JPH11173444A - バネ式安全弁及びそのバネ式安全弁を備えた排気設備 - Google Patents

バネ式安全弁及びそのバネ式安全弁を備えた排気設備

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JPH11173444A
JPH11173444A JP34252597A JP34252597A JPH11173444A JP H11173444 A JPH11173444 A JP H11173444A JP 34252597 A JP34252597 A JP 34252597A JP 34252597 A JP34252597 A JP 34252597A JP H11173444 A JPH11173444 A JP H11173444A
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safety valve
pressure
type safety
valve
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JP34252597A
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Hiroyuki Shinohara
博之 篠原
Yoshihisa Kiyotoki
芳久 清時
Makoto Kumagai
熊谷  真
Sukehiro Ogawa
裕広 小川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、バネ式安全弁の出口圧力が入
口圧力と入口流体の臨界圧力比近くになっても弁のチャ
タリングを発生しない安全弁を提供する。 【解決手段】バネ式安全弁の弁体3の上部を弁出口26
から圧力的隔離することにより、安全弁の出口圧力と弁
体3上部の背圧室25内が等価な圧力となるのを防止
し、さらに弁体3上部の圧力の増加を抑制するために弁
座5部からの吹き出しと連絡孔11,12とを利用した
エゼクタ効果によって弁体3上部の背圧室25内の圧力
を低下させて出口圧力より十分低い圧力に維持し、出口
圧力が高まっても弁体3のチャタリングが抑制できる構
造を有する安全弁である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種プラントの流体
系統の過圧防止に使用されるバネ式安全弁とそのバネ式
安全弁を用いた排気設備に関する。
【0002】
【従来の技術】プラントの高圧系統の過渡時の過圧防止
に使用するバネ式安全弁はその排気を直接外気に吹き出
す場合と密閉したタンク等の管理された空間に吹き出す
場合がある。
【0003】特に後者の場合はバネ式安全弁からその管
理された空間までの配管設備(いわゆる安全弁排気管系
統設備)が膨大になるため設備の合理化のために配管口
径の縮小が求められていた。
【0004】しかし、Jyon S.Rearickが“圧力逃し系統
の設計”で述べているようにバネ式安全弁は非平衡型の
場合は設定圧の10%を超えると、また、平衡型バネ式
安全弁(非平衡型バネ式安全弁にベローズ構造を取り入
れて背圧補償型にした弁)でさえ、出口背圧が安全弁の
設定圧力の40%以上になるとチャタリングが発生す
る。
【0005】このことから、バネ式安全弁の吹き出し流
量はバネ式安全弁の出口圧力が入口圧力と臨界圧力比の
積となるまで変化しないため、バネ式安全弁の出口配管
口径縮小による排気管圧力損失をおおきくする事が可能
にも関わらず、バネ式安全弁の弁体のチャタリング防止
のため、バネ式安全弁の出口配管の背圧最大値をバネ式
安全弁が非平衡型の場合は設定圧の10%以下に、平衡
型バネ式安全弁のような背圧補償型のものでさえ、設定
圧力の40%以下とするように出口配管口径を決定し、
安全弁の出口配管の設計圧力は入口圧力の40%とする
設計がこれまで行われてきた。
【0006】又、特開昭56−156568号公報に記載の平衡
型のバネ式安全弁は、ジスクソケットの下端部を翼形状
に成形して、バネ式安全弁が作動して弁体がリフトとし
た際に弁体と弁座とのリフト間隔を通過して出口側に流
れる作動流体をその翼形状で整流し、作動流体の流れの
一部が渦流となって圧力に変換されることを抑制し、静
圧に相当する圧力だけをジスクソケットとガイドとの摺
動面の隙間を通して弁体上方の背圧室内に導くようにし
て、背圧が変動する不安定さを解消するようにした構成
