JPH11137124A - アタリ反応型ルアー - Google Patents

アタリ反応型ルアー

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JPH11137124A
JPH11137124A JP32539697A JP32539697A JPH11137124A JP H11137124 A JPH11137124 A JP H11137124A JP 32539697 A JP32539697 A JP 32539697A JP 32539697 A JP32539697 A JP 32539697A JP H11137124 A JPH11137124 A JP H11137124A
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Noriaki Katayama
片山典明
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KATAYAMA DENKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アタリに反応して捕獲動作を行うルアーの構
造を改良しようとする。 【解決手段】 中空の魚体形を左右に二分してなる一対
の可撓性ボディー分割体1a、1bの各頭部に枢軸点2
を設定して両者を回動自在に連結し、前記一対のボディ
ー分割体を一魚体形をなす整合位置から互いに角度を与
えて尾部側を拡大させる拡大位置まで回動付勢するバネ
3を、これら分割体の頭部に内蔵するとともに、前記一
対のボディー分割体が拡大位置となったときの垂直断面
の輪郭線上に位置すべき各分割体の上縁又は下縁、及び
後尾縁の少なくとも1ヵ所において刺縁又はフック4
a、4bを形成し、さらに前記一対のボディー分割体が
整合位置にあるとき、常時はこの整合位置を維持すべく
互いに係合するように前記一対の分割体の内側面にそれ
ぞれ設置された一対の係合手段12、19からなり、そ
の内側面間が互いに接近したとき前記係合を解除するこ
とができるものを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針等の捕獲具を魚
のアタリ動作に反応して突出させるようにした改良型ル
アーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に特願平9─69126
号において「捕獲肢内蔵型ルアー」と題する発明を出願
し、アタリ動作に反応して突出する捕獲肢を備えたルア
ーを開示した。この型のルアーは、尾鰭の上下両端部を
反り返らせたような形状及び配置となる上下一対のフッ
ク状主捕獲針と、背鰭及び腹鰭の各一部を反り返らせた
ような形状及び配置となる上下一対のフック状補助捕獲
針(捕獲肢)の全体を弾性手段とともに上下方向に圧縮
し、中空の魚体型ルアー内に針先を自由端として回動自
在に収納し、魚のアタリによってルアー本体が加圧され
たときはその完全収納状態を解除して圧縮された弾性手
段を解放し、各捕獲針を外向きに回動させて魚の口内に
刺さるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的
は、魚体形ルアーの分割された本体構造の一部としてフ
ックもしくは刺状の鰭縁(刺縁)を形成することによ
り、比較的簡単な構造のルアーを実現しようとするもの
である。
【0004】本発明のいま一つの目的は、ルアーとして
の魚体擬似性を単に外観上のみでなく、生魚に擬した動
作を行うための動態性を付与した魚体形ルアーを提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明はa)中空の魚体形を左右に二分してな
る一対の可撓性を有するボディー分割体の各頭部に枢軸
点を設定して両者を互いに回動自在に連結し、 b)前記一対のボディー分割体を互いに整合して一魚体
形をなす整合位置から互いに角度を与えて尾部側を拡大
