JPH1114601A - 磁気探傷方法並びにセンサ及びシステム - Google Patents

磁気探傷方法並びにセンサ及びシステム

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JPH1114601A
JPH1114601A JP9170082A JP17008297A JPH1114601A JP H1114601 A JPH1114601 A JP H1114601A JP 9170082 A JP9170082 A JP 9170082A JP 17008297 A JP17008297 A JP 17008297A JP H1114601 A JPH1114601 A JP H1114601A
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electromotive force
magnetic
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JP9170082A
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Norihiko Toda
典彦 戸田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に精度よく被測定物上の欠陥等が検出で
きる磁気探傷方法等を得る。 【解決手段】 被測定物20と直交交差するような磁束
を生じさせる磁界を磁鉄心1、励起コイル2により発生
させる工程と、被測定物20の欠陥に起因する磁束の変
化をSQUID素子5により検出する工程とを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鎖交する磁束の
変化を検出することにより、導電体の傷や欠陥等を検出
する磁気探傷方法並びにセンサ及びシステムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、IEEE.TRANSACTIONS ON MAGNETIC
S,vol.26,no.2,MARCH.(1990),M.Enoki-zono and S.Naga
ta,SIMULATION ANALYSIS OF MAGNETIC SENSOR FOR NOND
ESTRUC-TIVE TESTING BY BOUNDARY ELEMENT METHOD,P.8
77-884 の文献に示されているように、金属等の導電体
の傷や欠陥を非接触で探知する方法の一つとして、電磁
誘導を利用した磁気探傷方法がある。
【0003】図6(a)及び図6(b)は電磁誘導を利
用した磁気探傷方法を利用したセンサ(以下、磁気探傷
センサという)の構成例を示す図である。図において、
1は磁鉄心であり、馬蹄型の導電体である。2は磁界発
生手段である磁界発生用の励起コイルであり、励起コイ
ル2に電流を流すと、磁鉄心1と被測定物20との間に
交流磁界が発生する。3A及び3Bはピックアップコイ
ルであり、被測定物20に発生した誘導電流により生じ
る磁束を検出するため、磁鉄心1の両方の足の部分(ヨ
ーク)に巻かれるものである。磁界の変化による起電力
は次式(1)で表される。 e=−dφ/dt (e:起電力、φ:磁束) …(1) また20は被測定物であり、導電体でできている。
【0004】一般的には数kHzの周波数の交流電源
(図示せず)を用いて磁界発生用励起コイル2に電流を
供給する。被測定物20では渦電流が発生し、その渦電
流により発生した磁界の磁束がヨークと被測定物との間
でループを描く。検出した磁束は、ピックアップコイル
30A及び30Bにより次式(2)のような起電力に変
換される。 eout =−dφ/dt =−NAμ0 d/dt{H(t)+μr H(t)} …(2) ここで、Nはピックアップコイルの巻数、Aは磁鉄心1
の断面積、μ0 は真空透磁率、H(t)は励起コイル2
により生じた磁鉄心1の内部磁界、μr は磁鉄心の透磁
率である。
【0005】ここで図6(a)のような、被測定物20
に欠陥等がなく、一様な場合を考える。ピックアップコ
イル30A及び30Bをそれぞれ鎖交する磁束Φ0 は等
しく、このためピックアップコイル30Aとピックアッ
プコイル30Bとの極性を逆に接続すれば理想的には起
電力による電位差が発生しないことになる。
【0006】しかし、図6(b)のように被測定物20
に欠陥等がある場合、被測定物20に発生している渦電
