JPH1113639A - 遊星カム型流体圧装置 - Google Patents

遊星カム型流体圧装置

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JPH1113639A
JPH1113639A JP16854597A JP16854597A JPH1113639A JP H1113639 A JPH1113639 A JP H1113639A JP 16854597 A JP16854597 A JP 16854597A JP 16854597 A JP16854597 A JP 16854597A JP H1113639 A JPH1113639 A JP H1113639A
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cam
curve
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planetary
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C2/10Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C2/113Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member the inner member carrying rollers intermeshing with the outer member

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】突出部数を増加しても容積率を大きくすること
ができる遊星カム型流体圧装置を提供する。 【解決手段】内周が歯形をなしかつ複数の内方突出部1
0aを有する外側カム10と、外周が歯形をなしかつ複
数の外方突出部12aを有する内側カム12と、外側カ
ム10と内側カム12との間でこれらに複数個が噛合し
てその間に流体室A〜Iを形成する遊星歯車14と、流
体室A〜Iに出入り口が臨む複数の進入・排出用流路2
0a,20bとを備え、外方突出部12aの谷部Kaか
ら山部Kbに至る回転方向の曲線を、その曲線の変曲点
Kの位置が谷部Kaと山部Kbとの間の角度の半分の位
置からずれるように形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポンプまたはモ
ータに適用できる遊星カム型流体圧装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来例(たとえば特公昭51-32784号) の
遊星カム型流体圧装置は、内周に複数の内方突出部を有
する外側カムと、外周に複数の外方突出部を有して前記
外側カム内に遊嵌された内側カムと、前記外側カムと前
記内側カムとの間でこれらに複数個が噛合してその間に
流体室を形成する遊星歯車と、前記流体室に出入り口が
臨む複数の進入・排出用流路とを備えている。
【0003】この遊星カム型流体圧装置は、ポンプとし
て使用する場合、外側カムを強制的に回転させて流体室
を順次収縮・膨張させ、収縮する流体室の排出用流路よ
り流体を圧送する。また、モータとして使用する場合、
流体室に順次高圧の流体を圧送することにより、流体室
が膨張するように外側カムが回転して回転動力が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】遊星カム型流体圧装置
をポンプおよびモータのいずれに使用する場合において
も、脈動率(モータ使用では回転速度の脈動率、ポンプ
使用では吐出量の脈動率)が大きいという問題があっ
た。発明者が計算した結果では、カムを最適な形状に設
計した場合の1回転中の脈動率は2.5%であった。
【0005】これに対して、内側カムおよび外側カムの
突出部数を増加することにより脈動率は低下することが
できる。たとえば内側カムの突出部数を4,5にし外側
カムの突出部数を5,6にすることが考えられる。しか
し、突出部数を増加すると、装置容積に対する押し退け
容積の比率(以下、容積率という)が低下し、経済的で
