JPH11137696A - アルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法 - Google Patents

アルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法

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JPH11137696A
JPH11137696A JP30468397A JP30468397A JPH11137696A JP H11137696 A JPH11137696 A JP H11137696A JP 30468397 A JP30468397 A JP 30468397A JP 30468397 A JP30468397 A JP 30468397A JP H11137696 A JPH11137696 A JP H11137696A
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suppressing
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ファン オー ダル
Kuu Kang Jong
クー カング ジョング
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チャン ソング ヨング
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体への影響を極力低減させ、取扱いが容易
であるとともに、腫瘍組織細胞の拡張をより確実に抑制
する。 【解決手段】 アルミニウム金属の原子を腫瘍細胞の病
巣部位に接触させ、アルミニウム金属の電荷を移動させ
ることにより腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガス
の電子配置と同じになるようにして、他の元素との反応
を行えないようにし、腫瘍組織細胞の浸潤部位を固定化
して、腫瘍組織細胞の拡張を抑制することができる。ま
た、室内装飾部材としてアルミニウムを用い、あるい
は、アルミニウム金属製の設備を設けることにより、生
体がアルミニウムからのβ線放射を受けることにより腫
瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガスの電子配置と同
じになるようにして、腫瘍細胞の浸潤病巣部を固定化し
て、腫瘍組織細胞の拡張を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腫瘍組織細胞(以
下、腫瘍細胞という)に低放射性物質であるアルミニウ
ム金属原子を用いることにより腫瘍細胞の浸潤病巣部を
固定し、高放射能に由来する危険性を被ることなしに、
効果的に腫瘍細胞の拡張抑制を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、悪性腫瘍の治療方法としては、外
科的手術療法、放射線治療法、坑癌化学療法免疫療法及
びこれらの併用療法などが用いられている。これらのう
ち、放射線治療法としては、表在性の疾患に対しては3
0−70[kV]程度の強度を有する軟放射線を用い、
腫瘍細胞に対しては、およそ200[kV]程度の強度
を有する深部X線療法、4〜8[MV]のX線を出す線
形加速器(linear accelerator)を用いて透過率を高
め、主として均等照射に使用する高圧放射線療法、コバ
ルト同位体より放射される1.2[MV]の硬α線の高
い透過率を用いるコバルト60大量照射法、放射性同位
元素を直接体内に注入する放射性同位元素療法等があ
る。
【0003】また、化学周期律上でアルミニウム(A
l)が属している3A族元素としては、ガリウム(G
a)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が現在放
射性医薬品として用いられている。ラジウムのα線イオ
ン作用により腫瘍細胞を構成する元素と結合させて不活
性気体であるラドン化して治療するラジウム療法があ
る。
【0004】腫瘍細胞の治療は何よりもイオン作用が効
を奏するものであり、α線、β線はそれ自体が直接電離
作用をおこない、γ線、X線は間接的な電離作用をする
ものである。ラジウムが放射するα線は透過力は小さい
が、電離作用が大きいため、広く医療に利用される唯一
の元素であるが、値段が非常に高く、貴重な物質である
と考えられている。また、ウラン(U)よりも原子番号
の大きな人工放射性元素である超ウラン元素を除いて、
α線源となりうる人工放射性元素は存在しない。
【0005】そこで、α線源を欠いた人工放射性元素を
用い、主としてγ線及びX線の殺菌作用により腫瘍細胞
の治療を行ってきた。この結果、透過力が強いγ線及び
X線の作用は体内深く貫通して、疾患部分を殺菌のみ
し、間接的な弱い電離作用により周辺の正常組織細胞に
も壊死、潰瘍を起こしていた。
【0006】また放射線の電離作用を利用すべく、半減
期の長くない放射性同位体を選択し、放射性医薬品とし
て内服または注射などにより人体内に投与し、浸襲位置
を確認して治療または撮影を行ってきた。この技術は、
「特定の元素は特定組織に集まる」という性質を用い
て、当該特定の元素の放射性同位体を用いることによ
り、組織内部から強力に治療作用が及ぶようにするもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よく知られているよう
に、放射線は医療用として有用であるけれども、それは
常に高い危険を伴っている。すなわち、多量に照射した
り、内服、注射等により人体内に直接投与することは、
注意しなければ非常な危険を伴う。
【0008】特に放射線が目に見えず、身体に放射線を
受けたとしても直ちには有害な影響を与えず、何か影響
が現れた時点では、既に回復しえない程度の非常に深刻
な状態となっているからである。また、半減期の長い放
射性物質が体内に取り込まれるとそれが微量であっても
それが体内に長くとどまる間に放射線を放射し、有害な
影響を身体に引き起こすこととなる。このように現在に
おける強い放射線治療は、赤斑、脱毛、放射線描、死亡
などの早発反応と、癌、白血病、不妊等の晩発反応など
の副作用を引き起こしていた。
【0009】さらに人工放射性同位元素、すなわち、放
射性物質の取扱管理においても、ややこしい関係法規、
核廃棄物の処理あるいは取扱者の被爆等の多くの問題点
があった。そこで、本発明の目的は、生体への影響を極
力低減させ、取扱いが容易であるとともに、腫瘍組織細
胞の拡張をより確実に抑制することが可能な腫瘍組織細
胞の拡張抑制方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の構成は、アルミニウム原子からの電
荷の移動により腫瘍組織細胞の拡張抑制を行うアルミニ
ウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法であっ
て、アルミニウム金属の原子を腫瘍細胞の病巣部位に接
触させることにより前記腫瘍細胞中の原子の電子配置を
不活性ガスの電子配置と同じになるようにして、腫瘍細
胞の浸潤部位を固定化することを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成において、前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム
金属の熱電子放出を用いることを特徴とする。請求項3
記載の構成は、請求項1記載の構成において、前記電荷
の移動に際し、前記アルミニウム金属の光電子放出を用
いることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の構成は、請求項1記載の構
成において、前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム
金属の二次電子放出を用いることを特徴とする。請求項
5記載の構成は、請求項1記載の構成において、前記電
荷の移動に際し、前記アルミニウム金属に対し、前記腫
瘍細胞に電子放出を行うべく電界を印加することを特徴
とする。
【0013】請求項6記載の構成は、請求項1記載の構
成において、前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム
金属の冷陰極放出を用いることを特徴とする。請求項7
記載の構成は、請求項1記載の構成において、前記電荷
の移動を行わせるべく、前記腫瘍細胞の病巣部にはアル
ミニウム金属小片が挿入されることを特徴とする。
【0014】請求項8記載の構成は、請求項1記載の構
成において、前記アルミニウム金属原子は、アルミニウ
ム粉末として生体内に供給されることにより腫瘍細胞の
病巣部に直接接触するようにしたことを特徴とする。請
求項9記載の構成は、請求項1記載の構成において、前
記アルミニウム金属原子は、アルミニウム粉末として適