流がその欠陥等により乱される。したがって渦電流によ
り発生する磁界も乱され、欠陥等に近い方のピックアッ
プコイルに鎖交しない磁束が発生する。逆に欠陥等から
遠い方のピックアップコイルでは、磁束はほとんど変化
しないため、ピックアップコイル30Aとピックアップ
コイル30Bに鎖交する磁束には差が生じる。これが誘
導起電力の電位差として表される。
【0007】したがって、この電位差やその分布を測定
することで、欠陥等の有無やそのおよその位置を非接触
で発見できるようになる。またこの方法は被測定物の磁
性、非磁性に関係なく導電体であれば有効である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の磁気探
傷センサは、磁界の乱れにより発生するピックアップコ
イルの電位差を直接測定し、探傷を行うものである。そ
のために数ガウス−数mV及び被測定物までの距離が1
mm程度以下の条件でないと有効な検出ができず、精度
が悪いため、かなり大きな欠陥を生じていないと探傷検
出ができない。したがって高度な欠陥探傷、例えば正確
な位置の同定や形状を推定するにはその欠陥付近を繰り
返し掃引しなければ検出できないという問題点があっ
た。
【0009】そこで、容易に精度よく被測定物上の欠陥
等が検出できる磁気探傷方法並びにセンサ及びシステム
の実現が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気探傷方
法は、被測定物と直交交差するような磁束を生じさせる
磁界を発生させる工程と、被測定物の欠陥に起因する磁
束の変化を超伝導量子干渉素子により検出する工程とを
有している。本発明においては、被測定物と直交交差す
るような磁束を生じさせる磁界を発生させる。被測定物
に欠陥等が生じている場合、磁束漏れにより鎖交する磁
束に変化が生じる。その磁束変化に対して敏感に反応す
る超伝導量子干渉素子により磁束変化を検出精度の高い
磁気探傷を行う。
【0011】また本発明に係る磁気探傷センサは、被測
定物と直交交差するような磁束を生じさせる磁界を発生
させる磁界発生手段と、鎖交する磁束の変化を起電力に
変換する磁束変換手段と、磁束変換手段が変換した起電
力を磁束に変換する起電力変換手段と、起電力変換手段
が変換した磁束に基づいた起電力を発生させる超伝導量
子干渉素子と、超伝導量子干渉素子に発生した起電力を
測定する測定手段とを備えている。本発明においては、
磁界発生手段が被測定物と直交交差するような磁束を生
じさせる磁界を発生させる。被測定物上を相対的に移動
することにより、磁束変換手段には、鎖交する磁束に変
化が生じている場合に、起電力が発生する。起電力変換
手段がその起電力に基づいて再び磁束に変換する。磁束
変化に対して敏感に反応する超伝導量子干渉素子がその
磁束変化に基づいた起電力を発生し、その起電力を測定
手段が測定し、精度の高い磁気探傷を行う。
【0012】また本発明に係る磁気探傷システムは、被
測定物と直交交差するような磁束を生じさせる磁界を発
生させる磁界発生手段と、鎖交する磁束の変化を起電力
に変換する磁束変換手段と、磁界発生手段及び磁束変換
手段を掃引させる掃引手段と、磁束変換手段が変換した
起電力を磁束に変換する起電力変換手段と、起電力変換
手段に発生した磁束に基づいた起電力を発生させる超伝
導量子干渉素子と、超伝導量子干渉素子が発生した起電
力を測定する測定手段と、掃引手段の座標位置データ及
び測定手段が測定した起電力に基づいた画像データを送
信する制御手段と、画像データを表示する表示手段とを
備えている。本発明においては、磁界発生手段が被測定
物と直交交差するような磁束を生じさせる磁界を発生さ
せる。掃引手段が、磁束変換手段を掃引させ、その2次
元座標データを出力する。磁束変換手段には、鎖交する
磁束に変化が生じている場合に起電力が発生する。起電
力変換手段がその起電力に基づいて再び磁束に変換す
る。磁束変化に対して敏感に反応する超伝導量子干渉素
子がその磁束変化に基づいた起電力を発生し、その起電
力を測定手段が測定する。制御手段が掃引手段からの2
次元座標データ及び測定手段が測定した起電力のデータ
に基づいて、起電力の2次元分布を表す画像データを出
力する。表示手段がその画像データを表示することで、
精度の高い磁気探傷を視覚的に行う。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の第1の実施の形態に係る誘
