JPH11169977A - 超塑性金属の一体成形方法 - Google Patents

超塑性金属の一体成形方法

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JPH11169977A
JPH11169977A JP9342784A JP34278497A JPH11169977A JP H11169977 A JPH11169977 A JP H11169977A JP 9342784 A JP9342784 A JP 9342784A JP 34278497 A JP34278497 A JP 34278497A JP H11169977 A JPH11169977 A JP H11169977A
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superplastic metal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度特性の低下が抑制される超塑性金属の一体
成型方法を提供する。 【解決手段】超塑性成形及び拡散接合が可能な超塑性金
属板材からなる接合不要区域4、5、6を連通する不活
性ガス流通用のガス孔7、8が穿孔されコアシート1及
びフェースシート2、3を重ね合わさせ、これらシート
1、2、3が重ね合わされた積層体12を成形型30に
セットし、全体を成形温度まで加熱して接合不要区域内
4に不活性ガスを導入して、各接合不要区域4、5、6
に対応するシート1、2、3の部分を超塑性成形すると
共に、接合区域15、16、17に対応するシート1、
2、3の部分を互いに拡散接合する超塑性金属の一体成
形方法において、上記コアシート1に開口するガス孔
7、8を電子ビームによって穿孔することによって、そ
の周囲7a、8aを予め等軸組織から超塑性挙動が抑制
された針状組織に変化させておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば航空機の機
体構造等のように、特に耐熱性を必要とする部位に適用
されるチタン合金板材等からなる3層以上の構造を持つ
成型品を、超塑性成形(Super Plastic Forminng)と拡
散接合(Diffusion Bondinng)技術を用いて一体構造と
する超塑性金属の一体成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、チタンやチタン合金の多く、或
いはニッケル合金には、超塑特性を備えたものがあり、
適当なチタン合金は、300パーセントに達する表面積
の全増加が可能であることが知られている。このような
超塑性金属は、超塑性成形手段により非常に複雑な形状
であっても成形できる。
【0003】3層以上のチタン合金部品を超塑性成形と
拡散接合技術を用いて一体に成形す成型方法の一例を図
10乃至図13によって説明する。
【0004】先ず、図10に示すように3枚の超塑性金
属板材、例えばチタン合金シート素材1、2、3を用意
し、シート素材1、2、3の内、図11に示すように重
ね合わせた際に、中間に位置するコアシート1の一面の
接合不要区域4、5と、他面の接合不要区域6との平面
視重複する部分に予め各々ガス孔7、8が穿孔され、か
つこのコアシート1には、接合不要区域4に一端が臨む
成形ガス導入用溝9aが形成されている。
【0005】一方、上記フェースシート2には、上記コ
アシート1に重ね合わせた際、上記成形ガス導入用溝9
aとフェースシート2とによって形成される成形ガス導
入孔9に一端が連通する成形ガス供給孔10が穿設され
ている。
【0006】そして、上記コアシート1の各接合不要区
域4、5、6に、イットリア等の接合防止剤11を塗布
し、図11に示すように、上記コアシート1の両面にフ
ェースシート2、3を重ね合わせて積層体12を形成す
る。
【0007】次に、図12に示すように、第1成形型3
1及び第2成形型32からなる成形型30に積層体12
をセットし、第1成形型31及び第2成形型32の内部
空間31A内と32A内を不活性ガスで置換しながら、
互いに積層されるコアシート1と各フェースシート2、
3との境界内13、14を真空引きした後、積層体12
及び成形型30の全体を加熱し、所定温度に昇温した後
に成形型30の内部空間31A及び32A内に不活性ガ
スを所定圧で導入し、コアシート1と各々のフェースシ