させる拡大位置まで回動付勢するためのバネを、これら
の分割体頭部に内蔵するとともに、 c)前記一対のボディー分割体が拡大位置となったとき
の背鰭部、腹鰭部及び尾鰭部を含む垂直断面の輪郭線上
に位置すべき各分割体の上縁又は下縁、及び後尾縁の少
なくとも1ヵ所においてフック又は刺縁を形成するとと
もに、これらのフック又は刺縁が前記整合位置において
は他方の分割体によって実質的に遮蔽されるようにし、
さらに d)前記一対のボディー分割体が整合位置にあるとき、
常時はこの整合位置を維持すべく互いに係合するように
前記一対の分割体の内側面にそれぞれ設置された一対の
係合手段からなり、その内側面間が魚のアタリによって
互いに接近したとき前記係合を解除することができるも
のを備えたアタリ反応型ルアーを構成したものである。
【0006】上記第2の目的を達成するため、本発明は
前記一対のボディー分割体を互いに回動付勢するための
バネが、前記枢軸点において巻芯に装着されたコイル巻
き部又は入れ子状Uターン部を有するとともに、そのコ
イル巻き部又は入れ子状Uターン部の両端から延びる各
脚部が各分割体の前記輪郭線上に位置すべき頭部上縁又
は下縁の内面に圧接するものであり、前記巻芯の両端が
前記一対のボディー半部材の頭部を遊嵌的に貫通して、
その頭部両側面に対向する略U字型先頭フレームの両側
端に固定され、前記先頭フレームにおける前記頭部の前
端からさらに突出する部分の内側にバネ伸縮体又は回動
自在の巻芯を有するコイルバネを収納し、前記バネ伸縮
体の伸縮移動端に連結された心棒の自由端、又は前記コ
イルバネの自由端を、前記先頭フレームの前端開口から
遊通・突出せしめて道糸係留端とするとともに、前記先
頭フレームの前記突出部分において、前記バネ伸縮体の
伸縮移動端の前後動作、又はコイルバネ巻芯の回転動作
を水掻き動作又は音波発生動作に変換するための生魚擬
似手段を装備したルアーを構成したものである。
【0007】上記ルアー構成のうち、前記先頭フレーム
における前記突出部分の内側に回動自在の巻芯を有する
コイルバネを収納したものにおいては、前記巻芯の両端
が前記先頭フレームの両側面又は上下カバー面に嵌合
し、前記巻芯の回転動作を水掻き動作に変換するための
生魚擬似手段となる一対のフラップを、それらの中立状
態において前記巻芯の軸と前記先頭フレームの軸を含む
面内に位置するように前記巻芯の両端に固定したもので
ある。
【0008】上記ルアー構成のうち、前記先頭フレーム
における前記突出部分の内側にバネ伸縮体を収納したも
のにおいては、このバネの伸縮による前記伸縮移動端の
前後動作を音波発生動作に変換するための生魚擬似手段
が前記前端突出部分の両側内面又は上下カバー内面に形
成されたやすり帯と、前記伸縮移動端に固定されてその
前後動作に伴って前記やすり帯を擦るようにされたブラ
シとからなるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図に従って本発明の好まし
い実施例を説明する。図1〜図3にそれぞれ外観を示し
た典型的な3種類の実施例は、フック式/垂直フラップ
型、フック式/水平フラップ型、及び刺縁式/音波発生
型として構成されたものである。念のため、フック式と
はアタリによるルアー拡大に伴って、鉤状の針が突出す
る方式であって魚を確実に捕獲するのに適し、刺縁式と
は鰭縁状の細い刺列がルアーの拡大に伴って食いついた
魚の口内皮に圧接して魚を捕獲する方式であって、魚体
の損傷を少なく、リリース(放流)目的の釣に適したも
のである。
【0010】まず、図1のフック式/垂直フラップ型を
例にとって説明すると、本発明のアタリ反応型ルアーは
中空の魚体形を左右に二分した形状の、一対の可撓性を
有するボディー分割体1a及び1bを備えている。これ
らのボディー分割体は、後述の他の部分品とともにタン
グステンやチタン等の金属粉末を混入したプラスチック
から成形するか、又は魚体に害の少ない動植物の筋、毛
