JPH11166826A - 樹幹の任意高指示・測定方法及び装置並びに樹幹の直径の遠隔的測定方法及び装置 - Google Patents

樹幹の任意高指示・測定方法及び装置並びに樹幹の直径の遠隔的測定方法及び装置

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JPH11166826A
JPH11166826A JP35219697A JP35219697A JPH11166826A JP H11166826 A JPH11166826 A JP H11166826A JP 35219697 A JP35219697 A JP 35219697A JP 35219697 A JP35219697 A JP 35219697A JP H11166826 A JPH11166826 A JP H11166826A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確に、かつ、能率良く樹幹の任意高や直径
を測定することができる樹幹の任意高指示・測定方法及
び装置並びに樹幹の直径の遠隔的測定方法及び装置を提
供する。 【解決手段】 レーザー光を発するレーザーポインター
装置から対物尺を介して、測定対象林木の樹幹の傍らに
垂直設置した定尺棒上の2点をそれぞれ視準することに
より、既知の長さを対物尺上の長さに対応づけ、その
後、レーザーポインター装置の発光方向のみを変化させ
て樹幹上の任意高の指示・測定を行う。また、水平目盛
尺上を摺動する一対のレーザーポインター装置により樹
幹の幅方向両端部にレーザー光を照射して、レーザーポ
インター装置間の間隔により、指示された高さ位置の樹
幹の直径を読む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、林木の樹幹の任意
高(任意の高さ)を指示又は測定する方法及び装置、並
びに、樹幹の任意高の直径を遠隔的に測定する方法及び
装置(遠隔輪尺)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、林木の樹幹の任意高を測定するに
は、目盛が付けられた測棹という測定器を用いて、これ
を高さに応じて伸縮させながら、林木を直接測定してい
た。また、他の測定器としては、シュピーゲルレラスコ
ープという測定器が知られており、これは、測定対象の
林木の傍らに垂直に立てた一定長hの棒と樹幹の測定位
置とをファインダー内に収め、ファインダー内に設けら
れたP尺という高さの目盛から、棒の高さの読み取り値
がP1で、樹幹の測定位置の高さの読み取り値がP2で
あれば、h×(P2/P1)を計算することにより、測
定位置の高さを求めるというものであった。一方、樹幹
の直径を測定するには、測定者が直に物差しで図ってい
た。また、上記シュピーゲルレラスコープは樹幹の直径
を測定する場合にも使用でき、ファインダー内に設けら
れているスケール像という黒白の縞模様と、ファインダ
ー内に写った樹幹とを対応させて直径を読み取ることが
できる。但し、この場合は測定対象林木毎に距離を別途
確定することが必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹幹の
任意高を測定するにあたって、上記測棹は、測定作業の
ために林木間を移動するたびごとに縮めてはまた伸ばす
という手順を繰り返さなければならず、取り扱いが不便
であった。しかも、重いため、測定作業の負担が大き
く、能率が上がらなかった。また、15m以上には伸び
ないものであったため、測定できる高さに限界があっ
た。一方、シュピーゲルレラスコープは高さを読み取る
のにいちいち計算をする手間を要する点で不便であっ
た。また、P尺の目盛が粗いため、測定精度が悪く、測
定者による個人誤差も出やすいという欠点があった。樹
幹の直径を測定するにあたっては、作業者が直接樹幹に
張り付いて測る方法では、手の届く高さまでしか測定で
きなかった。一方、シュピーゲルレラスコープでは、測
定対象林木毎に、そこまでの距離を確定する手間が必要
となるため、測定を能率良く行うことはできなかった。
また、測定精度も悪かった。
【0004】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、正確に、かつ、能率良く樹幹の任意高や直径を測定
することができる樹幹の任意高指示・測定方法及び装置
並びに樹幹の直径の遠隔的測定方法及び装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による樹幹の任意
高指示・測定方法は、レーザー光を発するレーザーポイ
ンター装置の一定の発光点Oから、垂直方向に所定間隔
で照準線が設けられた対物尺上の2点P及びQを介し
て、測定対象林木の樹幹に沿って立てた定尺棒上の2点
U及びVをそれぞれ視準することにより、△POQと△
UOVとの相似関係を構築してU−V間の既知の長さを
P−Q間の長さに対応づけ、その後、前記発光点Oの位
置を固定したまま発光方向のみを変化させて、前記対物
尺上の照準線に基づいて樹幹上の任意高の指示・測定を
行うものである(請求項1)。上記のような任意高指示
・測定方法によれば、相似関係の構築により、測定対象
の樹幹までの距離を測らずとも、定尺棒上の既知の長さ
を対物尺上の長さに対応づけて把握することができる。
また、その後、発光点Oの位置を固定したまま発光方向
のみを変化させるので、相似比は維持され、レーザー光
が対物尺上を基点から移動した寸法(対物尺上の指示・
測定長)に相似比を乗じた寸法として樹幹の任意高の指
示・測定を行うことができる。
【0006】また、上記任意高指示・測定方法(請求項
1)において、△POQと△UOVとの相似関係におけ
る相似比は1:100であることが好ましい(請求項
2)。この場合、対物尺上の高さ寸法をセンチメートル
単位で設けておけば、樹幹上の高さ寸法はその数値のま
まのメートル単位量となる。
【0007】また、本発明による樹幹の任意高指示方法
は、レーザー光を発するレーザーポインター装置から測
定対象林木の樹幹を視準した場合の水平幅方向をX方
向、垂直高さ方向をY方向、水平距離方向をZ方向とす
るとき、前記レーザーポインター装置の発光点をY方向
に移動自在に、かつ、発光方向を変動自在に支持し、Y
方向に一定間隔で照準線が設けられた垂直対物尺を垂直
に、かつ、前記レーザーポインター装置とのZ方向の距
離を増減自在に支持し、前記レーザーポインター装置か
ら前記垂直対物尺を介して前記樹幹に沿って立てた定尺
棒を視準し、前記レーザーポインター装置の発光点のY
方向の位置及び発光方向並びに前記レーザーポインター
装置と前記垂直対物尺とのZ方向の距離を調節して垂直
対物尺の照準線の所定ピッチ分に定尺棒上の所定の高さ
寸法を対応づけ、前記発光点の位置を固定したまま前記
レーザーポインター装置の発光方向を任意の照準線に向
けてレーザー光を樹幹上に照射することにより樹幹上の
任意高を指示するものである(請求項3)。上記のよう
な任意高指示方法によれば、測定対象の樹幹までの距離
を測らずとも、垂直対物尺の照準線の所定ピッチ分に定
尺棒上の所定の高さ寸法を直接対応づけて把握すること
ができる。また、その後、発光点の位置を固定したまま
発光方向のみを変化させるので、垂直対物尺上の寸法と
樹幹上の高さ寸法との比は不変である。従って、レーザ
ー光が垂直対物尺上を基点から移動した寸法(対物尺上
の指示長)に一定比を乗じた寸法として樹幹の任意高の
指示を行うことができる。
【0008】また、本発明による樹幹の任意高測定方法
は、レーザー光を発するレーザーポインター装置から測
定対象林木の樹幹を視準した場合の水平幅方向をX方
向、垂直高さ方向をY方向、水平距離方向をZ方向とす
るとき、前記レーザーポインター装置の発光点をY方向
に移動自在に、かつ、発光方向を変動自在に支持し、Y
方向に一定間隔で照準線が設けられた垂直対物尺を垂直
に、かつ、前記レーザーポインター装置とのZ方向の距
離を増減自在に支持し、前記レーザーポインター装置か
ら前記垂直対物尺を介して前記樹幹に沿って立てた定尺
棒を視準し、前記レーザーポインター装置の発光点のY