当な溶液とともに生体内に注入することにより腫瘍細胞
の病巣部に直接接触するようにしたことを特徴とする。
【0015】請求項10記載の構成は、請求項1記載の
構成において、前記アルミニウム金属原子を、アルミニ
ウム製中空針により穿孔することにより前記腫瘍細胞の
病巣部に直接接触するようにしたことを特徴とする。請
求項11記載の構成は、アルミニウム原子からの電荷の
移動により腫瘍組織細胞の拡張抑制を行うアルミニウム
原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法であって、天
井、床、壁などの室内装飾部材としてアルミニウムを用
い、生体が前記室内装飾部材であるアルミニウムからの
β線放射を受けることにより前記腫瘍細胞中の原子の電
子配置を不活性ガスの電子配置と同じになるようにし
て、腫瘍細胞の浸潤病巣部を固定化することを特徴とす
る。
【0016】請求項12記載の構成は、アルミニウム原
子からの電荷の移動により腫瘍組織細胞の拡張抑制を行
うアルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方
法であって、生体に直接接触するようにアルミニウム金
属性の設備を設け、生体がβ線放射を受けることにより
前記腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガスの電子配
置と同じになるようにして、腫瘍細胞の浸潤病巣部を固
定化することを特徴とする。
【0017】請求項1ないし請求項10記載の構成によ
れば、アルミニウム金属の原子を腫瘍細胞の病巣部位に
接触させ、アルミニウム金属の電荷を移動させることに
より腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガスの電子配
置と同じになるようにして、腫瘍細胞の浸潤部位を固定
化する。
【0018】請求項11または請求項12記載の構成に
よれば、室内装飾部材としてアルミニウムを用い、ある
いは、アルミニウム金属製の設備を設けることにより、
生体がアルミニウムからのβ線放射を受けることにより
腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガスの電子配置と
同じになるようにして、腫瘍細胞の浸潤病巣部を固定化
する。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施形態につ
いて説明する。一般的に細胞の構成成分には、原形質と
後形質がある。原形質(炭素(C)、水素(H)、酸素
(O)、窒素(N)、燐(P)、硫黄(S)、カルシウ
ム(Ca)などの元素)は生命現象が起こる場所であ
り、後形質(炭水化物、蛋白質、脂肪、核酸など)は生
命現象の結果として得られる副産物である。
【0020】後形質のうち、炭水化物は生物が合成する
重要な有機化合物で、炭素、水素及び酸素の3種の元素
で構成され、蛋白質は炭素、水素、酸素、窒素及び硫黄
で構成される生体高分子化合物である。今日まで、腫瘍
の治療に当たっては、生命現象のない分子状態の後形質
を始めとして外科的手術療法、放射線治療法、坑癌化学
療法、免疫療法及びこれらの合併療法等の主として生体
に強い放射線または放射性物質を使用して撮影、診断、
治療等を行ってきた。
【0021】しかし、本発明はそのような長い間の固定
観念から脱し、生命現象が起こる場所である原形質、つ
まり生体内の元素それぞれに焦点を合わせて化学反応に
よる自然な治療を試みるものである。生体に対する放射
線効果は、物理的効果あるいは化学的効果を検出するの
に必要な量に比べてずっと低い量の放射線により起こる
ことに着眼し、原子量の小さい基底状態のアルミニウム
を使用してアルミニウムの核の周辺にある電子の再配置
によって非正常細胞(以下、異常細胞という。)に電離
作用がなされるようにすることにより周囲の正常細胞組
織には影響を与えることなく治療を行うようにするもの
である。
【0022】すなわち、本発明では、新たな試みとし
て、生体内の腫瘍細胞にアルミニウム原子を接触させ
て、腫瘍細胞を構成する原子(以下、腫瘍原子とい
う。)の電子軌道において、腫瘍原子の周期律表で先に
あるかあるいは後ろにある原子番号=10のネオン(N
e)、原子番号=18のアルゴン(Ar)、原子番号5
4のキセノン(Xe)等の不活性ガスと同じ電子配列と
なるように電子を全て満たす。
【0023】それゆえ腫瘍原子の原子価は0とされ、腫
瘍原子が他の原子に対して不活性となる。このようにし
て、本発明によれば、放射性材料の取扱いもしくは管理
の必要性がなくなるのである。
【0024】簡単に言えば、元々癌とは、生体細胞また
は生体組織内で非正常的に制限なしに育つ新生物で、生
体細胞または生体組織に対し、有害な影響を与えるとと
もに、最終的には、致命的な結果を与える。癌という用
語は一般に悪性腫瘍を意味するものであり、癌腫(carc
inoma)及び肉腫(sarcoma)を含む。
【0025】腫瘍は大別すると、良性腫瘍と悪性腫瘍と
に分けられ、悪性腫瘍の細胞は、未分化で多様性を有
し、細胞分裂が多く、制限なしに急速に成長する。さら
に悪性腫瘍の細胞は、原形質膜を持たず、他の細胞との
境界も明確ではない。
【0026】また、悪性腫瘍は、再発と転移も多く、壊
死、潰瘍及び出血を伴う。このように悪性腫瘍の細胞ま
たは組織は、急速に成長して異常な大きさ及び形状とな
るとともに、正常機能が障害を受けると癌性変化を起こ
す。癌は、良性腫瘍とは異なり、癌細胞が隣接する周囲
組織に浸潤して浸透し、ガン細胞が血管またはリンパ管
の中に浸透して遠く離れた組織に広がる性質、つまり、
転移する性質がある。
【0027】原発的であっても後発的であっても、癌
は、重要な臓器が侵されてそれらを死に至らしめる。癌
の分類においては、癌腫は生体組織中の皮膚粘膜、腺上
皮などの上皮に由来する悪性腫瘍であり、肉腫は上皮以
外の他の組織に由来する悪性腫瘍である。
【0028】とはいえ、腫瘍細胞も生体内細胞であるこ
とは間違いない事実である。従って、細胞は多くの分子
により構成された高分子化合物であり、分子は、原子と
原子とが化学的結合力により結合したものである。従っ
て、基本的には、細胞の腫瘍化は、原子に起こった問題
に起因するのである。
【0029】それゆえ、腫瘍化された細胞の原子を不活
性化することにより、腫瘍細胞の拡張を抑制することが
できるはずである。このようにして、生命の基底をなし
ている化合物、つまり、生体分子である蛋白質、脂肪、
炭水化物及び核酸等の大部分は、水素、炭素、窒素、酸
素等の元素で構成されているので、これらの化合物に対
して8電子則(octet rule;octet theory)を適用する
ことにより、原子レベルで細胞の異常な成長を有効に止
めることが可能となる。
【0030】まず以下においては、生体元素の種類、特
性及び電子配置ついて説明する。ここで、生体元素の用
語は、生体分子を構成する元素を意味するものとして用
いるものとする。生命体を構成している物質は自然界に
分布されている元素からなっており、生命体のみの特異
な元素というものは存在しない。
【0031】全ての生命体は、細胞で構成され、細胞
は、生命体を構成する基本単位である。細胞は原形質と
後形質とからなり、これら全ての生体元素は元素の周期
律表内の元素であり、典型元素及び遷移元素の範囲内に
含まれるものであり。生体元素の種類は、生物の種類ま
たは細胞の老若によって多少差があるが、たいていの細
胞においてはほとんど一定である。
【0032】そのうちに主、水素(1H)、炭素
6C)、窒素(7N)、酸素(8O)、ナトリウム(11
Na)、マグネシウム(12Mg)、ケイ素(14Si)、
燐(15P)、硫黄(16S)、塩素(17Cl)、カリウム
19K)、カルシウム(20Ca)等が全体の99.9
[%]を占め、その他に微量であるが、生体元素として
原形質の機能を維持するのに重要なものとしては、ホウ
素(5B)、マンガン(25Mn)、鉄(26Fe)コバル
ト(27Co)、ニッケル(28Ni)、亜鉛(30Zn)、
モリブデン(42Mo)、ヨウ素(53I)等がある。
【0033】これらの生体元素は、多様に結合して化合
物を作るかあるいは分子状態として存在しており、生体
において、水を除く無機塩類は細胞の本体または体液中
にイオンまたは、他の化合物と結合した状態で存在す
る。最も多くみられる陽イオンとしては、水素イオン
(H+)、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネ
シウムイオン等があり、陰イオンとしては、水酸化イオ
ン(OH)、炭酸水素イオン(HCO3 )、燐酸イオン
(PO4)、塩化イオン(Cl)、硫酸イオン(SO4
等がある。
【0034】これら無機塩類が細胞中に含まれている量
は少ないが、生物の市場な活動のためには、常に一定濃
度に維持されるべきである。生体元素は、典型金属元
素、非金属元素及び遷移元素に分けられ、典型金属元素
としては、ナトリウム、マグネシウム、カリウム及びカ
