JPH11166951A - 誘電率の測定方法とその装置 - Google Patents

誘電率の測定方法とその装置

Info

Publication number
JPH11166951A
JPH11166951A JP33438997A JP33438997A JPH11166951A JP H11166951 A JPH11166951 A JP H11166951A JP 33438997 A JP33438997 A JP 33438997A JP 33438997 A JP33438997 A JP 33438997A JP H11166951 A JPH11166951 A JP H11166951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
waveguide
frequency
dielectric constant
interpolated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33438997A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Kondo
昭治 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KANTO DENSHI OYO KAIHATSU KK
Original Assignee
KANTO DENSHI OYO KAIHATSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KANTO DENSHI OYO KAIHATSU KK filed Critical KANTO DENSHI OYO KAIHATSU KK
Priority to JP33438997A priority Critical patent/JPH11166951A/ja
Publication of JPH11166951A publication Critical patent/JPH11166951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波・ミリ波領域に於ける誘電体の誘
電率を、簡単な装置で正確に測定する。 【解決手段】 導波管で構成された誘電体内挿部2へ測
定対象の誘電体を挿入し、その伝送特性を伝送特性測定
装置1により測定する。そして処理装置3により、その
測定した伝送特性を周波数に関して微分し、微分結果の
絶対値がピークとなる周波数を遮断周波数として検出す
る。この遮断周波数は誘電体の誘電率の平方根に逆比例
するので、容易に誘電率を算出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電率の測定方法
とその装置に係わり、とくにマイクロ波・ミリ波帯にお
ける誘電率の測定に適した誘電率の測定方法とその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】各種材料の誘電率測定方法としては、低
周波領域では誘電体材料を電極間に挟み、電極間の静電
容量を測定してその測定値と材料のサイズから誘電率を
算出する方法が用いられる。
【0003】また、高周波領域においては、測定周波数
範囲に共振点をもつ共振回路を用意し、誘電体材料をそ
の共振回路に内挿したときとしないときの共振周波数、
Q等を測定し、それらの測定値の変化から誘電率とta
nδ(誘電正接)を算出する方法、あるいは測定周波数
がその通過帯域内にあるような同軸伝送路または導波管
伝送路を用意し、誘電体材料とその伝送路内に挿入した
ときとしないときの伝送特性を測定して、誘電率を算出
する方法が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高周波領
域、とりわけマイクロ波・ミリ波領域における誘電率測
定を対象とするものであるが、従来の高周波領域におけ
る測定法では、共振回路あるいは伝送路における通過帯
域内に測定周波数が設定されていた。換言すれば、これ
らの回路内に、測定に使用する電波の波動が存在しうる
条件を満たしていた。ところで、誘電体中を伝播する電
磁波の波長は、誘電体の誘電率の平方根に比例して短く
なる。そのため、誘電体を内挿しない状態では高次モー
ドが発生しなくても、誘電率の大きな誘電体を内挿する
と大幅に波長が短縮され、高次モードが発生しやすくな
る。もし高次モードが発生すると大きい測定誤差の発生
が避けられなかった。