を備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような静圧に制御
する従来例では、弁体の上方における背圧の変動を抑制
することが出来ても、平衡型バネ式安全弁にも係わら
ず、出口圧力が設定圧力の40%を超えても弁体のチャ
タリングを抑制する技術的事項が提供されていない。
【0008】このように、従来技術ではバネ式安全弁の
出口に接続する排気管の配管の口径を狭くして排気系統
の配管物量を低減しようとすると、そのバネ式安全弁の
出口の圧力を口径が狭くなった分高めることになるの
で、弁体のチャタリングを発生しやすくなって、配管物
量を低減したい排気系統には採用しにくい。
【0009】また、バネ式安全弁の入口が原子炉の主蒸
気配管などの高圧蒸気の通されている配管に接続され、
その排気管による排気先が原子炉格納容器内の圧力抑制
室内の水中のような密閉された容器内である場合には、
バネ式安全弁から排気管内を排蒸気を通して水中に排気
してその蒸気を凝縮する際、排気開始前に排気管内にた
まっていた非凝縮気体が蒸気で水中に押し出されるので
あるが、その押し出される非凝縮気体の量は、従来例で
は、排気管の口径が太くせざる得ないから多量であっ
た。その多量の非凝縮気体が水中に一気に排気されると
非凝縮気体は水中で凝縮されることがないから瞬時に圧
力抑制室内の圧力が上昇することになる。そのため、そ
の分圧力抑制室の耐圧強度を増強せざる得ないという建
設資材の物量の増加を招く状態となる。
【0010】従って、本発明の第1目的は、弁体のチャ
タリングを抑制できる出口圧力の範囲が広いバネ式安全
弁を提供することにある。
【0011】第2目的は、バネ式安全弁を備えた排気設
備の簡素化にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1目的を達成
するための第1手段は、バネ式安全弁のジスクソケット
と弁体との間に、前記バネ式安全弁の弁座の外側に開口
した連絡孔を設け、前記連絡孔を前記弁体の背圧室側に
連通してあるバネ式安全弁であり、弁体のリフトが開始
される設定圧力に入口圧力が到達すると、弁体は弁座か
らリフトして離れるので、弁体と弁座との間隔を弁体を
押し上げた作動流体が通過して出口側に流出し、その際
に、その作動流体のエネルギーによって連絡孔の開口に
エゼクタ効果がもたらされ、背圧室内の圧力を連絡孔を
通じて引くことになり、背圧室内の圧力が低下し、弁体
を押し下げようとする圧力が低下し、背圧室内の圧力を
エゼクタ効果で低下させたことに相応して出口側の圧力
を高めても弁の不用意な閉鎖が起こりにくく、弁体のチ
ャタリングが起こりにくいという作用効果が得られる。
【0013】同じく第2手段は、第1手段において、ジ
スクソケットと隣接するガイドと前記ジスクソケットと
の間にラビリンスシール構造を有することを特徴とした
バネ式安全弁であり、第1手段による作用効果に加え
て、ラビリンスシール構造がバネ式安全弁の出口側圧力
に背圧室の圧力が近づくことをシール機能によって抑制
し、一層弁体のチャタリングが起こりにくいという作用
効果が得られる。
【0014】同じく第3手段は、第1手段又は第2手段
において、前記バネ式安全弁は、非平衡型のバネ式安全
弁であって、前記バネ式安全弁の弁体チャタリングを発
生する前記バネ式安全弁の出口圧力を前記バネ式安全弁
の設定圧力の10%を超える圧力に設定して有るバネ式
安全弁であり、第1手段又は第2手段による作用効果に
加えて、非平衡型のバネ式安全弁でありながら前記バネ
式安全弁の出口圧力を前記バネ式安全弁の設定圧力の1
0%を超える高圧に設定出来るので、従来以上に前記非
平衡型のバネ式安全弁の設定圧力を高圧に設定できる。
【0015】同じく第4手段は、第1手段又は第2手段
において、前記バネ式安全弁は、平衡型のバネ式安全弁
であって、前記バネ式安全弁の弁体チャタリングを発生
する前記バネ式安全弁の出口圧力を前記バネ式安全弁の
入口設計圧力の40%を超える圧力に設定して有るバネ
式安全弁であり、第1手段又は第2手段による作用効果
に加えて、平衡型のバネ式安全弁でありながら前記バネ
式安全弁の出口圧力を前記バネ式安全弁の設定圧力の4
0%を超える高圧に設定出来るので、従来以上に前記平
衡型のバネ式安全弁の設定圧力を高圧に設定できる。
【0016】本発明の第2目的を達成するための第5手
段は、バネ式安全弁と、前記バネ式安全弁の出口に接続
