JPH11148907A - エチレンガス濃度測定装置 - Google Patents

エチレンガス濃度測定装置

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JPH11148907A
JPH11148907A JP24811498A JP24811498A JPH11148907A JP H11148907 A JPH11148907 A JP H11148907A JP 24811498 A JP24811498 A JP 24811498A JP 24811498 A JP24811498 A JP 24811498A JP H11148907 A JPH11148907 A JP H11148907A
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JP
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gas
concentration
ethylene
ethylene gas
chamber
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JP24811498A
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Kunihiko Fujiwara
邦彦 藤原
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Able Corp
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な半導体ガスセンサーを用い、且つ温度
や湿度、所要に応じてエチルアルコールに影響されない
エチレンガス濃度測定装置を提供すること。 【解決手段】 エチレンガス濃度測定装置は、可燃性ガ
スセンサーを収納した測定室10と、その上流に配置さ
れ、乾燥剤を充填した乾燥筒30と、乾燥筒30の上流
に配置されたメンブレンドライヤー40と、更に上流に
配置され、過マンガン酸カリウム水溶液を充填した洗気
瓶50とを備える。洗気瓶50の上流に設置されたもや
し育成室(図示せず)からの被検ガスを、ガスポンプ2
0により測定室10に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンガス濃度
測定装置に係り、更に詳しくは、エチレンガス濃度の制
御を必要とする貯蔵庫や植物栽培場等、特に、もやし育
成室で使用するエチレンガス濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】もやし育成において、エチレンガスの果
たす役割は、極めて大きいことが知られている。もやし
は播種後6〜10日で出荷されるが、発芽後の適切な時
期から育成室内にエチレン添加を行い、適切なエチレン
濃度を保つと、エチレンをかけないものより太く短い歯
ごたえの良い高級もやしを作ることができ、このような
高級もやしは、市場で通常のもやしの約3倍の価格で販
売されている。
【0003】かかる事情から、一部のもやし栽培業者
は、従来から高価なガスクロマトグラフィー装置を用い
て、育成室内のエチレン濃度の計測・制御を行うことに
より、上述の高級もやしを栽培している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスク
ロマトグラフィー装置は、成分分離部と成分検出部とか
ら構成され、複数種類の混合ガスでも成分ごとの定量が
できる装置であるため、成分分離部と成分検出部のいず
れもが精密部品の組み合せから成る高価な分析用機器で
あり、コスト面での課題があった。また、特にもやし育
成室内には、通常、空気、炭酸ガス及びエチレン以外の
ガスは存在せず、必ずしもガスクロマトグラフィー装置
のような汎用分析機器を使用する必要はない。
【0005】このような状況から、安価な半導体ガスセ
ンサーを用いて作物貯蔵庫や植物栽培場、特にもやし育
成室内のエチレン濃度測定を行うことが考えられるが、
この場合は、育成室内の湿度が高いことが問題となる。
即ち、半導体ガスセンサーは、その表面にエチレン等の
ガスが吸着することによって半導体の電気抵抗が変化す
