JPH11181776A - 緑化工法及び緑化用植栽ポット - Google Patents

緑化工法及び緑化用植栽ポット

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JPH11181776A
JPH11181776A JP9365700A JP36570097A JPH11181776A JP H11181776 A JPH11181776 A JP H11181776A JP 9365700 A JP9365700 A JP 9365700A JP 36570097 A JP36570097 A JP 36570097A JP H11181776 A JPH11181776 A JP H11181776A
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planting pot
greening
slope
planting
plant
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JP9365700A
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English (en)
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Yoji Esashi
洋司 江刺
Hiroshi Yoshida
寛 吉田
Shinya Cho
信也 長
Hiroaki Furuta
弘彬 古田
Toshiyuki Akimoto
利之 秋元
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NIPPON GODO HIRYO KK
Toko Construction Co Ltd
Original Assignee
NIPPON GODO HIRYO KK
Toko Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 播種工と植栽工の各々の長所を生かすことに
より緑化対象面上に木本植物を有効に導入する緑化工法
及びそれに用いる緑化用植栽ポットを提供する。 【解決手段】 発芽力増強処理を施した後に発芽兆候を
示した木本植物種子14を植栽ポット10へ定植し、定
植された木本植物種子14の主根が植栽ポット10の底
部へ到達する前に植栽ポット10を緑化対象面30上へ
設置若しくは移植する。好適例では、法面緑化のネット
張工を利用して植栽ポット10がフック状吊下具12を
介して設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緑化対象面に木本
植物を導入する緑化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】環境の保全と再生に対する要望が益々強
くなる状況下にあって、対象域の効率的かつ計画的緑化
手法の確立は、緑化工分野における最大の課題である。
しかしながら、現状では、対象域に広範にかつ企画通り
に適用できかつ低コストで実現できる手法は定着してい
るとは言い難い。
【0003】特に、法面緑化についてはその特殊な施工
地条件のため、上記課題の解決がより困難となってい
る。また、施工地盤である法面の安定化、安全対策上か
らその地域に相応しい木本植物の主根系が岩盤中に侵入
し支根を張り巡らせることで施工法面の滑落や崩壊を防
止するという防災的、経済的側面と共に、導入された植
物の生育環境の確保という植生的側面をも満足する合理
的手法を確立することが求められる。
【0004】従来、緑化対象面に木本植物を導入する手
法として、播種工又は植栽工が適用されているが、それ
ぞれ長所と短所を有する。
【0005】播種工の長所は、導入される木本植物が施
工地にて発芽し生育する実生木(播種木)であるため、
施工地に対する適応力が植栽木と比較して非常に大きい
ことである。特に法面という厳しい立地条件下ではその
差が顕著である。また、根系構造も自然林と同様の形態
になることから、台風等に対する抵抗力が強く、防災機
能の高い緑化を行うことができる。播種工の短所とし
て、導入可能な樹種が限られることから、多様な緑化の
要請に応えられないことが挙げられる。このため、植栽
工と併用せざるを得ないことが多くなる。さらに播種工
の最も大きな問題点として、木本植物と草本植物とを混
播した場合に発芽初期における草本植物の旺盛な生長の
ために木本植物が被覆若しくは被圧されその生長が阻害