【0005】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、高周波領域において大きな誘電率を有する
誘電体であっても、簡単な構造の回路で容易かつ正確に
当該誘電体の誘電率を測定することのできる誘電率の測
定方法とその装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、導波管に誘電
体を内挿し、その誘電体を内挿した導波管の基本モード
に対する遮断周波数を計測し、その計測により求めた遮
断周波数から前記内挿した誘電体の誘電率を求めること
を特徴とする誘電率の測定方法を開示する。
【0007】更に本発明は、導波管に誘電体を内挿し、
その誘電体を内挿した導波管の基本モードに対する遮断
周波数を含む周波数範囲に於ける伝送特性を計測し、そ
の計測により求めた伝送特性の周波数に対する微分特性
を求め、さらに該微分特性の絶対値が最大となる周波数
を遮断周波数とし、こうして求めた遮断周波数から前記
内挿した誘電体の誘電率を求めることを特徴とする誘電
率の測定方法を開示する。
【0008】更に本発明は、導波管の一部あるいは全部
に誘電体を内挿し、その誘電体を内挿した導波管の基本
モードに対する遮断周波数を含む周波数範囲に於ける伝
送特性を計測し、その計測により求めた伝送特性と、該
伝送特性から求めた遮断周波数から前記内挿した誘電体
の誘電正接を求めることを特徴とする誘電率の測定方法
を開示する。
【0009】更に本発明は、その内部に誘電体を内挿す
るための導波管で構成された誘電体内挿手段と、該手段
へ高周波を供給してその基本モードの於ける伝送特性を
測定するための伝送特性測定手段と、該手段により測定
された伝送特性から前記誘電体を内挿した導波管の遮断
周波数を検出するための遮断周波数検出手段と、該手段
により検出された遮断周波数から前記内挿された誘電体
の誘電率を算出するための誘電率算出手段と、を備えた
ことを特徴とする誘電率の測定装置を開示する。
【0010】更に本発明は、前記遮断周波数検出手段
が、前記伝送特性測定手段により測定された伝送特性を
周波数に関して微分するための微分手段と、該微分手段
出力の絶対値のピークを与える周波数を前記遮断周波数
として検出するためのピーク検出手段とから成ることを
特徴とする誘電率の測定装置を開示する。
【0011】更に本発明は、前記誘電体の内挿手段が、
誘電体をその内部に内挿するための主導波管と、該主導
波管の一方の端部に取り付けられ、前記高周波発生手段
からの高周波を同軸ケーブルを介して前記主導波管へ導
くための第1のケーブルコネクタ及び第1の遮断導波管
とから成る第1の同軸導波管変換手段と、前記主導波管
のもう一方の端部に取り付けられ、前記主導波管内を伝
播してきた高周波を同軸ケーブルを介して前記損失測定
手段へ導くための第2のケーブルコネクタ及び第2の遮
断導波管とから成る第2の同軸導波管変換手段と、から
構成されたことを特徴とする誘電率の測定装置を開示す
る。
【0012】更に本発明は、前記誘電体内挿手段が、誘
電体をその内部に内挿するための主導波管と、該主導波
管の両端の各々に取り付けられ、その基本モードの遮断
周波数が前記主導波管の基本モードの遮断周波数より小
さく設定されているところの副導波管と、該副導波管の
外側面に取り付けられた外部との高周波結合部と、から
構成されたことを特徴とする請求項4に記載の誘電率の
測定装置を開示する。
【0013】更に本発明は、前記伝送特性測定手段によ
り測定された伝送特性と、前記遮断周波数検出手段によ
り検出された遮断周波数とから、前記内挿された誘電体
の誘電正接を算出するための誘電正接算出手段を付加し
たことを特徴とする誘電率の測定装置を開示する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明になる誘電率測定装置の構成例を
示すブロック図で、伝送特性測定装置1の信号送出端子
11と信号受信端子12の間に誘電体内挿部2を接続す
る。信号送出端子11および信号受信端子12は、同軸
ケーブルコネクタである場合と導波管の場合とがある。
伝送特性測定装置1としては、通常この種の測定に利用
されているネットワークアナライザを用いる。ネットワ
ークアナライザには掃引周波数発振器、レベル検出器、
校正回路等が含まれている。測定結果は伝送特性測定装
置1上のディスプレイ部に表示されると共に、データ出
力端子13を経て処理装置3に送出される。処理装置3
としてはプロッタ、計算機(パソコン)等の機器が必要
に応じて切り替えあるいは同時並列的に接続可能となっ