るという現象を利用して、ガス濃度の計測を行うもので
あるが、半導体ガスセンサーの抵抗値は、温度と湿度の
両方の影響を大きく受ける。従って、半導体ガスセンサ
ーを用いたエチレン濃度測定では、もやし育成室内の被
検ガスを半導体ガスセンサー室に導入するまで常に一定
の温度と湿度とに保たなければならないが、通常、もや
し育成室の温度は一定に保たれているので、特に湿度を
一定に保たなければならないという課題が生ずる。
【0006】なお、半導体ガスセンサーは、含有する微
量成分によってガスの吸着能が異なる。本発明者が、種
々の半導体ガスセンサーについて、エチレンによる抵抗
値変化を調べたところ、メタン、ブタン、イソブタン及
びヘキサン等のいわゆる可燃ガスに応答するものが、エ
チレンに対しても感度良く応答することが分かった。
【0007】しかしながら、もやし育成業者の中には、
隣接する工場でカット野菜等、もやし以外の物を扱う業
者があり、消毒にエチルアルコールを用いることがあ
る。この消毒を実施する場所がもやし育成室に隣接する
場合には、エチルアルコールがもやし育成室の換気口か
ら侵入することがあった。この場合、上記可燃性ガスに
応答する半導体ガスセンサーは、エチルアルコールにも
感応してしまうので、このセンサーを用いてエチレン濃
度測定を行うには、被検ガスが当該センサーに到達する
前に、何らかの前処理によってエチルアルコール分を除
去しなければならないという課題が生ずる。
【0008】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、安価な半導体ガスセンサーを用い、且つ温度や湿
度、所要に応じてエチルアルコールに影響されないエチ
レンガス濃度測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、エチレンガスセンサー
の上流に、特定の乾燥室と所要に応じて洗気室を設ける
ことにより、上記課題が解決されることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明のエチレンガス濃度測定装置
は、エチレンガス濃度に応答する半導体センサーと、こ
の半導体センサーを収納した測定室と、この測定室に被
検ガスを供給するガス供給手段とを備え、上記測定室の
上流に、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム
及び五酸化リンから成る群より選ばれた少なくとも一種
の乾燥剤を有する乾燥室を配置して成ることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明のエチレンガス濃度測定装置
の好適形態は、上記乾燥室の上流に、メンブレンドライ
ヤーを配置して成ることを特徴とする。
【0012】更に、本発明のエチレンガス濃度測定装置
の他の好適形態は、上記エチレンガス濃度に応答する半
導体センサーが、可燃性ガスに応答するセンサーであ
り、上記乾燥室の上流に、過マンガン酸カリウム水溶液
を含む洗気室を配置して成ることを特徴とする。
【0013】更にまた、本発明のエチレンガス濃度測定
装置の更に他の好適形態は、既知濃度の複数の標準ガス
と、この複数の標準ガスを既知流量で流して混合して新
たな標準ガスを作成する手段と、これらの標準ガスを上
記測定室へ送る手段とを付加して成ることを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエチレンガス濃度
測定装置について、詳細に説明する。上述の如く、本発
明のエチレンガス濃度測定装置は、エチレンガス濃度に
応答する半導体センサーと、この半導体センサーを収納
した測定室と、この測定室に被検ガスを供給するガス供
給手段と、乾燥室とを備える。
【0015】ここで、半導体センサーは、エチレンガス
濃度に応答するものであれば特に限定されることはない
が、メタン、ブタン、イソブタン及びヘキサン等のいわ
ゆる可燃ガスに応答するセンサー、例えば、酸化スズ、
酸化亜鉛及び酸化鉄を主成分とし、微量の触媒成分を含
有する層を備えたセンサーを挙げることができる。
【0016】また、測定室としては、上記センサーを収
納でき、エチレンガス濃度測定に際し外気等を遮断した
空間を形成できるような容器などであれば如何なるもの
