JPH11160558A - 光フィルタ及び光通信装置 - Google Patents

光フィルタ及び光通信装置

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JPH11160558A
JPH11160558A JP9328557A JP32855797A JPH11160558A JP H11160558 A JPH11160558 A JP H11160558A JP 9328557 A JP9328557 A JP 9328557A JP 32855797 A JP32855797 A JP 32855797A JP H11160558 A JPH11160558 A JP H11160558A
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JP
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optical
port
light
optical filter
wavelength
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JP9328557A
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Inventor
Haruhiko Tabuchi
晴彦 田淵
Takeshi Yamamoto
毅 山本
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光フィルタ及び光通信装置に関し、異なる波
長の光信号間及び不要波長に対するクロストークを確保
することが可能な光フィルタ及び光通信装置を提供す
る。 【解決手段】 光フィルタは、一部に回折格子を設けた
二のマッハツェンダ型光フィルタを接続して構成し、光
通信装置は、該光フィルタにおける回折格子のブラッグ
波長と、該光フィルタへの発光素子の接続ポート及び波
長と、該光フィルタへの受光素子の接続ポートを適切に
設定した通信装置を対向させて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光フィルタ及び光
通信装置に係り、特に、不要波長に対して大きな減衰量
を容易に確保することが可能な光フィルタ、及び該光フ
ィルタを適用した、異なる波長の光信号間で高いアイソ
レーションを容易に得ることができる光通信装置に関す
る。
【0002】光通信装置が実用化されてから久しいが、
従来の全二重の光通信装置の主流は光ファイバ2本を使
用し、各々の伝送方向に対して1本の光ファイバを割り
当てる方式である。上記光通信装置がメタリックな伝送
線路を使用した通信装置に代わって広く適用されている
のは、光ファイバ本来の伝送特性と耐雑音性の良好さに
もよっているが、光ファイバ自体のコストの大幅な低減
があってのことである。
【0003】それでも、2本の光ファイバによる全二重
光通信装置より1本の光ファイバを往復の伝送線路とし
て各々の伝送方向に対して異なる波長を割り当てる双方
向波長多重通信装置の方が光通信装置のシステム・コス
トを低減できる可能性が高い。特に、陸上伝送路に比較
して光伝送線路のコストが高い海底伝送路においてはそ
の可能性は一層高いものがある。
【0004】又、回線容量が少ない既設の光伝送線路を
利用して大容量の光伝送を行なうことを余儀なくされる
ような場合がある。この場合、既に敷設されている光伝
送線路の特性に制約がある時には高い伝送速度によって
回線容量を大きくすることには自ずから限界があり、複
数の波長を使用して回線容量を大きくする波長多重通信
装置に対する期待が大きい。
【0005】更に、一の親局と複数の異なる波長を割り
当てられた子局の間で論理的にスター型光通信装置を構
築する場合、親局と子局の間の伝送路の主要部を共用化
する波長多重通信装置を適用すればシステム・コストを
低減できる可能性がある。
【0006】このような波長多重通信装置においては、
複数波長の光信号を分離する光フィルタが不可欠であ
る。上記の如く、波長多重通信装置では伝送線路の共用
化によって伝送線路コストは確実に低減できるので、シ
ステム・コスト低減の鍵を握るのは、複数波長の光を分
離する光フィルタである。このため、低コストで不要波
長に対して大きな減衰量を容易に確保することが可能な
光フィルタの実現が強く要請されている。
【0007】しかも、特に近い将来実用化される光加入
者線通信システムの普及に弾みをつけるためには光フィ
ルタの量産性がよいことも非常に重要である。
【0008】
【従来の技術】広く、光フィルタはガラスなどの透明基
板の表面に二酸化チタン、二酸化珪素などの屈折率の異
なる光学薄膜を多層に形成して実現されている。こうい
う光学薄膜型の光フィルタは光ファイバや平面型光導波
路などの光伝送路とは機構的に整合しにくいものである
ため、光伝送路との一体化が困難であること、光伝送路
との結合のためにコリメート・レンズが必須であるこ
と、光学薄膜型の光フィルタと光路との角度調整及び角
度調整後の固定技術を欠くことができないことなどの点
から、量産性に欠ける。
【0009】これとは別の方向から検討されているのが
光ファイバを適用したマッハツェンダ型干渉装置であ
る。図24は、マッハツェンダ型干渉装置の構成であ
る。
【0010】図24において、11bはマッハツェンダ
型干渉装置、111b及び112bは該マッハツェンダ
型干渉装置11bを構成する二の光ファイバである。該
マッハツェンダ型光フィルタ11bを構成する該二の光
ファイバ111b及び112bは、互いに交叉すること
がないように配置されており、図24に示すようにA、
B、Ca、D、Eの連続する五の領域から成っている。
そして、第一の領域Aと第三の領域Ca及び第五の領域
Eにおいては、該二の光ファイバ111b及び112b
を伝播する光が互いに結合しない程度に該二の光ファイ
バは互いに離されて配置されている。一方、第二の領域
B及び第四の領域Dにおいては、該二の光ファイバ11
1b及び112bは該二の光ファイバを伝播する光が互
いに結合するように、例えばファイバ融着技術によって
融着され、二の光ファイバのコアが近接させられ、3d
Bカプラが形成されている。尚、該マッハツェンダ型干
渉装置11bにおいて、上記第一の領域Aに設けられる
ポートをP1及びP2とし、上記第五の領域Eに設けら
れるポートをP3及びP4とする。
【0011】理想的なマッハツェンダ型干渉装置の場
合、ポートP1に入力された光信号は全てポートP3か
ら出力され、ポートP2及びポートP4からは出力され
ない。逆にポートP3から入力された光信号は全てポー
トP1から出力され、ポートP4及びポートP2からは
出力されない。
【0012】従って、図24のマッハツェンダ型干渉装
置11bはポートP3に入力された光信号に対して、ポ
ートP1との間では低損失の伝送線路として振る舞う。
一方、ポートP3に入力された光信号に対して、ポート
P2との間では損失が大きい伝送線路として振る舞う。
即ち、図24のマッハツェンダ型干渉装置において、ポ
ートP2とポートP3の間のアイソレーションが高い。
【0013】しかし、実際には製造誤差、特にファイバ
融着部の寸法の誤差のためにポートP3とポートP2と
の間のアイソレーションは15乃至20dBに制限され
る(実数で表現すると、入力パワーの約1/30から1
/100がポートP2に漏れ出てくる。)。
【0014】そこで、マッハツェンダ型干渉装置の第三
の領域Caの一部に回折格子(ブラッグ反射ミラーなど
とも呼ばれる。)を設けた、図25の如きマッハツェン
ダ型光フィルタが検討されている。
【0015】図25において、11はマッハツェンダ型
光フィルタ、111及び112は該マッハツェンダ型光
フィルタ11を構成する光ファイバである。該マッハツ
ェンダ型光フィルタ11を構成する該二の光ファイバ1
11及び112は互いに交叉することがないように配置
されており、図25に示すAからEの連続する五の領域
から成っている。第一の領域Aと第三の領域C及び第五
の領域Eにおいては、該二の光ファイバ111及び11
2を伝播する光が互いに結合しない程度に該二の光ファ
イバは互いに離されて配置されている。一方、第二の領
域B及び第四の領域Dにおいては、該二の光ファイバ1
11及び112は該二の光ファイバを伝播する光が互い
に結合しうるように、例えばファイバ融着技術によって
融着され、二の光ファイバのコアが近接させられ、3d
Bカプラが形成されている。尚、該マッハツェンダ型光
フィルタ11において、上記第一の領域Aに設けられる
ポートをP1及びP2とし、上記第五の領域Eに設けら
れるポートをP3及びP4とする。
【0016】回折格子は、図25の構成の第三の領域C
に形成され、それを図25において符号113及び11
4によって示している。図26は回折格子の構成と屈折
率分布を示す図である。
【0017】図26において、111(112)は光フ
ァイバ、113(114)は回折格子で、該回折格子1
13(114)は該光ファイバ111(112)のコア
に屈折率が高い部分を一定の間隔で作り込んで形成す
る。その屈折率分布は図26(ロ)に示すように屈折率
の極大点がピッチΓで並んでいる。
【0018】光ファイバのコアに沿って伝播する光が感
ずる屈折率をnとすると、ピッチΓの回折格子は次の式
を満足する波長λ(この波長をブラッグ波長と呼ぶ。)
の光を選択的に反射する。
【0019】λ=2×Γ×n ブラッグ波長近傍の光に対する回折格子の反射率は非常
に高い。即ち、ブラッグ波長近傍の波長の光に対する回
折格子の透過損失は大きい。一方、ブラッグ波長から離
れた波長の光に対する回折格子の反射率は低い。即ち、
ブラッグ波長から離れた波長の光に対する回折格子の透
過損失は小さい。
【0020】図27は、図25の構成において光が透過
する経路を示す図である。図27において、11はマッ
ハツェンダ型光フィルタ、111及び112は該マッハ
ツェンダ型光フィルタ11を構成する光ファイバ、11
3及び114は該光ファイバ111及び112の一部に
形成された回折格子である。そして、図27は該回折格
子113及び114のブラッグ波長がλ1である例を示
している。
【0021】図27(イ)では、ポートP1に波長λ1
の光信号が、ポートP3にλ1から離れた波長λ2の光
信号が入力される場合の光信号が透過する経路を示して
いる。ポートP1に入力された光信号の波長は該回折格
子113及び114のブラッグ波長に等しいので該回折
格子113及び114によって反射されてポートP2に
出力される。一方、ポートP3に入力された、該回折格
子113及び114のブラッグ波長λ1から離れた波長
λ2の光信号は該回折格子113及び114を透過する
ので、マッハツェンダ型干渉装置の場合と同様にポート
P1から出力される。
【0022】同様に、図27(ロ)に示す如く、ポート
P1から該回折格子のブラッグ波長λ1に等しい波長の
光信号と波長λ1から離れた波長λ2の光信号とが入力
される場合には、波長λ1の光信号は該回折格子113
及び114によって反射されるのでポートP2に出力さ
れ、波長λ2の光信号は該回折格子113及び114を
透過するのでポートP3に出力される。
【0023】上記の如きマッハツェンダ型光フィルタの
基本特性から、入力光の波長を変化させた場合の図25
の構成の透過特性は図28に示す如き特性になる。図2
8において、横軸は光信号の波長、縦軸は透過損失であ
る。透過損失の単位はdB(デシベル)で、値が小さい
ほど損失が小さく、値が大きいほど損失が大きい。
【0024】図28に示す如く、ポートP1とポートP
2の間の透過損失は、入力光の波長が回折格子のブラッ
グ波長λ1の近傍の場合には回折格子によって反射され
るために0.4dB程度と小さく(実数で表現すると、
入力光の約91%が透過する。)、回折格子のブラッグ
波長から離れた波長領域では入力光が回折格子を透過し
てゆくので約35dB(実数で表現すると、入力光の約
1/3000しか透過しない。)と大きい。
【0025】一方、ポートP1とポートP3の間の透過
損失は、入力波長が回折格子のブラッグ波長λ1の近傍
では回折格子によって反射されるので約35dBと大き
く、入力光の波長が回折格子のブラッグ波長λ1から離
れた波長領域では回折格子を透過するので0.4乃至2
dB(2dBを実数で表現すると、入力光の約63%が
透過する。)と小さい。尚、回折格子を光信号が透過す
る場合、ブラッグ波長より少し波長が短いところで損失
が若干大きくなるという性質がある。上記2dBの損失
はこの性質によって生ずるものである。
【0026】即ち、図25の構成は、ポートP1とポー
トP2の間では回折格子のブラッグ波長λ1近傍の光を
透過させる帯域通過特性を有する光フィルタとなり、ポ
ートP1とポートP3の間では回折格子のブラッグ波長
λ1近傍の光を反射する帯域阻止特性を有する光フィル
タとなる。
【0027】図29は、図25の構成のクロストークの
経路である。図29において、11はマッハツェンダ型
光フィルタ、111及び112は該マッハツェンダ型光
フィルタ11を構成する光ファイバ、113及び114
は該光ファイバ111及び112の一部に形成された回
折格子である。そして、該回折格子113及び114の
ブラッグ波長はλ1である場合について考える。
【0028】まず、ポートP3に該回折格子のブラッグ
波長λ1近傍の波長の光信号が入力される場合、該回折
格子の反射率が1に近いので入力光の殆どは該回折格子
113及び114によって反射されてポートP4側に伝
播するから、該回折格子113及び114を透過する光
信号がクロストーク光である。そのクロストーク光の大
半は既に説明したマッハツェンダ型干渉装置の性質から
ポートP1側に出力されるが、図25の構成のマッハツ
ェンダ型光フィルタの製造誤差によってポートP2にも
出力される。つまり、ポートP3に回折格子のブラッグ
波長λ1近傍の波長の光信号が入力される場合のクロス
トークの経路と考えられるのは二つあり、一つはポート
P3からポートP1に到る経路、もう一つはポートP3
からポートP2に到る経路である。
【0029】しかし、入力光の波長が該回折格子113
及び114のブラッグ波長λ1から離れた波長である場
合には、ポートP3からポートP1に到る経路は光信号
の透過経路になる(図27(イ)に示している。)の
で、ポートP3からポートP2に到る経路のみがクロス
トークの経路である。
【0030】さて、ポートP3からポートP2に到る経
路では、該回折格子113及び114による反射と現実
のマッハツェンダ型干渉装置のクロストークによって透
過損失が決まる。
【0031】従って、入力光の波長を変化させた場合の
図25の構成のクロストーク特性は図30の如き特性に
なる。図30において、横軸は光信号の波長、縦軸はク
ロストーク減衰量で、単位はdBである。クロストーク
減衰量は値が小さいほどクロストークが大きく、値が大
きいほどクロストークが小さいことを示す。
【0032】ポートP3とポートP1の間のクロストー
ク減衰量は、入力光の波長が回折格子のブラッグ波長λ
1から離れている場合には、現実のマッハツェンダ型干
渉装置の透過損失に等しく、入力光の波長が回折格子の
ブラッグ波長λ1近傍である場合には、回折格子による
反射と現実のマッハツェンダ型干渉装置の透過損失の和
に等しい。
【0033】従って、図30に示す如く、入力光の波長
が回折格子のブラッグ波長λ1から離れている場合に
は、クロストーク減衰量は約15〜20dBとなり、入
力光の波長が回折格子のブラッグ波長λ1近傍の場合に
は、クロストーク減衰量は約50乃至55dB(実数で
表現すると、入力光の約10-5乃至3×10-6しか透過
しない。)となる。
【0034】ここで、回折格子を形成する方法について
説明しておく。図31は、回折格子を形成する方法の一
例である。図31において、111(112)は光ファ
イバ、16は紫外線に対するマスクである。そして、光
ファイバ111(112)のコアにはゲルマニウム(G
e)をドープしてクラッドより屈折率を大きくしてあ
る。
【0035】ゲルマニウムをドープされた光ファイバの
コアの屈折率は、紫外線を照射された部分で高くなり、
紫外線が照射されなかった部分では変化がないので、光
が透過する部分と光を遮断する部分を交互に形成したフ
ォト・マスクを光ファイバの表面に密着させて紫外線を
照射すれば、コアに図26(ロ)に示す如き屈折率変化
を形成することができる。
【0036】紫外線を照射された部分で屈折率が高くな
り、紫外線が照射されなかった部分では屈折率に変化が
ないということは、紫外線が強く照射された部分で屈折
率の変化が大きく、紫外線が弱く照射された部分で屈折
率の変化が小さいということを意味する。この性質を利
用して回折格子を形成する方法には、紫外線を二の光束
に分割し、二の光束の干渉を用いる2光束干渉露光法が
ある。
【0037】ここまでは、マッハツェンダ型光フィルタ
を中心に従来の光フィルタについて説明してきた。次
に、マッハツェンダ型光フィルタを利用した光通信装置
について説明する。
【0038】図32は、双方向通信をする場合の構成例
(ケース1)である。図32において、11は第一のマ
ッハツェンダ型光フィルタ、11aは第二のマッハツェ
ンダ型光フィルタ、13は第一の発光素子、14は第一
の受光素子、13aは第二の発光素子、14aは第二の
受光素子である。そして、該第一のマッハツェンダ型光
フィルタ11、該第一の発光素子13、該第一の受光素
子14が一方の局に設置され、該第二のマッハツェンダ
型光フィルタ11a、該第二の発光素子13a、該第二
の受光素子14aがもう一方の局に設置される。そし
て、15は双方の局を結ぶ光伝送路で、該第一のマッハ
ツェンダ型光フィルタと該第二のマッハツェンダ型光フ
ィルタに接続される。
【0039】尚、図32においては、発光素子の駆動回
路や受光素子の出力からデータを再生する受信回路は、
本発明の本質ではないので省略し、単に発光素子と受光
素子がマッハツェンダ型フィルタに接続されるものを図
示している。以降においても、同様な考え方で図示をす
る。
【0040】又、111及び112は該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11を構成する光ファイバ、113