されてしまうことである。しかも法面においては、初期
の侵食防止や緑量確保のために、ある程度草本植物を混
播することが一般的である。また、播種工は気象条件や
施工時期などによっても成功率に差を生じ易く、予め衰
退する本数を加味して設計する必要がある。これらの結
果、種子のコストが高くなるという欠点もあった。
【0006】一方、植栽工では、ある程度育成された樹
木を施工地へ移植するため、播種工のように発芽不良に
よる種子損失や草本植物の被覆による衰退という問題は
ないが、施工地への適応性は実生木より遥かに劣る。特
に、法面という厳しい立地条件に対応することが難し
く、特別の維持管理を行わない限り植栽後まもなく枯損
する場合が多い。加えて、植栽工で用いられるコンテナ
苗や露地苗では、主根がルーピングを生じていたり切断
されたりすることから根系の発達が阻害され、植栽後に
植え穴周辺にしか根系が広がらないことが多い。この結
果、根系による土壌緊縛力、杭根作用による表層崩壊防
止力(せん断抵抗力)が極めて弱くなる。そのため、植
栽木は台風などによって転倒し易く、道路等の安全管理
上大きな問題を有している。しかし、これらの問題点が
あるにも拘わらず、人為的な植栽のレイアウトを行う場
合には植栽工によらなければ実質的に不可能でもあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような播種工と植栽工の各々の特徴に鑑み、双方の長
所を生かすことにより緑化対象面上に木本植物を有効に
導入する工法を提供することである。具体的には、導入
植物の計画的レイアウトを確実に実現可能であり、導入
植物に適した生育環境が確保でき、法面においては崩壊
防止機能が高く、かつ低コスト施工が可能な緑化工法を
提供することである。さらには、本発明により、本来の
自然を一旦喪失した地域における自然樹林の再生、自然
との共生及び豊かな自然の景観を求める社会的要望に応
えることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、播種工と植栽
工との併用において、植栽木の育成過程に極力播種工の
長所を取り入れたものである。すなわち、基本的に植栽
工に適した樹種を用いて、播種工に近い形で植栽工を行
うものである。
【0009】本発明による緑化工法では、発芽力増強処
理を施した後に発芽兆候を示した木本植物種子を植栽ポ
ットへ定植し、前記定植された木本植物種子の主根が前
記植栽ポットの底部へ到達する前に該植栽ポットを緑化
対象面上へ設置若しくは移植する。緑化対象面には、平
面はもちろんあらゆる角度の斜面及び法面が含まれる。
緑化対象面が法面である場合、特に好適に適用される。
また、生育基盤を造成する前に植栽ポットを設置するこ
ともでき、生育基盤の造成後若しくは造成後相当の年月
を経た後に植栽ポットを移植することもでき、あるい
は、既存の地山に植え穴を掘って植栽ポットを移植する
こともできる。
【0010】さらに、法面への適用において、緑化基礎
工のネット張工として金網を敷設する金網張工を利用す
る場合、フック状吊下具を介して植栽ポットを金網に掛
けることにより植栽ポットを設置する。あるいは、金網
の網目に植栽ポットを挟み込むことで設置する。またさ
らに、金網張工を適用する場合、法面と金網との間にス
ペーサーを挿入し、スペーサーにより法面と金網との間
に隙間を形成し、その隙間に植栽ポットを設置する。
【0011】好適な施工例としては、植栽ポットを設置
した後、生育基盤材を吹き付けることにより植栽ポット
を固定すると共に、法面上に生育基盤を造成する。
【0012】本発明で用いられる植栽ポットは、木本植
物種子の主根の伸長に影響しない大きさの目を有する篭
状容器が好適である。斜面や法面で用いられる植栽ポッ
トは、略半円形の開口部を有する形状であることが好適
であり、さらに金網張工の金網に掛けられるように開口
部の縁上にフック状吊下具を一体的に設けた形状が好ま
しい。また、専ら平面で用いられる植栽ポットは、底部
のみが主根の伸長に影響しない大きさの網目で構成され
ていればよい。
【0013】
【作用】本発明では、発芽兆候を示した木本植物種子の
みを植栽ポットへ定植するので、確実な発芽が保証され
る。また、主根が植栽ポット底部へ到達する以前に緑化
対象面へ設置若しくは移植するので、ルーピング等のポ
ット苗特有の問題が避けられる。また、本発明における
植栽ポットは、どのような角度で設置若しくは移植され
ても主根の生長を妨げることのない構造を有するので、
木本植物は、植栽工でありながら実生木と同様の主根の
拡がりが確保される。すなわち、植栽ポットの設置若し