皮、骨なども用いることができる。なお、タングステン
は比重が大きいため、この粉末を混入すると遠投が容易
で水没・降下速度も早く、海釣り用に適したものとな
る。ボディー分割体1a、1bの各頭部には両者の枢軸
点を設定し、ここにバネ軸芯2を配置して両者を互いに
回動自在に連結する。
【0011】ボディー分割体1aの頭部下縁、及び同1
bの頭部上縁内には前記バネ軸芯2に巻き付けられたコ
イル部又は入れ子状Uターン部を有する線材バネ3(図
4A及びB)の両脚部が配置されており、ボディー分割
体1a、1bはこのバネを圧縮して一魚体形をなすルア
ー整合位置(図1A)と、このバネを解放して互いに角
度を与えるように回動付勢された結果、尾部側を拡大し
たルアー拡大位置(図1B)を選択的に占めるものであ
る。
【0012】図1及び図2に示すフック式ルアーにおい
ては、前記一対のボディー分割体1a、1bが拡大位置
のときのルアー垂直断面の輪郭線上に位置する尾鰭の上
端及び下端となる部位にそれぞれ主捕獲手段たるフック
4a、4bを形成するとともに、これらのフック4a、
4bが前記整合位置においては他方の分割体の尾部によ
って実質的に(接近した魚類に対して)遮蔽されるよう
にする。また図3に示す刺縁式ルアーにおいては、同様
に拡大位置となったときのルアー垂直断面の輪郭線上に
位置する背鰭から尾鰭にかけて、及び胸鰭、腹鰭及び尾
鰭にかけてそれぞれ主捕獲手段たる刺縁5a、5bを形
成する。これらの刺縁もまた、前記整合位置においては
他方の分割体の尾部によって実質的に遮蔽される。な
お、刺縁は背の低い刺の列からなるが、単純な凹凸列に
よって接触面(魚の口内皮)上を滑りにくくしたもので
あればよい。
【0013】図1、図2及び図3に示すように、ルアー
頭部においてボディー分割体1a、1bから露出したバ
ネ軸芯2の両端には、略U字型先頭フレーム6及び6’
の両脚端が回動自在に支持され、これらの先頭フレーム
の先端(U字折り返し端)には道糸を結び付けるための
アイレット7がフレーム内のバネ手段(後述)を介して
連続配置される。先頭フレーム6にはさらに、そのバネ
手段(後述)により駆動される生魚擬似手段として、ル
アー頭部に適合した後端形状と流線型の前端形状を有す
る各一対の垂直フラップ20a(図1)又は水平フラッ
プ20b(図2)が支持される。また先頭フレーム6’
にはバネ手段(後述)により駆動される生魚擬似手段
が、U字型スリット30の範囲内に形成される。
【0014】ボディー分割体1a、1bにおいて、バネ
軸芯2の直後、即ちルアー頭部の中央から鰓後端部にか
けては、魚体形の左右方向に貫通した長孔8が形成され
るとともに、その長孔の全長に渡って摺動可能な1本の
可動シャフト9(図8)が、各分割体の長孔8に共通的
に挿入される。10はその可動シャフトの、分割体1
a、1bから露出した両端に固定された使用者用のスラ
イドノブである。各長孔8の前端部は顕著に拡幅してあ
るため、可動シャフトがスライドノブ10の操作で長孔
8前端部に位置したときは、この可動シャフトと長孔と
の孔幅方向における若干の相対移動を許容し、各ボディ
ー分割体が前記枢軸点(バネ軸芯2)を中心として、前
述した整合位置(各図A)と拡大位置(各図B)との間
で相対的に回動できるにようになっている。
【0015】図1B、2B及び3Bから明らかな通り、
ボディー分割体1bの内側面上には平衡錘11、ボディ
ー分割体の整合位置を維持するための一対の係合手段の
一方である弾性嵌合片12、及び弾性支持された針状体
からなる側面フック13(図1B、2B)又は側面刺縁
体16(図3B)が設置されている。
【0016】図4A及びBは、図1A及びBを反対側か
ら見た整合位置及び拡大位置の側面図であり、総括して
「8」で指示する長孔の詳細な形状、及び具体的にはボ
ディー分割体1a(図4では背面側)の長孔8aとボデ
ィー分割体1bの長孔8bとのルアー整合位置における
対応関係をよく示している。長孔8a、8bは前述の通
り、いずれも前端(図の右端)に近づくほど幅が大きく