方向の位置及び発光方向並びに前記レーザーポインター
装置と前記垂直対物尺とのZ方向の距離を調節して垂直
対物尺の照準線の所定ピッチ分に定尺棒上の所定の高さ
寸法を対応づけ、前記レーザーポインター装置により、
前記発光点の位置を固定したまま前記樹幹上の測定位置
にレーザー光を照射し、このときのレーザー光が垂直対
物尺を通過する位置を前記照準線に基づいて読むことに
より樹幹上の任意高を測定するものである(請求項
4)。上記のような任意高測定方法によれば、測定対象
の樹幹までの距離を測らずとも、垂直対物尺の照準線の
所定ピッチ分に定尺棒上の所定の高さ寸法を直接対応づ
けて把握することができる。また、その後、発光点の位
置を固定したまま発光方向のみを変化させるので、垂直
対物尺上の寸法と樹幹上の高さ寸法との比は不変であ
る。従って、レーザー光が垂直対物尺上を基点から移動
した寸法(対物尺上の指示長)に一定比を乗じた寸法と
して樹幹の任意高の測定を行うことができる。
【0009】また、本発明による樹幹の直径の遠隔的測
定方法は、レーザー光を発するレーザーポインター装置
の一定の発光点Oから、垂直方向に所定間隔で照準線が
設けられた対物尺上の2点P及びQを介して、測定対象
林木の樹幹に沿って立てた定尺棒上の2点U及びVをそ
れぞれ視準することにより、△POQと△UOVとの相
似関係を構築してU−V間の既知の長さをP−Q間の長
さに対応づけ、前記発光点Oの位置を固定したまま発光
方向のみを変化させて、前記対物尺上の照準線に基づい
て樹幹上の任意高の指示を行い、水平方向に目盛が付さ
れた水平目盛尺によって水平方向に摺動自在に保持され
た一対のレーザーポインター装置から前記水平目盛尺に
直角な方向に互いに平行にレーザー光を発して前記任意
高の樹幹の両端に照射し、このときの一対のレーザーポ
インター間の間隔により当該樹幹の指示された前記任意
高の直径を測定するものである(請求項5)。このよう
な樹幹の直径の遠隔的測定方法によれば、定尺棒上の既
知の長さを対物尺上の長さに対応づけて把握し、発光点
Oの位置を固定したまま発光方向のみを変化させること
により樹幹の任意高を指示し、指示された部位の樹幹の
両端に一対のレーザーポインター装置からレーザー光を
照射して、当該一対のレーザーポインター装置の間隔か
ら、指示された任意高の直径を離れた場所において読み
取ることができる。
【0010】また、本発明による樹幹の任意高指示・測
定装置は、レーザー光を発するレーザーポインター装置
と、前記レーザーポインター装置から測定対象林木を視
準した場合の水平幅方向をX方向、垂直高さ方向をY方
向、水平距離方向をZ方向とするとき、前記レーザーポ
インター装置の発光点をY方向に移動自在に、かつ、発
光方向を変動自在に支持する支持装置と、水平に、か
つ、Z方向に移動自在に支持された水平尺と、前記水平
尺の先端部に垂直に固定され、Y方向に所定間隔で照準
線が設けられた垂直対物尺とを備えたものである(請求
項6)。上記のような任意高指示・測定装置によれば、
レーザーポインター装置の発光点の高さ及び発光方向を
変化させ、かつ、水平尺を移動して垂直対物尺のZ方向
における位置を変化させることによって、樹幹までの距
離や地面の傾斜の状態にかかわらず、樹幹の傍らに設置
する定尺棒上の2点を照準線上の2点に対応づけた基準
視準状態を容易に構築することができる。基準視準状態
の構築により、定尺棒上の既知の高さ寸法を垂直対物尺
上の高さ寸法に対応づけることができれば、その一定の
対応関係を維持してレーザー光の発光方向のみを変化さ
せれば、樹幹の任意高の指示・測定を行うことができ
る。
【0011】また、上記任意高指示・測定装置(請求項
6)において、垂直対物尺は、枠と、X方向に平行な薄
片状部材であってY方向に複数個配列された横桟とを有
してなるものであり、照準線は横桟の先鋭に仕上げられ
た上端エッジ又は下端エッジであってもよい(請求項
7)。この場合、横桟の垂直断面形状における上端及び
下端は実質的に点とみなすことができ、この点をかすめ
るようにレーザー光を照射することにより、誤差を排除
して極めて精度の高い視準を行うことができる。
【0012】また、上記樹幹の任意高指示・測定装置
(請求項6)において、支持装置は、相互に水平回動自
在で回動中心軸が一致した2枚の同心円盤からなる水平
角測定部を有するトランシットと、前記同心円盤の一方
に固定され、前記回動中心軸の位置が前記レーザーポイ
ンター装置の発光点とX−Z座標において一致するよう
に支持する垂直枠とを含み、前記水平尺は、ガイド部
と、このガイド部に沿ってZ方向に摺動自在のスライド
尺とによって構成され、当該ガイド部が前記同心円盤の
他方に固定され、かつ、前記回動中心軸を中心として前
記レーザーポインター装置に対して相対的に所定範囲で
回動可能に保持されているものであってもよい(請求項
8)。この場合、水平尺(ガイド部及びスライド尺)を
回動させることにより、横桟の存在する位置以外でも、
垂直対物尺上のどの位置をレーザー光が通過しているか
を正確に確認することができる。
【0013】また、本発明による樹幹の直径の遠隔的測
定装置は、水平に、かつ、水平回動自在に保持された水
準部を有するコンパスと、水平方向に長さの目盛が設け
られ、前記水準部上に水平に支持された水平目盛尺と、
水平方向に摺動自在に前記水平目盛尺により保持された
一対のホルダーと、前記ホルダーの各々に保持され、前
記水平目盛尺に対して直角な方向に互いに平行なレーザ
ー光を発する一対のレーザーポインター装置とを備えた
ものである(請求項9)。上記のような遠隔的測定装置
によれば、一対のレーザーポインター装置を水平に摺動
させながら樹幹の左右の側端部にそれぞれレーザー光を
照射することにより、樹幹の直径を水平目盛尺上の目盛
によって表示することができる。
【0014】また、上記遠隔的測定装置(請求項9)に
おいて、水平目盛尺はレーザーポインター装置の光軸を
傾斜させる方向に回動可能であってもよい(請求項1
0)。この場合、水平目盛尺を回動させることによりレ
ーザー光の照射方向が上下に変化する。従って、樹幹の
任意高にレーザースポットを形成することができる。
【0015】また、上記遠隔的測定装置(請求項9)に
おいて、レーザーポインター装置は矩形のレーザースポ
ットを形成し、前記矩形の長辺が垂直方向に平行になる
ように保持されているものであってもよい(請求項1
1)。この場合、レーザースポットが縦長の矩形とな
り、幅方向には狭くなる。従って、樹幹の側端部にレー
ザースポットの幅方向の中央部を合わせるとき、誤差が
少なくなる。
【0016】また、本発明の樹幹の任意高測定装置は、
視準線を有する接眼カーソルと、前記接眼カーソルから
測定対象林木を視準した場合の水平幅方向をX方向、垂
直高さ方向をY方向、水平距離方向をZ方向とすると
き、前記接眼カーソルをY方向に移動自在に支持する支
持装置と、水平に、かつ、Z方向に移動自在に支持され
た水平尺と、前記水平尺の先端部に垂直に固定され、Y
方向に所定間隔で照準線が設けられた垂直対物尺とを備
えたものであってもよい(請求項12)。上記のような
任意高測定装置によれば、接眼カーソルの視準線の高さ
を変化させ、かつ、水平尺を移動して垂直対物尺のZ方
向における位置を変化させることによって、樹幹までの
距離や地面の傾斜の状態にかかわらず、樹幹の傍らに設
置する定尺棒上の2点を照準線上の2点に対応づけた基
準視準状態を容易に構築することができる。基準視準状
態の構築により、定尺棒上の既知の高さ寸法を垂直対物
尺上の高さ寸法に対応づけることができれば、その一定
の対応関係を維持しつつ視準線を介して樹幹の任意高を
視準することにより、樹幹の任意高の測定を行うことが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】《樹幹の任意高指示及び任意高測
定》図1は、本発明の一実施形態による樹幹の任意高指
示・測定装置を示す斜視図である。以下、図中の各方向
を図示のXYZ直交座標系によって示すと、X−Z平面
に平行な方向が水平方向、Y方向が垂直方向である。ま
た、Z方向は対物(すなわち対樹幹)距離方向である。