ている。ディスプレイ部に表示された伝送特性の測定結
果あるいは処理装置による処理の結果から、誘電体内挿
部2の伝送特性(以下の記述では〔0018〕で定義し
た伝送係数を用いて説明している)が求められる。
【0015】この伝送係数の測定にあたってはネットワ
ークアナライザの掃引発振器の発振周波数範囲を、測定
対象の誘電体が挿入されたときの誘電体内挿部2の遮断
周波数を含むように設定する。誘電率の値はディスプレ
イ上に表示された、あるいはプロッタに記録された、伝
送係数の周波数特性から、直接読み取って後述のような
計算によって求めることもできるし、計算機によって伝
送係数の周波数に関する微分値を求めてその最大値を与
える周波数から算出することもできる。
【0016】図2は、誘電体内挿部2の構成例を示すも
ので、導波管を主体として構成されている。この誘電体
内挿部2は、測定対象の誘電体がその内部に挿入される
主導波管20と、この主導波管20へ伝送特性測定装置
1からの高周波を供給するケーブルを接続するためのケ
ーブルコネクタ21と、誘電体内挿部2から出力される
高周波を伝送特性測定装置1へ導くケーブルを接続する
ためのケーブルコネクタ22と、それらケーブルコネク
タ21、22の中心導体を延長して形成され、主導波管
20内と電磁結合するためのロッド23、24と、ケー
ブルと主導波管の接続部のマッチングをとるための遮断
導波管25、26から成っている。
【0017】図3は、誘電体内挿部2の他の構成例を示
すものである。この誘電体内挿部は、測定対象の誘電体
がその内部に挿入される主導波管30と、その両端部に
主導波管30より大きい断面を持った副導波管31及び
32を接続した構成を持っている。図示は省略したが、
図3の副導波管31、32の外側の端面33、34に
は、伝送特性測定装置1との接続部が形成されている。
この接続部は、伝送特性測定装置1の信号送出端子11
及び信号受信端子12の回路形式が導波管であればフラ
ンジで直接結合し、同軸であれば図2に示したような導
波管変換器とする。
【0018】誘電体内挿部2の主要部である図2の主導
波管20あるいは図3の主導波管30の伝播定数γは、
【数1】γ={(π/a)2−(2πf/c)2(ε1
jε2)}1/2 で与えられる。この式は、例えば倉石「例題演習マイク
ロ波回路」、P.P.72-97、1987、東京電機大学出版
に、方形導波管の基本モード(TE10モード)の、誘
電体損失を無視して求められた減衰定数が示されている
が、その結果に損失を付加して一般化したものである。
但し、aは主導波管20の断面の長辺の長さ、cは光速
度であり、またε1及びε2はそれぞれ複素誘電率の実数
部及び虚数部である。また、導波管導体の表皮効果によ
る損失は、通常の導波管では伝送帯域内で誘電正接ta
nδ=10-4の場合の誘電体損失よりも小さいので、こ
れは無視するものとする。
【0019】(数1)の伝播定数γを
【数2】γ=α+jβ と減衰定数αと位相定数βに分けると、(数1)、(数
2)から
【数3】α=u(f){(k2(f)+tan2δ)1/2
+k(f)}1/2
【数4】β=u(f){(k2(f)+tan2δ)1/2
−k(f)}1/2 が容易に導かれる。但し
【数5】u(f)=2-1/2(π/a)(f/fc)
【数6】K(f)=(fc/f)2−1
【数7】fc=c・ε1 -1/2/(2a):遮断周波数
【数8】tanδ=ε2/ε1:誘電正接 である。(数3)〜(数8)から明らかなように、主導
波管20の寸法を固定すれば、減衰定数α、位相定数β
は、遮断周波数fcで正規化した正規化周波数f/fc
と誘電正接tanδのみの関数である。
【0020】減衰定数αの伝送路では、その振幅が単位
長(1m)ごとにexp(ーα)倍になるから、その単
位長ごとの伝送量(伝送損失の逆数)をデシベルで表し
たものを伝送係数Lと呼ぶことにすると、
【数9】L=20・log10・exp(ーα)=−20α・lo
g10e(dB/m) である。図4は、この伝送係数Lを(数3)(数5)
(数6)から計算して、誘電正接tanδをパラメータ
として示したもので、導波管断面の長寸aは10GHz
帯矩形導波管の定格寸法である22、9(mm)として
いる。
【0021】図5は、図4の伝送係数Lを正規化周波数
(f/fc)で微分したグラフである。図4にみられる
ように、伝送係数Lはf/fc≒1のところで急激に変
化するから、これを微分した図5では、f/fc≒1の
ところに鋭いピーク波形が現れ、このピークの位置がf
=fcとなる位置に極めて近いので、これを遮断周波数