導電流を用いた磁気探傷センサの構成図である。図にお
いて、図6と同じ図番を付しているものは同様の動作を
行うので説明は省略する。3A及び3Bは磁束検出手段
であるグラジオメータである。グラジオメータとは、内
部を通過する磁束の変化に基づいて、電磁誘導により起
電力が生じるものである。ここでグラジオメータ3A及
び3Bは同方向に巻かれているものとする。4は起電力
変換手段であるインプットコイルである。グラジオメー
タ3A及び3Bの電位差により流れる電流により磁界が
発生し、磁束を生じさせる。5はSQUID素子(超伝
導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interferen
ce Device ))であり、ジョセフソン接合を含んだ超伝
導状態の素子を利用したものである。SQUID素子5
は、インプットコイル4に生じた磁束の変化により電磁
誘導が起き、起電力が生じる。6は電源であり(図示せ
ず)、励起コイル2に磁束を発生させるための数kHz
の交流電源である。7はSQUIDシステムであり(図
示せず)、SQUID素子5を超伝導状態にするために
冷却する液体窒素とデュワー等の冷凍手段、熱電対によ
り温度を測定し冷却温度を一定に調整する温度センサ、
及びSQUID素子5に生じた起電力を測定するための
測定手段である測定装置で構成されている。
【0014】次に動作について説明する。電源6により
励起コイル2に電流を流し、交流磁界を発生させる。そ
の交流磁界により発生した被測定物20上の渦電流によ
る磁束は磁鉄心1のヨークと被測定物20との間でルー
プを描く。磁鉄心1のヨーク部分に生じた磁束Φ0 が、
互いに逆巻きのグラジオメータ3A及び3Bにそれぞれ
鎖交すると、式(1)に基づいて、グラジオメータ3A
及び3Bに起電力が生じる。ここで被測定物20に欠陥
等がなく一様であれば、磁束変化が生じないのでグラジ
オメータ3A及び3Bの起電力には電位差がない。
【0015】被測定物20の欠陥等が生じている場合、
欠陥等に近い方のグラジオメータでは磁束漏れにより、
鎖交する磁束に変化が生じる。図1においては、グラジ
オメータ3Bが欠陥等に近く、グラジオメータ3Bでは
その磁束の変化に基づいて起電力も変化する。一方、グ
ラジオメータ3Aには変化がない。したがって、グラジ
オメータ3Aとグラジオメータ3Bとに鎖交する磁束に
差が生じ、グラジオメータ3Aとグラジオメータ3Bと
の間に電位差が生じるため、電流が流れる。この電流が
インプットコイル4に流れると、インプットコイル4で
はこの電流により磁界が発生し、磁束が生じる。インプ
ットコイル4に発生した磁束が、SQUIDシステム7
により超伝導状態となっているSQUID素子5の超伝
導リングに鎖交する。
【0016】ここで、グラジオメータ3A及び3B並び
にインプットコイル4のインダクタンスをそれぞれL
1、L2とし、SQUID素子5とインプットコイル4
の相互インダクタンスをMとする。このとき、外部交流
磁束φout と超伝導リングに鎖交する磁束φsuper との
関係は、Nをグラジオメータの巻数とすると、次式
(3)で表される。 φsuper /φout =M・N/(L1 +L2 ) …(3) SQUID素子5では、鎖交する磁束φsuper に基づい
た起電力が発生する。この起電力がSQUIDシステム
7の測定装置により測定されることにより、亀裂、腐
食、金属疲労の欠陥等が発見されたことになる。この磁
気探傷センサを被測定物20に対して相対的に掃引さ
せ、起電力を測定すれば、欠陥の位置・分布等を高精度
に把握することができる。
【0017】以上のように第1の実施の形態によれば、
被測定物20に生じた渦電流が被測定物20の欠陥等に
より乱されると、磁界も乱れるため、グラジオメータ3
Aに鎖交する磁束とグラジオメータ3Bに鎖交する磁束
との間に差が生じ、誘導起電力の電位差が生じ、その電
位差により流れる電流がインプットコイル4に磁界を発
生させて磁束を生じさせ、微少な磁束変化をとらえるS
QUID素子5にインプットコイル4の磁束が鎖交する
ことでSQUID素子5に起電力が発生し、SQUID
システム7の測定装置が、SQUID素子5に発生した
起電力を測定することにより、亀裂、腐食、金属疲労等
の有無や欠陥の位置・分布等の探傷測定を非接触かつ高
精度に行うことができる。SQUID素子による磁束の
測定は、外部磁気遮断シールドを用いた場合、最高で1
-10 ガウス程度の測定が行え、ピックアップコイルに