図1において、測量用のトランシットの水平角測定部1
は三脚2によって水平に、かつ、任意の水平回動位置に
固定できるように保持されている。水平角測定部1は2
枚の同心円盤、すなわち外側の目盛盤1aと内側の遊標
盤1bとを有しており、これらは同一の回転軸を中心に
相互に水平回動自在である。垂直枠固定部3は水平角測
定部1の上に設けられ、水平角測定部1の目盛盤1aに
固定されている。垂直枠固定部3の台座部3aは水平に
保たれ、その上に垂直枠4が垂直に設けられている。垂
直枠固定部3(台座部3a)の中心から下方へ垂直に、
垂直中心軸3bが設けられている。垂直中心軸3bは、
水平角測定部1の中心に垂直に位置している。垂直枠4
は両側板4aと天板4bとにより構成され、両側板4a
にはそれぞれ垂直方向に溝4cが形成されている。
【0018】円筒形状のレーザーポインター装置5は、
両側板4aの間に配置され、蝶ナット6等によって両側
板4aの任意の高さ位置に固定することができるように
なっている。従って、上記水平角測定部1、垂直枠固定
部3及び垂直枠4によって、また、これらに三脚2を加
えたものによって、レーザーポインター装置5の支持装
置が構成されている。レーザーポインター装置5はその
一端の開口部(図示せず)から矢印Aの方向に赤色レー
ザー光を発する。なお、本実施形態で用いるレーザーポ
インター装置5は、レーザー光の波長が650nm、最
大出力が4mWである。また、上記開口部の形状が矩形
(2mm×4mm)であるため、レーザースポット(照
射部位での赤い点)の形状は矩形となる。レーザー光を
林木の樹幹に照射した場合のレーザースポットの視認性
は、真夏の快晴の真昼においても、照射部位に直射日光
が当たっていないかぎり、50〜60m離れたとことか
らでも十分に視認することができるほどに優れている。
【0019】上記レーザーポインター装置5には垂直方
向への吊り上げ補助用の紐7が取り付けられており、こ
の紐7は上記天板4bに設けられた巻き上げリール8に
よって円滑に巻き上げることができる。図2の(a)は
レーザーポインター装置5とその周辺の部材の一部を正
面(レーザー発光側)又は背面からみた図であり、
(b)は(a)の部分拡大断面図である。図の(a)及
び(b)において、レーザーポインター装置5の発光点
の両側面にはスリーブ5aが固着されている。左右の各
支持軸5bは、スリーブ5aが固着される以前に、その
ヘッド部5b1を残してスリーブ5aに挿通されてお
り、X軸に平行な方向に保持されている。支持軸5bは
レーザーポインター装置5側が円柱状で、反対側は雄ね
じ部5b2になっている。この雄ねじ部5b2は、ワッ
シャ9Aを介して垂直枠4の両側板4aの溝4cに係合
し、溝4cから突出した先端部分にはワッシャ9Bを介
して蝶ナット6が螺合されている。レーザーポインター
装置5は、蝶ナット6を緩めることで約50cm程度自
在に昇降させることができる。なお、支持軸5bのヘッ
ド部5b1は、レーザーポインター装置5に固着されて
おらず、接しているだけである。従って、レーザーポイ
ンター装置5は、支持軸5bが蝶ナット6によって両側
板4aに固定されていても、スリーブ5aがワッシャ9
Aを介して両側板4aに対して、回転摺動することで当
該支持軸5bを中心にY−Z平面(図1参照)と平行な
平面上で回動可能である。このときレーザーポインター
装置5の発光点は支持軸5bの延長線上にあり、レーザ
ーポインター装置5を回動させ発光方向を上下に変化さ
せても発光点の位置は固定されている。また、上記回転
摺動時の摺動抵抗は大きいため、任意の発光方向でレー
ザーポインター装置5を静止させることができる。こう
して、レーザーポインター装置5は、発光点の高さ位置
(Y方向)及びレーザー発光の方向角(Z軸に対する光
軸の角度)を自在に調節することができる。但し、いず
れの位置や方向角にあっても、レーザーポインター装置
5の発光点は、トランシットの水平角測定部1の中心に
垂直に位置することとなる垂直中心軸3bの延長線上に
ある。
【0020】図1に戻り、トランシットの水平角測定部
1の上には水平尺10が設けられている。水平尺10
は、ガイド部11と一対の板状部材からなるスライド尺
12とによって構成され、水平角測定部1上においては
ガイド部11とスライド尺12とが垂直枠固定部3の台
座部3aの内空間Bを、所定の隙間をもって通過してい
る。ガイド部11は垂直中心軸3bを貫通させて水平角
測定部1の上に設置され、かつ、一対の(一方のみ図示
している。)押さえ部材1cによって遊標盤1bに固定
されている。従って、ガイド部11は、垂直中心軸3b
を中心として、遊標盤1bとともに垂直枠固定部3の許
容する範囲内でX−Z平面に平行な平面上を所定角度
(約60度)回動できる。
【0021】上記スライド尺12は、前端部12aを除
く部分の下部12bがガイド部11に設けられた一対の
溝11aに填め込まれた状態でZ方向に摺動自在であ
り、前端部12aのみ下部が切り欠かれ上部が上方に突
出した、いわば段違い形状になっている。スライド尺1
2の後端部12cは、ガイド部11の後端部11cと共
にバランスウェイト13を貫通している。バランスウェ
イト13はガイド部11及びスライド尺12に対してZ
方向に摺動自在であり、水平尺10の伸ばし具合に応じ
て移動させ、垂直中心軸3bの位置を中心とする水平尺
10の前方と後方とのモーメントのバランスをとる。な
お、バランスウェイト13を貫通していることによって
スライド尺12はガイド部11の溝11aから外れるこ
とはない。
【0022】図示の状態は、スライド尺12が最もZ方
向に引き出された状態(但し、途中は破断して示す。)
であり、この状態から−Z方向にスライド尺12を摺動
させると、その分、ガイド部11の後端部11cからス
ライド尺12が−Z方向に突出する。スライド尺12の
摺動により、垂直中心軸3bからスライド尺12のZ方
向前端までの長さは自在に変化させうる。スライド尺1
2を最も引き出した状態での水平尺10の最大全長は5
5cm程度である。スライド尺12には、Z方向前端を
起点(ゼロ点)とする物差し状の目盛りが−Z方向に刻
まれている。なお、スライド尺12を構成する一対の板
状部材のX方向における中間位置は、レーザーポインタ
ー装置5の同方向における中心位置と一致している。す
なわち、スライド尺12を構成する一対の板状部材のX
方向における中央に、レーザーポインター装置5が配置
されている。
【0023】スライド尺12のZ方向前端には、垂直対
物尺14が垂直に取り付けられている。垂直対物尺14
は、垂直方向の全長が60cm程度の左右一対の柱状部
材からなる枠14aと、垂直方向に所定間隔(1cm間
隔)で多数個設けられた横桟14bとにより構成されて
いる。個々の横桟14bはX方向に平行な薄片状部材で
ある。枠14aの垂直部分には物差しの如く所定ピッチ
(2mmピッチ)で垂直方向に目盛りが刻まれている。
この目盛と各横桟14bの上下端部(上下辺)とは、レ
ーザーポインター装置5から樹幹を視準するときの「照
準線」としての機能を有する。なお、図1においては詳
細な図示を省略しているが、本実施形態におけるスライ
ド尺12と垂直対物尺14との接合は、図3(接合部の
水平断面図)に示すように、コの字形に折り曲げた枠1
4aにスライド尺12を嵌入して、必要により接着等を
施すことにより行われている。このような構造は、コの
字形の折り曲げにより枠14aの剛性を高め、垂直対物
尺14の垂直形状を高精度に維持し易い。また、接合部
分の接合強度にも優れている。
【0024】図4は垂直対物尺14の垂直断面図であ
る。図1には図示を省略しているが、垂直対物尺14
は、垂直方向に一定間隔(10cm間隔)で補強用の横
棒15が複数個設けられており、これらの横棒15によ
って垂直対物尺14の機械的強度が維持されている。言
い換えれば、横桟14bは機械的強度の維持にはほとん
ど寄与していない。図5は横桟14bの垂直断面を示す
図である。横桟14bは垂直方向幅(高さ)が2mm
で、厚さが1mmにも満たない程度の薄片状部材であ
り、上端部(エッジ)14b1及び下端部(エッジ)1
4b2が、剃刀の刃のごとく先鋭に仕上げられている。