とみなすことができる。従って、図1の伝送特性測定装
置1で伝送係数Lを測定し、処理装置3によりその測定
結果を微分してピーク値を与える周波数fを検出すれ
ば、その周波数が遮断周波数fcを与える。そこで(数
7)から複素誘電率の実数部ε1
【数10】ε1=(c/(2afc))2 により求めることができる。
【0022】あるいは、誘電体内装部2に誘電体を挿入
せず、空気が入っている状態で測定を行ってそのときの
遮断周波数fC0を求めておけば、空気の誘電率をε10と
して、
【数11】ε10=(c/(2afC0))2 である。従って、(数10)(数11)から
【数12】ε1/ε10=(fC0/fC)2 により比誘電率を求めるようにしてもよい。以上のよう
に、本発明では遮断周波数fcを検出して誘電率を求め
るが遮断周波数の検出は極めて正確に行えるから、誘電
率も正確に求めることができる。
【0023】図1の測定装置は、複素誘電率の虚数部に
由来する誘電体損失も測定できる。前述の(数3)で示
した減衰定数αを与える式から誘電正接tanδを求め
ると、
【数13】 tanδ=A(f){A2(f)−2K(f)}1/2
【数14】A(f)=21/2(a/π)(fc/f)α となる。ここでK(f)は(数6)で与えられる。図1
の伝送特性測定装置1は遮断周波数付近の各周波数に於
ける(数9)の伝送係数Lを与えるから、(数9)から
各周波数に於ける減衰定数αが求められる。また遮断周
波数fcも前述のようにして求めておくと、遮断周波数
以上の測定範囲内の各周波数fに於ける誘電正接tan
δの値を(数13)から容易に算出できる。
【0024】以上で、図1に示した本発明の装置の原理
的な動作を説明したが、次に、図2に示した誘電体内挿
部2について詳細に説明する。まず、主導波管20の長
さD1は、長い程ロッド23、24間の損失、即ち伝送
損失が大きくなるから、図3に示した伝送係数が必要な
精度で測定できる程度の長さがあればよく、例えば10
GHz帯の導波管の場合にはD1=10cm程度でよ
い。
【0025】次に、本発明では、測定する周波数が導波
管の基本モードの遮断周波数を含む範囲であるから、原
理的に高次モードの発生を完全に避けることができる。
さらに、複素誘電率の実数部の測定においては、極めて
急峻な遮断特性に着目するので、導波管と外部回路との
インピーダンス整合条件に対する要求が比較的ゆるやか
であり、汎用の同軸・導波管変換器を用いても大きい測
定誤差をもたらすことはない。しかし比誘電率の虚数
部、即ち誘電体損失の項を正確に測定しようとする場合
には、同軸と導波管の接続部に若干の注意を払う必要が
ある。その理由は、導波管は通常その遮断周波数の近傍
の周波数帯で使用することはないので、汎用の同軸・導
波管変換器では遮断周波数近傍における整合条件はあま
り良好ではない。本発明の誘電率測定方法では、遮断周
波数近傍の伝送特性に着目するのであるから、特に伝送
損失に着目する場合には、遮断周波数近傍(ただし遮断
周波数より高い周波数範囲)における整合をできるだけ
良好に保っておくことが必要となる。なお、遮断周波数
以下の周波数範囲においては、原理的に、整合条件を得
ることは不可能であるから整合条件を考慮する必要はな
い。
【0026】図2に示した誘電体内挿部は上記の点を考
慮したものであるが、まず、通常の同軸・導波管変換器
の場合には、遮断導波管25、26と主導波管20の境
界は導体壁で塞がれており、遮断導波管は存在しない。
そして各境界と対応するロッドとの間隔は導波管の基本
モードの伝送帯域の中心の管内波長の1/4程度に選ば
れる。この理由は、このような長さに設定すると、境界
壁(導波管を短絡したことに相当する)が呈するインピ
ーダンスが各ロッドの位置においてほぼ無限大となり、
ロッドから導波管内に放射された電波は主導波管方向に
のみ伝搬するようになるからである。
【0027】しかし、導波管の遮断周波数近傍の伝送帯
域においては、導波管内を伝搬する電波の管内波長が極
めて大きくなり、遮断周波数においては管内波長は無限
大となる。このため、上述のような短絡型境界壁を用い
ると、ロッドの位置において主導波管が短絡された状態
に近くなるので整合条件を保つことが困難となる。この
ために、図2に示したように遮断導波管25、26を設
け、この遮断導波管25、26とケーブルコネクタ2
1、22とによって、それぞれ同軸・導波管変換器を構
成している。なお、図2では同軸・導波管変換器と主導
波管が一体構造をなしているが、ケーブルコネクタから
わずか主導波管の内側に寄った位置で分離した構造とす