なるが、図4Aの整合位置において、正面側長孔8bの
拡幅分は上方に位置し、背面側長孔8aの拡幅分は下方
に位置するため、重なりあった長孔はその全長を通じて
一定した実質上最小幅の合成スリットを提供し、スライ
ドノブ10に支持された可動シャフトはこの合成スリッ
ト内を移動して前端まで移動でき、しかもこの前端にお
いて長孔8aの下縁及び長孔8bの上縁は余裕をもって
可動シャフトに対峙することが分かる。この状態で後述
の係合手段が解放されると、ボディー分割体1a、1b
は頭部上縁内の線材バネ3の張力により、図4Bに示す
拡大位置まで互いに回動する。この回動は長孔8よりさ
らに前方の、言わば魚体口部におけるバネ軸芯2を中心
軸とするものであり、この中心軸から逸れた長孔8aと
8bの前端も互いに移動し、前述の可動シャフトに対す
る余裕がなくなったところ(拡大位置)で停止すること
になる。
【0017】図4Bから明らかなとおり、ボディー分割
体1a、1bの各内側面に設置された側面フック13
は、その後端部を魚体長さに平行な軸として前記内側面
に回動自在に支持され、側面フック13の主要部はその
後端部から略直角に、そしてさらに魚体前方に向かって
折り曲げられ、尖端を尖らせたものであり、駆動用バネ
14がこれに関連配置されている。従って、側面フック
13は駆動用バネ14により付勢され、ルアー拡大位置
においては互いに他方の分割体から解放されて側方に突
出し、ボディー分割体1a、1bがルアー拡大位置から
整合位置まで回動する際は、互いに他方の分割体の尾鰭
部に押されて各分割体の内側面上に倒されるものであ
る。なお、15はボディー分割体1a、1bがルアー拡
大位置に向かって回動するとき、側面フック13の針先
を案内するため他方側の分割体に設置されたガイド面で
ある。図5はルアー拡大位置において各ボディー分割体
1a、1bの内側面から側面フック13が突出した状態
を後方から見た端面図である。
【0018】側面フックと類似の補助捕獲手段として、
刺縁式ルアー(図3A及びB)においては前記のとおり
側面刺縁体16を用いるが、この刺縁体16はそれ自体
弾性板からなり、後端を波形に折り曲げてボディー分割
体の内側面に固定し、先端に刺縁を形成した本体がルア
ー拡大位置においては常態として側方に突出し、ボディ
ー分割体1a、1bが互いに整合位置まで回動するとき
は、側面フックの場合と同様に他方の分割体の尾鰭部に
押されて各半部材の内側面上に倒される。なお、17は
側面刺縁体16の本体がルアー拡大位置において自らの
弾力習性で側方に突出するのを助けるための補助バネで
ある。
【0019】図4Bにおいて、上向きのボディー分割体
1aの上縁の内側には前述の平衡錘11に対応した平衡
用フロート18が配置され、その斜め下方に見える(分
割体中央の)内側面上には、ボディー分割体の係合手段
として前述した弾性嵌合片12と対をなす固定段部19
が配置されている。
【0020】図6は、図4Aに示したルアー整合位置に
あるフック式ルアーの後端面図(A)、側面フック機構
を示すためのb−b断面図(B)、係合手段を示すため
のc−c断面図(C)、及び前端面図(D)であり、こ
れらは各図示部分についての説明の補助に供せられる。
但し、係合手段については上記c−c断面図(C)の主
要部を拡大して描いた図7A及びそのボディー分割体1
aの破断域から見た裏面図(図7B)を参照して次に説
明する。
【0021】図7Aにおいて、一の係合手段である金属
製もしくはプラスチック製の折り曲げ板からなる固定段
部19は、ボディー分割体1aの内側面から張り出した
本体面の中央に係止孔24を有するとともに、この係止
孔24の上方及び下方において更に相手側分割体1bに
向かって屈曲・突出した突起21a及び21bを有す
る。この固定段部19に対応する他方の係合手段である
弾性嵌合片12は、一端を他方のボディー分割体1bの
内側面に固定され、その内側面から突出した中間部から
自由端までの前半部分が、ボディー分割体の整合位置に