及び114は該光ファイバ111及び112の一部に形
成された回折格子、111a及び112aは該第二のマ
ッハツェンダ型光フィルタ11aを構成する光ファイ
バ、113a及び114aは該光ファイバ111a及び
112aの一部に形成された回折格子である。尚、マッ
ハツェンダ型光フィルタの構成については、図25の説
明を参照されたい。
【0041】図32の構成では、該回折格子113及び
114のブラッグ波長がλ1、該回折格子113a及び
114aのブラッグ波長がλ2、該第一の発光素子13
の出力光の波長がλ1、該第二の発光素子13aの出力
光の波長がλ2であり、該第一の発光素子13が該第一
のマッハツェンダ型光フィルタのポートP2に接続さ
れ、該第二の発光素子13aが該第二のマッハツェンダ
型光フィルタのポートP2aに接続され、該第一の受光
素子14が該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11の
ポートP3に接続され、該第二の受光素子14aが該第
二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP3a
に接続される例を図示している。尚、該第一の受光素子
14及び該第二の受光素子14aは比較的広帯域の光信
号を受信して電気信号に変換することができる。
【0042】上記の如き発光素子の波長、接続ポート及
び回折格子のブラッグ波長の条件より、該第一の発光素
子13の出力光は該第一のマッハツェンダ型光フィルタ
11において該回折格子113及び114によって反射
されてポートP1から該光伝送路15に導かれ、該第二
のマッハツェンダ型光フィルタのポートP1aに入力さ
れる。ポートP1aに達した該第一の発光素子13の出
力光の波長は該回折格子113a及び114aのブラッ
グ波長とは異なるので該回折格子113a及び114a
を透過して、ポートP3aに配置された該第二の受光素
子14aに到達する。
【0043】一方、該第二の発光素子13aの出力光は
該第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aにおいて該
回折格子113a及び114aによって反射されてポー
トP1aから該光伝送路15に導かれ、該第一のマッハ
ツェンダ型光フィルタ11のポートP1に達する。ポー
トP1に達した該第二の発光素子13aの出力光の波長
は該回折格子113及び114のブラッグ波長λ1とは
異なるので該回折格子113及び114を透過して、ポ
ートP3に配置された第一の受光素子14に到達する。
【0044】即ち、図32の構成によって、該第一の発
光素子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の
発光素子13aと該第一の受光素子14の間に通信路が
形成され、該光伝送路15を経由して双方向通信が行な
われる。
【0045】そして、図32の構成においては、該第一
のマッハツェンダ型光フィルタ11におけるポートP2
からポートP3に到る経路と、該第二のマッハツェンダ
型光フィルタにおけるポートP2aからポートP3aに
到る経路のクロストーク特性が特に重要になる。
【0046】もし、ポートP2とポートP3の間と、ポ
ートP2aとポートP3aの間のクロストーク特性が悪
いと、第一の発光素子13の出力光が異なる通信路を構
成する第一の受光素子14に混入し、第二の発光素子1
3aの出力光が異なる通信路を構成する第一の受光素子
14aに混入して、信号対雑音比を劣化させるからであ
る。
【0047】例えば、該第一の受光素子14に着目する
と、該第二の発光素子13aから出力されて該光伝送路
15と該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11を経由
して到達する波長λ2の信号光と、該第一の発光素子1
3から出力されて該第一のマッハツェンダ型光フィルタ
11を漏洩して到達する波長λ1の雑音光が入力され
る。
【0048】今、該第一の発光素子13と該第二の発光
素子13aの出力パワーが同じで、該第一の受光素子1
4と該第二の受光素子14aの光−電気変換の感度が等
しく、該光伝送路15の伝送損失が双方の光信号に対し
て等しく30dBで、必要な信号対雑音比が20dBの
場合には、該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11の
ポートP2とポートP3の間及び該第二のマッハツェン
ダ型光フィルタ11aのポートP2aとポートP3aの
間には50dB以上のアイソレーションが必要になる。
【0049】ここで、該第一のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11の透過特性とクロストーク特性は図28と図3
0に示す特性であり、該第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11aの透過特性とクロストーク特性は図28と図
30において透過損失の極大点と極少点をλ1からλ2
に移動した特性であり、該光伝送路15の伝送損失が3
0dBである場合、該第二の発光素子13aが出力する
信号光は約30dBの減衰を受けて該第一の受光素子1
4に到達する。一方、該第一の受光素子14では雑音光
となる該第一の発光素子13が出力する波長λ1の光
は、該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11の回折格
子113及び114によって反射され、更に、マッハツ
ェンダ型干渉装置本来のクロストーク減衰量を受けるの
で、約50〜55dBの減衰を受けて該第一の受光素子
14に到達する。
【0050】従って、該第一の受光素子14における信
号対雑音比は約20〜25dBとなり、必要な信号対雑
音比20dBをクリアすることができる。さて、ポート
P2、P3及びポートP2a、P3aに配置する素子
と、回折格子113、114及び回折格子113a、1
14aのブラッグ波長の組合せを変えても双方向通信が
可能である。
【0051】図33は、双方向通信をする場合の素子の
配置と回折格子のブラッグ波長の割当を示す表で、上記
組合せの全てを示すものである。図33にはケース1乃
至ケース8の8種類の組合せが記載されているが、この
うちケース5乃至ケース8はケース1乃至ケース4にお
いて二のマッハツェンダ型光フィルタを入れ換えたもの
であるから、独立なケースはケース1乃至ケース4の4
種類となる。このうちケース1は図32において説明し
た構成である。
【0052】図34は、双方向通信をする場合の構成例
(ケース2)で、図33の表のケース2に対応するもの
である。図34において、11は第一のマッハツェンダ
型光フィルタ、11aは第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタ、13は第一の発光素子、14は第一の受光素子、
13aは第二の発光素子、14aは第二の受光素子であ
る。そして、該第一のマッハツェンダ型光フィルタ1
1、該第一の発光素子13、該第一の受光素子14が一
方の局に設置され、該第二のマッハツェンダ型光フィル
タ11a、該第二の発光素子13a、該第二の受光素子
14aがもう一方の局に設置される。そして、15は双
方の局を結ぶ光伝送路で、該第一のマッハツェンダ型光
フィルタと該第二のマッハツェンダ型光フィルタに接続
される。
【0053】又、111及び112は該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11を構成する光ファイバ、113
及び114は該光ファイバ111及び112の一部に形
成された回折格子、111a及び112aは該第二のマ
ッハツェンダ型光フィルタ11aを構成する光ファイ
バ、113a及び114aは該光ファイバ111a及び
112aの一部に形成された回折格子である。尚、マッ
ハツェンダ型光フィルタの構成については、図25の説
明を参照されたい。
【0054】図34では、該回折格子113及び114
のブラッグ波長がλ1、該回折格子113a及び114
aのブラッグ波長もλ1、該第一の発光素子13の出力
光の波長がλ2、該第二の発光素子13aの出力光の波
長がλ1であり、該第一の発光素子13が該第一のマッ
ハツェンダ型光フィルタ11のポートP3に接続され、
該第二の発光素子13aが該第二のマッハツェンダ型光
フィルタ11aのポートP2aに接続され、該第一の受
光素子14が該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11
のポートP2に接続され、該第二の受光素子14aが該
第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP3
aに接続される例を図示している。尚、該第一の受光素
子14及び該第二の受光素子14aは比較的広帯域の光
信号を受信して電気信号に変換できる。
【0055】上記の如き発光素子の波長、接続ポート及
び回折格子のブラッグ波長の条件より、該第一の発光素
子13の出力光は該第一のマッハツェンダ型光フィルタ
を透過してポートP1から該光伝送路15に導かれ、該
第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP1
aに入力される。ポートP1aに達した該第一の発光素
子13の出力光の波長は該回折格子113a及び114
aのブラッグ波長とは異なるので該第二のマッハツェン
ダ型光フィルタ11aを透過して、ポートP3aに配置
された該第二の受光素子14aに到達する。
【0056】一方、該第二の発光素子13aの出力光は
該第二のマッハツェンダ型光フィルタにおいて該回折格
子113a及び114aによって反射されてポートP1
aから該光伝送路15に導かれ、該第一のマッハツェン
ダ型光フィルタのポートP1に達する。ポートP1に達
した該第二の発光素子13aの出力光の波長は該回折格
子113及び114のブラッグ波長に等しいので、該回
折格子113及び114によって反射されて、ポートP
3に配置された該第一の受光素子14aに到達する。
【0057】即ち、図34の構成によって、該第一の発
光素子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の
発光素子13aと該第一の受光素子14の間に通信路が
形成され、該光伝送路15を経由して双方向通信が行な
われる。
【0058】そして、図34の構成においても、該第一
のマッハツェンダ型光フィルタにおけるポートP2から
ポートP3に到る経路と、該第二のマッハツェンダ型光
フィルタにおけるポートP2aからポートP3aに到る
経路のクロストーク特性が特に重要になる。
【0059】今、該第一の発光素子13と該第二の発光
素子13aの出力パワーが同じで、該第一の受光素子1
4と該第二の受光素子14aの光−電気変換の感度が等
しく、該光伝送路の伝送損失が30dBで、必要な信号
対雑音比が20dBの場合には、該第一のマッハツェン
ダ型光フィルタ11のポートP2とポートP3の間及び
該第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP
2aとポートP3aの間には50dB以上のアイソレー
ションが必要になる。
【0060】ここで、該第一のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11及び第二のマッハツェンダ型光フィルタ11a
の透過特性とクロストーク特性は図28と図30に示す
特性であり、該光伝送路15の伝送損失が30dBであ
る場合、該第二の発光素子13aが出力する信号光は約
30dBの減衰を受けて該第一の受光素子14に到達す
る。一方、該第一の受光素子14では雑音光となる該第
一の発光素子13が出力する波長λ2の光は、該第一の
マッハツェンダ型光フィルタ11における現実のマッハ
ツェンダ型干渉装置のクロストークによって約15〜2
0dBの減衰を受けるのみで該第一の受光素子14に到
達する。
【0061】従って、該第一の受光素子14における信
号対雑音比は、必要な信号対雑音比20dBをクリアす
ることができないものとなる。図35は、双方向通信を
する場合の構成例(ケース3)で、図33に示した表の
ケース3に対応するものである。
【0062】図35において、11は第一のマッハツェ
ンダ型光フィルタ、11aは第二のマッハツェンダ型光
フィルタ、13は第一の発光素子、14は第一の受光素
子、13aは第二の発光素子、14aは第二の受光素子
である。そして、該第一のマッハツェンダ型光フィルタ
11、該第一の発光素子13、該第一の受光素子14が
一方の局に設置され、該第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11a、該第二の発光素子13a、該第二の受光素
子14aがもう一方の局に設置される。そして、15は
双方の局を結ぶ光伝送路で、該第一のマッハツェンダ型
光フィルタ11と該第二のマッハツェンダ型光フィルタ
11aに接続される。
【0063】又、111及び112は該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11を構成する光ファイバ、113
及び114は該光ファイバ111及び112の一部に形
成された回折格子、111a及び112aは該第二のマ
ッハツェンダ型光フィルタ11aを構成する光ファイ
バ、113a及び114aは該光ファイバ111a及び
112aの一部に形成された回折格子である。尚、マッ
ハツェンダ型光フィルタの構成については、図25の説
明を参照されたい。
【0064】図35では、該回折格子113及び114
のブラッグ波長がλ2、該回折格子113a及び114
aのブラッグ波長もλ2、該第一の発光素子13の出力
光の波長がλ1、該第二の発光素子13aの出力光の波
長がλ2で、該第一の発光素子13が該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11のポートP3に接続され、該第
二の発光素子13aが該第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11aのポートP2aに接続され、該第一の受光素
子14が該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11のポ
ートP2に接続され、該第二の受光素子14aが該第二
のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP3aに
接続される例を図示している。尚、該第一の受光素子1
4及び該第二の受光素子14aは比較的広帯域の光信号
を受信できる。
【0065】図35の構成においても、該第一の発光素
子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の発光
素子13aと該第一の受光素子14の間に双方向通信路
が構成される。
【0066】そして、図35の構成においても、該第一
のマッハツェンダ型光フィルタ11におけるポートP2
からポートP3に到る経路と、該第二のマッハツェンダ
型光フィルタにおけるポートP2aからポートP3aに
到る経路のクロストーク特性が特に重要になる。
【0067】今、該第一の発光素子13と該第二の発光
素子13aの出力パワーが同じで、該第一の受光素子1
4と該第二の受光素子14aの光−電気変換の感度が等
しく、該光伝送路の伝送損失が30dBで、必要な信号
対雑音比が20dBの場合には、該第一のマッハツェン
ダ型光フィルタ11のポートP2とポートP3の間及び
該第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP
2aとポートP3aの間には50dB以上のアイソレー
ションが必要になる。
【0068】ここで、該第一のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11及び第二のマッハツェンダ型光フィルタの透過
特性とクロストーク特性は、図28と図30において波
長λ1における透過損失の極大点と極少点を波長λ2に
移動した特性であり、該光伝送路15の伝送損失が30
dBである場合、該第二の発光素子13aが出力する信
号光は約30dBの減衰を受けて該第一の受光素子14
に到達する。一方、該第一の受光素子14では雑音光と
なる該第一の発光素子13が出力する波長λ1の光は、
該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11における現実
のマッハツェンダ型干渉装置のクロストークによって約
15〜20dBの減衰を受けて該第一の受光素子14に
到達する。
【0069】従って、該第一の受光素子14における信
号対雑音比は、必要な信号対雑音比20dBをクリアす
ることができないものとなる。図36は、双方向通信を
する場合の構成例(ケース4)で、図33の表に示した
ケース4に対応するものである。
【0070】図36において、11は第一のマッハツェ
ンダ型光フィルタ、11aは第二のマッハツェンダ型光
フィルタ、13は第一の発光素子、14は第一の受光素
子、13aは第二の発光素子、14aは第二の受光素子
である。そして、該第一のマッハツェンダ型光フィルタ
11、該第一の発光素子13、該第一の受光素子14が
一方の局に設置され、該第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11a、該第二の発光素子13a、該第二の受光素
子14aがもう一方の局に設置される。そして、15は
双方の局を結ぶ光伝送路である。
【0071】又、111及び112は該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11を構成する光ファイバ、113
及び114は該光ファイバ111及び112の一部に形
成された回折格子、111a及び112aは該第二のマ
ッハツェンダ型光フィルタ11aを構成する光ファイ
バ、113a及び114aは該光ファイバ111a及び
112aの一部に形成された回折格子である。尚、マッ
ハツェンダ型光フィルタの構成については、図25の説