ることも可能である。
【0028】この図2の構成で、遮断導波管の断面寸法
cとdを適切に選び、境界部を共振窓の条件を満たすよ
うにすることができる(倉石「例題演習マイクロ波回
路」、P.P.120-121、1987、東京電機大学出版参
照)。このとき、遮断導波管の断面の寸法は主導波管の
断面寸法aとbより小さいので、主導波管の遮断周波数
近傍の伝送帯域内周波数に対しては、遮断導波管部は遮
断領域となる。換言すれば、遮断導波管は主導波管から
みれば開放線路と等価となる。すなわち、遮断導波管を
主導波管の両端に接続することにより、通常の同軸・導
波管変換器におけると同様な機能を主導波管遮断周波数
の近傍において実現することができるのである。遮断導
波管の長さD2は、主導波管の遮断周波数近傍の周波数
における遮断導波管の減衰量が数十デシベル以上に達す
る程度に選べばよい。なお、測定器や高周波源とのイン
ターフェイスが導波管型の場合には、当然のことなが
ら、上述の同軸・導波管変換器は不要である。
【0029】次に、主導波管20内への誘電体の内挿方
法や、誘電体内挿時の整合条件について述べる。測定対
象の誘電体は主導波管20内に内挿できるものであれば
何でもよいので、気体、液体、固体のいずれでも測定で
きる。これら被測定誘電体の内挿にあたっては、主導波
管全体にわたって内挿するのが好ましい。それは誘電体
内挿部と空気部分との遮断周波数の相違を考慮する必要
がないからである。従って液体または気体の場合には、
図2に示した誘電体内挿部全体をその測定対象の液体ま
たは気体の中におけばよい。そして遮断導波管25、2
6の終端部(図2の左右の端部)を開放しておけば、遮
断導波管内は液体または気体が容易に進入できる。また
固体の場合には、主導波管20の両端部を取り外し可能
としておき、まず固状の誘電体をその内部へ内挿する。
そして両端部を遮断導波管25、26とともに取り付
け、さらにケーブルコネクタ21、22をロッド23、
24とともにさし込むようにして取り付け、測定を行
う。
【0030】上述のように被測定誘電体を主導波管20
に内挿すると、(数7)にみられるように主導波管の遮
断周波数fcは誘電体の誘電率の平方根に逆比例して低
下して行く。誘電体内挿導波管の遮断周波数と等しい遮
断周波数をもつ空気内挿導波管の断面寸法は前者のε
1/2倍である。このことから、誘電体内挿導波管は、空
気内挿導波管に換算すると、ロッドを含めて導波管の寸
法が比誘電率の平方根に比例して大きくなったとみなし
得る。すなわち、誘電体の内挿により遮断周波数fcが
変化しても、主導波管の遮断周波数近傍における整合条
件は不変である。したがって、空気中で整合条件を満た
しておけば、誘電体内挿時にもその条件は保たれる。こ
のことは図2に示すような測定回路を用いる本発明の誘
電率測定法の大きい利点である。
【0031】次に、高誘電率の測定の場合には、測定周
波数と導波管のサイズに注意する必要がある。即ち、計
測しようとする誘電体の比誘電率が大きく、たとえば1
00以上の場合には、誘電体内挿時の遮断周波数は空気
媒質の場合に比して大きく低下する。したがって、誘電
率測定に際して、測定周波数が重要な測定要因である場
合には、あらかじめ高い周波数帯の導波管を準備してお
き、誘電体内挿時の遮断周波数が着目する周波数と一致
するようにしておけばよい。そしてこの点に注意すれ
ば、比誘電率が100以上であっても、容易に測定が可
能になる。
【0032】次に図3に示した誘電体内挿部について説
明する。前に説明したように、空気媒質の副導波管3
1、32の基本モードの遮断周波数は、誘電体を内挿し
た主導波管30の基本モードの遮断周波数より低くなる
ように設定してある。これによって副導波管31、32
が主導波管30の遮断周波数付近では伝送帯域内とな
り、副導波管31、32の端面33、34を介して主導
波管30と伝送特性測定装置1とが結合されている。従
って、誘電体内挿時の主導波管の遮断周波数は図2の場
合と同様の方法により精密に測定することが可能であ
る。主導波管30は単純な導波管であるから、測定しよ
うとする誘電体が固体の場合には、図2の主導波管の場
合に比して誘電体を挿入し易い特徴を有する。反対に、
誘電体が液体あるいは気体の場合には、主導波管と副導
波管の間を何らかの方法で遮断しておかない限り副導波
管31、32内にも誘電体が進入する。この場合には、
副導波管の断面が大きいので、主導波管30の基本モー
ドの遮断周波数において副導波管内に高次モードが発生
する可能性がある。しかしながらこの場合においても、
