JPH11158060A - 長期間貯蔵される組成物中の医薬及び/又は透過増強剤が不安定なときに透過増強剤により医薬の皮膚透過を増強させる方法及び組成物 - Google Patents

長期間貯蔵される組成物中の医薬及び/又は透過増強剤が不安定なときに透過増強剤により医薬の皮膚透過を増強させる方法及び組成物

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JPH11158060A
JPH11158060A JP31668897A JP31668897A JPH11158060A JP H11158060 A JPH11158060 A JP H11158060A JP 31668897 A JP31668897 A JP 31668897A JP 31668897 A JP31668897 A JP 31668897A JP H11158060 A JPH11158060 A JP H11158060A
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skin
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inhibitor
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JP31668897A
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Palab Perkas
パラブ パーカス
Dea Tonny Yuu Chen
デア トニー ユー チェン
Patel Buku
パテル ブク
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Bristol Myers Squibb Co
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透過増強剤の非存在下で遅い皮膚浸透速度を
もち、特定の透過増強剤との長期の貯蔵に不安定であり
且つ分解する局所適用薬理学的活性剤(例えば薬剤又は
医薬)の表皮性、皮膚性及び経皮性の透過を増強する方
法及び装置を提供し、また通常低い皮膚透過速度をも
ち、薬理学的活性剤が長期にわたって混合される透過増
強剤によって不安定状態及び分解を生ずる該活性剤の皮
膚浸透を増強増加する方法及び装置を提供する。 【解決手段】 該組成物は固体又は皮膚表面に適用され
るまで物理的に隔離され、そして同時に又は互いに短時
間に連続的に局所的に適用されて混合又はブレンドさ
れ、皮膚上に最終活性組成物を形成する。この方法は治
療に有効な量の医薬を皮膚に放出することを可能にし、
使用時に該活性組成物中の透過増強剤の作用により薬剤
の他の方法では低い皮膚透過レベルを著しく増強させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は好ましくは皮膚に局所的又
は経皮的に適用される薬理学的又は治療学的に活性な化
合物の皮膚透過を増強させる分野に関するものである。
特に、本発明は通常遅い皮膚浸透又は透過速度を示し、
そして1以上の透過増強剤と混合されるとき医薬の不安
定な状態及び分解に基づき又は医薬と混合されるとき該
透過増強剤の不安定な状態及び分解に基づき長期間の調
剤及び貯蔵の間に透過増強剤と配合禁忌である種々の局
所適用医薬の表皮性、皮膚及び経皮性の浸透の増強及び
制御に関する。
【0002】
【発明の背景】治療活性薬剤の投与の経皮経路がヒトを
含む動物の体循環中に薬剤を送り込むために研究者によ
って使用されてきた。しかし、薬剤の経皮放出用の種々
の手段が発達したにもかかわらず、ヒト及び他の動物の
皮膚は外因的に適用される化学物質の浸透に対して優れ
た障害物を構成する。より内部の皮膚層が比較的透過性
であるにも係わらず、皮膚の最も外部の層、薄層コルニ
ュウム、は透過に対して最大の抵抗を与える。皮膚障害
及び疾患の適切な治療のためには、薬理学的活性剤はこ
の薄層コルニュウムに浸透し皮膚障害及び疾患の状態に
応じて、薄層コルニュウム、表皮、表皮ー真皮接合、真
皮自体、又は皮膚の全ての上記の層である作用部位で適
切な濃度で利用できるようにすることが重要である。
【0003】局所適用するときに、表面又は表面下の疾
患を治療する又は外部の因子から皮膚を保護する皮膚状
態を生成する有益な効果を提供できる種々な皮膚に有効
な薬理学的試薬が知られている。体循環中に吸収される
とき、有益な効果を提供できる他の薬理学的試薬がまた
知られている。従って、組成物の局所適用を介して全身
的作用を与えることが可能である。全身的に効果的な薬
理学的試薬の局所投与は、薬剤が胃に問題を生じる場
合、経口的に与えられるとき良く吸収されない場合又は
肝臓で急速に新陳代謝、例えば「ファーストパス」作
用、される場合に、大きな価値がある。そのような場
合、局所投与は経口的に必要な量よりも少ない量で全身
的応答を与えることができる。局所投与は、適当な投与
量で有効な血液レベルを達成するために他の方法で要求
される静脈内経路の投与に伴う不利益を避けることもで
きる。さらに、皮膚科学的薬剤は本発明に従って皮膚の
保護層を通してこれらの浸透性を増強させることによっ
てさらに有効に実施できる。
【0004】ある皮膚科学的の条件又は魚鱗癬、カル
ス、プラク乾癬等の病理学においては薄層コルニュウム
は厚く、それ故に薬剤の浸透に対して極めて強い障害物
を構成し、その効力を減少させる。その上に、最近の研
究は加齢によりヒトの皮膚は水可溶性薬剤による浸透に
対する抵抗を増加させることを明らかにしている。二三
の疾患状態例えば乾癬では、薄層コルニュウムは無傷で
はなく、それ故に通常の皮膚よりもより透過し易い。疾
患又は条件が進行するとき、障害物の再構築があり、治
療活性剤の透過に対する抵抗は増加するであろう。
【0005】浸透又は透過増強剤の使用は皮膚疾患の治
療を通して作用部位に治療活性成分の一定量の供給を達
成することが重要であることが知られている。例えば、
米国特許第5,326,566号明細書に記載されてい
るいる如く、全身的に効果的な薬理学的薬剤と、ジブチ
ルアジペート、又はジブチルアジペートとイソプロピル
ミリステートとの混合物とを組み合わせた組成物は皮膚
を介して薬剤の透過速度を大いに増加させることができ
且つ体循環中に吸収される量を増加させることができ
る。種々の透過増強剤が皮膚に及び皮膚を通して治療剤
の吸収を増加させるために使用されているけれども、透
過増強剤が所定の薬剤と配合禁忌であるときには種々の
問題が起こり、それにより、増強剤及び薬剤がヒトを含
む温血哺乳動物に使用する製薬的に許容し得る組成物に
同時処方されるときには薬剤の不安定な状態を生じそし
て分解を生ずる。結果として、もし薬剤が不安定な状態
になり且つ分解して好ましくない潜在的に有害な副生成
物を生ずことなく、透過増強剤及び薬剤が混合できそし
て一緒に貯蔵できなければ、当業者は薬剤の皮膚透過を
増加させるためにある種の透過増強剤を用いることがで
きない。そのような薬剤の分解生成物の問題に加えて、
これらの薬剤の分解生成物を活性薬剤とともにヒト患者
を含む温血哺乳動物の体循環中に投与する危険もある。
従って、もしある薬剤が皮膚及び関連組織の特別な苦痛
を治療する効力を示しているにも係わらず、遅い皮膚透
過速度をもち且つ透過増強組成物中での長期の調製及び
貯蔵の間不安定であるならば、医学及び臨床上の進歩に
対して及びヒトに対する用途に対してそのような薬剤の
有用性は著しく減少する。従って、かかる事情にかんが
みて、貯蔵中に増強剤が対象の薬剤を破壊し又は反対に
薬剤が対象の増強剤を破壊するので、当業者は増強剤を
特定の薬剤と一緒に使用することをためらうであろう
し、またその反対の使用もためらうであろう。
【0006】さらに、ある場合には透過増強剤が長期の
貯蔵の間に薬剤及び/又は該薬剤を含有する組成物と配
合禁忌であるかも知れず、それにより透過増強剤は不安
定な状態になり、そして透過増強剤と薬剤とがヒトを含
む温血動物に用いられ製薬的に許容し得る組成物中で同
時に調剤化されるときにはその分解を生ずる。結果とし
て、もし透過増強剤が不安定な状態になりそして分解し
て好ましくない潜在的に有害な副生成物を生ずことな
く、透過増強剤と薬剤とが混合できずそして製薬的に許
容し得る組成物中に一緒に貯蔵できなければ、当業者は
薬剤の皮膚透過を増加させるためにある種の透過増強剤
を用いることをためらうであろう。
【0007】従って、本発明は通常遅い皮膚透過速度を
もつ薬剤が透過増強剤と一緒に用いられることを可能に
し、適当な薬理学的賦形剤中の薬剤と適当な薬理学的賦
形剤中の透過増強剤との別個の調製剤を提供することに
より、局所適用後の薬剤の皮膚浸透速度を大いに改良す
る。この場合、薬剤及び透過増強剤は皮膚上で局所適用
時又は適用直前に皮膚の適用部位で組み合わされそして
混合される。
【0008】本発明は、遅い皮膚透過速度を持つ薬剤が
透過増強剤とともに使用されるとに該薬剤を含有する組
成物中で長期の安定を維持することができないような問
題の解決を提供する。本発明は遅い皮膚透過速度を持つ
薬剤が該薬剤及び/又は該薬剤を含有する組成物中にお
いて不安定な状態になる透過増強剤とともに使用される
ことを可能にし、3つの別個の調製剤、即ち1の薬剤、
1の他の透過増強剤及び1の他の賦形剤を提供すること
により皮膚上の局所適用後に該薬剤の皮膚透過速度を大
いに改善する。この薬剤、透過増強剤及び賦形剤の調製
剤は皮膚上の適用時又は適用直前に皮膚の適用部位で組
み合わされ且つ混合される。
【0009】ある場合には、遅い皮膚透過速度を持つ薬
剤及び透過増強剤は互いに相溶性であるかも知れない
が、一方又は両者が薬剤用の賦形剤中で長期間の安定性
をもたないかも知れない。そのような場合、本発明の使
用は2つの別個の調製剤、即ち薬剤+透過増強剤の1つ
及び賦形剤を含むもう1つを提供することによって薬剤
の局所適用後に該薬剤の皮膚透過を大いに改善する。薬
剤及び透過増強剤を含有する調製剤及び賦形剤を含有す
る調製剤は皮膚上の適用時又は適用直前に皮膚の適用部
位で組み合わされ且つ混合される。
【0010】従って、本発明の結果として、活性組成物
中の薬剤の皮膚透過速度は増強剤が存在しない薬剤の皮
膚透過速度に比べて大いに増強される。さらに、本発明
は薬剤の遅い透過速度にもかかわらず、また薬剤と特定
の透過増強剤との配合禁忌にもかかわらず、またこれら
の逆にもかかわらず、これらを組み会わせて、当業者は
薬剤を透過増強剤と一緒に使用することを可能にするこ
とによってこの技術における上記課題に対する解決を提
供する。
【0011】グロリエ他の米国特許第4,823,98
5号明細書は髪の着色に使用され且つ適用部位で組成物
の成分の共通分散及び生成を可能にする特定の粘度をも
つ少なくとも2成分用の分散用アセンブリーの使用を教
示している。グロリエ他はヘアケア用の化粧用生成物の
調製を記載するが、本発明とは異なり、低い透過速度を
もちそして組み合わされたとき透過増強剤と配合禁忌と
なる薬剤の透過を増強する経皮性投与とは関係がない。
【0012】ピーターソン他の米国特許第5,156,
846号明細書は、酵素製剤である皮膚透過増強剤によ
って皮膚を前処理し、皮膚透過を増強する酵素製剤が適
用される皮膚領域を閉塞し、皮膚閉塞手段を除き、そし
てその領域を洗った後に薬剤を適用することを必要とす
る経皮性薬剤投与システム及び方法を記載している。薬
剤の適用後に酵素によって前処理した皮膚の部位が再び
閉塞されることが記載されている。
【0013】ワイ・チャング他の米国特許第4,95
6,171号明細書は、特定の透過増強剤がスクロース
ココナツ及びメチルラウレートである2重(ジューア
ル)透過増強剤をもつ経皮性薬剤投与システムを教示し
ている。これらの2つの増強剤は浸透増加のために作用
するこれらの能力に基づく用途のために必要である。本
発明とは異なり、この記載は、薬剤及び/又は透過増強
剤の分解を促し、しかし薬剤及び透過増強剤が使用の時
点で皮膚上で混合されるとき薬剤の透過を増加すること
ができる、ある種の透過増強剤及び/又は薬剤のそれぞ
れと長期の貯蔵を通して不安定である薬剤及び/又は透
過増強剤に関するものではない。
【0014】ドイツ特許出願第DE4435805−A
1号号明細書は別々にパックされる無水軟膏基剤及び油
性エマルジョン(又は乳化剤の混合物)から適用部位で
酵素クリームを形成することを記載している。このクリ
ームは適用部位での酵素の安定性及び最大の活性を提供
することが記載されている。この特許出願は目的が適用
部位での酵素活性を維持することであるので酵素とエマ
ルジョン賦形剤との配合禁忌を扱っている。この出願は
透過増強剤の非存在下で低いレベルの皮膚透過をもつ
が、透過増強剤の存在下で不安定な薬剤の透過レベルを
増加させ且つ増強させる方法及び手段を包含又は示唆し
ていない。
【0015】クレイン他の米国特許第4,956,17
1号明細書は薬剤過酸化ベンゾイル及びエリスロマイシ
ン又はその誘導体の使用を必要とするアクネの局所治療
方法及び組成物を記載している。この特許は透過増強剤
とは関係がないしそしてこの2つの必要な成分は混合物
として皮膚適用されるか又は皮膚に別々に適用される。
しかし本発明とは異なり、過酸化物特に過酸化ベンゾイ
ルがエリスロマイシンによって佐薬として作用する。特
許権者はエリスロマイシン及び過酸化ベンゾイルは化学
的に配合禁忌であるけれども、表面活性剤及びジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウムを添加することにより過酸
化ベンゾイル/エリスロマイシンゲル組成物を安定化さ
せ得ることを記載している。これに対して、本発明は透
過増強剤組成物を安定化するために添加剤を必要としな
い。
【0016】キャンプベル他の米国特許第4,956,
171号明細書は、天然のエストラジオールの不足に伴
う病気を治療するためにエストラジオール及びエタノー
ルを皮膚を通して同時投与する投与型及び方法に特に関
し、同時投与され且つ制御された投薬量の薬剤及び経皮
性吸収増強剤を皮膚の制限された領域に投与する手段を
記載している。
【0017】WO92/09266、ビーチャム グル
ープ、は異なった脂肪親和性をもつ2つの液相が存在す
る局所薬剤適用の2相組成物を記載している。薬剤に関
して過飽和された状態が液相を混合した後に生じなけれ
ばならないように薬剤が1つの相に溶解される。
【0018】WO92/17183、グラクソ、は真菌
感染の局所治療のための連続投与用医薬及びその方法を
記載している。この医薬は抗真菌剤及び抗炎症剤をもつ
第1組成物及び活性成分として抗真菌剤のみをもつ第2
組成物からなる。
【0019】従って、本発明は、別な方法では遅い透過
速度をもちそして長期の組み合せの間に皮膚透過増強剤
と通常配合禁忌であり、本明細書に記載された如く使用
し且つ適用するとき、治療的に有効でありそして顕著に
増加された皮膚透過速度をもつ、種々のタイプの薬剤の
経皮性投与を提供する。本発明は遅い皮膚透過速度をも
つ薬剤及び長期の間該薬剤(該薬剤用の賦形剤)と混合
されるとき不安定である透過増強剤の同時投与及び組み
合わせを提供する。従来技術と比べて、本発明の薬剤及
び透過増強剤成分は、皮膚上の適用部位で局所的に適用
され且つ混合される前に、調製後及び貯蔵の間適当な放
出装置中でのこれらの物理的隔離の結果として、使用前
に相互作用することは許されない。都合の好いことに、
皮膚への薬剤の浸透レベル又は程度は、使用者又は適用
者が薬剤及び透過増強剤組成物を皮膚上で直接に混合し
又はブレンドして適用部位上で所望の活性組成物を生成
させることによって、使用時に又は使用直前に有利に且
つ顕著に増加される。
【0020】
【発明の概要】本発明は局所適用後に径皮性様式の投与