明を参照されたい。
【0072】図36では、該回折格子113及び114
のブラッグ波長がλ1、該回折格子113a及び114
aのブラッグ波長がλ2、該第一の発光素子13の出力
光の波長がλ2、該第二の発光素子13aの出力光の波
長がλ1で、該第一の発光素子13が該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11のポートP3に接続され、該第
二の発光素子13aが第二のマッハツェンダ型光フィル
タ11aのポートP3aに接続され、該第一の受光素子
14が該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11のポー
トP2に接続され、該第二の受光素子14aが該第二の
マッハツェンダ型光フィルタ11aのポートP2aに接
続される例を示している。尚、該第一の受光素子14及
び該第二の受光素子14aは比較的広帯域の光信号を受
信できる。
【0073】図36の構成においても、該第一の発光素
子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の発光
素子13aと該第一の受光素子14の間に双方向通信路
が構成される。
【0074】そして、図36の構成においても、該第一
のマッハツェンダ型光フィルタにおけるポートP2から
ポートP3に到る経路と、該第二のマッハツェンダ型光
フィルタにおけるポートP2aからポートP3aに到る
経路のクロストーク特性が特に重要になる。
【0075】今、該第一の発光素子13と該第二の発光
素子13aの出力パワーが同じで、該第一の受光素子1
4と該第二の受光素子14aの光−電気変換の感度が等
しく、該光伝送路15の伝送損失が30dBで、必要な
信号対雑音比が20dBの場合には、該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11のポートP2とポートP3の間
及び該第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポー
トP2aとポートP3aの間には50dB以上のアイソ
レーションが必要になる。
【0076】ここで、該第一のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11の透過特性とクロストーク特性は図28と図3
0に示す特性であり、該第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタの透過特性とクロストーク特性は、図28と図30
において波長λ1における透過損失の極大点と極少点を
波長λ2に移動した特性であり、該光伝送路15の伝送
損失が30dBである場合、該第二の発光素子13aが
出力する信号光は約30dBの減衰を受けて該第一の受
光素子14に到達する。一方、該第一の受光素子14で
は雑音光となる該第一の発光素子13が出力する波長λ
2の光は、該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11に
おける現実のマッハツェンダ型干渉装置のクロストーク
によって約15〜20dBの減衰を受けて該第一の受光
素子14に到達する。
【0077】従って、該第一の受光素子14における信
号対雑音比は、必要な信号対雑音比20dBをクリアす
ることができないものとなる。これまでは、マッハツェ
ンダ型光フィルタを適用して双方向通信をする構成につ
いて説明してきたが、マッハツェンダ型光フィルタを適
用して片方向波長多重通信をすることも可能である。
【0078】図37は、片方向波長多重通信をする場合
の構成例である。図37において、11は第一のマッハ
ツェンダ型光フィルタ、11aは第二のマッハツェンダ
型光フィルタ、13は第一の発光素子、14は第一の受
光素子、13aは第二の発光素子、14aは第二の受光
素子である。そして、該第一のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11、該第一の発光素子13、該第二の発光素子1
3aが一方の局に設置され、該第二のマッハツェンダ型
光フィルタ11a、該第一の受光素子14、該第二の受
光素子14aがもう一方の局に設置される。そして、1
5は双方の局を結ぶ光伝送路で、該第一のマッハツェン
ダ型光フィルタと該第二のマッハツェンダ型光フィルタ
に接続される。
【0079】又、111及び112は該第一のマッハツ
ェンダ型光フィルタ11を構成する光ファイバ、113
及び114は該光ファイバ111及び112の一部に形
成された回折格子、111a及び112aは該第二のマ
ッハツェンダ型光フィルタ11aを構成する光ファイ
バ、113a及び114aは該光ファイバ111a及び
112aの一部に形成された回折格子である。尚、マッ
ハツェンダ型光フィルタの構成については、図25の説
明を参照されたい。
【0080】図37では、該回折格子113及び114
のブラッグ波長がλ1、該回折格子113a及び114
aのブラッグ波長がλ2、該第一の発光素子13の出力
光の波長がλ1、該第二の発光素子13aの出力光の波
長がλ2で、該第一の発光素子13が該マッハツェンダ
型光フィルタのポートP2に、該第二の発光素子13a
が該第一のマッハツェンダ型光フィルタ11のポートP
3に接続され、該第一の受光素子14が該第二のマッハ
ツェンダ型光フィルタ11aのポートP2aに、該第二
の受光素子14aが第二のマッハツェンダ型光フィルタ
11aのポートP3aに接続される例を示している。
尚、該第一の受光素子14及び該第二の受光素子14a
は比較的広帯域の光信号を受信できる。
【0081】該第一の発光素子13の出力光の波長は該
回折格子113及び114のブラッグ波長と等しいλ1
であるから、該第一の発光素子13の出力光は該回折格
子113及び114によって反射されて該第一のマッハ
ツェンダ型光フィルタ11のポートP1から該光伝送路
15に出力され、該第二のマッハツェンダ型光フィルタ
11aのポートP1aに到達する。ポートP1aに到達
した該第一の発光素子13が出力する光信号は、波長が
該回折格子113a及び114aのブラッグ波長λ2と
は異なるので、該第二のマッハツェンダ型光フィルタ1
1aを透過してポートP3aに配置された該第二の受光
素子14aで受信される。
【0082】一方、該第二の発光素子13aの出力光の
波長は該回折格子113及び114のブラッグ波長とは
異なるλ2であるから、該第二の発光素子13aの出力
光は該第一のマッハツェンダ型光フィルタを透過してポ
ートP1から該光伝送路15に出力され、該第二のマッ
ハツェンダ型光フィルタのポートP1aに到達する。ポ
ートP1aに到達した該第二の発光素子が出力する光信
号は、波長が該回折格子113a及び114aのブラッ
グ波長に等しいので、該回折格子113a及び114a
によって反射されてポートP2aに配置された該第二の
受光素子14aで受信される。
【0083】即ち、図37の構成の通信経路は該第一の
発光素子13と該第二の受光素子14aの間と該第二の
発光素子13aと該第一の受光素子14の間に形成され
る。一方、図36の構成のクロストークの経路は該第一
の発光素子13から該第一の受光素子14に到る経路と
該第二の発光素子13aから該第二の受光素子14aに
到る経路である。
【0084】今、該第一の発光素子13と該第二の発光
素子13aの出力パワーが同じで、該第一の受光素子1
4と該第二の受光素子14aの光−電気変換の感度が等
しく、該光伝送路の伝送損失が30dBで、必要な信号
対雑音比が20dBの場合を考える。
【0085】ここで、該第一のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11の透過特性とクロストーク特性は図28と図3
0に示す特性であり、該第二のマッハツェンダ型光フィ
ルタ11aの透過特性とクロストーク特性は、図28と
図30において波長λ1における透過損失の極大点と極
少点を波長λ2に移動した特性であり、該光伝送路15
の伝送損失が30dBである場合、該第二の発光素子1
3aが出力する信号光は約30dBの減衰を受けて該第
一の受光素子14に到達する。一方、該第一の受光素子
14では雑音光となる該第一の発光素子13が出力する
波長λ1の光は、該光伝送路15で約30dBの減衰を
受けて該第二のマッハツェンダ型光フィルタ11aのポ
ートP1aに到達し、図28に示す如く、該第二のマッ
ハツェンダ型光フィルタ11aのポートP1aとポート
P2aの間で約35dBの減衰を受けて第一の受光素子
14に到達する。
【0086】従って、該第一の受光素子14における信
号対雑音比は約35dBとなり、必要な信号対雑音比2
0dBをクリアすることができる。尚、片方向波長多重
通信を行なう構成としては、素子の配置及び発光素子の
波長及び回折格子のブラッグ波長の配分によって図37
の構成とは異なる構成も可能であるが、これは双方向通
信を行なう場合について図32から図36において説明
したことと同様であるので、これ以上の説明は省略す
る。
【0087】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実は、図25
の構成において図30に示したクロストーク減衰量が得
られる場合に、ポートP2とポートP3間で所要のアイ
ソレーションがとれるのは、発光素子が出力する光信号
のスペクトルが図38に示すような単色性のスペクトル
を有する場合である。
【0088】発光素子としてレーザ・ダイオードが使用
されることが多いが、レーザ・ダイオードの発光スペク
トルは、単色性がよいとされるDFB(Distri- buted
Feedback ;分布帰還型)レーザ・ダイオードであって
も、実際には、その発光スペクトルは図39に示すよう
に多数のサイド・モードを有しており、最大のサイド・
モードのレベルは主モードから20乃至30dB程度低
いだけである。
【0089】図39のような発光スペクトルを有するレ
ーザ・ダイオードを回折格子のブラッグ波長がλ1であ
るマッハツェンダ型光フィルタ(図25)のポートP2
に配置して、ポートP2及びポートP3においてスペク
トルを計測すると図40の実線で示すような結果を得
る。
【0090】即ち、サイド・モードはマッハツェンダ型
干渉装置本来の約15乃至20dBの減衰しか受けずに
ポートP3に達する。そして、受光素子として一般的に
使用されるフォト・ダイオードは比較的広い帯域の光を
受信できるので、クロストーク成分としてフォト・ダイ
オードが受信するレベルは図40において“P3におけ
るスペクトル”として示されているスペクトルの積分値
になる。
【0091】実際にポートP3にフォト・ダイオードを
配置して図40の“P2におけるスペクトル”を積分し
た出力を測定すると、最大のサイド・モードのレベルよ
り10dB程度高いレベルになる。つまり、DFBレー
ザ・ダイオードを発光素子として使用する場合、図25
の構成のポートP2におけるサイド・モードのトータル
のレベルは主モードのレベルに対して10乃至30dB
低下したレベルである。これが現実のマッハツェンダ型
干渉装置のクロストークに対応する減衰を受けてポート
P3に達するので、サイド・モードに着目したポートP
2とポートP3の間のアイソレーションは、〔(10〜
30)+(15〜20)〕dB=25〜50dBとな
る。
【0092】そして、双方向通信をする場合、相手局か
ら送信された波長λ2の光信号がマッハツェンダ型光フ
ィルタのポートP1から入力されるが、光伝送路の減衰
量が30dBであるとすれば、ポートP3に配置される
受光素子におけるサイド・モードだけでも信号対雑音比
は最悪−5dBとなって、通常必要とされる信号対雑音
比20dBをクリアできなくなる。
【0093】従って、図32に示した双方向通信をする
場合の構成例(ケース1)も、実際には必要な信号対雑
音比を確保することができなくなる。本発明は、かかる
問題点に鑑み、不要波長に対して大きなクロストーク減
衰量を容易に確保することが可能な光フィルタ、及び該
光フィルタを適用した、異なる波長の光信号間で高いア
イソレーションを容易に得られる光通信装置を提供する
ことを目的とする。
【0094】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理で
ある。図1において、11はマッハツェンダ型光フィル
タによる第一の光回路、111及び112は該第一の光
回路11を構成する光ファイバである。又、11’はマ
ッハツェンダ型光フィルタによる第二の光回路、11
1’及び112’は該第二の光回路11’を構成する光
ファイバである。
【0095】該第一の光回路11を構成する該二の光フ
ァイバ111及び112は互いに交叉することがないよ
うに配置されており、図1に示すようにAからEの五の
連続した領域から成っている。その第一の領域Aと第三
の領域C及び第五の領域Eにおいては、該二の光ファイ
バ111及び112を伝播する光が互いに結合しない程
度に該二の光ファイバは互いに離されて配置されてい
る。一方、第二の領域B及び第四の領域Dにおいては、
該二の光ファイバ111及び112は該二の光ファイバ
を伝播する光が結合できる程度に、例えばファイバ融着
技術によって融着され、該二の光ファイバのコアが近接
させられて3dBカプラが形成されている。尚、該第一
の光回路11において、上記第一の領域Aに設けられる
ポートをP1及びP2とし、上記第五の領域に設けられ
るポートをP3及びP4とする。
【0096】113及び114は上記第三の領域Cの一
部に形成された回折格子である。同様に、該第二の光回
路11’を構成する該二の光ファイバ111’及び11
2’は互いに交叉することがないように配置されてお
り、図1に示すようにA’からE’の五の連続する領域
から成っている。その第六の領域A’と第八の領域C’
及び第十の領域E’においては、該二の光ファイバ11
1’及び112’を伝播する光が互いに結合しない程度
に該二の光ファイバは互いに離されて配置されている。
一方、第七の領域B’及び第九の領域D’においては、
該二の光ファイバ111’及び112’は該二の光ファ
イバを伝播する光が互いに結合できる程度に、例えばフ
ァイバ融着技術によって融着され、該二の光ファイバの
コアが近接させられて3dBカプラが形成されている。
尚、該第二の光回路11’において、上記第六の領域
A’に設けられるポートをP5及びP6とし、上記第十
の領域E’に設けられるポートをP7及びP8とする。
【0097】113’及び114’は上記第三の領域
C’の一部に形成された回折格子である。尚、光ファイ
バに回折格子を形成する方法については、図31におい
て既に説明している。
【0098】そして、該第一の光回路11と該第二の光
回路11’を、上記第一の領域Aのポートの一方と上記
第六の領域A’のポートの一方において接続したものが
本発明の光フィルタの原理的構成である。図1では、上
記第一の領域AのポートP2と上記第六の領域A’のポ
ートP5とを接続する例を示している。尚、接続技術
は、通常のスプライシングでよい。
【0099】ここで、該回折格子113、114、11
3’及び114’のブラッグ波長が全てλ1で、ポート
P6に波長λ1の近傍の光信号が入力される場合には、
波長λ1の光信号は該回折格子113’、114’にお
いて反射されてポートP6からポートP5(ポートP
2)に殆ど減衰を受けずに達する。即ち、波長λ1近傍
の光信号に対しては、図1の構成のポートP6に信号源
を配置するのも、図25の構成でポートP2に配置する
のも同等である。
【0100】そして、ポートP2からポートP3への経
路でポートP3に漏れ出る波長λ1の光信号は、該回折
格子113及び114の反射率と該第一の光回路でのク
ロストーク特性に対応する減衰を受ける。この減衰量
は、図30により50乃至55dBである。
【0101】そして、ポートP6に配置される発光素子
が波長λ1以外のサイド・モードを有する場合には、そ
のサイド・モードは第二の光回路11’を透過してゆく
ので、ポートP5(ポートP2)には減衰して到達す
る。この減衰量は、図28により35dBである。即
ち、図1の構成で信号源をポートP6に配置する場合の
ポートP2におけるサイド・モードのレベルは、図25
の構成で信号源をポートP2に配置する場合より35d
B低くなる。
【0102】図25の構成の場合、図40の説明におい
て記載した如く、ポートP2とポートP3の間のサイド
・モードに対するアイソレーションは25乃至50dB
であるので、図1の構成で信号源をポートP6に配置し
た場合に、ポートP6とポートP3の間のアイソレーシ
ョンは60乃至85dBとなる。
【0103】即ち、図1の構成によれば、ポートP6に
配置される信号源が図39の如きサイド・モードを有し
ていても、ポートP6とポートP3間で50dB超のア
イソレーションが得られる。従って、光伝送路で30d
Bの減衰を受けてポートP1に到達する、λ1とは異な
る波長の光信号に対して20dB以上の信号対雑音比を
確保することができる。
【0104】従って、図1の構成のように二のマッハツ
ェンダ型光フィルタを組み合わせた光フィルタを適用す
ることによって、十分な信号対雑音比を有する双方向通
信装置を構成することができる上、片方向波長多重通信
装置も構成することができる。
【0105】
【発明の実施の形態】図1において、二のマッハツェン
ダ型光フィルタを接続した構成である本発明の原理を説
明した。
【0106】ところで、図1の構成におけるマッハツェ
ンダ型光フィルタによる第二の光回路は、該第二の光フ
ィルタに設けられた回折格子113’及び114’のブ
ラッグ波長がλ1である場合に、ポートP6に配置され
た主モードの波長がλ1でサイド・モードを有する信号
源について、主モードの波長λ1の光信号をポートP6
からポートP5に透過させ、波長λ1以外のサイド・モ
ードを該回折格子113’及び114’に透過させ、ポ
ートP6からポートP5への透過損失を大きくする目的
のために使用されている。
【0107】従って、上記目的に合致する構成であれば
図1の構成に限定されない。図2は、本発明の第一の実
施の形態である。図2において、1は光フィルタ、11
はマッハツェンダ型光フィルタによる第一の光回路、1
2は該第一の光回路11に接続される第二の光回路であ
