JPH11142407A - 抗fkbp12自己抗体の検出方法 - Google Patents

抗fkbp12自己抗体の検出方法

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JPH11142407A
JPH11142407A JP30532997A JP30532997A JPH11142407A JP H11142407 A JPH11142407 A JP H11142407A JP 30532997 A JP30532997 A JP 30532997A JP 30532997 A JP30532997 A JP 30532997A JP H11142407 A JPH11142407 A JP H11142407A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人の血漿中などに存在する抗FKBP12自
己抗体を簡便に検出でき、検出した抗FKBP12自己
抗体を定量することにも寄与する方法を提供すること。 【解決手段】 以下の工程を包含する抗FKBP12自
己抗体の検出方法: (A) FKBP12をタンパク質固相担体に添加し
て、該FKBP12を該タンパク質固相担体に結合させ
る工程; (B) ブロッキング溶液を該タンパク質固相担体に添
加して、該タンパク質固相担体のうち、該FKBP12
が結合していない領域をブロッキングする工程; (C) 抗FKBP12自己抗体を含有すると予想され
る被検液を該タンパク質固相担体に添加して、抗FKB
P12自己抗体をFKBP12に結合させる工程; (D) 該抗FKBP12自己抗体に結合し得る酵素標
識抗体を該タンパク質固相担体に添加して、該抗FKB
P12自己抗体と該酵素標識抗体とを結合させ、抗FK
BP12自己抗体を検知する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗FKBP12自
己抗体の検出方法に関し、より詳細には、種々の病態の
診断およびその発生メカニズムを解明すること、被験体
へ臓器を移植する前後に、その被験体が臓器移植に適す
るかどうかを診断することなどに貢献する、抗FKBP
12自己抗体の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FK506 binding protein 12 (FKBP1
2) は、現在、肝移植および腎移植後の免疫抑制剤とし
て広く使用されているFK506の細胞質内受容体タン
パク質として1990年に発見された。
【0003】今日では、FKBP12およびその類似タ
ンパク質は、ヒトなどの哺乳類のみならず、細菌中、昆
虫および植物の細胞中にも広く存在することが知られて
いる。
【0004】FKBP12の性質を免疫学的に検討する
と、FKBP12は、免疫反応に直接関与しているタン
パク質であって、FK506に結合してIL−2を初め
とするサイトカインの産生を抑制し、肝移植などの移植
後の拒絶反応を抑えることが報告されている(Thomson
AW, Bonham CA, Zeevi A. Mode of cation of tacrolim
us(FK506):molecular and cellular mechanisms. Ther
Drug Monit 1995; 17:584.、およびFung JJ. Eliasziw
M, Todo S et al. The Pittsburgh randomizedtrial of
tacrolimus compared to cyclosporine for hepatic t
ransplantation. J Am Coll Surg 1996;183:177.を参
照)。また、生理学的には、FKBP12はTGF−β
ファミリー1型レセプターに結合して、このレセプター
のシグナルを抑制していること、細胞質内のカルシウム
チャンネルの機能をコントロールしていることなどが報
告されており(Wang. T, Li B,Danielson PD, et al.Th
eimmunophilin FKBP12 functions as a common inhibit
or of the TGF-β familytype I receptors. Cell 199