を介して体循環に放出される薬理学的活性剤又は薬剤の
生物学的利用能を増加する方法及び組成物を提供する。
本発明は皮膚への遅い浸透速度の故に、又は局所適用後
不十分な効力の故に、又は通常の貯蔵条件下で透過増強
剤組成物又は調製剤との混合中で安定性を失う故に、経
口投与、静脈内投与等の他の方法で投与されていたこれ
らの薬剤に特に有用である。
【0021】本発明の目的は、活性組成物の形成前に、
薬剤及び透過増強剤が、透過増強剤の存在下での薬剤の
不安定な状態及びそのような不安定な状態から生ずる有
害な薬剤副生成物の形成の結果として、長期の貯蔵の間
相溶性がない場合に、径皮性投与のために薬剤及び透過
増強剤を含むその場で活性な組成物を提供することであ
る。本発明によれば、薬剤及び透過増強剤は使用及び皮
膚に適用前別個に収容され且つ隔離されている。また本
発明によれば、薬剤及び透過増強剤は皮膚上での成分組
成物の各々の同時分散時に局所適用の部位上で混合又は
ブレンドされ、それにより該透過増強剤を使用時に該薬
剤上で活性化して皮膚への薬剤の透過速度を大いに増加
させる。本発明によれば、薬剤及び透過増強剤はまた皮
膚への適用直前に予め混合することができる。ただし、
成分組成物が予め混合される時期は薬剤の最小限の分解
又は実質上分解を生じない時期であり、薬剤の治療有効
量が径皮的放出されることを可能にする時期である。
【0022】本発明の他の目的は、製薬的に許容し得る
賦形剤、担体、希釈剤等を含む組成物を形成し、そして
薬剤が長期の貯蔵の間通常相溶性ではない透過増強剤を
含む他の組成物を形成し、これらの組成物を物理的に隔
離し、そして次いでこれらの組成物を同時に分散させ且
つ混合して薬剤の皮膚浸透性及び吸収性が使用時の透過
増強剤の活性により大いに増大される薬剤活性組成物を
形成することによって、本来的に遅い皮膚透過速度をも
つ薬剤の皮膚透過性を増大させる方法を提供する。
【0023】本発明はまた少なくとも1つの薬剤含有組
成物(該薬剤は遅い皮膚透過速度をもつ)及び少なくと
も1つの透過増強組成物を収容し且つ放出する手段を提
供する。本発明は配合禁忌である薬剤と透過増強剤とを
用いる手段を提供する。この手段においては、薬剤と透
過増強剤とは混合されるとき、相互に作用し、又はこれ
らの1つ又は2つが最終組成物の賦形剤(ビヒクル)と
相互作用するので、その組成物の長期の貯蔵安定性はこ
れらを物理的に個別に維持することにより達成される。
隔離された組成物は次いで同時分散又は同時適用され、
薬剤と透過増強剤との両成分が一緒に混合される活性化
組成物を形成して、透過増強剤が局所適用時に薬剤の皮
膚透過を増加させる。ここで使用される如く、この活性
化組成物とは皮膚上で混合される最終組成物を示す。さ
らに、薬剤の不安定な状態は、薬剤及び透過増強剤が皮
膚表面の局所適用直前又は適用時まで混合されないので
軽減され又は緩和される。薬剤の分解はまた本発明に従
って最小にされるかまたは緩和される。
【0024】本発明の他の目的は、たとえ透過増強剤と
薬剤とが透過増強剤が長期の間薬剤と配合禁忌である故
に製薬組成物として一緒に混合され及び貯蔵できない場
合でも、薬剤の皮膚透過性を増大させる透過増強剤を用
いる手段を提供することにある。本発明の条件以外の条
件下では、透過増強剤は長期の間薬剤及び/又は薬剤を
含有する組成物と配合禁忌であり、従って透過増強剤の
不安定な状態及び分解を引き起こす。しかしながら、本
発明によって提供される条件下では、透過増強剤は、期
間中に不安定になりそして分解して望ましくない及び/
又は有害な副生成物を生成することなく、薬剤及び透過
増強剤を含む製薬的に許容し得る組成物を調製し得る。
【0025】本発明の他の目的は、薬剤が長期の貯蔵期
間の間に透過増強剤の存在下で不安定であるとき、透過
増強剤の存在下で適当な局所適用薬剤の皮膚透過性を増
大させる方法を実施するための装置又は手段を提供する
ことにある。従って、本発明の実施によってこの技術に
おける薬剤と透過増強剤とは長期の貯蔵を通して薬剤と
透過増強剤との配合禁忌の問題なしに、任意の局所適用
薬剤と任意の透過増強剤との組み合わせを可能にし、使
用者の皮膚を通して薬剤の浸透を増加且つ増大させる。
【0026】本発明の他の目的は、たとえ薬剤が長期の
貯蔵の間に透過増強剤の存在下で不安定であったとして
も又は透過増強剤が長期の貯蔵の間に薬剤中で不安定で
あったとしても、通常遅い皮膚浸透速度をもち且つ透過
増強剤と混合される薬剤の改良された皮膚透過を可能に
する別個に収容されるか又は区画された多数の異なった
調製剤を提供する。本発明によれば、3つの別個の調製
剤が提供され、それは第1の薬剤、第2の透過増強剤、
そして第3の賦形剤(ビヒクル)である。この3つの調
製剤は皮膚の適用時に又は適用直前に適用部位で組み合
わされそして混合される。また本発明によれば、2つの
別個の調製剤が、遅い皮膚透過速度をもつ薬剤と透過増
強剤とが相溶性であるが薬剤の賦形剤中での長期の間安
定性を維持し得ない場合に特に提供される。第1の2つ
の調製剤は薬剤と透過増強剤とを含有し、第2の調製剤
は賦形剤を含有する。2つの調製剤は適用時又は適用直
前に皮膚の適用部位で混合される。
【0027】本発明によって提供されるさらなる目的及
び効果は下記の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0028】
【図面の説明】本発明の記載に際して、添付書図が時々
参照される。
【0029】図1は本明細書に記載される薬剤及び透過
増強剤の2つの部分からなる放出システムに従って使用
に特に適する2重(ジューアル)放出組立品(アッセン
ブリー)、例えば2重放出シリンジ装置である。図示さ
れている如く、2重放出組立品は各バレルと連結した2
つの出口をもつ2重バレルシリンジである。2つの別個
のシリンジ室又はシリンジ2重バレルはそれらの内に貯
蔵された内容物を貯蔵の間混合し、ブレンドし又は組み
合わせることを阻止する。さらに、分散手段(例えば、
プランジャー)は2つの出口を通してシリンジバレルの
内容物を排出するように働き、従ってこの2つのバレル
の内容物は例えばこれらが皮膚上のある部位で同時に適
用されるまで、別個にそして隔離されたままにおかれ
る。この装置では、第1の出口が薬理学的試薬(活性成
分)を含む別個に収容された組成物を放出し、そして第
2の出口は、本発明の具体例で記載されている如く、透
過増強剤及び/又は該活性成分の溶媒等を含む組成物を
放出する。1つのデザインに従って、該分散手段又はプ
ランジーは単一機構として働き、同時にそして同じ速度
で出口に向かってプランジャーを押圧することにより同
時に2つの室の排出を制御することができる。別法とし
て、他の1つのデザインでは、各バレル用の別々のプラ
ンジーが異なった時間に及び/又は種々の速度で2つの
バレルの各々の内容物の排出を制御することができる。
2重放出シリンジ装置は4℃の室温、又は凍結温度(例
えば−20℃)で別個の組成物として活性成分及び透過
増強剤を収容することができる。
【0030】図2は本発明に従って使用に適する皮膚透
過放出装置の図解を示す。装置に示されている如く、構
成部分はバッキング層2、薬剤含有調製剤4、透過増強
剤含有調製剤6、圧力によって破裂可能な非透過性膜
8、拡散膜10、接触付着層12、及び除去可能なはく
離ライナー14を包含する。
【0031】図3は本発明に従って使用に適する他の皮
膚透過放出装置の図解を示す。装置に示されている如
く、構成部分は薬剤含有調製剤16、透過増強剤含有調
製剤18、指の圧力でばらばらに破壊される非透過性膜
20、バッキング層22、付着層24及び除去可能なは
く離ライナー26を包含する。
【0032】図4は本発明に従って使用に適する他の皮
膚透過放出装置の図解を示す。装置に示されている如
く、構成部分はバッキング層28、圧力で破壊される非
透過性カプセル内に収容された薬剤含有調製剤30、非
透過性カプセルを囲んでいる透過増強剤含有調製剤3
2、拡散膜34、接触付着層36及び除去可能なはく離
ライナー38を包含する。
【0033】図5A及び5Bは実施例5に記載された種
々の賦形剤(エクシピエント)組成物中30℃(図5
A)及び40℃(図5B)でのBMS−188184−
05の長期安定性を測定するための賦形剤安定実験の結
果を示す。
【0034】図6及び図7はヒト死体皮膚モデル系を使
用するインビトロ皮膚透過検定(アッセイ)の結果を示
す。この検定はほぼ1% w/wの薬剤を含有する活性
化治療組成物からホスホリパーゼA2阻害剤薬BMS−
188184−02の浸透量を測定した。(−●−:鉱
物油基材GEAHLENE軟膏中のBMS−18818
4−02 1%、コントロール);(−■−:BMS−
203322皮膚透過増強剤を含む鉱物油基材GEAH
LENE軟膏中のBMS−188184−021%);
(−▲−:イソプロピルミリステート(IPM)を含む
ペトロラタム(ワセリン)軟膏組成物中のBMS−18
8184−02 1%及び皮膚透過増強剤としてグリセ
リルモノカプリレート(GMC));(−▼−:イソプ
ロピルミリステート(IPM)を含むペトロラタム組成
物中のBMS−188184−02 1%及び皮膚透過
増強剤としてBMS−203322);及び(−◆−ジ
プチルアジペート(DBA)を含むペトロラタム軟膏中
のBMS−188184−02 1%及び皮膚透過増強
剤としてイソプロピルミリステート)。
【0035】図8はヒト死体皮膚モデル系を使用するイ
ンビトロ皮膚透過検定の結果を示す。この検定は薬剤の
ほぼ1%,w/w、を含む活性治療組成物からホスホリ
パーゼA2阻害剤薬BMS−188184−02の浸透
量を測定した。本発明の2重システムにおいて、1%の
BMS−188184−02の活性治療組成物を軟膏基
材薬剤組成物を種々のクリーム又はゲル基材透過増強剤
組成物と混合し、次いで直ちに皮膚に適用することによ
って形成した。(−●−:鉱物油基材軟膏、GEAHL
ENEコントロール);(−■−:BMS−18818
4−02軟膏組成物、プロピレングリコール及びSLS
透過増強剤クリーム組成物を含有する活性組成物);
(−▲−:BMS−188184−02軟膏組成物、プ
ロピレングリコール及びデシルメチルスルホキシド透過
増強剤クリーム組成物を含有する活性組成物);(−▼
−:BMS−188184−02軟膏組成物及びd−リ
モネン透過増強剤ゲル組成物を含有する活性組成物);
(−◆−BMS−188184−02軟膏組成物及びメ
ントン透過増強剤ゲル組成物を含有する活性組成物)。
【0036】図9は無毛ラット皮膚モデル系を使用する
インビボ皮膚保持(リテンション)検定の結果を示す。
この検定はほぼ1%,w/w、の薬剤を含む活性治療組
成物からホスホリパーゼA2阻害剤薬BMS−1881
84−02の皮膚保持(皮膚のグラムに対して薬剤のμ
g)を測定した。本発明の2重システムにおいて、1%
BMS−188184−02の活性治療組成物が軟膏基
材薬剤組成物をクリーム透過増強剤と1:1の割合で混
合することによって形成される。(−●−:BMS−1
88184−02、2%軟膏組成物及び0.8%ナトリ
ウムラウリルサルフェート(SLS)透過増強剤クリー
ム組成物からなる2重システム活性組成物);(−■
−:BMS−188184−02、1%鉱油基材軟膏
(GEAHLENE)組成物を含む活性組成物);(−
▲−:透過増強剤としてエタノール溶液中にBMS−1
88184−02、1%を含む活性組成物)。
【0037】図10は2重システム2%BMS−188
184−02軟膏及びSLS透過増強剤クリーム組成物
の単一局所投与後の無毛ラットにおけるBMS−188
184−02の血漿濃度(μg/mL)を示す。
【0038】図11は異常流出(フラックス)が計量さ
れるヒト死亡皮膚モデル系を使用するインビトロ透過検
定の結果を示す。この検定はホスホリパーゼA2阻害剤
薬BMS−188184−02の異常流出を測定した。
本発明の2重システムにおいて、薬剤のほぼ1%,w/
wを含む活性治療組成物を、軟膏基材薬剤組成物を実施
例4に記載の種々のクリーム又はゲル基材透過増強剤組
成物と混合して形成し、そしてコントロールとしてのG
EAHLENE基材軟膏調製剤と比べた。
【0039】図12はBMS−188184−02及び
実施例4に記載の種々の透過増強剤を含む活性治療調製
剤のインビトロ皮膚異常流出検定から生ずる増加割合を
示す。
【0040】図13はヒト死亡皮膚系を用いるインビト
ロ皮膚浸透検定の結果を示す。この検定は薬剤のほぼ1
%,w/w、を含む活性治療組成物からホスホリパーゼ
A2阻害剤薬BMS−188184−02の皮膚保持
(μg活性/mg皮膚)量を測定した。2重システムに
おいて活性治療剤が、実施例4に記載する如く、軟膏基
材薬剤組成物を種々のクリーム又はゲル基材透過増強剤
組成物と混合することにより形成され、コントロールと
してのGEAHLENEと比べた。
【0041】図14は実施例4に記載されている如く、
BMS−188184−02及び種々な透過増強剤含む
活性治療調製剤のインビトロ皮膚保持検定から生ずる増
加割合を示し、コントロールとしてのGEAHLENE
基材軟膏調製剤と比べた。
【0042】
【発明の具体的記載】本発明は、もし単独で適用される
ならば遅い皮膚透過又は浸透速度をもち、この技術分野
で通常に知られ且つ使用されているある種の透過増強剤
とは不安定及び/又は配合禁忌である局所適用薬剤又は
医薬の皮膚透過又は浸透を増大させる方法及び組成物を
提供する。用語「薬剤(ドラッグ)又は医薬(メジカメ
ント)」は使用者に対して治療上又は化粧上の利益を与
えることができる薬理学的に活性な化合物又は薬品(又
は局所活性剤、化合物又は物質)を意味すると理解され
るべきである。そのような薬理学的に活性な化合物又は
薬品は製薬的に許容し得る塩又はその誘導体をまた包含
し得る。用語「薬理学的に活性な化合物、薬剤及び医
薬」はここでは互換的に使用されるとまた理解されるべ
きである。さらに、用語「皮膚透過及び皮膚浸透」はこ
こで使用されている如く、同じことを意味する。
【0043】さらに、本発明は、もし使用前に特定の皮
膚透過又は浸透剤と通常の混合及び貯蔵をされるなら
ば、不十分な安定性を示し又は分解して使用者に潜在的
に有害な望ましくない薬剤副生成物を形成する、局所適
用薬剤又は医薬の径皮投与用の増強された皮膚透過又は
浸透を可能にする。さらに、本発明は、薬剤が長期にわ
たって組み合わされ又は混合される1以上の特定の皮膚
透過増強剤の不安定な状態及び分解を引き起こし得る局
所適用薬剤又は医薬の径皮性投与用の増強された皮膚透
過又は浸透をまた可能にする。従って、本発明は事実上
任意の薬剤を任意の透過増強剤と一緒に使用して薬剤の
皮膚透過性を増強させる手段を提供する。本発明は、長
期の間透過増強剤の存在下で不安定であり、従って使用
前に長期の間一緒に混合し又は混ぜ合わせることができ
ない薬剤又は複数の薬剤の局所適用に特に適する。
【0044】薬理学的に活性な化合物の皮膚性及び経皮
性浸透が該化合物を皮膚性又は径皮性浸透増加薬剤(又
は透過増強剤と呼ばれる)中に組み入れることによって
実質的に改良され得ることが、例えば米国特許第5,3
26,566号明細書に記載されている如く、すでに知
られている。しかしながら、もし局所的に適用される薬
理学的に活性な化合物がそれ自身遅い皮膚透過速度をも
ちそして一定の透過増強剤と配合禁忌であるならば種々
の問題が惹起される。例えば、そのような透過増強剤を
含む組成物又は調製剤中に組み入れられ且つ貯蔵される
ならば、活性化合物は化学的に不安定になる。
【0045】本発明は、皮膚透過増強剤と普通のやり方
で混合されるとき、不安定になりそして分解して、薬剤
と透過増強剤との安定な混合物又は組み合わせが達成さ
れず又は維持できないような薬剤の皮膚浸透性を増加さ
せそして改善する手段を提供することによってこの問題