ート2、3の接合区域15、16、17を拡散接合させ
て、内部空間31A、32A内に導入した不活性ガスを
排出する。
【0008】次に、第1成形型31に開口する成形ガス
給入孔31aから成形ガス供給孔10及び成形ガス導入
孔9を介して、上記コアシート1とフェースシート2と
の間の接合不要区域4に不活性ガスを導入する。
【0009】そして、接合防止剤11が介在する接合不
要区域4に導入された不活性ガスによって接合不要区域
4に対応する部分のコアシート1とフェースシート2、
3が超塑性変形して膨れて第1拡張室18を形成すると
共に、ガス孔7から接合防止剤11が介在する接合不要
区域6に導入され、この接合不要区域6に対応する部分
のコアシート1とフェースシート2、3を超塑性変形し
て第2拡張室19を形成する。
【0010】同時に、第2拡張室19に導入された不活
性ガスは、ガス孔8から接合防止剤11が介在する接合
不要区域5に導入され、接合不要区域5に対応する部分
のコアシート1とフェースシート2、3が超塑性変形し
て第3拡張室20を形成する。
【0011】更に図13のように、フェースシート2が
第1成形型31の成形面31bに、フェースシート3が
第2成形型32の成形面32bに各々押接されるまで不
活性ガスが供給され、外周形状が第1成形型31の成形
面31b及び第2成形型32の成形面32bに倣った形
状の成形品が得られる。
【0012】このように、接合不要区域に接合防止剤を
塗布した複数のチタン合金シートを積層し、かつ成形型
内での不活性ガスの導入によって超塑性成形と拡散接合
技術を用いて成型品を一体に成形する成型方法の先行技
術としては、例えば特開昭51−111465号公報が
知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による
と、各構成部材が超塑性成形されると共に、互いに拡散
結合によって一体的に結合されることから、複雑な形状
であっても比較的容易に成形できて製造作業等の簡素化
及び製造コストの低減が得られると共に、成型品の高強
度が確保できる。
【0014】しかし、内部を区画するコアシートに成形
ガスを流通させるためのガス孔を形成する必要があり、
この部分の応力集中係数が高く、超塑性成形及び長期間
に亘る使用による破壊の起点となるおそれがあり、この
対策としてコアシート等の板厚を増加させると重量の増
大を招くことになる。
【0015】また、この部分は超塑性成形に伴って延伸
して、板厚が減少し、かつ成形前に比べガス孔が大きく
なると共に、孔形状も大きく変わることから強度特性の
低下が生じることがある。このため設計段階において強
度特性の低下を考慮する必要があり、熟練と高度な設計
技術が要求される。
【0016】従って、本発明は、かかる点に鑑みなされ
たものであり、その目的は強度特性の低下が抑制される
超塑性金属の一体成型方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載の超塑性金属の一体成型方法の発明は、超塑
性成形及び拡散接合が可能な少なくとも3枚以上の超塑
性金属板材を有し、重ね合わせられた上記超塑性金属板
材間に形成される複数の接合不要区域を互いに連通する
不活性ガス流通用のガス孔が重ね合わせられた中間に位
置する超塑性金属板材に穿孔され、該重ね合わされた複
数の超塑性金属板材を成形型にセットし、全体を成形温
度まで加熱して上記少なくとも1つの接合不要区域内に
不活性ガスを導入して上記各接合不要区域に対応する超
塑性金属板材の部分を超塑性成形すると共に、接合区域
に対応する超塑性金属板材の部分を互いに拡散接合する
超塑性金属の一体成形方法において、上記超塑性金属板
材に開口するガス孔の周囲が、該ガス孔穿孔時の熱的影
響により超塑性挙動が抑制された組織に予め変化されて
いることを特徴とする。
【0018】この請求項1の発明によると、超塑性金属
板材に開口するガス孔の周囲がガス孔の穿孔時の熱的影
響によって予め超塑性挙動が抑制された組織に変化され
ていることから、接合不要区域内に不活性ガスを導入し
て超塑性成形する際に、ガス孔周囲の超塑性挙動が抑制
されて、該部分の板厚の減少、ガス孔の形状変化等が抑
制されて強度特性の低下が回避される。
【0019】請求項2に記載の発明は、超塑性成形及び
拡散接合が可能な少なくとも3枚以上の超塑性金属板材
を重ね合わせ、上記重ね合わされた超塑性金属板間の接