6;86:435.、およびBrillantes AB, Ondrias K,Scott A,
et al. Stabilization of calcium release channel(Ry
anodine receptor)function by FK506-binding protei
n. Cell 1994;77:513.を参照)、免疫系のみならず細胞
の生理機能自体において重要な役割を有するタンパク質
であると示唆されている。
【0005】一方、免疫学的な異常をきたしている病態
(例えば、自己免疫疾患、臓器を移植された患者に見ら
れる病態など)では、しばしば自己の甲状腺、赤血球、
ミエリン、胃、DNAなどと反応する種々の抗体、すな
わち自己抗体が認められ、数多くの自己抗体が報告され
ている。このような自己抗体のうち、一部は疾患および
その活動性の診断におけるマーカーとして臨床に応用さ
れており、また他の一部は自己免疫疾患などの免疫異常
をきたす疾患の直接の原因と考えられている。
【0006】そのため、自己抗体が被験体内に存在して
いるか否かを判定すること、および被験体内の自己抗体
を定量する事は、被験体が疾患状態にあるかどうかを診
断する手段の1つになり、ひいては疾患の発症メカニズ
ムを解明することにもつながる。従って、自己抗体を被
験体内から検出すること、被験体内における自己抗体量
を定量することは、種々の病態の診断、研究などに貢献
すると考えられる。これらのことより、FKBP12に
ついても、FKBP12に対する自己抗体の検出および
定量ができれば、種々の疾病の診断およびその発生メカ
ニズムの解明に貢献するものと期待される。
【0007】しかしながら、これまでFKBP12に対
する自己抗体(以下、「抗FKBP12自己抗体」と記
す。)の存在の報告は無く、従って抗FKBP12自己
抗体の検出方法、定量方法などは当然開発されていなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされ、その目的とするところは、人
の血漿中などに存在する抗FKBP12自己抗体を簡便
に検出でき、検出した抗FKBP12自己抗体を定量す
ることにも寄与する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る抗FKBP12自己抗体の検出方法
は、以下の工程を包含する: (A) FKBP12をタンパク質固相担体に添加し
て、FKBP12をタンパク質固相担体に結合させる工
程; (B) ブロッキング溶液をタンパク質固相担体に添加
して、タンパク質固相担体のうち、FKBP12が結合
していない領域をブロッキングする工程; (C) 抗FKBP12自己抗体を含有すると予想され
る被検液をタンパク質固相担体に添加して、抗FKBP
12自己抗体をFKBP12に結合させる工程;および
(D) 抗FKBP12自己抗体に結合し得る酵素標識
抗体をタンパク質固相担体に添加して、抗FKBP12
自己抗体と酵素標識抗体とを結合させ、抗FKBP12
自己抗体を検知する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】上記(A)工程〜(D)工程を包
含する抗FKBP12自己抗体の検出方法は、酵素標識
二次抗体を用いたエンザイムイムノアッセイ(enzyme-li
nked immunosorbent assay, 以下「ELISA」と記
す。)法を利用した検出方法である。以下、各工程につ
いてそれぞれ説明する。本発明においては、FKBP1
2は抗原として、抗FKBP12自己抗体は抗体として
用いた抗原抗体反応を利用する。
【0011】(A工程について)本発明においては、ま
ず、FKBP12をタンパク質固相担体に添加して、F
KBP12をタンパク質固相担体に結合させる。
【0012】タンパク質固相担体としては、タンパク質
を吸着して担持することができれば特に限定されず、た
とえば、ポリプロピレン製あるいはポリスチレン製の試
験管、ビーズ、ニトロセルロース膜、二フッ化ポリビニ
ル(PVDF)膜、ミクロタイタプレートなどが挙げら
れる。タンパク質をタンパク質固相担体により効率的に
結合させ、工程の簡略化、および各工程における操作の