おいて前記固定段部19の突起21a及び21bを含む
正面領域に対向するように曲折形成されている。弾性嵌
合片12の前半部分には前記整合位置において常時は、
図示のように、前記係止孔24に嵌まり込んで、ボディ
ー分割体1a、1bの相対的回動を阻止するための係合
用突起22が屈曲形成されている。
【0022】好ましい実施例によれば、前記弾性嵌合片
12の前記中間部において、ルアー整合位置にある固定
段部19の突起21aからややずれた位置に別の突起2
3aが屈曲形成される。これにより、ルアーが魚に食い
つかれて加圧され、両分割体1a、1bの内側面間が互
いに接近すると、固定段部19の突起21aと、前記別
の突起23aが固定段部19と弾性嵌合片12の圧接作
用点として、弾性嵌合片12の前半部分を後退方向に加
圧し、その係合用突起22を前記係止孔24から退出さ
せて両者の係合、従ってボディー分割体1a、1bの係
合を解除する。この場合、突起21a及び23aは互い
に補いあって圧接作用点もしくは梃支点の作用を発揮す
るが、この作用はいずれか一方の突起のみによっても発
揮される。さらに好ましい実施例として、弾性嵌合片1
2の前端に正面から被さるようにした自由端を有する補
助弾性片12’が同じボディー分割体1bの内側面に固
定される。この補助弾性片12’の自由端の後方部は固
定段部19の突起21bに当接し、この当接部を越えた
ところに突起21bの圧接又は梃支点作用を補助するた
めの突起23bがさらに屈曲形成される。これにより、
前記のような内側面間の接近時においては補助弾性片1
2’の自由端が突起21b及び23bの圧接又は梃支点
作用により後方に撓んで弾性嵌合片12の前端の後退を
促進し、係合用突起22の後退を容易にする。
【0023】一対のボディー分割体1a、1bがルアー
拡大位置にある時、弾性嵌合片12は固定段部19との
係合がないため、弾力習性により分割体1aに向かって
さらに開いた角度となるが、この拡大位置から整合位置
に復帰回動するときは、固定段部19の下端が弾性嵌合
片12に固定端側から当接して前記中間部に到るその脚
部を摺動して嵌合片前半部分を後退せしめ、その復帰回
動を許容する。
【0024】図8〜図10は、フック式/垂直フラップ
型ルアーの先頭フレーム6におけるフラップ20aの駆
動構造を示している。上下一対のフラップ20aの基部
を固定支持したバネ巻芯25は、先頭フレーム6におけ
るボディー分割体1a、1bの頭部前端からさらに突出
する部分の内側に設けられた機構部26に回動自在に保
持され、その機構部26内に収納されたコイルバネ27
の最小径部に緊締もしくは固定されている(図10参
照)。コイルバネ27の一端は先頭フレーム6の内側面
に対峙し、他端(自由端)は先頭フレーム6の前端開口
から遊通・突出してから巻き込まれ、道糸係留用の前記
アイレット7を形成している。
【0025】上記のフラップ駆動構造において、コイル
バネ27の張力がルアーに対する水環境の流体抵抗に打
ち勝てないものとすれば、使用時に道糸が小刻みに引か
れると、コイルバネ27は巻解かれ、これに伴って自由
端(アイレット)が前進する動作と、道糸が緩められて
コイルバネが復元するとともに後退する動作とを繰り返
し、その前後動作に伴なうコイルバネ巻芯の往復回動を
生じ、これがフラップ20aの揺動、従って水掻き動作
を生ずる。即ち、図8に示した実線位置では、アイレッ
ト7が引っ込んでフラップ20aが魚体の左側に振れ、
仮想線位置では、アイレット7が突出してフラップ20
aが魚体の右側に振れる。なお、図2に示した水平フラ
ップ型ルアーにおいても配置方向が異なるだけで、全く
同様のフラップ駆動構造を備え、フラップ20bは上下
方向において揺動することが理解されよう。また、フラ
ップ駆動構造としてはフラップ軸に固定したピニオン及
びアイレットに連結したラックからなるラック‐ピニオ
ン機構と、ラックを制御するバネ伸縮体を用いてもよ
い。
【0026】図11及び図12Aは、刺縁式/音波発生