このように横桟14bを薄い部材としたのは、後述の測
定において横桟14bの厚さに起因して生じる測定誤差
(詳細後述)を排除するためである。なお、横桟14b
は、垂直方向に複数色を周期的に繰り返すように塗色さ
れており、後述の測定において、どの横桟を起点とした
かが判断しやすいようになっている。
【0025】上記垂直対物尺14は、スライド尺12の
前端下部のところで蝶番が設けられており、図1の一点
鎖線に示すように、Z方向に折り畳むことができる。こ
れにより、スライド尺12を−Z方向に摺動させた場合
に垂直枠4と垂直対物尺14とを相互に極限まで接近さ
せることができる。
【0026】次に、以上のように構成された樹幹の任意
高指示・測定装置を用いた測定手順について、前述の図
1〜5及び後述の各図を参照して説明する。図6は、林
木15とレーザーポインター装置5及び垂直対物尺14
との位置関係を示す図である。なお、ここでは、任意高
指示・測定装置の構成については説明に必要なもののみ
を図示し、その他の構成の図示は省略する。また、図中
の座標Y及びZは、それぞれ図1のY及びZと同方向を
示す。まず、適当な場所に任意高指示・測定装置を設置
し、測定対象の林木15とレーザーポインター装置5の
発光点O(又は図1の垂直中心軸3b)との水平距離L
をメータ単位でおおよその見当をつけ、その数値をセン
チメートル単位にした長さに垂直対物尺14と垂直中心
軸3bとの距離を設定する。例えば、水平距離Lが20
mぐらいと思われるならば、垂直対物尺14と垂直中心
軸3bとの距離を約20cmとする。
【0027】次に、図6に示すように、林木15の樹幹
15aの側面中央(Z方向における樹幹15aの中央)
に2mの定尺棒16を垂直に立てる。この作業は通常、
測定補助者が行う。定尺棒16には遠方からでも視認で
きるような目盛り又はマーキング等が施されており、少
なくともゼロ点(すなわち下端)、1mの位置、2mの
位置(すなわち上端)が視認できるようになっている。
【0028】次に、図1におけるトランシットの水平角
測定部1の目盛盤1aを回動させて、レーザーポインタ
ー装置5から定尺棒16(図6)が視準できるように方
角を調整して固定する。さらに、スライド尺12を摺動
させるとともにレーザーポインター装置5を昇降させ
て、測定の基準となる基準視準状態を構築する。ここ
で、当該基準視準状態について図7を用いて説明する。
図7は基準視準状態におけるレーザーポインター装置
5、垂直対物尺14(横桟14b)及び定尺棒16のY
−Z座標における位置関係を原理的に示す図である。図
7において、レーザーポインター装置5から出力された
レーザー光が任意の横桟14b(図示した横桟のうちの
最も下のもの)の上端部Pをかすめて(詳細後述)定尺
棒16のゼロ点Uを視準し、かつ、そこからレーザーポ
インター装置5を少し上に向けてレーザー光が1つ上の
横桟14bの上端部Qをかすめるとき定尺棒16の1m
点Vを視準することになるような、レーザーポインター
装置5の高さ位置及び垂直対物尺14と発光点Oとの距
離L1を探して、その位置関係を保持する。この位置関
係の状態が基準視準状態である。
【0029】上記基準視準状態において、レーザー光の
優れた直進性及び非拡散性により、△(三角形)POQ
と△UOVとは互いに相似である。ここで、P−Q間の
長さ、すなわち横桟14bの垂直方向配列間隔は前述の
ように1cmである。一方、定尺棒16のU−V間の長
さは1mである。従って、△POQと△UOVとの相似
比は1:100である。前述の、スライド尺12の仮の
位置調整において水平距離の予測値のメートル単位の数
値をセンチメートル単位に置き換えて、その距離を垂直
対物尺14と垂直中心軸3b(その延長線上に発光点O
がある。)との距離としたのはこの1:100の相似比
のためである。このようにして、図7における距離L
1:水平距離L=1:100の関係が確立される。従っ
て、上記基準視準状態における発光点Oと垂直対物尺1
4との距離L1をスライド尺12上で読み取れば、その
100倍の距離が発光点Oから定尺棒16までの水平距
離Lである。但し、後述のように、任意高の指示・測定
を行うにあたって水平距離Lを読む必要はない。
【0030】上記基準視準状態が構築された後は、レー
ザーポインター装置5の発光方向を上下に変化させるこ
とで樹幹の任意高の指示又は測定を行う。すなわち、レ
ーザーポインター装置5の光軸を1つ上(又は下)の横
桟14bに移動させることによりレーザー光の照射位置
を1mずつ上げる(又は下げる)ことができる。例え
ば、図7において、上から3番目の横桟14bの上端部
Rをかすめて照射されたレーザー光は、定尺棒16の2
m点Wにレーザースポットを形成する。これは、前述の
距離L1とLとの比が一定不変であることにより、△Q
ORと△VOWとにおいても1:100の相似比が成り
立つからである。同様にして、上から2番目の横桟14
bの上端部Sをかすめて照射されたレーザー光は水平距
離Lの高さ3mの位置に、また、最上の横桟14bの上
端部Tをかすめて照射されたレーザー光は水平距離Lで
高さ4mの位置に、それぞれレーザースポットを形成す
る。なお、これらの場合はレーザースポットが樹幹上に
形成されるようにトランシットの水平角測定部1の目盛
盤1aを若干回動させる。但し、レーザースポットを樹
幹の中心(レーザーポインター装置5から見たX方向に
おける中心)に形成すると、林木15が大木の場合には
上記水平距離Lが減少して誤差が大きくなるため好まし
くない。従って、定尺棒16の近傍の樹幹の端の方にレ
ーザースポットを形成することが好ましい。
【0031】このようにして、樹幹上の所望の高さ位置
にレーザースポットを形成して、高さ位置の指示を行う
ことができる。垂直対物尺14上の照準線の読みと樹幹
上の高さ寸法とは1:100の関係にあるため、互いに
単位は異なるものの数値が同じである。従って、基準と
なる横桟14bから任意の横桟14bまでのピッチ数を
読みさえすれば樹幹の任意高をメートル単位で指示する
ことができ、計算も不要である。
【0032】逆に、樹幹上の任意の位置の高さを測定す
る場合には、上記と同様の手順で最寄りのレーザースポ
ット形成位置との比較によって確認すれば誤差0.5m
以内の測定は可能であるが、さらに精度よく測定するた
めには、基準視準状態の構築後、水平尺10を垂直中心
軸3bまわりに若干水平回動させることにより、レーザ
ー光が垂直対物尺14の枠14aの垂直部分の内側又は
外側をかすめて被測定位置にレーザースポットを形成す
るようにする。図8は、このような場合の測定原理を示
す図である。すなわち、枠14aをかすめて被測定位置
にレーザースポットを形成して、このときのレーザー光
の光軸と枠14aとの交差点の目盛りを読み、定尺棒1
6のゼロ点Uを視準する横桟14bの上端部Pからの垂
直方向の距離dHを読み取る。その距離dHの100倍
が被測定位置の高さである。例えば、図8の例では、距
離dHは横桟14bの3つ分のピッチ(3cm)に1ピ
ッチの2/10目盛り分を加えたものであるからである
からdH=3.2cmである。従って、被測定位置の高
さはその100倍の3.2mである。このように、垂直
対物尺14上の数値を読みさえすれば被測定位置の高さ
を把握することができ、計算も不要である。
【0033】なお、上記の測定例では定尺棒16のゼロ
点U及び1m点Vを基準視準状態の視準点としたが、図
9に示すように定尺棒16上の互いに1m離れた任意の
2点(U1、V1)を視準点としてもよい。この場合、
例えば林木の伐採時の切り株の高さ(例えば10cm)
が点U1の位置であれば、切り株を高さ分を除去して、
木材としての実質的な採取長を測り取ることができる。
【0034】図10は、上記の説明における、レーザー
光が横桟14b等を「かすめる」状態を具体的に示した
図である。(a)は図7において説明したように、レー
ザーポインター装置5から横桟14bの上端部をかすめ
てレーザー光が照射されている状態を示す側面図であ
り、(b)はその正面図である。(b)の点線に示すよ
うに、レーザースポットCを横桟14bの上端よりやや
下に当てて、そこから少しずつレーザーポインター装置
5の発光方向を上に上げていく。そして、矩形のレーザ