負担の軽減を図るという観点から、ミクロタイタプレー
トが好ましく、ELISA用に化学処理されたミクロタ
イタプレートがより好ましい。
【0013】タンパク質固相担体に対してより多く結合
させるために、FKBP12は、水溶液の形態で添加さ
れることが好ましく、pHの調整などの観点から、緩衝
液として添加されることがより好ましい。用いられる緩
衝液としては、PBSが好ましい。
【0014】FKBP12をタンパク質固相担体に結合
させた後には、タンパク質固相担体に結合しなかったF
KBP12を除去するために、タンパク質固相担体を洗
浄することが好ましい。洗浄液としては、界面活性剤を
含有する水溶液(より好ましくは緩衝液)が好ましい。
なお、以下の(B)工程〜(D)工程においても同様
に、適宜タンパク質固相担体を洗浄することが好まし
く、本明細書を考慮したいわゆる当業者はこのような洗
浄の必要性を適切に認識し、各洗浄における洗浄液、洗
浄回数を適切に選択することができる。
【0015】またコントロールとしてFKBP12を含
有しないことを除き、上記と同一の水溶液(好ましくは
緩衝液)を用意する。さらに本発明に係る検出方法を用
いて、抗FKBP12自己抗体の定量を行う場合には、
イムノプレートごとの標準曲線を得て、抗FKBP12
自己抗体の濃度を算出するために種々の濃度の免疫グロ
プリン(以下、「Ig」と記す)を含有する水溶液(好
ましくは緩衝液)を用意する。
【0016】これらFKBP12を含有する緩衝液、種
々の濃度のIgを含有する緩衝液、およびタンパク質を
含有しない緩衝液を、タンパク質固相担体に添加して、
FKBP12あるいは種々の濃度のIgが結合したタン
パク質固相担体ならびにタンパク質が結合していない担
体を作製する。
【0017】(B工程について)次に、ブロッキング溶
液を上記のタンパク質固相担体に添加して、タンパク質
固相担体のうち、FKBP12またはIgが結合してい
ない領域をブロッキングし(すなわち、非特異的吸着防
止操作を行い)、被験体に含まれる抗FKBP12自己
抗体以外のIgがタンパク質固相担体に結合することを
防止する。
【0018】ブロッキング溶液とは、タンパク質固相担
体においてFKBP12が結合した領域以外の部位をコ
ートして、そのような部位において余分なタンパク質が
タンパク質固相担体に結合することを防止することがで
きる溶液を指す。このようなブロッキング溶液として
は、スキムミルクをPBS溶液で希釈した溶液、他の二
次抗体の標識物質とも相互作用を起こさないタンパク質
を希釈した溶液、界面活性剤を含有する溶液などが挙げ
られ、スキムミルクをPBS溶液で希釈した溶液が好ま
しく、界面活性剤をさらに添加してスキムミルクをPB
S溶液で希釈した溶液が好ましい。このようなブロッキ
ング溶液は単独で用いられてもよく、あるいは2種類以
上組み合わせて用いられてもよい。なお、界面活性剤と
しては、Tween(商品名)などが用いられ得る。
【0019】このようにして、次の(C)工程における
抗原抗体反応に関与せず、後の(D)工程において用い
られる酵素標識抗体とも相互作用を起こさないようなタ
ンパク質により、FKBP12が結合した領域以外の部
位がコートされるので、以下の(C)工程以後に抗FK
BP12自己抗体以外のIgを含有する溶液などをタン
パク質固相担体に添加した場合であっても、そのIgは
タンパク質固相担体に結合しないため、抗FKBP12
の検出、定量などに悪影響が生じず、その精度が向上さ
れる。
【0020】(C工程について)次いで、抗FKBP1
2自己抗体を含有すると予想される被検液を、上記のタ
ンパク質固相担体に添加して、抗FKBP12自己抗体
をFKBP12に結合させる。
【0021】抗FKBP12自己抗体を含有すると予想
される被検液としては、被験体(例えば、ヒトなどのほ
乳類)由来の血漿、血清、関節滑膜液、髄液、尿、組織
抽出液、細胞培養上清)などが挙げられる。血漿を用い
る場合には、下記で説明する抗原抗体反応を効率的に行
うため、水溶液(好ましくは緩衝液)を用いて希釈して
おくことが好ましい。なお、このように血漿を含有する
希釈液を、「血漿サンプル」という場合がある。
【0022】上記のように、ブロッキングされたタンパ