に対する解答を提供する。本発明を達成するための手段
は活性成分組成物、即ちその製薬的又は皮膚科学的に許
容し得る賦形剤(ビヒクル)又は相溶性溶媒中の薬剤、
を使用時まで透過増強剤成分組成物と物理的に隔離し、
これらの2つの組成物が使用者又は適用者によって混合
又はブレンドされる時に薬剤及び透過増強剤を含む活性
組成物を形成することにより達成される。後者の組成物
中の薬剤の皮膚透過性は透過増強剤とのブレンド又は混
合の無いときの薬剤の透過速度に比べて著しく増大され
る。薬剤及び透過増強剤は皮膚表面への成分組成物の局
所適用直前又は適用時に混合又はブレンドすることがで
きる。好ましくは、薬剤及び透過増強剤は使用者によっ
てブレンドされる。賦形剤(ビヒクル)は活性薬剤、医
薬又は透過増強剤が投与される薬理学的に許容し得る不
活性媒体を意味する。またこの用語によって同じ意味で
使用され得る用語賦形剤(エクシピエント)、担体(キ
ャリヤー)及び偽薬(プラセボ)が包含される。
【0046】用語「透過増強剤(permeation
enhancer)」は透過増強剤として機能し皮膚
への薬理学的に活性な化合物の浸透を増加及び/又は増
強させる全ての生物学的、化学的又は製薬的物質、化合
物又は試薬を包含することを意図するものと理解される
べきである。本発明に従って透過増強剤として作用し及
び/又は透過増強剤の機能を持つ透過増強剤又は全ての
物質は、特に透過増強の存在しないとき化合物の速度が
無視し得る程に遅いときに又は透過増強として機能又は
作用する物質の浸透速度が無視し得る程遅いときに、皮
膚への薬理学的に活性な化合物の浸透速度を増加するこ
とができる。
【0047】本発明は、薬剤含有組成物が身体表面又は
皮膚領域に適用されるとき薬剤が賦形剤中で長期の貯蔵
に安定でありそして速い浸透速度を示すような、興味あ
る薬剤及び該薬剤用の皮膚科学的に許容し得る賦形剤を
含む1以上の組成物を提供する。一般的な指針として、
長期の貯蔵とは少なくとも約1年、好ましくは少なくと
も2年、より好ましくは少なくとも3年そして最も好ま
しくは少なくとも4年間室温で貯蔵されるときの薬剤の
安定性を意味する。本発明は、薬剤と通常に混合される
とき、そのような混合物中での薬剤の長期の貯蔵安定性
が達成できないように、該薬剤を不安定な状態にしそし
て薬剤分解副生成物を生ずる、該薬剤用の皮膚浸透又は
透過増強剤を含む1以上の第2組成物をまた提供する。
この薬剤含有組成物及び透過増強剤含有組成物は皮膚の
ある領域に局所的に適用され、組成物のその適用は同時
又は連続的に行われる。もし適用が連続的であるなら
ば、組成物の1つは他の組成物が適用された後短時間の
間に適用されなければならない(例えば、互いに約1〜
30分以内、好ましくは互いに約5〜10分以内、より
好ましくは他の適用後直ちに、例えば数秒以内)。組成
物は、例えば適用部位で(例えば指の圧力を用いて)こ
すって、ブレンドされた活性組成物をその場で形成する
ことにより混合される。
【0048】もし組成物が代わるがわる適用されるなら
ば、皮膚への組成物の放出又は適用の順序が本発明の性
能に影響を及ぼすとは考えられない。例えば、薬剤を含
有する第1組成物及び透過増強剤を含有する第2組成物
が使用されるときには、第1又は第2組成物のいずれか
が皮膚に最初に適用され得る。しかしながら、もし薬剤
が第1組成物中で懸濁液であり、そして透過増強剤を含
有する第2組成物の溶媒中に溶解するならば、薬剤と透
過増強剤との適用の順序は重要であるかも知れない。そ
のような場合、薬剤含有組成物を最初に適用し、次いで
透過増強剤含有組成物を適用することが好ましい。同様
に、もし透過増強剤が薬剤組成物の賦形剤中で懸濁しそ
して溶解すべきであるならば、そのときには該透過増強
剤は最初に適用されるべきである。しかしながら、薬剤
及び透過増強剤組成物の両者が溶液であるのならば、第
1又は第2組成物のいずれか一方が最初に適用し得る。
【0049】好ましい態様においては、1以上の薬剤組
成物が皮膚に最初に適用され、次いで1以上の透過増強
剤が直ちに又は短時間の間に、即ち互いに約10分以内
に、好ましくは互いに5分以内に、より好ましくは代わ
るがわる適用される。別法として薬剤含有組成物及び透
過増強剤含有組成物は適用直前に混合され、予備混合物
又はブレンド混合物を形成し得る。ただし薬剤の濃度は
その混合により、出発濃度の90%以下に減少されず、
好ましくは95%以下そしてより好ましくは99%以下
に減少されない。予備混合物は典型的には上記記載の濃
度要求に関して適用されるべきである。通常予備混合物
は該予備混合物形成後1日以内に、好ましくは数時間以
内に、より好ましくは約1時間以内に、そして最も好ま
しくは数分以内に使用される。当然にその時間は貯蔵条
件により及び薬剤と透過増強剤との全体の安定性によっ
て変化するであろう。当業者は冷凍が該予備混合物が使
用され得る時間を延長することを知っているであろう。
限定されない例として、室温貯蔵条件は該予備混合物が
1日又は数日以内に使用されることを可能にするが、冷
凍(例えば、4〜5℃)は1ヵ月、可能性としては2〜
3ヵ月まで期間を延ばす。
【0050】上記の如く、組成物の適用が予備混合物の
形態のとき、該予備混合物の調製とその個体表面又は皮
膚領域への局所適用との間に経過した時間は該予備混合
物中の薬剤の濃度が予め決められた許容し得る濃度以上
にあることを条件とする。例えば、予備混合物中の薬剤
濃度は予め決められた許容し得る濃度の90%以下であ
るべきではなく、好ましくは95%そしてより好ましく
は99%以下であるべきではない。上記の如く、透過増
強剤と混合される薬剤を含む最終活性組成物を皮膚上に
形成するための薬剤組成物と透過増強剤との混合によっ
て、透過増強剤が存在しない薬剤透過の第1速度に比べ
て、薬剤の透過の第2速度は例えば少なくとも約2倍〜
5倍、好ましくは少なくとも約10倍、より好ましくは
少なくとも約30倍そして最も好ましくは少なくとも5
0〜80倍又はそれ以上の速度を得る。さらに、薬剤含
有組成物及び透過増強剤を物理的に隔離しそして適用時
にこれらの2つの組成物を混合して個体表面又は皮膚上
に活性組成物を生成することにより、又はこれらの組成
物を皮膚への適用前の適当な時間に予備混合してこの予
備混合物を個体表面又は皮膚領域に適用することによっ
て、個体表面又は皮膚領域に放出され、(そして透過増
強剤の活性に基づき皮膚を透過し得る)活性組成物中の
1以上の薬剤分解副生成物の生成及び存在が実質的に減
少されるか又は軽減される。
【0051】本明細書に記載する如く、1以上の薬剤組
成物及び/又は透過増強剤組成物が本発明で使用し得る
が、全ての組成物は貯蔵の間別個に維持され、そして使
用する時点で混合される。
【0052】本発明に従って、薬剤を含む製薬組成物及
び透過増強剤を含む別個に貯蔵された組成物の有効量を
ヒト又は動物の体に適用することによってヒト又は動物
の局所治療方法を提供する。本発明は医薬の通常の貯蔵
条件及び時間枠下において透過増強の存在下で不安定な
薬剤に特に適する。本発明はまた、ヒトを含む温血哺乳
動物において、それ自体遅い皮膚透過速度をもち、増強
された皮膚透過性をもち得るが特定の1以上の透過増強
剤と長期間の相溶性又は安定性を維持できない1以上の
薬理学的に活性な化合物の皮膚透過の所望される程度を
得る方法を提供する。
【0053】活性組成物中の透過増強剤に対する薬剤の
割合は適当な方法で成分濃度調整することにより、例え
ば、各々の成分の出口の大きさを変えることによって、
当業者により実施を通して処理し得る。例えば、図1は
本発明のこの見地に従って薬剤及び透過増強剤組成物を
分散させるための調節可能なシリンダー及び出口サイズ
をもつ2重バレルシリンダー装置を示す。図1で例示さ
れた装置では、シリンダーの2つのバレルの直径及び出
口サイズはシリンダーの各々に含有される2つの組成物
の必要量の放出を生ずるために独立に変化させ又は変更
できる。
【0054】本発明は、例えば薬剤と混合するための予
め決められた量を生成するために透過増強剤の量を変化
させることによりそして透過のための最大の熱力学的
(サーモダイナミック)活性を持つことにより、薬剤及
び透過増強の適用後の皮膚への透過の程度及び量を当業
者が調整することをまた包含する。従って、適用される
透過増強剤の量又は程度を変化させ又は調整することに
よって、皮膚透過の程度は変化し得る。本発明のこの態
様は透過増強剤の量が透過の特定の程度を得るために調
節される異なる投与手段を用いることにより達成でき
る。限定されない例示として、例えば透過の種々の流量
及び速度を達成するために、薬剤の濃度は1重量%であ
り、これに対して透過増強剤の量は0.1〜0.3重量
%に変化し得る。他の例示として、透過増強剤の投与を
投与量の最小の速度で開始せしめて、そして投与量速度
を最大速度にまで変化させることによって皮膚へのより
深い透過を達成できる。別法として、異なる透過速度を
可能にするように装置をデザインし、透過増強剤のイン
プット及びアウトプットを調整し得る。この方法では、
治療は1つの速度で開始され、そしてこの速度は投与を
通して又は投与の後に増加(又は減少)される。他の別
の方法は2重シリンジ装置のような2つの装置を使用
し、この1つのシリンジは透過の第1の程度を与えそし
て第2のシリンジは投与の後に透過の第2の程度を与え
る。そのような様式は、皮膚への適用後に透過増強剤の
変化する量を放出するためにデザインされる一連の異な
るシリンジを使用することにより、異なる透過の程度を
与える。
【0055】本発明の方法は薬剤含有組成物及び透過増
強剤含有組成物が皮膚に局所適用されるとき、これらの
実際の混合前には物理的に分離され、区画され、収容さ
れ、隔離され又は貯蔵され得る種々な放出システムを使
用することによって実施できる。特定のしかし限定され
ない皮膚透過増強剤含有組成物が使用されるならば、2
重放出システムが使用に便利である。
【0056】一般に、組成物の適用及びブレンド前に、
本発明の薬理学的に活性な組成物及び透過増強剤組成物
を収容し且つ放出するための装置は、折りたためる又は
可撓性チューブ、固形チューブ、ボトル、ジャー、アン
プル、スプレーデスペンサー(例えばエーロゾルカ
ン)、皮膚透過パッチ、含浸パッド、シリンジ、ポン
プ、他のディスペンサー、カプセル、マイクロカプセル
又は他の適当な又は適当なこの技術で周知のプレゼンテ
ーションの型であることができる。本発明に使用できる
ディスペンサーは最適には薬理学的に活性な組成物を貯
蔵の間及び使用時まで透過増強剤と物理的接触を避ける
ものである。
【0057】収容及び分散用容器の1つの型はユニタリ
性であり、ばらばらに分けることができない単一容器、
例えば単一チューブ、又はチューブ又は円筒型の容器の
鋳型の一対からなり、それにより同一装置及び同一分散
機構及び開口が薬剤含有組成物及び透過増強剤含有組成
物の両者の適用に使用される。本発明で使用する適切な
装置の多数のデザインを当業者は入手し得る。例えば、
本発明の組成物を別々に区画し、そしてその後同時適用
し又は連続的に適用するために必要な特徴を備えるよう
に当業者によって変更し得る種々の使用に適するディス
ペンサー及び装置が米国特許第4,823,985号明
細書、5,156,846号明細書、5,223,26
2号明細書、4,592,487号明細書、4,37
9,454号明細書、4,497,794号明細書、W
O92/17183号明細書及びスペイン特許P.88
03996号明細書に記載されている。
【0058】本発明で有用な他の投薬装置は下記に記載
される。例えば、2つの区画を画定するために径線ライ
ンにそって垂直壁を備える単一円筒型ジャー又は容器が
本発明に従って第1の遅い透過速度を持つ薬理学的に活
性な組成物(例えば、第1組成物)及び薬理学的に活性
な組成物を不安定にする配合禁忌な透過増強剤組成物
(例えば、第2組成物)を隔離しそして収容するために
使用される。また、2つの別個の装置が、すなわち第1
及び第2組成物の各々に対して1つの装置が使用し得
る。
【0059】単一の装置が両者の組成物を収容し且つ投
薬するために使用できる。この場合第1組成物及びその
後直ちに又は短時間の間に第2組成物が同一装置から連
続投薬される。連続投薬即ち第1組成物から第2組成物
への切替えは手動的又は自動的に行われる。別法とし
て、単一投薬機構は装置中にある別個に収容された第1
及び第2組成物が適用時に同一装置の同一開口又は出口
から又は並んだ開口又は出口から同時に放出されるよう
にすることができる。
【0060】手動操作では、1つの例として、各個人又
は医者が例えば、ダイアルによって第1組成物を投薬す
る装置を調節し、そして次いで第2組成物を投薬する装
置を再調節する。別法として、手動操作用装置は第1組
成物を投薬するために予めセットされ、次いで第2組成
物を投薬するために手動的に調節されるか又はこれらの
逆も同様に行われる。自動操作装置では、他の1つの例
として、装置が予めセットされた量まで予め満たされて
いた第1組成物を投薬し、その放出後直ちに、該装置が
第2組成物を投薬する。自動様式では、各個人は異なっ
た組成物がその切替え後に投薬されていることを気づか
ない。別法としてこの装置は第1組成物の前もってセッ
トする量よりもむしろ、第1組成物(即ち遅い透過速度
をもつ薬理学的に活性な組成物)の前もってセットする
適用回数だけ投薬し得る。この装置は次いで自動的に第
1から第2組成物に切り替えられ、その時点では使用者
はより多く投薬するとはできないそしてその時点で第2
組成物を使用することを知るであろう。そのような様式
では、例えば、この装置は、第1組成物が7日間又は1
4日間投薬されるかどうかそして投与が1日に4回、1
日に2回又は1日に1回であるかどうかに基づいて約
7、14、28又は56回投薬する。これらのパラメー
タは製造時に又は治療者の処方薬に基づいて医者によっ
て装置内にプログラムされる。
【0061】1つの組成物が製薬的許容し得るビヒク
ル、キャリヤー又は賦形剤中に薬剤を含みそして他の1
つの組成物が透過増強剤を含む2つの組成物からなる本
発明では、これらの組成物は使用者又は患者によって局
所適用が容易な2重放出装置、一対の区画されたパッ
ク、又は径皮性放出システム(例えば、図2、3及び4
参照)中に特にパッケージされている。使用者又は患者
は通常これらの2つの組成物を同時に治療又は皮膚領域
上に適用し、次いで指の圧力でこすり合わせてこれらの
組成物を一緒にその場で混ぜ合わせ局所浸透用の活性治
療組成物を作る。この2つの組成物はまた第1及び第2
組成物を隔離している膜又はシールを破壊してパック又
は装置中で混合され、皮膚への活性組成物の局所投与又
は適用のための溶液又はエマルジョンをパック中に生成
することができる。
【0062】本発明による方法及び組成物は、低い局所
吸収度を持つ又は高い投薬レベルが要求される多数の薬
剤又は医薬が例えば径皮性システムで効果的に局所投与
され得る手段を提供する。従って物理的に隔離された薬
剤組成物及び皮膚への透過増強剤を収容し且つ放出する
好ましい手段はこの技術では知られ且つ記載されている
径皮性パッチ又は類似の装置の手段である。そのような
装置の例は米国特許第5,146,846号明細書及び
国際出願WO92/17183号明細書に開示されてい
る。組成物を貯蔵し、皮膚へ放出しそして活性組成物を
形成する皮膚透過様式は便利でありそして本発明の目的
に好都合である。一般に、本発明の組成物の放出用皮膚
透過装置は、皮膚表面への該手段又は装置の局所付着直
前又は付着時に使用者により意図的に破壊されるときに
折りたたまれそして破壊される不浸透性膜、壁、シール
又は仕切りによって物理的に隔離されている2つの室、
貯蔵器又は区画(コンパートメント)からなる(図2−
4参照)。この膜等は2つの組成物の隔離されたそして