ルシウム等があり、非金属元素としては、水素、窒素、
酸素、燐、硫黄、塩素、ケイ素等があり、遷移元素とし
ては、マンガン、Fe、コバルト、ニッケル、亜鉛、モ
リブデン等がある。
【0035】1A族のアルカリ金属元素は、全て最外殻
に一つの電子を有している。この電子を放出すると不活
性ガスの電子配置と同じになり、特性的な原子価電子配
列はs1であるので、常に1価の陽イオンとなる。水
素、ナトリウム、カリウムがこの族に属している。
【0036】2A族のアルカリ土類金属元素は、最外殻
に二個の電子を有している。この二つの電子を放出する
事により不活性ガスの電子配置と同じになり、2価の陽
イオンとなる。マグネシウム、カルシウムがこの族に属
している。3A族の元素の特性的な電子配列はs21
あり、アルミニウムは非金属とイオン結合を形成する。
【0037】アルミニウム原子は、s21電子三つを失
って、Al3+陽イオンとなる。同様にホウ素も3A族に
属する。生体元素ではないものとして、アルミニウム、
インジウム(In)、ガリウム(Ga)、タリウム(T
l)がある。
【0038】4A族の元素は、s22で表される電子価
電子配列を有しており、最外殻に4個の電子を有してい
る。これらは、4個の電子を失ったり、4個の電子を得
てイオン状態となることはなく、共有結合により化合物
を形成するだけである。炭素及びケイ素がこの族に属し
ている生体元素である。
【0039】5A族の元素の特徴的な電子配列は、s2
3 であり、3個の電子を得て3価の陰イオンとなりや
すい元素である。しかし、実際には、3価の陰イオンと
なるのは窒素だけである。窒素元素の挙動は、非金属の
典型である。
【0040】窒素元素と金属とは、窒化イオン(N3-
を含むイオン結合化合物を形成し、窒素元素と非金属と
は、単結合、二重結合、三重結合を含む共有結合化合物
を形成する。窒素を除くこの族に属する他の生体元素と
しては、燐がある。6A族元素には酸素原子が属し、酸
素原子は、容易に2個の電子を得て、8電子原子価を完
成させる。
【0041】酸素原子は、金属と反応して酸素イオン
(O2-)を含むイオン結合化合物を形成する。そして、
酸素原子は、非金属と単結合、二重結合、三重結合を有
する共有結合化合物を形成する。
【0042】酸素原子のように硫黄原子は、この族に属
する生体元素であり、金属と反応して、硫化イオン(S
2-)を含むイオン結合化合物を形成する。そして、硫黄
原子は、非金属と反応して共有結合化合物を形成する。
共有結合化合物中において、硫黄原子は、非金属と単結
合または二重結合を形成し、三重結合を形成しない。
【0043】酸素原子及び硫黄原子は2個の電子を得る
と、周期表で次の希ガスの原子に相当する価電子状態と
等しくなり、2価の陰イオンとなる。7A族元素には、
塩素及びヨウ素が属し、これらの元素の特徴的な電子配
列は、s25であり、価電子殻に7個の電子を有してい
るので、外部から1個の電子を得ると、価電子殻の電子
が満たされて周期表で次の希ガスの原子に相当する価電
子状態と等しくなり、1価の陰イオンとなる。
【0044】8A族元素には、ヘリウム、ネオン、アル
ゴン、キセノン、クリプトン及びラドンが含まれ、これ
らの全ての元素は室温で無色、無臭の気体である。すな
わち、8A族元素の原子は、最外殻エネルギー準位に電
子が満たされており、原子価0であり、これらは0族ガ
スと呼ばれている。
【0045】例えば、ヘリウムは、8電子則に基づいて
最外殻である1s軌道に二つの電子を有しており、その
他の原子は各々の最外殻の軌道に8個の電子を有してい
る。この8電子則に従うことにより各原子の最外殻エネ
ルギー準位は満たされ、8A族に属する元素は不活性ガ
スと呼ばれ、これらは化合物を形成ししない。
【0046】s殻及びp殻に完全に満たされた8個の電
子から1個以上の電子を取り出すことは困難である。さ
らにs殻あるいはp殻は完全に電子で満たされているた
め、低エネルギー準位の軌道が存在せず、8個の電子に
1個以上の電子を加えることも困難である(CHEMISTRY
283頁, McMurry and Fay参照)。
【0047】それゆえ、腫瘍原子の価電子状態を不活性
ガスの価電子状態と等しくすることにより、腫瘍細胞は
さらに拡張することはできなくなるはずである。一方、
周期律表において、半分以上の元素はB族に属し、遷移
元素と呼ばれている。全ての遷移元素は、金属である。
【0048】遷移元素の化学的挙動は、以下に示すよう
に、典型元素とは異なる。 典型元素の原子価は規則性があるが、遷移金属の原
子価には規則性がない。 典型元素の原子はs軌道
及びp軌道を満たすが、遷移元素の原子はd軌道とf軌
道を満たす。 遷移元素の結合は8電子則に従わない。 遷移元素の原子は陽イオンを形成するが、陽イオン
の電荷は、典型元素の原子に対して用いられる規則では
予測しがたい。 遷移元素は配位化合物と呼ばれる多くの化合物を形
成し、この形成の際の遷移元素の原子またはイオンは他
の原子、陰イオンまたは分子と共有結合を形成する。 遷移元素原子またはイオンに結合された化合物を配
位子と呼ぶ。
【0049】遷移元素に属する生体元素の例としては、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛及びモリブデ
ンがある。全ての生体元素は、周期律表で、典型元素
と、遷移元素とに大別され、これらの元素の電子状態
を、図1及び図2に示す。
【0050】図1及び図2から明らかなように、典型元
素と遷移元素の間の電子配置は特徴的に異なっている。
典型元素の遷移元素との電子配置を比較すると、典型元
素ではs軌道及びd軌道に電子が満たされるが、遷移元
素ではd軌道及びf軌道に電子が満たされる。
【0051】このような生体元素の一部の元素が殻また
は殻周辺の電子殻の電子配列に異常が生じると、組織細
胞が破壊され、励起状態となって、それらの一部は腫瘍
細胞となる。これにイオン化傾向の高いアルミニウムを
用いて正常細胞あるいは細胞組織拡張抑制に必要な電
子、つまり、中心核電子(core electron)をアルミニ
ウムイオンの(Al3+)の自由電子3個(s21)で不
活性ガス(s26)と等しくなるまで組み込むことによ
り軌道内の電子配置を合わせて原子価=0となるように
して、他の元素と化学反応を起こさなくして腫瘍組織細
胞の拡張を抑制するのである。
【0052】アルミニウムは自然放射性元素の一つであ
り、銀白色の軽金属で3A族に属し、原子量26及び原
子量28の二つの同位体を有している。原子量28の同
位体はβ-崩壊をし、原子量26の同位体はβ+崩壊及び
電子捕獲をして、β線を放射する。ここで、β線の本質
は電子(e-)である。
【0053】自然発生のβ放射は、β粒子と呼ばれる電
子の流れであり、質量数0で電荷は−1である。β粒子
は空気中で300[cm]移動することができ、最も高
いエネルギーを有する粒子のみが人間の皮膚を透過し得
る(CHEMISTRY:Brady and Holum,1016頁参照)。
【0054】アルミニウムは共有結合の影響によりイオ
ン化傾向が大きく、酸化しやすい。酸素と化合する際に
は多量の熱を発生し、酸化−還元反応で3個の原子価電
子を全て失ってアルミニウム陽イオンとなる。室温では
酸素との反応が急激に起こるが、アルミニウムは、空気
中で腐食しないので多くの種類の消費製品に使用でき
る。
【0055】これは、アルミニウム金属はその表面での
み素早く反応するという事実から説明することができ
る。アルミニウムの表面には剥がすことが困難である薄
く固い酸化皮膜が形成され、アルミニウム金属が空気と
接触するのを防止しているのである。
【0056】アルミニウムは1A族及び2A族に属する
金属よりも反応性が低く、水とは反応しないが、酸性溶
液あるいはアルカリ性溶液とは反応し、アルミニウムイ
オンと水素ガスを発生する(CHEMISTRY:McMurry and Fa
y,272頁参照)。さらにアルミニウムは、殺虫、殺菌剤
等としても用いられる元素であり、内服で摂取して生体
内に蓄積され、体外に排出する事ができなかった場合を
除き、人体にほとんど被害を与えることはない。
【0057】さらに生体内における毒性の定量化は非常
に困難な問題であり、生物間においても絶え間なく変化
しており、同一の物質であっても、毒としても薬として
作用するものである。周期律表上でアルミニウム(原子
番号=13)は、ナトリウム(原子番号=11)とマグ
ネシウム(原子番号=12)の二つの生体元素の後ろに
位置するものであり、ケイ素(原子番号=14)、燐
(原子番号=15)、硫黄(原子番号=16)、塩素
(原子番号=17)、カリウム(原子番号=19)、カ
ルシウム(原子番号=20)の系列の生体元素の前に位
置する。
【0058】このようにアルミニウムは非生体元素であ
るにもかかわらず、生体元素の間に配置され、生体元素
であるホウ素と同じ3A族の典型元素と電子配置が同一
である。鉱物中に、アルミニウム元素はアルミニウムイ
オン(Al3+)として存在している。
【0059】アルミニウム原子は非金属とイオン結合を
形成し、アルミニウムイオンを含むイオン結合化合物を