ースポットCの下辺部分が、横桟14bの上端を離れる
直前の位置若しくは上端を離れた瞬間の位置(実線で示
す。但し、このときレーザースポットは遠方の樹幹等に
形成されているため、実際にはこの位置にレーザースポ
ットCを見ることはできない。)になるようにレーザー
光を照射した状態が、前記の、レーザー光が横桟14b
の上端部等を「かすめる」状態である。
【0035】なお、上記の場合は、横桟14bの上端部
を位置合わせの基準としているが、横桟14bの下端部
を基準としてもよい。図11は横桟14bの下端部を位
置合わせの基準とした状態を示す図である。すなわち、
(a)に示すように、横桟14bの下端部をかすめてレ
ーザー光を照射するには、(b)に示すように、レーザ
ースポットCを横桟14bの下端よりやや上に当てて、
そこから少しずつレーザーポインター装置5の発光方向
を下に降ろしていく。そして、矩形のレーザースポット
Cの上辺部分が、横桟14bの下端を離れる直前の位置
若しくは下端を離れた瞬間の位置(実線で示す。但し、
このときレーザースポットは遠方の樹幹等に形成されて
いるため、実際にはこの位置にレーザースポットCを見
ることはできない。)になるようにレーザー光を照射し
た状態が、レーザー光が横桟14bの下端部等を「かす
める」状態である。位置合わせの基準を横桟14bの上
端部にするか下端部にするかは自由であり、測定時の状
態において都合のよい方に統一して測定すればよい。も
ちろん、場合によっては、上端部と下端部とを混在して
位置合わせや定点指示の基準としても横桟14bの垂直
方向の幅やピッチを考慮して計算すれば測定は可能であ
る。
【0036】なお、厳密にはレーザー光にも若干のビー
ムの拡散があるので、光軸を基準とした視準を行えば遠
方になるほど測定誤差が出ることが予想される。しかし
ながら、上記のようにレーザースポットの上辺又は下辺
を利用した視準方法によれば、測定誤差は実質的に無視
できる程度に小さいことが確認された。
【0037】上記の任意高指示・測定装置において、上
記横桟14bの形状は既に述べたように上下端部が剃刀
の刃の如く先鋭に仕上げられたものであるが、このこと
の意義について補足説明する。仮に、横桟14bの上下
端部が先鋭ではなく、図12に示すような矩形の肉厚な
垂直断面形状を有しているとすれば、レーザーの発光点
Oから出たレーザー光は、図の最下段の横桟14bに対
しては上端部のZ方向前方側のエッジP1をかすめる視
準線となり、一方、図の最上段の横桟14bに対しては
上端部のZ方向後方側のエッジR1をかすめる視準線と
なる。従って、横桟14bの2個分のピッチH1と実際
のレーザー光の垂直方向ピッチH2とが一致しなくな
る。樹幹上の測定値においては、この誤差が100倍に
増幅されるため、誤差が大きくなってしまう。このよう
な事態を防ぐため、本実施形態における横桟14bの断
面形状は上下端部をできる限り先鋭に仕上げ、断面側か
ら見て実質的に点として上下端部が認識できるようにし
たのである。
【0038】なお、上記測定例の図は、便宜上、測定対
象となる林木15が平地に生えているかの如き状態を示
したが、実際にはほとんどの場合傾斜面に生えている。
しかしながら、本実施形態の樹幹の任意高指示・測定装
置は、地面が平地であるか傾斜面であるかにかかわらず
適用できる。図13は、その根拠を示す側面図である。
図示の斜面においては、装置の水平尺10が水平に、垂
直対物尺14が垂直になるようにトランシットの水平角
測定部1を水平に設置し、定尺棒16を視準すればよ
い。すなわち、図7の場合と同様に、レーザーポインタ
ー装置5の発光点をO、基準視準状態を構築するための
垂直対物尺14の横桟(図示せず)上の上端部をP、
Q、及び定尺棒16上の2点をU、Vとすれば、△PO
Qと△UOVとは相似である。そして、その相似比は
1:100である。これは発光点Oと垂直対物尺14と
の水平距離L1と、発光点Oから定尺棒16までの水平
距離Lとの比に等しい。従って、前述の場合と同様に、
任意高の指示・測定を行うことができる。
【0039】また、林木が垂直に伸びていない場合に
は、任意高指示・測定装置及び定尺棒16を林木と同様
に傾けることにより、傾いた樹幹に沿って任意の高さ
(長さ)位置の指示・測定を行うことができる。
【0040】以上のようにして、任意高指示・測定装置
により、任意高の指示や測定が離れたところからでも容
易に且つ正確に測定できる。また、林内の一箇所に居な
がら周囲の多数の林木に対して指示・測定ができるの
で、極めて能率的な作業が可能となる。さらに、指示・
測定できる高さに原理的な制限が無く、従来は不可能で
あった15mを超える位置の指示も可能である。また、
測定補助者は定尺棒のみをもって林内を移動すればよい
ため、移動が非常に楽である。また、レーザーポインタ
ー装置5の発光点を自在に昇降させ、かつ、水平尺10
の長さを自在に伸縮することで、山腹傾斜や測定対象林
木までの距離がどのように変化しても基準視準状態を構
築することができるので、作業能率が大幅に改善され、
実用上の大なる効果をもたらす。
【0041】なお、上記実施形態による任意高指示・測
定装置ではレーザーポインター装置5を用いた構成を示
したが、樹幹の任意高や林木の全高の「測定」のみを行
う場合は、レーザーポインター装置5の代わりに接眼カ
ーソルを用いた構成も可能である。図17は接眼カーソ
ル50を用いた他の実施形態による樹幹の任意高測定装
置を示す斜視図である。図において、円盤状(直径1.
5cm)の接眼カーソル50は、垂直枠4の両側板4a
の間に配置され、蝶ナット6等によって両側板4aの任
意の高さ位置に固定することができるようになってい
る。垂直枠4は、水平角測定部1及び垂直枠固定部3に
よって支持されているため、当該水平角測定部1、垂直
枠固定部3及び垂直枠4によって、また、これらに三脚
2を加えたものによって、接眼カーソル50の支持装置
が構成されている。また、接眼カーソル50には垂直方
向への吊り上げ補助用の紐7が取り付けられており、こ
の紐7は上記天板4bに設けられた巻き上げリール8に
よって円滑に巻き上げることができる。
【0042】図18の(a)は接眼カーソル50とその
周辺の部材の一部を正面(林木側)又は背面から見た図
であり、(b)は(a)の部分拡大図である。接眼カー
ソル50は、中央に水平な視準線としてのカーソル線O
を有する円形の透明なガラス又はアクリル等からなる窓
部51と、その枠52とを有している。図の(a)及び
(b)において、接眼カーソル50の両側面にはスリー
ブ50aが固着されている。左右の各支持軸50bは、
スリーブ50aが固着される以前に、そのヘッド部50
b1を残してスリーブ50aに挿通されており、X軸に
平行な方向に保持されている。支持軸50bは接眼カー
ソル50側が円柱状で、反対側は雄ねじ部50b2にな
っている。この雄ねじ部50b2は、ワッシャ9Aを介
して垂直枠4の両側板4aの溝4cに係合し、溝4cか
ら突出した先端部分にはワッシャ9Bを介して蝶ナット
6が螺合されている。接眼カーソル50は、蝶ナット6
を緩めることで約50cm程度自在に昇降させることが
できる。
【0043】なお、支持軸50bのヘッド部50b1
は、接眼カーソル50に固着されておらず、接している
だけである。従って、接眼カーソル50は、支持軸50
bが蝶ナット6によって両側板4aに固定されていて
も、スリーブ50aがワッシャ9Aを介して両側板4a
に対して、回転摺動することで当該支持軸50bを回動
中心として回動可能である。このとき接眼カーソル50
のカーソル線Oは支持軸5bの軸心の延長線上にあり、
接眼カーソル50を回動させてもカーソル線Oの位置は
固定されている。こうして、接眼カーソル50は、カー
ソル線Oの高さ位置(Y方向)を自在に調節することが
できる。但し、いずれの位置にあっても、カーソル線O
は、トランシットの水平角測定部1の中心に垂直に位置
することとなる垂直中心軸3bの延長線と交差する(図
17参照)。また、前述のように、接眼カーソル50は
支持軸50bを回動軸として回動させることができる
が、通常は、接眼カーソル50全体が垂直な姿勢を保つ
