JPH11139907A - ククルビン酸系化合物を含有する寄生植物用発芽誘導剤 - Google Patents
ククルビン酸系化合物を含有する寄生植物用発芽誘導剤Info
- Publication number
- JPH11139907A JPH11139907A JP32714097A JP32714097A JPH11139907A JP H11139907 A JPH11139907 A JP H11139907A JP 32714097 A JP32714097 A JP 32714097A JP 32714097 A JP32714097 A JP 32714097A JP H11139907 A JPH11139907 A JP H11139907A
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- Japan
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- germination
- parasitic
- cucurbic acid
- plants
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- Pending
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Landscapes
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 寄生植物用発芽誘導剤として今まで知られて
いない新しい化合物群の提供。 【解決手段】 ククルビン酸とその誘導体よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特
徴とするククルビン酸系の寄生植物用発芽誘導剤。
いない新しい化合物群の提供。 【解決手段】 ククルビン酸とその誘導体よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特
徴とするククルビン酸系の寄生植物用発芽誘導剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寄生植物特に寄生
雑草を宿主植物が存在しないうちに発芽させることによ
り宿主植物に寄生できないで枯れてしまう、いわゆる自
殺発芽を誘導するための寄生雑草用発芽誘導剤に関す
る。
雑草を宿主植物が存在しないうちに発芽させることによ
り宿主植物に寄生できないで枯れてしまう、いわゆる自
殺発芽を誘導するための寄生雑草用発芽誘導剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からストリガ(Striga)類や
ヤセウツボなどのハマウツボ科植物のような寄生雑草
は、地下部で宿主植物と接合しているため、その駆除が
難しい。その上ナンバンギセル(Aeginetia)
などの寄生雑草は花茎が地上に表れるまで数か月もの間
宿主の根に寄生しているので、気がつくのにも時間がか
かり、その間は必然的に除草できず、宿主植物に被害を
与えつづけることになる。また寄生雑草の発生に気付い
たとしても、その除草は容易ではない。
ヤセウツボなどのハマウツボ科植物のような寄生雑草
は、地下部で宿主植物と接合しているため、その駆除が
難しい。その上ナンバンギセル(Aeginetia)
などの寄生雑草は花茎が地上に表れるまで数か月もの間
宿主の根に寄生しているので、気がつくのにも時間がか
かり、その間は必然的に除草できず、宿主植物に被害を
与えつづけることになる。また寄生雑草の発生に気付い
たとしても、その除草は容易ではない。
【0003】寄生植物は、宿主植物が発する成分によっ
てのみ発芽する傾向があるが、なんらかの手段で宿主植
物を作付ける前に寄生植物の発芽を誘導させることがで
きれば、発芽した寄生植物は宿主に取り付くことができ
ず枯れてしまう、いわゆる自殺発芽を引き起こすことが
できる。
てのみ発芽する傾向があるが、なんらかの手段で宿主植
物を作付ける前に寄生植物の発芽を誘導させることがで
きれば、発芽した寄生植物は宿主に取り付くことができ
ず枯れてしまう、いわゆる自殺発芽を引き起こすことが
できる。
【0004】このような目的で提案されている自殺発芽
を誘導するための発芽誘導剤としては、従来から下記式
を誘導するための発芽誘導剤としては、従来から下記式
【化1】 で示されるブラシノライドや下記式
【化2】 で示されるカスタステロンなどのブラシノステロイド類
あるいは非寄主植物のワタの根からとられた下記式
あるいは非寄主植物のワタの根からとられた下記式
【化3】 ストリゴール(Strigol)やその誘導体が提案さ
れている。しかしながら、このストリゴール類はシャー
レ内のような実験室的条件では高い効果を発揮するが、
土壌中、とくにアルカリ性条件下では不安定なので効果
が発揮できず、また構造が複雑な化合物であるため入手
が困難で、高価である。
れている。しかしながら、このストリゴール類はシャー
レ内のような実験室的条件では高い効果を発揮するが、
土壌中、とくにアルカリ性条件下では不安定なので効果
が発揮できず、また構造が複雑な化合物であるため入手
が困難で、高価である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、寄生
植物用発芽誘導剤として今まで知られていない新しい化
合物群を提供する点にある。
植物用発芽誘導剤として今まで知られていない新しい化
合物群を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ククルビン酸
とその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
化合物を含有することを特徴とするククルビン酸系の寄