形成する。一般的にアルミニウムイオン(Al3+)のよ
うに高電荷の陽イオンで大きさが小さいものは、金属イ
オンを取り囲む水分子が容易に水素イオン(H+:proto
n)を放出するため、酸性を呈する(CHEMISTRY:Brady a
nd Holum 833頁参照)。
【0060】固体アルミニウムについては、アルミニウ
ム原子の最外殻エネルギー準位がオーバーラップ(重
畳)し、それらの準位の電子は一の原子から他の原子へ
の移動して、アルミニウム片全体にわたって移動するこ
ととなる。この電子の全原子にわたる非偏在性により金
属結合においては、原子の軌道はオーバーラップし、原
子はオーバーラップした軌道を介して電子を共有する。
【0061】共有結合においては、電子は単に二つの原
子の間で共有されるだけであるが、金属結合において
は、電子は金属片全体の全ての原子で共有される。金属
片中の電子は多くの原子間で自由に移動することができ
るため、これらの電子は自由電子と呼ばれ、非偏在化さ
れたという。
【0062】自由電子とは、金属原子が有する原子電子
のうちのいくつかの電子が母体原子を離れて比較的自由
な状態にあるものをいう。そして自由電子は、陽イオン
の格子間を自由に流れて、陽イオン同士を強固に結合さ
せる役割を有している。
【0063】アルミニウムの電子配置は、図1に示すよ
うに、 Al13: 1s22s22p63s23p1 であり、簡略化した電子配置は、ネオンNe10の電子配
置に 3s23p1 の電子がさらに配置された、 Al13:[Ne]103s23p1 で表され、アルミニウムは金属結合において電子を共有
し、これらの電子は、3s3p軌道に満たされ、 3s23p1 の3個の電子となる。
【0064】腫瘍細胞は、細胞中の生体元素中の一部の
元素が核または電子の状態に異常が生じ、細胞が損傷
し、励起状態となり、それらの細胞の一部から生じたも
のである。本発明によれば、この励起された腫瘍細胞原
子にイオン化傾向の高いアルミニウム元素により電子を
移動させ、一定量のエネルギーを吸収または放出させ
る。
【0065】より詳細には、アルミニウム原子の価電子
殻であるs12軌道中の3個の電子が母体原子から離れ
てアルミニウム片中の全ての原子間で移動することによ
り、典型元素であるか遷移元素であるかを問わず、不活
性原子と同様の価電子配置とさせる。
【0066】この場合において腫瘍原子が典型元素であ
る場合には、電子配置の変化はs軌道及びp軌道で起こ
る。また、遷移元素については、まず最外殻のs軌道の
電子が失われ、次に量子数の1少ない軌道を構成するd
軌道の電子が失われる。
【0067】一般的にアルミニウム原子単独では基底状
態にあり、励起状態にある場合には、他の原子、例え
ば、腫瘍原子と結合する。さらに加えて、二つの原子間
で反応が起こっている場合には、最外殻電子、すなわ
ち、原子価電子は、他の原子の原子価電子と接触するこ
ととなる。
【0068】従って、本発明によれば、アルミニウム原
子が腫瘍原子の原子価電子と接触する場合には、原子価
を0として、それらを不活性化するのである。例えば、
生体元素であるナトリウム原子もしくはマグネシウム原
子により細胞が腫瘍化した場合には、それらはアルミニ
ウムを接触させることにより、前述した不活性ガスであ
る原子番号=10のネオンと同様の原子価電子配置とす
ることができる。
【0069】仮にカリウム原子もしくはカルシウム原子
により細胞が腫瘍化した場合には、それらはアルミニウ
ムを接触させることにより、前述した不活性ガスである
原子番号=18のアルゴンと同様の原子価電子配置とす
ることができる。換言すれば、仮に非金属元素により細
胞が腫瘍化した場合には、アルミニウムを接触させるこ
とにより、窒素原子または酸素原子の場合には、アルミ
ニウムの原子価電子は8電子則に従って原子番号10の
ネオンにおける原子価電子の状態と等しくなるまで用い
られることとなる。
【0070】また、腫瘍化された非金属元素が燐原子、
硫黄原子、塩素原子の場合には、後続の不活性原子であ
る原子番号18のアルゴンにおける原子価電子の状態と
等しくなるようにされる。腫瘍原子はアルミニウム原子
と接触し、最外殻エネルギー準位が安定化し、活性を失
って不活性ガス原子のようになる。
【0071】この結果、腫瘍細胞は拡張が抑制され不活
性状態となる。マンガン(原子番号=25)、鉄(原子
番号=26)、コバルト(原子番号=27)ニッケル
(原子番号=28)、亜鉛(原子番号=30)、モリブ
デン(原子番号=42)、ヨウ素(原子番号=53)を
含む生体内遷移金属原子は配位化合物を形成する。
【0072】本発明によれば、細胞が遷移金属原子のた
めに腫瘍化された場合には、アルミニウム原子をそれら
と接触させることにより、他の元素の原子、陰イオンあ
るいは分子とともに、共有結合あるいはイオン結合を形
成させて、それらの中心核電子を不活性ガス原子の中心
核電子の配置と同じにする。
【0073】この結果、遷移腫瘍原子は、価電子0とな
り、腫瘍細胞は拡張が抑制され、浸潤位置が固定化され
る。以下に、腫瘍原子を不活性化し、価電子を0とする
ことについてさらに詳述する。
【0074】また、最後に8電子則に基づく共有結合及
びイオン結合並びにAufbau原理とフント(Hund)則につ
いて説明する。さらに周期律表で3A族に属するガリウ
ム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)を
低放射性物質であるアルミニウムと比較する。
【0075】また、本発明の趣旨を参酌することによ
り、本発明は後天性免疫不全症候群(AIDS)に適用
することが可能である。通常、原子は基底状態と呼ばれ
る、最もエネルギーが低い状態で存在している。原子が
基底状態にあるということは、原子の電子がよりエネル
ギー準位の低い軌道を満たしていくような電子配置をい
う。
【0076】一定量のエネルギーが原子に吸収されるこ
とにより、原子はより高いエネルギー状態である、励起
状態に移行する。このように基底状態にある原子の電子
配置は、励起状態にある原子の電子配置とは異なる。
【0077】一方、原子が励起状態から基底状態に戻る
場合には、一定量のエネルギーを放射する。一般的に原
子は単独で存在する場合には、基底状態であるが、他の
原子と結合する場合には、励起状態を経由する。
【0078】イオン化は、原子の電子が原子の範囲から
分離するに十分なエネルギーを得ることにより自由粒子
となる現象をいう。この自由粒子は、他の荷電粒子と同
様に振る舞い十分なエネルギーを有する場合には他の原
子をイオン化することができる。
【0079】電子がより高いエネルギーの軌道の空き位
置に移動するに十分なエネルギーを得た場合には、励起
状態となる。このように電子が当該軌道に継続して存在
する間、励起状態原子が生成されることとなる。
【0080】この電子は、10-8〜10-10[sec]
という非常に短い時間でより低いエネルギーの軌道に戻
る。このとき、二つの軌道の間のエネルギー差(エネル
ギー準位差)に等しいエネルギー量はX線として放射さ
れる。
【0081】これを制動放射線と呼び、この制動放射線
の生成は吸収物質の原子番号が増加するほど増加するた
め、β線を遮蔽する場合にはできるだけ、原子番号が小
さな物質を使用するべきであり、原子番号=13のアル
ミニウムより大きな原子番号を有する物質を使用するべ
きではない。
【0082】電子の最大飛程は、図5に示すように、吸
収物質の密度に依存しており、空気中で数m、組織中で
数cm、アルミニウム中では数cm程度である。共有結
合は、安定なs26電子配置として、二つの原子の外殻
電子雲における対を形成していない電子を共有すること
により得られる。
【0083】例えば、H2分子の場合には、二つの原子
間距離が短くなることにより、二つの核による電子の引
力は増加する。この結合力は、それぞれの電子と二つの
核の間の静電引力である。この相互作用は、二つの原子
のうち一方の軌道に他方の軌道がオーバーラップし、そ
れぞれの軌道は一つの電子を含まなければならないとい
う事実に起因している。
【0084】このことにより二つの原子の軌道は双方の
電子により満たされ、結合して単結合軌道を形成する。
結合軌道に満たされた二つの電子は、逆のスピンを有す
るため共通の空間を共有することができる。
【0085】このような共有空間により二つの核の距離
を短くしようとするが、同じ電荷を有する二つの核が反
発するため、一定距離までゆくと位置エネルギーが極小
値を有することとなり、この距離で共有結合が形成され
る。二つの原子間で電子が移動する際に非常に多くのエ
ネルギーが必要とされる場合には、二つの原子は電子を
共有する。
【0086】共有された電子は正電荷を有する核を引っ
張ることとなり、共有結合を形成する際には、位置エネ
ルギーが減少することとなる。電子が共有される際に
は、それらは対を構成する。原子は、それらの原子価殻
を満たすべく電子を共有する傾向を有している。
【0087】水素原子を除き、原子の原子価殻は8個の