別々の貯蔵を提供し、そして膜を破壊する前に通常の及
びありきたりの製品、パッキング、貯蔵、及び皮膚への
最後の適用の間1つの区画の内容物の他の区画への浸出
又は拡散を許さない。
【0063】皮膚透過装置の下部面又は基底面の下側は
皮膚の選択された特定領域に固定される。上部表面は皮
膚表面と本質的に平行であり、皮膚表面から持ち上げら
れ高くなっている。装置の隔離された区画の1つには、
薬理学的に許容し得る賦形剤(ビヒクル)中で処方され
た安定な薬剤組成物が収容される。第2の区画には透過
増強剤を含む組成物が収容されている。経膜装置の皮膚
への適用後に該装置の上部表面上に意図的且つ持続した
指の圧力が区画間の膜又は仕切りを折りまげ且つ破壊
し、そして以前に別々に維持されていた2つの組成物が
パッチの表面上の指によって円形又ははげしくこする動
きによって混合され薬剤及び透過増強剤を含有する活性
組成物を皮膚上に生ずる。
【0064】もし装置が別個の区画を2つ以上を含有す
るようにデザインされるならば、薬剤及び/又は透過増
強剤の異なるタイプを含む他の製薬上許容し得る化合物
がこの内に貯蔵でき、所望され又は正当化されるとき患
者又は使用者により混合され且つ径皮的に投与され得
る。この点において、本発明の態様は1以上の薬剤組成
物及び/又は1以上の透過増強剤組成物を包含し、これ
らは別々に、皮膚の部位に局所適用されるまで、貯蔵及
び投薬装置の性質に基づき別個の区画、容器、貯蔵器等
に含有され得る。次いで種々の組成物の混合又はブレン
ドが皮膚への適用時、又は皮膚への適用後直ちに又は適
用後短時間の間に上記した如く行われる。さらに、本発
明の成分組成物の予備混合又はその予備セットを皮膚へ
の局所適用前直ちに又は短時間の間に行うことができ、
そして他の成分組成物を局所適用時にこの予備混合物と
混合させ且つ組み合わせることができる。
【0065】従って、上記記載にかんがみ、薬剤及び透
過増強剤及びこれらの製薬的に許容し得る担体、賦形
剤、又は処方剤を収容し及び/又は貯蔵しそして適用す
るための多数の装置及び容器が本発明で使用し得ること
を理解すべきである。この装置の特徴が方法の範囲又は
実施可能性に影響を与えるべきではない、ただし薬剤を
含む組成物及び透過増強剤を含む組成物が貯蔵の間別個
に維持され、そして使用時、使用直前又は使用前の短い
時間まで混合又は組み合わせを許さないことは除く。こ
の組成物は使用前に装置の内部又は外部のいずれかで予
備混合され、そして次いで最終活性組成物が皮膚に局所
適用される。
【0066】活性薬剤成分を使用前に配合禁忌である透
過増強剤と隔離する他の新規な貯蔵及び放出手段は、相
溶性の製薬的に許容し得る溶媒又は賦形剤ビヒクル中に
該薬剤を溶解又は調製し、そして次いで該薬剤溶液又は
調製剤をマイクロカプセル、微細粒子、ミクロスフェ
ア、又はこれらの組み合わせ、及び類似物の形態のよう
にカプセルで包むことを包含する。透過増強剤を含みそ
して該薬剤含有マイクロカプセルが懸濁される外側溶媒
として働くゲル又はクリーム等の適当な組成物中にこの
薬剤含有マイクロカプセル等は懸濁される。そのような
貯蔵及び放出手段では例えばマイクロカプセルは該マイ
クロカプセル内側及び外側への拡散を許さずそして有意
程度のその内容物の浸出を許さない物質又は材質から作
られる。しかしながら、該マイクロカプセルは、例えば
該カプセルを含有する組成物が皮膚に適用され、そして
使用者によってこすられ又は皮膚上でブレンドされた後
に、指の圧力を用いて破壊され、割られ又は裂かれるこ
とができるものである。皮膚への適用時での薬剤をカプ
セルに包んだマイクロカプセルを含有する組成物の摩さ
つ及びブレンドは破壊され、割られ又は裂れたマイクロ
カプセルから薬剤を放出させ、そして透過増強剤を含む
外側溶媒と該放出された薬剤との混合を可能にする。従
って、本明細書に記載する如く、基材組成物中の活性薬
剤と透過増強剤との混合及び組み合わせは皮膚の適用部
位で使用者に与えられる。
【0067】本発明の他の態様では、使用される装置又
は放出手段に基づき複数の室(チェンバー)、貯蔵器、
容器、ボトル、又はバイアル等が薬剤組成物及び/又は
透過増強剤を含む多数の成分、即ちマルチコンポネント
組成物を別々に含有することができる。隔離された成分
は使用時又は使用の近時に最終的に混合されて活性組成
物を形成する。成分の混合は個体又は皮膚表面上で局所
適用又はブレンドされるときに生じる。別法として、成
分を予め混合して薬剤組成物及び透過増強剤組成物を形
成することができ、そしてこの2つの組成物はこの予備
混合物の形成後に一定の時間内に皮膚に適用され皮膚上
で混合され、それにより活性組成物を形成する。この方
法では、例えば、薬剤組成物の成分は使用前には隔離さ
れ、そして使用時に一緒に混合され完全な薬剤の組成物
を達成する。完全な薬剤組成物は使用時に透過増強剤を
含む組成物と混合され、増強された皮膚浸透を持つ活性
薬剤組成物を製造する。
【0068】本発明の有用な薬剤は酸、塩基、塩、エス
テル、エーテル、アミン、アミド等の全ての製薬的に許
容し得る形態のものである。薬剤は油溶性及び/又は水
溶性、又はアルコール、グリコール及びエーテル等の製
薬的に許容し得る溶媒に溶解し得る。本発明の革新的な
1つの態様として、薬剤のある種の許容し得る化学形
態、例えば塩又は酸、を含む薬剤組成物の成分が1つの
区画に収容され得ることである。局所適用用の調製剤、
例えばゲル、クリーム、軟膏、ローション、溶液等の中
に透過増強剤を含む組成物が第2の区画中に収容され
る。薬剤及び透過増強剤の適当な賦形剤ビヒクルが第3
の区画に収容され、このビヒクル賦形剤はpH、イオン
強度、バッファー容量、溶解度能力等の特異的な特徴を
もち、第1の薬剤区画の内容物及び第2の透過増強剤区
画の内容物と混合されるとき薬剤及び透過増強剤の熱力
学的に活性な組成物を生じ、これによりこれらは皮膚を
通して浸透及び透過に関して最大の活性をもつ。全ての
3つに分けられ収容された組成物は同時に又は連続的に
皮膚に適用され、適用部位でこすることによって混合さ
れ、皮膚上に活性組成物を形成する。この活性組成物は
ブレンド後にその場で生成される薬剤の有効且つ活性の
化学形態を含む。好ましくは、最終活性組成物中に存在
する溶媒、薬剤及び透過増強剤の相対量は最終組成物が
薬剤及び透過増強剤に関して飽和されるものである。最
終活性組成物のpHの溶解性及びイオン強度は薬剤及び
透過増強剤の最大の熱力学的活性を確定し、皮膚への薬
剤の好都合な浸透を生ずるようにデザインされる。活性
組成物では、薬剤の塩又は酸の形態を含む組成物及び透
過増強剤を含む組成物は、皮膚中への及び皮膚を通して
の活性薬剤の浸透性を増加させ、透過増強剤の存在しな
い薬剤によって得られる浸透性に比べて増加した浸透速
度を提供するために混合される。本発明のこの態様は1
つの区画中のプロドラッグの形態の薬剤の使用を包含
し、このプロドラッグは皮膚上の適用部位で上記した如
く第2の区画中の適当な賦形剤ビヒクル及び透過増強剤
との混合及びブレンド後に薬剤の活性形態に変換され
る。
【0069】より具体的な例として、実施例2でさらに
記載されるBMS−188184−01ジ−酸ホスホリ
パーゼA2阻害剤成分が第1の区画中で調製されて収容
され、pH(例えば約7.9〜8.5のpH)のビヒク
ルが第2の区画中で調製されて収容され、そして第1の
区画中のホスホリパーゼ2A阻害剤及び第2の区画中の
ビヒクルと長期の貯蔵の間に通常配合禁忌であるドデシ
ル−N,N−ジメチルアミノアセテートを含む組成物が
第3の区画中で調製されて収容される。皮膚への同時適
用後に、又は予備混合し、該予備混合物の形成後直ちに
皮膚への該予備混合物の適用後に、この3つの組成物は
ブレンドされ、そしてホスホリパーゼA2阻害剤が溶解
された形態が生成され、好ましい透過増強と混合され、
速い皮膚浸透速度を持つ活性組成物を生ずる。最終混合
活性組成物は薬剤及び透過増強剤の最大熱力学的活性を
提供するようにデザインされることが好ましい。本発明
で生成及び使用される多数の組成物は所望の薬剤及び調
製剤の性質に依存し、又は活性薬剤及び透過増強剤を含
む活性組成物を構成するために必要な2以上であり得る
ことが当業者により理解される。1以上の薬剤及び1以
上の透過増強剤を生成し、別々に収容し、皮膚へ同時に
適用するか、又は必要又は所望により互いに短時間以内
に連続的に適用し得ることがまた理解されるべきであ
る。もちろん、複合薬剤及び透過増強剤組成物が一緒に
使用される時、これらは局所使用及び皮膚透過のために
形成される活性組成物中で相溶性、安定性及び効果的で
なければならない。
【0070】別法として、特定のビヒクル中に薬剤を含
む第1組成物が生成されて第1容器に収容され、そして
該薬剤用の溶媒であり透過増強剤、特に該薬剤の不安定
な状態及び/又は分解を生ずる透過増強剤、をまた含む
第2組成物が第2容器中で生成されて収容される。第1
及び第2の組成物が(1)個体又は皮膚上で同時に適用
されその場所で局所的に混合され;(2)互いに短時間
の間に連続的に適用され皮膚の部位で混合され;又は
(3)予め混合され;次いで該予備混合後直ちに皮膚へ
適用されるとき、該薬剤組成物は透過増強剤溶媒組成物
中に溶解され、このように溶解された薬剤の皮膚浸透は
そのような可溶化が存在しない薬剤の皮膚浸透よりも増
強される。
【0071】本発明の上記記載の態様の変更が、所望に
より、貯蔵、放出、及び局所適用後の薬剤及び配合禁忌
の透過増強剤の組成物の活性について適当な修正によっ
て使用のために構成され且つ企図される。
【0072】本発明の組成物は、毛が存在するか否かに
かかわらず、皮膚、頭皮、つめ、口、性器及び直腸粘膜
を含む、身体の全ての部分の身体表面領域のいかなる医
薬、化粧品、保護剤又は他の治療に適する。本明細書で
記載する如く、本発明に包含される組成物は、薬剤が全
身治療のために皮膚への吸収のために局所的に適用され
る経皮性ルートによって体循環システムに薬剤を放出す
るために有利である。
【0073】本発明の組成物及び方法で使用される局所
適用のための適当な薬理学的又は治療学的活性剤の例は
下記のものを包含するがこれらに限定されない。はれ、
赤熱状態、熱、かゆみ又は痛みを軽減する抗炎症剤、例
えば、コルチコステロイド及びグルココルチコステロイ
ド(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ベー
タメタゾロン及びトリアムシノロン)を包含するステロ
イド;抗ステロイド系抗炎症剤化合物又はNSAIDS
(例えば、アスピリン、フェニルブタゾン及びインドメ
タシン);5−リポキシゲナーゼ(例えば、Ionap
lene,Dup654);リポキシゲナーゼ/シクロ
オキシゲナーゼ阻害剤(例えば、ベノキサプロフェン、
テポキシリン、BI−L−93BS);ホスホリパーゼ
C阻害剤;ホスホリパーゼA2阻害剤(例えば、マノア
リド、本明細書で記載されるBMS−188184、及
び米国特許第5,436,369に記載される関連化合
物);タンパクキナーゼC阻害剤(例えば、スフィンゴ
シン);インターロイキン阻害剤(例えば、IX−20
7−887);インターロイキン−1受容体アンタゴニ
スト;12−HETE阻害剤(例えば、DuP630及
びDuP983);イミダゾール及びレチノイド(例え
ば、トランスレチン酸(トレチノイン)、13−シスレ
チン酸(イソトレチノイン)、レチニルエステル(レチ
ニルプロピオネート);PAFアンタゴニスト(例え
ば、BN−50730及びPCA−4248);必須脂
肪酸及びこれらの類似化合物(例えば、CD554及び
CD581);ベータ−2アゴニスト;ベータ3−アド
レナリン受容体アゴニスト(例えば、BMS−2016
20及びBMS−196085);抗そう痒剤:抗菌
剤:抗頁菌剤(例えば、スルホナゾール、ニスタチン、
アムホテリシンBB及びグリセロフルビン);抗酵母化
合物;抗生物質(例えば、ペニシリン、セファロスポリ
ン、テトラサイクリン、ポリミキシンB、バシトラシ
ン、ノボビオシン、アモキシシリン、ストレップトマイ
シン及びエリスロマイシン;防腐剤;抗ウイルス剤(例
えばアシクロビル);抗AIDS薬(例えば、AZT、
ddI、ddC等);抗魚鱗癬薬(例えば、アンモニウ
ムラクテート);心配且つ異常な皮膚の角質化を治療す
る医薬、即ちα−又はβ−ヒドロキシカルボン酸及び関
連ケトカルボン酸及びそれらのエステル、ラクトン又は
塩;抗色素過剰症薬(例えば、ヒドロキノン及び4−ヒ
ドロキシアニソール);抗乾癬薬(例えば、アントラリ
ン、MC903及びトリチノイン;抗アクネ化合物;抗
フチ化合物;抗ヒスタミン薬(例えば、トリペレナミ
ン、トリプロリジン、ジフェニルドラミン及びクロルフ
ェニラミン;抗プラク剤;局所麻酔薬;鎮痛剤;β−ア
ドレナリン受容体遮断剤;β−遮断剤(例えば、プロプ
ラノロール、ブプラノロール、チチモロール及びナドキ
ソロール);気管支痙攣弛緩剤);抗癌剤;抗狭心症
剤;血管拡張剤(例えば、ニトログリセリン、イソソル
ビドジニトレート、ジピリダモール及びヒドララジ
ン);抗高血圧薬(例えば、クロニジン、α−メチルド
パ、カプトプリル及びスピロノラクトン);抗運動疾病
薬(例えば、プロメタジン、ジメンヒドリネート及びメ
クリジン);性ホルモン(例えば、エストロゲン、アン
ドロゲン、エストラジオール、テストステロン及びプロ
ゲストロン;避妊剤;抗喘息薬(例えば、クロモグリシ
ク酸);鎖咳薬(例えば、コデイン、デキトロメトルフ
ァン及びジフェニルドラミン);アセチルコリンエステ
ラーゼ(ACE)阻害剤(例えば、エナラフリル);抗
嘔吐剤(例えば、クロルプロマジン及びメクリジン);
抗凝血薬;うつ血除去剤;鎮痛薬(例えば、アスピリン
及びイブプロフェン);解熱薬(アスピリン又はアセタ
ミノフェン);抗禿頭/脱毛治療剤(例えば、ミノキシ
ジル);抗皮膚炎化合物;抗潰瘍薬(例えば、シメチジ
ン及びラニチジン);鎮痙薬(例えば、ジシクロミンヒ
ドロクロライド及び胃腸管に影響する他の医薬、例えば
アトロピン);交換神経アミン(例えば、キシロメタゾ
リン、フェニレフリン及びナファゾリン);中枢神経活
性薬(例えば、アムフェタミン、フェニルプロパノルア
ミン及びブトルフェノール);利尿剤(例えば、クロロ
チアジド、ヒドロクロロチアジド及びベンズサイアザイ
ド);例えば、光老化及びUV−損傷皮膚の治療に有利
なをもつ化合物(例えば、α−ヒドロキシ酸、レチノイ
ド及びアロチノイド);ビタミン及びビタミン塩又はそ
の誘導体(例えば、ビタミンC、ビタミンE、ピタミン
A);蛋白及びペプチド薬(例えば、インスリン、TG
F−α及びTGF−β)。
【0074】上記記載の薬理学的に活性な薬剤の適当な
製薬的に又は皮膚科学的に許容し得る塩が使用し得るこ
とは当業者に明らかである。発明を制限するものではな
いが、製薬的に又は皮膚科学的に許容し得る塩がヒトを
含む動物の治療特性を持つ薬剤の任意の製薬的に許容し
得る塩を包含する。そのような塩の製造は医薬の分野の
当業者には周知である。一般に、薬剤の製薬的に許容し
得る塩はアセテート、マレエート、ナプシレート、トシ
レート、サクシネート、パルミテート、ステアレート、
オレエート、パルモエート、ラウレート、バレレート、
サルフェート、タートエート、シトレート及びハライド
(例えば、ヨー化物、塩化物、塩酸塩、臭化物及び臭化
水素)を包含し得る。
【0075】本発明において製薬的に活性な薬剤による
処方用の皮膚科学的に許容し得るビヒクルの例は次のよ
うな任意の適切な非毒性又は製薬的許容し得る局所担体
物質又はビヒクルを包含するが、これらに限定されるも
のではない。溶液、懸濁液、乳化剤、ローション、軟膏
(オイントメント)、皮膚軟化薬、軟膏(サルベ)、軟
膏(アングエント)、ゲル、ゾル、パップ剤、パッチ、
フィルム、タップ又はドレシング調剤、及び局所製薬調
製剤の分野で当業者に周知の全てのビヒクル又は担体。