なくなるという欠点があった。
【0006】したがって、この発明の目的は、突出部数
を増加しても容積率を大きくすることができる遊星カム
型流体圧装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の遊星カム
型流体圧装置は、内周が歯形をなしかつ複数の内方突出
部を有する外側カムと、外周が歯形をなしかつ複数の外
方突出部を有して前記外側カム内に遊嵌された内側カム
と、前記外側カムと前記内側カムとの間でこれらに複数
個が噛合してその間に流体室を形成する遊星歯車と、前
記流体室に出入り口が臨む複数の進入・排出用流路とを
備えた遊星カム型流体圧装置において、前記内方突出部
または前記外方突出部の少なくともいずれか一方の、谷
部から山部に至る回転方向の曲線を、その曲線の変曲点
の位置が前記谷部と前記山部との間の角度の半分の位置
からずれるように、形成したことを特徴とするものであ
る。
【0008】請求項1記載の遊星カム型流体圧装置によ
れば、突出部の谷部から山部に至る曲線の変曲点の位置
をずらし最適値を求めることにより、突出部数を増加し
て脈動率を低下しても、容積率を向上することができ
る。請求項2記載の遊星カム型流体圧装置は、請求項1
において、前記変曲点の勾配が0.5からずれたもので
ある。
【0009】請求項2記載の遊星カム型流体圧装置によ
れば、請求項1よりもさらに脈動率および容積率が改善
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を図1な
いし図6により説明する。すなわち、この遊星カム型流
体圧装置は、図2および図3に示すように、内周が歯形
をなしかつ複数の内方突出部10aを有する外側カム1
0と、外周が歯形をなしかつ複数の外方突出部12aを
有して外側カム10内に遊嵌された内側カム12と、外
側カム10と内側カム12との間でこれらに複数個が噛
合してその間に流体室A〜Iを形成する遊星歯車14
と、流体室A〜Iに出入り口が臨む複数の進入・排出用
流路20a1〜20a5、20b1〜20b5とを備え
ている。
【0011】この実施の形態について、詳細に説明す
る。略円筒状の外側カム10には、これの内周面に全周
にわたって均等に合計5つの内方突出部10aを有する
内周歯形カム面10bが形成されている。外側カム10
の内周側には、これと同心に断面が略方形の柱状の内側
カム12が配置されている。内側カム12には、これの
外周面に全周にわたって均等に合計4つの外方突出部1
2aを有する外周歯形カム面12bが形成されている。
内周歯形カム面10bと外周歯形カム面12bとは互い
に直接かみ合わない関係に寸法設定されている。内側カ
ム12の軸心側には軸方向に貫通するスプライン穴12
cが形成されている。図2に示すように、外側カム10
および内側カム12の両側面には、前側板18、および
後側板20がそれぞれ配置されている。前側板18、外
側カム10、及び後側板20は、心合わせリング32、
34、および位置決めピン38、40によって互いに心
合わせされるとともに位置合わせされた状態で、それぞ
れ複数のボルト42、44によって一体状に締結される
ようになっている。このように心合わせリング32と位
置決めピン38とによって、外側カム10と前側板18
との心合わせを行い、また心合わせリング34と位置決
めピン40とによって、外側カム10と後側板20との
心合わせを行うことによってはめ合い公差に基づく相互
のすきまの影響を相殺して、それぞれの位置精度を確保
できるようになっている。また心合わせリング32、3
4は、流体の力および歯車間に作用する接触力によって
引き起こされる前側板18、後側板20などの局部的な
変形も防止することが可能である。前側板18には軸受
24が取り付けられており、また後側板20には軸受2
6が取り付けられている。上述の内側カム12を貫通す
るように駆動軸16が配置されている。駆動軸16には
クラウン加工されたスプライン軸部16aが形成されて
いる。駆動軸16のスプライン軸部16aは内側カム1
2のスプライン穴12cとはめ合わされている。駆動軸
16は、軸受24、26によって回転可能に支持されて