ク質固相担体に、上記のような被検液が添加されると、
被検液中の抗FKBP12自己抗体が、タンパク質固相
担体に結合したFKBP12と抗原抗体反応を起こし、
抗FKBP12自己抗体とFKBP12とが特異的に結
合する。また、被検液中の抗FKBP12自己抗体以外
の成分(例えば、タンパク質)は、上記工程(B)で行
われたブロッキングにより、タンパク質固相担体に結合
しないため、タンパク質固相担体においては、抗FKB
P12自己抗体とFKBP12との特異的結合が選択的
に行われる。
【0023】なお(B)工程におけるブロッキングを行
っても、被検液に含まれるIgが非特異的にタンパク質
固相担体へ結合することを完全に阻害することは不可能
である。そこで(A)工程で作製したFKBP12が結
合していない担体にも被検液を添加し、(D)工程にお
いて詳述するように非特異的に結合したIgの補正を行
う。また、抗FKBP12自己抗体の定量を行う場合に
は、血漿から血漿サンプルを調製する際に用いた希釈液
を、Igを結合させた担体に添加しておく。
【0024】(D工程について)続いて、抗FKBP1
2自己抗体に結合し得る酵素標識抗体をタンパク質固相
担体に添加して、2次抗体反応を生じさせて、抗FKB
P12自己抗体と酵素標識抗体とを結合させ、抗FKB
P12自己抗体を検知する。
【0025】本工程に用いられる酵素標識抗体として
は、抗FKBP12自己抗体に結合し、さらに適切な手
段により検知され得る標識を備えていればよく、例え
ば、アルカリホスファターゼ(ALP)標識抗ヒトIg
G抗体、アルカリホスファターゼ(ALP)標識抗ヒト
IgM抗体、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgM抗体、
およびペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体が挙げら
れる。ALP標識抗ヒトIg抗体を用いた場合には、蛍
光反応物質などの酵素基質を含有する溶液を添加して、
酵素反応を生じさせる。このような酵素基質としては、
4−メチルウムベリフェリルリン酸塩(4-methylumbelli
feryl phosphate)が挙げられる。
【0026】すなわち、抗FKBP12自己抗体と結合
した酵素標識抗体と蛍光反応物質とが反応すると、蛍光
が生じるので、これを蛍光強度計などを用いて検知する
ことにより、抗FKBP12自己抗体が検出される。一
方、抗FKBP12自己抗体が被検液に存在しなかった
場合には、抗FKBP12自己抗体と酵素標識抗体とが
結合せず、酵素標識抗体は洗浄などによりタンパク質固
相担体から除去されてしまうので、蛍光が生じず、蛍光
強度計などによっても検知されない。なお、蛍光強度計
を用いた場合には、測定される蛍光は所定の蛍光強度と
して検知される。
【0027】なお、このように、酵素標識抗体と反応し
た抗FKBP12自己抗体を検知する手段としては、上
記のように蛍光を検知することによる間接的な手段だけ
でなく、他の適切な手段(例えば、酵素基質としてp−
ニトロフェニルリン酸、o−フェニレンヂアミンなどを
用い、特異的な波長の吸光度を測定する手段)も用いら
れ得る。
【0028】また、コントロールとして(A)工程にて
作製したタンパク質が結合していない担体を用い、上記
と同様の過程を行うことによって非特異的に結合したI
gの補正を行うことができる。すなわち、上記のように
蛍光強度計を用いて得られた蛍光強度から、タンパク質
が結合していない担体に結合した非特異的なIgの蛍光
強度を減ずることにより、固相化されたFKBP12に
特異的に結合したIg、すなわち抗FKBP12自己抗
体の検出が可能となる。
【0029】また、抗FKBP12自己抗体の定量を行
う場合には、種々の濃度のIgが結合したタンパク質固
相担体に、血漿サンプルの代わりに希釈液を反応させて
得られた蛍光強度から、各イムノプレートごとのIg標
準曲線を作製する。そして被検液中に存在する抗FKB
P12自己抗体の蛍光強度と等しい蛍光強度を発するI
gの濃度をこの標準曲線から算出して抗FKBP12自
己抗体の濃度(単位/ml)と定義する。これによって
異なるイムノプレートごとの結果の比較、すなわち定量
化が可能となる。