ように保持されている。なお、その他の部分の構成は、
図1に示した任意高指示・測定装置と同様であるので、
同一符号を付して説明を省略する。
【0044】上記の様に構成された接眼カーソル50を
有する任意高測定装置においては、図8におけるレーザ
ーポインター装置5の代わりに、カーソル線O(レーザ
ーポインター装置5の発光点Oに相当する。)を介して
人の目によりレーザー光と同一ラインでの視準が行われ
る。この場合、目の位置及び視線の方向を変えること
で、レーザーポインター装置の場合における発光方向の
変化と同じことを実現できる。このようにして基準視準
状態を構築した後、カーソル線Oを介して樹幹の任意高
又は林木の全高の視準を行い、そのとき樹幹上の視準位
置と同位置に見える垂直対物尺14の枠14aに刻まれ
た目盛りを読むことで、任意高の測定を行うことができ
る。このようにして、接眼カーソルを用いた任意高測定
装置を、レーザーポインター装置を用いた任意高測定装
置と同様に使用することができる。特に、明るい林木の
梢を視準するときには、レーザースポットが確認しにく
いためレーザーポインター装置が使用困難な場合があ
り、かかる場合には接眼カーソルを用いた任意高測定装
置の方が便利である。
【0045】《樹幹の直径の遠隔的測定》次に、上記の
ようにして樹幹の任意の高さ位置をレーザースポットに
よって「指示」した場合に、その装置のそばにいる他の
測定者(同一人でもよい)が、その高さ位置の樹幹の直
径を測る場合に用いる遠隔的測定装置について説明す
る。
【0046】図14は、樹幹の直径の遠隔的測定装置
(以下、遠隔的測定装置という。)を示す図であり、
(a)は側面図、(b)は正面図である。図において、
コンパス25の水準部25aが水平になるように三脚2
により装置が設置されている。水準部25aから垂直に
立設された垂直中心軸25bにより軸支された支持部2
1は、傾き調整用のレバー22を緩めつつ操作すること
により(a)における時計回り又は反時計回り方向に回
動自在に保持されている。水平目盛尺23は、断面形状
が「H」の字を横にした形状に近似したI字形で所定の
剛性を有する長尺材(2m位)であり、支持部21によ
り水平に支持されている。水平目盛尺23はX方向にお
ける水平状態を保ったまま支持部21とともにX軸まわ
りに回動させることができる。
【0047】水平目盛尺23はX方向における中央位置
をゼロ点として左右に対称に長さの目盛りが刻まれてい
る。X方向において左右対称な形状の一対のホルダー2
4は、水平目盛尺23の上部を包み込むように、かつ、
X方向に摺動自在に取り付けられている。一対のレーザ
ーポインター装置5の各々は、その発光方向が水平目盛
尺23に対して直角な矢印Aに示す方向に向くように、
ホルダー24に取り付けられている。レーザーポインタ
ー装置5の光軸の傾斜角(Z軸に対する角度)は、支持
部21を回動させることにより変化させることができ
る。支持部21の上面には水準器26が設けられてお
り、支持部21が水平に保たれているかどうかをチェッ
クすることができるようになっている。レーザーポイン
ター装置5は、前述の任意高指示・測定装置において使
用したものと同一の装置であるが、矩形のレーザースポ
ットの長辺が垂直方向と平行になるように、すなわちレ
ーザースポットが縦長になるように取り付けられてい
る。
【0048】次に、上記遠隔的測定装置を用いて樹幹の
直径を測定する手順について説明する。図15は測定時
のレーザーポインター装置5と林木15との位置関係を
示す図であり、(a)は側面図、(b)は林木15の樹
幹15aを水平断面で表した平面図である。遠隔的測定
装置は単独で用いてもよいが、通常は前述の任意高指示
・測定装置の傍らに設置され、共に用いられる。すなわ
ち、任意高指示・測定装置によって任意の高さ位置を指
示(レーザースポット形成)し、その高さ位置の樹幹の
直径を遠隔的測定装置によって以下のように測定するの
である。
【0049】図14及び15において、まず、両方のレ
ーザーポインター装置5を中央に寄せておく。そして、
図15の(a)の破線で示すように、樹幹15aの根元
にレーザー光を当て、2個のレーザースポットが樹幹1
5a上に形成されるのを確認する。次に、レバー22を
緩めながら少しずつ支持部21を回動させ、レーザース
ポットを測定しようとする高さまで上げる。なお、この
とき水準器26で確認しながら水平目盛尺23の水平を
保つ。測定する高さにレーザースポットが達したら、両
方のレーザーポインター装置5をX方向及び−X方向に
摺動させ、相互の間隔を広げる。そして、それぞれのレ
ーザースポットが樹幹15aの端(側面)から外れる直
前(詳細後述)の位置でレーザーポインター装置5を停
止させる((b)参照)。このときの一対のレーザーポ
インター装置5の間の距離を水平目盛尺23で読み取
る。読み取った値が測定対象の樹幹15aの直径であ
る。
【0050】上記遠隔的測定装置は、両方のレーザーポ
インター装置5を互いに最も接近させたときのレーザー
光の光軸間の距離は約2cmである。また、逆に最も離
隔させたときのレーザー光の光軸間の距離は約2mであ
る。従って、直径約2cm〜約2mの樹幹を測定対象と
することができる。
【0051】図16は、樹幹15a上にレーザー光を照
射したときの状態をレーザーポインター装置5から見た
図である。前述の、「レーザースポットが樹幹15aの
端(側面)から外れる直前の位置」とは、図のようにレ
ーザースポットDの幅方向の中心が樹幹の端にくる位置
をいう。レーザー光は前述のように厳密には若干拡散す
るため、本装置のように比較的遠方にレーザースポット
を形成する場合はレーザースポットDの矩形も拡大され
ている。従って、矩形を横長にするとその幅方向の中心
位置が確認しにくくなって、測定誤差が出やすい。そこ
で、できるだけ測定誤差を小さくすべく、レーザースポ
ットが縦長の矩形になるようにレーザー光を照射するの
である。
【0052】以上のようにして、樹幹の直径の遠隔的測
定装置により、樹幹の任意高の直径を容易に且つ正確に
測定できる。また、林内の一箇所に居ながら周囲の多数
の林木に対して測定ができるので、極めて能率的な作業
が可能となる。また、測定対象の林木ごとに、任意高指
示・測定装置により任意の高さを指定してその直径を遠
隔的測定装置によって測定することにより、林内の林木
の級径階毎の分布、林木の採取可能寸法の検討、出材し
得る丸太素材の種類と数量を把握することが可能とな
る。
【0053】なお、以上に述べた各装置(樹幹の任意高
指示・測定装置、遠隔的測定装置)における具体的寸法
や数値は、好適な一例であるが、必要に応じて寸法や数
値を変更することができることはいうまでもない。例え
ば、樹幹の任意高・指示測定装置において△POQと△
UOVとの相似比は1:100であることを述べたが
(図7参照)、これに限るものではない。例えば、横桟
14bの垂直方向配列間隔(1ピッチ)を8mmとして
定尺棒16の1m分を同様に視準すれば、1:125の
相似比となる。また、横桟14bの垂直方向配列間隔を
5mmとして定尺棒16の1m分を同様に視準すれば、
1:200の相似比となる。すなわち、相似比が1:n
であるときの横桟14bの垂直方向配列間隔を(1/
n)[m]とすれば、常に横桟14bの1ピッチが定尺
棒16の1mに相当する。
【0054】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1の樹幹の任意高指示・測定方法
によれば、相似関係の構築により、測定対象の樹幹まで
の距離を測らずとも、定尺棒上の既知の長さを対物尺上
の長さに対応づけて把握することができる。また、その
後、発光点Oの位置を固定したまま発光方向のみを変化
させるので、相似比は維持され、レーザー光が対物尺上
を基点から移動した寸法(対物尺上の指示・測定長)に
相似比を乗じた寸法として樹幹の任意高の指示・測定を
行うことができる。従って、離れた場所から正確に樹幹
の任意高を指示・測定することができる。また、1箇所
から周囲の複数の林木に対して任意高の指示・測定を行
うことができる。さらに、定尺棒を樹幹の傍らに設置す
る作業を行う測定補助者は、定尺棒のみを持ち回ればよ