くは移植される緑化対象面の傾斜の程度に影響されるこ
となく主根が生長していくことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による平地、斜面又は法面
における緑化工法においては、先ず、導入しようとする
木本植物の種子に発芽力を高めるための前処理を施す。
発芽力増強のための処理方法としては、湿潤低温処理、
高張水溶液による薬品処理(プライミング)、ホルモン
処理、又はこれらの組合せによる処理等がある。次に、
発芽兆候が現れた段階で種子を植栽ポットに定植する。
これにより発芽不能の種子は除かれ、完全に発芽可能な
植栽ポットのみを生産することができる。このことは、
発芽が確認された種子だけの播種を行うことに相当し、
種子コストの節減に寄与する。尚、植栽ポットへの播種
粒数は、発芽兆候を示した種子のみを播種するので1粒
でもよいが、安全確実を期するために2粒程度を播種す
ることがさらに好ましい。
【0015】その後、定植され発芽した種子の主根が植
栽ポット底部に到達する以前に、植栽ポットを緑化対象
面へ設置若しくは移植する。これは、従来の植栽工とは
全く異なる本発明の重要な特徴である。種子の主根が植
栽ポット底部に到達する以前に設置若しくは移植するの
は、植物固有の生長現象である主根の屈地性に起因する
不都合を防止するためである。屈地性を有する主根は、
植栽ポット底部に到達すると底部近傍で渦巻状に生長す
るルーピングを生じるからである。一旦ルーピングを生
じてしまった後に設置若しくは移植された主根は、植え
穴近傍の狭い範囲にしか根を広げない傾向がある。この
ことは植物自体の生育に不利であると同時に、特に法面
施工においては、根系による杭根効果やネット状効果が
得られないことから不安定となるため、法面保護の目的
を達成できないこととなる。本発明では、主根が植栽ポ
ット底部に到達する前に設置若しくは移植するため、設
置若しくは移植後は実生木と同様の主根の発達が確保さ
れ、高い防災機能を発揮する植物群落が造成される。種
子の主根が植栽ポット底部に到達するまでの期間は樹種
によって異なるため、実験に基づいて決定することがで
きる。
【0016】本発明は、基本的には植栽工であるが、ポ
ット苗特有の弊害が発生する以前に設置若しくは移植の
施工を行うことにより、播種工に近い状態で木本植物の
導入を行うものである。これにより、実生木と同様の木
本植物の生長を実現することができる。
【0017】本発明で用いる植栽ポットの好適例の1つ
は、目の粗い篭状の容器であって、ポット内の培養土の
脱落を防止するために紙製の内張りを設けたものであ
る。内張り用の紙材は、早期分解性の再生紙等が好適で
ある。尚、内張り材は早期分解性のものであればよく、
例えば、生分解性プラスチックフィルム等も利用でき
る。容器の目の大きさは、主根の直径に比べて十分に大
きいものとする。内張りされた再生紙等は、設置時若し
くは移植時には既に脆くなっているため、その後の主根
の生長を妨げることはない。また、このような目の粗い
篭状の容器であれば主根がポット外へ伸長していくこと
に影響を与えない。例えば、後述する図2及び図3のよ
うに植栽ポットが傾斜して設置される場合にも、主根は
植栽ポットの側面から出て鉛直方向へ伸び進むことがで
きる。このように、設置若しくは移植後の主根は、ポッ
ト外へ伸長して岩盤の割れ目を見出して侵入していき、
さらに支根を張り巡らせることができる。篭状容器の目
の大きさは、概ね1〜3cm程度が実用的な範囲といえ
る。植栽ポットの直径は、例えば、法面施工において敷
設する金網張工の網目が通常5cmなので、この金網に植
栽ポットを挟み込むとすれば5cm程度が好適となる。ま
た、篭状容器を構成する線材の太さは、主根の生長を阻
害させないためにできる限り細いものが好ましい。通
常、法面施工で用いる金網張工の線材の太さは2mmであ
るが、植栽ポットを構成する線材は更に細いものでも十
分実用的である。
【0018】上記植栽ポットの好適例において、篭状容
器の目が1cm未満程度(ただし、主根の生長を妨げない
大きさ)であれば土の脱落防止用内張りは不要である。
【0019】上記の目の粗い篭状の植栽ポットの素材
は、生育基盤材がアルカリ性を示す場合には鉄製とする
ことが好適である。法面緑化工で造成する生育基盤材の
侵食防止材としてセメントを用いる場合、基盤材がアル
カリ性となることから、植物の生育の必須元素である重
金属のうち特に鉄分が不足する傾向があるため、植栽ポ
ットを酸化腐食し易い鉄製とすることにより鉄分を補給