測定の目的が誘電率の実数部のみである場合には、主導
波管の基本モードの遮断周波数のみに着目すればよいの
で、測定上の問題は生じない。
【0033】主導波管30の長さは図2の説明で述べた
ものと同様の基準で選べばよい。このほか、図2の誘電
体内挿部に関して説明した諸事項は、図3の誘電体内挿
部に対しても同様に適用できる。
【0034】以上、方形導波管により誘電体内挿部2を
構成した実施の形態を詳しく説明したが、円形導波管で
も同様に適用できることは明らかである。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、導波管基本モードの遮
断周波数付近の周波数で測定を行うから、高次モード発
生の心配なしに複素誘電率を簡単に測定できる。また、
複素誘電率の実数部は極めて急激に変化する導波管の遮
断周波数を測定して求めるから、導波管と外部回路の不
整合に対する要求がゆるやかでよく、正確な測定を固
体、液体、気体のいずれであっても、さらに大きな比誘
電率であっても行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる誘電率の測定装置の構成例を示す
ブロック図である。
【図2】図1の誘電体内挿部の構成例を示す図である。
【図3】図1の誘電体内挿部の他の構成例を示す図であ
る。
【図4】導波管の遮断特性を示す図である。
【図5】図4の遮断特性を周波数に関して微分したグラ
フである。
【符号の説明】
1 伝送特性測定装置 2 誘電体内挿部 3 処理装置 20、30 主導波管 21、22 ケーブルコネクタ 25、26 遮断導波管 31、32 副導波管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波管に誘電体を内挿し、その誘電体を
    内挿した導波管の基本モードに対する遮断周波数を計測
    し、その計測により求めた遮断周波数から前記内挿した
    誘電体の誘電率を求めることを特徴とする誘電率の測定
    方法。
  2. 【請求項2】 導波管に誘電体を内挿し、その誘電体を
    内挿した導波管の基本モードに対する遮断周波数を含む
    周波数範囲に於ける伝送特性を計測し、その計測により
    求めた伝送特性の周波数に対する微分特性を求め、さら
    に該微分特性の絶対値が最大となる周波数を遮断周波数
    とし、こうして求めた遮断周波数から前記内挿した誘電
    体の誘電率を求めることを特徴とする誘電率の測定方
    法。
  3. 【請求項3】 導波管の一部あるいは全部に誘電体を内
    挿し、その誘電体を内挿した導波管の基本モードに対す
    る遮断周波数を含む周波数範囲に於ける伝送特性を計測
    し、その計測により求めた伝送特性と、該伝送特性から
    求めた遮断周波数から前記内挿した誘電体の誘電正接を
    求めることを特徴とする誘電率の測定方法。
  4. 【請求項4】 その内部に誘電体を内挿するための導波
    管で構成された誘電体内挿手段と、 該手段へ高周波を供給してその基本モードに於ける伝送
    特性を測定するための伝送特性測定手段と、 該手段により測定された伝送特性から前記誘電体を内挿
    した導波管の遮断周波数を検出するための遮断周波数検
    出手段と、 該手段により検出された遮断周波数から前記内挿された
    誘電体の誘電率を算出するための誘電率算出手段と、 を備えたことを特徴とする誘電率の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記遮断周波数検出手段は、前記伝送特
    性測定手段により測定された伝送特性を周波数に関して
    微分するための微分手段と、該微分手段出力の絶対値の
    ピークを与える周波数を前記遮断周波数として検出する
    ためのピーク検出手段とから成ることを特徴とする請求
    項4に記載の誘電率の測定装置。
  6. 【請求項6】 前記誘電体の内挿手段は、 誘電体をその内部に内挿するための主導波管と、 該主導波管の一方の端部に取り付けられ、前記高周波発
    生手段からの高周波を同軸ケーブルを介して前記主導波
    管へ導くための第1のケーブルコネクタ及び第1の遮断
    導波管とから成る第1の同軸導波管変換手段と、 前記主導波管のもう一方の端部に取り付けられ、前記主
    導波管内を伝播してきた高周波を同軸ケーブルを介して
    前記損失測定手段へ導くための第2のケーブルコネクタ
    及び第2の遮断導波管とから成る第2の同軸導波管変換