おり、前側板18よりも外方に突き出した軸端側が図示
してない被駆動装置と連結されるようになっている。後
側板20の軸受26の内輪側は、駆動軸16にねじ込ま
れたベアリングナット28によって駆動軸16と一体に
固定されており、また外輪側は、カバー22によって抜
け止めされている。カバー22は後側板20にボルト4
6をもって固定されている。前側板18は、これの段付
き部にはめ合わされる図示してないブラケットを介して
固定部に固定されるようになっている。
【0012】外側カム10の内周歯形カム面10bと内
側カム12の外周歯形カム面12bとの間のすきまに
は、両カム面10b及び12bと常にかみ合うように合
計9つの遊星歯車14が遊星運動可能に配置されてい
る。すなわち、遊星歯車14は、それぞれ両カム面10
b、12bと常時かみ合って自転しながら、外側カム1
0の内周歯形カム面10bに沿って移動(公転)するこ
とが可能である。
【0013】前側板18の内側面、後側板20の内側
面、外側カム10の内周歯形カム面10b、内側カム1
2の外周歯形カム面12b、および2つの遊星歯車14
によって図1に示すように、合計9つの流体室A、B、
C、D、E、F、G、H、Iがそれぞれ構成されてい
る。後側板20には、これの内側面の所定位置にそれぞ
れ開口する2組、合計10の流路が形成されている。す
なわち、内側面の所定の円周上に全周にわたって均等に
5つの一方側流路20a1、20a2、20a3、20
a4、20a5(これらを特に区別しない場合は、単に
20aと表示する)がそれぞれ配置されており、一方側
流路20aから半ピッチずつずらせた位置に5つの他方
側流路20b1、20b2、20b3、20b4、20
b5(これらを特に区別しない場合は、単に20bと表
示する)がそれぞれ配置されている。前側板18と駆動
軸16との間はシール部材30によってシールされてお
り、また後側板20とカバー22との間はシール部材3
6によってシールされている。
【0014】このように、外側カム10、内側カム1
2、遊星歯車14、駆動軸16、前側板18、後側板2
0などによって遊星カム型流体圧装置が構成されてい
る。図示してない圧力源から一方側流路20aを通って
容積増大行程側の流体室たとえば図示の配置状態で流体
室A、C、F、Hに高圧の作動流体をそれぞれ流入させ
ると、内側カム12が図中矢印で示す時計方向に強制的
に回転させられることになり、この内側カム12の回転
に応じて容積減少行程側の流体室B、E、G、Iから低
圧となった作動流体が他方の流路20bにそれぞれ流出
することになる。すなわち、遊星カム型流体圧装置にモ
ータ作用をさせることが可能である。これにより駆動軸
16によって図示してない被駆動装置を回転可能であ
る。なお、図示の状態で流体室Dは中立室となってい
る。
【0015】この遊星カム型流体圧装置の動作を説明す
る。装置はモータとして駆動されるものとする。図示し
てない圧力源から一方側流路20aを通って容積増大行
程側の流体室に高圧の作動流体を流入させることによ
り、内側カム12が図中矢印で示す時計方向に回転させ
られ、内側カム12の回転に応じて容積減少行程側の流
体室から低圧となった作動流体が流出させられることに
なる。このような動作が容積増大行程側の流体室に対し
て順次繰り返されるので、内側カム12が連続的に回転
することになる。これにより、遊星カム型流体圧装置に
モータ作用をさせることができる。すなわち、駆動軸1
6を介して図示してない被駆動装置を駆動することがで
きる。駆動軸16のスプライン軸部16aには、クラウ
ン加工が施されているので、駆動軸16に曲げモーメン
トが作用するような場合であっても、これとスプライン
結合する内側カム12には、これを軸方向に振れ動かそ
うとする力は作用しない。したがって、内側カム12と
側板18との間、内側カム12と側板20との間から漏
れる作動油の量をそれぞれ少なくすることができ、これ
らの間の摩擦力も小さくて済むので、損失動力も少なく
することができる。
【0016】つぎに、この実施の形態の内側カム12の
外方突出部12aの曲線に関して説明する。図1および
図4に示すように、内側カム12の外方突出部12aの
谷部Kaから山部Kbに至る反時計回りの回転方向の曲