された排気管とを有する排気設備において、前記バネ安
全弁が請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載
のバネ式安全弁であることを特徴としたバネ式安全弁を
備えた排気設備であり、前記バネ式安全弁の出口圧力を
従来以上に高圧に設定しても弁体のチャタリングが発生
しないから、排気管を細くして圧力が高くなっても支障
無く前記バネ式安全弁を介しての排気作用が得られ、太
い排気管を用いざる得ない従来例にくらべて排気設備の
物量が排気管の径が細くなった分低減する効果が得ら
れ、従来と同じ口径の排気管を用いるので有れば、取り
扱う流量が増量できるという効果が得られる。
【0017】同じく第6手段は、蒸気の通されたプロセ
ス配管に入口を接続したバネ式安全弁と、前記バネ式安
全弁の出口に接続された排気管と、前記排気管の排気口
を水中に装備した容器とを備えた排気設備において、前
記バネ安全弁が請求項1から請求項4までのいずれか一
項に記載のバネ式安全弁であることを特徴としたバネ式
安全弁を備えた排気設備であり、前記バネ式安全弁の出
口圧力を従来になく高圧に設定しても弁体のチャタリン
グが起こらないから、前記バネ式安全弁の出口側に接続
する排気管の口径を従来になく細く出来、前記バネ式安
全弁が作動して開いた際には、プロセス配管から排気さ
れる蒸気がバネ式安全弁を通過して排気管内に圧送さ
れ、排気管内に溜まっていた非凝縮性気体が一気に容器
内の水中に押し出され、容器に衝撃を、或いは容器が密
閉容器の場合には、容器内の圧力の急激な上昇を、受け
ることになるが、この発明では、排気管の口径が従来に
なく細くできるので、一気に押し出される非凝縮性気体
の量が少なく成り、その衝撃や圧力の上昇を低減でき、
その分容器の強度を増す必要性が少なくなって、排気設
備の信頼性の向上と建設物量の低減に貢献できるという
効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】一般に非平衡型バネ式安全弁の出
口背圧が安全弁の設定圧力の10%以上になると、平衡
型バネ式安全弁の出口背圧が安全弁の設定圧力の40%
以上になるとチャタリングが発生する。
【0019】チャタリングが発生する原因は安全弁作動
時に安全弁の弁体上部が弁出口と隔離されていない為に
発生する。(通常、弁出口と弁体上部は弁作動時に弁体
上部に圧力が一時的にもこもってしまわないように、直
接的に連絡穴8で通じており、差圧は発生しない構成と
なっている。図3参照)つまり、安全弁作動後は弁出口
圧力は弁体上部の圧力と等価となり、弁出口圧力により
弁体を押し下げる荷重が発生しそのために弁出口圧力が
ある圧力以上になるとチャタリングが発生していた。
【0020】チャタリングの発生原理を式1により説明
する。チャタリングは、下式が成立したときに発生す
る。
【0021】 Pin×Ain+Pin′×Ainout×Aout−Pout×AB …(式1) Pin :弁入口圧力 Ain :弁座面積 Pin′:弁の作動時にロワーリング部の絞りによって弁
座とロワーリング間に発生する圧力 Ain′:ロワーリング部の面積から弁座面積を差し引い
た値 Pout :弁体背圧 Aout :弁体背面の面積 AB :ベローズシート受圧面積(平衡型では、Ain
B、非平衡型ではAB=0) (平衡型のチャタリング発生圧力が高いのは、ベローズ
等により弁体の一部に背圧が作用しないため背圧によ
り、弁体を押し下げる荷重が小さくすることが出来るこ
とによる。) 本発明によれば、ばね式安全弁の出口と弁体の上部がラ
ビリンス溝により、シール隔離され、更に作動時には弁
体上部は弁座下流の弁体の超音速エゼクタ効果によって
弁出口よりも低い圧力に保持される(弁体上部の圧力<
弁出口圧力)結果、弁体の上部の圧力による弁体の押し
下げ力は小さくなり、弁出口圧力が設定圧力の40%以
上となっても、弁体の上部の圧力は設定圧の40%を上
回ることはなくチャタリングの発生を防止できる。
【0022】本発明では、弁体上部圧力がエゼクタ効果
により、弁出口圧力よりも低く抑制されることにより、
式2が成立しない範囲で、チャタリング発生背圧を高く
することが出来る。
【0023】 Pin×Ain+Pin′×Ainex×Aout−Pex×AB …(式2) Pex:弁体エゼクタ効果圧力(<Pout) (本発明の安全弁でチャタリングが発生するのは、弁出
口背圧が上昇し、ロワーリング、アッパーリング下流に