することができる。もちろん、鉄製とすることにより、
植栽ポットが設置若しくは移植後短期間で分解消失する
ことも利点である。
【0020】植栽ポットの別の例としては、生分解性プ
ラスチック製の容器とする。この場合、植栽ポットは設
置若しくは移植後早期に分解消失するので主根の伸長を
妨げない。さらに、生分解性プラスチック製のネット
(主根の直径に比べて十分大きな目を有するもの)とす
ると、容器の分解速度よりも主根の伸長が速い場合であ
っても主根の伸長を妨げないのでさらに好適である。ネ
ットとする場合には、やはり培養土の脱落を防止するた
めに早期分解性の再生紙等で内張りをする。なお、生分
解性プラスチック製の植栽ポットとする場合に、その素
材中に木本植物の生育に必要な遅効性肥料粒を巻き込む
若しくは埋め込むことにより、植物の幼生育期の生長を
促進するようにしてもよい。
【0021】植栽ポットのさらに別の例としては、紙製
の容器とする。この場合も、植栽ポットは設置若しくは
移植後早期に分解消失することができる。このように、
植栽ポットの材質は、早期に消失するものであれば任意
に選択できる。
【0022】図1は、本発明で用いられる植栽ポットの
形状を例示したものである。(A)は略半円形の開口部
を有する篭状の容器10からなる植栽ポットであり、特
に、植栽ポットが傾斜して設置若しくは移植される法面
等の施工地に適している。すなわち、略半円形の直線部
を上縁端とするほぼ平坦な側面が、法面上に接して設置
若しくは移植されると安定性がよいからである。(B)
は略円形の開口部を有する篭状の容器10からなる植栽
ポットであり、植栽ポットが直立して設置若しくは移植
される平地での施工に適している。いずれの形状も、種
子を定植した植栽ポット10の効率的な生産、輸送、保
管及び設置若しくは移植に好適である。また開口部の縁
に設けられたフック12等の吊下具は、後述する施工に
おいて金網に植栽ポットを掛けるためのものである。フ
ック12は、植栽ポット10と一体的に形成してもよ
く、また別途取り付けてもよい。植栽ポットの大きさ
は、実施例では、開口部半径3〜5cm程度とした。専ら
平地へ適用される植栽ポットの場合は、ポットの底部の
みが主根の生長を妨げない程度の大きさの網目構造であ
ればよく、それ以外の部分の形状は任意でよい。
【0023】次に、上記の植栽ポットを法面へ設置する
施工方法の一例を説明する。図2は、法面施工された状
態を示す断面図である。先ず、法面30上に金網18を
敷設する金網張工を施す。金網張工は、緑化基礎工とし
て一般的に併用されている。次に、敷設された金網18
の適所へ図1に示したフック付き植栽ポット10のフッ
ク12を掛けることにより植栽ポット10を設置する。
あるいは別の方法として、フック無しの植栽ポットを用
いる場合には、先ず、別個のフックのみを金網18に掛
けておき、その後にフック無しの植栽ポット10を各フ
ックに吊り下げていってもよい。更に別の方法として、
金網張工の網目に植栽ポットを挟み込むことにより設置
してもよい。
【0024】尚、金網張工の金網の他に、樹脂ネットに
対しても同様に植栽ポットを設置することができる。緑
化基礎工のネット張工であれば、ネットの材質によらず
本発明の植栽ポットを適用することができる。
【0025】ポット設置後、ポット周辺に速やかに生育
基盤材20を吹き付けてポットを固定し、植栽ポット1
0に定植された木本植物14の生育を確保する。このポ
ット固定用の生育基盤材20は、播種工を併用しない場
合には植栽木の被圧を防止するために他の種子を含まな
いものが望ましい。図2(A)は生育基盤材の吹付厚が
厚い場合、図2(B)は薄い場合の植栽ポットの設置状
況を示している。さらに、図3(A)は法面勾配が緩い
場合、そして図3(B)は法面勾配が急な場合の植栽ポ
ットの設置状況を示している。図示のように、法面等の
傾斜地では植栽ポットの側面から種子の主根が伸び出る
ことが多いが、前述のような植栽ポットを用いることに
より、主根の伸長が妨げられることがない。このように
ネット張工を利用すればいかなる傾斜地にも本発明の植
栽ポットを容易に設置することができる。
【0026】さらに、通常の厚層基材吹付工を利用し
て、植栽ポット周辺のみでなく法面全体に生育基盤を吹
付造成してもよい。また、その場合、生育基盤材に、ポ
ットに定植された植物以外の植物種子を混合してもよ
い。例えば、補全種となるヤマハギ、コマツナギ、メド
ハギ等のマメ科木本類、アカメガシワ、ヤマハゼ等の先
駆樹種、トールフェスク、クリーピングレッドフェス
ク、ススキ等の草本種である。いずれも、播種により容