    手段と、 から構成されたことを特徴とする請求項4に記載の誘電
    率の測定装置。
  7. 【請求項7】 前記誘電体内挿手段は、 誘電体をその内部に内挿するための主導波管と、 該主導波管の両端の各々に取り付けられ、その基本モー
    ドの遮断周波数が前記主導波管の基本モードの遮断周波
    数より小さく設定されているところの副導波管と、 該副導波管の外側面に取り付けられた外部との高周波結
    合部と、 から構成されたことを特徴とする請求項4に記載の誘電
    率の測定装置。
  8. 【請求項8】 前記伝送特性測定手段により測定された
    伝送特性と、前記遮断周波数検出手段により検出された
    遮断周波数とから、前記内挿された誘電体の誘電正接を
    算出するための誘電正接算出手段を付加したことを特徴
    とする請求項4〜7の内の1つに記載の誘電率の測定装
    置。
JP33438997A 1997-12-04 1997-12-04 誘電率の測定方法とその装置 Pending JPH11166951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33438997A JPH11166951A (ja) 1997-12-04 1997-12-04 誘電率の測定方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33438997A JPH11166951A (ja) 1997-12-04 1997-12-04 誘電率の測定方法とその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11166951A true JPH11166951A (ja) 1999-06-22

Family

ID=18276833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33438997A Pending JPH11166951A (ja) 1997-12-04 1997-12-04 誘電率の測定方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11166951A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100703241B1 (ko) 2003-10-31 2007-04-03 티디케이가부시기가이샤 분말 유전체의 비유전율 측정 방법, 이에 사용되는 공동공진기 및 적용 장치
JP2007509328A (ja) * 2003-10-27 2007-04-12 ザルトリウス アーゲー 誘電体材料の湿度及び密度を決定するための方法
JP2007263625A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Hokkaido Univ 複素誘電率測定装置および複素誘電率測定方法
JP2009047641A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 分光装置
CN102508042A (zh) * 2011-10-19 2012-06-20 中国人民解放军第四军医大学 测量生物组织介电谱特性的终端开路同轴探头及方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509328A (ja) * 2003-10-27 2007-04-12 ザルトリウス アーゲー 誘電体材料の湿度及び密度を決定するための方法
KR100703241B1 (ko) 2003-10-31 2007-04-03 티디케이가부시기가이샤 분말 유전체의 비유전율 측정 방법, 이에 사용되는 공동공진기 및 적용 장치
JP2007263625A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Hokkaido Univ 複素誘電率測定装置および複素誘電率測定方法
JP2009047641A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 分光装置