よる欠陥等の検出よりも10桁以上の精度を持って測定
が可能であるので、被測定物20と磁鉄心1のヨークの
間隔(ギャップ)を広げることができ、例えばコンクリ
ート内の鉄骨等の探傷測定も可能となり、防災への効果
が期待できる。
【0018】実施形態2.図2は本発明の第2の実施の
形態に係る誘導電流を用いた磁気探傷方法を実現するた
めのセンサの構成図である。図において、図1と同じ図
番を付しているものは、第1の実施の形態で説明したこ
とと同様の動作を行うので説明を省略する。図2におい
て、グラジオメータ3C及び3Dは、磁鉄心1の両方の
ヨークにそれぞれ設けられている。グラジオメータ3C
及び3Dは、それぞれのヨークにおいて、2カ所(上部
及び下部)を鎖交する磁束の差に基づいて誘導起電力が
発生するようにしたものである。インプットコイル4A
及び4Bは、それぞれグラジオメータ3C及び3Dと接
続されている。またSQUID素子5A及び5Bはそれ
ぞれインプットコイル4A及び4Bに磁気的に接続され
ている。したがって、グラジオメータ3C又は3Dに発
生する起電力をそれぞれ独立して測定することが可能と
なる。
【0019】第1の実施の形態では、被測定物20の欠
陥等により生じるグラジオメータ3A及び3Bの間に鎖
交する磁束の差が電位差として表され、インプットコイ
ル4を介してSQUID素子5に生じる起電力を測定す
ることで探傷する構造であった。このような構造の磁気
探傷装置では、検出精度との関係から両方のヨークの間
隔は10cm程度が妥当であると考えられる。そのた
め、測定範囲が広ければX方向又はY方向の掃引に時間
がかかる。この場合、磁鉄心1の断面積を大きくするこ
とが考えられるが、磁鉄心1の断面積を大きくした場
合、測定範囲が広がるものの、欠陥等による磁束漏れも
小さくなってしまい、欠陥等がない通常の場合の磁束と
の差が明確とならないため、磁束変化の検出が困難であ
る。またヨーク間を広げたことにより、グラジオメータ
3C及び3Dの間隔も広がるため、ノイズや誤差も大き
くなり、結果として検出精度の低下は避けられない。そ
こで、第2の実施の形態ではグラジオメータ3C及び3
Dのそれぞれにインプットコイル4A及び4B並びにS
QUID素子5A及び5Bを配置し、グラジオメータ3
C及び3Dの磁束変化を独立に検出して探傷を行うよう
にしたものである。
【0020】次に図2に基づいて動作説明を行う。電源
6により励起コイル2に電流を流し、交流磁界を発生さ
せる。その交流磁界により発生した磁束は、磁鉄心1の
ヨークと被測定物20との間でループを描く。被測定物
20に欠陥等がなく一様な場合、グラジオメータ3C及
び3Dのそれぞれの上部と下部に鎖交する磁束が同じで
ある。したがって電磁誘導による起電力の電位差がない
ので電流は流れない。
【0021】しかし、被測定物20内に欠陥等がある場
合には、被測定物20に発生している渦電流がその欠陥
等によって乱され、磁界も乱されため、磁束漏れが起
き、グラジオメータ3Dの上部及び下部を鎖交する磁束
に差が生じる。図2においては、グラジオメータ3Dの
上部及び下部を鎖交する磁束に差が発生し、グラジオメ
ータ3Dには上部と下部とに発生した起電力による電位
差が生じるため電流が流れる。流れた電流はインプット
コイル4Bにおいて磁界を発生させ、磁束を生じさせ
る。インプットコイル4Bに発生した磁束は、SQUI
D素子5Bに鎖交し、SQUID素子5の超伝導リング
には起電力が発生する。その起電力をSQUIDシステ
ム7の測定装置が測定することにより亀裂、腐食、金属
疲労の欠陥等が発見されたことになる。
【0022】以上のように第2の実施の形態によれば、
微少な磁束変化をとらえるSQUID素子5A及び5B
により、被測定物20の探傷を行うので、非接触かつ高
精度に行うことができる。また、磁鉄心1の両方のヨー
クにそれぞれグラジオメータ3C及び3D、インプット
コイル4A及び4B並びにSQUID素子5A及び5B
を設け、それぞれのヨークにおいて独立に探傷させるこ
とができるので、測定範囲を広げることができ、掃引距
離及び探傷時間を減らすことができる。
【0023】実施形態3.図3は本発明の第3の実施の
形態に係る誘導電流を用いた磁気探傷センサシステムの
構成図である。図において、図2と同じ図番を付してい
るものは第2の実施の形態で説明したことと同様の動作
を行うので説明を省略する。図において、8はセンサ掃
引装置であり、磁気探傷センサを被測定物20に非接触
に2次元の方向(X方向又はY方向)に実際に掃引させ