あった衝撃波が弁座付近にまで吸い込まれた状態となっ
たときである。) 図1,図2は本発明を適用した平衡型バネ安全弁の断面
図である。図1,図2,図3,図4を用いて平衡型バネ
安全弁の作動と本発明の実施例について説明する。
【0024】平衡型バネ安全弁はスプリング1とスプリ
ング荷重を弁棒2を介して弁体3に伝達し、弁体3を弁
箱4に取り付けた弁座5に押し付けてシール性能を発揮
する構造である。
【0025】安全弁の入り口の圧力が上昇すると弁体3
を押し上げる力F1(=Pin・Ain)がスプリング荷重F
Sと等しくなり、弁体3が微開して、弁体3と弁座5の
間に流れを生じ、弁座5下流のロワーリング6と弁体3
によって形成される隙間で流れは流量一定となり、弁体
とロワーリング6間に生じた圧力(=Pin′)によっ
て、副次的に弁体3を押し上げる力F2(=Pin′・A
in′)が発生し、ばね力に打ち勝って、安全弁が全開す
る。
【0026】バネ式安全弁が全開すると排気管に流れを
生じる結果、排気管の圧力損失により、弁の出口圧力は
上昇し、従来のバネ式安全弁ではガイド7に設けられた
連絡孔8を介して、弁体3の上部の圧力が弁の出口圧力
に等しくなる。
【0027】弁体3上部にはベローズ9が設置してある
ため、弁座を閉方向に動作させようとする力は低減する
ことは出来るが、安全弁の設定圧の40%を超える圧力
に弁体3上部の圧力が達すると(式1)が成立し、チャ
タリングが発生する。
【0028】バネ式安全弁においては、ジスクソケット
14付近から弁箱4内に噴出した超音速流れAはジスク
ソケット14の下端開放端よりジスクソケット14の整
流効果を受けることなく、過膨張の流れとなり、擬似衝
撃波Bを伴って急激に排気管の圧力に復帰するので擬似
衝撃波下流では亜音速の流れとなることから、この構造
ではアッパーリング部の擬似衝撃波下流の圧力をガイド
13とジスクソケット14の間から弁体3上部の背圧室
25に導くことになり、(式2)におけるエゼクタ効果
が小さい。
【0029】これに対し、本実施例ではジスクソケット
14の下端の開放端よりも上流の等エントロピ流れの超
音速流れ部の圧力(静圧)を弁体3上部の背圧室25に
導くことにより、排気圧力によらず、大きなエゼクタ効
果を発揮でき、安全弁のチャタリング発生を防止でき
る。
【0030】具体的には、弁体3上部は弁の下流からラ
ビリンスシール10によって隔離されており、下流圧力
が弁体3上部の背圧室25に入り込むのを抑制すると共
に、弁体3上部の背圧室25と弁座5下流を連絡する連
絡孔11と12を設けることで弁座5下流の超音速流れ
部の弁の出口圧力によらず一定な低圧力を弁体3の背圧
(=Pex)としている。
【0031】この為、(式2)が成立し、安全弁の背圧
が設定圧の40%を超えてもチャタリングは発生しな
い。(弁体上部への圧力の導入部の流れは超音速であ
り、弁体3の背圧(=Pex)は弁出口の圧力によらず一
定で、且、十分に低い。) このような本発明の実施例によれば、図5のグラフでも
分かるように、従来の平衡型バネ式安全弁では出口圧力
/設定圧力≧0.4 でチャタリングが発生していたが、
本発明の実施例による平衡型バネ式安全弁では出口圧力
/設定圧力≧0.4 でもチャタリングが発生し無い。そ
の上、本発明の実施例による平衡型バネ式安全弁では臨
界圧力比0.577 に至ってもチャタリングが発生しな
い。
【0032】上記の様にチャタリングが発生しにくくな
った本発明の実施例による安全弁21の出口26には、
図6のように、その安全弁21の設定圧の40%以上の
圧力損出を有する排気管23を接続して排気設備を構成
する。
【0033】その安全弁21の入口27は蒸気が通され
ているプロセス配管22に接続されている。
【0034】そのプロセス配管22は具体的には、原子
力発電所の主蒸気配管などがかかげられる。
【0035】排気管23の排気口28は水29の中に開
口されており、その水は密閉容器24内に貯留されてい
る。
【0036】密閉容器としては、例えば、原子力発電所
の原子炉格納容器内の圧力抑制室がかかげられる。
【0037】安全弁21では弁体の閉止力が弁出口圧力
Poに影響されない結果、弁入口圧力Piと弁出口圧力
Poの比Po/Piが臨界圧力比を上回っても、衝撃波
がジスクソケット14方向に移動するだけで弁体3上部
の圧力を変化させることはなく、弁体3を開保持するこ
とが可能となり、チャタリングは発生せず、流量も確保
可能である。