電子を有している。これが8電子則の基本的な思想であ
る。8電子則は、典型元素の原子が結合を形成する際
に、当該原子が最外殻電子殻に8個の電子を有しようと
することをいう。
【0088】従って、単結合、二重結合あるいは三重結
合は、二つの原子間で一組、二組あるいは三組の電子対
を共有しているということができる([1] CHEMISTRY:Mc
Murry and Fay,282頁、[2] Principles of structure a
nd Reactivity:James E,Huheey,Ellen A,Keiter and Ri
chard L ,413頁及び[3] CHEMISTRY:Brady and Holum,36
2頁参照)。
【0089】共通結合は二つの原子間に軌道の重畳によ
り共有される二つの電子でなされ、二つの原子が結合す
るとエネルギーが少なくなるので、共有結合を形成し、
植物及び動物はおおよそ共有結合化合物からなってい
る。共有結合をする原子は鎖だけでなく環も形成し、3
個か4個以上の原子で構成された分子は複雑な構造を有
し得る。
【0090】このような複雑な構造においても、各結合
は単一結合、二重結合、三重結合及び極性結合及び非極
性結合に分類される。多様性を有する分子は、単に3個
か4個の原子間に共有結合を8電子則に従って形成する
ことにより形成される。分子は二つ以上の原子が共有結
合により互いに結合した一集合体である。
【0091】非極性共有結合は、二つの原子間で電子を
8電子則に則してほぼ均等に共有することにより形成さ
れる。極性共有結合は、二つの原子間で電子を8電子則
に則して共有するが、一方の原子により近い位置で電子
対が保持されることにより形成される。
【0092】また、二つの非金属間の結合は、非極性共
有結合または極性共有結合であり、金属と非金属との間
の結合は、イオン結合である。両者の結合は、ともに8
電子則に従う。共有結合化合物では分子が存在しない。
共有結合化合物は、固体の基本単位が分子で構成されて
いる。
【0093】分子は電気的に中性である原子の集団で、
共有結合により互いに連結されており、共有結合化合物
の基本単位である。イオン結合はイオン結合化合物中の
陽イオンと陰イオンとの間の引力によるものである。
【0094】イオン化エネルギーの低い原子が電子親和
力の大きい原子と反応する際には、電子移動によりイオ
ン結合化合物の形成が有利となる。イオン結合化合物を
形成する際、エネルギー安定化に影響を及ぼす最も重要
な因子は、格子エネルギーである。
【0095】格子エネルギーは気体状態のイオンが近接
してイオン結晶を形成する際に減少するポテンシャルエ
ネルギーである。1A族、2A族の原子または非金属が
イオンを形成する場合には、不活性ガスの電子配置とな
るように電子を失うか、電子を得る。
【0096】一般に典型元素の金属原子は、最外殻エネ
ルギー準位にある電子を失って生成された陽イオンが周
期律表で前に位置する不活性ガスと同じ原子価電子配置
を有する。非金属原子が陰イオンを形成する場合には、
周期律表で後ろに位置する不活性ガスのような原子価電
子配置を有すべく、十分な電子を得ることとなる。
【0097】金属原子が失った電子の数は、非金属原子
により得られた電子の数と同一である必要があり、原子
が不活性ガス元素の外殻電子配置をなすため、これらの
間に電子のやりとりが行われて陽イオンまたは陰イオン
を形成する際には、二つのイオン間の静電引力により結
合するのは以下の通りである。
【0098】 典型金属元素の原子は、周期律表で先
に位置する不活性ガスの原子と補なジ状態となるまで容
易に電子を失う。金属原子が電子を失うと陽イオンと呼
ばれる正の電荷を有する化学種(原子または原子の集
団)となる。
【0099】不活性ガスはヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、キセノン、クリプトン、ラドンの6元素であり、生
体内典型金属元素のうち、ナトリウムとマグネシウムよ
り周期律表で前にある不活性ガスはネオンであり、カリ
ウムとカルシウムより周期律表で前にある不活性ガスは
アルゴンである。
【0100】ネオンの電子配置は、図1に示すように、 Ne10:1s22s22p6 であり、簡略化した電子配置は、 Ne10:[He]22s22p6 で表される。アルゴンの電子配置は、図2に示すよう
に、 Ar18:1s22s22p63s23p6 であり、簡略化した電子配置は、 Ar18:[Ne]103s23p で表される。
【0101】参考として典型金属であるアルミニウムよ
りも周期律表で前にある不活性ガスはネオン(原子番号
=10)であり、アルミニウムの電子配置は、図1に示
すように、 Al13:1s22s22p63s23p1 であり、簡略化した電子配置は、 Al13:[Ne]103s23p1 で表される。
【0102】また、ラジウム治療に用いられる典型金属
元素であるラジウムよりも周期律表で前にある不活性ガ
スはラドン(原子番号=86)であり、ラジウムの電子
配置は、 Ra88:1s22s22p63s23p64s23d104p6
5s24d105p66s24f145d106p67s2 であり、簡略化した電子配置は、 Ra88:[Rn]867s2 で表される。
【0103】また、ラドンの電子配置は、 Rn86:1s22s22p63s23p64s23d104p6
5s24d105p66s24f145d106p6 であり、ラジウムを母体元素として作られる。
【0104】同位体のうち、ラドンは長い半減期を有
し、簡略化した電子配置は、 Rn86:[Xe]546s24f145d106p6 で表される。
【0105】 炭素を除く非金属の原子は、周期律表
で後ろにある不活性ガス原子の原子価電子と同一の電子
配置となるまで、容易に電子を得る。非金属原子が電子
を得る場合には、陰イオンと呼ばれる負の電荷を有する
化学種となる。炭素を除き、非金属生体元素は窒素及び
酸素(これらは周期律表でネオンの前に位置する)並び
に燐、硫黄及び塩素(これらは周期律表でアルゴンの前
に位置する)を含む。
【0106】金属原子が非金属原子と反応して、8電子
則に従って陽イオンあるいは陰イオンを形成する。すな
わち、金属原子は容易に電子を失い、非金属原子は容易
に電子を得るが、これは驚くべきことではなく、陽イオ
ンあるいは陰イオンを形成するために金属原子から非金
属原子に電子が移動する際に起こる典型的な化学反応で
ある。
【0107】 遷移金属は、満たされている最も高い
エネルギー準位のs軌道電子を失って陽イオンを形成す
る。そして陽イオンがさらに量子数が1小さいエネルギ
ー準位のs軌道電子よりも低いエネルギー準位のd軌道
電子を失う場合には、中心核電子の電子配置は、周期律
表で前にある不活性ガスと同一の電子配置となる。
【0108】例えば、遷移金属としては、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛及びモリブデン等があ
る。上述したように、金属原子が電子を失った場合に
は、正電荷の原子もしくは原子の集団である化学種を生
じ、非金属原子が電子を得た場合には負電荷の原子もし
くは原子の集団である化学種を生じる。
【0109】通常、元素の化学的特性はその外殻の電子
により支配される。これは原子が反応する際には、外殻
の電子が他の原子と接触するためである。従って、生体
における効果は少量の放射線で十分である。中心核を構
成する電子である中心核電子は、原子の内部に存在して
おり、化学結合の生成には何ら寄与しない。
【0110】従って、外殻の電子に着目する際には、簡
略化した電子配置がしばしば用いられている。例えば、
生体元素であるナトリウム原子及びマグネシウム原子の
電子配置はそれぞれ、以下のようになる。 Na:1s22s22p63s1 Mg:1s22s22p63s2
【0111】これら二つの元素の外殻電子は3s軌道に
あり、それぞれ、中心核電子の電子配置は、 1s22s22p6 となり、不活性ガスであるネオンの電子配置と同一であ
る。
【0112】そこで、元素に対して簡略化した電子配置
を表すためには、中心核電子の電子配置と同じ不活性ガ
スの化学記号を大括弧で括って示し、ついで、特定元素
に対応する外殻電子の配置を記載する。使用する不活性
ガスは、周期律表で大部分が直前の周期または直後の周
期にある元素である。
【0113】従って、ナトリウム及びマグネシウムに対
応する簡略化した記載は、次のようになる。 Na:[Ne]3s1 Mg:[Ne]3s2
【0114】また、遷移元素の場合にも最外殻と直下の
d軌道のみを考慮すればよい。例えば、生体元素である
鉄は、以下に示す電子配置を有し、 Fe:1s22s22p63s23p64s23d6 4s軌道電子及び3d軌道電子のみが化学的に重要な役
割を演じることとなる。
【0115】一般に、遷移元素の外殻のs軌道とd軌道
より内部にある電子は相対的に重要ではない。また、全
ての場合において、中心核電子は不活性気体の電子配置
を有している。
【0116】従って、鉄に対応する中心核電子の電子配