であってもよいが、ヒーター、温度センサー及び温度調
節器から成る温度調節機能を持っていることが望まし
い。更に、ガス供給手段としては、代表的に被検ガスを
上述の測定室に供給する加圧及び/又は減圧ポンプなど
を例示できる。
【0017】また、乾燥室は、被検ガスの流路におい
て、上記測定室の上流に配置されるが、外気等を遮断で
き、乾燥剤がその内部に充填されていれば十分であり、
各種容器を使用することができる。
【0018】乾燥室に充填する乾燥剤としては、吸湿作
用を有すれば十分であり、従来公知の乾燥剤を使用する
ことができ、例えば、シリカゲル、酸化カルシウム、塩
化カルシウム又は五酸化リン及びこれらの任意の混合剤
等を挙げることができる。但し、これら乾燥剤のうち、
シリカゲルは、エチレンを吸着する性質があるため半導
体センサーにエチレンが到達する時間帯に広がりがで
き、応答性が低下してしまうことがある。
【0019】一方、酸化カルシウム及び五酸化リンに
は、このような問題はないが、最も好適なものは、塩化
カルシウムである。上述のように、可燃性ガスセンサー
はエチルアルコールに応答することがあるため、もやし
等の消毒にエチルアルコールを用いた場合には、被検ガ
スがセンサーに到着するまでに、被検ガス中のエチルア
ルコール分を除去する必要があるが、塩化カルシウム
は、吸湿と同時にエチルアルコールを除去する作用を有
し、理想的な吸湿剤である。
【0020】なお、上述した乾燥剤は、吸湿後にはいず
れも乾燥能力が低下するため、新鮮な乾燥剤に取り替え
る必要がある。これに対しては、メンブレンドライヤー
を乾燥室の上流に配置し、乾燥剤による乾燥の前段階で
被検ガスの予備乾燥を行えば、乾燥剤の乾燥能力を長時
間維持することができ、好適である。
【0021】ここで、「メンブレンドライヤー」は、透
水性を有する一方でガスを透過しない特殊プラスチック
で作成されたチューブの内側にガスを流通させるとによ
り、流通ガスを乾燥させるものであり、ナフィオンチュ
ーブを用いたもの(PERMA PURE社製)や、ポ
リイミドチューブを用いたもの(宇部興産製)等があ
る。
【0022】また、メンブレンドライヤーの形式として
は、上記チューブの外側に被検ガスとは別系統の乾燥空
気を流通して被検ガスの乾燥を促進するものと、上記チ
ューブを通過して乾燥した被検ガスを上記チューブの外
側に循環(再通過)させ、後続の被検ガスの乾燥に供す
るものとがある。後者の形式では、別系統の乾燥空気が
不要であり、低コスト化を図ることができるが、上記チ
ューブに対する被検ガスの入口流量を出口流量の約10
倍にすることを要し、入口流量を大きくする必要があ
る。これに対し、前者の形式では、入口流量と出口流量
はほぼ同じでよく、入口流量を小さくすることができ
る。
【0023】従って、後述のように被検ガスにエチルア
ルコールが混入している場合には、エチルアルコールを
確実に除去する観点から、前者の形式を用いることが好
ましい。また、後述する洗気室の過マンガン酸カリウム
水溶液では、エチルアルコールを含む被検ガスを洗気す
るに際し、過マンガン酸カリウムが還元されてマンガン
酸化物(MnO)に変化して沈澱し、洗気力が徐々に
低下して行くので、被検ガスの流量を小さくすることが
好ましく、この点からも前者の形式の方が好ましいとい
える。
【0024】上述のように、メンブレンドライヤーは、
被検ガスを乾燥する機能を有するため、かかるメンブレ
ンドライヤーに被検ガスを流通させた後、塩化カルシウ
ム等の乾燥剤による乾燥を行うことにすれば、塩化カル
シウム等の交換頻度を低減することができ、低コスト化
を図ることができる。
【0025】本発明のエチレンガス濃度測定装置の好適
形態では、上述のような装置構成において、乾燥室の上
流に、過マンガン酸カリウム水溶液を充填した洗気室が
付加され、これにより、被検ガスにエチルアルコールが
混入しても測定精度が保証される。
【0026】ここで、洗気室は、過マンガン酸カリウム
水溶液を充填でき、被検ガスがこの水溶液と接触するこ
とを確保できれば十分であり、各種容器を使用できる。
また、洗気剤たる過マンガン酸カリウム水溶液は、本発
明者が、エチルアルコールが比較的容易に酸化されるこ
とに着目して種々の酸化剤を検討した結果、見出したも
のであり、被検ガス中のエチルアルコールは、過マンガ