【0076】薬剤及び/又は透過増強剤が最大の熱力学
的活性を生ずるようにデザインされる活性組成物中で長
期の貯蔵安定性を与えないときには、該薬剤及び/又は
透過増強剤が油溶性であるか又は水溶性であるに基づい
て変更が行われるべきであろう。例えば、もし薬剤が油
溶性であるのならば、それは水系中で懸濁され得るか又
はそれは非水性の油性系中に溶解され又は懸濁され長期
の安定性をもつ第1組成物を形成し得る。同様に、もし
透過増強剤が長期の安定性を与えないならば、それは第
2組成物として薬剤組成物から隔離できる。次いで、第
3の組成物は、最終活性組成物が3つの別個の上記記載
の組成物を混合することにより形成されるとき、薬剤及
び透過増強剤が薬剤及び透過増強剤の最大の熱力学的活
性を持つようにデザインされる。
【0077】次の仮定的な例が本発明のこの態様を明確
にするために役に立つであろう。この例では、調製剤
は、油溶性薬剤及び油溶性透過増強剤が各々が最大の熱
力学的活性をもつ(しかし、薬剤及び透過増強剤は組み
合わされたとき必要な長期の安定性を与えない)ような
量で存在する活性組成物を製造しなければならない。本
発明がこの問題を解決することができる1つの方法は、
薬剤が第1調製剤として水性クリーム(油中水エマルジ
ョン)基材中に懸濁されそして第1区画中に貯蔵され、
次いで透過増強剤が第2調製剤として油性ビヒクル中に
溶解されそして第2区画に貯蔵されることである。溶解
性を確実にするために、溶媒ならびに必要なときにpH
緩和剤及びバッファーが水性ゲル基材の第3調製剤とし
て処方されそして第3区画に貯蔵される。第1、第2及
び第3区画の内容物は治療される皮膚の領域上で使用時
に混合され且つブレンドされ活性組成物を生ずる。
【0078】一般に、皮膚透過の速度(即ち最大熱力学
的活性)は次の如き状態にある。即ち最適な溶解溶液
(換言すれば、飽和溶液)の皮膚透過速度は希釈溶液よ
りも大きい。透過が増強されることが必要な皮膚の溶解
度について最終活性組成物中の溶媒の組み合せの効果を
考慮することが必要である。酸及び塩基については、皮
膚透過速度は非イオン化形態のものがイオン化形態のも
のより一般に大きい。上述の如く、透過増強剤を含む組
成物は最終活性組成物において透過増強剤にその最大熱
力学的活性を与えるようにデザインされることが好まし
い。例えば、メントン及びd−リモネン等の透過増強剤
がアルコール性ビヒクル中で最適に作用し、同時に皮膚
透過増強剤ナトリウムラウリルサルフェートがプロピレ
ングリコールの最適レベルを含む水性組成物中で最適に
作用する。
【0079】本発明で有用である広範囲の皮膚透過又は
浸透増強剤が存在する。最良の指針として、与えられた
透過増強剤又はこれらの組み合わせは、透過増強剤の存
在しない透過レベルに比べて、少なくとも2倍〜5倍、
好ましくは少なくとも10倍、より好ましくは少なくと
も30倍そして最も好ましくは少なくとも50〜80倍
又はそれ以上の皮膚への薬剤透過の増加を提供すべきで
ある。本発明で使用する適当な皮膚透過増強剤の例は次
のものを包含するがこれらに限定されるものではない。
アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、ノナ
ノール);脂肪アルコール(例えば、ラウリルアルコー
ル);脂肪酸(例えば、吉草酸、カプロン酸、カプリン
酸);脂肪酸エステル(例えば、イソプロピルミリステ
ート、イソプロピルn−ヘキサノエート);アルキルエ
ステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテー
ト);ポリオール(例えば、プロピレングリコール、プ
ロパンジオン、ヘキサントリオール);スルホキシド
(例えば、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホ
キシド);アミド(例えば、尿素、ジメチルアセトアミ
ド、ピロリドン誘導体);表面活剤(例えば、ナトリウ
ムラウリルサルフェート、セチルトリメチルアンモニウ
ムブロミド、ポラキサメル、スパン、トウィン、胆汁酸
塩、レシチン);テルペン(例えば、d−リモネン、α
−テルペネオール、1,8−シネオール、メントン);
アルカノン(例えば、N−ヘプタン、N−ノナン);生
物分解性皮膚透過増強剤(例えば、ドデシル−N,N−
ジメチルアミノアセテート、N,N−ジメチルアミノイ
ソプロオネート)及び水。透過増強剤は溶液、懸濁液、
エマルジョン、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、パ
ッチ、ドレシング、リポゾール、エーロゾル、スプレ
ー、パップ、プラスター、フィルム、又はテープ調剤、
又は局所製薬的調製剤の分野で当業者により知られてい
る全てのもの。
【0080】本発明で使用する特定の透過増強剤の選択
及び薬剤及び透過増強剤の各々の濃度の決定は本明細書
に記載された皮膚透過検定(アッセイ)を使用すること
によって当業者により必要により又は所望により最適化
され又は変更され得る。本発明の組成物は局所適用の組
成物を調製する当業者によって産業的に使用されるタイ
プの他の成分をまた含有し得る。これらは、例えば、担
体、軟膏、表面活性剤、乳化剤、乳化安定化剤、増量
剤、保存剤、抗酸化剤、重合剤、キレート剤、芳香剤、
付着剤、合成膜及び剥離ライナーを包含する。
【0081】クリーム調製剤と比べて、ペトロラタム
(ワセリン)基材軟膏はこれに含有される薬理学的に活
性な薬剤の優れた皮膚透過を与える。これはそのような
軟膏の閉塞作用の性質に基づく。本発明は、透過増強剤
を含むクリーム組成物と混合する薬理学的に活性な薬剤
を含み、組成物中で適切な成分の割合を持つ軟膏組成物
の調製がその中に含有される活性剤の増強された皮膚透
過速度をもつクリーム活性組成物の製造を可能にする。
さらに、ペトロラタム基材は脂肪性である。ある場合に
は、軟膏と類似する薬理学的に活性な薬剤の皮膚透過性
をもつクリーム、ローション、ゲル及び溶液等の少ない
脂肪性のより化粧的にひきたつ局所生成物を持つことが
所望され得る。そのような所望生成物の製造及び適用は
本発明によって達成される。
【0082】一般的な指針として、特定の薬剤はその貯
蔵寿命を通してほとんど分解されない。特に他の成分及
び/又は透過増強剤として処方されるとき薬剤の90〜
95%がその貯蔵寿命を通して無傷そして活性のままで
ある。低い安定性プロフィールを持つ薬剤(例えばトレ
チノイン溶液USP)については、10〜30%平均が
加えられ室温で貯蔵されるとき少なくとも1〜4年の貯
蔵寿命を持つ。不安定な状態又は薬剤が処方される他の
成分と配合禁忌に基づき組成物中で分解する薬剤は分解
副生成物の許容し得ないレベルを生ずる。そのような副
生成物が、もし与えられた透過増強剤又はその混合物と
共に皮膚に放出され又は局所適用されるとき、適用によ
り皮膚にはいりそしてこすられ、それにより非退化薬剤
と一緒に望ましくない破壊された生成物が個体の体循環
に入る可能性がある。本明細書に記載されている如く、
本発明の方法及び組成物はそのような分解及び生ずる潜
在的に有害な副生成物を排除し、薬剤副生成物が実質上
存在しない十分な透過及び無傷の活性薬剤の活性を可能
にすることによってこの技術に重要な利益を提供する。
同様に、本発明の方法及び組成物はある薬剤と組み合わ
されたとき、そのような配合禁忌の薬剤との長期の貯蔵
を通して潜在的に有害な副生成物を生ずるかも知れない
透過増強剤の不安定な状態及び分解を排除する。この点
において、本発明はさらに(薬剤又は透過増強のいずれ
からの)分解性副生成物の皮膚への適用を防止し、それ
れによりそのような副生成物が不注意にも使用者又は患
者の皮膚及び体循環に入るであろう危険を解消する。本
発明はまた透過増強剤によって不安定な薬剤のために過
多量の使用を避ける方法を提供する。これは特に基剤が
非常に高価なときに重要な経費の節約を生ずる。
【0083】好ましくは、薬理学的に活性な薬剤は組成
物の全重量を基準にして約0.001〜80重量%、好
ましくは0.01〜20重量%の活性組成物で存在す
る。しかしながら、特定の薬理学的に活性な薬剤の有効
量は医者又は獣医によってよく理解されているパラメー
ターに従って変化するであろう。これらのパラメーター
は治療される状態、年令、性別、個人の体重及び身体的
条件、及び選択される特定の薬剤を包含する。
【0084】さらに、本発明の上記記載に鑑み、薬剤及
び透過増強剤の特別及び適切な組み合わせが当業者によ
り容易に決定される。薬剤及び透過増強剤の各々の濃度
は当業者にゆだねられ、それにより本発明の利益及び有
用性が認められる。本発明の1つの重要な有用性は薬剤
が他の方法では不安定であり且つ分解性である透過増強
剤と該薬剤又はその誘導体との組み合わせにより、皮膚
に浸透しない又はほとんど浸透しない薬剤の透過性を増
加及び/又は増強する能力である。従って本発明前で
は、もし両者が配合禁忌であることを知ったならば及び
/又はもし一方又は両者の分解が彼らの組み合わせ及び
使用の結合であったならば、当業者は薬剤を増加増強剤
とともに使用すること及び組み合わせることをさけてい
たであろう。
【0085】
【実施例】示される実施例は、本発明を実施する種々の
態様を例示することを意味し、本発明を限定することを
目的とするものではない決してない。他に特定されてい
ない限り、本発明の組成物の成分の濃度は、組成物の全
重量に基づく%w/wによることを理解すべきである。
【0086】実施例 1 A.インビトロ皮膚浸透の調査 以下のテスト方法は、本発明の実施に使用される薬理学
的に活性な化合物の表皮性、皮膚又は経皮性の浸透を測
定するためにヒトの皮膚に使用できる。方法は、また他
の温血動物例えばマウス、ラット及びウサギの皮膚に適
用可能である。
【0087】1.皮膚の調製 乳房縮小手術又はFirefighters Skin
Bankから得られるヒトの死体の腹部の皮膚サンプ
ルから得られる正常な切除ヒト皮膚を使用した。皮膚サ
ンプルは、使用されるまで−30℃で冷凍庫中で貯蔵さ
れた。正常と思われる皮膚のみを使用した。慢性の疾患
の病歴、皮膚の疾患又は皮膚の損傷は、調査におけるこ
れらの皮膚サンプルの使用を除いた。
【0088】Firefighters Skin B
ankから得られた皮膚は、殆どの下層の真皮が既に除
かれた、滅菌ししかも薄くはがれる厚さの皮膚として提
供された。皮膚は、解凍され、そして使用前に約30分
間標準塩水に浸された。
【0089】乳房縮小手術から得られた皮膚は、十分な
厚さの皮膚であった。それを、標準塩水中で室温で解凍
し、次に二酸化炭素によりミクロトームで冷凍しそして
厚さ約200ミクロメータの層の薄片に切断した。それ
を次に使用前約8時間まで5℃で標準塩水に貯蔵した。
【0090】2.皮膚の浸透 皮膚の切断物を、0.636cm2 又は1.8cm2
拡散断面を有する頂部が平らなFranz拡散セルに置
いた。テスト調合物のサンプル50又は100mLをド
ナー室で皮膚の角質層の表面に置き、そしてレセプター
室には、4−8mLの標準塩水緩衝溶液pH7.4、又
は30%イソプロパノール水溶液を満たした。レセプタ
ー流体の選択は、その浸透が評価されねばならない医薬
に依存した。主な目的は、レセプター室中に沈む条件を
維持するためであった。レセプター流体は、実験中十分
に攪拌し、そして温度は、拡散セルの水ジャケットによ
り37℃で水を循環することにより維持された。150
−500ミクロLのサンプルを、適切な間隔でレセプタ
ー室から取り出し、そしてHPLCにより、又は放射性
医薬(即ち14C又は 3Hによりラベルされた)を検出す
るシンチレーションカウントにより、医薬の含量につい
て分析した。レセプター流体は、それぞれの取り出し後
補充された。使用したレセプター流体の全ては、使用前
に十分に脱ガスされた。
【0091】3.皮膚の保持(分析のための表皮及び真
皮の調製) 44時間又は68時間の皮膚浸透の調査後、真皮層を
0.5mLのアルコールにより3回洗い、次に0.5m
Lの3%Tween80水溶液により1回洗い、次に
0.5mLの脱イオン水により3回洗った。木綿スワブ
(Q−チップ)を、ゆすぎ工程中に使用して、残りの表
面の投与物を回収した。円形の切り込みを処方物に曝さ
れた皮膚にした。円形の端の表皮を、尖った平らなスパ
チュラを使用して徐々に持ち上げ、次にピンセットを使
用して真皮から分離した。表皮及び真皮を予め秤量され
たテフロンテープに移し、そして一定の重量が得られる
まで72時間デシケーター中で乾燥した。30%のイソ
プロパノール水溶液をレセプター流体として使用したと
き、表皮及び真皮は分離できず、この場合、処方物に曝
された全皮膚は、前記のようにゆすがれ、そして切断さ
れそして予め秤量されたテフロンテープに移されさらに
72時間乾燥された。既知の重量を有する乾燥された皮
膚を、次に5mLのメスフラスコに移し、2mLのSo
luene−350を加え、そして皮膚のサンプルが完
全に溶解するまで、フラスコを24時間以上30℃のオ
ーブンに置いた。メスフラスコの内容物を次に無水エチ
ルアルコールにより5mLに定量し、濾過しそしてHP
LCにより医薬の含量について分析した。放射性14C又
3Hによりラベルされた医薬が皮膚の保持について評
価されたとき、Soluene−350に溶解された皮
膚をHionic Fluor溶液と混合し、そして放
射能を計数する前に12時間5℃で貯蔵した。
【0092】実施例 2 (2Z、4Z)−3−メチル−4−(3−カルボキシフ
ェニル)−5−[(1、2、3、4−テトラヒドロ−
1、1、4、4−テトラメチル)−6−アントラセニ
ル]−2、4−ペンタジエン酸(BMS−18818
4)は、その記述が本明細書に参考として引用される米
国特許第5436369号において記述され教示されて
いる。Bristol−Myers Squibb C
ompanyにより合成された有効なホスホリパーゼA
2(PLA2)阻害剤である。この医薬化合物は、ジ酸
(C31324 :MW468.6;Bristol−M
yersSquibb名称:BMS−188184−0
1)として、そしてジカリウム塩(C31304 2
MW544.78;Bristol−Myers Sq
uibb名称:BMS−188184−02)として有
用である。ジカリウム塩は、水に基づく処方物に可溶で
あるが、ジ酸は、水又は油に基づく処方物に本質的に不
溶であることが分かった。ジカリウム塩の形のPLA2
阻害剤医薬BMS−18814−02が、本明細書に記
載しているように実験で普通使用された。さらに、本明
細書の実施例に記載されたように、ホスホリパーゼA2
阻害剤医薬BMS−188184−02は、多数の透過
増強剤例えば界面活性剤、脂肪酸、ポリオール及び種々
の製薬用溶媒例えば水、ポリエチレングリコール(PE
G)、アルコール及びプロピレングリコール及びトラン
スキュトール(Transcutol)(商標)(エト
キシジグリコール)中で不安定であり、そしてそれらと
長期間の貯蔵で不融和性(配合禁忌)であることが分か
った。
【0093】BMS−188184−01及びその塩
は、光線、界面活性剤、乳化剤、重金属不純物、ペルオ
キシド及び種々の製薬用溶媒の存在下で非常に不安定で
ある。さらに、BMS−188184−05(ジ−n−
メチルグルカミン塩)の安定性が、種々に製薬用溶媒即
ちプロピレングリコール(PG)市販グレード、プロピ
レングリコール分析グレード、Transcutol
(商標)、エタノールSD−40、PEG−8、及び水
で時間をかけて30℃及び40℃で評価された(図5A
及び5B)。結果は、これらの溶媒中のBMS−188
184の安定性が劣っていることを示す。90%より少
ない医薬がその最初の濃度に対して10日以内に存在し
たため、30℃のこれらの溶媒中のBMS−18818
4の貯蔵寿命は、10日より短いであろう。この例は、