【0030】このようにして、主として自己免疫疾患を
患う被験体、臓器を移植される前後の被験体において存
在し得る抗FKBP12自己抗体を検出することによ
り、あるいはどれほど抗FKBP12自己抗体が存在し
ているかを測定することにより、種々の病態の診断およ
びその発生メカニズムを解明すること、被験体へ臓器を
移植する前後に、その被験体が臓器移植に適するかどう
かを診断することなどが可能になる。このような診断は
以下の実施例において詳細に説明される。
【0031】
【実施例】本発明を以下の実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、以下の実施例は例示の目的にのみ用いら
れ、限定の目的で用いられてはならない。
【0032】(実施例1)血漿を、種々の自己免疫疾患
を患う不特定の以下の表1に示す計126人の患者、お
よびコントロールとしての33人の健常な被験体から得
た:
【0033】
【表1】
【0034】なお、使用前まで、全ての各血漿を−20
℃に保った。なお、全ての測定項目に対して2つのウェ
ルを使用し(duplicate)、その平均値をもってその測
定項目の測定値とした。
【0035】上記計159名から得られた各血漿を、4
%ブロックエース/0.1%Tween20を含有する
水溶液で40倍に希釈して血漿サンプルを調製し、次い
で、この血漿サンプルを用いて、抗FKBP12自己抗
体を、以下のように、若干の修正を加えた間接ELIS
A法で定量した。
【0036】(A工程について)10被検体ごとにA、
B、2枚のミクロタイタープレート(商品名「Nunc-Imm
unoplate Maxisorp F 96」、Inter Med社製、以下単に
「プレート」という)を用いて、IgGおよびIgMの
抗FKBP12自己抗体の測定を行った。プレートA
(IgG用)およびプレートB(IgM用)には各々3
つの部分に以下の内容物を添加し、4℃で一晩、インキ
ュベートして、ウェルをそれぞれの内容物でコートし
た: プレートA (Al)ヒト遺伝子組み換えFKBP12(Sigma Chem
ical社製)を含有するPBS(濃度5μg/ml、50
μl); (A2)PBS(50μl); (A3)ヒトIgGのPBS溶液の希釈系列(1000
ng/ml、500ng/ml、250ng/ml、1
25ng/ml、62.5ng/ml、31.25ng
/ml、15.625ng/ml、および7.8125
ng/mlの8系列、各50μl) プレートB (Bl) (Al)と同様; (B2) (A2)と同様; (B3) ヒトIgMのPBS溶液の希釈系列(上記と
同様、各50μl)。次いで、ウェルを3回、0.05
%Tween20を含有するPBS(Tween PB
S)で3回洗浄し、ウェルをコートしなかった未反応成
分を除去した。
【0037】(B工程について)4%ブロックエースパ
ウダー(大日本製薬株式会社製)の水溶液250μlを
(A1)から(B3)の各ウェルに添加し、室温で2時
間インキュベートして、ヒト遺伝子組み換えFKBP1
2またはヒトIgがコートされていないウェルの領域を
上記のパウダーでブロックした。TweenPBSで1
回洗浄して未反応のブロックエースパウダーを除去した
後、0.4%EDTA・2Na、4%ブロックエース、
および0.1%Tween20を含有する50μlの水
溶液を各ウェルに添加した。
【0038】(C工程について)上記159名から得ら
れた血漿サンプル(50μl)を、上記の(A1)およ
び(A2)のウェル、ならびに(B1)および(B2)
のウェルに添加し、2時間、振盪しながら室温でインキ
ュベートして、(A1)および(B1)のウェルにおい
て、血漿サンプル中に含有され得る抗FKBP12自己
抗体とFKBP12との抗原抗体反応を生じさせ、また
(A2)および(B2)のウェルにおいて、Igとプレ
ートとの非特異的結合を生じさせた。次いで7回、Tw
eenPBSで洗浄し、未反応の抗FKBP12自己抗
体をウェルから除去した。なお、(A3)および(B
3)のウェルには、4%ブロックエース/0.1%Tw
een20を含有する水溶液(50μl)を添加した。
【0039】(D工程について)(A1)、(A2)お
よび(A3)の各ウェルに、1%ブロックエース/0.