合不要区域を連通する不活性ガス流通用のガス孔が中間
に位置する超塑性金属板材に穿孔され、重ね合わされた
超塑性金属板の接合区域の周囲を電子ビーム手段乃至レ
ーザビーム手段により互いに溶接し、該重ね合わされた
複数の超塑性金属板材を成形型にセットし、全体を成形
温度まで加熱して上記少なくとも1つの接合不要区域内
に不活性ガスを導入して上記各接合不要区域に対応する
超塑性金属板材の部分を超塑性成形すると共に、接合区
域に対応する超塑性金属板材の部分を互いに拡散接合す
る超塑性金属の一体成形方法において、上記超塑性金属
板材に開口するガス孔の周囲が、該ガス孔穿孔時の熱的
影響により超塑性挙動が抑制された組織に予め変化され
ていることを特徴とする。
【0020】この請求項2の発明によると、超塑性金属
板材に開口するガス孔の周囲がガス孔穿孔時の熱的影響
によって予め超塑性挙動が抑制された組織に変化されて
いることから、接合不要区域内に不活性ガスを導入して
超塑性成形する際に、ガス孔周囲の超塑性挙動が抑制さ
れて、該部分の板厚減少及びガス孔の形状変化等が抑制
されて強度特性の低下が回避される。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、上記ガス孔の穿孔が、電子ビ
ームまたはレーザービームによってなされることを特徴
とし、電子ビームまたはレーザービームによってガス孔
を穿孔する際に、ガス孔の周囲がその熱的影響により超
塑性挙動が抑制された組織に変化される。
【0022】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に
記載の発明において、上記超塑性金属板材が、チタン合
金シート素材であって、ガス孔周囲がガス孔穿孔時の熱
的影響により等軸組織から針状組織に変化されているこ
とを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】 第1実施形態 以下本発明による超塑性金属の一体成型方法の第1実施
形態を図1乃至図4によって説明する。
【0024】先ず、超塑性成形及び拡散接合が可能な超
塑性金属板材、例えばTi−6Al−4Vからなる3枚
のチタン合金シート素材1、2、3を用意し、図1及び
図2に示すようにこれらのシート素材1、2、3を重ね
合わせた際、その中間に位置するコアシート1の一面1
aの接合不要区域4、5と、他面1bの接合不要区域6
が平面視互いに重複する部分に予め各々ガス孔7、8が
穿孔されている。
【0025】ガス孔7、8は、例えば真空雰囲気中で行
われる電子ビームの照射によって穿孔され、ガス孔7、
8の周囲7a及び8aは、電子ビームの照射による熱的
影響を受けて等軸組織から針状組織に変化することによ
り超塑性挙動が抑制される。
【0026】更に、コアシート1の上記一面1aには、
少なくとも接合不要区域4または5の一方、本実施形態
では接合不要区域4に一端が臨む成形ガス導入用溝9a
が形成されている。
【0027】一方、上記フェースシート2には、上記コ
アシート1の一面1aに重ね合わせた際、上記成形ガス
導入用溝9aとこのフェースシート2とによって形成さ
れる成形ガス導入孔9に連通する成形ガス供給孔10が
穿設されている。
【0028】そして、積層工程において上記コアシート
1の各接合不要区域4、5、6に例えば、イットリア等
の接合防止剤11を塗布し、図2に示すように、上記コ
アシート1の両面1a及び1bに各々フェースシート
2、3を重ね合わせて積層体12を形成する。
【0029】次に、積層体セット工程で、第1成形型3
1及び第2成形型32からなる成形型30に積層体12
をセットし、成形型30及び成形型30にセットされた
積層体12の全体を加熱炉(図示せず)内に搬入する。
なお第1成形型31には上記成形ガス供給孔10に接合
される成形ガス給入孔31aが形成されている。
【0030】続く成形工程によって第1成形型31及び
第2成形型32の内部空間31Aと32 A、すなわちキ
ャビティ内を不活性ガスで置換すると共に、互いに積層
されるコアシート1と各フェースシート2、3との境界
内13、14を真空引きした後、加熱炉により積層体1
2及び成形型30の全体を加熱する。
【0031】所定温度、例えば約900〜920に昇温
後に成形型30の内部空間31A及び32A内に不活性
ガス(例えばアルゴンガス、ヘリウムガス等)を所定圧
で導入し、上記コアシート1と各々フェースシート2、