線を、その曲線の変曲点Kの位置が谷部Kaと山部Kb
との間の角度の半分の位置からずれるように形成してい
る。また変曲点Kの勾配が0.5からずれるように形成
している。外側カム10は内側カム12および遊星歯車
14に対応して形成される。
【0017】以下詳細に説明すると、図1において、φ
は内側カムの回転角または内側カム曲線関数のパラメー
タ(極座標における接線座標)であり、内側カム曲線の
スタートライン(突出部12aのスタート位置φ=0)
から突出部12aの中心線までの角度をφ=1とする。
図1において、谷部Kaの半径は回転中心Oからの距離
(最小半径)Rmin、山部Kbの半径は回転中心Oか
らの距離(最大半径)Rmaxであり、したがって突出
部高さHrl=Rmax−Rminである。φbpは変
曲点Kに至る角度である。
【0018】図4は横軸をφ、縦軸を回転中心からの距
離r(φ)とした関数曲線である。r(φ)は内側カム
曲線CAMの半径または動径(極座標における半径座
標)であり、φ=0のときr(φ)=Rminであり、
Rmin=1とする。φ=1のときr(φ)=Rmax
である。変曲点Kにおける内側カム曲線CAMの勾配d
BPは、内側カム曲線CAMの変曲点Kにおいて、その
曲線関数の第1導関数、すなわち、 dr/dφ(φ=φbp)=drbp=tanα であり、接線の勾配を示す。
【0019】図4に示す曲線が当業者のしばしば用いる
通常の正弦曲線または余弦曲線であれば、変曲点Kの位
置(角度)φbpはφ/2すなわち、φ=1とするとφ
bp=0.5となり、このときdrbpは0.5となる。
この正弦曲線に対して、変曲点Kが0.5から山部Kb
側または谷部Ka側に若干ずれると、正弦曲線とは異な
り、Hrl,φbp,drbpをパラメータとする特殊な
関数曲線となる。
【0020】ところで、内側カム12の曲線は全てにお
いて対称形である。したがって、内側カム12の全突出
部12aはもちろん同一の形状を有するから、内側カム
曲線CAMの関数は1個の突出部12aのみについて考
慮すればよい。そして内側カム曲線CAMはその突出部
12aの中心線回りに対称で、中心において最大半径R
maxをもち、かつスタート位置で最小半径Rminを
有する。内側カム12の対称形はまた流体圧装置の正転
または逆転における同一運転を確保するものである。一
方、外側カム10の内方突出部10aからなる外側カム
曲線は内側カム曲線CAMと遊星歯車14によって形成
されることから、外側カム10の曲線関数の元関数は内
側カム曲線関数であり、もちろん内側カム曲線関数と同
様に全てにおいて対称形である。ゆえに、内側カム12
の外方突出部12aおよび外側カム10の内方突出部1
0aのそれぞれの曲線における1/2のみ限定すればよ
く、他の1/2については中心をまわる曲線でミラーイ
メージングすることができる。このミラーイメージング
の結果、転換点はそれぞれの突出部のスタートとなる谷
部Kaと突出部の中心となる山部Kbで生ずる。このた
め全体としてみると、内側カム12の外方突出部12a
の曲線すなわち内側カム曲線CAMの若干の変化が、流
体圧装置の脈動率や容積率などの性能に影響を与える。
すなわち遊星カム型流体圧装置の性能は、内側カム12
の突出部の数とその曲線および外側カム10の内方突出
部の数に支配される。
【0021】図1および図4に示すような例を用いて、
脈動率の低下と容積率の向上の両者相反する性能の向上
を目的にシミュレーションを実施した。この場合、突出
部数を増加させ、まず脈動率を低下させてから容積率を
向上させることを考えた。内側カム曲線に特殊関数を用
い、内側カムの突出部の高さHrlおよび変曲点Kの角
度φbpとその位置の勾配drbpなどの条件を探索し、
これらの3者がもっとも有効な条件であることを見出し
てシミュレーションを実施した。
【0022】このとき突出部数について、図1は内側カ
ム12の突出部数が4、外側カム10の突出部数が5で
あるが、図5は内側カム12の突出部数5、外側カム1
0の突出部数6の場合、図6は内側カム12の突出部数
3、外側カム10の突出部数4の場合であり、これらも
同様に行なった。表1は、変曲点Kの角度φbp=0.