置は、 1s22s22p63s23p6 であり、これは不活性気体アルゴンの電子配置と同一で
あり、鉄の簡略化した電子配置は、 Fe:[Ar]184s23d6 となる(CHEMISTRY:Brady and Holum 297〜298頁参
照)。また図3に遷移元素の電子配置を示す。
【0117】上述したように原子の電子配置を構築する
ためには、他の元素(本発明においては、アルミニウム
元素)の原子内電子配置を利用して、パウリの原理に則
して最も低い軌道に順次電子を供給し、加えてゆく。こ
のように原子の電子構造を得るために最も低い軌道に一
つづつ電子を加えていき、所望の原子の電子構造を得る
ための組立の過程に対応する原理をAufbau原理という。
【0118】「Aufbau」とはドイツ語で「積み重ねてゆ
く」という意味であり、陽子を核に組み込み、電子を軌
道に組み込むことにより所望の原子を構成する原理であ
る。例えば、水素原子の基底状態は最もエネルギー準位
の低い1s軌道に電子を一つ満たしたものであり、この
電子配置状態を 1s1 と表す。ヘリウム原子は1s軌道を満たす二つの電子を
有しており、その電子配置状態は、 1s2 である。次に作られる原子はリチウムであり、最初の二
つの電子は1s軌道を満たし第3の電子は次にエネルギ
ー準位の低い2s軌道に入り、その電子配置状態は、 1s22s1 となる。同様にして順次組み上げた第5番目の原子まで
の電子配置を示すと以下のようになる。
【0119】
【化1】
【0120】
【化2】
【0121】
【化3】
【0122】
【化4】
【0123】
【化5】
【0124】この手法は、1回毎に電子を一つづつ加え
ることにより周期律表の最後の元素に至るまで続けるこ
とが可能である。
【0125】
【化6】
【0126】この元素はフント則に従う。すなわち、第
6番目の電子は2p軌道が空いているものがあるので、
既に占有されている軌道には入らない。フント則による
と、同等な軌道群に電子を満たす場合には、電子は各軌
道で対をなすようには満たされず、全ての同等な軌道に
既に電子が一つづつ満たされた場合にのみ、各軌道にさ
らに電子が満たされてスピン対を形成する。
【0127】従って、7番目の電子は、フント則によっ
て、他の2p軌道に入り、以下に示すように、窒素は半
分(各1個)の電子が満たされた3つの2p軌道を有す
ることとなる。
【0128】
【化7】
【0129】また、8番目の電子は、フント則によっ
て、半分(1個)のみ満たされた2p軌道に入り、以下
に示すように、酸素は、2p軌道のなかの一つのみがス
ピン対を形成することとなる。
【0130】
【化8】
【0131】同様に9番目の電子は、フント規則によっ
て、半分(1個)のみ満たされた他の2p軌道のいずれ
かに入り、以下に示すように、フッ素は、2p軌道のな
かの二つのみがスピン対を形成することとなる。
【化9】
【0132】同様に10番目の電子は、フント規則によ
って、半分(1個)のみ満たされた残りの一つの2p軌
道に入り、以下に示すように、ネオンは2p軌道が全て
が電子で満たされ、2p軌道の全てがスピン対を形成す
ることとなる([1] Principles of structure and Reac
tivity:James E,Huheey,Ellen A,Keiter and RichardL
25頁、[2] CHEMISTRY:McMurry and Fay 223頁及び[3] C
HEMISTRY:Brady andHolum 292頁参照)
【化10】
【0133】3A族元素には、ホウ素(5B)、アルミ
ニウム(13Al)、ガリウム(31Ga)、インジウム(
49In)、タリウム(81Tl)が含まれている。ここ
で、ホウ素は類金属元素であり、他は金属元素である。
アルミニウムを除く金属元素は全てが腫瘍治療の放射性
医薬品または坑癌化学療法剤として使用されている。
【0134】腫瘍に直接蓄積されるものとしてガリウム
67Ga)、インジウム(111In)、タリウム(201
l)がある。これらの同位体を人体に投与すると、様々
な腫瘍に、かつ、活発に増殖する腫瘍に取り込まれるの
で、腫瘍部位を検出したり浸襲部位の診断などに用いる
ための放射性医薬品あるいは坑癌化学療法剤として使用
されている。
【0135】3A族元素のうち、第1番目の元素である
ホウ素は黄色結晶または褐色粉末として存在するが、他
の4種の元素は灰白色の金属状態で存在する。ガリウム
(Ga)は、柔らかく青色を呈する白色金属で、空気中
では安定し、酸アルカリに溶け、石炭材からゲルマニウ
ム(Ge)を得る際の副産物として得られる。
【0136】ガリウムの性質は、アルミニウムに似てお
り、陽イオンとしての質量数67の同位体67Gaは、様
々な腫瘍に対して放射線医薬品として用いられ、体内に
注射直後に血清と結合し、その結合体が腫瘍の毛細血管
の内皮を通過して腫瘍組織内の細胞外液に入り、腫瘍際
暮雲表面の受容体と結合して、腫瘍細胞内に入る。細胞
内のガリウムは、リゾソームに集積され、活発に増殖す
る腫瘍によく取り込まれる。
【0137】一般的に、ガリウムは、肝臓、脾臓、骨、
唾腺、涙腺、鼻粘膜、生殖器、小児の胸腺及び女性の乳
房に取り込まれ、小児の骨端に多く取り込まれる。さら
にガリウムは、肺癌の浸襲診断に有用であり、その半減
期は78.3時間である。
【0138】質量数66及び68のガリウム同位体はβ
+崩壊及び電子捕獲をし、質量数72のガリウム同位体
はβ-崩壊のみをし、質量数70のガリウム同位体はβ-
崩壊と電子捕獲をし、質量数67の同位体は電子捕獲の
みをする。インジウムは、インジウムを主成分とする鉱
物はなく、金属は硫酸溶液を電気分解することによって
得られる銀白色の金属である。インジウムは、酸には溶
けるがアルカリには溶けない。
【0139】インジウム化合物は、3価が安定し、質量
数111の同位体は坑癌化学療法剤として肺等の腫瘍位
置の検出に用いられ、白血病治療に使用される。質量数
111のインジウム同位体は電子捕獲のみをし、半減期
は2.83日である。また、質量数114のインジウム
同位体は、β-崩壊のみをする。
【0140】タリウムは、鉛に似ており、化学的には、
アルカリ元素及びアルミニウムに似ている。タリウム化
合物は湿った空気中では酸化しやすく、非常な毒性を有
しているので、殺虫剤としてばかりでなく、ネズミなど
の動物に対する毒薬としても用いられている。
【0141】陽イオンとしての質量数201のタリウム
同位体は、甲状腺、能、肺に放射性医薬品として使用さ
れ、心筋血流評価に使用される。また、悪性腫瘍に取り
込まれる性質があるので、気管支癌、肝細胞癌、甲状腺
癌、ホジキンリンパ腫、骨肉腫、脳癌等において、分化
の程度、治療効果の判定などに用いられる。さらに、質
量数201のタリウム同位体は、β+崩壊と電子捕獲を
し、半減期は73時間である。
【0142】質量数204のタリウム同位体は、β-
壊のみをする。上述したように、周期律表上で同族にあ
る元素は類似の化学構造を有し、類似の反応により化合
物を形成する。3A族に属するガリウム、インジウム、
タリウム及びアルミニウムはs21の特性的な原子価電
子状態を有し、非金属とイオン結合を形成し、β崩壊あ
るいは電子捕獲をする。
【0143】アルミニウム原子がs21の3個の原子価
電子を失ってアルミニウム陽イオンを形成するのと同様
に、ガリウム、インジウム及びタリウムのそれぞれは、
21の3個の原子価電子を失って3価の陽イオンを形
成する。3A族に属する金属元素のうちでは、図4に示
すように、アルミニウムのみが放射性医薬品または坑癌
化学療法剤から除かれているが、これは、原子量が小さ
いからである。
【0144】通常、放射性が生体に及ぼす影響は、物理
化学的効果よりずっと低い量の放射線により起こるの
で、アルミニウムは、高い量の放射線または人工放射線
を用いる場合の副作用を最小化して腫瘍細胞の治療に用
いることも可能である。また、細胞膜を介したイオン伝
達は、1991年にノーベル生理学賞を貰った二人の科
学者E.Neoherと、B,Sakamannにより明らかにされ、超小
型電極を用いて細胞膜内にイオンが通過し得る特定通路
があることが明かされた(CHEMISTRY:Brady and Holum
962頁参照)
【0145】原子が他の原子と反応する際には、外殻電
子は相互に接触する。このようにして生体元素の問題に
起因する腫瘍細胞を構成する原子の最外殻のs軌道及び
p軌道をアルミニウム原子を腫瘍細胞に接触させること
により8電子規則に則して、(1s2s2p3s3p4
s3d4p5s5p6s4f5d6p7s5f6d)の
順番で電子を満たしてゆく。
【0146】換言すれば、遷移生体元素に起因して腫瘍
化された細胞については、アルミニウム原子を腫瘍化さ
れた遷移金属原子に接触させることにより核側から外側
に向かって所定の順番でd軌道及びf軌道に電子を満た
してゆくことができる。本発明によれば、アルミニウム
を腫瘍細胞に接触させると、腫瘍細胞は不活性化する。
【0147】この不活性化に従い、透明な液体が腫瘍細
胞から滲出し、その後、腫物部分に瘡蓋が生じる。この