皮膚透過増強剤例えばプロピレングリコール、PEG−
8、エタノールSD−40、水及びエトキシジグリコー
ルの存在下でBMS−188184(特にもし単一相の
組成物として組み合わされるならば)が長期の貯蔵安定
性を欠くことを明らかに示している。
【0094】実施例 3 インビトロヒト皮膚浸透の研究は、以下の表1及び2に
記載された1%のBMS−188184−02処方物を
使用して行われた。
【0095】 表 1 1% BMS−188184のGEAHLENE**ベース実験処方物 成分 処方物1 処方物2 %w/w %w/w BMS−188184−2* 1.26 1.26 GEAHLENE16000** 66.74 61.74 鉱油 20.00 20.00 アルミニウム澱粉オクテニルサクシネート 6.00 6.00 ステアリルアルコール 4.00 4.00 セチルアルコール 2.00 2.00 BMS−203322 −− 5.00 * BMS−188184−02含量は、1%ジ酸BMS−188184 −01に等しい。 ** GEAHLENE16000は、鉱油(及び)水素化ブチレン/エチ レン/スチレンコポリマー(及び)水素化エチレン/プロピレン/ス チレンコポリマーを含む市販の組成物である。
【0096】 表 2 1% BMS−188184−02の軟膏処方物 BMS−188184−02* 1.266 1.266 1.266 アジピン酸ジブチル(DBA)20.00 −− −− Ozokerite 8.00 7.00 7.00 ワセリン 49.584 66.584 66.584 BHT** 0.100 0.100 0.1 アルミニウム澱粉オクテニル 3.00 3.00 3.00 サクシネート 蜜ろう 8.00 7.00 7.00 ミリスチン酸イソプロピル 10.00 10.00 10.00 (IPM) パルミチン酸アスコルビル 0.05 0.05 0.05 グリセロールモノカプリ −− 5.0 −− レート(GMC) BMS−203322 −− −− 5.00 * BMS−188184−02含量は、1%ジ酸BMS−188184 −01に等しい。 ** ブチル化ヒドロキシトルエン
【0097】調製剤1(表1)は、市販ポリマーGEA
HLENEにより濃厚化された鉱油賦形剤であり、以
下、本明細書ではGEAHLENE基材と呼ぶ。調製剤
(表1)は、既知の皮膚透過増強剤BMS−20332
2(2−ノニル、1、3ジオキサン)を含むGEAHL
ENE基材調製物である。表2は、異なる既知の皮膚透
過増強剤を含むペトロラタム(ワセリン)軟膏基材中の
調製物を記述している。調製物3(表2)は、皮膚透過
増強剤としてアジピン酸ジブチル(DBA)及びミリス
チン酸イソプロピル(IPM)を含み、一方調製剤4及
び5(表2)は、皮膚透過増強剤として、それぞれIP
Mプラスグリセロールモノカプリレート(GMC)又は
IPMプラスBMS−203322を含む。表1及び2
に示された調製剤中には、種々の成分が、調製剤中のそ
れらの性質及び/又は機能のために使用されていること
は理解されるだろう。従って、同等又は類似の性質及び
/又は機能を有する他の成分は、もし必要又は所望なら
ば、特定の成分と置換できる。また、特定の成分は、一
つより多い機能を果たすことができる。例えば、これら
の調製剤では、当業者により理解されるように、DBA
及びIPMは、エモリエント/透過増強剤として機能で
き、ペトロラタムは、吸蔵剤/エモリエントとして働
き、そしてアルミニウム澱粉オクテニルサクシネート
は、べとつきを低下させそしてエモリエントの性質を有
する。さらに、ozokerite及び蜜ろうは、調製
剤3、4及び5において濃厚化剤として働き、一方BH
T及びパルミチン酸アスコルビルは、抗酸化剤として働
く。
【0098】図6及び7は、表1及び2に記載された1
%BMS−188184−02調製剤の皮膚透過プロフ
ィルを示す。皮膚透過の順序は、DBA/IPMを含む
ペトロラタム軟膏(処方物3)=IPMプラスBMS−
203322を含むペトロラタム軟膏(処方物4)>B
MS−203322を含むGEAHLENE基材(調製
剤2)=GEAHLENE基材(調製剤1)>IPMプ
ラスGMCを含むペトロラタム軟膏(調製剤5)であっ
た。GEAHLENE基材(調製剤1)に比べて、軟膏
調製剤3及び4(それぞれ、DBA/IPM及びBMS
−203322を含む)は、1.5倍のオーダーでBM
S−188184−02の皮膚透過増強剤を立証した。
この1.5倍の透過増強剤は、臨床上の活性では、相違
を観察するには有意に十分でないだろう。従って、最低
2倍の医薬の皮膚透過の増強が、有意と考えられる。既
知の皮膚透過増強剤GMCを含む軟膏調製剤は、GEA
HLENE基材調製剤と比べたとき、BMS−1881
84−02の皮膚透過を50%低下させることを示す。
【0099】従って、この実施例で示される結果は、皮
膚透過増強剤が任意の特定の医薬の透過を増大されるか
どうかを先見的に予想できないことを示唆しているが、
本発明は、医薬の低い透過速度及び医薬及び透過増強剤
間の長期の配合禁忌(不融和性)にもかかわらず、特定
の医薬の透過を増大させる手段をもたらす。例えば、こ
の場合では、GMCは、BMS−188184−02の
透過を増大できない。それは、それが医薬と複合を形成
したか、又は上記の非水性ペトロラタム基材中のGMC
の熱力学的活性が十分に高くなかったからである。それ
故、透過増強剤の最大の熱力学的活性が最終の活性組成
物中にあることが重要である。GMCを水性のクリーム
基材調製剤に有することが好ましいが、GMCが水基材
で界面活性剤であることから、水性調製剤中で長期の貯
蔵安定性についてBMS−188184−02と融和し
ない。
【0100】透過増強剤による異なる調製剤中のBMS
−188184−02の加速安定性は、表3に示され
る。
【0101】 表 3 異なる皮膚透過増強剤を含む調製剤中の 1%BMS−188184−02の安定性 調製剤/透過増強剤 最初を100%としたときに示さ れる医薬濃度(40℃で4週間) 軟膏/グリセロールモノカプリレート 75% 軟膏/カプリル酸 82% 軟膏/サルチル酸 87% 軟膏/DBA及びIPM 100% GEAHLENE基材/なし 100%
【0102】BMS−188184−02が、単一の組
成物系において皮膚透過増強剤例えばサルチル酸、カプ
リル酸及びGMCの存在下長期の安定性を有しないであ
ろうことは明瞭である。BMS−188184は、鉱油
を含むGEAHLENE基材中そして脂肪酸エステル例
えばIPM及びDBAを含むペトロラタム軟膏中で安定
である。しかし、これらの透過増強剤は、単一の組成物
/区画システムで使用されるとき、GEAHLENE基
材調製剤と比較すると、BMS−188184−02の
2倍以上の透過増強を示すことができない。従って、本
発明は、特に増強剤が医薬と配合禁忌であるか、又は医
薬が最終の活性組成物中の増強剤、及び/又は他の成分
と配合禁忌であるとき、単一の組成物系中で医薬ととも
に皮膚透過増強剤を使用する限界を克服するために、新
規且つ有利な手段をもたらす。
【0103】実施例 4 ホスホリパーゼA2阻害剤医薬が医薬及び薬理学的に許
容できる成分を含む第1組成物に調製されて軟膏を生成
する、ヒトの死体の皮膚を使用するインビトロ皮膚透過
実験が行われた。ペトロラタム軟膏に処方される、2%
のBMS−188184−02と呼ばれるホスホリパー
ゼA2阻害剤のジカリウム塩を含む第一の軟膏組成物
は、表4調製剤6に示される。
【0104】 表 4 成分 調製剤6 %w/w BMS−188184−02* 2.60 アジピン酸ジブチル 20.00 osokerite 8.00 ワセリン 48.25 BHT** 0.10 アルミニウム澱粉オクテニルサクシネート 3.00 蜜ろう 8.00 ミリスチル酸イソプロピル 10.00 パルミチン酸アスコルビル 0.05 * BMS−188184−02は、2%ジ酸BMS−188184に 等しい ** BHT:ブチル化ヒドロキシトルエン
【0105】調製剤6、表4に示されたのと同様な軟膏
賦形剤中のBMS−188184−02を含む5.0%
軟膏の安定性は、表5に示される。
【0106】 表 5 時間(週) 温度(℃) 最初を100%としたときの% 29 40 95.9 39 室温 97.3
【0107】もしホスホリパーゼA2阻害剤と混合され
そして長期に貯蔵されるならば配合禁忌(不融和性)で
あった異なる透過増強剤を含む第2組成物は、クリーム
として調製されて、ペトロラタム、ジメチコン、ste
areth−2、steareth−21、laure
th−23、セチルアルコール、carbomer93
4、水酸化ナトリウム、ベンジルアルコール、ジアゾリ
ジニル尿素、プロピレングリコール、水、そして透過増
強剤として2%のデシルメチルスルホキシド(調製剤
8、表6)又は透過増強剤として0.8%のナトリウム
ラウリルサルフェート(調製剤7、表6)を含む。
【0108】 表 6 皮膚透過増強剤0.8%SLS又は2%デシルメチルスルホキシド を含むクリーム調製剤 成分 処方物7 %w/w 処方物8 %w/w ペトロラクタム 15.0 15.0 ジメチコン200 2.0 2.0 steareth−2 2.5 2.5 laureth−23 0.5 0.5 セチルアルコール 2.0 2.0 carbomer934 0.4 0.4 水酸化ナトリウム 0.365 0.365 ナトリウムラウリル 0.80 −− サルフェート 水 ベンジルアルコール 1.0 1.0 ジアゾリジニル尿素 0.15 0.15 プロピレングリコール 2.00 2.00 デシルメチルスルホキシド −− 2.0
【0109】テルペン透過増強剤を含む他の組成物は、
SDA−40アルコール(即ちエチルアルコール)、ヒ
ドロキシプロピルセルローズ、水、そしてテルペン透過
増強剤として5%メントン(調製剤10、表7)又は透
過増強剤として5%d−リモネン(調製剤9、表7)を
含むゲルとして調製された。
【0110】 表 7 皮膚透過増強剤として5%d−リモネン又は5%メントンを含むゲル調製剤 成分 調製剤9 %w/w 調製剤10%w/w SDA−40アルコール 50.00 50.00 d−リモネン 5.00 −− メントン −− 5.0 ヒドロキシプロピル 2.00 2.00 セルローズ 水 43.00 43.00
【0111】表4、6及び7に例示された代表的な2重
システム調製剤は、それらが混合されて最終の活性組成
物を形成したとき、医薬及び透過増強剤の最大の熱力学
的活性を有するようにデザインされた。2%BMS−1
88184−02を含む表4に示される第1組成物(調
製剤6)は、医薬の長期の貯蔵安定性を有する。表6に
示される第2のクリーム組成物(調製剤7及び8)は、
皮膚透過増強剤SLS(調製剤7)及びデシルメチルス
ルホキシド(調製剤8)を含んだ。これらの透過増強剤
は、最適な量の溶媒及び透過増強剤(例えばプロピレン
グリコール)及び吸蔵剤ペトロラタムを含む水性基材ク
リームにおいて最大の熱力学的活性を有する。クリーム
のpHは、約7.5−8.3であり、それは医薬BMS
−188184−02を溶解する最適なpHの環境であ
る。クリームは、2%w/wのプロピレングリコールを
含むように調製され、それは、水の蒸発後皮膚上に、医
薬及び透過増強剤の組成物を混合することにより形成さ
れる最終の活性組成物中の医薬の飽和溶液を形成するの
にまさに十分である。それ故、軟膏/クリームの2重シ
ステムは、最終の活性組成物が有効且つ最適に皮膚に透
過するよう調製される。
【0112】テルペンである5%d−リモネン又は5%
メントンの何れかを含むゲル(調製剤9及び10、表
7)によるBMS−188184−02軟膏(調製剤
6、表4)の2重システムは、上記のようにデザインさ
れた。テルペンは、アルコール性基材において最大の透
過増強活性を有し、そのため、それらは水−アルコール
性ゲル調製剤に処方された。透過増強剤の濃度は、透過
増強剤のタイプのみならず、その皮膚透過が増強される
べき医薬に依存する。例えば、SLSの好ましい濃度
は、約0.005−1%、さらに好ましくは約0.05
−0.4%である。デシルメチルスルホキシドでは、好
ましい濃度は、約0.05−50%、さらに好ましくは
0.1−2.0%である。テルペンのメントン及びd−
リモネンでは、好ましい濃度は0.20−10%、さら
に好ましくは0.25−5%である。皮膚中への医薬の
透過を増強するのに必要な透過増強剤の濃度は、本明細
書に記載されたような普通のインビトロヒト皮膚透過実
験を行うことにより、当業者によって測定できる。
【0113】ヒトの死体の皮膚透過の研究は、実施例1
に本質的に記載されたように行われた。第1医薬組成物
及び第2透過増強剤組成物の2重放出(デリバリー)を
使用する皮膚透過の研究の結果は、図8に示される。図
8に示される研究では、BMS 188184−02
は、BMS−188184−01、1.0%(w/w)
にほぼ等しい量で医薬及び透過増強剤を含む最終の活性
組成物中に存在した。4人のヒトからの皮膚のサンプル
を使用し、そして各サンプルからの二つの複製を、時間
(時)にわたって透過した活性医薬の合計量(μg/c
2 )について分析した。図8から分かるように、GE
AHLENE鉱油コントロール(黒丸)に対して、有意
な皮膚透過を示した最高のレベルの活性医薬は、第1組
成物として調製され、そして第2組成物(黒い四角)と
して調製された透過増強剤としてナトリウムラウリルサ
ルフェート(SLS)及びプロピレングリコールを含む
クリーム組成物と同時に皮膚に放出される軟膏医薬組成
物を使用して立証された。第1及び第2組成物は、別々
の組物として調製されそして貯蔵され、そして混合され
次に皮膚の表面に適用された。
【0114】高いレベルの皮膚透過は、また医薬を含む
第1軟膏組成物、及び配合禁忌(不融和性)透過増強剤
組成物としてプロピレングリコール及びデシルメチルス
ルホキシド(DeMSO)を含む第二のクリーム組成物
から放出され生成される活性組成物について立証された
(黒い上方に向いた三角)。活性組成物は、第1及び第
2組成物の混合し、次に透過検定(アッセイ)を行い及
び定量する前に皮膚部位に適用することにより得られ
た。黒い上方に向いた三角により示されるそれに類似し
た医薬の皮膚透過のレベルは、医薬を含む第1軟膏組成
物及びd−リモネン即ち不融和性透過増強剤を含む第2
ゲル組成物から得られそして放出される活性組成物につ
いて観察された(黒い逆さまの三角)。上記のものより
低いが、増大されたレベルの皮膚透過は、医薬を含む第
1軟膏組成物及び配合禁忌透過増強剤としてメントンを
含む第2ゲル組成物から得られそして放出される活性組
成物について観察された(黒い六角)。
【0115】実施例 5 この実施例では、インビボ皮膚透過分析は、本発明によ
る2重システムにおけるPLA2医薬BMS−1881
84−02及び透過増強剤SLSを評価するために行わ
れた。本発明により包含される2重システムでは、医薬
を含む第1組成物が製造され、そして通過増強剤を含む
第2組成物が製造された。医薬組成物は、本明細書に記
載されたように軟膏として調製され(調製剤6、表
4)、そして透過増強剤組成物は、記載されたようにク
リームとして調製された(調製剤7、表6)。第1及び
第2組成物は、別々に製造且つ貯蔵され、そして同時に
皮膚に放出され、そして堆積で1:1の割合で皮膚の表
面でともに混合されて、活性組成物である活性医薬及び
透過増強剤を含む最終の組成物を形成された。
【0116】医薬の皮膚濃度は、局所の適用後皮膚の生
育可能な表皮及び真皮について測定された。無毛ラット
系は、これらの分析について使用される実験的なモデル
系であった。
【0117】簡単に、25μLずつのテスト調製物を、
5cm2 の表面上に無毛ラットの背面の皮膚に適用し
た。適用後種々の時点で、動物を殺しそして皮膚の処理