ン酸カリウム水溶液と接触することにより酸化分解され
るので、本発明が意図するエチレンガス濃度測定に悪影
響を及ぼさなくなる。
【0027】なお、上記水溶液の過マンガン酸カリウム
の濃度は、0.1〜2.5g/lであることが好まし
い。過マンガン酸カリウムの濃度が、0.1g/l未満
では、通気条件が良くないとエチルアルコールの影響が
出てしまうことがあり、また、2.5g/lを超える
と、エチレンの一部の酸化が始まってしまうことがあ
り、ガス濃度測定精度が低下するおそれがあるので好ま
しくない。
【0028】上記水溶液と被検ガスとの接触は、特に限
定されず種々の手法を適用することができるが、接触頻
度を増大してエチルアルコールを完全に分解すべく、当
該水溶液中を被検ガスが通過するようにするのが好まし
く、具体的には、ガラス、セラミックス及び金属焼結体
等から成る多孔質バブラーを過マンガン酸カリウム水溶
液中に浸漬し、被検ガスをバブリングする手法が簡易且
つ有効である。また、洗気室内で過マンガン酸カリウム
水溶液を噴霧するシャワーリングも有効である。
【0029】なお、上述したメンブレンドライヤーは、
エチルアルコールを除去する能力も持っており、エチル
アルコールの入口濃度の90〜95%を除去できる。従
って、被検ガス中のエチルアルコール濃度が低い場合に
は、メンブレンドライヤーを通過させるだけでもエチレ
ンガス濃度測定に支障のない状態にすることが可能であ
る。
【0030】また、上述した洗気室の付加は、被検ガス
にエチルアルコールが高濃度(約20ppm以上)で混
入している場合に必要とされるが、エチルアルコール混
入が無い場合には、本発明の必須事項ではない。更に、
乾燥剤として塩化カルシウムを用いる場合には、上述し
た塩化カルシウムの利点から、エチルアルコールの混入
があっても必須事項とはならない。上述したように、洗
気室の設置場所は、乾燥室の上流側であるが、確実な乾
燥を行うためには、上流側から「洗気室−メンブレンド
ライヤー−乾燥室−測定室」の順で設置することが好ま
しい。
【0031】本発明のエチレンガス測定装置において
は、既知濃度の複数の標準ガスと、この複数の標準ガス
を既知流量で流して混合して新たな標準ガスを作成する
手段と、これらの標準ガスを上記測定室へ送る手段とを
付加することが好ましい。即ち、本発明の測定装置を使
用して実際にエチレンガス濃度を測定するに当たって
は、濃度既知の2種類以上の標準ガスを用いてそれぞれ
の濃度における抵抗値を求めて校正を行ってから、エチ
レン濃度未知の被検ガスを流通させて、演算によりエチ
レンガス濃度を求めることが好ましい。
【0032】かかる校正は、対象とする被検ガスにおけ
るエチレン濃度の変化範囲を挟む高・低2種類の標準ガ
スを用いて行うのが望ましい。例えば、もやし育成にお
ける好適エチレン濃度は、育成室の密閉度、換気頻度及
び温度にもよるが、数ppm〜十数ppmの範囲である
ため、代表的には、約1ppmと15ppmの高・低2
種類の標準ガスを用いれば十分である。但し、エチレン
ガス濃度測定装置内で、高・低2種類の標準ガスを計算
通りの比率で混合して、所望の濃度の標準ガスを作るこ
とができれば、対象とする被検ガス、例えば、もやし育
成室の好適エチレン濃度に合致した最も適切な校正を行
うことができるようになる。
【0033】上記所望濃度の標準ガスの作成・供給は、
具体的には、パソコン等を用いて簡易且つ迅速に行うこ
とができる。即ち、準備した高濃度エチレン標準ガスの
濃度をH(ppm)、低濃度エチレン標準ガスの濃度を
L(ppm)、所望の標準ガスの濃度をS(ppm)及
び流量をQ(ml/min)とすると、次式(1)及び
(2) q(H)=Q(S−L)/H−L・・・(1) q(L)=Q(H−S)/H−L・・・(2) によりH(ppm)ガスの流量q(H)とL(ppm)
ガスの流量q(L)とを求め、その流量に対応した電圧
をそれぞれのマスフロコントローラーに供給する(マス
フローコントローラーに印加する電圧と電流とは比例す
る)ことによって、濃度S(ppm)の標準ガスをQ
(ml/min)で流すことができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を、図面を参照して若干の実施