る。
【0108】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する光ファイバ、121及び122は該第二の
光回路12を構成する光ファイバである。該第一の光回
路11を構成する該二の光ファイバ111及び112は
互いに交叉することがないように配置されており、図2
に示すようにAからEの五の連続した領域から成ってい
る。その第一の領域Aと第三の領域C及び第五の領域E
においては、該二の光ファイバ111及び112を伝播
する光が互いに結合しない程度に該二の光ファイバは互
いに離されて配置されている。一方、第二の領域B及び
第四の領域Dにおいては、該二の光ファイバ111及び
112は該二の光ファイバを伝播する光が互いに結合し
うる程度に、例えばファイバ融着技術によって融着さ
れ、該二の光ファイバのコアが近接させられて3dBカ
プラが形成されている。尚、該第一の光回路において、
上記第一の領域Aに設けられるポートをP1及びP2と
し、上記第五の領域Eに設けられるポートをP3及びP
4とする。
【0109】113及び114は上記第三の領域Cの一
部に形成された回折格子である。同様に、該第二の光回
路11を構成する該二の光ファイバ121及び122は
互いに交叉することがないように配置されており、図1
に示すようにFからHの三の連続した領域から成ってい
る。その第六の領域Fと第八の領域Hにおいては、該二
の光ファイバ121及び122を伝播する光が互いに結
合しない程度に該二の光ファイバは互いに離されて配置
されている。一方、第七の領域Gにおいては、該二の光
ファイバ121及び122は該二の光ファイバを伝播す
る光が互いに結合可能なように、例えばファイバ融着技
術によって融着され、該二の光ファイバのコアが近接さ
せられて3dBカプラが形成されている。尚、該第二の
光回路においては、上記第六の領域Fのみにポートが設
けられ、そのポートをP5及びP6とする。
【0110】123及び124は上記第三の領域Gの一
部に形成された回折格子である。尚、光ファイバに回折
格子を形成する方法については、図31によって既に説
明している。
【0111】そして、該第一の光回路11と該第二の光
回路12を、上記第一の領域Aのポートの一方と上記第
六の領域Fのポートの一方において接続したものが本発
明の光フィルタの第一の実施の形態である。図2では、
上記第一の領域AのポートP2と上記第六の領域Fのポ
ートP5とを接続する例を示している。
【0112】ここで、回折格子113、114、123
及び124のブラッグ波長が全てλ1で、ポートP6に
波長λ1の近傍の光信号が入力される場合には、波長λ
1の光信号は回折格子123、124によって反射され
てポートP6からポートP5(ポートP2)に殆ど減衰
を受けずに達する。即ち、波長λ1近傍の光信号に対し
ては、図2の構成のポートP6に信号源を配置するの
も、図25の構成でポートP2に配置するのも同等であ
る。
【0113】そして、ポートP2からポートP3への経
路でポートP3に漏れ出る波長λ1の光信号は、回折格
子113及び114の反射率と第一の光回路における現
実のマッハツェンダ型干渉装置のクロストーク特性に対
応する減衰を受ける。
【0114】そして、ポートP6に配置される発光素子
が波長λ1以外のサイド・モードを有する場合には、そ
のサイド・モードは第二の光回路12を透過してゆくの
で、ポートP5(ポートP2)には減衰して到達する。
即ち、図2の構成で信号源をポートP6に配置する場合
のポートP2におけるサイド・モードのレベルは、図2
5の構成で信号源をポートP2に配置する場合より第二
の光回路12を透過してゆくことによって減衰する分だ
け低くなる。
【0115】ただ、該第二の光回路12の第八の領域H
の、第七の領域Gとの境界とは反対側の先端において反
射があると上記の特性に劣化が生ずるので、該第二の光
回路の第八の領域Hの、第七の領域Gとの境界とは反対
側の先端には無反射処理を施しておくのが望ましい。無
反射処理の代表的な技術としては、所謂無反射膜を形成
する技術がある。
【0116】即ち、図2の構成によっても図1の構成と
同様に、ポートP6とポートP3との間で十分なアイソ
レーションが得られる。図3は、図2の構成の透過特性
(その1)で、ポートP1とポートP3の間、及びポー
トP1とポートP6の間の透過損失を示している。
【0117】図3において、横軸は入力される光信号の
波長、縦軸は透過損失で単位はdBである。ポートP1
から光信号を入力してポートP3で受ける場合、光信号
の波長が回折格子113及び114のブラッグ波長λ1
から離れている時には殆ど減衰なしに第一の光回路11
を透過してポートP3に達し、光信号の波長が回折格子
113及び114のブラッグ波長λ1の近傍である時に
は回折格子113及び114での反射による減衰を受け
てポートP3に達する。そして、その透過損失は、光信
号の波長が回折格子113及び114のブラッグ波長λ
1の近傍の時だけ約35dBであり、光信号の波長が回
折格子113及び114のブラッグ波長λ1から離れて
いる時には0.4dB乃至2dB程度である。尚、回折
格子113及び114のブラッグ波長λ1より少し波長
が短いところで透過損失が約2dBと若干大きくなるの
は、回折格子特有の現象である。
【0118】逆にポートP3から光信号を入力してポー
トP1で受ける場合も同様な特性になる。又、ポートP
1から光信号を入力してポートP6で受ける場合、波長
が回折格子113、114及び回折格子123、124
のブラッグ波長λ1近傍の時には回折格子113、11
4及び回折格子123、124によって反射されるため
に、入力パワーの殆どがポートP6に達するので、透過
損失は0.4dB程度と小さい。一方、波長が回折格子
113、114、123及び124のブラッグ波長λ1
から離れている場合には、ポートP1に入力された光信
号の殆どは第一の光回路を透過してゆくので、ポートP
2には減衰を受けて到達する。しかも、それが第二の光
回路12において殆どが第二の光回路を透過してゆくた
めに、更に減衰を受けてポートP6に達するので、この
時には透過損失は約50dBになる。
【0119】逆にポートP6から光信号を入力してポー
トP1で受ける場合も同様な特性になる。図4は、図2
の構成の透過特性(その2)で、ポートP2とポートP
3及びポートP2とポートP6の間の透過損失と、それ
らの和であるポートP3とポートP6の間の透過損失を
示している。
【0120】図4において、横軸は入力される光信号の
波長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。ポートP
6から光信号を入力してポートP2で受ける場合、波長
が回折格子123及び124のブラッグ波長λ1から離
れている時には光信号の大半は第二の光回路を透過して
ゆき、ポートP5(ポートP2)側には殆ど反射してこ
ないから、入力光は回折格子による反射損失に相当する
約35dBの減衰を受けてポートP2に達する。一方、
波長が回折格子のブラッグ波長λ1近傍の時には光信号
の殆どは回折格子123及び124によって反射される
ので、ポートP2には殆ど減衰を受けないで到達する。
【0121】逆に、ポートP2から入力してポートP6
で受ける場合も同じ損失特性になる。又、ポートP2か
らポートP3への経路では、波長が回折格子113及び
114のブラッグ波長λ1から離れている時には約15
乃至20dBの現実のマッハツェンダ型干渉装置のクロ
ストークに対応する減衰を受けてポートP3に到達す
る。一方、波長が回折格子のブラッグ波長λ1近傍の時
には回折格子113及び114の反射率に相当する減衰
と現実のマッハツェンダ型干渉装置のクロストークに対
応する減衰を受けてポートP3に到達するので、損失は
約50乃至55dBとなる。
【0122】逆に、ポートP3から入力してポートP2
で受ける場合にも損失特性は同じになる。従って、ポー
トP6からポートP2の間の損失とポートP2からポー
トP3の間の損失の和に等しいポートP6からポートP
3の経路での損失は、全ての波長帯域で約50乃至55
dBとなり、十分なアイソレーションが得られる。
【0123】逆に、ポートP3から入力してポートP6
で受ける経路での損失特性も同じになる。そして、ポー
トP6に入力される光信号がサイド・モードを有する場
合、そのサイド・モードは第二の光回路12を透過して
ゆくので、ポートP5(ポートP2)には減衰して到達
する。この減衰量は、図28により約35dBである。
即ち、図2の構成で信号源をポートP6に配置する場合
のポートP2におけるサイド・モードのレベルは、図2
5の構成で信号源をポートP2に配置する場合より35
dB低くなる。
【0124】図25の構成の場合、図40の説明におい
て記載した如く、ポートP2とポートP3の間のサイド
・モードのアイソレーションは25乃至40dBである
ので、図2の構成で信号源をポートP6に配置した場合
に、ポートP6からポートP3に到達するサイド・モー
ドのレベルは主モードのレベルより約60乃至75とな
る。
【0125】従って、図2の構成によっても、主モード
に対するアイソレーションもサイド・モードに対するア
イソレーションも十分に大きくなる。その上、図1の構
成と比較すると、図1における第九の領域D’及び第十
の領域E’の部分が不要であるので、光フィルタの長さ
を縮減することができる利点がある。
【0126】図5は、本発明の第二の実施の形態であ
る。図5において、1は光フィルタ、11はマッハツェ
ンダ型光フィルタによる第一の光回路、12は該第一の
マッハツェンダ型光フィルタ11に接続される第二の光
回路である。
【0127】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する光ファイバ、121及び122は該第二の
光回路12を構成する光ファイバである。該第一の光回
路11を構成する該二の光ファイバ111及び112は
互いに交叉することがないように配置されており、図5
に示すようにAからEの五の連続した領域から成ってい
る。その第一の領域Aと第三の領域C及び第五の領域E
においては、該二の光ファイバ111及び112を伝播
する光が互いに結合しない程度に該二の光ファイバは互
いに離されて配置されている。一方、第二の領域B及び
第四の領域Dにおいては、該二の光ファイバ111及び
112は該二の光ファイバを伝播する光が結合可能なよ
うに、例えばファイバ融着技術によって融着され、二の
光ファイバのコアが近接させられて3dBカプラが形成
されている。尚、該第一の光回路において、上記第一の
領域Aに設けられるポートをP1及びP2とし、上記第
五の領域Eに設けられるポートをP3及びP4とする。
【0128】113及び114は上記第三の領域Cの一
部に形成された回折格子である。同様に、該第二の光回
路11を構成する該二の光ファイバ121及び122は
互いに交叉することがないように配置されており、図1
に示すようにFからHの三の連続した領域から成ってい
る。その第六の領域Fと第八の領域Hにおいては、該二
の光ファイバ121及び122を伝播する光が互いに結
合しない程度に該二の光ファイバは互いに離されて配置
されている。一方、第七の領域Gにおいては、該二の光
ファイバ121及び122は該二の光ファイバを伝播す
る光が互いに結合しうる程度に、例えばファイバ融着技
術によって融着され、二の光ファイバのコアが近接させ
られて3dBカプラが形成されている。尚、該第二の光
回路においては、上記第六の領域Fのみにポートが設け
られ、そのポートをP5及びP6とする。
【0129】123及び124は上記第三の領域Gの一
部に形成された回折格子である。尚、光ファイバに回折
格子を形成する方法については、図31を用いて既に説
明している。
【0130】そして、該第一の光回路11と該第二の光
回路12を、上記第一の領域Aのポートの一方と上記第
六の領域Fのポートの一方を接続したものが本発明の光
フィルタの第二の実施の形態である。図5では、上記第
一の領域AのポートP2と上記第六の領域FのポートP
5とを接続したもので、回折格子113、114、12
3及び124のブラッグ波長は全てλ2とした例を示し
ている。
【0131】尚、該第二の光回路の第八の領域Hの、第
七の領域Gとの境界とは反対側の先端には、無反射処理
を施しておくのが望ましい。図6は、図5の構成の透過
特性(その1)で、ポートP1とポートP3の間、及び
ポートP1とポートP6の間の透過損失を示している。
【0132】図6において、横軸は入力される光信号の
波長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。ポートP
1から光信号を入力してポートP3で受ける場合、光信
号の波長が回折格子113及び114のブラッグ波長λ
2から離れている時には入力パワーの大半は回折格子を
透過してポートP3に達するので損失は小さく、0.8
乃至2dB程度である。一方、光信号の波長が回折格子
のブラッグ波長λ2の近傍の時には入力パワーの大半は
回折格子で反射され、反射されなかった分だけがポート
P3に達するので、損失は約35dBとなる。
【0133】逆にポートP3から光信号を入力してポー
トP1で受ける場合も同様な特性になる。又、ポートP
1から光信号を入力してポートP6で受ける場合、光信
号の波長が回折格子113、114及び回折格子12
3、124のブラッグ波長λ2の近傍の時には回折格子
113、114及び回折格子123、124によって反
射されるために、入力パワーの大半がポートP6に達す
るので透過損失は0.4dB程度と小さい。一方、光信
号の波長が回折格子のブラッグ波長λ2から離れている
時には入力パワーの大半は回折格子を透過してゆくの
で、第一の光回路の回折格子113及び114の反射率
に対応した減衰を受けてポートP2に達し、更に、それ
が第二の光回路12において同じ減衰を受けてポートP
6に達する。従って、この時には透過損失は約50dB
になる。
【0134】逆にポートP6から光信号を入力してポー
トP1で受ける場合も同様な特性になる。図7は、図5
の構成の透過特性(その2)で、ポートP2とポートP
3及びポートP2とポートP6の間の透過損失と、それ
らの和であるポートP3とポートP6の間の透過損失を
示している。
【0135】図7において、横軸は入力される光信号の
波長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。ポートP
6から光信号を入力してポートP2で受ける場合、波長
が回折格子123及び124のブラッグ波長λ2から離
れている時には入力パワーの大半は回折格子123及び
124の方に透過してゆくから、入力光は回折格子の反
射損失に相当する約35dBの減衰を受けてポートP2
に達する。一方、波長が回折格子123及びのブラッグ
波長λ2近傍の時には入力パワーの大半は回折格子12
3及び124によって反射されるので、ポートP2には
殆ど減衰を受けないで到達する。
【0136】逆に、ポートP2から光信号を入力してポ
ートP6で受ける場合も同じ特性になる。又、ポートP
2からポートP3への経路では、波長が回折格子113
及び114のブラッグ波長λ2から離れている時には約
15乃至20dBの現実のマッハツェンダ型干渉装置ク
ロストークに対応する減衰を受けてポートP3に到達す
る。一方、波長が回折格子のブラッグ波長λ2近傍の時
には回折格子の反射率に相当する減衰と現実のマッハツ
ェンダ型干渉装置クロストークに対応する減衰を受けて
ポートP3に到達するので、損失は約50乃至55dB
となる。
【0137】逆に、ポートP3から光信号を入力してポ
ートP2で受ける場合も同じ特性になる。そして、ポー
トP6からポートP3の経路での損失は、ポートP6か
らポートP2の間の損失とポートP2からポートP3の
間の損失の和に等しいので、全ての波長帯域で約50乃
至55dBとなる。
【0138】逆にポートP3から光信号を入力してポー
トP6で受ける場合も同様な特性になる。そして、ポー
トP6側の光信号がサイド・モードを有する場合、サイ
ド・モードは第二の光回路12で回折格子123及び1
24への透過による減衰を受けた上、第一の光回路11
で現実のマッハツェンダ型干渉装置によるのと等しい減
衰を受けてポートP3に達するので、ポートP3におけ
るサイド・モードのアイソレーションは図25の構成に
比較して、第二の光回路12で回折格子123及び12
4への透過による減衰分だけ大きく、75乃至95dB
となる。
【0139】従って、図2の構成によっても、主モード
に対するアイソレーションもサイド・モードに対するア
イソレーションも十分に大きくなる。その上、図1の構
成と比較すると、図1における第九の領域D’及び第十
の領域E’の部分が不要であるので、光フィルタの長さ
を縮減することができる利点がある。
【0140】図8は、本発明の第三の実施の形態であ
る。図8において、1は光フィルタ、11はマッハツェ
ンダ型光フィルタによる第一の光回路、12は該第一の
光回路に接続される第二の光回路である。
【0141】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する光ファイバ、121及び122は該第二の
光回路12を構成する光ファイバである。該第一の光回
路11を構成する該二の光ファイバ111及び112は
互いに交叉することがないように配置されており、図8
に示すようにAからEの五の連続する領域から成ってい
る。その第一の領域Aと第三の領域C及び第五の領域E
においては、該二の光ファイバ111及び112を伝播
する光が互いに結合しない程度に該二の光ファイバは互
いに離されて配置されている。一方、第二の領域B及び
第四の領域Dにおいては、該二の光ファイバ111及び
112は該二の光ファイバを伝播する光が互いに結合可
能なように、例えばファイバ融着技術によって融着さ
れ、二の光ファイバのコアが近接させられて3dBカプ
ラが形成されている。尚、該第一の光回路において、上
記第一の領域Aに設けられるポートをP1及びP2と
し、上記第五の領域Eに設けられるポートをP3及びP
4とする。
【0142】113及び114は上記第三の領域Cの一
部に形成された回折格子である。同様に、該第二の光回