領域を切除した。角皮層をシアノアクリレート・ストリ
ッピング法により除いた。この方法は、98.5%の角
皮層を除き、そのため全ての残存する表面の医薬混染を
排除する。ストリッピング法は、以下の通り行われる。
シアノアクリレートの薄層を標準のサイズのガラス顕微
鏡スライドに載せ、そして切除した皮膚上に直接置い
た。スライドから皮膚を引き離す前、接着剤を5分間乾
燥させた。方法を繰り返して角皮層を除いた。
【0118】パンチバイオプシーも採られ、液体窒素で
フラッシュ冷凍され、そして分析まで−80℃で貯蔵さ
れる。皮膚バイオプシーサンプルをホモゲナイズされ、
そして蛋白をアセトニトリルにより沈澱した。抽出物を
濾過し、そしてテスト処方物中の薬理学的医薬化合物を
逆相HPLCにより定量した。組み合わせた表皮及び真
皮の室中の化合物の量は、皮膚(湿重量)のμg/gと
して表示される。
【0119】図9は、本発明の2重システムに従って適
用の部位上で組み合わされそして皮膚に放出されるテス
ト医薬及び透過増強剤組成物の局所適用後のBMS−1
88184−02の皮膚濃度の比較の結果を示す。これ
らの実験では、医薬BMS−188184−02は、約
2%(w/w)の量で医薬を含む軟膏組成物中に存在し
た(調製剤6、表4)。従って、皮膚上で医薬組成物及
び透過増強剤を混合しそして放出した後、医薬は、最終
組成物中で約1%で存在した。図9及び図10では、黒
丸は、約1%の医薬及び透過増強剤としての0.4%の
ナトリウムラウリルサルフェート(SLS)を含む最終
の活性組成物を示し、黒い四角は、これらの調査でコン
トロールとして働くGEAHLENE基材調製剤中の約
1%の医薬を含む単一相の組成物(調製剤1、表1)を
示す。黒い三角は、透過増強剤としてのエタノール中の
約1%の医薬を含む最終の活性組成物を示す。
【0120】図9で示される結果により分かるように、
医薬及びSLS及びプロピレングリコール透過増強剤の
組合せを含む活性組成物は、皮膚への医薬放出を有意に
増強し、ピークの皮膚の濃度は、適用1時間以内に生じ
た。2時間の時点で、透過増強剤としてSLSを含む最
終の活性組成物は、コントロールのGEAHLENE基
材及び医薬調製剤により放出される量より少なくとも9
倍医薬を放出し、そしてエタノール及び医薬調製剤によ
り伝達される量より5倍多く医薬を放出した。無毛ラッ
トモデルにおけるこれらのインビボの結果は、実施例4
に記載されたインビトロヒト皮膚浸透研究において観察
された結果と一致する。
【0121】BMS−188184−02医薬の濃度
は、また血漿で検出され、ピークの血漿濃度は、2時間
で2.4μg/mLであった(図10)。血漿中の医薬
の出現は、最終組成物の能力を確認させ、それは、皮膚
への医薬及び透過増強剤の2重放出、そしてそれらの皮
膚上で混合して医薬が血管スペースに近づくことができ
る皮膚層に放出することから生じた。医薬の血液中のレ
ベルは、GEAHLENE基材及び透過増強剤としてエ
タノールを含む溶液調製剤を含む一つの成分の組成物の
場合では検出されなかった。局所適用6時間後、血漿中
の医薬の濃度は、検出の限界より低かった。これらのデ
ータは、実施例4に記載されたようにヒトの皮膚を使用
するインビトロ浸透調査における非常に増大した流れの
観察と一致した。
【0122】実施例 6 表8に示されるように、異なる透過増強剤による2重シ
ステムが、医薬及びGEAHLENE鉱油調製剤を含む
単一層コントロールと比較された。
【0123】 表 8 1%BMS−188184活性軟膏組成物の皮膚透過の要約 処方物 流れ(μg/cm2 皮膚保持(μg/ −時) mg皮膚) GEAHLENEコントロール 0.17 0.45 処方物[#被検物=4/各n=2](0.03)* (0.11)* 二重システム/SLS 6.66 2.54 [#被検物=4/各n=2] (1.33)* (0.32)* 2重システム/DMS 4.55 2.22 [#被検物=4/各n=2] (0.51)* (0.34)* 2重システム/d−リモネン 4.05 2.82 [#被検物=4/各n=2] (0.75)* (0.31)* 2重システム/メントン 2.85 3.54 [#被検物=4/各n=2] (0.57)* (1.33)* * 平均標準偏差 n=各被検物からのサンプルの数
【0124】図11は、軟膏調製剤中の異なるゲル又は
クリーム透過増強剤組成物及びホスホリパーゼA2阻害
剤医薬組成物を使用する流れ(異常流出:フラックス)
の分析の結果を示す。記述したように、この医薬は、研
究に使用した異なる透過増強剤と混合後長期の貯蔵に不
安定である。最終の組成物のそれぞれでは、BMS−1
88184−02医薬は、約1%w/wで存在した。
[A]は、コントロールとして使用されるGEAHLE
NE(鉱油)及び医薬組成物の結果を示し、[B]は、
透過増強剤としてSLSを有する2%w/wプロピレン
グリコールを含むクリーム組成物と医薬軟膏組成物とを
混合することにより生成される最終の活性組成物の結果
を示し、その場合、SLSは最終組成物中に約0.4重
量%で存在し、[C]は、透過増強剤としてデシルメチ
ルスルホキシド(DeMSO)を有する2%w/wプロ
ピレングリコールを含むクリーム組成物と医薬組成物と
を混合することにより生成される最終の活性組成物の結
果を示し、その場合、DeMSOは最終組成物中に約1
重量%で存在し、[D]は、透過増強剤としてd−リモ
ネンを含むクリーム組成物と医薬軟膏組成物とを混合す
ることにより生成される最終の活性組成物の結果を示
し、その場合、d−リモネンは最終組成物中に約2.5
重量%で存在し、そして[E]は、透過増強剤としてメ
ントンを含むクリーム組成物と医薬軟膏組成物とを混合
することにより生成される最終の活性組成物の結果を示
し、その場合、d−リモネンは最終組成物中に約2.5
重量%で存在する。4人の被験者からのヒト死体皮膚を
使用し、それぞれの二つの複製を検定した。
【0125】表8及び図11及び12に示されるよう
に、GEAHLENE及び医薬のコントロール組成物と
比べて、皮膚を通る医薬の最大の流れは、活性組成物中
で透過増強剤としてSLSを使用して見いだされた(即
ち6.66(1.33)μg/cm2 −時)。この結果
は、正常の環境下でそれが貯蔵中結合するホスホリパー
ゼA2阻害剤の不安定及び劣化を生ずるSLSが、皮膚
を通る医薬の浸透を約40倍増強できることを立証す
る。次の最も有効な活性組成物は、透過増強剤としてデ
シルメチルスルホキシドを含み、DMSは、GEAHL
ENEコントロールに比べて、約27倍皮膚を通る医薬
の浸透を増強した。透過増強剤としてd−リモネンを含
む活性組成物は、コントロールに比べて医薬の浸透を約
24倍増強し、そしてメントンを含むそれは、医薬の浸
透を約17倍増強した。図13は、皮膚1mgに保持さ
れる医薬(μg)の量を示す。図8では、医薬組成物及
び透過増強剤組成物[A]−[E]は、図11に記載し
たそれらと同じである。
【0126】図14は、実施例4に記載された異なる2
重システム調製剤からの皮膚保持増強を示す。BMS−
188184−02の皮膚保持増強は、コントロールと
して使用されるGEAHLENE調製剤と比べて、透過
増強剤を含む2重システム調製剤から5−7倍高いオー
ダーであった。
【0127】本明細書で引用された全ての特許、特許出
願、出版された文献、書籍、参考マニュアル及びアブス
トラクトの内容は、本発明が関する技術の状態をさらに
十分に記述するために、それらの全体を参考として本明
細書に引用される。
【0128】種々の変化が、本発明の範囲及び趣旨から
離れることなく上記の主題について行うことができる
が、図面に示されるか又は請求の範囲に規定された上記
の記述に含まれる全ての主題は、記述及び説明として解
釈され、制限する意味で解釈されてはならない。本発明
の多くの変法及び変化は、上記の記述からみて可能であ
る。それ故、請求の範囲の範囲内では、本発明は、特に
そうとは記載されていないこと以外では実施できるもの
と理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は薬剤及び透過増強剤の2つの部分からな
る2重放出組立品(アッセンブリー)である。
【図2】図2は本発明に従って使用する皮膚透過放出装
置である。
【図3】図3は本発明に従って使用する皮膚透過放出装
置である。
【図4】図4は本発明に従って使用する皮膚透過放出装
置である。
【図5】図5A及び図5Bは実施例5に記載された種々
の賦形剤組成物中30℃(図5A)及び40℃(図5
B)でのBMS−188184−05の長期安定性を測
定するための賦形剤安定実験の結果を示す。
【図6】図6はヒト死体皮膚モデル系を使用するインビ
トロ皮膚透過検定の結果を示す。
【図7】図7はヒト死体皮膚モデル系を使用するインビ
トロ皮膚透過検定の結果を示す。
【図8】図7ヒト死体皮膚モデル系を使用するインビト
ロ皮膚透過検定の結果を示す。
【図9】図9無毛ラット皮膚モデル系を使用するインビ
ボ皮膚保持検定の結果を示す。
【図10】図102重システム2%BMS−18818
4−02軟膏及びSLS透過増強剤クリーム組成物の単
一局所投与後の無毛ラットのBMS−188184−0
2の血漿濃度を示す。
【図11】図11は異常流出が計量されるヒト死体皮膚
モデル系を使用するインビトロ透過検定の結果を示す。
【図12】図12はBMS−188184−02及び種
々の透過増強剤を含む活性治療調製剤のインビトロ皮膚
異常流出検定から生ずる増加割合を示す。
【図13】図13はヒト死体皮膚系を用いるインビトロ
皮膚浸透検定の結果を示す。
【図14】図14はBMS−188184−02及び種
々な透過増強剤を含む活性治療調製剤のインビトロ皮膚
保持検定から生ずる増加割合を示す。
【符号の説明】
2:バッキング層 4:薬剤含有調製剤 6:透過増強剤含有調製剤 8:非透過性膜 10:拡散膜 12:接触付着層 14:剥離ライナー 16:薬剤含有調製剤 18:透過増強剤含有調製剤 20:非透過性膜 26:剥離ライナー 30:薬剤含有調製剤 32:透過増強剤含有調製剤 34:拡散膜 38:剥離ライナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 A61K 45/00 (72)発明者 チェン デア トニー ユー アメリカ合衆国ニューヨーク州 14228 アムハースト カイマー ドライブ 718 (72)発明者 ブク パテル アメリカ合衆国ニューヨーク州 14068 アムハースト コンセッタ コート 26

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 局所適用される薬理学的活性化合物の皮
    膚透過を増強する方法において、 a)賦形剤中の長期の貯蔵に安定であり且つ第1組成物
    が皮膚のある領域に適用されるときに該活性化合物がそ
    の薬理学的効果を生ずるためには不十分な第1の皮膚透
    過速度を示す活性化合物及び該活性化合物用の薬理学的
    に許容し得る賦形剤を含む少なくとも1つの第1組成物
    を調製し、 b)該活性化合物用の透過増強剤を含む少なくとも1つ
    の第2組成物を調製し、但し該透過増強剤は該活性化合
    物と混合されたとき、 i)該活性化合物の不安定な状態、即ちそれにより該活
    性化合物の1以上の分解副生成物を生成し、該透過増強
    剤との混合物中の該活性化合物の長期の安定貯蔵が達成
    できず、及び/又は ii)該透過増強剤の不安定な状態、即ちそれにより該
    透過増強剤の1以上の分解副生成物を生成し、該活性化
    合物との混合物中の該透過増強剤の長期の安定貯蔵が達
    成できず、をもたらすものである、 c)該第1組成物及び該第2組成物を皮膚領域に適用
    し、 この場合該第1及び該第2組成物は同時に、順次に、又
    は該第1及び該第2組成物の予備混合物として適用さ
    れ、但し適用が継続的であるときは、1つの組成物は他
    の組成物が適用された後直ちに適用され、そしてこの適
    用が予備混合物であるときには該予備混合物の調製と皮
    膚領域への適用との間に経過した期間が予備混合物中の
    活性化合物の濃度が予め決められた許容し得る濃度以上
    であるようにし、 ここで活性化合物の第2の皮膚透過速度は活性化合物と
    透過増強剤との活性組成物を形成することにより得ら
    れ、該第2の皮膚透過速度は活性化合物の治療有効量が
    放出され且つ所望の薬理学的効果が達成されるように第
    1の皮膚透過速度より実質的により速い、 ことを特徴とする薬理学的活性化合物の皮膚透過を増強
    する方法。
  2. 【請求項2】 該第2の皮膚透過速度が該第1の皮膚透
    過速度より少なくとも2倍速い請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該第2の皮膚透過速度が該第1の皮膚透
    過速度より少なくとも5倍速い請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該第2の皮膚透過速度が該第1の皮膚透
    過速度より少なくとも10倍速い請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該第2の皮膚透過速度が該第1の皮膚透
    過速度より少なくとも15倍速い請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該第2の皮膚透過速度が該第1の皮膚透
    過速度より少なくとも2倍〜8倍速い請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 該第2の皮膚透過速度が該第1の皮膚透
    過速度より少なくとも10倍〜15倍速い請求項6記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 薬理学的に活性な化合物が活性組成物を
    基準にして0.001重量%〜80重量%の量で存在す
    る請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 1の組成物が他の組成物の皮膚領域への
    適用後1〜30分以内に該領域に適用される請求項1記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 1の組成物が他の組成物の皮膚領域へ
    の適用後5〜10分以内に該領域に適用される請求項9
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 1の組成物が他の組成物の皮膚領域へ
    の適用後直ちに該領域に適用される請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 予備混合物が適用されるとき、予備混
    合物の調製と皮膚領域への適用との間に経過する期間は
    7日以下である請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 活性化合物がステロイド系抗炎症化合
    物、非ステロイド系抗炎症化合物、5−リポキシゲナー
    ゼ阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナ
    ーゼ阻害剤、ホスホリパーゼC阻害剤、ホスホリパーゼ
    A2阻害剤、蛋白キナーゼC阻害剤、インターロイキン
    −1阻害剤、インターロイキン−1受容体アンタゴニス
    ト、12−HETE阻害剤、イミダゾール、レチノイ
    ド、レチニルエステル、PAFアンタゴニスト、必須脂
    肪酸及びこれらの類似化合物、β−2アゴニスト、β−