生植物用発芽誘導剤に関する。
とその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
化合物を含有することを特徴とするククルビン酸系の寄
生植物用発芽誘導剤に関する。
【0007】前記ククルビン酸とその誘導体の例として
は、下記式
は、下記式
【化4】 で示されるククルビン酸、下記式群
【化5】 で示されるククルビン酸メチルエステル、下記式
【化6】 で示されるジヒドロククルビン酸メチルエステル、下記
式
式
【化7】 で示されるククルビン酸分子内環化物、ジヒドロククル
ビン酸などを挙げることができる。
ビン酸などを挙げることができる。
【0008】本発明にかかるククルビン酸とその誘導体
の発芽誘導剤としての使用濃度はおおむね10-2〜10
-4モル程度が好ましいが、寄生植物の種子の様子などに
より当然変更されるべきものであり、これに限るもので
はない。
の発芽誘導剤としての使用濃度はおおむね10-2〜10
-4モル程度が好ましいが、寄生植物の種子の様子などに
より当然変更されるべきものであり、これに限るもので
はない。
【0009】また、本発明の発芽誘導剤は、従来公知の
ジベレクリン類などの植物ホルモンや除草剤などと併用
することもできる。
ジベレクリン類などの植物ホルモンや除草剤などと併用
することもできる。
【0010】本発明の発芽誘導剤は、ヤセウツボなどの
ハマウツボ科植物、ヒルガオ科のネナシカズラ(Cus
cuta)類、ヤドリギ科植物、ストリガ類などの各種
寄生植物の種子に対して発芽を誘導する能力を示す。
ハマウツボ科植物、ヒルガオ科のネナシカズラ(Cus
cuta)類、ヤドリギ科植物、ストリガ類などの各種
寄生植物の種子に対して発芽を誘導する能力を示す。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが本
発明はこれにより何ら限定されるものではない。
発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0012】本発明の実施例においては下記の試験方法
を用いた。すなわち直径9cmのシャーレに濾紙を敷
き、水で十分湿らせ、その上にガラス繊維製のディスク
状濾紙(直径5mm)を30枚敷き、寄生雑草の種子を
置床し、30℃の暗黒下で7日間前培養(コンディショ
ング)した。その後、直径5cmのシャーレに濾紙を敷
き被検容液を加え、前培養を終了した種子を置床し30
℃暗黒下で2日間培養して顕微鏡(倍率30倍)下で発
芽数を調べた。実験は3反復し、その平均発芽率を求め
た。
を用いた。すなわち直径9cmのシャーレに濾紙を敷
き、水で十分湿らせ、その上にガラス繊維製のディスク
状濾紙(直径5mm)を30枚敷き、寄生雑草の種子を
置床し、30℃の暗黒下で7日間前培養(コンディショ
ング)した。その後、直径5cmのシャーレに濾紙を敷
き被検容液を加え、前培養を終了した種子を置床し30
℃暗黒下で2日間培養して顕微鏡(倍率30倍)下で発
芽数を調べた。実験は3反復し、その平均発芽率を求め
た。
【0013】実施例1(ヤセウツボに対する発芽試験) 番号(a)〜(i)の化合物は、本発明のククルビン酸
あるいはその誘導体であり、被検液として用いた濃度は
10-4モルである。また番号(イ)のものは公知の発芽
誘導剤であり、被検液として用いた濃度は10-8モルで
ある。番号(ロ)のケースは被検液として単なる水を用
いた。その結果を表1に示す。
あるいはその誘導体であり、被検液として用いた濃度は
10-4モルである。また番号(イ)のものは公知の発芽
誘導剤であり、被検液として用いた濃度は10-8モルで
ある。番号(ロ)のケースは被検液として単なる水を用
いた。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2(Witchweedに対する発
芽試験) 試験方法はジヒドロククルビン酸メチルの使用濃度を1
0-3モルとした以外は実施例1と同様に行った。その結
果を表2に示す。
芽試験) 試験方法はジヒドロククルビン酸メチルの使用濃度を1
0-3モルとした以外は実施例1と同様に行った。その結
果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】以下に実施態様を列記する。 (1)ククルビン酸とその誘導体よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする
ククルビン酸系の寄生植物用発芽誘導剤。 (2)前記ククルビン酸とその誘導体が、一般式(1)
る少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする
ククルビン酸系の寄生植物用発芽誘導剤。 (2)前記ククルビン酸とその誘導体が、一般式(1)
【化8】 または、一般式(2)
【化9】 〔式中、R1はペンチル基またはペンテニル基であり、
R2は水素および炭素数1〜4の飽和または不飽和の炭
化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、2−メチルプロピル基、ビニル基、アリル
基、ブテニル基、メチルブテニル基、プロパギル基、ブ
チニル基など)よりなる群から選ばれた基である。〕で
ある前項(1)記載の寄生植物用発芽誘導剤。 (3)前記ククルビン酸とその誘導体が、下記式
R2は水素および炭素数1〜4の飽和または不飽和の炭
化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、2−メチルプロピル基、ビニル基、アリル
基、ブテニル基、メチルブテニル基、プロパギル基、ブ
チニル基など)よりなる群から選ばれた基である。〕で
ある前項(1)記載の寄生植物用発芽誘導剤。 (3)前記ククルビン酸とその誘導体が、下記式