3の接合区域15、16、17、換言すると接合防止剤
11が介在することなく直接圧接されるコアシート1と
各々のフェースシート2、3の範囲を互いに拡散接合さ
せ、しかる後内部空間31A、32A内の不活性ガスを
排出する。
【0032】次に、第1成形型31に開口する成形ガス
給入孔31aから成形ガス供給孔10及び成形ガス導入
孔9を介して、上記コアシート1とフェースシート2と
の間の接合不要区域4に不活性ガスを導入する。
【0033】不活性ガスの導入に伴って、接合防止剤1
1が介在する接合不要区域4に導入された不活性ガスに
よって接合不要区域4に対応する部分のコアシート1と
フェースシート2、3が超塑性変形して膨れ、第1拡張
室18を形成すると共に、第1拡張室18に導入された
不活性ガスの一部は、コアシート1に開口するガス孔7
から接合防止剤11が介在する接合不要区域6に導入さ
れ、接合不要区域6に対応する部分のコアシート1とフ
ェースシート2、3を超塑性変形して膨張せしめて第2
拡張室19を形成する。
【0034】同時に、第2拡張室19に導入された不活
性ガスの一部は、ガス孔8から接合防止剤11が介在す
る接合不要区域5に導入され、接合不要区域5に対応す
る部分のコアシート1とフェースシート2、3が超塑性
変形して第3拡張室20を形成する。
【0035】そして、更に図4に示すように、フェース
シート2が超塑性変形して第1成形型31の成形面31
bに押接され、フェースシート3が第2成形型32の成
形面32bに押接されるまで不活性ガスが供給されて、
外周形状が第1成形型31の成形面31b及び第2成形
型32の成形面32bに倣った形状の成形体となる。
【0036】この不活性ガス導入によるコアシート1及
びフェースシート2、3の超塑性成形は、例えば、温度
900℃で、歪み速度が毎秒10-3〜10-4になるよう
に不活性ガス圧力を制御することで行われ、ガス孔7、
8の周囲7a、8aを除くコアシート1の板厚は、超塑
性成形に伴って延伸されて減少するが、ガス孔7、8の
周囲7a、8aは、予め電子ビームによる穿孔によって
組織が等軸組織から超塑性挙動が極めて抑制された針状
組織に変化せしめられることから、板厚の減少がほとん
どなく、超塑性成形以前のガス孔7及び8の形状が維持
される。
【0037】しかる後、成形体は成形型30から取り出
され、トリム処理工程等で形状が整えられて成型品とな
る。
【0038】従って、本実施形態の超塑性金属の一体成
型方法によると、超塑性成型時及び長期の使用により応
力が集中するガス孔7及び8の周囲7a、8aは、予め
超塑性挙動が抑制された針状組織によって形成されるこ
とから、この部分は超塑性成形による板厚の減少及びガ
ス孔の形状変化が回避乃至極めて少なくなり強度特性の
低下が回避され、設計段階において強度特性の低下を考
慮する必要が少なくなり設計が容易になる。
【0039】第2実施形態 次に、本発明による超塑性金属の一体成型方法の第2実
施形態を図5乃至図9によって説明する。なお、説明の
便宜上図1乃至図4と同一部材には同一符号を付するこ
とによって詳細な説明は省略する。
【0040】先ず、図5乃至図7に示すように成形すべ
き素材からなる3枚のチタン合金シート素材1、2、3
を用意し、これらのシート素材1、2、3を重ね合わせ
た際、中間に位置するコアシート1の一面1aの接合不
要区域4、5と、他面1bの接合不要区域6とが平面視
互いに重複する部分には、予め電子ビーム照射によって
各々ガス孔7、8が穿孔され、ガス孔7、8の周囲7a
及び8aは、電子ビームの照射による熱的影響を受けて
等軸組織から針状組織に変化して、超塑性挙動が抑制さ
れている。
【0041】そして、積層工程において図5に示すよう
に、上記コアシート1の一面1aにフェースシート2を
重ね合わせ、かつ真空雰囲気中で接合区域16を囲むよ
うに電子ビーム溶接手段により形成される電子ビーム溶
接部26によって互いに溶着すると共に、図6及び図7
に示すようにフェースシート2を溶着したコアシート1
の他面1bにフェースシート3を重ね合わせ、接合区域
15及び17の周囲を各々電子ビーム溶接部25及び2
7によって互いに溶着する。これら接合区域15、1
6、17は周囲が囲まれているので真空状態に保持され
る。
【0042】積層工程で、互いに溶接結合されたコアシ
ート1、フェースシート2及び3からなる積層体12
は、次の積層体セット工程において、第1実施形態と同