    3アドレナリン受容体アゴニスト、抗そう痒剤、抗真菌
    剤、抗酵母化合物、抗生物質、防腐剤、抗ウイルス剤、
    抗AIDS薬、抗魚鱗癬薬、心配且つ異常な角質生成を
    治療する医薬、抗色素過剰症薬、抗乾癬化合物、抗アク
    ネ化合物、抗フケ化合物、抗ヒスタンミン薬、抗プラク
    剤、局所麻酔薬、鎮痛薬、β−アドレナリン受容体遮断
    剤、β−遮断剤、気管支痙攣弛緩剤、抗癌剤、抗狭心症
    薬、血管拡張神経薬、抗高血圧薬、アセチルコリンエス
    テラーゼ阻害剤、抗運動疾病薬、性ホルモン、避妊剤、
    抗喘息薬、鎮咳薬、抗嘔吐剤、抗凝血薬、鬱血除去剤、
    鎮痛薬、解熱薬、抗禿頭/脱毛治療剤、抗皮膚炎化合
    物、抗潰瘍薬、鎮痙薬、交感神経興奮剤、中枢神経活性
    薬、利尿剤、抗光老化化合物、抗UV化合物、ビタミン
    及びビタミン塩、蛋白薬、ペプチド薬、及びこれらの混
    合物又は組み合わせからなる群から選ばれる請求項1記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 活性化合物がホスホリパーゼA2阻害
    剤である請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 ホスホリパーゼA2阻害剤が(2Z,
    4Z)−3−メチル−4−(3−カルボキシフェニル)
    −5−[(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,
    4,4−テトラメチル)−6−アントラセニル]−2,
    4−ペンタジエン酸である請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 ホスホリパーゼA2阻害剤がジ−カリ
    ウム又はジ−酸塩である請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 第2組成物が水、アルコール、プロピ
    レングリコール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エス
    テル、アルキルエステル、ポリオール、スルホキシド、
    アミン、表面活性剤、テルペン、アルカノン、皮膚透過
    増強剤、及びこれらの混合物又は組み合わせからなる群
    から選ばれる成分を含む請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 皮膚透過増強剤がナトリウムラウリル
    サルフェート、ジブチルアジペート、イソプロピルミリ
    ステート、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホ
    キシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
    ド、グリセリルモノカプリレート、プロピレングリコー
    ル、N−アルキル−2−ピロリドン、d−リモネン、メ
    ントン、エタノール、及びこれらの混合物又は組み合わ
    せからなる群から選ばれる請求項1又は17記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 第2組成物が水、アルコール、プロピ
    レングリコール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エス
    テル、アルキルエステル、ポリオール、スルホキシド、
    アミン、表面活性剤、テルペン、アルカノン、皮膚透過
    増強剤、及びこれらの混合物又は組み合わせからなる群
    から選ばれる成分を含む請求項14、15又は16記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 第2組成物が水、プロピレングリコー
    ル、エチルアルコール、ナトリウムラウリルサルフェー
    ト、デシルメチルスルホキシド、d−リモネン、及びメ
    ントン、及びこれらの混合物又は組み合わせからなる群
    から選ばれる成分を含む請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と組み合わされるとき
    少なくとも約2倍増加若しくは増強される請求項20記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と組み合わされるとき
    少なくとも約5倍増加若しくは増強される請求項20記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と組み合わされるとき
    少なくとも約10倍増加若しくは増強される請求項20
    記載の方法。
  24. 【請求項24】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と組み合わされるとき
    少なくとも約15倍増加若しくは増強される請求項20
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と組み合わされるとき
    少なくとも2〜8倍増加若しくは増強される請求項20
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が最初の速度よりも少なくとも10〜15倍増加若
    しくは増強される請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 活性化合物の分解副生成物及び透過増
    強剤の分解副生成物の皮膚への適用が実質的に避けられ
    る請求項1記載の方法。
  28. 【請求項28】 透過増強剤を含む第2組成物が活性化
    合物を含む第1組成物用の溶媒である請求項1記載の方
    法。
  29. 【請求項29】 皮膚と付着しない上部表面と皮膚に付
    着する下部表面とをもつ、別の方法では遅い皮膚透過速
    度をもち長期の貯蔵の間不安定な局所適用医薬の皮膚へ
    の浸透を透過増強剤と混合されたときに増強する、区画
    された装置であり、 第1の区画(コンパートメント)は医薬及び該医薬用の
    薬理学的に許容し得る賦形剤を含む少なくとも1つの第
    1組成物を収容し、ここで該医薬は賦形剤中で長期間安
    定性を保持し、さらに該医薬は第1組成物が皮膚のある
    領域に適用されるとき第1の浸透速度をもち、そして第
    2の区画は該装置の第1及び第2区画の内容物の接触及
    び拡散を防止する破壊可能な壁により第1の区画から物
    理的に隔離され、該医薬用の浸透増強剤を含む少なくと
    も1つの第2組成物を収容し、該第2区画は浸透増強剤
    が該医薬と混ぜられとき該医薬の不安定な状態及び/又
    は分解生じ、又は透過増強剤の不安定な状態及び/又は
    分解を生じて混合物中の医薬の長期の安定性が達成でき
    ず、 該装置の上部表面に圧力を加え、該上部表面を強く擦る
    とき、該第1及び第2区画を隔てる壁が破裂し、第1医
    薬含有組成物が第2浸透増強剤含有組成物と混合し活性
    治療組成物を形成し、該透過増強剤との混合後該医薬は
    該第1速度より実質的により速い皮膚浸透第2速度を示
    す、ことを特徴とする上記区画された装置。
  30. 【請求項30】 該第1及び第2組成物が皮膚領域上に
    同時に投薬される請求項29記載の装置。
  31. 【請求項31】 該活性治療組成物が該第1及び第2組
    成物の混合後に皮膚領域に適用される請求項29記載の
    装置。
  32. 【請求項32】 該活性治療組成物が該第1及び第2組
    成物の混合後1〜30分以内に適用される請求項31記
    載の装置。
  33. 【請求項33】 該活性治療組成物が該第1及び第2組
    成物の混合後5〜10分以内に適用される請求項32記
    載の装置。
  34. 【請求項34】 皮膚領域に適用されるときに第1の低
    い皮膚浸透速度を示す局所適用の薬理学的に活性な化合
    物の皮膚浸透を増強させる分散用アッセンブリにおい
    て、 a)賦形剤中で長期の貯蔵安定性をもち且つ第1組成物
    が皮膚の領域に適用されるときに活性化合物がその薬理
    学的効果を生ずるためには不十分な第1の皮膚浸透速度
    を示す該活性化合物及び該化合物の製薬的に許容し得る
    賦形剤からなる少なくとも1つの第1組成物を含む第1
    の区画、 b)該活性化合物用の浸透増強剤を含む少なくとも1つ
    の第2組成物を含む第2の区画、但し該透過増強剤は該
    活性化合物と混合されるとき、 i)該活性化合物の不安定な状態、即ちそれにより該活
    性化合物の1以上の分解副生成物を生成し該透過増強剤
    との混合物中の該活性化合物の長期の安定貯蔵が達成で
    きず、及び/又は ii)透過増強剤の不安定な状態、即ちそれにより該透
    過増強剤の1以上の分解副生成物を生成し該活性化合物
    との混合物中の該透過増強剤の長期の安定貯蔵が達成で
    きず、ここでそれらのそれぞれの第1及び第2の区画中
    の第1及び第2組成物は使用前には互いに物理的に隔離
    されている、をもたらすものである、 c)隔離された第1及び第2組成物の投与量を適用時に
    混合が促進されるようにそれぞれの第1及び第2の区画
    から皮膚の領域上に同時に放出する装置、 ここで第1及び第2組成物の投与量の放出は活性化合
    物、賦形剤及び浸透増強剤を含み、それにより活性化合
    物の第2の皮膚浸透速度を生じる活性組成物を形成し、
    該第2の皮膚浸透速度は該活性化合物の治療有効量が放
    出されるように第1の皮膚浸透速度より実質的に速く、
    そして活性化合物又は浸透増強剤の分解副生成物の形成
    が実質的に避けられる、からなることを特徴とする分散
    用アッセンブリ。
  35. 【請求項35】 薬理学的に活性化合物がステロイド系
    抗炎症化合物、非ステロイド系抗炎症化合物、5−リポ
    キシゲナーゼ阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、シクロ
    オキシゲナーゼ阻害剤、ホスホリパーゼC阻害剤、ホス
    ホリパーゼA2阻害剤、蛋白キナーゼC阻害剤、インタ
    ーロイキン−1阻害剤、インターロイキン−1受容体拮
    抗剤、12−HETE阻害剤、イミダゾール、レチノイ
    ド、レチニルエステル、PAF拮抗剤、必須脂肪酸及び
    これらの類似化合物、β−2アゴニスト、β−3アドレ
    ナリン受容体アゴニスト、抗そう痒剤、抗菌剤、抗真菌
    剤、抗酵母化合物、抗生物質、防腐剤、抗ウイルス剤、
    抗AIDS薬、抗魚鱗癬薬、心配な且つ異常な角質生成
    を治療する医薬、抗色素過剰症薬、抗乾癬化合物、抗ア
    クネ化合物、抗フケ化合物、抗ヒスタンミン薬、抗プラ
    ク剤、局所麻酔薬、鎮痛薬、β−アドレナリン受容体遮
    断剤、β−遮断剤、気管支痙攣弛緩剤、抗癌剤、抗狭心
    症薬、血管拡張神経薬、抗高血圧薬、アセチルコリンエ
    ステラーゼ阻害剤、抗運動疾病薬、性ホルモン、避妊
    剤、抗喘息薬、鎮咳薬、抗嘔吐剤、抗凝血薬、鬱血除去
    剤、鎮痛薬、解熱薬、抗禿頭/脱毛治療剤、抗皮膚炎化
    合物、抗潰瘍薬、鎮痙薬、交感神経興奮剤、中枢神経活
    性薬、利尿剤、抗光老化化合物、抗UV化合物、ビタミ
    ン及びビタミン塩、蛋白薬、ペプチド薬、及びこれらの
    混合物又は組み合わせからなる群から選ばれる請求項3
    4記載のアッセンブリ。
  36. 【請求項36】 第1区画の活性化合物がホスホリパー
    ゼA2阻害剤である請求項34記載のアッセンブリ。
  37. 【請求項37】 ホスホリパーゼA2阻害剤が(2Z,
    4Z)−3−メチル−4−(3−カルボキシフェニル)
    −5−[(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,1,
    4,4−テトラメチル)−6−アントラセニル]−2,
    4−ペンタジエン酸である請求項36記載アッセンブ
    リ。
  38. 【請求項38】 ホスホリパーゼA2阻害剤がジカリウ
    ム又はジ酸塩である請求項37記載アッセンブリ。
  39. 【請求項39】 第2組成物が水、アルコール、プロピ
    レングリコール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エス
    テル、アルキルエステル、ポリオール、スルホキシド、
    アミン、表面活性剤、テルペン、アルカノン、皮膚透過
    増強剤、及びこれらの混合物又は組み合わせからなる群
    から選ばれる成分を含む請求項34記載アッセンブリ。
  40. 【請求項40】 皮膚透過増強剤がナトリウムラウリル
    サルフェート、ジブチルアジペート、イソプロピルミリ
    ステート、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホ
    キシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
    ド、グリセリルモノカプリレート、プロピレングリコー
    ル、N−アルキル−2−ピロリドン、d−リモネン、メ
    ントン、エタノール、及びこれらの混合物又は組み合わ
    せからなる群から選ばれる請求項39記載アッセンブ
    リ。
  41. 【請求項41】 第2組成物が水、プロピレングリコー
    ル、エチルアルコール、ナトリウムラウリルサルフェー
    ト、デシルメチルスルホキシド、d−リモネン、及びメ
    ントン及びこれらの混合物又は組み合わせからなる群か
    ら選ばれる成分を含む請求項36、37又は38記載の
    アッセンブリ。
  42. 【請求項42】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と混合されるとき少な
    くとも約2倍増加若しくは増強される請求項36記載の
    アッセンブリ。
  43. 【請求項43】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と混合されるとき少な
    くとも約5倍増加若しくは増強される請求項36記載の
    アッセンブリ。
  44. 【請求項44】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と混合されるとき少な
    くとも約10倍増加若しくは増強される請求項36記載
    のアッセンブリ。
  45. 【請求項45】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と混合されるとき少な
    くとも約15倍増加若しくは増強される請求項36記載
    のアッセンブリ。
  46. 【請求項46】 ホスホリパーゼA2阻害剤の皮膚透過
    速度が第1組成物が該第2組成物と混合されるとき少な
    くとも2〜8倍増加若しくは増強される請求項36記載
    のアッセンブリ。
JP31668897A 1997-11-18 1997-11-18 長期間貯蔵される組成物中の医薬及び/又は透過増強剤が不安定なときに透過増強剤により医薬の皮膚透過を増強させる方法及び組成物 Pending JPH11158060A (ja)

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