例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
【0035】(参考例1) [被検ガスの乾燥]図1において、もやし育成室1から
エチレンガス測定制御装置が設置されている制御室2ま
では、通常、十数m〜数十m離れている。制御室2内に
流量5l/min、吐出圧1kg/cmのガスポンプ
3と、1l程度のガラス瓶4を設置し、育成室1とガス
ポンプ3及びガラス瓶4の間を図示したように配管し
て、制御室2内のガラス瓶4中のガスと育成室1中のガ
スが、常に同一組成になるようにした。
【0036】ガラス瓶4の下流には、図示しないメンブ
レンドライヤーと、塩化カルシウムを充填した乾燥筒が
設置されており、ガスポンプ3により、流量1l/mi
n、吐出圧2kg/cmの条件下で、ガラス瓶4から
ガスをガスドライヤー(宇部メンブレンドライヤー:宇
部興産製)に供給し、ポンプ吐出量の90%をパージラ
インに戻し、出口流量を100ml/minしたとこ
ろ、ガスの相対湿度を15〜10%に落とすことができ
た。更に、この後、ガスを塩化カルシウム乾燥筒に通す
と、相対湿度は3〜8%(20℃)にまで低減した。
【0037】(実施例1)図2は、本発明のエチレンガ
ス濃度測定装置の一実施例を示す構成図である。同図に
おいて、この測定装置は、(株)フィガロ技研製の可燃
性ガスセンサーを収納した測定室10と、その上流に配
置され、酸化カルシウムを充填した乾燥筒30と、乾燥
筒30の上流に配置されたメンブレンドライヤー40
(参考例1と同じもの)と、更に上流に配置され、過マ
ンガン酸カリウム水溶液を充填した洗気瓶50とを備
え、洗気瓶50の上流に設置されたもやし育成室(図示
せず)からの被検ガスを、ガスポンプ20により測定室
10に供給できる構成となっている。
【0038】また、洗気瓶10に充填されている過マン
ガン酸カリウム水溶液には、多孔質ガラスボールのバブ
ラーが浸漬されており、もやし育成室からの被検ガスを
バブリングできるようになっており、更に、洗気瓶50
の下流にはトラップ56瓶が設けられおり、過マンガン
酸カリウムの飛散を防止できるようになっている。
【0039】本実施例の測定装置を用いて下記の操作を
行い、もやし育成室内の被検ガス中のエチレンガス濃度
及びエチルアルコール濃度を測定した。即ち、参考例1
と同様のガス循環を行うことにより、もやし育成室内の
雰囲気と同じガス組成になっている瓶からポンプ20を
介して被検ガスをサンプリングし、メンブレンドライヤ
ー40、乾燥筒30を通過させて乾燥した後に被検ガス
を測定室10に供給し、ガス濃度測定を行った。
【0040】まず、バイパス弁54を開にして、播種直
前の消毒の終わったもやし育成室内のエチレンガス濃度
を測定したところ、エチレンガス濃度は0.4ppmで
あった。次に、バイパス弁54を開にしたまま、もやし
育成室に隣接する惣菜工場でエチルアルコールによる容
器消毒を始めたところ、もやし育成室内の被検ガス中の
エチレンガス濃度指示値は20〜25ppmに上昇し
た。この直後、パイパス弁54を閉じて、被検ガスを1
g/lの過マンガン酸カリウム水溶液を満たした洗気瓶
50で洗気したところ、もやし育成室内の被検ガス中の
エチレンガス濃度は、0.3〜0.4ppmに低下し、
エチルアルコール使用直前の濃度とほぼ等しい水準にな
った。この結果から、被検ガスにエチルアルコールが含
まれていた場合であっても、被検ガスを洗気瓶50に充
填した過マンガン酸カリウム水溶液に通過させることに
より、エチルアルコールをほぼ完全に除去できることが
分かった。
【0041】(実施例2)緑豆によるもやし育成におい
ては、図3に示すように、室入れ1日目、2日目はエチ
レンガスを入れずに、3日目以降8日目までエチレン添
加コントロールを行うのが一般的である。特に、3日目
は低めにし、4日目以降8〜10ppmに設定すること
により、太く短い歯ごたえの良いもやしを得ることがで
きることが知られている。
【0042】3日目の設定値及び4日目以降の設定値に
対応する校正ガスのL及びHの濃度は、SV値を挟んで
設定すればよいが、この例では、3日目L=2ppm、
H=8ppm、4日目以降はL=6ppm、H=10p
pmとした。半導体ガスセンサーに送り込むガス流量は
20ml/minとし、標準ガスとして1ppmと15