いので、作業が楽である。その結果、任意高の指示・測
定作業の能率が著しく改善される。
【0055】請求項2の任意高指示・測定方法によれ
ば、対物尺上の高さ寸法をセンチメートル単位で設けて
おくことにより、樹幹上の高さ寸法はその数値のままの
メートル単位量となる。従って、計算を行う必要がな
く、至便である。
【0056】請求項3の樹幹の任意高指示方法によれ
ば、測定対象の樹幹までの距離を測らずとも、垂直対物
尺の照準線の所定ピッチ分に定尺棒上の所定の高さ寸法
を直接対応づけて把握することができる。また、その
後、発光点の位置を固定したまま発光方向のみを変化さ
せるので、垂直対物尺上の寸法と樹幹上の高さ寸法との
比は不変である。従って、レーザー光が垂直対物尺上を
基点から移動した寸法(対物尺上の指示長)に一定比を
乗じた寸法として樹幹の任意高の指示を行うことができ
る。従って、離れた場所から正確に樹幹の任意高を指示
することができる。また、1箇所から周囲の複数の林木
に対して任意高の指示を行うことができる。さらに、定
尺棒を樹幹の傍らに設置する作業を行う測定補助者は、
定尺棒のみを持ち回ればよいので、作業が楽である。そ
の結果、任意高の指示作業の能率が著しく改善される。
【0057】請求項4の樹幹の任意高測定方法によれ
ば、測定対象の樹幹までの距離を測らずとも、垂直対物
尺の照準線の所定ピッチ分に定尺棒上の所定の高さ寸法
を直接対応づけて把握することができる。また、その
後、発光点の位置を固定したまま発光方向のみを変化さ
せるので、垂直対物尺上の寸法と樹幹上の高さ寸法との
比は不変である。従って、レーザー光が垂直対物尺上を
基点から移動した寸法(対物尺上の指示長)に一定比を
乗じた寸法として樹幹の任意高の測定を行うことができ
る。従って、離れた場所から正確に樹幹の任意高を測定
することができる。また、1箇所から周囲の複数の林木
に対して任意高の測定を行うことができる。さらに、定
尺棒を樹幹の傍らに設置する作業を行う測定補助者は、
定尺棒のみを持ち回ればよいので、作業が楽である。そ
の結果、任意高の指示・測定作業の能率が著しく改善さ
れる。
【0058】請求項5の樹幹の直径の遠隔的測定方法に
よれば、樹幹の任意高をレーザー光によって指示した
後、その部位の樹幹の両端に一対のレーザーポインター
装置からレーザー光を照射して、当該一対のレーザーポ
インター装置の間隔から、指示された任意高の直径を離
れた場所において読み取ることができる。従って、離れ
た場所から正確に、かつ、能率良く樹幹の任意高の直径
を測り取ることができる。
【0059】請求項6の樹幹の任意高指示・測定装置に
よれば、レーザーポインター装置の発光点の高さ及び発
光方向を変化させ、かつ、水平尺を移動して垂直対物尺
のZ方向における位置を変化させることによって、樹幹
までの距離や地面の傾斜の状態にかかわらず、樹幹の傍
らに設置する定尺棒上の2点を照準線上の2点に対応づ
けた基準視準状態を容易に構築することができる。基準
視準状態の構築により、定尺棒上の既知の高さ寸法を垂
直対物尺上の高さ寸法に対応づけることができれば、そ
の一定の対応関係を維持してレーザー光の発光方向のみ
を変化させれば、樹幹の任意高の指示・測定を行うこと
ができる。従って、林木までの距離や地面の傾斜がどの
ようなものであろうとも、容易かつ正確に樹幹の任意高
を指示・測定することができる。また、1箇所から周囲
の複数の林木に対して任意高の指示・測定を行うことが
できる。さらに、定尺棒を樹幹の傍らに設置する作業を
行う測定補助者は、定尺棒のみを持ち回ればよいので、
作業が楽である。この結果、任意高の指示・測定作業の
能率が著しく改善される。また、垂直対物尺の長さを確
保すれば高い位置(15m以上)の指示・測定も可能で
ある。
【0060】請求項7の任意高指示・測定装置によれ
ば、横桟の垂直断面形状における上端及び下端は実質的
に点とみなすことができ、この点をかすめるようにレー
ザー光を照射すれば、誤差を排除して極めて精度の高い
視準を行うことができる。従って、任意高の指示・測定
精度に優れている。
【0061】請求項8の樹幹の任意高指示・測定装置に
よれば、水平尺を回動させることにより、横桟の存在す
る位置以外でも、垂直対物尺上のどの位置をレーザー光
が通過しているかを正確に確認することができる。従っ
て、任意高の測定を精度良く行うことができる。
【0062】請求項9の樹幹の直径の遠隔的測定装置に
よれば、一対のレーザーポインター装置を水平に摺動さ
せながら樹幹の左右の側端部をそれぞれ視準することに
より、樹幹の直径を水平目盛尺上の目盛によって表示す
ることができるので、離れた場所から正確に、かつ、能
率良く樹幹の任意高の直径を測定することができる。
【0063】請求項10の樹幹の直径の遠隔的測定装置
によれば、水平目盛尺を回動させることによりレーザー
光の照射方向が上下に変化するので、樹幹の任意高にレ
ーザースポットを形成することができる。従って、樹幹
の任意高指示装置と共に用いれば、指示された任意高の
直径を遠隔測定することができる。
【0064】請求項11の樹幹の直径の遠隔的測定装置
によれば、レーザースポットが縦長の矩形となり、幅方
向には狭くなるので、樹幹の側端部にレーザースポット
の幅方向の中央部を合わせるとき、誤差が少なくなる。
従って、測定精度が向上する。
【0065】請求項12の樹幹の任意高測定装置によれ
ば、接眼カーソルの視準線の高さを変化させ、かつ、水
平尺を移動して垂直対物尺のZ方向における位置を変化
させることによって、樹幹までの距離や地面の傾斜の状
態にかかわらず、樹幹の傍らに設置する定尺棒上の2点
を照準線上の2点に対応づけた基準視準状態を容易に構
築することができる。基準視準状態の構築により、定尺
棒上の既知の高さ寸法を垂直対物尺上の高さ寸法に対応
づけることができれば、その一定の対応関係を維持しつ
つ視準線を介して樹幹の任意高を視準することにより、
樹幹の任意高の測定を行うことができる。また、当該任
意高測定装置によれば、太陽光による周囲の明るさを利
用して視準を行うことができるので、特に、明るい梢の
高さを測定する場合等に至便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による樹幹の任意高指示・
測定装置を示す斜視図である。
【図2】図1の装置におけるレーザーポインター装置と
その周辺の部材の一部を正面(又は背面)側から見た図
である。
【図3】スライド尺と垂直対物尺との接合部の水平断面
図である。
【図4】垂直対物尺の垂直断面図である。
【図5】横桟の垂直断面図である。
【図6】林木とレーザーポインター装置及び垂直対物尺
との位置関係を示す図である。
【図7】基準視準状態におけるレーザーポインター装
置、垂直対物尺及び定尺棒の位置関係を原理的に示す図
である。
【図8】任意高測定時のレーザーポインター装置、垂直
対物尺及び定尺棒の位置関係を原理的に示す図である。
【図9】異なる視準状態におけるレーザーポインター装
置、垂直対物尺及び定尺棒の位置関係を原理的に示す図
である。
【図10】レーザー光が横桟の上端部をかすめるときの
状態を示す図である。
【図11】レーザー光が横桟の下端部をかすめるときの
状態を示す図である。
【図12】横桟が分厚い場合の誤差の発生理由を示す図
である。
【図13】傾斜地における、林木とレーザーポインター
装置及び垂直対物尺との位置関係を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による樹幹の直径の遠隔
的測定装置の側面図及び正面図である。
【図15】上記遠隔的測定装置のレーザーポインター装
置と林木との位置関係を示す側面図及び平面図である。
【図16】上記遠隔的測定装置のレーザーポインター装
置から樹幹の側端部にレーザー光を照射した状態を示す
図である。
【図17】本発明の他の実施形態による樹幹の任意高測
定装置を示す斜視図である。
【図18】図17の装置における接眼カーソルとその周
辺の部材の一部を正面(又は背面)側から見た図であ
る。
【符号の説明】