るモータ部と、モータ部を掃引させ、磁気探傷センサの
2次元の位置座標を示す2次元座標データをコンピュー
タ9に送信する制御部で構成されている。9は制御手段
であるコンピュータであり、SQUIDシステム7の測
定装置から送信される測定起電力データ及びセンサ掃引
装置8から送信される2次元座標データに基づいて表示
装置10に起電力分布を示す画像データを送信する。ま
た電源6に指示を出し、励起コイル2により磁界を発生
させる。10は表示手段である表示装置であり、コンピ
ュータ9から送信される画像データに基づいて画像を表
示する。
【0024】次に動作について説明する。グラジオメー
タ3C又は3Dの上部と下部に鎖交する磁束差に基づい
て発生した誘導起電力をSQUID素子5A又は5Bに
より測定するという磁気探傷センサの動作は第2の実施
の形態で説明したものと同様である。その際、被測定物
20を動かすのではなく、センサ掃引装置8により磁気
探傷センサの方を掃引させるようにする。センサ掃引装
置8は、制御部がモータ部を掃引させ、その2次元座標
データをコンピュータ9に送信する。またSQUIDシ
ステム7の測定装置がSQUID素子5A及び5Bに発
生した起電力を測定した測定起電力データをコンピュー
タ9に送信するようにしておく。コンピュータ9はその
2次元座標と起電力を測定したデータに基づいて画像デ
ータを作成し、表示装置10に送信する。表示装置10
はその画像データに基づいて、2次元の起電力の分布を
表示する。欠陥等が生じている部分を掃引した場合に
は、磁束漏れがあり、グラジオメータ3C又は3Dに
は、磁束漏れに伴う起電力が生じているので、表示が他
の部分とは変化している。しかもSQUID素子5A及
び5Bによる検出により、起電力の変化を敏感にとらえ
ることが可能である。したがって被測定物20の欠陥等
が精度よく測定できる。
【0025】以上のように第3の実施の形態によれば、
センサ掃引装置8により磁気探傷センサを掃引させ、そ
の位置を表す2次元座標データをコンピュータ9に送信
し、また、被測定物20の欠陥に起因する磁束漏れを、
磁束変化に敏感なSQUID素子5A及び5Bに発生す
る起電力により測定し、その測定起電力データをコンピ
ュータ9に送信し、コンピュータ9では、2次元座標デ
ータ及び測定起電力データに基づいて起電力の2次元分
布を表す画像データを表示装置10に送信して、表示装
置10がその画像データを表示するようにしたので、視
覚的にかつリアルタイムに、被測定物20の亀裂、腐
食、金属疲労等の欠陥の有無、位置及び分布を発見し、
分析することができる。
【0026】実施形態4.図4は本発明の第4の実施の
形態に係る誘導電流を用いた磁気探傷センサの構成図で
ある。図において、図2と同じ図番を付しているもの
は、第2の実施の形態で説明したことと同様の動作を行
うので説明を省略する。図4において、1Aは磁鉄心で
あり、磁鉄心のヨークを向き合う形にしたものである。
磁鉄心1Aによって被測定物は、平面の導電体だけでな
く、線材の導電体(鉄骨やパイプ)等に用いることがで
き、応用範囲を広げることができる。
【0027】実施形態5.図5は本発明の第5の実施の
形態に係る誘導電流を用いた磁気探傷センサの構成図で
ある。図において、図2と同じ図番を付しているもの
は、第2の実施の形態で説明したことと同様の動作を行
うので説明を省略する。第5の実施の形態は被測定物が
導電体の液体の場合を示している。本装置は、導電性で
あれば液体に対しても原理は同じである。したがって、
例えば水道水、ジュース等の導電体の飲料水内に金属片
が混入した場合でもそれを検出することは可能である。
またこれは第1の実施の形態の磁気探傷センサにおいて
も、第3の実施の形態の磁気探傷センサシステムでも行
うことができる。
【0028】実施形態6.上述の実施の形態では、SQ
UID素子を利用した磁気探傷センサシステムについて
説明したが、本発明では、従来のようなピックアップコ
イルによる電圧測定の磁気探傷センサと混成させ、どち
らかを選択して探傷させることにより、要求される測定
精度に応じたシステムも考えることができる。
【0029】実施形態7.第2、3、4及び5の実施の
形態においては、グラジオメータ3C及び3D、インプ
ットコイル4A及び4B、並びにSQUID素子5A及
び5Bをそれぞれ独立させて備えているため、双方で検
出された起電力に基づいてより精度よく探傷することが
可能であるが、どちらか片方を用いるだけでも探傷する