ppmとを用いていたため、マスフロ−コントローラー
によって次表のような流量で標準ガスの供給が行われ
た。
【0043】
【表1】
【0044】コンピューターにインプットした所望標準
ガス濃度から、1ppm標準ガス流量と15ppm標準
ガス流量を演算により求め、更に、電子式流量制御器の
電圧−電流の関係式から、2台の電子式流量制御器に印
加すべき電圧を演算により求め、その電圧をかけること
により所望濃度のガスを所望流量だけ流すことができ
る。
【0045】以上、本発明を若干の実施例により詳細に
説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可
能である。例えば、バイパス弁54、トラップ瓶56、
メンブレンドライヤー40、エチルアルコール用センサ
ーは、必須部材ではなく省略することが可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、エチレンガスセンサーの上流に特定の乾燥室を設け
ることとなどしたため、安価な半導体ガスセンサーを用
い、且つ温度や湿度、所要に応じてエチルアルコールに
影響されないエチレンガス濃度測定装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被検ガスの乾燥試験に用いた装置を示す構成図
であり、もやし育成室のガスをエチレンガス濃度測定装
置の近傍に配置したガラス瓶に循環させる様子を示して
いる。
【図2】本発明のエチレンガス濃度測定装置の一実施例
を示す構成図である。
【図3】もやし育成室におけるエチレンガス濃度制御の
一例を示す線図である。
【符号の説明】
1 もやし育成室 2 制御室 3 ガスポンプ 4 ガラス瓶 10 測定室 20 ガスポンプ 30 乾燥筒 40 メンブレンドライヤー 50 洗気瓶 52 バブラー 54 バイパス弁 56 トラップ瓶

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンガス濃度に応答する半導体セン
    サーと、この半導体センサーを収納した測定室と、この
    測定室に被検ガスを供給するガス供給手段とを備え、 上記測定室の上流に、シリカゲル、酸化カルシウム、塩
    化カルシウム及び五酸化リンから成る群より選ばれた少
    なくとも一種の乾燥剤を有する乾燥室を配置して成るこ
    とを特徴とするエチレンガス濃度測定装置。
  2. 【請求項2】 上記乾燥室の上流に、メンブレンドライ
    ヤーを配置して成ることを特徴とする請求項1記載のエ
    チレンガス濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 上記エチレンガス濃度に応答する半導体
    センサーが、可燃性ガスに応答するセンサーであり、上
    記乾燥室の上流に、過マンガン酸カリウム水溶液を含む
    洗気室を配置して成ることを特徴とする請求項1又は2
    記載のエチレンガス測定装置。
  4. 【請求項4】 上記過マンガン酸カリウム水溶液の濃度
    が、0.1〜2.5g/lであることを特徴とする請求
    項3記載のエチレンガス測定装置。
  5. 【請求項5】 既知濃度の複数の標準ガスと、この複数
    の標準ガスを既知流量で流して混合して新たな標準ガス
    を作成する手段と、これらの標準ガスを上記測定室へ送
    る手段とを付加して成ることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1つの項に記載のエチレンガス測定装置。
  6. 【請求項6】 上記被検ガスが、もやし育成室に供給さ
    れる雰囲気であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1つの項に記載のエチレンガス測定装置。
JP24811498A 1997-09-04 1998-09-02 エチレンガス濃度測定装置 Pending JPH11148907A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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