5、勾配drbpは0.5の場合における、内側カム12
と外側カム10の突出部数の組合せにおける、Rmin
=1としたときの突出部の高さを表したものである。
【0023】
【表1】
【0024】突出部の高さHrlは脈動率にはほとんど
影響しないが、容積率に影響することから、まず内側カ
ム12の突出部の高さHrlを標準的な曲線関数を用い
て検討した。その結果、内側カム12および外側カム1
0のそれぞれの構成において、内側カム12の突出部の
高さHrlが可能な最大高さであるとき最適であること
を見出した。
【0025】表2は、内側カム12と外側カム10の突
出部数の組合せにおける、最適の突出部高さHrlにお
ける最小半径Rminに対する比Hrl/Rmin、変
曲点Kの角度φbpおよび勾配drbpを表したものであ
る。
【0026】
【表2】
【0027】変曲点Kの角度φbpと勾配drbpは、標
準的な曲線を比較の規準とするため、曲線の変曲点Kの
角度φbp=0.5と勾配drbp=0.5における前後
の数値を用いて探索した。すなわち、実現可能と予測さ
れた最適な変曲点Kの角度φbpの範囲および勾配は表
2のような範囲であった。表3は、内側カム12と外側
カム10の突出部数の組合せにおける脈動率と容積率を
表したものである。
【0028】ここで、遊星カム型流体圧装置の理論容積
Vthは次の式1により求めることができる。
【0029】
【数1】
【0030】ここに、Nroは外側カム10の内方突出
部10aの数、Nriは内側カム12の外方突出部12
aの数、Vmxは流体室A〜Iの最大時の押し除け容
積、Vmnは流体室A〜Iの最小時の押し除け容積であ
る。また、この装置を一定回転速度のポンプとして使用
した場合の1回転中の流量の脈動率Dthは、次の式2
により求めることができる。
【0031】
【数2】
【0032】ここに、Qmxは1回転中の最大吐出量、
Qmnは1回転中の最小吐出量、Wrは内側カム12の
角速度、Vthは理論容積(式1による)である。ま
た、容積率ηは、次の式3により簡略に求めるものとす
る。
【0033】
【数3】
【0034】ただし、
【0035】
【数4】
【0036】
【数5】
【0037】ここに、Rmnは内側カム12の歯車最小
半径、Hrlは内側カム12の外方突出部12aの高
さ、Rpは遊星歯車14の半径、Nrは遊星歯車14の
数、Vchは1つの流体室の押し除け容積、θは内側カ
ム12の回転角度、Wpは遊星歯車14の幅である。表
3は、種々のカム面形状に対して式1〜3を用いて計算
し、突出部の数ごとに最良のものをまとめて示してい
る。
【0038】
【表3】
【0039】この表3から、従来の外側カムの突出部4
つ及び内側カムの突出部3つのものと比較して脈動率と
容積率の両方を改善できるのは、本願発明の構成のもの
だけであることがわかる。なお、突出部5:3、6:
4、6:3、7:4、7:3、8:7、8:6、9:
6、10:6などの場合についても計算したが、いずれ
も4:3のものには及ばないか、設計不能となり、わず
らわしくなるので表3には示してない。
【0040】またこの表3は、勾配drbpが0.5の場
合で変曲点Kの角度φbpが0.5からずれた0.55
の場合、ならびに変曲点Kの角度φbpが0.55で勾
配が0.45、0.55にずれた場合について、それぞ
れの脈動率および容積率を表している。これに併せて、
従来の突出部数3:4を基準にした脈動率および容積率
の改善も表している。ただし、脈動率では−が改善を表
し、容積率では+が改善を表している。なお、注1は脈
動率が比較対象のものよりも悪化したので計算を省略
し、注2は流体室に連通する流路を設けることができず
設計不能であった。
【0041】その結果、内側カム12の突出部数4で外
側カム10の突出部数5のとき、および内側カム12の
突出部数5で外側カム10の突出部数6のときにおい
て、変曲点Kの角度φbpはφbp=0.5から山側に
ずれたφbp=0.55であるとき、容積率の向上にも
っとも寄与することがわかる。また変曲点Kの勾配dr
bp=0.55のとき容積率の向上に最適である。さらに
変曲点Kの勾配drbp=0.45のとき脈動率の向上が
もっとも有利である。また変曲点Kの角度φbp=0.