ことは可能である。
【0030】実施形態8.上述の実施の形態では、磁鉄
心1及び1Aを用いて被測定物20を貫く磁束を発生さ
せるようにしたが、本発明ではそれに限定されるもので
はなく、被測定物20の欠陥等がない部分において、一
様な磁界を発生できるものであればよい。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁束の変
化に敏感に反応する超伝導量子干渉素子を用いて、被測
定物の欠陥に起因する磁束変化を測定し、欠陥を検出す
るようにしたので、被測定物の欠陥による磁束変化を敏
感にとらえることができ、精度の高い被測定物の探傷を
行うことができる。
【0032】また本発明によれば、磁界発生手段が被測
定物と直交交差するような磁束を生じさせる磁界を発生
させ、磁束変換手段が、鎖交する磁束に変化が生じてい
る場合に、発生した起電力を、起電力変換手段がその起
電力に基づいて再び磁束に変換し、磁束変化に対して敏
感に反応する超伝導量子干渉素子がその磁束に基づいた
起電力を発生し、その起電力を測定手段が測定するよう
にしたので、被測定物の欠陥による磁束変化を超伝導量
子干渉素子が敏感にとらえることができる。また被測定
物と磁束変換手段との間隔を従来より広げることができ
るので、例えばコンクリート内の鉄骨等の探傷測定も可
能であり、防災への効果が期待できる。
【0033】また本発明によれば、磁界発生手段が被測
定物と直交交差するような磁束を生じさせる磁界を発生
させ、掃引手段に掃引された磁束変換手段が、鎖交する
磁束に変化が生じている場合に、発生した起電力を、起
電力変換手段がその起電力に基づいて再び磁束に変換
し、磁束変化に対して敏感に反応する超伝導量子干渉素
子がその磁束に基づいた起電力を発生し、その起電力を
測定手段が測定して、掃引された座標と測定した起電力
のデータに基づいて制御手段が起電力の2次元分布を表
す画像データを出力して表示手段が表示するようにした
ので、被測定物の欠陥による磁束変化を超伝導量子干渉
素子が敏感にとらえることができる。また表示手段によ
り起電力の変化を2次元分布で表示するようにしたの
で、視覚的に欠陥の存在を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る誘導電流を用
いた磁気探傷センサの構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る誘導電流を用
いた磁気探傷センサの構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る誘導電流を用
いた磁気探傷センサシステムの構成図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る誘導電流を用
いた磁気探傷センサの構成図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る誘導電流を用
いた磁気探傷センサの構成図である。
【図6】従来の電磁誘導を利用した磁気探傷センサの典
型的な構成図である。
【符号の説明】 1、1A 磁鉄心 2 励起コイル 3A、3B、3C、3D グラジオメータ 4、4A、4B インプットコイル 5、5A、5B SQUID素子 6 電源 7 SQUIDシステム 8 センサ掃引装置 9 コンピュータ 10 表示装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物と直交交差するような磁束を生
    じさせる磁界を発生させる工程と、 前記被測定物の欠陥に起因する磁束の変化を超伝導量子
    干渉素子により検出する工程とを有することを特徴とす
    る磁気探傷方法。
  2. 【請求項2】 前記被測定物は導電体の金属であること
    を特徴とする請求項1記載の磁気探傷方法。
  3. 【請求項3】 前記被測定物は導電体の液体であること
    を特徴とする請求項1記載の磁気探傷方法。
  4. 【請求項4】 被測定物と直交交差するような磁束を生
    じさせる磁界を発生させる磁界発生手段と、 鎖交する前記磁束の変化を起電力に変換する磁束変換手
    段と、 前記磁束変換手段が変換した起電力を磁束に変換する起
    電力変換手段と、 該起電力変換手段が変換した磁束に基づいた起電力を発
    生させる超伝導量子干渉素子と、 該超伝導量子干渉素子に発生した前記起電力を測定する