型ルアーの平面図及び側面図であり、図12Bはその正
面図、そして図13及び図14はその先頭フレーム6’
の音波発生構造を示している。これらの図において、先
頭フレーム6’におけるボディー頭部の前端からさらに
突出した部分の内側にはバネ伸縮体28(図13及び図
14)が収納されて、その前端がフレーム6’の先端内
面に制止されるとともに、他端(伸縮移動端)が心棒2
9の後端に連結される。心棒29の他端(自由端)は先
頭フレーム6’の前端開口から遊通・突出し、最先端に
おいて道糸係留用の前記アイレット7を形成している。
【0027】バネ伸縮体の伸縮移動端の前後動作を音波
発生動作に変換するための生魚擬似手段は、先頭フレー
ム6’の前端突出部における両側に設けた前記U字型ス
リット30によりフレーム本体から分離した振動部31
と、前記伸縮移動端に心棒29とともに固定され、その
前後動作に伴って振動部31の内側面を擦るようにされ
た一対のブラシ32とから構成される。振動部31の内
側面にはブラシ32に対応してやすり帯33が形成さ
れ、この上をブラシ32が移動することにより、振動部
31はその材質及び構造特性に応じた周波数の振動を生
じ、生魚に擬した音波を発生する。このようなバネ伸縮
体の伸縮移動端の前後動作は、ルアー使用時において、
先の実施例と同様道糸を小刻みに引くことによって生ず
ることは明らかである。
【0028】以上述べた実施例によれば、道糸を小刻み
に引くことによって、フラップを揺動させて生魚のよう
な動きを与えたり、音波発生手段を作用させ擬音を発し
て魚を接近させ、かつ容易に食いつかせることができ
る。また、釣り上げた魚からフック又は刺縁を抜くため
には、ルアー頭部のスライドノブ10を手で後方に押し
下げると拡大したルアー体がもとの整合位置に戻り、そ
の際ルアー縮小方向に移動するフック又は刺縁が魚の口
内皮から離れて整合ルアー体の滑らかな縁内に収まり、
これによって魚を解放することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の通り、構造が簡単で廉価
且つ使用性能のすぐれたルアーとして、釣り場や対象魚
に応じてその生魚擬似特性を選択でき、魚の解放操作も
容易である等種々の利便を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フック式/垂直フラップ型ルアーの実施例にお
ける整合位置(A)及び拡大位置(B)をそれぞれ示す
斜視図である。
【図2】フック式/水平フラップ型ルアーの実施例にお
ける整合位置(A)及び拡大位置(B)をそれぞれ示す
斜視図である。
【図3】刺縁式/音波発生型ルアーの実施例における整
合位置(A)及び拡大位置(B)をそれぞれ示す斜視図
である。
【図4】フック式/垂直フラップ型ルアーの実施例にお
ける整合位置(A)及び拡大位置(B)をそれぞれ示す
側面図である。
【図5】図4Bに示したルアー拡大位置の後端面図であ
る。
【図6】図4Aに示したルアー整合位置の後端面図
(A)、b−b’断面図(B)、c−c’断面図
(C)、及び正面図(D)である。
【図7】各実施例に共通するルアー整合位置における係
合手段の構造を示すための図6Cの要部拡大図(A)及
びその右側内面図(B)である。
【図8】フック式/垂直フラップ型ルアー実施例の整合
位置を示す平面図である。
【図9】図8に示したルアーの縦断面図である。
【図10】図8に示したルアーの先頭部をフラップを取
り除いて示した部分拡大図(A)及びその側面図(B)
である。
【図11】刺縁式/音波発生型ルアー実施例の整合位置
を示す平面図である。
【図12】図11に示したルアーの側面図(A)及び正
面図(B)である。
【図13】図11の状態のルアーの先頭部縦断面図であ
る。
【図14】図12の状態のルアーの先頭部縦断面図
(A)及びそのb−b’断面図(B)である。
【符号の説明】