様に、図8に示すように成形型30にセットする。
【0043】続く成形工程によって第1成形型31及び
第2成形型32の内部空間31Aと32 Aを不活性ガス
で置換すると共に、及びコアシート1と各フェースシー
ト2、3との境界内13、14を真空引きした後、積層
体12及び成形型30の全体を所定温度に加熱する。
【0044】次に、第1成形型31に開口する成形ガス
給入孔31aから成形ガス供給孔10及び成形ガス導入
孔9を介して、上記コアシート1とフェースシート2と
の間に不活性ガスを導入する。
【0045】不活性ガスの導入に伴って、接合不要区域
4に導入された不活性ガスによって接合不要区域4に対
応する部分のコアシート1とフェースシート2、3が超
塑性変形して第1拡張室18を形成すると共に、第1拡
張室18に導入された不活性ガスの一部は、ガス孔7か
ら接合不要区域6に導入され、接合不要区域6に対応す
る部分のコアシート1とフェースシート2、3を超塑性
変形して第2拡張室19を形成する。
【0046】更に、第2拡張室19に導入された不活性
ガスの一部は、ガス孔8から接合不要区域5に導入さ
れ、接合不要区域5に対応する部分のコアシート1とフ
ェースシート2、3が超塑性変形して第3拡張室20を
形成する。
【0047】この各拡張室18、19及び20に導入さ
れた不活性ガスの圧力は各接合区域15、16及び17
のコアシート1とフェースシート2、3の拡散接合を進
行させる。
【0048】そして、更に図9に示すように、フェース
シート2が超塑性変形して第1成形型31の成形面31
bに、フェースシート3が第2成形型32の成形面32
bに各々押接されるまで不活性ガスが供給されて、外周
形状が第1成形型31の成形面31b及び第2成形型3
2の成形面32bに倣った形状の成形品となる。
【0049】この不活性ガス導入によるコアシート1及
びフェースシート2、3の超塑性成形に伴って、ガス孔
7及び8の周囲7a、8aを除くコアシート1の板厚は
伸長して減少するが、ガス孔7、8の周囲7a、8a
は、第1実施形態と同様に、予め電子ビームによる穿孔
によって組織が等軸組織から針状組織に変化せしめられ
ることから、板厚の減少がほとんどなく、初期のガス孔
7及び8の形状が維持される。
【0050】しかる後、成形体は成形型30から取り出
され、トリム処理工程等で形状が整えられて製品とな
る。
【0051】この第2実施形態によると、第1実施形態
に加え、接合区域15、16、17の周囲を電子ビーム
溶接手段により互いに溶着することで、接合区域が真空
状態を保ち、超塑性成形と拡散接合を同時進行させるこ
とで、成形時間が短縮され、接合不要区域が拡散接合す
ることがないので接合防止剤の塗布が省略でき、工数の
削減と相俟って製造コストの低減が得られる。
【0052】上記各実施形態では、ガス孔7及び8を電
子ビームにより穿孔した例について説明したが、レーザ
ービームにより穿孔することも、また超塑性金属板材は
Ti−6Al−4Vのチタン合金からなる板材を用いた
が、超塑性成形及び拡散接合が可能な超塑性金属板材で
あれば、チタンや他のチタン合金或いはニッケル合金等
であってもよく、また3枚のシート素材を用いたが、3
枚以上の複数枚でもよい。
【0053】上記各実施形態では、ガス孔7及び8を電
子ビームまたはレーザービームにより穿孔した例につい
て説明したが、機械加工により穿孔し、穿孔の前或いは
後に電子ビームまたはレーザービームで孔周辺を照射し
て、その部分を等軸組織から針状組織に変更してもよ
い。
【0054】また、接合区域の接合面にインサート材、
例えばCu−Niメッキを施した拡散接合、即ち液相拡
散接合(Liquid Interface Diffusion Bonndinng)にお
いても同様の方法で実施することが可能であり、本発明
は、上記実施形態に限定されることなく本発明に要旨を
逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明した本発明の超塑性金属の一体
成形方法によると、超塑性金属板材の超塑成形される部
分に開口するガス孔の周囲が、穿孔の際の熱的影響によ
って、予め超塑性挙動の抑制された組織によって形成さ
れることから、この部分は超塑性形による板厚の減少及
びガス孔の形状変化が回避され、或いは板厚の減少及び
ガス孔の形状変化が極めて少なくなり強度特性の低下が
回避されて安定した高品質の超塑性成型品が得られると