55および勾配drbp=0.5のとき、脈動率と容積率
を共に向上させることが明らかである。
【0042】上記から、流体圧装置として最も適当な構
成は、容積率の向上にウエイトを置いた場合、内側カム
12の突出部の数4、外側カム10の内方突出部の数
5、変曲点の角度φbp=0.55および勾配drbp
0.55であるといえる。また脈動率の向上にウエイト
を置いた場合、内側カム12の突出部の数5、外側カム
10の内方突出部の数6、変曲点の角度φbp=0.5
5および勾配dr bp=0.45である。
【0043】さらに、内側カム12の突出部の数3、外
側カム10の内方突出部の数4においても、正弦曲線か
ら変曲点Kの位置をずらせた特殊関数を内側カム曲線と
することによって、曲線に前記した変曲点の角度φbp
=0.55および勾配drbp=0.55のとき容積率が
改善されていることがわかる。なおこの場合に、変曲点
Kの角度φbp=0.55で勾配drbp=0.45,d
bp=0.5とすることももちろん可能である。
【0044】なお、実施の形態の説明においては、後側
板20に各流路20a1、20a2、20a3、20a
4、20a5、20b1、20b2、20b3、20b
4、20b5をそれぞれ形成するものとしたが、これら
は後側板20に形成しないで前側板18に形成するよう
にすることもできる。また、実施の形態の説明において
は、外側カム10の突出部5つおよび内側カム12の突
出部4つの場合を説明したが、外側カム10の突出部6
つおよび内側カム12の突出部5つの場合には、遊星歯
車の数が突出部の数の和に対応して11となり、流路の
数は合計で12形成することになる。
【0045】また、内方突出部10aについても、外方
突出部12aに代えてまたは内方突出部10aととも
に、谷部Ka、山部Kbを前記のように構成することが
可能である。外側カム10の変曲点および曲線を決め
て、これに応じて内側カム12の曲線を決めることも可
能だからである。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の遊星カム型流体圧装置に
よれば、突出部の谷部から山部に至る曲線の変曲点の位
置をずらし最適値を求めることにより、突出部数を増加
して脈動率を低下しても、容積率を向上することができ
る。請求項2記載の遊星カム型流体圧装置によれば、請
求項1よりもさらに脈動率および容積率が改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の遊星カム型流体圧装
置の変曲点の位置および突出部高さを説明する説明図で
ある。
【図2】遊星カム型流体圧装置の横断面図である。
【図3】図2の2ー2線に沿う断面図である。
【図4】横軸が角度φ、縦軸がr(φ)の関数曲線図で
ある。
【図5】外側カムの突出部の数が6、内側カムが5の場
合の変曲点の位置および突出部高さを説明する説明図で
ある。
【図6】外側カムの突出部の数が4、内側カムが3の場
合の変曲点の位置および突出部高さを説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
10 外側カム 10a 内方突出部 12 内側カム 12a 外方突出部 14 遊星歯車 K 変曲点 Ka 谷部 Kb 山部 φbp 変曲点の角度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周が歯形をなしかつ複数の内方突出部
    を有する外側カムと、外周が歯形をなしかつ複数の外方
    突出部を有して前記外側カム内に遊嵌された内側カム
    と、前記外側カムと前記内側カムとの間でこれらに複数
    個が噛合してその間に流体室を形成する遊星歯車と、前
    記流体室に出入り口が臨む複数の進入・排出用流路とを
    備えた遊星カム型流体圧装置において、 前記内方突出部または前記外方突出部の少なくともいず
    れか一方の、谷部から山部に至る回転方向の曲線を、そ
    の曲線の変曲点の位置が前記谷部と前記山部との間の角
    度の半分の位置からずれるように、形成したことを特徴
    とする遊星カム型流体圧装置。
  2. 【請求項2】 前記変曲点の勾配が0.5からずれた請
    求項1記載の遊星カム型流体圧装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001066948A1 (fr) * 2000-03-06 2001-09-13 Quan Zhang Machine volumetrique du type a engrenage
CN102865223A (zh) * 2012-09-14 2013-01-09 左文明 双级内啮合滚套泵
RU198868U1 (ru) * 2020-02-13 2020-07-30 Глеб Юрьевич Волков Вакуумный насос

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