検出器６を介して支持することにより、
試験対象物Ａに加わる荷重を上下方向荷重検出器６によ
って直接検出するようにしたので、測定時に上面板２等
の自重や上下方向移動機構４の摺動抵抗などの影響を受
けることがなく、上下方向の荷重を常に正確に測定する
ことができる。

【００２３】尚、前記実施形態では上下方向及び水平方
向にそれぞれ荷重を付与可能な特性試験装置を示した
が、上下方向のみの特性試験装置にも本発明を適用する
ことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の特性試
験装置によれば、測定時に上面板等の自重による影響を
受けることがないので、上下方向の荷重を常に正確に測
定することができる。

【００２５】また、請求項２の特性試験装置によれば、
請求項１の効果に加え、上下方向移動機構や上下方向荷
重検出器の部材変形による変位量の測定誤差を生ずるこ
とがないので、変位量の測定を常に正確に行うことがで
きる。

【００２６】また、請求項３の特性試験装置によれば、
請求項１または２の効果に加え、加圧時に上面板の自重
のみが試験対象物に加わることがないので、上面板の自
重が死荷重となる測定誤差を確実に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す特性試験装置の正面
図

【図２】特性試験装置の要部拡大側面図

【図３】特性試験装置の要部拡大側面図

【図４】特性試験装置の動作説明図

【図５】特性試験装置の動作説明図

【符号の説明】

１…フレーム、２…上面板、３…下面板、４…上下方向
移動機構、５…水平方向移動機構、６…上下方向荷重検
出器、７…水平方向荷重検出器、８…上下方向変位測定
器、９…水平方向変位測定器、１０…付勢機構、Ａ…試
験対象物。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 試験対象物の上面側を保持する上面板
   と、 試験対象物の下面側を保持する下面板と、 上面板を上下方向に移動させる上下方向移動機構と、 試験対象物の上下方向の荷重を検出する上下方向荷重検
   出器とを備え、 前記上面板及び上下方向移動機構を上下方向荷重検出器
   を介して装置本体に支持されるように設けたことを特徴
   とする特性試験装置。
2. 【請求項２】 前記試験対象物の上下方向の変位を検出
   する上下方向変位検出器を備え、 上下方向変位検出器の検出子を前記上面板に接触するよ
   うに配置したことを特徴とする請求項１記載の特性試験
   装置。
3. 【請求項３】 前記上面板と上下方向移動機構との間に
   上面板側を上方に付勢して上下方向移動機構側に揺動自
   在に圧接させる付勢機構を設けたことを特徴とする請求
   項１または２記載の特性試験装置。