共に、設計段階において強度特性の低下を考慮する必要
が少なくなり設計が容易になる等超塑性金属の成形分野
に貢献すること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超塑性金属の一体成形方法の第1
実施形態を説明する斜視図である。
【図2】同じく、要部断面説明図である。
【図3】同じく、要部断面説明図である。
【図4】同じく、要部断面説明図である。
【図5】本発明による超塑性金属の一体成形方法の第2
実施形態を説明する斜視図である。
【図6】同じく、要部を説明する斜視図である。
【図7】同じく、要部断面説明図である。
【図8】同じく、要部断面説明図である。
【図9】同じく、要部断面説明図である。
【図10】従来の超塑性金属の一体成形方法を説明する
斜視図である。
【図11】同じく、要部断面説明図である。
【図12】同じく、要部断面説明図である。
【図13】同じく、要部断面説明図である。
【符号の説明】
1 コアシート 2 フェースシート 3 フェースシート 4 接合不要区域 5 接合不要区域 6 接合不要区域 7 ガス孔 7a 周囲 8 ガス孔 8a 周囲 11 接合防止剤 12 積層体 15 接合区域 16 接合区域 17 接合区域 25 電子ビーム溶接部 26 電子ビーム溶接部 27 電子ビーム溶接部 30 成形型
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 20/18 B23K 20/18 26/00 330 26/00 330 B64C 1/00 B64C 1/00 B // B23K 103:04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超塑性成形及び拡散接合が可能な少なくと
    も3枚以上の超塑性金属板材を有し、重ね合わせられた
    上記超塑性金属板材間に形成される複数の接合不要区域
    を互いに連通する不活性ガス流通用のガス孔が重ね合わ
    せられた中間に位置する超塑性金属板材に穿孔され、該
    重ね合わされた複数の超塑性金属板材を成形型にセット
    し、全体を成形温度まで加熱して上記少なくとも1つの
    接合不要区域内に不活性ガスを導入して上記各接合不要
    区域に対応する超塑性金属板材の部分を超塑性成形する
    と共に、接合区域に対応する超塑性金属板材の部分を互
    いに拡散接合する超塑性金属の一体成形方法において、 上記超塑性金属板材に開口するガス孔の周囲が、該ガス
    孔穿孔時の熱的影響により超塑性挙動が抑制された組織
    に予め変化されていることを特徴とする超塑性金属の一
    体成形方法。
  2. 【請求項2】超塑性成形及び拡散接合が可能な少なくと
    も3枚以上の超塑性金属板材を重ね合わせ、上記重ね合
    わされた超塑性金属板間の接合不要区域を連通する不活
    性ガス流通用のガス孔が中間に位置する超塑性金属板材
    に穿孔され、重ね合わされた超塑性金属板の接合区域の
    周囲を電子ビーム手段乃至レーザビーム手段により互い
    に溶接し、該重ね合わされた複数の超塑性金属板材を成
    形型にセットし、全体を成形温度まで加熱して上記少な
    くとも1つの接合不要区域内に不活性ガスを導入して上
    記各接合不要区域に対応する超塑性金属板材の部分を超
    塑性成形すると共に、接合区域に対応する超塑性金属板
    材の部分を互いに拡散接合する超塑性金属の一体成形方
    法において、 上記超塑性金属板材に開口するガス孔の周囲が、該ガス
    孔穿孔時の熱的影響により超塑性挙動が抑制された組織
    に予め変化されていることを特徴とする超塑性金属の一
    体成形方法。
  3. 【請求項3】上記ガス孔の穿孔が、電子ビームまたはー
    レザービームによってなされることを特徴とする請求項
    1または2に記載の超塑性金属の一体成形方法。
  4. 【請求項4】上記超塑性金属板材が、チタン合金シート
    素材であって、ガス孔周囲がガス孔穿孔時の熱的影響に
    より等軸組織から針状組織に変化されていることを特徴
    とする請求項1〜3に記載の超塑性金属の一体成形方
    法。
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