【0038】しかしながら、臨界圧力比を大きく上回る
と、ジスクソケット14付近に移動してきた衝撃波が更
にジスクソケット14付近から弁座5方向に移動する結
果、弁体3上部の背圧室25内の圧力は弁出口圧力と同
等となり、チャタリングが発生する。
【0039】この為、排気設備においては、安全弁21
に平衡型において設定圧の40%以上(非平衡型におい
ては10%以上)の設定圧と臨界圧力比の積以下の圧力
損失を有する排気管23を接続した排気設備とし、従来
の設定圧の40%以下(非平衡型においては10%以
下)の圧力損失となるように設計した排気設備に比べ、
同じ口径の排気管を用いた場合には、大きな流量を流す
ことが可能となる。逆に同流量を流す為で有れば、排気
管23の口径を小さくすることが可能となり、排気設備
の合理化が可能となる。
【0040】また、排気設備では、プロセス配管22内
の圧力が過剰になると、その圧力で安全弁21の弁体3
が押し上げられて、その配管内を流れていた蒸気が安全
弁の入口27から出口へと流出し、排気管23内に溜ま
っていた非凝縮性の気体を排気口28から水29の中に
放出する。
【0041】その放出時や放出された気体が凝縮するこ
となく気泡となって水面に上昇して崩壊する作用で密閉
容器24内の圧力は急上昇すると共に衝撃を受ける。
【0042】その圧力の上昇や衝撃力の大きさは、放出
された気体の量が少なければ小さくなる。
【0043】本実施例では、安全弁21の出口圧力を従
来よりも高めることが出来るので、口径の細い排気管2
3を採用でき、排気管23内に溜まっている気体も少な
く成って、安全弁21が作動した際の密閉容器24内の
圧力上昇と衝撃とを従来よりも少なくできる。
【0044】その衝撃については以下のようにも説明で
きる。
【0045】即ち、安全弁21が作動すると、排気管2
3内の空気は水を張った密閉容器24内の水中に排出さ
れるが、その際に密閉容器24内の水は気泡脈動を生
じ、容器内に動的な荷重が発生する。
【0046】このような動的な荷重は排気管内の非凝縮
気体、例えば空気の容積に依存することが知られてお
り、本実施例ではその動的荷重を小さくし、設備の信頼
性・安全性を向上することが出来る。
【0047】以上のように、本発明の実施例によれば、
特に平衡型の安全弁の場合には安全弁21の弁体の上部
の圧力が弁出口圧力よりも低く、安全弁21の出口圧力
が安全弁21の設定圧力の40%程度となっても弁体上
部が設計圧力の40%以下に保持される結果、チャタリ
ングが発生せずに、安全弁21の排気管23の圧力損出
を大きくすることが可能となり、安全弁21の下流に排
気管を有する系統設備において、従来と同じ排気管23
の配管口径で大流量を流すこと、もしくは従来と同流量
で排気管23の配管口径を小さくすることが可能とな
る。
【0048】又、特に蒸気系の安全弁において安全弁2
1の下流に密閉タンク等の容器24に接続する排気管2
3を有する場合には、安全弁21の作動時に排気管23
内にある非凝縮性の気体、例えば空気が蒸気の水中への
排出に先立って容器24内に排出される結果、密閉され
た容器24内に過渡的な圧力上昇が発生する。この圧力
上昇は主に排気管23内に存在する非凝縮性気体の容積
にほぼ比例する為、安全弁21の排気管23の圧力損出
を大きくすることが可能となり、排気管23の配管口径
を小さくすることが可能と成った本発明の排気設備の実
施例では容器24内の圧力上昇を抑制することも可能と
なり、その結果、排気管23が接続される容器24の耐
圧設計を簡便化でき、更に、安全弁の排気管23が接続
される密閉された容器24の安全性・信頼性を向上でき
る効果がある。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、出口側の圧力
を高めても弁の不用意な閉鎖が起こりにくく、弁体のチ
ャタリングが起こりにくいという効果が得られる。
【0050】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果を、出口側の圧力が背圧室内の圧力に影響す
ることをシールで抑制して、確実に達成できるように出
来るという効果が得られる。
【0051】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明による効果に加えて、従来以上に非平衡型
のバネ式安全弁の設定圧力を高圧に設定して使用でき
る。