過程を経過すると、細胞の間には境界及び膜が形成さ
れ、細胞質は不活性化される。
【0148】これは共有結合化合物及びイオン結合化合
物の生成物であり、浸潤位置を固定し、腫瘍細胞の拡張
を抑制する。ここで、健全な細胞の成長を行わせるため
には、不活性な細胞質内で細胞分裂が行わなければなら
ない。このためには、腫瘍部分を手術により、注射器に
よりあるいは、アルミニウム電子針(穿孔針)により除
去する。その後、アルミニウムイオンを腫瘍組織細胞中
に投入することにより腫瘍細胞の拡張を抑制すること
は、もちろん、健全な細胞の再生の助けとなる。
【0149】
【実施例】次に本発明の理解を助けるべく、より具体的
な実施例について説明する。以下の実施例は、本発明を
生体に有用に適用するための利用方法を例示したもので
あり、本発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0150】第1実施例 生体に原子量の小さいアルミニウム原子を直接接触させ
るか、電子を投写させることにより生体の異常細胞の原
子が不活性ガス原子の原子か電子配置となるようにす
る。
【0151】これにより、異常細胞は原子価が0とな
り、それ以上、他の原子と結合することはできなくな
る。この結果、異常細胞は増殖することができないばか
りでなく、分裂及び転移ができなくなる。
【0152】第2実施例 腫瘍組織細胞の原子が不活性ガス原子の原子価電子配置
と同じになるようにすべく、アルミニウム金属の原子か
ら電子を得るようにする。このため、アルミニウム金属
片を加熱し、金属表面か電子が飛び出すようにする。こ
れらの電子を腫瘍組織の細胞に放射し、腫瘍原子の原子
価を0とする。
【0153】第3実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにする。このため、高振動数の光をアルミニウム
金属片に照射し、その表面から電子を放射させる。アル
ミニウムはアルカリ金属ではないので、紫外線を用いて
自由電子を放射させる。これらの電子は、腫瘍組織の細
胞に放射され、腫瘍原子の原子価を0とする。
【0154】第4実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするため、アルミニウム金属片に1次電子を衝
突させ、アルミニウム金属表面から電子を放射させる。
放射された電子を腫瘍組織の細胞に放射され、腫瘍原子
の原子価を0とする。
【0155】第5実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするため、アルミニウム金属片を電流が流れる
材料に接触させ、電流を流してアルミニウム金属片の表
面から電子が放射されるようにする。これらの電子は腫
瘍組織の細胞に放射され、腫瘍原子の原子価を0とす
る。
【0156】第6実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするため、アルミニウム金属片にあまり大きく
ない電界を印加することにより表面から電子が放射され
る。本実施例では、アルミニウム金属片に温度とは無関
係に電流が流れる強度よりも大きな強度を有する電界を
印加する。これらの電子は腫瘍組織の細胞に放射され、
腫瘍原子の原子価を0とする。
【0157】第7実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするため、アルミニウム金属片もしくはアルミ
ニウム金属箔を疾患部内外に直接接触させ、あるいは直
接供給して腫瘍組織細胞の原子とアルミニウム原子との
間にイオン結合あるいは共有結合が形成されるようにす
る。これにより腫瘍原子は不活性となる。
【0158】第8実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするため、アルミニウム金属は微細粉末状態に
粉末化し、この微細粉末を直接疾患部位に適用する。
【0159】これによりアルミニウム金属粉末の自由電
子は、腫瘍原子の原子価を0とする助けとなる。また
は、アルミニウム金属粉末を蒸留水及び必要に応じて様
々な化合物とともに溶液として調製し、異常細胞原子の
原子価電子を制御すべく、組織内に注入する。
【0160】第9実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするため、アルミニウムの中空針(穿孔針)に
より腫瘍細胞の浸潤部位に穿孔する。
【0161】これにより腫瘍細胞は不活性となり浸潤部
位は確実に固定化される。一方、他のアルミニウム中空
針を用いた効果的な針療法としては、当該疾患部位のイ
オン結合化合物及び共有結合化合物を排出することであ
る。この際に、他の化学反応が起こらないように、アル
ミ製の手術用メス及び手術用はさみを針とともに用いる
のが効果的である。
【0162】第10実施例 腫瘍原子が不活性ガス元素の電子配置と同様の電子配置
を有するように、アルミニウム金属の原子から電子を得
るようにするためには、天井、床、壁などの室内装飾及
び椅子のように患者の身体に直接接触可能な調度品(設
備)をアルミニウム金属製とする。
【0163】これにより患者には、室内で常にβ放射を
受けることができる。以上の説明のように、本発明は、
腫瘍細胞がどのような元素に起因するのか、どのような
元素により構成されているのか、どのように分裂するの
か、あるいは、腫瘍細胞が拡張されるか等を全く考慮す
る必要がない。そして、単に腫瘍細胞を含む損傷細胞を
構成する元素が周期律表上の元素の範疇を外れない、つ
まり、腫瘍細胞を構成する元素は周期律表上のいずれか
の元素であることに着目している。
【0164】すなわち、周期律表上の元素は、金属元
素、類金属元素、非金属元素の3種類に属するものであ
り、生体内の数百万種のイオン結合化合物と共有結合化
合物が周期律表上の典型元素あるいは遷移元素により構
成されている。従って、細胞損傷が典型元素部分に相当
するものであれば、s軌道とp軌道の電子配置が誤った
ものであるので、生体元素であるホウ素と電子配列が同
じであると考えることができ、現在放射性同位元素療法
で用いられているガリウム、インジウム、タリウムと同
じ3A族に属する元素でイオン化傾向の大きなアルミニ
ウム原子を接触させて、当該典型元素の原子が不活性ガ
ス原子と同じ原子価電子配置となるまで、8電子則によ
って電子(s21)を失うか、得るように結合させ、原
子価を0として、他の元素とはさらに反応しないように
不活性ガス化して活動を停止させ、腫瘍細胞の拡張を抑
制する助けとするものである。
【0165】また、細胞損傷が遷移元素部分に相当する
ものであれば、同様にアルミニウム原子を接触させて、
当該遷移元素の原子のd軌道及びf軌道において不足し
ている電子を満たすようにすることで、原子価を0とし
て、他の元素とはさらに反応しないように不活性ガス化
して活動を停止させ、腫瘍細胞の拡張を抑制する助けと
するものである。
【0166】簡易な表現で言えば、本発明は、アルミニ
ウム原子を用いて腫瘍細胞の拡張抑制及び浸潤位置を固
定させるのに必要なだけの電子を軌道に組み込む方法で
ある。この方法は、人工放射性同位体を使用する必要な
く、原子番号の小さい天然放射性元素であり、原子量が
小さく、安く、入手しやすいアルミニウムを用いて放射
線効を奏するものである。
【0167】ラジウムと比較するならば、ラジウムの生
体内イオン作用は放射α線によるものであり、α線の本
性はヘリウムイオンであるのに対し、本発明の生体内イ
オン作用はアルミニウム金属の自由電子によるイオン作
用である。
【0168】また、ラジウム及びアルミニウム金属のイ
オンが腫瘍細胞原子が典型元素であるか遷移元素である
かに拘わらず、全ての元素と結合して中心核電子が不活
性ガスの電子配置となるようにして、腫瘍細胞の拡張を
抑制し、再生するのを助けるという点では同一である。
【0169】しかしながら、アルミニウムは原子量が小
さく、放射するのは、電荷が異なるβ腺であるため、原
子のやりとりによりあるいは、電子を失うか得るように
して不活性ガスかするものであるので、大きな問題とな
ることはないと思われる。また、前述したように、放射
線が生体にお世ボブ影響は物理化学的効果を検出するの
に必要な量よりもずっと少ない量の放射線により起こり
得るので、減少量の小さいアルミニウムを用いて、人工
放射線による副作用を最小化して治療の助けとなるもの
である。
【0170】従って、3A族元素であるガリウム、イン
ジウム、タリウムに次いで、アルミニウムも腫瘍細胞の
治療の助けとなることで。3A族元素全てが腫瘍治療に
適した元素となる。従って、本発明の適用を簡略に説明
すると、腫瘍細胞の転移過程において第1段階は、原発
性腫瘍部位から一定腫瘍細胞が完全に分離する過程であ
る。
【0171】第2段階は、分離した腫瘍細胞が血管また
はリンパ管に沿って移行する過程である。第3段階は、
移行した腫瘍細胞が標的組織に付着して増殖と成長を行
う過程である。
【0172】悪性腫瘍の伝播態様を調べると、第1段階