1a、1b ボディー分割体 2 バネ軸芯 3 線材バネ 4a、4b フック 5a、5b 刺縁 6 先頭フレーム 7 アイレット 8 長孔 9 可動シャフト 10 スライドノブ 11 平衡錘 12 弾性嵌合片 13 側面フック 14 駆動用バネ 15 ガイド面 16 側面刺縁体 17 補助バネ 18 平衡用フロート 19 固定段部 20a、20b フラップ 21a、21b、22a、22b、23a、23b 突
起 24 係止孔 25 バネ巻芯 27 コイルバネ 28 バネ伸縮体 29 心棒 30 U字型スリット 32 ブラシ 33 やすり帯

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)中空の魚体形を左右に二分してなる
    一対の可撓性を有するボディー分割体の各頭部に枢軸点
    を設定して両者を互いに回動自在に連結し、 b)前記一対のボディー分割体を互いに整合して一魚体
    形をなす整合位置から互いに角度を与えて尾部側を拡大
    させる拡大位置まで回動付勢するためのバネを、これら
    分割体の頭部に内蔵するとともに、 c)前記一対のボディー分割体が拡大位置となったとき
    の背鰭部、腹鰭部及び尾鰭部を含む垂直断面の輪郭線上
    に位置すべき各分割体の上縁又は下縁、及び後尾縁の少
    なくとも1ヵ所において刺縁又はフックを形成するとと
    もに、これらの刺縁又はフックが前記整合位置において
    は他方の分割体によって実質的に遮蔽されるようにし、
    さらに d)前記一対のボディー分割体が整合位置にあるとき、
    常時はこの整合位置を維持すべく互いに係合するように
    前記一対の分割体の内側面にそれぞれ設置された一対の
    係合手段からなり、その内側面間が互いに接近したとき
    前記係合を解除することができるものを備えたことを特
    徴とするアタリ反応型ルアー。
  2. 【請求項2】 a)前記一対のボディー分割体の各頭部
    中央から鰓後端部にかけて伸び且つ魚体形の左右方向に
    貫通した長孔を設けるとともに、その長孔の全長に渡っ
    て摺動可能な1本の可動シャフトを各分割体の長孔に共
    通的に挿入したことにより両者を連結し、 b)前記長孔の幅を前端部に近づくほど大きくして前記
    可動シャフトがこの長孔前端部に位置したとき、前記可
    動シャフトと長孔との孔幅方向における若干の相対移動
    を許容することにより、各ボディー分割体がこの長孔前
    端部よりさらに前方に設定された前記枢軸点を中心とし
    て相対的に回動できるようにし、且つ c)前記可動シャフトの各分割体外面上に露出した両端
    部において使用者操作用ノブを取り付けたことにより、
    整合位置にあるときは、使用者がこのノブを操作して前
    記可動シャフトを前記長孔の前端部に位置させて前記ル
    アーを使用可能とすること、及び前記一対のボディー分
    割体が拡大位置を占めた状態から前記ノブを操作し、前
    記可動シャフトを前記長孔の後端部まで摺動させて前記
    一対の分割体の長孔の後端を互いに整合させることによ
    り前記整合位置を与えるとともに、この位置において前
    記一対のボディー分割体をロック状態とすることを特徴
    とする請求項1記載のルアー。
  3. 【請求項3】 前記一対のボディー分割体の各内側面に
    おいて、これらの分割体が前記拡大位置を占めるとき互
    いに他方の分割体の外側に露出する位置に、その露出に
    伴って他方の分割体から解放されて側方に突出する弾性
    支持された針状体からなる側面フック、又は刺縁付き弾
    性板からなる側面刺縁体を設けたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載のルアー。
  4. 【請求項4】 一方の前記係合手段が一方のボディー分
    割体の内側面に設置された固定段部であって、他方のボ