【0052】請求項4の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明による効果に加えて、従来以上に平衡型の
バネ式安全弁の設定圧力を高圧に設定して使用できる。
【0053】請求項5の発明によれば、排気設備の物量
が排気管の径が細くなった分低減する効果が得られ、従
来と同じ口径の排気管を用いるので有れば、取り扱う流
量が増量できるという効果が得られる。
【0054】請求項6の発明によれば、排気設備の信頼
性の向上と建設物量の低減に貢献できるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるバネ式安全弁の縦断面図
である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】従来のバネ式安全弁の縦断面図である。
【図4】図3の弁体に作用する圧力の作用線図。
【図5】平衡型のバネ式安全弁のフローダウンと出口圧
力/設定圧力との関係を示したグラフ図である。
【図6】本発明の実施例による排気設備の系統図であ
る。
【符号の説明】
3…弁体、5…弁座、7…ガイド、10…ラビリンスシ
ール、11,12…連絡孔、14…ジスクソケット、2
1…安全弁、22…プロセス配管、23…排気管、24
…容器、25…背圧室、A…超音速の流れ、B…擬似衝
撃波、C…亜音速の流れ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 裕広 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バネ式安全弁のジスクソケットと弁体との
    間に、前記バネ式安全弁の弁座の外側に開口した連絡孔
    を設け、前記連絡孔を前記弁体の背圧室側に連通してあ
    るバネ式安全弁。
  2. 【請求項2】請求項1において、ジスクソケットと隣接
    するガイドと前記ジスクソケットとの間にラビリンスシ
    ール構造を有することを特徴としたバネ式安全弁。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、前記バネ
    式安全弁は、非平衡型のバネ式安全弁であって、前記バ
    ネ式安全弁の弁体チャタリングを発生する前記バネ式安
    全弁の出口圧力を前記バネ式安全弁の設定圧力の10%
    を超える圧力に設定して有るバネ式安全弁。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2において、前記バネ
    式安全弁は、平衡型のバネ式安全弁であって、前記バネ
    式安全弁の弁体チャタリングを発生する前記バネ式安全
    弁の出口圧力を前記バネ式安全弁の設定圧力の40%を
    超える圧力に設定して有るバネ式安全弁。
  5. 【請求項5】バネ式安全弁と、前記バネ式安全弁の出口
    に接続された排気管とを有する排気設備において、前記
    バネ安全弁が請求項1から請求項4までのいずれか一項
    に記載のバネ式安全弁であることを特徴としたバネ式安
    全弁を備えた排気設備。
  6. 【請求項6】蒸気の通されたプロセス配管に入口を接続
    したバネ式安全弁と、前記バネ式安全弁の出口に接続さ
    れた排気管と、前記排気管の排気口を水中に装備した容
    器とを備えた排気設備において、前記バネ安全弁が請求
    項1から請求項4までのいずれか一項に記載のバネ式安
    全弁であることを特徴としたバネ式安全弁を備えた排気
    設備。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001295952A (ja) * 2000-04-14 2001-10-26 Kawasaki Thermal Engineering Co Ltd 高精度安全弁
KR101178901B1 (ko) 2010-02-22 2012-08-31 주식회사 삼신 안전 방출 밸브
WO2024076905A1 (en) * 2022-10-07 2024-04-11 Dresser, Llc Relieving pressure in critical and sub-critical flow regimes in backpressure conditions

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