    測定手段とを備えたことを特徴とする磁気探傷センサ。
  5. 【請求項5】 電力を供給する電源と、 該電源から電力が供給されると磁界を発生させる励起コ
    イルと、 該励起コイルが発生した前記磁界により、両足と被測定
    物との間に、被測定物と直交交差するような磁束を生じ
    させる馬蹄型磁鉄心と、 前記被測定物の欠陥に起因する前記馬蹄型磁鉄心の両足
    に鎖交する磁束差を起電力に変換する磁束変換手段と、 該磁束変換手段が変換した起電力に基づいた磁束を発生
    させるインプットコイルと、 前記インプットコイルに発生した磁束に基づいた起電力
    を発生させる超伝導量子干渉素子と、 該超伝導量子干渉素子に発生した前記起電力を測定する
    測定手段とを備えたことを特徴とする磁気探傷センサ。
  6. 【請求項6】 電力を供給する電源と、 電源から電力が供給されると交流磁界を発生させる励起
    コイルと、 該励起コイルが発生した前記磁界により、両足と被測定
    物との間に、被測定物と直交交差するような磁束を生じ
    させる馬蹄型磁鉄心と、 該馬蹄型磁鉄心の各足にそれぞれ設けられ、前記被測定
    物の欠陥に起因する前記馬蹄型磁鉄心の上部と下部とに
    鎖交する磁束差を起電力に変換する磁束変換手段と、 該磁束変換手段にそれぞれ設けられ、前記磁束変換手段
    が変換した起電力に基づいた磁束を発生させるインプッ
    トコイルと、 該インプットコイルにそれぞれ設けられ、前記インプッ
    トコイルに発生した磁束に基づいた起電力を発生させる
    超伝導量子干渉素子と、 それぞれの前記超伝導量子干渉素子に発生した起電力を
    測定する測定手段とを備えたことを特徴とする磁気探傷
    センサ。
  7. 【請求項7】 前記被測定物は導電体の金属であること
    を特徴とする請求項4、5又は6記載の磁気探傷セン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記被測定物は導電体の液体であること
    を特徴とする請求項4、5又は6記載の磁気探傷セン
    サ。
  9. 【請求項9】 前記馬蹄型磁鉄心は、被測定物を挟むよ
    うにそれぞれの足を向かい合わせにするように構成され
    ることを特徴とする請求項5又は6記載の磁気探傷セン
    サ。
  10. 【請求項10】 被測定物と直交交差するような磁束を
    生じさせる磁界を発生させる磁界発生手段と、 鎖交する前記磁束の変化を起電力に変換する磁束変換手
    段と、 前記磁界発生手段及び磁束変換手段を掃引させる掃引手
    段と、 前記磁束変換手段が変換した起電力を磁束に変換する起
    電力変換手段と、 該起電力変換手段に発生した磁束に基づいた起電力を発
    生させる超伝導量子干渉素子と、 該超伝導量子干渉素子が発生した起電力を測定する測定
    手段と、 前記掃引手段の座標位置データ及び前記測定手段が測定
    した起電力に基づいた画像データを送信する制御手段
    と、 前記画像データを表示する表示手段とを備えたことを特
    徴とする磁気探傷システム。
  11. 【請求項11】 前記被測定物は導電体の金属であるこ
    とを特徴とする請求項10記載の磁気探傷システム。
  12. 【請求項12】 前記被測定物は導電体の液体であるこ
    とを特徴とする請求項10記載の磁気探傷システム。
  13. 【請求項13】 前記被測定物の欠陥に起因する前記磁
    束の変化を起電力に変換する第2の磁束変換手段と、 前記起電力を測定する第2の測定手段と、 要求される探傷精度により前記測定手段が測定した起電
    力と前記第2の測定手段が測定手段が測定した起電力と
    が選択される選択手段とを更に備えたことを特徴とする
    請求項10記載の磁気探傷システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008145137A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Hitachi Ltd 渦電流探傷プローブ,探傷装置及び探傷方法
CN107807315A (zh) * 2017-10-31 2018-03-16 国网安徽省电力公司电力科学研究院 用于电气设备的绝缘缺陷检测装置及方法

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