易に導入することができる植物である。生育基盤材への
これら種子の混合は、法面全体の侵食防止や早期の緑量
確保、法面防災上から有効である。上記のように植栽ポ
ットを設置した後に生育基盤を吹付造成するのではな
く、緑化対象面上に予め生育基盤を吹付造成した後に、
本発明の植栽ポットを移植する方法も可能である。
【0027】図4は、法面への別の施工方法を示す図で
ある。一般的に緑化基礎工の金網張工は、アンカーピン
22等を用いて極力地山へ密着するように敷設される。
したがって、生育基盤造成後に植え穴を掘って植栽ポッ
トを移植する場合を除き、植栽ポットの設置が難しい。
図4の方法では、法面30と金網18との間にスペーサ
ー24を設置する。これにより、スペーサー24の前後
左右に法面30と金網18との間の隙間が形成される。
この隙間に植栽ポット10を設置する。スペーサー24
は、自在に配置することができる。このようにして、生
育基盤造成前に容易に植栽ポットを設置できる。
【0028】また、スペーサー24を自在に配置できる
ことから、植栽レイアウトを自由に設計可能であり、容
易にかつ確実に実現することができる。すなわち、スペ
ーサー24が植栽地点の明確な指標となるため作業効率
が非常によい。例えば、スペーサー24を、植栽する植
物種類別に彩色するとさらに効果的である。
【0029】上記では主として法面への適用に関して説
明したが、いうまでもなく本発明による植栽ポットは、
あらゆる角度の斜面はもちろん平面に対しても有効に適
用できる。緩斜面や平面では、本発明の植栽ポットを植
え穴に埋め込むだけでもよい。この場合も、従来の植栽
ポットによる植栽工とは大きく異なり、植栽地の角度が
変化しても主根の成長が影響を受けることなく、植栽ポ
ットの定植植物は実生木と同様に主根を伸長させること
ができる。
【0030】本発明による植栽ポットのさらに別の好適
な利用方法は、再緑化工法に利用することである。例え
ば、生育基盤造成後に年月が経過した施工面に対して、
本手法により木本植物を導入することが可能である。近
年、過去に緑化施工した箇所にクズ、セイタカアワダチ
ソウ等の雑草が繁茂したり、当初の目的以外の植物群落
が造成されたりして、その再緑化が望まれることが多々
ある。このような場合に、本発明による植栽ポットを移
植することで確実に目的とする木本植物群落を成立させ
ることができる。
【0031】なお、本発明において、ポット内の培養土
については特にその成分組成を限定しないが、緩効性肥
料を混合した培養土が好ましい。アルカリ性の生育基盤
材を吹付けに用いる場合は、ポット内の培養土に鉄元素
を含む緩効性肥料を混合することが望ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明においては、予め発芽力増強処理
を施した木本種子を粗い目の植栽ポットに定植し、発芽
種子の主根がポット底部に到達する前に緑化対象面への
施工を行うことにより、所望するレイアウト通りの緑化
を低コストで高い確実性をもって実現することができ
る。特に、根系の発達が不十分となりがちな植栽木の問
題点を解消し、早期生育が可能な植栽木であってかつ実
生木と同様の根系の生育が確保できることから、法面の
保護効果が極めて大きく、防災上からも非常に有益であ
る。本発明は、法面緑化工においてはもちろん一般緑化
工においても、計画通りの木本植物を早期に、確実に、
かつ低コストで導入するための手法を確立したものとい
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は、本発明で用いられる植栽
ポットの形状を例示したものである。
【図2】本発明による法面における緑化工法の一施工例
を示す断面図であり、(A)は生育基盤材の吹付厚が厚
い場合、(B)は薄い場合の植栽ポットの設置状況を示
している。
【図3】本発明により法面施工された状態を示す断面図
であり、(A)は法面勾配が緩い場合、(B)は法面勾
配が急な場合の植栽ポットの設置状況を示している。
【図4】本発明による法面における緑化工法の別の施工
例を示す図である。
【符号の説明】
10 植栽ポット 12 フック 14 木本植物種子 18 金網 20 生育基盤 22 アンカーピン 24 スペーサー 30 法面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長 信也 東京都港区新橋5丁目11番3号東興建設株 式会社内 (72)発明者 古田 弘彬 東京都千代田区岩本町1丁目13番12号日本 合同肥料株式会社内 (72)発明者 秋元 利之 千葉県市原市五井海岸10番地日本合同肥料 株式会社千葉工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発芽力増強処理を施した後に発芽兆候を