路11を構成する該二の光ファイバ121及び122は
互いに交叉することがないように配置されており、図8
に示すようにFからHの三の連続する領域から成ってい
る。その第六の領域Fと第八の領域Hにおいては、該二
の光ファイバ121及び122を伝播する光が互いに結
合しない程度に該二の光ファイバは互いに離されて配置
されている。一方、第七の領域Gにおいては、該二の光
ファイバ121及び122は該二の光ファイバを伝播す
る光が互いに結合可能なように、例えばファイバ融着技
術によって融着され、二の光ファイバのコアが近接させ
られて3dBカプラが形成されている。尚、該第二の光
回路12においては、上記第六の領域Fのみにポートが
設けられ、そのポートをP5及びP6とする。
【0143】123及び124は上記第七の領域Gの一
部に形成された回折格子である。尚、光ファイバに回折
格子を形成する方法については、図31を用いて既に説
明している。
【0144】そして、該第一の光回路11と該第二の光
回路12を、上記第一の領域Aのポートの一方と上記第
六の領域Fのポートの一方を接続したものが本発明の光
フィルタの第二の実施の形態である。図5では、上記第
一の領域AのポートP2と上記第六の領域FのポートP
5とを接続したもので、回折格子113、114のブラ
ッグ波長がλ1、回折格子123及び124のブラッグ
波長がλ2である例を示している。
【0145】尚、該第二の光回路の第八の領域Hの、第
七の領域Gとの境界とは反対側の先端には、無反射処理
を施しておくのが望ましい。図9は、図8の構成の透過
特性(その1)で、ポートP4とポートP3の間、及び
ポートP4とポートP6の間の透過損失を示している。
【0146】図9において、横軸は入力される光信号の
波長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。ポートP
4からポートP3に至る経路では、入力光信号の波長が
回折格子113及び114のブラッグ波長λ1から離れ
た波長の時には、入力パワーの大半が回折格子113及
び114を透過してゆき、僅かに反射する分がポートP
3に達するので、透過損失は約35dBである。一方、
入力光信号の波長が回折格子113及び114のブラッ
グ波長λ1の近傍の時には殆どのパワーが回折格子11
3及び114によって反射されてポートP3に達するの
で、透過損失は低く0.4dB程度である。
【0147】又、ポートP4からポートP6に至る経路
では、入力光信号の波長が回折格子113及び114の
ブラッグ波長λ1から離れた波長の時には回折格子11
3及び114を殆ど減衰なしに透過してポートP2(ポ
ートP5)に達し、回折格子123及び124のブラッ
グ波長λ2からも離れた波長の時にはポートP5に達し
たパワーの大半が回折格子123及び124を透過して
ゆき、僅かに反射する分がポートP6に達するので、透
過損失は約35dBである。一方、光信号の波長がλ1
の近傍の時には入力パワーの大半が回折格子113及び
114で反射され、僅かに透過した分がポートP2(ポ
ートP5)に達し、ポートP5に達したパワーの大半が
回折格子123及び124を透過してゆき、僅かに反射
した分がポートP6に達するので、透過損失は非常に大
きくなる。そして、光信号の波長がλ2の近傍の時には
回折格子113及び114を殆ど減衰なしに透過し、回
折格子123及び124によって殆どのパワーが反射さ
れるので、透過損失は低く0.8dB程度である。
【0148】図10は、図8の構成の透過特性(その
2)で、ポートP3とポートP6の間の透過損失を示し
ている。図10において、横軸は入力される光信号の波
長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。
【0149】ポートP3から入力される光信号の波長が
回折格子113及び114のブラッグ波長λ1から離れ
ている時には入力光信号は第一の光回路において現実の
マッハツェンダ型干渉装置におけるクロストークに等し
い減衰を受けてポートP2(ポートP5)に達し、更
に、回折格子123及び124のブラッグ波長λ2から
離れた波長の時には回折格子123及び124を透過し
て行き、僅かに反射する分がポートP6に達するので、
透過損失は約50乃至55dBとなる。一方、入力され
る光信号の波長が回折格子113及び114のブラッグ
波長λ1の近傍の時には入力パワーの大半が回折格子1
13及び114によって反射され、僅かに透過する分が
ポートP2(ポートP5)に達し、更に、ポートP5に
達したパワーの大半が回折格子123及び124を透過
してゆき、僅かに反射される分がポートP6に達するの
で、透過損失は非常に大きくなる。そして、入力光信号
の波長が回折格子123及び124のブラッグ波長λ2
の近傍の時には第一の光回路では現実のマッハツェンダ
型干渉装置のクロストークに等しい減衰を受けてポート
P2(ポートP5)に達し、ポートP5に達したパワー
は回折格子123及び124で殆どが反射されてポート
P6に達するので、透過損失は約15〜20dBとな
る。
【0150】従って、ポートP6とポートP3間のアイ
ソレーションは光信号の波長がλ2以外であれば、50
dB以上となる。そして、波長λ2の近傍でアイソレー
ションが低下する波長域は数nm(ナノ・メートル)と
極めて狭いので、サイド・モードのアイソレーションに
関しては殆ど問題にはならない。一方、波長λ2の主モ
ードのアイソレーションは不足するかに見えるが、光通
信装置を設計する際には図8の構成のポートP3とポー
トP6には波長λ2の光信号を接続しないようにするこ
とによって、主モードに対するアイソレーションも十分
にとることができる。
【0151】図11は、本発明の第四の実施の形態であ
る。図11において、1は光フィルタ、11はマッハツ
ェンダ型光フィルタによる第一の光回路、12は該第一
の光回路11に接続される第二の光回路である。
【0152】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する光ファイバ、121及び122は該第二の
光回路12を構成する光ファイバである。該第一の光回
路11を構成する該二の光ファイバ111及び112は
互いに交叉することがないように配置されており、図1
1に示すようにAからEの五の連続する領域から成って
いる。その第一の領域Aと第三の領域C及び第五の領域
Eにおいては、該二の光ファイバ111及び112を伝
播する光が互いに結合しない程度に該二の光ファイバは
互いに離されて配置されている。一方、第二の領域B及
び第四の領域Dにおいては、該二の光ファイバ111及
び112は該二の光ファイバを伝播する光が互いに結合
可能なように、例えばファイバ融着技術によって融着さ
れ、二のコアが近接させられて3dBカプラが形成され
ている。尚、該第一の光回路において、上記第一の領域
Aに設けられるポートをP1及びP2とし、上記第五の
領域Eに設けられるポートをP3及びP4とする。
【0153】113及び114は上記第三の領域Cの一
部に形成された回折格子である。同様に、該第二の光回
路11を構成する該二の光ファイバ121及び122は
互いに交叉することがないように配置されており、図1
1に示すようにFからHの連続する三の領域から成って
いる。その第六の領域Fと第八の領域Hにおいては、該
二の光ファイバ121及び122を伝播する光が互いに
結合しない程度に該二の光ファイバは互いに離されて配
置されている。一方、第七の領域Gにおいては、該二の
光ファイバ121及び122は該二の光ファイバを伝播
する光が互いに結合可能なように、例えばファイバ融着
技術によって融着され、該二の光ファイバのコアが近接
させられて3dBカプラが形成されている。尚、該第二
の光回路においては、上記第六の領域Fのみにポートが
設けられ、そのポートをP5及びP6とする。
【0154】123及び124は上記第七の領域Gの一
部に形成された回折格子である。尚、光ファイバに回折
格子を形成する方法については、図31において既に説
明している。
【0155】そして、該第一の光回路11と該第二の光
回路12を、上記第一の領域Aのポートの一方と上記第
六の領域Fのポートの一方を接続したものが本発明の光
フィルタの第四の実施の形態である。図5では、上記第
一の領域AのポートP2と上記第六の領域FのポートP
5とを接続したもので、回折格子113、114のブラ
ッグ波長がλ2、回折格子123及び124のブラッグ
波長がλ1である例を示している。
【0156】尚、該第二の光回路の第八の領域Hの、第
七の領域Gとの境界とは反対側の先端には、無反射処理
を施しておくのが望ましい。図12は、図11の構成の
透過特性(その1)で、ポートP3とポートP4の間の
透過損失及びポートP4とポートP6の間の透過損失を
示している。
【0157】図12において、横軸は入力される光信号
の波長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。ポート
P4からポートP3に至る経路では、入力光信号の波長
が回折格子113及び114のブラッグ波長λ2から離
れた波長の時には殆どのパワーが回折格子113及び1
14を透過してゆき、僅かに反射した分がポートP3に
達するので、透過損失は約35dBである。一方、入力
光信号の波長が回折格子113及び114のブラッグ波
長λ2の近傍の時には殆どのパワーが回折格子113及
び114によって反射されてポートP3に達するので、
透過損失は低く0.4dB程度である。
【0158】又、ポートP4からポートP6に至る経路
では、入力光信号の波長が回折格子113及び114の
ブラッグ波長λ2から離れた波長の時には回折格子11
3及び114を殆ど減衰なしに透過してポートP2(ポ
ートP5)に達し、回折格子123及び124のブラッ
グ波長λ1からも離れた波長の時には、ポートP5に達
したパワーの大半は回折格子123及び124を透過し
てゆき、僅かに反射する分がポートP6に達するので、
透過損失は約35dBである。一方、光信号の波長がλ
2の近傍の時には殆どのパワーが回折格子113及び1
14によって反射され、僅かに透過する分がポートP2
(ポートP5)に達し、ポートP5に達したパワーの大
半が回折格子123及び124を透過してゆき、僅かに
反射する分だけがポートP6に達するので、透過損失は
非常に大きくなる。そして、波長がλ1の近傍の時には
回折格子113及び114を殆ど減衰なしに透過し、回
折格子123及び124によって殆どのパワーが反射さ
れるので、透過損失は低く0.8dB程度である。
【0159】図13は、図11の構成の透過特性(その
2)で、ポートP3とポートP6の間の透過損失を示し
ている。図13において、横軸は入力される光信号の波
長、縦軸は透過損失で、単位はdBである。
【0160】ポートP3から入力される光信号の波長が
回折格子113及び114のブラッグ波長λ2から離れ
ている時には入力光信号は第一の光回路において現実の
マッハツェンダ型干渉装置におけるクロストーク減衰量
と同じ減衰を受けてポートP2(ポートP5)に達し、
更に、回折格子123及び124のブラッグ波長λ1か
ら離れた波長の時には、ポートP5に達したパワーの大
半が回折格子123及び124を透過してゆき、僅かに
反射する分がポートP6に達するので、透過損失は約5
0乃至55dBとなる。一方、入力される光信号の波長
が回折格子113及び114のブラッグ波長λ2近傍の
時には殆どのパワーが回折格子113及び114によっ
て反射され、僅かに透過する分がポートP2(ポートP
5)に達し、ポートP5に達したパワーの大半が回折格
子123及び124を透過してゆき、僅かに反射する分
がポートP6に達するので、透過損失は非常に大きくな
る。そして、入力光信号の波長が回折格子123及び1
24のブラッグ波長λ1近傍の時には、第一の光回路で
は現実のマッハツェンダ型干渉装置におけるクロストー
ク減衰量に等しい減衰のみを受けてポートP2(ポート
P5)に達し、ポートP5に達したパワーの大半が回折
格子123及び124によって反射されてポートP6に
達するので、透過損失は約15〜20dBとなる。
【0161】そして、波長λ1の近傍でアイソレーショ
ンが低下する波長域は数nm(ナノ・メートル)と極め
て狭いので、サイド・モードのアイソレーションに関し
ては殆ど問題にはならない。一方、波長λ1の主モード
のアイソレーションは不足するかに見えるが、図8の構
成の光フィルタのポートP3とポートP6には波長λ1
の光信号を接続しないように設計することによって、主
モードに対するアイソレーションも十分にとることがで
きる。
【0162】これまでは、本発明の光フィルタを光ファ
イバによって構成する例を説明してきたが、本発明の光
フィルタは他の手段によっても構成できる。図14は、
本発明の第五の実施の形態で、光フィルタを平面型光導
波路技術を適用して構成する場合を示している。
【0163】図14において、1は光フィルタ、10は
該光フィルタ1を形成する基板、11はマッハツェンダ
型光フィルタによる第一の光回路、12は該第一の光回
路11に接続される第二の光回路である。
【0164】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路、121及び122は該第
二の光回路12を構成する平面型光導波路である。該第
一の光回路11を構成する該二の平面型光導波路111
及び112は互いに交叉することがないように配置され
ており、図14に示すようにAからEの五の連続する領
域から成っている。その第一の領域Aと第三の領域C及
び第五の領域Eにおいては、該二の平面型光導波路11
1及び112を伝播する光が互いに結合しない程度に該
二の平面型光導波路は互いに離されて配置されている。
一方、第二の領域B及び第四の領域Dにおいては、該二
の平面型光導波路111及び112は該二の平面型光導
波路を伝播ろる光が互いに結合可能なように、該二の平
面型光導波路のコアは近接させられて3dBカプラが形
成されている。尚、該第一の光回路において、上記第一
の領域Aに設けられるポートをP1及びP2(このポー
トは外部には引き出されない。)とし、上記第五の領域
Eに設けられるポートをP3及びP4とする。
【0165】113及び114は上記第三の領域Cの一
部に形成された回折格子である。同様に、該第二の光回
路11を構成する該二の平面型光導波路121及び12
2は互いに交叉することがないように配置されており、
図14に示すようにFからHの連続した三の領域から成
っている。その第六の領域Fと第八の領域Hにおいて
は、該二の平面型光導波路121及び122を伝播する
光が互いに結合しない程度に該二の平面型光導波路のコ
アは互いに離されて配置されている。一方、第七の領域
Gにおいては、該二の平面型光導波路121及び122
は該二の平面型光導波路を伝播する光が互いに結合可能
なように、該二の平面型光導波路のコアが近接させられ
て3dBカプラが形成されている。尚、該第二の光回路
においては、上記第六の領域FのみにポートP5(この
ポートは外部には引き出されない。)とポートP6が設
けられる。
【0166】123及び124は上記第七の領域Gの一
部に形成された回折格子である。そして、該第一の光回
路11と該第二の光回路12を、上記第一の領域Aのポ
ートの一方と上記第六の領域Fのポートの一方を接続し
たものが本発明の光フィルタの第五の実施の形態であ
る。図14では、上記第一の領域AのポートP2と上記
第六の領域FのポートP5とを接続したもので、回折格
子113、114のブラッグ波長がλ1、回折格子12
3及び124のブラッグ波長がλ1である例を示してい
る。尚、ポートP2とポートP5の接続は、通常は、該
平面型光導波路112と該平面型光導波路121を連続
して形成することによってなされる。
【0167】図14の構成は、光フィルタを構成するの
に平面型光導波路を適用した点に特徴がある。即ち、平
面型光導波路は基板上に光導波路が形成されるので、光
ファイバの場合に必要になる光ファイバ固定用のケーブ
ル・ホルダなどの機構部品が不要であり、光回路の機構
的構成が簡易になる。
【0168】又、光導波路のコアを形成するためには、
後述するように、半導体で広く用いられているフォト・
リソグラフィ技術を適用できるので、寸法誤差が少な
く、且つ、量産性に富んでいるという利点がある。
【0169】さて、光回路としての図14の構成は、図
2の構成と等価な透過特性を有することは容易に理解で
きる。従って、図14の構成の光信号の透過特性に関す
る説明は省略する。ただ、上記第八の領域Hの、第七の
領域Gとの境界とは反対側の先端が平面型光導波路の端
面に出る場合には、第八の領域Hの、第七の領域Gとの
境界とは反対側の先端において無反射処理を施すのが望
ましいということだけ付言しておく。
【0170】又、光回路として見た場合、平面型光導波
路を適用して図5、図8、図11に示したものと等価な
透過特性を得られる構成が可能なことも自明である。従
って、図5、図8、図11の構成に対応する平面型光導
波路を適用した光フィルタの構成と光信号の透過特性に
ついても、説明を省略する。
【0171】図15は、平面型光導波路を適用した光フ
ィルタにおける回折格子の構成と屈折率の分布を示す図
であるが、併せて光導波路の構造の概要も説明する図で
ある。
【0172】図15(イ)回折格子の構成において、1
0は基板、111−1及び112−1は平面型光導波路
のコア、111−2及び112−2は平面型光導波路の
クラッドである。そして、111−1及び111─2に
よって平面型光導波路が、1112−1及び112─2
によって平面型光導波路が構成される。
【0173】まず、平面型光導波路の構成について概要
を説明する。平面型光導波路を形成する基板は通常Si
(シリコン)又は石英ガラスである。その基板上にSi
2 (二酸化シリコン)を堆積させて後に熱処理をして
石英ガラス化するか、CVD(Chemical Vapour Deposi
on) 法で石英ガラスを成膜して平面型光導波路のクラッ
ド部分を形成する。
【0174】そして、コアにする部分だけにフォト・リ
ソグラフィによって不純物を添加して屈折率をクラッド
部より高くし、更に、上記の方法でクラッドになる石英
ガラスを形成する。尚、本発明においては、コアの部分