1%Tween20を含有する水溶液で5000倍に希
釈された100μlのアルカリホスファターゼ標識抗ヒ
トIgG抗体F(ab)2分画(Kirkegaard&Perry Labo
ratories社製、以下、単に「標識抗体」という)を添加
し、室温で2時間インキュベートして抗FKBP12自
己抗体と標識抗体とを結合させた。ウェルを7回洗浄
し、未反応の標識抗体をウェルから除去した。また、同
様に、(B1)、(B2)および(B3)の各ウェル
に、1%ブロックエース/0.1%Tween20を含
有する水溶液で5000倍に希釈された100μlのア
ルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgM抗体F(a
b‘)2分画(Kirkegaard&Perry Laboratories社製)を
添加して、室温で2時間インキュベートし、ウェルを7
回洗浄した。
【0040】10%ジエタノールアミンおよび0.5m
MMgCl2を含有する0.5mM4−メチルウンベリ
フィリルホスフェート水溶液(Sigma社製、pH10、
各100μl)を(A1)から(B3)の各ウェルに添
加し、30分インキュベートして標識抗体と上記酵素基
質とを結合させた。
【0041】次いで、各ウェルの蛍光強度を蛍光強度計
NJ−5000(Inter Med社製)を用いて励起波長3
60nm、放射波長460nmの条件で測定した。この
際、(A)工程から(D)工程の操作を全く行っていな
いウェルをブランクとし、このウェルの値が0となるよ
うにゼロ調整した後、ウェル全体の中で最大値を示す検
体の蛍光強度が300から400の範囲に入るように感
度を調節した。
【0042】さらに、(A1)のウェルにおける蛍光強
度から、(A2)のウェルにおける蛍光強度を差し引い
た値をFKBP12に特異的に結合したIgGの値とし
た。同様に、(B1)と(B2)とから、FKBP12
に特異的に結合したIgMの値を求めた。(A3)およ
び(B3)のウェルにおける蛍光強度を用いて、IgG
またはIgMの標準曲線を求め、FKBP12に特異的
に結合したIgGまたはIgMの濃度を計算し、この値
を各検体における抗FKBP12の抗体価とした。Ig
GおよびIgMともに正常人の平均値+標準偏差×2以
上の抗体価(IgGについては16.9単位/ml以
上、IgMに対しては17.5単位/ml以上)を陽
性、これ未満を陰性とした。結果を以下の表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】上記の表2から、全身性エリスマトーデス
などの自己免疫性疾患を患う患者においては、健常者と
比較して、抗FKBP12自己抗体が存在する割合が高
いことが理解される。従って、本発明の抗FKBP12
自己抗体の検出方法により、種々の疾患(特に自己免疫
疾患)の診断に役立つ。
【0045】(実施例2)血漿を、生体肝移植患者47
名から得たこと以外は、上記とほぼ同様に実験を行っ
た。結果を以下の表3に示す。なお、生体肝移植患者4
7名のうち、22名が肝臓を移植された後に拒絶反応が
観察され(R(+))、25名には拒絶反応が観察され
なかった(R(−))。
【0046】
【表3】
【0047】上記の表3より、移植前に抗FKBP12
自己抗体が陽性を示す被検体は拒絶反応を示す確率が高
いこと、また移植後に抗FKBP12自己抗体が陽性を
示す被検体は死亡率が高いことが理解される。従って、
移植前及び移植後に本発明に係る方法により、被検体中
の抗FKBP12自己抗体の存在を検出することによっ
て、患者のリスクを予め予測することが可能となる。リ
スクの高い患者に対しては、より慎重な臨床経過のモニ
タリングと免疫抑制剤の増量あるいは種類の変更によっ
て、拒絶反応を未然に防ぎ、合併症による死亡率を減少
させることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、種々の病態の診断および
その発生メカニズムを解明すること、被験体へ臓器を移
植する前後に、その被験体のリスクを予測することなど
に貢献する抗FKBP12自己抗体の検出方法が提供さ
れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を包含する抗FKBP12自
    己抗体の検出方法: (A) FKBP12をタンパク質固相担体に添加し
    て、該FKBP12を該タンパク質固相担体に結合させ
    る工程; (B) ブロッキング溶液を該タンパク質固相担体に添
    加して、該タンパク質固相担体のうち、該FKBP12
    が結合していない領域をブロッキングする工程; (C) 抗FKBP12自己抗体を含有すると予想され
    る被検液を該タンパク質固相担体に添加して、抗FKB
    P12自己抗体をFKBP12に結合させる工程; (D) 該抗FKBP12自己抗体に結合し得る酵素標
    識抗体を該タンパク質固相担体に添加して、該抗FKB
    P12自己抗体と該酵素標識抗体とを結合させ、抗FK
    BP12自己抗体を検知する工程。
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