    示した木本植物種子を植栽ポットへ定植し、前記定植さ
    れた木本植物種子の主根が前記植栽ポットの底部へ到達
    する前に該植栽ポットを緑化対象面上へ設置若しくは移
    植することを特徴とする緑化工法。
  2. 【請求項2】 緑化施工により所望の緑化が達成されな
    かった緑化対象面に対して木本植物を導入する再緑化の
    ための緑化工法において、発芽力増強処理を施した後に
    発芽兆候を示した木本植物種子を植栽ポットへ定植し、
    前記定植された木本植物種子の主根が前記植栽ポットの
    底部へ到達する前に該植栽ポットを前記緑化対象面上へ
    移植することを特徴とする再緑化のための緑化工法。
  3. 【請求項3】 発芽力増強処理を施した後に発芽兆候を
    示した木本植物種子を植栽ポットへ定植し、前記定植さ
    れた木本植物種子の主根が前記植栽ポットの底部へ到達
    する前に該植栽ポットを法面上へ設置若しくは移植する
    ことを特徴とする法面における緑化工法。
  4. 【請求項4】 前記法面上へネットを敷設し、前記植栽
    ポットをフック状吊下具を介して前記ネットに掛けるこ
    とにより該植栽ポットを設置することを特徴とする請求
    項3記載の法面における緑化工法。
  5. 【請求項5】 前記法面上へネットを敷設し、前記植栽
    ポットを前記ネットの網目に挟み込むことにより該植栽
    ポットを設置することを特徴とする請求項3記載の法面
    における緑化工法。
  6. 【請求項6】 前記法面上へネットを敷設し、前記法面
    と前記ネットとの間にスペーサーを挿入し、前記スペー
    サーにより前記法面と前記ネットとの間に形成された隙
    間に前記植栽ポットを設置することを特徴とする請求項
    3記載の法面における緑化工法。
  7. 【請求項7】 前記植栽ポットを設置した後、生育基盤
    材を吹き付けることにより該植栽ポットを固定すると共
    に、前記法面上に生育基盤を吹付造成することを特徴と
    する請求項3乃至6のいずれか記載の法面における緑化
    工法。
  8. 【請求項8】 前記法面上へ予め生育基盤を吹付造成し
    た後、前記植栽ポットを移植することを特徴とする請求
    項3記載の法面における緑化工法。
  9. 【請求項9】 前記植栽ポットが篭状容器であって、該
    篭状容器が前記木本植物種子の主根の伸長に影響しない
    大きさの目を有することを特徴とする請求項3乃至8の
    いずれか記載の法面における緑化工法。
  10. 【請求項10】 前記植栽ポットが、略半円形の開口部
    を有する形状であることを特徴とする請求項9記載の法
    面における緑化工法。
  11. 【請求項11】 発芽力増強処理を施した後に発芽兆候
    を示した木本植物種子を植栽ポットへ定植し、前記定植
    された木本植物種子の主根が前記植栽ポットの底部へ到
    達する前に該植栽ポットを緑化対象面上へ設置若しくは
    移植する緑化工法において用いられる緑化工用植栽ポッ
    トであって、前記木本植物種子の主根の伸長に影響しな
    い大きさの目を有する篭状容器からなることを特徴とす
    る緑化工用植栽ポット。
  12. 【請求項12】 前記篭状容器が、略半円形の開口部を
    有し、さらに該開口部の縁上にフック状吊下具を具備す
    ることを特徴とする請求項11記載の緑化工用植栽ポッ
    ト。
  13. 【請求項13】 前記篭状容器の内側に紙製の内張りを
    設けることを特徴とする請求項11又は12記載の緑化
    工用植栽ポット。
  14. 【請求項14】 発芽力増強処理を施した後に発芽兆候
    を示した木本植物種子を植栽ポットへ定植し、前記定植
    された木本植物種子の主根が前記植栽ポットの底部へ到
    達する前に該植栽ポットを緑化対象面上へ設置若しくは
    移植する緑化工法において用いられる緑化工用植栽ポッ
    トであって、前記植栽ポットの底部が、前記木本植物種
    子の主根の伸長に影響しない大きさの網目からなること
    を特徴とする緑化工用植栽ポット。
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