    ディー分割体の内側面に向かって開口した係止孔を有す
    るものからなり、 他方の前記係合手段が一端を前記他方のボディー分割体
    の内側面に固定された弾性嵌合片であって、その内側面
    から突出した中間部から自由端までの前半部分が、前記
    一対のボディー分割体の整合位置において前記固定段部
    の正面に対向するように形成され、その前半部分には前
    記整合位置において常時は前記係止孔に嵌まり込み、そ
    れら分割体の相対的回動を阻止するための第1の突起を
    設けたものからなり、 前記弾性嵌合片の前記中間部の位置、及び前記整合位置
    においてこの中間部にややずれて対向する前記固定段部
    上の位置の少なくとも一方に、対向方向に突出する第2
    の突起を設けたことにより、前記内側面間が互いに接近
    したとき前記第2の突起を、前記固定段部と前記弾性嵌
    合片との圧接作用点として、前記嵌合片を後退させ、そ
    の前半部分における前記第1の突起を前記係止孔から退
    出させることにより両者の係合を解除するとともに、前
    記一対のボディー分割体が前記拡大位置から整合位置に
    復帰回動するときは、前記固定段部が前記弾性嵌合片に
    前記一端側から当接し、その前半部分を後退せしめ、そ
    の復帰回動を許容することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のルアー。
  5. 【請求項5】 前記一対のボディー分割体を互いに回動
    付勢するためのバネが、前記枢軸点において軸芯に装着
    されたコイル巻き部又は入れ子状Uターン部を有すると
    ともに、そのコイル巻き部又は入れ子状Uターン部の両
    端から延びる各脚部が各分割体の前記輪郭線上に位置す
    べき頭部上縁又は下縁の内面に圧接するものであり、前
    記軸芯の両端が前記一対のボディー分割体の頭部を遊嵌
    的に貫通して、その頭部両側面に対向する略U字型先頭
    フレームの両側端に固定され、前記先頭フレームにおけ
    る前記頭部の前端からさらに突出する部分の内側にバネ
    伸縮体又は回動自在の巻芯を有するコイルバネを収納
    し、前記バネ伸縮体の伸縮移動端に連結された心棒の自
    由端又は前記コイルバネの自由端を、前記先頭フレーム
    の前端開口から遊通・突出せしめて道糸係留端とすると
    ともに、前記先頭フレームの前記突出部分において、前
    記バネ伸縮体の伸縮移動端の前後動作又はコイルバネ巻
    芯の回転動作を水掻き動作又は音波発生動作に変換する
    ための生魚擬似手段を装備したことを特徴とする請求項
    1〜4項のいずれか1項記載のルアー。
  6. 【請求項6】 前記先頭フレームにおける前記前端突出
    部分の内側に回動自在の巻芯を有するコイルバネを収納
    したものにおいて、前記巻芯の両端が前記先頭フレーム
    の両側面又は上下カバー面に嵌合し、前記巻芯の回転動
    作を水掻き動作に変換するための生魚擬似手段となる一
    対のフラップを、それらの中立状態において前記巻芯の
    軸と前記先頭フレームの軸を含む面内に位置するように
    前記巻芯の両端に固定したことを特徴とする請求項5記
    載のルアー。
  7. 【請求項7】 前記先頭フレームにおける前記前端突出
    部分の内側にバネ伸縮体を収納したものにおいて、この
    バネの伸縮による前記伸縮移動端の前後動作を音波発生
    動作に変換するための生魚擬似手段が前記前端突出部分
    の両側内面又は上下カバー内面に形成されたやすり帯
    と、前記伸縮移動端に固定されてその前後動作に伴って
    前記やすり帯を擦るようにされたブラシとからなること
    を特徴とする請求項5記載のルアー。
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