【化10】 よりなる群から選ばれた化合物である前項(1)記載の
寄生植物用発芽誘導剤。 (4)前記クルルビン酸とその誘導体が、下記式
寄生植物用発芽誘導剤。 (4)前記クルルビン酸とその誘導体が、下記式
【化11】 である前項(1)記載の寄生植物用発芽誘導剤。
【0018】
【効果】本発明により、発芽誘導剤の種類を豊富化する
ことができた。
ことができた。
Claims (1)
- 【請求項1】 ククルビン酸とその誘導体よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特
徴とするククルビン酸系の寄生植物用発芽誘導剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32714097A JPH11139907A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | ククルビン酸系化合物を含有する寄生植物用発芽誘導剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32714097A JPH11139907A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | ククルビン酸系化合物を含有する寄生植物用発芽誘導剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11139907A true JPH11139907A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18195772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32714097A Pending JPH11139907A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | ククルビン酸系化合物を含有する寄生植物用発芽誘導剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11139907A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2835525A1 (fr) * | 2002-02-04 | 2003-08-08 | Oreal | Nouveaux composes, compositions les comprenant et leur utilisation pour favoriser la desquamation |
US6651382B1 (en) | 1999-10-08 | 2003-11-25 | National Agricultural Research Organization | Method for preventing the release of gramineous plant pollens |
WO2010047050A1 (ja) | 2008-10-23 | 2010-04-29 | 国立大学法人大阪大学 | 寄生植物の防除剤、および寄生植物の防除方法 |
-
1997
- 1997-11-12 JP JP32714097A patent/JPH11139907A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6651382B1 (en) | 1999-10-08 | 2003-11-25 | National Agricultural Research Organization | Method for preventing the release of gramineous plant pollens |
FR2835525A1 (fr) * | 2002-02-04 | 2003-08-08 | Oreal | Nouveaux composes, compositions les comprenant et leur utilisation pour favoriser la desquamation |
EP1333021A3 (fr) * | 2002-02-04 | 2005-12-07 | L'oreal | Compositions comprenant des dérivés de l'acide jasmonique, et utilisation de ces dérivés pour favoriser la desquamation |
EP3168206A1 (fr) * | 2002-02-04 | 2017-05-17 | L'oreal | Compositions comprenant des derives de l'acide jasmonique, et utilisation de ces derives pour favoriser la desquamation |
WO2010047050A1 (ja) | 2008-10-23 | 2010-04-29 | 国立大学法人大阪大学 | 寄生植物の防除剤、および寄生植物の防除方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20031201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040210 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040921 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040921 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 |