CN102508042A (zh) * 2011-10-19 2012-06-20 中国人民解放军第四军医大学 测量生物组织介电谱特性的终端开路同轴探头及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Catala-Civera et al. Accurate determination of the complex permittivity of materials with transmission reflection measurements in partially filled rectangular waveguides
Das et al. Resonant conductance of inclined slots in the narrow wall of a rectangular waveguide
CN109884407B (zh) 电磁屏蔽效能测量系统及测量方法
Shimabukuro et al. Attenuation measurement of very low loss dielectric waveguides by the cavity resonator method applicable in the millimeter/submillimeter wavelength range
JPH11166951A (ja) 誘電率の測定方法とその装置
JP3787615B2 (ja) 複素誘電率の非破壊測定方法及び装置
JP2001281284A (ja) 複素誘電率の非破壊測定装置
Shi et al. A waveguide-to-microstrip transition with a DC-IF return path and an offset probe
Ediss Measurements and Simulations of Overmoded Waveguide Components at 70-118 GHz, 220-330 GHz and 610-720 GHz
US5265268A (en) Image recovery mixer
KR102164927B1 (ko) 손실결합 공동공진기의 q 측정방법
JP2014092417A (ja) 液位測定装置
Bui et al. Dielectric losses in an H-plane-loaded rectangular waveguide (short papers)
Harris et al. Groove-and H-Waveguide Design and Characteristics at Short Millimetric Wavelengths
Jaschke et al. Novel multilayer SIW tapers synthesized using an extended transverse resonance method
Somlo et al. On the TE/sub 10/-mode cutoff frequency in lossy-walled rectangular waveguides
US3970973A (en) Impedance standard apparatus
US4427938A (en) Very-wide-band samplers
Hernandez-Lopez et al. Propagation characteristics of modes in some rectangular waveguides using the finite-difference time-domain method
Breslavets et al. Hemispherical X band microwave small sized open resonator for wide range from 1 to 20 permittivity characterization of solid-state dielectrics
Shiping et al. Calibration method and device of surface current probe
Butterweck et al. Oversized rectangular waveguide components for millimetre waves
Alaria et al. RF characterization of Cavity and Window for Gyro-devices
Rachford et al. Characterization of magnetic/dielectric materials at millimeter-wave frequencies
Geist et al. Scalar MM-WAVB Network Analysis with High Dynamic Range