では、直接拡張(direct extension)であり、第2段階
では、リンパ行性転移(lymphatic involvement)であ
り、第3段階では、血行性播種(vascular disseminati
on)である。本発明は、局所療法に用いられるものであ
り、侵犯(invasion)の深さ、、表面伝播、大きさ、硬
さ、皮膜(capsular)侵犯、リンパ節などを考慮した第
1ファーゼ(phase)から第4ファーゼのうち、第1フ
ァーゼ及び第2ファーゼに有効に適用される。
【0173】この理由は、臨床的には、第1ファーゼで
は、腫瘍塊が原発部位に限定され、それらは、局所的な
侵犯の結果である疾患部位が手術不能あるいは切除不能
であり、リンパ行性転移あるいは血行性転移がないから
である。第2ファーゼの悪性腫瘍は、周囲組織組織ある
いは最も近いリンパ節に局所的に伝播され、手術及び切
除が可能な軽度の侵犯を生じた疾患部位、皮膜あるいは
リンパ節を有する。
【0174】このように第1ファーゼ及び第2ファーゼ
においては、原発部位もしくは局所リンパ節に制限され
ているからである。また、生体に対して本発明を適用で
きるか否かは、腫瘍細胞の生物学的特性、種まり、腫瘍
の種類、部位、成長土及び浸潤方法アルミニウムイオン
に対する感受性及び腫瘍細胞の進行度を考慮して決めら
れる。
【0175】一般的に本発明は、手術療法または放射線
療法が可能な悪性腫瘍の全部位に適用が可能であり、特
に3A族ガリウム及びタリウムの適用される器官、すな
わち、肝臓、脾臓、骨、骨髄、小児の胸腺及び女性の乳
房、肺、気管支、甲状腺、骨肉腫などの腫瘍細胞部位に
適用が可能である。
【0176】
【発明の効果】請求項1ないし請求項10記載の構成に
よれば、腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガスの電
子配置と同じになるようにして、他の元素との反応を行
えないようにし、腫瘍組織細胞の浸潤部位を固定化し
て、腫瘍組織細胞の拡張を抑制することができる。
【0177】請求項11または請求項12記載の構成に
よれば、生体がアルミニウムからのβ線放射を受けるこ
とにより腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活性ガスの電
子配置と同じになるようにして、腫瘍細胞の浸潤病巣部
を固定化して、腫瘍組織細胞の拡張を抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生体元素の電子配置を説明する図(その1)で
ある。
【図2】生体元素の電子配置を説明する図(その2)で
ある。
【図3】遷移元素の電子配置を説明する図である。
【図4】元素の周期律を説明する図である。
【図5】放射線について説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597155848 ジョング クー カング 大韓民国 チュングチェオングブクドウ チェオングジュシ チュングブク・ナショ ナル・ユニバーシティーカレッジ・オブ・ ベターナリー・メディシン デパートメン ト・オブ・ラボラトリー・アニマル・メデ ィシンカエシンドング サン 48 (71)出願人 597155859 ヨング チャン ソング 大韓民国 チュングチェオングブクドウ チェオングジュシ サチャングドング 227−2 ヒュンダイ アパートメント ハウス 102−1104 (72)発明者 ダル ファン オー 大韓民国 チュングチェオングブクドウ チェオングジュシ ガキュングドング 164−2 (72)発明者 ジョング クー カング 大韓民国 チュングチェオングブクドウ チェオングジュシ チュングブク・ナショ ナル・ユニバーシティー カレッジ・オ ブ・ベターナリー・メディシン デパート メント・オブ・ラボラトリー・アニマル・ メディシン カエシンドング サン 48 (72)発明者 ヨング チャン ソング 大韓民国 チュングチェオングブクドウ チェオングジュシ サチャングドング 227−2 ヒュンダイ アパートメント ハウス 102−1104

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム原子からの電荷の移動に
    より腫瘍組織細胞の拡張抑制を行うアルミニウム原子を
    用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法であって、 アルミニウム金属の原子を腫瘍細胞の病巣部位に接触さ
    せることにより前記腫瘍細胞中の原子の電子配置を不活
    性ガスの電子配置と同じになるようにして、腫瘍細胞の
    浸潤部位を固定化することを特徴とするアルミニウム原
    子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム金属の熱電子
    放出を用いることを特徴とするアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム金属の光電子
    放出を用いることを特徴とするアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム金属の二次電
    子放出を用いることを特徴とするアルミニウム原子を用
    いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム金属に対し、
    前記腫瘍細胞に電子放出を行うべく電界を印加すること
    を特徴とするアルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の
    拡張抑制方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記電荷の移動に際し、前記アルミニウム金属の冷陰極
    放出を用いることを特徴とするアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記電荷の移動を行わせるべく、前記腫瘍細胞の病巣部
    にはアルミニウム金属小片が挿入されることを特徴とす
    るアルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記アルミニウム金属原子は、アルミニウム粉末として
    生体内に供給されることにより腫瘍細胞の病巣部に直接
    接触するようにしたことを特徴とするアルミニウム原子
    を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のアルミニウム原子を用い
    た腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記アルミニウム金属原子は、アルミニウム粉末として
    適当な溶液とともに生体内に注入することにより腫瘍細
    胞の病巣部に直接接触するようにしたことを特徴とする
    アルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のアルミニウム原子を用
    いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法において、 前記アルミニウム金属原子を、アルミニウム製中空針に
    より穿孔することにより前記腫瘍細胞の病巣部に直接接
    触するようにしたことを特徴とするアルミニウム原子を
    用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法。
  11. 【請求項11】 アルミニウム原子からの電荷の移動に
    より腫瘍組織細胞の拡張抑制を行うアルミニウム原子を
    用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法であって、 天井、床、壁などの室内装飾部材としてアルミニウムを
    用い、生体が前記室内装飾部材であるアルミニウムから
    のβ線放射を受けることにより前記腫瘍細胞中の原子の
    電子配置を不活性ガスの電子配置と同じになるようにし
    て、腫瘍細胞の浸潤病巣部を固定化することを特徴とす
    るアルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方
    法。
  12. 【請求項12】 アルミニウム原子からの電荷の移動に
    より腫瘍組織細胞の拡張抑制を行うアルミニウム原子を
    用いた腫瘍組織細胞の拡張抑制方法であって、 生体に直接接触するようにアルミニウム金属性の設備を
    設け、生体がβ線放射を受けることにより前記腫瘍細胞
    中の原子の電子配置を不活性ガスの電子配置と同じにな
    るようにして、腫瘍細胞の浸潤病巣部を固定化すること
    を特徴とするアルミニウム原子を用いた腫瘍組織細胞の
    拡張抑制方法。
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