1 (トランシットの)水平角測定部 1a 目盛盤 1b 遊標盤 3 垂直枠固定部 3b 垂直中心軸 4 垂直枠 5 レーザーポインター装置 10 水平尺 11 ガイド部 12 スライド尺 14 垂直対物尺 15 林木 15a 樹幹 16 定尺棒 21 支持部 23 水平目盛尺 24 ホルダー 25 コンパス 25a 水準部 50 接眼カーソル O 発光点,カーソル線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光を発するレーザーポインター装
    置の一定の発光点Oから、垂直方向に所定間隔で照準線
    が設けられた対物尺上の2点P及びQを介して、測定対
    象林木の樹幹に沿って立てた定尺棒上の2点U及びVを
    それぞれ視準することにより、△POQと△UOVとの
    相似関係を構築してU−V間の既知の長さをP−Q間の
    長さに対応づけ、その後、 前記発光点Oの位置を固定したまま発光方向のみを変化
    させて、前記対物尺上の照準線に基づいて樹幹上の任意
    高の指示・測定を行うことを特徴とする樹幹の任意高指
    示・測定方法。
  2. 【請求項2】△POQと△UOVとの相似関係における
    相似比は1:100であることを特徴とする請求項1記
    載の樹幹の任意高指示・測定方法。
  3. 【請求項3】レーザー光を発するレーザーポインター装
    置から測定対象林木の樹幹を視準した場合の水平幅方向
    をX方向、垂直高さ方向をY方向、水平距離方向をZ方
    向とするとき、前記レーザーポインター装置の発光点を
    Y方向に移動自在に、かつ、発光方向を変動自在に支持
    し、 Y方向に一定間隔で照準線が設けられた垂直対物尺を垂
    直に、かつ、前記レーザーポインター装置とのZ方向の
    距離を増減自在に支持し、 前記レーザーポインター装置から前記垂直対物尺を介し
    て前記樹幹に沿って立てた定尺棒を視準し、前記レーザ
    ーポインター装置の発光点のY方向の位置及び発光方向
    並びに前記レーザーポインター装置と前記垂直対物尺と
    のZ方向の距離を調節して垂直対物尺の照準線の所定ピ
    ッチ分に定尺棒上の所定の高さ寸法を対応づけ、 前記発光点の位置を固定したまま前記レーザーポインタ
    ー装置の発光方向を任意の照準線に向けてレーザー光を
    樹幹上に照射することにより樹幹上の任意高を指示する
    ことを特徴とする樹幹の任意高指示方法。
  4. 【請求項4】レーザー光を発するレーザーポインター装
    置から測定対象林木の樹幹を視準した場合の水平幅方向
    をX方向、垂直高さ方向をY方向、水平距離方向をZ方
    向とするとき、前記レーザーポインター装置の発光点を
    Y方向に移動自在に、かつ、発光方向を変動自在に支持
    し、 Y方向に一定間隔で照準線が設けられた垂直対物尺を垂
    直に、かつ、前記レーザーポインター装置とのZ方向の
    距離を増減自在に支持し、 前記レーザーポインター装置から前記垂直対物尺を介し
    て前記樹幹に沿って立てた定尺棒を視準し、前記レーザ
    ーポインター装置の発光点のY方向の位置及び発光方向
    並びに前記レーザーポインター装置と前記垂直対物尺と
    のZ方向の距離を調節して垂直対物尺の照準線の所定ピ
    ッチ分に定尺棒上の所定の高さ寸法を対応づけ、 前記レーザーポインター装置により、前記発光点の位置
    を固定したまま前記樹幹上の測定位置にレーザー光を照
    射し、このときのレーザー光が垂直対物尺を通過する位
    置を前記照準線に基づいて読むことにより樹幹上の任意
    高を測定することを特徴とする樹幹の任意高測定方法。
  5. 【請求項5】レーザー光を発するレーザーポインター装
    置の一定の発光点Oから、垂直方向に所定間隔で照準線
    が設けられた対物尺上の2点P及びQを介して、測定対
    象林木の樹幹に沿って立てた定尺棒上の2点U及びVを
    それぞれ視準することにより、△POQと△UOVとの
    相似関係を構築してU−V間の既知の長さをP−Q間の
    長さに対応づけ、 前記発光点Oの位置を固定したまま発光方向のみを変化
    させて、前記対物尺上の照準線に基づいて樹幹上の任意
    高の指示を行い、 水平方向に目盛が付された水平目盛尺によって水平方向
    に摺動自在に保持された一対のレーザーポインター装置
    から前記水平目盛尺に直角な方向に互いに平行にレーザ
    ー光を発して前記任意高の樹幹の両端に照射し、このと
    きの一対のレーザーポインター間の間隔により当該樹幹
    の指示された前記任意高の直径を測定することを特徴と
    する樹幹の直径の遠隔的測定方法。
  6. 【請求項6】レーザー光を発するレーザーポインター装
    置と、 前記レーザーポインター装置から測定対象林木を視準し
    た場合の水平幅方向をX方向、垂直高さ方向をY方向、
    水平距離方向をZ方向とするとき、前記レーザーポイン
    ター装置の発光点をY方向に移動自在に、かつ、発光方
    向を変動自在に支持する支持装置と、 水平に、かつ、Z方向に移動自在に支持された水平尺
    と、 前記水平尺の先端部に垂直に固定され、Y方向に所定間
    隔で照準線が設けられた垂直対物尺とを備えたことを特
    徴とする樹幹の任意高指示・測定装置。
  7. 【請求項7】前記垂直対物尺は、枠と、X方向に平行な
    薄片状部材であってY方向に複数個配列された横桟とを
    有してなるものであり、前記照準線は前記横桟の先鋭に
    仕上げられた上端エッジ又は下端エッジであることを特
    徴とする請求項6記載の樹幹の任意高指示・測定装置。
  8. 【請求項8】前記支持装置は、相互に水平回動自在で回
    動中心軸が一致した2枚の同心円盤からなる水平角測定
    部を有するトランシットと、前記同心円盤の一方に固定
    され、前記回動中心軸の位置が前記レーザーポインター
    装置の発光点とX−Z座標において一致するように支持
    する垂直枠とを含み、 前記水平尺は、ガイド部と、このガイド部に沿ってZ方
    向に摺動自在のスライド尺とによって構成され、当該ガ
    イド部が前記同心円盤の他方に固定され、かつ、前記回
    動中心軸を中心として前記レーザーポインター装置に対
    して相対的に所定範囲で回動可能に保持されていること
    を特徴とする請求項6記載の樹幹の任意高指示・測定装
    置。
  9. 【請求項9】水平に、かつ、水平回動自在に保持された
    水準部を有するコンパスと、 水平方向に長さの目盛が設けられ、前記水準部上に水平
    に支持された水平目盛尺と、 水平方向に摺動自在に前記水平目盛尺により保持された
    一対のホルダーと、 前記ホルダーの各々に保持され、前記水平目盛尺に対し
    て直角な方向に互いに平行なレーザー光を発する一対の
    レーザーポインター装置とを備えたことを特徴とする樹
    幹の直径の遠隔的測定装置。
  10. 【請求項10】前記水平目盛尺は前記レーザーポインタ
    ー装置の光軸を上下に傾斜させる方向に回動可能である
    ことを特徴とする請求項9記載の遠隔的測定装置。
  11. 【請求項11】前記レーザーポインター装置は矩形のレ
    ーザースポットを形成し、前記矩形の長辺が垂直方向に
    平行になるように保持されていることを特徴とする請求
    項9記載の遠隔的測定装置。
  12. 【請求項12】視準線を有する接眼カーソルと、 前記接眼カーソルから測定対象林木を視準した場合の水
    平幅方向をX方向、垂直高さ方向をY方向、水平距離方
    向をZ方向とするとき、前記接眼カーソルをY方向に移
    動自在に支持する支持装置と、 水平に、かつ、Z方向に移動自在に支持された水平尺
    と、 前記水平尺の先端部に垂直に固定され、Y方向に所定間
    隔で照準線が設けられた垂直対物尺とを備えたことを特
    徴とする樹幹の任意高測定装置。
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