に回折格子を形成することを考慮して、ゲルマニウムを
不純物として添加する。
【0175】113(114)は該平面型光導波路のコ
ア111−1(112−1)の一部に形成された回折格
子である。該回折格子113(114)は平面型光導波
路のコア111−1(112−1)の一部に屈折率が高
い部分を一定の間隔で作り込んで形成する。その屈折率
分布は図15(ロ)に示すように、ピッチΓで屈折率が
極大になる。
【0176】そして、平面型光導波路を伝播する光が感
ずる平面型光導波路の屈折率をnとすれば、回折格子は
ブラッグ波長λ=2×Γ×nの光を選択的に反射し、ブ
ラッグ波長λから離れた波長を透過させることは光ファ
イバの場合と同じである。
【0177】さて、図31において説明したことと殆ど
同じであるが、回折格子を形成する方法の一例を紹介し
ておく。図16は、回折格子を形成する方法の一例であ
る。
【0178】図16において、10は基板、111−1
(112−1)は平面型光導波路のコア、111−2
(112─2)は平面型光導波路のクラッドである。そ
して、コア111−1(112−1)及びクラッド11
1−2(112−2)によって平面型光導波路が構成さ
れる。又、15は紫外線に対するマスクである。そし
て、平面型光導波路のコア111−1(112−1)に
は、前述の如く、ゲルマニウムをドープしてある。
【0179】ゲルマニウムをドープされた平面型光導波
路のコアの屈折率は、紫外線を強く照射された部分で高
くなり、紫外線の照射が弱かった部分では変化が少ない
ので、紫外線が透過する部分と紫外線を遮断する部分を
交互に形成したフォト・マスクを平面型光導波路に密着
させて紫外線を照射して、コアに図15(ロ)に示す如
き屈折率変化を形成する。
【0180】又、紫外線を二の光束に分割し、二の光束
の干渉を用いる2光束干渉露光法によっても、コアに図
15(ロ)に示す如き屈折率変化を形成することができ
る。ここまでは、光フィルタを中心に説明してきたが、
光フィルタを適用して光通信装置を構成するためには、
光フィルタと発光素子及び受光素子を組み合わせた光回
路が必要になる。
【0181】図17は、本発明の第六の実施の形態で、
図14の構成に発光素子と受光素子(発光素子と受光素
子を区別する必要がない場合には光半導体と記載す
る。)を搭載したものを示している。
【0182】図17において、1は光半導体を搭載した
光フィルタ、10は該光フィルタ1を形成する基板、1
1はマッハツェンダ型光フィルタによる第一の光回路、
12は該第一の光回路11に接続される第二の光回路で
ある。
【0183】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路で、コア111−1とクラ
ッド111−2及びコア112−1とクラッド112−
2によって構成される。又、121及び122は該第二
の光回路12を構成する平面型光導波路である。特に図
示はしていないが、平面型光導波路121及び122の
構成も、平面型光導波路111及び112の構成と同様
である。
【0184】更に、113及び114は該第一の光回路
を構成する該二の平面型光導波路111及び112の一
部に形成された回折格子、123及び124は該第二の
光回路を構成する該二の平面型光導波路121及び12
2の一部に形成された回折格子である。
【0185】尚、該第一の光回路及び該第二の光回路の
構成の詳細は、図14の説明を参照されたい。そして、
13及び14は発光素子と受光素子である。図17にお
いては、発光素子を第一の光回路のポートP3に、受光
素子を第二の光回路のポートP6に配置した例を示して
いる。
【0186】光半導体を搭載した光フィルタの構造の概
要を示す側断面図を図17(ロ)に示す。平面型光導波
路は、既に説明した如く、基板10上に薄膜状に形成さ
れ、平面型光導波路の端面にコアが露出している。この
露出したコアと発光素子の発光部13−1(受光素子の
受光部14−1)を対向させて光半導体を基板上に配置
する。この場合、露出したコアと光半導体の発光部又は
受光部をできるだけ近接させることが望ましい。そし
て、光半導体を基板に固定する技術としては一般の半導
体デバイスで行なうように、例えばダイ・ボンディング
法を適用すればよい。
【0187】このように、平面型光導波路を適用する
と、光半導体のチップを平面型光導波路の基板上に搭載
することができるので、例えばパッケージングされた光
半導体を適用する場合に光回路と光半導体間の結合に必
要な光ファイバが不要になる上、ハイブリッド集積回路
の如く、光半導体へ電気信号を供給する配線や電源を供
給する配線(図示を省略している。)を該基板10上に
構成できるので、光通信装置の構成を簡易化できる。
【0188】さて、以降は本発明の光フィルタを適用し
た本発明の光通信装置に関して説明する。図18は、双
方向通信を行なう場合の構成例(ケース1)である。
【0189】図18において、1は光半導体を搭載した
第一の光フィルタ、10は該第一の光フィルタ1を形成
する基板、11はマッハツェンダ型光フィルタによる第
一の光回路、12は該第一の光回路11に接続される第
二の光回路である。
【0190】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路、121及び122は該第
二の光回路12を構成する平面型光導波路であり、該平
面型光導波路111、112、121及び122の一部
には、図14の構成と同様に、回折格子113、11
4、123及び124が設けられている。図18の構成
の場合、これら回折格子113、114、123及び1
24のブラッグ波長は全てλ1である。
【0191】尚、該第一の光回路11及び該第二の光回
路12の構成の詳細は図14の説明を参照されたい。そ
して、該第一の光回路のポートをP1乃至P4とし、第
二の光回路のポートをP5及びP6とする。
【0192】更に、13は出力波長がλ1なる第一の発
光素子、14は第一の受光素子で、図18の構成では、
該第一の発光素子13は第二の光回路12のポートP6
に接続され、該第一の受光素子14は第一の光回路11
のポートP3に接続される。
【0193】上記の光半導体を搭載した第一の光フィル
タが通信回線の一端(端局であっても、中継器であって
もよい。)に設置される。同様に、1aは光半導体を搭
載した第二の光フィルタ、10aは該第二の光フィルタ
1aを形成する基板、11aはマッハツェンダ型光フィ
ルタによる第三の光回路、12aは該第三の光回路11
aに接続される第四の光回路である。
【0194】又、111a及び112aは該第三の光回
路11aを構成する平面型光導波路、121a及び12
2aは該第四の光回路12aを構成する平面型光導波路
であり、該平面型光導波路111a、112a、121
a及び122aの一部には、図14の構成と同様に、回
折格子113a、114a、123a及び124aが設
けられている。図18の構成の場合、これら回折格子1
13a、114a、123a及び124aのブラッグ波
長は全てλ2である。
【0195】尚、上記光フィルタの構成の詳細は、図1
4及び図17の説明を参照されたい。そして、図18に
おいて該第二の光フィルタにおける該第三の光回路のポ
ートをP1a乃至P4aとし、該第二の光フィルタにお
ける該第四の光回路のポートをP5a及びP6aとす
る。
【0196】更に、13aは出力波長がλ2の第二の発
光素子、14aは第二の受光素子で、図18の構成では
該第二の発光素子13aは該第二の光フィルタ1aにお
ける該第四の光回路のポートP6aに、該第二の受光素
子を該第二の光フィルタ1aにおける該第三の光回路の
ポートP3aに配置する。
【0197】上記の光半導体を搭載した該第二の光フィ
ルタ1aが通信回線のもう一端(端局であっても、中継
器であってもよい。)に設置される。最後に、15は光
伝送路で、該第一の光フィルタ1のポートP1と該第二
の光フィルタ1aのポートP1aとに接続される。尚、
該第一の光フィルタ1のポートP1及び該第二の光フィ
ルタ1aのポートP1aと該光伝送路の接続は、通常、
コリメート・レンズを介してなされる。
【0198】該第一の光フィルタ1のポートP6に出力
波長λ1の第一の発光素子13が設けられており、該回
折格子113、114、123及び124のブラッグ波
長は全てλ1であるから、該第一の発光素子13が出力
する光信号はポートP6、ポートP5(ポートP2)、
ポートP1を経由して該光伝送路15に出力され、該第
二の光フィルタ1aのポートP1aに達する。
【0199】該第二の光フィルタ1aのポートP1aに
達した該第一の発光素子が出力する光信号は、該回折格
子113a及び114aの波長がλ2であるから、該回
折格子113a及び114aを透過してポートP3aに
達して受光素子14aで受信される。
【0200】一方、該第二の光フィルタ1aのポートP
6aに出力波長λ2の該第二の発光素子13aが設けら
れており、該回折格子113a、114a、123a及
び124aのブラッグ波長が全てλ2であるから、該第
二の発光素子13aが出力する光信号はポートP6a、
ポートP5a(ポートP2a)、ポートP1aを経由し
て該光伝送路15に出力され、該第一の光フィルタ1の
ポートP1に達する。
【0201】該第一の光フィルタ1のポートP1に達し
た該第二の発光素子13aが出力する波長λ2の光信号
は、該回折格子113及び114の波長がλ1であるか
ら、該回折格子113及び114を透過してポートP3
に達して受光素子14で受信される。
【0202】従って、図18の構成では、該第一の発光
素子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の発
光素子13aと該第一の受光素子14の間で通信が行な
われ、該光伝送路15を各々の光信号が異なる方向に伝
送されるので、図18の構成によって双方向通信装置が
構成される。
【0203】そして、図18の構成では、該第一の光フ
ィルタ1のポートP6とポートP3の間と、該第二の光
フィルタ1aのポートP6aポートP3aの間のアイソ
レーションは50dB程度以上が確保されるので、該光
伝送路15における伝送損失が30dBあっても、該第
一の受光素子14及び該第二の受光素子14aにおける
信号対雑音比は20dB以上を確保できる。
【0204】従って、図18の構成は、十分なアイソレ
ーション特性を有する双方向通信装置となる。ところ
で、図18の構成における回折格子のブラッグ波長や、
第一及び第二の発光素子の出力波長及び搭載位置や、第
一及び第二の受光素子の搭載位置は、図18に示したも
のには限定されない。
【0205】そこで、図18において、例えば回折格子
113a及び114aのブラッグ波長をλ1とし、回折
格子123a及び124aのブラッグ波長をλ1とし
て、第二の発光素子13を第二の光フィルタ1aのポー
トP3aに接続し、第二の受光素子を第二の光フィルタ
1aのポートP6aに接続しても、同じように双方向通
信装置を構成することができる。実は、この変形構成は
後述する双方向通信を行なう場合の構成例(ケース2)
と同じである。
【0206】即ち、該第一の光フィルタにおいて、該第
一の発光素子及び該第一の受光素子を接続するポート以
外の一のポートと該第一の発光素子及び該第一の受光素
子との間に光信号が疎通する、該第一の光フィルタにお
ける回折格子のブラッグ波長と該第一の光フィルタへの
該第一の発光素子の接続ポート及び出力波長と該第一の
受光素子の接続ポートを選択し、同様に、該第二の光フ
ィルタにおいて、該第二の発光素子及び該第二の受光素
子を接続するポート以外の一のポートと該第二の発光素
子及び該第二の受光素子との間に光信号が疎通する、該
第二の光フィルタにおける回折格子のブラッグ波長と該
第二の光フィルタへの該第二の発光素子の接続ポート及
び出力波長と該第二の受光素子の接続ポートを選択し、
該第一の光フィルタの上記一のポートと該第二の光フィ
ルタの上記一のポートに光伝送路を接続すれば、双方向
通信装置を構成することができる。
【0207】図19は、双方向通信を行なう場合の構成
例(ケース2)である。図19において、1は光半導体
を搭載した第一の光フィルタ、10は該第一の光フィル
タ1を形成する基板、11はマッハツェンダ型光フィル
タによる第一の光回路、12は該第一の光回路11に接
続される第二の光回路である。
【0208】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路、121及び122は該第
二の光回路12を構成する平面型光導波路であり、該平
面型光導波路111、112、121及び122の一部
には、図14の構成と同様に、回折格子113、11
4、123及び124が設けられている。図19の構成
の場合、これら回折格子113、114、123及び1
24のブラッグ波長は全てλ1である。
【0209】そして、該第一の光回路のポートをP1乃
至P4とし、第二の光回路のポートをP5及びP6とす
る。更に、13は出力波長がλ2なる第一の発光素子、
14は第一の受光素子で、図19の構成では、該第一の
発光素子13は該第一の光回路11のポートP3に接続
され、該第一の受光素子14は該第二の光回路12のポ
ートP6に接続される。
【0210】上記の光半導体を搭載した該第一の光フィ
ルタ1が通信回線の一端(端局であっても、中継器であ
ってもよい。)に設置される。同様に、1aは光半導体
を搭載した第二の光フィルタ、10aは該第二の光フィ
ルタ1aを形成する基板、11aはマッハツェンダ型光
フィルタによる第三の光回路、12aは該第三の光回路
11aに接続される第四の光回路である。
【0211】又、111a及び112aは該第三の光回
路11aを構成する平面型光導波路、121a及び12
2aは該第四の光回路12aを構成する平面型光導波路
であり、該平面型光導波路111a、112a、121
a及び122aの一部には、図14の構成と同様に、回
折格子113a、114a、123a及び124aが設
けられている。図19の構成の場合、これら回折格子1
13a、114a、123a及び124aのブラッグ波
長は全てλ1である。
【0212】尚、上記光フィルタの構成の詳細は、図1
4及び図17に関する説明を参照されたい。そして、図
19において該第二の光フィルタ1aにおける該第三の
光回路11aのポートをP1a乃至P4aとし、該第二
の光フィルタ1aにおける該第四の光回路12aのポー
トをP5a及びP6aとする。
【0213】更に、13aは出力波長がλ1の第二の発
光素子、14aは第二の受光素子で、図19の構成では
該第二の発光素子13aは第二の光フィルタ1aにおけ
る第四の光回路12aのポートP6aに、該第二の受光
素子を該第二の光フィルタ1aにおける該第三の光回路
11aのポートP3aに配置する。
【0214】上記の光半導体を搭載した該第二の光フィ
ルタ1aが通信回線のもう一端(端局であっても、中継
器であってもよい。)に設置される。最後に、15は光
伝送路で、該第一の光フィルタ1のポートP1と該第二
の光フィルタ1aのポートP1aとに接続される。尚、
該第一の光フィルタ1のポートP1及び該第二の光フィ
ルタ1aのポートP1aと該光伝送路の接続は、通常、
コリメート・レンズを介してなされる。
【0215】該第一の光フィルタ1のポートP3に出力
波長λ2の該第一の発光素子13が設けられており、該
回折格子113、114、123及び124のブラッグ
波長は全てλ1であるから、該第一の発光素子13が出
力する光信号はポートP3、ポートP1を経由して該光
伝送路15に出力され、該第二の光フィルタ1aのポー
トP1aに達する。
【0216】該第二の光フィルタ1aのポートP1aに
達した該第一の発光素子が出力する波長λ2の光信号
は、該回折格子113a及び114aの波長がλ1であ
るから、該回折格子113a及び114aを透過してポ
ートP3aに達して該受光素子14aで受信される。
【0217】一方、該第二の光フィルタ1aのポートP
6aに出力波長λ1の該第二の発光素子13aが設けら
れており、該回折格子113a、114a、123a及
び124aのブラッグ波長が全てλ1であるから、該第
二の発光素子13aが出力する光信号はポートP6a、
ポートP5a(ポートP2a)、ポートP1aを経由し
て該光伝送路15に出力され、該第一の光フィルタ1の
ポートP1に達する。
【0218】該第一の光フィルタ1のポートP1に達し
た該第二の発光素子が出力する波長λ1の光信号は、該
回折格子113及び114の波長がλ1であるから、該
回折格子113、114、123及び124によって反
射されてポートP6に達して該第一の受光素子14で受
信される。
【0219】従って、図19の構成では、該第一の発光
素子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の発
光素子13aと該第一の受光素子14の間で通信が行な
われ、該光伝送路15を各々の光信号が異なる方向に伝
送される双方向通信装置が構成される。
【0220】そして、図19の構成では、該第一の光フ
ィルタ1のポートP6とポートP3の間と、第二の光フ
ィルタ1aのポートP6aポートP3aの間のアイソレ
ーションは50dB程度以上が確保される。従って、該
光伝送路15における伝送損失が30dBあっても、該
第一の受光素子14及び該第二の受光素子14aにおけ
る信号対雑音比は20dB以上を確保できる。
【0221】従って、図19の構成は、実用的に十分な
アイソレーション特性を有する双方向通信装置となる。
ところで、図19の構成における回折格子のブラッグ波
長や、第一及び第二の発光素子の出力波長及び搭載位置
や、第一及び第二の受光素子の搭載位置は、図19に示
したものには限定されない。
【0222】そこで、図19の構成の場合にも、例えば
第一の発光素子13の出力波長をλ1とし、回折格子1
23及び124のブラッグ波長をλ2とし、第二の発光
素子13aの出力波長をλ2とし、回折格子123a及
び124aのブラッグ波長をλ2としても双方向通信装
置を構成することができる。この場合、光伝送路はポー
トP4とポートP4aに接続すればよい。
【0223】即ち、第一の光フィルタにおいて、第一の
発光素子及び第一の受光素子を接続するポート以外の一
のポートと第一の発光素子及び第一の受光素子との間に
光信号が疎通する、第一の光フィルタにおける回折格子
のブラッグ波長と第一の光フィルタ1への第一の発光素
子の接続ポート及び出力波長と該第一の受光素子の接続
ポートを選択し、同様に、第二の光フィルタにおいて、
第二の発光素子及び第二の受光素子を接続するポート以
外の一のポートと第二の発光素子及び第二の受光素子と
の間に光信号が疎通する、第二の光フィルタにおける回
折格子のブラッグ波長と第二の光フィルタへの第二の発
光素子の接続ポート及び出力波長と第二の受光素子の接
続ポートを選択し、第一の光フィルタの上記一のポート
と第二の光フィルタの上記一のポートに光伝送路を接続
すれば、双方向通信装置を構成することができる。
【0224】図20は、双方向通信を行なう場合の構成
例(ケース3)である。図20において、1は光半導体
を搭載した第一の光フィルタ、10は該第一の光フィル
タ1を形成する基板、11はマッハツェンダ型光フィル
タによる第一の光回路、12は該第一の光回路11に接
続される第二の光回路である。
【0225】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路、121及び122は該第
二の光回路12を構成する平面型光導波路であり、該平
面型光導波路111、112、121及び122の一部
には、図14の構成と同様に、回折格子113、11
4、123及び124が設けられている。図20の構成
の場合、これら回折格子113、114、123及び1
24のブラッグ波長は全てλ2である。
【0226】そして、該第一の光回路1のポートをP1
乃至P4とし、該第二の光回路1aのポートをP5及び
P6とする。更に、13は出力波長がλ1なる第一の発
光素子、14は第一の受光素子で、図20の構成では、
該第一の発光素子13は該第一の光回路11のポートP
3に接続され、該第一の受光素子14は該第二の光回路
12のポートP6に接続される。
【0227】上記の光半導体を搭載した該第一の光フィ
ルタ1が通信回線の一端(端局であっても、中継器であ
ってもよい。)に設置される。同様に、1aは光半導体
を搭載した第二の光フィルタ、10aは該第二の光フィ
ルタ1aを形成する基板、11aはマッハツェンダ型光
フィルタによる第三の光回路、12aは該第一の光回路
11aに接続される第四の光回路である。
【0228】又、111a及び112aは該第三の光回
路11aを構成する平面型光導波路、121a及び12
2aは該第四の光回路12aを構成する平面型光導波路
であり、該平面型光導波路111a、112a、121
a及び122aの一部には、図14の構成と同様に、回
折格子113a、114a、123a及び124aが設
けられている。図20の構成の場合、これら回折格子1
13a、114a、123a及び124aのブラッグ波
長は全てλ2である。
【0229】そして、図20において該第二の光フィル
タ1aにおける該第三の光回路11aのポートをP1a
乃至P4aとし、該第二の光フィルタ1aにおける該第
四の光回路12aのポートをP5a及びP6aとする。
【0230】更に、13aは出力波長がλ2の第二の発
光素子、14aは第二の受光素子で、図20の構成では
該第二の発光素子13aを第二の光フィルタ1aにおけ
る第四の光回路12aのポートP6aに、該第二の受光
素子を該第二の光フィルタ1aにおける該第三の光回路
のポートP3aに配置する。
【0231】尚、該第一の光フィルタ1及び該第二の光
フィルタ1aの構成は、図14と図17の説明を参照さ
れたい。上記の光半導体を搭載した第二の光フィルタ1
aが通信回線のもう一端(端局であっても、中継器であ
ってもよい。)に設置される。
【0232】最後に、15は光伝送路で、該第一の光フ
ィルタ1のポートP1と該第二の光フィルタ1aのポー
トP1aとに接続される。尚、該第一の光フィルタ1の
ポートP1及び該第二の光フィルタ1aのポートP1a
と該光伝送路の接続は、通常、コリメート・レンズを介
してなされる。
【0233】該第一の光フィルタ1のポートP3に出力
波長λ1の第一の発光素子13が設けられており、該回
折格子113、114、123及び124のブラッグ波
長は全てλ2であるから、該第一の発光素子13が出力
する光信号はポートP3、ポートP1を経由して該光伝
送路15に出力され、該第二の光フィルタ1aのポート
P1aに達する。
【0234】該第二の光フィルタ1aのポートP1aに
達した該第一の発光素子13が出力する波長λ1の光信
号は、該回折格子113a及び114aの波長がλ2で
あるから、該回折格子113a及び114aを透過して
ポートP3aに達して該第二の受光素子14aで受信さ
れる。
【0235】一方、該第二の光フィルタ1aのポートP
6aに出力波長λ2の第二の発光素子13aが設けられ
ており、該回折格子113a、114a、123a及び
124aのブラッグ波長が全てλ2であるから、該第二
の発光素子13aが出力する光信号はポートP6a、ポ
ートP5a(ポートP2a)、ポートP1aを経由して
該光伝送路15に出力され、該第一の光フィルタ1のポ
ートP1に達する。
【0236】該第一の光フィルタ1のポートP1に達し
た該第二の発光素子が出力する波長λ2の光信号は、該
回折格子113及び114の波長がλ2であるから、該
回折格子113、114、123及び124によって反
射されてポートP6に達して該第二の受光素子14で受
信される。
【0237】従って、図20の構成では、該第一の発光
素子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の発
光素子13aと該第一の受光素子14の間で通信が行な
われ、該光伝送路15を各々の光信号が異なる方向に伝
送される双方向通信装置が構成される。
【0238】そして、図20の構成では、該第一の光フ
ィルタ1のポートP6とポートP3間及び該第二の光フ
ィルタ1aのポートP6aとポートP3aの間において
50dB以上のアイソレーションが確保される。
【0239】即ち、図20の構成は異なる波長の光信号
間で十分なアイソレーションを有する双方向通信装置で
ある。ところで、図20の構成における回折格子のブラ
ッグ波長や、第一及び第二の発光素子の出力波長及び搭
載位置や、第一及び第二の受光素子の接続位置は、図2
0に示したものには限定されない。
【0240】例えば、図20の構成において、該第二の
光フィルタ11aのポートP3aに波長λ2の第二の発
光素子を接続し、ポートP6aに第二の受光素子を接続
し、該第二の光フィルタ11aの回折格子113a、1
14a、123a及び124aのブラッグ波長をλ1に
変更しても、アイソレーション特性のよい双方向光通信
装置になる。
【0241】即ち、第一の光フィルタにおいて、第一の
発光素子及び第一の受光素子を接続するポート以外の一
のポートと第一の発光素子及び第一の受光素子との間に
光信号が疎通する、第一の光フィルタにおける回折格子
のブラッグ波長と第一の光フィルタへの第一の発光素子
の接続ポート及び出力波長と第一の受光素子の接続ポー
トを選択し、同様に、第二の光フィルタにおいて、第二
の発光素子及び第二の受光素子を接続するポート以外の
一のポートと第二の発光素子及び第二の受光素子との間
に光信号が疎通する、第二の光フィルタにおける回折格
子のブラッグ波長と第二の光フィルタへの第二の発光素
子の接続ポート及び出力波長と第二の受光素子の接続ポ
ートを選択し、第一の光フィルタ1の上記一のポートと
第二の光フィルタ1aの上記一のポートに光伝送路を接
続すれば、双方向通信装置を構成することができる。
【0242】図21は、双方向通信を行なう場合の構成
例(ケース4)である。図21において、1は光半導体
を搭載した第一の光フィルタ、10は該第一の光フィル
タ1を形成する基板、11はマッハツェンダ型光フィル
タによる第一の光回路、12は該第一の光回路11に接
続される第二の光回路である。
【0243】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路、121及び122は該第
二の光回路12を構成する平面型光導波路であり、該平
面型光導波路111、112、121及び122の一部
には、図14の構成と同様に、回折格子113、11
4、123及び124が設けられている。図21の構成
の場合、これら回折格子113、114、123及び1
24のブラッグ波長は全てλ1である。
【0244】そして、該第一の光回路1のポートをP1
乃至P4とし、第二の光回路1aのポートをP5及びP
6とする。更に、13は出力波長がλ2なる第一の発光
素子、14は第一の受光素子で、図21の構成では、該
第一の発光素子13は該第一の光回路11のポートP3
に接続され、該第一の受光素子14は該第二の光回路1
2のポートP6に接続される。
【0245】上記の光半導体を搭載した該第一の光フィ
ルタ1が通信回線の一端(端局であっても、中継器であ
ってもよい。)に設置される。同様に、1aは光半導体
を搭載した第二の光フィルタ、10aは該第二の光フィ
ルタ1aを形成する基板、11aはマッハツェンダ型光
フィルタによる第三の光回路、12aは該第三の光回路
11aに接続される第四の光回路である。
【0246】又、111a及び112aは該第三の光回
路11aを構成する平面型光導波路、121a及び12
2aは該第四の光回路12aを構成する平面型光導波路
であり、該平面型光導波路111a、112a、121
a及び122aの一部には、図14の構成と同様に、回
折格子113a、114a、123a及び124aが設
けられている。図21の構成の場合、これら回折格子1
13a、114a、123a及び124aのブラッグ波
長は全てλ2である。
【0247】そして、図21において該第二の光フィル
タ1aにおける該第三の光回路11aのポートをP1a
乃至P4aとし、該第二の光フィルタ1aにおける該第
四の光回路12aのポートをP5a及びP6aとする。
【0248】更に、13aは出力波長がλ1の第二の発
光素子、14aは第二の受光素子で、図21の構成では
該第二の発光素子13aを該第二の光フィルタ1aにお
ける第三の光回路11aのポートP3aに、該第二の受
光素子を該第二の光フィルタ1aにおける該第四の光回
路のポートP6aに配置する。
【0249】尚、該第一の光フィルタ1及び該第二の光
フィルタ1aの構成は、図14及び図17の説明を参照
されたい。上記の光半導体を搭載した該第二の光フィル
タ1aが通信回線のもう一端(端局であっても、中継器
であってもよい。)に設置される。
【0250】最後に、15は光伝送路で、該第一の光フ
ィルタ1のポートP1と該第二の光フィルタ1aのポー
トP1aとに接続される。尚、該第一の光フィルタ1の
ポートP1及び該第二の光フィルタ1aのポートP1a
と該光伝送路の接続は、通常、コリメート・レンズを介
してなされる。
【0251】該第一の光フィルタ1のポートP3に出力
波長λ2の該第一の発光素子13が設けられており、該
回折格子113及び114のブラッグ波長がλ1である
から、該第一の発光素子13が出力する光信号はポート
P3、ポートP1を経由して該光伝送路15に出力さ
れ、該第二の光フィルタ1aのポートP1aに達する。
【0252】該第二の光フィルタ1aのポートP1aに
達した該第一の発光素子13が出力する波長λ2の光信
号は、該回折格子113a、114a、123a及び1
24aの波長が全てλ2であるから、該回折格子113
a、114a、123a及び124aによって反射され
てポートP6aに達して該第二の受光素子14aで受信
される。
【0253】一方、該第二の光フィルタ1aのポートP
3aに出力波長λ1の該第二の発光素子13aが設けら
れており、該回折格子113a及び114aブラッグ波
長がλ2であるから、該第二の発光素子13aが出力す
る光信号はポートP3a、ポートP1aを経由して該光
伝送路15に出力され、該第一の光フィルタ1のポート
P1に達する。
【0254】該第一の光フィルタ1のポートP1に達し
た該第二の発光素子が出力する波長λ1の光信号は、該
回折格子113、114、123及び124のブラッグ
波長が全てλ1であるから、該回折格子113、11
4、123及び124によって反射されてポートP6に
達して該第一の受光素子14で受信される。
【0255】従って、図21の構成では、該第一の発光
素子13と該第二の受光素子14aの間と、該第二の発
光素子13aと該第一の受光素子14の間で通信が行な
われ、該光伝送路15を各々の光信号が異なる方向に伝
送される双方向通信装置が構成される。
【0256】そして、図21の構成の該第一の光フィル
タ1は図2の構成の光フィルタと同じ透過特性を有し、
該第二の光フィルタ1aは図5の構成の光フィルタと同
じ透過特性を有するので、既に説明した如く、該第一の
光フィルタ1のポートP6とポートP3の間と、該第二
の光フィルタ1aのポートP6aとポートP3aの間の
アイソレーションは50dB程度以上が確保される。従
って、該光伝送路15における伝送損失が30dBあっ
ても、該第一の受光素子14及び該第二の受光素子14
aにおける信号対雑音比は20dB以上を確保できる。
【0257】従って、図21の構成は、実用的に十分な
アイソレーション特性を有する双方向通信装置となる。
ところで、図21の構成における回折格子のブラッグ波
長や、第一及び第二の発光素子の出力波長及び搭載位置
や、第一及び第二の受光素子の搭載位置は、図21に示
したものには限定されない。
【0258】そこで、図21の場合にも、該第一の発光
素子13の出力波長をλ1とし、該回折格子123及び
124のブラッグ波長をλ2とし、該第二の発光素子1
3aの出力波長をλ2とし、該回折格子123a及び1
24aのブラッグ波長をλ1としても双方向通信装置を
構成することができる。この場合にはポートP4とポー
トP4aに光伝送路を接続すればよい。
【0259】即ち、第一の光フィルタにおいて、第一の
発光素子及び第一の受光素子を接続するポート以外の一
のポートと第一の発光素子及び第一の受光素子との間に
光信号が疎通する、第一の光フィルタにおける回折格子
のブラッグ波長と第一の光フィルタ1への第一の発光素
子の接続ポート及び出力波長と第一の受光素子の接続ポ
ートを選択し、同様に、第二の光フィルタにおいて、第
二の発光素子及び第二の受光素子を接続するポート以外
の一のポートと第二の発光素子及び第二の受光素子との
間に光信号が疎通する、第二の光フィルタにおける回折
格子のブラッグ波長と第二の光フィルタへの第二の発光
素子の接続ポート及び出力波長と第二の受光素子の接続
ポートを選択し、第一の光フィルタ1の上記一のポート
と第二の光フィルタ1aの上記一のポートに光伝送路を
接続すれば、双方向通信装置を構成することができる。
【0260】ここまでは、本発明の光フィルタを適用し
た双方向通信装置について説明してきたが、片方向通信
で波長多重をする通信装置にも本発明の光フィルタを適
用することが可能であるので、以下に説明する。
【0261】図22は、片方向波長多重通信を行なう場
合の構成例である。図22において、1は光半導体を搭
載した光フィルタ、10は該光フィルタ1を形成する基
板、11はマッハツェンダ型光フィルタによる第一の光
回路、12は該第一の光回路に接続される第二の光回路
である。
【0262】又、111及び112は該第一の光回路1
1を構成する平面型光導波路、121及び122は該第
二の光回路12を構成する平面型光導波路であり、該平
面型光導波路111、112、121及び122の一部
には、図14の構成と同様に、回折格子113、11
4、123及び124が設けられている。図22の構成
の場合、該回折格子113、114、123及び124
のブラッグ波長は全てλ1である。
【0263】尚、該第一の光回路11及び該第二の光回
路12の構成の詳細は図14に関する説明を参照された
い。そして、該第一の光回路11のポートをP1乃至P
4とし、該第二の光回路12のポートをP5及びP6と
する。
【0264】更に、13は出力波長λ1の第一の発光素
子、13aは出力波長λ2の第二の発光素子で、図22
の構成では、該第一の発光素子13は該第二の光回路1
2のポートP6に接続され、該第二の発光素子13aは
該第一の光回路11のポートP3に接続される。
【0265】上記の光半導体を搭載した第一の光フィル
タ1が通信回線の一端(通常端局である。)に設置され
る。同様に、1aは光半導体を搭載した第二の光フィル
タ、10aは該第二の光フィルタ1aを形成する基板、
11aはマッハツェンダ型光フィルタによる第三の光回
路、12aは該第三の光回路11aに接続される第四の
光回路である。
【0266】又、111a及び112aは該第三の光回
路11aを構成する平面型光導波路、121a及び12
2aは該第四の光回路12aを構成する平面型光導波路
であり、該光導波路111a、112a、121a及び
122aの一部には、図14の構成と同様に、回折格子
113a、114a、123a及び124aが設けられ
ている。図22の構成の場合、これら回折格子113
a、114a、123a及び124aのブラッグ波長は
全てλ2である。
【0267】そして、図22の構成における第二の光フ
ィルタ1aを構成する該第一の光回路11のポートをP
1a乃至P4aとし、該第二の光フィルタ1aを構成す
る該第四の光回路のポートをP5a及びP6aとする。
【0268】更に、14及び14aは第一及び第二の受
光素子で、該第一の受光素子14は該第二の光フィルタ
1aの該第三の光回路のポートP3aに接続され、該第
二の受光素子14aは該第二の光フィルタの該第四の光
回路のポートP6aに接続される。
【0269】尚、該第一の光フィルタ1及び該第二の光
フィルタ1aの構成は、図14及び図17の説明を参照
されたい。上記の光半導体を搭載した該第二の光フィル
タ1aは通信回線のもう一端(通常、端局である。)に
設置される。
【0270】最後に、15は光伝送路で、上記第一の光
フィルタ1のポートP1と上記第二の光フィルタのポー
トP1aに接続される。尚、該第一の光フィルタ1のポ
ートP1及び該第二の光フィルタ1aのポートP1aと
該光伝送路の接続は、通常、コリメート・レンズを介し
てなされる。
【0271】該第一の光フィルタ1のポートP6に出力
波長λ1の第一の発光素子13が設けられており、該回
折格子113、114、123及び124のブラッグ波
長が全てλ1であるから、該第一の発光素子13が出力
する光信号はポートP6、ポートP5(ポートP2)、
ポートP1を経由して該光伝送路15に出力され、該第
二の光フィルタ1aのポートP1aに達する。
【0272】該第二の光フィルタ1aのポートP1aに
達した該第一の発光素子が出力する波長λ1の光信号
は、該回折格子113a及び114aのブラッグ波長が
λ2であるから、該回折格子113a及び114aを透
過してポートP3aに達して該第一の受光素子14で受
信される。
【0273】一方、該第一の光フィルタ1のポートP3
に出力波長λ2の該第二の発光素子13aが設けられて
おり、該回折格子113及び114のブラッグ波長がλ
1であるから、該第二の発光素子13aが出力する光信
号は該回折格子113及び114を透過するから、ポー
トP3、ポートP1を経由して該光伝送路15に出力さ
れ、該第二の光フィルタ1aのポートP1aに達する。
【0274】該第二の光フィルタ1aのポートP1aに
達した該第二の発光素子13aが出力する波長λ2の光
信号は、該回折格子113a、114a、123a及び
124aのブラッグ波長が全てλ2であるから、該回折
格子113a、114a、123a及び124aによっ
て反射されてポートP6aに達して該第二の受光素子1
4aで受信される。
【0275】従って、図22の構成では、該第一の発光
素子13と該第一の受光素子14の間と、該第二の発光
素子13aと該第二の受光素子14aの間で通信が行な
われ、該光伝送路15を各々の光信号が同じ方向に伝送
されるので、片方向波長多重通信装置が構成される。
【0276】そして、この場合は、該第一の光フィルタ
1のポートP6とポートP3に共に発光素子が接続され
るので、ポートP6とポートP3の間のアイソレーショ
ンは問題にはならない。一方、該第二の光フィルタ1a
のポートP6aとポートP3aに共に受光素子が接続さ
れるが、ポートP2aにおける二の波長の光信号のレベ
ルは等しいので、アイソレーションは問題にはならな
い。
【0277】従って、図22の構成によって十分な特性
の片方向波長多重通信装置を構成できる。図22の構成
でも、該第一の発光素子13の出力波長をλ2とし、該
第二の発光素子13aの出力波長をλ1とし、該回折格
子123及び124のブラッグ波長をλ2とし、該回折
格子123a及び124aのブラッグ波長をλ1として
も片方向波長多重通信を行なうことができる。但し、こ
の場合には光伝送路をポートP4とポートP4aの間に
敷設する必要がある。
【0278】即ち、第一の光フィルタにおいて、第一の
発光素子及び第二の発光素子を接続するポート以外の一
のポートと第一の発光素子及び第二の発光素子との間に
光信号が疎通する、第一の光フィルタにおける回折格子
のブラッグ波長と第一の光フィルタへの第一の発光素子
及び第二の発光素子の接続ポート及び出力波長を選択
し、同様に、第二の光フィルタにおいて、第一の受光素
子及び第二の受光素子を接続するポート以外の一のポー
トと第一の受光素子及び第二の受光素子との間に光信号
が疎通する、第二の光フィルタにおける回折格子のブラ
ッグ波長と第二の光フィルタへの第一の受光素子及び第
二の受光素子の接続ポートを選択し、第一の光フィルタ
1の上記一のポートと第二の光フィルタ1aの上記一の
ポートに光伝送路を接続しても、片方向波長多重通信装
置を構成することができる。
【0279】更に、回折格子のブラッグ波長と発光素子
の出力波長の設定を変えることによって、複数の片方向
光多重通信装置を構成することが可能になる。このこと
は双方向通信装置の構成において詳述したことと同様で
あるから、これ以上の説明は省略する。
【0280】又、図22の構成では同一の端局に設置さ
れる光フィルタに二の受光素子が搭載されているので、
二の光信号を同一端局で受信することになるが、ポート
P3a又はポートP6aの先に光伝送路を延長するよう
にすれば、異なる二局で受信することが可能な片方向波
長多重通信装置になる。
【0281】ところで、図18乃至図22では、平面型
光導波路を適用した光フィルタによる通信装置の構成を
説明しているが、これらは光ファイバを適用した光フィ
ルタによっても構成されることはいうまでもない。
【0282】更に、図18乃至図22では、図2の構成
の光フィルタを適用した双方向通信装置及び片方向波長
多重通信装置の構成を説明したが、図1の構成の光フィ
ルタを適用してもよいし、図1の構成の光フィルタと図
2の構成の光フィルタを組み合わせてもよい。
【0283】最後に、光フィルタにおける回折格子の構
成と光フィルタの透過又は反射特性の関係について説明
する。図15又は図26に示した回折格子は、屈折率の
極大点のピッチが一定なものを想定している。このよう
に、屈折率の極大点のピッチが一定な回折格子は非常に
鋭い透過特性及び反射特性を有しており、例えば、図3
での波長λ1近傍における透過損失のディップや波長λ
1近傍における透過損失のピークの半値幅(これを帯域
幅と呼ぶ。)は1nm以下にすることも可能である。
【0284】一般的にいって、この帯域幅が小さいほど
多重できる波長数を増やすことができる一方、発光素子
の出力波長の変動の影響を受けやすい。従って、システ
ム的にみてこの帯域幅を適正な値に設定する必要があ
る。
【0285】これを実現する第一の手段は、回折格子の
屈折率の極大点の間のピッチを可変にすることである。
こうすれば、ピッチが大きい領域では波長の長い光信号
成分が影響を受け、ピッチが小さい領域では波長の短い
光信号成分が影響を受けるようになるので、回折格子に
よる透過又は反射の帯域幅を広げることが可能になる。
そして、ピッチの分布は回折格子の長手方向について、
一様に減少するようにしても、一様に増加するようにし
ても、減少と増加を繰り返すようにしても効果は同じで
ある。このように、回折格子の屈折率の極大点間のピッ
チを可変にすることを、回折格子をチャープして形成す
るという。
【0286】図23は、帯域幅を適正に設定する第二の
手段について、回折格子の構成と屈折率の分布を示す図
である。図23(イ)回折格子の構成において、10は
基板、111−1及び112─1は平面型光導波路のコ
ア、111−1及び112─1は平面型光導波路のクラ
ッドで、コア111−1及びクラッド111−2によっ
て平面型光導波路が構成され、コア112−1及びクラ
ッド112−2によって平面型光導波路が構成される。
113(114)は該平面型光導波路のコア111−1
及び112−1の一部に形成された回折格子である。
【0287】回折格子113(114)は平面型光導波
路111(112)のコアに屈折率が高い部分を一定の
間隔で作り込んで形成する。その屈折率分布は図23
(ロ)に示すようになっている。
【0288】ここで、図23の構成が図15の構成と違
う点は、上面図に示されている如く、平面型光導波路に
おけるコアの幅がコアの長手方向で変化している点であ
る。コアの幅とは関係なく一定なパワーの光信号が通る
ので、このような構成にすれば、幅の狭いところと幅の
広いところでは伝播する光が感ずる屈折率に差が生ず
る。従って、コアの幅の狭いところと幅の広いところで
等価的なピッチに変化が生ずることになる。つまり、コ
アの幅を変化させてピッチが一定な回折格子を形成すれ
ば、コアの幅を一定にしてピッチを変化させたのと同じ
効果を生じさせることができ、これによって帯域幅を調
整することが可能になる。
【0289】そして、コアの幅を変化させる態様につい
て、図23は一例にすぎない。即ち、図23のように幅
を減少させてから増加させて元の幅に戻すようにして
も、幅を増加させてから減少させて元の幅に戻しても、
上記の変化を繰り返すようにしても同じ効果が得られ
る。
【0290】従って、回折格子の屈折率の極大点のピッ
チは一定に保って、屈折率に差を持たせることも、回折
格子をチャープして形成するという。そして、回折格子
をチャープして形成することは、光ファイバについても
当然可能である。
【0291】さて、上記においては光ファイバと平面型
光導波路を一応別のものとして説明してきたが、光ファ
イバは繊維状に形成されたコアとクラッドからなる光ガ
イドによって光伝送をするものであり、平面型光導波路
は平面状に形成されたコアとクラッドからなる光ガイド
によって光伝送するもので、区別する必要はない。
【0292】従って、上記実施の形態で示した光フィル
タは、光ガイドによって構成される光フィルタであると
いうことができる。
【0293】
【発明の効果】本発明により、異なる波長の光信号間の
クロストーク減衰量と、一方の光信号のサイド・モード
ともう一方の光信号間のクロストーク減衰量を十分に確
保できる光フィルタを実現することが可能になる。
【0294】更に、本発明の光フィルタを適用して双方
向通信装置や片方向波長多重通信装置を構成すれば、異
なる波長の光信号間のクロストーク減衰量と、一方の光
信号のサイド・モードともう一方の光信号間のクロスト
ーク減衰量を十分に確保できて、双方向通信装置や片方
向波長多重通信装置の通信品質を向上させることが可能
になる。
【0295】又、光フィルタの一部に形成する回折格子
をチャープすることによって、光フィルタの帯域幅を調
整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理。
【図2】 本発明の第一の実施の形態。
【図3】 図2の構成の透過特性(その1)
【図4】 図2の構成の透過特性(その2)
【図5】 本発明の第二の実施の形態。
【図6】 図5の構成の透過特性(その1)
【図7】 図5の構成の透過特性(その2)
【図8】 本発明の第三の実施の形態。
【図9】 図8の構成の透過特性(その1)
【図10】 図8の構成の透過特性(その2)
【図11】 本発明の第四の実施の形態。
【図12】 図11の構成の透過特性(その1)
【図13】 図11の構成の透過特性(その2)
【図14】 本発明の第五の実施の形態。
【図15】 回折格子の構成と屈折率の分布を示す図。
【図16】 回折格子を形成する方法の一例。
【図17】 本発明の第六の実施の形態。
【図18】 双方向通信を行なう場合の構成例(ケース
1)。
【図19】 双方向通信を行なう場合の構成例(ケース
2)。
【図20】 双方向通信を行なう場合の構成例(ケース
3)。
【図21】 双方向通信を行なう場合の構成例(ケース
4)。
【図22】 片方向波長多重通信を行なう場合の構成
例。
【図23】 回折格子の構成と屈折率分布を示す図。
【図24】 マッハツェンダ型干渉装置。
【図25】 マッハツェンダ型光フィルタ。
【図26】 回折格子の構成と屈折率の分布を示す図。
【図27】 図25の構成において光が透過する経路を
示す図。
【図28】 図25の構成の透過特性。
【図29】 図25の構成のクロストークの経路。
【図30】 図25のクロストーク特性。
【図31】 回折格子を形成する方法の一例。
【図32】 双方向通信をする場合の構成例(ケース
1)。
【図33】 双方向通信をする場合の素子の配置と回折
格子のブラッグ波長の割当て。
【図34】 双方向通信をする場合の構成例(ケース
2)。
【図35】 双方向通信をする場合の構成例(ケース
3)。
【図36】 双方向通信をする場合の構成例(ケース
4)。
【図37】 片方向波長多重通信をする場合の構成例。
【図38】 単色性光源のスペクトル特性の例。
【図39】 DFBレーザ・ダイオードのスペクトル特
性の例。
【図40】 図39のスペクトルを有するDFBレーザ
・ダイオードを図25の構成のポートP2に配置した時
のポートP2及びポートP3でのスペクトル。
【符号の説明】
1 光フィルタ 1a 光フィルタ 11 第一の光回路 11’ 第二の光回路 111、112 光ファイバ 111’、112’ 光ファイバ 113、114 回折格子 113’、114’ 回折格子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04J 14/02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに交叉することがなく、連続した第
    一乃至第五の領域から形成される第一の光ガイド及び第
    二の光ガイドからなり、該第一及び第二の二の光ガイド
    の第一の領域、第三の領域及び第五の領域においては該
    二の光ガイドを伝播する光が結合しない程度に該二の光
    ガイドが間隔を置いて配置され、該二の光ガイドの第二
    の領域及び第四の領域においては該二の光ガイドを伝播
    する光が結合する程度に該二の光ガイドが近接して配置
    され、且つ、該二の光ガイドの第三の領域の一部に回折
    格子が形成される第一の光回路と、 互いに交叉することがなく、連続した第六乃至第十の領
    域から形成される第三の光ガイド及び第四の光ガイドか
    らなり、該第三及び第四の二の光ガイドの第六の領域、
    第八の領域及び第十の領域においては該二の光ガイドを
    伝播する光が結合しない程度に該二の光ガイドが間隔を
    置いて配置され、該二の光ガイドの第七の領域及び第九
    の領域においては該二の光ガイドを伝播する光が結合す
    る程度に該二の光ガイドが近接して配置され、且つ、該
    二の光ガイドの第八の領域の一部に回折格子が形成され
    る第二の光回路とを備え、 該第一の光回路の第一の領域の一対のポートの一方と、
    該第二の光回路の第六の領域の一対のポートの一方とを
    接続することを特徴とする光フィルタ。
  2. 【請求項2】 互いに交叉することがなく、連続した第
    一乃至第五の領域から形成される第一の光ガイド及び第
    二の光ガイドからなり、該第一及び第二の二の光ガイド
    の第一の領域、第三の領域及び第五の領域においては該
    二の光ガイドを伝播する光が結合しない程度に該二の光
    ガイドが間隔を置いて配置され、該二の光ガイドの第二
    の領域及び第四の領域においては該二の光ガイドを伝播
    する光が結合する程度に該二の光ガイドが近接して配置
    され、且つ、該二の光ガイドの第三の領域の一部に回折
    格子が形成される第一の光回路と、 互いに交叉することがなく、連続した第六乃至第八の領
    域から形成される第三の光ガイド及び第四の光ガイドか
    らなり、該第三及び第四の二の光ガイドの第六の領域及
    び第八の領域においては該二の光ガイドを伝播する光が
    結合しない程度に該二の光ガイドが間隔を置いて配置さ
    れ、該二の光ガイドの第七の領域においては該二の光ガ
    イドを伝播する光が結合する程度に該二の光ガイドが近
    接して配置され、且つ、該二の光ガイドの第八の領域の
    一部に回折格子が形成される第二の光回路とを備え、 該第一の光回路の第一の領域の一対のポートの一方と、
    該第二の光回路の第六の領域の一対のポートの一方とを
    接続することを特徴とする光フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の光フィルタ
    よりなる第一の光フィルタにおいて、該第一の光フィル
    タに接続する第一の発光素子と第一の受光素子の接続ポ
    ート以外の一のポートと該第一の発光素子及び第一の受
    光素子との間に光信号を疎通させる、該第一の光フィル
    タに形成される前記回折格子のブラッグ波長と該第一の
    光フィルタへの該第一の発光素子の接続ポート及び出力
    波長と該第一の受光素子の接続ポートを選択し、 請求項1又は請求項2記載の光フィルタよりなる第二の
    光フィルタにおいて、該第二の光フィルタに接続する第
    二の発光素子と第二の受光素子の接続ポート以外の一の
    ポートと該第二の発光素子及び第二の受光素子との間に
    光信号を疎通させる、該第二の光フィルタに形成される
    前記回折格子のブラッグ波長と該第二の光フィルタへの
    該第二の発光素子の接続ポート及び出力波長と該第二の
    受光素子の接続ポートを選択し、 該第一の光フィルタの上記一のポートと、該第二の光フ
    ィルタの上記一のポートに光伝送路の両端を接続するこ
    とを特徴とする光通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の光フィルタ
    よりなる第一の光フィルタにおいて、該第一の光フィル
    タに接続する第一の発光素子と第二の発光素子の接続ポ
    ート以外の一のポートと該第一の発光素子及び第二の発
    光素子との間に光信号を疎通させる、該第一の光フィル
    タに形成される前記回折格子のブラッグ波長と該第一の
    光フィルタへの該第一の発光素子及び該第二の発光素子
    の接続ポート及び出力波長を選択し、 請求項1又は請求項2記載の光フィルタよりなる第二の
    光フィルタにおいて、該第二の光フィルタに接続する第
    一の受光素子と第二の受光素子の接続ポート以外の一の
    ポートと該第一の受光素子及び第二の受光素子との間に
    光信号を疎通させる、該第二の光フィルタに形成される
    前記回折格子のブラッグ波長と該第二の光フィルタへの
    該第一の受光素子及び該第二の受光素子の接続ポート及
    び出力波長を選択し、 該第一の光フィルタの上記一のポートと、該第二の光フ
    ィルタの上記一のポートに光伝送路の両端を接続するこ
    とを特徴とする光通信装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の光フィルタ
    において、前記回折格子をチャープして形成することを
    特徴とする光フィルタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545016A (ja) * 2006-07-29 2009-12-17 アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド 超狭帯域通過フィルタ

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